真姫「希がにこちゃんのパートナー」 (37)
絵里「と言う事で今回はまずにこと真姫の二人で出て貰いたいんだけど」
真姫「え?私とにこちゃん?」
にこ「にこの真姫の二人で?」
穂乃果「へ~真姫ちゃんとにこちゃんか~。うん、いいと思う」
凛「いいにゃ、いいにゃ。似た者同士でお似合いにゃ~」
真姫、にこ「似てないわよ!」
凛「そう言う所にゃ~」
絵里「二人はどう?」
真姫「まあ…」
にこ「いいけど…」
絵里「そう。じゃあ、決定ね?で、その次の曲なんだけど…」
真姫「……」
にこ「……」
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にこ「で?どうすんのよ?」
真姫「どうするって?」
にこ「私と真姫の二人で歌うって言ったって曲も決まってないじゃない」
真姫「そうね。幸いまだ時間はあるんだし新しく作るって手もあるけど…って言うかそうじゃなきゃ二人でやる意味ないし」
にこ「それじゃあ…」
真姫「嫌よ。私も歌うんだから」
にこ「まだ何も言ってないんですけど」
真姫「曲は私が作れば良いけど…」
にこ「そうね。問題は作詞なのよね。だから私の作曲したにこにーにこちゃんを」
真姫「だから嫌だってば」
にこ「あっそ。じゃあ、どうすんのよ?」
真姫「二人で一から作曲するしかないじゃない」
にこ「まっ、そうなるわね」
真姫「私とにこちゃんが歌う曲…」
にこ「別に共通点がある訳でもないし好みも全然違うのよね」
真姫「そうね」
にこ「二年生組とか凛と花陽みたいに共有する思い出があったりする訳でもないしね」
真姫「まあ……そうね…」
にこ「まっ、でも。あんたと二人で歌うって言うのも面白いかもね。いきなり曲を作るって言っても無理だろうしいったん家に持ち帰って各々考えをまとめてきましょう」
真姫「ええ」
真姫「はあ…。まったく。私とにこちゃんだなんて…絵里も何を考えてるんだか…」
凛「え~、凛は本当に良いと思うけどなぁ。ね?」
花陽「うん。私も凄く盛り上がると思う」
真姫「そうかしら?」
にこ『あんたと二人で歌うって言うのも面白いかもね』
真姫「まあ……面倒だけどやるだけやってみるわ」
凛「きっとあれはやる気満々だと思うよ?」
花陽「うん、そうだね」
~別の日~
にこ「もっと王道路線で行くべきよ」
真姫「それは他のユニットでやるべきじゃない?」
にこ「いいえ、そんな事ないわ。ここは絶対に王道の方がいいの」
真姫「どうして?根拠はあるの?」
にこ「それは…」
真姫「にこちゃんが好きって言うだけでしょ?」
にこ「そうよ?その通りよ。それの何が悪いの?」
真姫「別に悪いとは言ってないわよ」
海未「なかなか難航してる様ですね」
穂乃果「まあ、良いんじゃないかな?こう…研鑽しあっていい曲が出来るんだよ。きっと…」
絵里「どう?二人の様子は?」
穂乃果「絵里ちゃん!」
海未「どうもこうも…」
真姫「じゃあ、せめて」
にこ「ダメよ。そこは譲れないわ」
海未「あんな感じです」
絵里「なるほどね。二人のライブに対する気持ちが妥協を許さないのね」
海未「だと良いのですが」
絵里「大丈夫よ。あの二人なら。さあ、私達も自分の持ち場に戻りましょう」
海未「ええ。そうですね」
穂乃果「………」
海未「穂乃果?どうしたのですか?まだ何かありますか?」
穂乃果「うん…まあ…たいした事じゃないんだけどね」
海未「真姫とにこの事ですか?」
穂乃果「ううん。絵里ちゃん、制服のボタンを掛け違えてるよ?」
絵里「え?」
真姫「はあ…もう、全然ダメ」
花陽「そうなの?」
真姫「ええ。にこちゃんと意見も全然合わないし」
凛「にこちゃんも拘り強いもんね」
真姫「そうなのよ。にこちゃんたら全然引かないし」
凛「それはお互い様じゃないのかな?」
真姫「そんな事ないわよ」
凛「ほら」
真姫「なっ…と、とにかく大変なのよ」
凛「そっか。確かににこちゃんは見栄っ張りだし拘り強いしその上素直じゃないし。真姫ちゃんも大変だね」
真姫「べ、別にそこまで言ってないでしょ。そ、それじゃあ私はこっちだから」
凛「……真姫ちゃんも素直じゃないよね?」
花陽「うん。そうだね」
~さらに別の日~
にこ「だから…そこの部分は変えた方がいいわよ」
真姫「ダメよ。絶対にここは変えたくないの。にこちゃん全然分かってない」
にこ「はあ?何ですって?」
海未「この光景を数日前にも見た様な気がするのですが…本当に大丈夫なのですか?」
絵里「大丈夫…のはずなんだけど…組み合わせ間違えたかしら…」
海未「不安になる様な事言わないで下さい」
絵里「はあ…組み合わせ間違えたかしら…」
希「ん~?」
絵里「にこと真姫よ。あの二人なら上手く行くと思ったんだけど」
希「ああ、難航してるみたいやね。でも、大丈夫やと思うよ?」
絵里「そう?」
希「うん。こないだ真姫ちゃんと二人になった時にね」
希『にこっちとなかなか意見が合わないんやって?凛ちゃんから聞いたよ?』
真姫『にこちゃんが分かってくれないのよ』
希『そうなん?』
真姫『そうよ。自分の好みばっかり。にこちゃんがアイドルが好きでずっと憧れてた事は知ってるけど…せっかく二人で歌うんだから…私は…』
希『ん?』
真姫『やっぱり、なんでもない。とにかくにこちゃんは勝手なのよ。何が二人で歌うのは面白いかもねよ』
希『ふ~ん』
希「って言ってたんよ」
絵里「どこが大丈夫なのよ?その話を聞いたら不安になったわよ」
希「そうかな?」
絵里「そうよ。あ~私の采配ミスだわ。ビビッと来たんだけどなぁ」
希「大丈夫やって。そんな事よりパフェでも食べに行こうよ」
絵里「そんな事って…」
~またまた別の日~
にこ「だから…はあ…もうなんなのよ」
真姫「にこちゃんの方こそ。全然わかってくれないじゃない。二人で歌う曲なんだから…」
にこ「だからいい曲にする為にもにこは言ってるの」
真姫「だったら」
にこ「なによ?」
海未「あれからちっとも進んでない様ですね…」
ことり「だ、大丈夫かな?」
穂乃果「ちょっと心配だね…」
にこ「だいたい、あんたはねぇ」
真姫「何よ?」
ことり「なんか喧嘩になりそうな…」
穂乃果「って言うか既にもう喧嘩だよ」
海未「ど、どうしましょう?」
絵里「私、止めてくる」
穂乃果「絵里ちゃん」
絵里「ちょっと二人とも喧嘩はやめなさい」
真姫「絵里?」
にこ「なによ?別に喧嘩なんてしてないわよ」
絵里「そうは見えなかったわよ?」
真姫「にこちゃんの言う通りよ。別に喧嘩なんてしてないわ」
にこ「そうよ」
絵里「そう言う時ばっかり意見が一致するのね…」
真姫「別に喧嘩なんかしてないけど…」
絵里「けど?」
真姫「にこちゃんが…」
にこ「なによ?私が悪いって言うの?」
真姫「そんな事は言ってないじゃない」
にこ「言ったじゃない」
真姫「言ってないわよ」
絵里「ちょっと二人とも」
希「お~やってるなぁ」
絵里「希…」
にこ「だいたい、あんたは前から何かあると私に突っかかって来て何が気にくわないのよ」
真姫「そんな事…」
にこ「可愛くないのよ、あんたは」
真姫「だったら…」
にこ「何?」
真姫「だったら、他の子とやればいいじゃない。どうせ私は可愛くないわよ」
にこ「あんたねぇ…」
希「いいの?」
真姫「え?」
にこ「は?」
絵里「希?」
希「いいの?だったら、にこっちはウチが貰うよ?」
真姫「なっ…」
にこ「え?」
絵里「ちょっと、希?」
希「だって、もうコンビ解消するんやろ?だったらウチがにこっちと二人で歌うよ」
真姫「いや、それは…」
希「ん?どうしたん?やっぱりにこっちは渡したくない?」
真姫「か、勝手にすればいいじゃない。のしつけてくれてやるわよ」
希「じゃあ、決まりやね。えりち?ライブの一曲目はウチとにこっちで行くね?」
絵里「え?う、嘘でしょ?」
穂乃果「え?じゃあ、希ちゃんとにこちゃんのコンビで歌うの?」
凛「急な展開にゃ~」
希「うん。そう言うことやね」
にこ「ちょっと。私はやるなんて一言も」
希「ウチとやるのは…嫌?」
にこ「そ、そんな事は言ってないじゃない」
海未「しかし…真姫はそれでいいのですか?」
花陽「そうだよ。真姫ちゃんだって二人で歌う曲を一生懸命…」
真姫「別に…私はいいのよ…」
希「って本人も言ってる事やし。なー、真姫ちゃん?」
真姫「そうよ…」
花陽「でも…」
絵里「悩んでても仕方ないわ。そうこうしている内にあっという間にライブ本番よ?」
海未「しかし、放っていていいのですか?」
絵里「しょうがないわ。希も何も考えなしにやってる訳じゃないと思うし」
ことり「そうだよね。希ちゃんが酷い事する訳ないよね?」
希「さあ、にこっち?音楽室で二人っきりで曲作りしようか?」
にこ「え?ええ…」
真姫「くっ…」
希「ん?真姫ちゃんどうしたんかな?」
真姫「なんでもないわよ。凛、花陽、行くわよ?」
花陽「え?」
凛「う、うん」
海未「あれ…楽しんでませんか?」
絵里「そんな事はない…と思う…」
真姫「はあ」
凛「ねえ、真姫ちゃん?にこちゃんと仲直りしたら?」
真姫「だって…」
凛「勢いで言っちゃっただけなんでしょ?」
真姫「別に…」
凛「本当はにこちゃんとやりたいんでしょ?」
真姫「そんな事は言ってないわ」
花陽「時間が経つとどんどん仲直りしにくくなっちゃうよ?それにライブの練習だってあるんだし」
真姫「……そうね」
花陽「仲直りするの?」
真姫「よ、よくよく考えたらにこちゃんと希じゃあ作詞は出来ても作曲出来ないし。そんなんでライブが台無しになったら最悪だし。それに…」
凛「もう何でもいいから行くにゃ~」
真姫「わ、分かってるわよ」
凛「やっと言ったにゃ」
花陽「仲直り出来るといいね」
凛「大丈夫だよ。勢いで喧嘩しちゃっただけなんだから」
花陽「そうだね」
凛「それにしても真姫ちゃんも大変だね?」
花陽「どうして?」
凛「理由をつけなきゃ仲直りも出来ないんだよ?」
花陽「真姫ちゃんらしいよね?」
凛「そうだね」
真姫「にこちゃんなんか私が居なくちゃ曲作りなんて出来ないんだから。そうよ。私が大人になって一言ごめんって言えば…きっと…」
にこ「ちょっと希あんたは何がしたいのよ」
希「何って…にこっちと二人で歌いたいって言ったやん。聞いてなかったの?」
真姫「にこちゃんと希の声だわ」
にこ「聞いてたけど…悪ふざけなんでしょ?」
希「にこっち…まだ気がつかないの?」
にこ「え?」
希「ウチはにこっちの事をずっと……」
にこ「え?え?」
希「ずっと…」
にこ「いや…あの…私は…そんな…女同士だし…そう言う気は…」
希「小さいのに頑張ってて偉いなぁって思ってたんよ?」
にこ「は、はあ?あんたやっぱり馬鹿にして遊んでるだけでしょ?何が小さくてよ!」
希「え~褒めてるのに~」
にこ「どこがよ。はあ、あんたの悪ふざけには付き合っていられないから」
希「え~」
にこ「え~じゃないわよ」
希「にこっち、やっぱり真姫ちゃんと一緒に歌いたいの?」
にこ「そ、それは…」
希「ん?どうなん?戻りたいんやないの?」
ガチャ
真姫「にこちゃん…あの…」
にこ「だ、誰が真姫なんかと。むしろ、せいせいしたわ。まあ、でも真姫の方から」
真姫「にこちゃん…」
希「あっ…真姫ちゃん…」
にこ「え?………真姫?」
真姫「そう…。にこちゃんの気持ちはよくわかったわ」
にこ「ち、違うのよ」
真姫「二人で歌うのが凄く楽みって言ったくせに。」
にこ「いや…そんな事は言ってない」
真姫「もう知らない」
ガチャン
希「あ~あ」
にこ「あんたのせいでしょ」
真姫「もう、にこちゃんなんか知らない。勝手にすればいいんだわ」
絵里「あっ、真姫!?」
穂乃果「真姫ちゃん!にこちゃんと仲直りしに行ったんだって?」
真姫「知らないわよ!!!バカ!!!!」
穂乃果「ええ?こ、怖~。絵里ちゃん…」
絵里「わ、私だって怖いわよ…」
ことり「これは結構深刻だね?」ヒョコ
海未「そうですね。このままだと心配ですね」ヒョコ
絵里「隠れて見てたのね。ズルいわよ」
海未「申し訳ありません」
にこ「どうすんのよ?」
希「何が?」
にこ「何がじゃないわよ。真姫の事よ」
希「ん~何か問題でもある?だって、にこっちは別に真姫ちゃんと一緒にやりたい訳じゃないんやろ?」
にこ「そ、それは…」
希「だったらええやん」
にこ「でも…」
希「さあ、とりあえずウチらも作業しよう?ウカウカしてたらライブまであっという間よ?」
にこ「う、うん」
~数日後~
絵里「と言う事で練習に移りたいと思うんだけど…」
真姫「………」
絵里「あの…それじゃあ…解散で…」
希「さあ、にこっち。ウチらも行こう?」
にこ「え、ええ…」
絵里「ちょっと、希」
希「ん?」
絵里「ちょっと」
希「なあに?」
絵里「なあに?じゃないわよ。いい加減にこを真姫に返してあげなさいよ」
希「そんな事言っても…ウチは実はにこっちの事が…」
絵里「冗談はいいから。もうこっちの身が持たないわよ」
希「だって二人にその気がないんやろ?」
絵里「あのねぇ…あの二人の性格を知ってるでしょ?引っ込みがつかないだけなんだから」
希「ふ~ん」
絵里「ふ~んってあなたねぇ…」
希「さて、始めようか?」
にこ「ええ…」
希「ん?どうしたん?」
にこ「別に…」
希「さっ、曲も大分出来てきたし」
にこ「そうね…」
希「もう。なんなん?やる気ないの?」
にこ「そう言う訳じゃなくて…」
希「はあ…ちょっと出てくるわ」
ガチャ
にこ「え?どこに行くのよ?」
希「……」
凛「あっ、希ちゃーん」
希「ん?どうしたん?」
凛「そろそろ真姫ちゃんもにこちゃんも可哀想だよ?」
希「何が?」
凛「何がって…意地悪はなしだにゃ」
希「そうやね。そう言えばにこっちも真姫ちゃんと仲直りしたいって言ってたよ?」
凛「本当?」
希「うん」
凛「じゃあ、真姫ちゃんにそう伝えて来るよ」ダッ
希「廊下は走ったらあかんよ」
海未「真姫?意地を張っていても仕方ありませんよ?」
真姫「別に…意地なんか張ってないわよ」
海未「張ってるじゃないですか。ケンカをしたって何もいい事はありませんよ」
穂乃果「そうだよ。海未ちゃんの言う通りだよ。まあ、海未ちゃん結構怒るけどね」
海未「それはあなたがだらしないからでしょう?」
穂乃果「そんな事ないよ」
海未「そんな事あります。ついこの間だって…」
ことり「ちょっと、二人とも~」
真姫「……」
凛「真姫ちゃ~ん」
真姫「凛…」
花陽「凛ちゃん?どうしたの?」
凛「あのね、にこちゃんが真姫ちゃんと仲直りしたいんだって」
真姫「え?で、でも…」
凛「もう、何でもいいから行くにゃ~」
真姫「え、ええ…」
ガチャ
希「にこっち?どう?」
にこ「どうって…何がよ?」
希「やる気でた?」
にこ「希…あの…」
希「なあに?」
にこ「やっぱり…やっぱり、私は希と二人では歌えないわ」
希「え?どうして?」
にこ「それは…」
希「真姫ちゃんと歌いたいの?」
にこ「そう。そうよ!私は真姫と二人で歌いたいのよ」
希「ふふっ」
にこ「な、何よ?」
希「やっと素直になったやん」
にこ「ちょっ」かぁぁぁ
希「あ~あ~ウチは振られちゃったなぁ。まあ、振られてしまったものはしょうがない」
にこ「希…あんた…」
ガチャ
希「あら?」
真姫「…」
にこ「真姫…」
希「真姫ちゃん居たんやね~」
にこ「も、もしかして聞こえてた?」
真姫「何がよ?」
にこ「別に…聞こえてないんならいいのよ」
真姫「そう」
希「さてと…ウチはにこっちに振られてしまったから元いた場所にもどるわ」
ガチャ
真姫「希…」
希「さて」
絵里「希…」
希「えりち?どうしたん?」
絵里「助かったわ」
希「何の事?」
絵里「……さあ?」
にこ「……」
真姫「……」
にこ「その…」
真姫「まだ、完全下校まで時間があるわ」
にこ「え?」
真姫「私と二人で歌いたいんでしょ?」
にこ「なっ、そ、それはあれよ?あくまでライブを成功させる為に」
真姫「はいはい」
にこ「本当なんだからね?」
真姫「分かってるわよ」
海未「さあ、希が居ない間遅れてしまったので明日から特訓です。厳しく行きます」
凛「え~」
希「いや、あのな?海未ちゃん?実はウチは真姫ちゃんとにこっちの為に…」
海未「それはそれです。遅れているのは事実なのですから」
凛「最悪にゃ~」
希「誰かウチの事を助けて」
終
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