――会社のオフィスにて
男「――んで、まぁ俺から告白することになったんだ」
後輩「(ΦωΦ+)ホホゥ...それでそれで、なんて言って告白したんですかっ!?」
男「な、なんでそんなことまで言わなきゃなんないんだよ...」
後輩「そこまで話されたら聞かないわけないじゃないじゃないですかぁ~、もったいぶらずに言ってくださいよ~」
男「...す、好きだって、一言だけ」
後輩「ウェイウェイウェイィ~!!たまんないっすねぇ先輩ィ!!」
男「うっせーよアホ」
後輩「で、最後はお得意のキスで締めたんですか?え?え?www」トントンッ
男「調子乗ると帰りのスタバ全部お前持ちにさせんぞ」
後輩「すいませぇーっんwww」
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――仕事終わり、スタバにて
後輩「ホワイトチョコレートモカフラペチーノのグランデで、追加でキャラメルソースヘーゼルナッツシロップチョコレートチップエキストラホイップエスプレッソショット1杯で」
男「毎回その呪文のような注文はなんなんだ」
後輩「いや美味いんすよこれ、飲んでみます?」
男「いいよ別に...あ、電話かかってきた」ピッ
男「...ああ、それでよろしく、じゃあまた週末の夜に」ピッ
後輩「誰と電話してたんっすか?」
男「あー、ちょっとタメの女友達にな」
後輩「あ、浮気っすか浮気っすかぁ?www」
男「んなわけねーだろアホ」
後輩「いやぁ、先輩も結構ヤリ手っすねぇw奥さんに黙って週末に他の女性とパコるんすか?パコパコしちゃうんすか?www」
男「あのなぁ...」
後輩「あ、否定しないって事は...」
男「マジで奢らせるぞコラ」
*
後輩「いやー、毎回毎回ゴチになりますwww」
男「ったく...」
後輩「あ、先帰っててください、俺トイレ行ってくるんで」
男「わかった、じゃあな」
後輩「あっ、あと今度、あの女友達のことも聞かせてくださいよぉ~?www」
男「さっさとトイレ行ってこい」
後輩「ウェイwww」
――男の自宅
男「ただいま~」
妻「おかえり」
男「ふぅー疲れた」ドサッ
妻「今日はどうだった?」
男「んー...まぁ、普通かな」
妻「...そう、また後輩くんとスタバ?」
男「まぁな」
妻「そういえば今日、ごみ捨てに行ったら高校の時の同級生に会ったわよ」
男「そうなのか」
妻「そうそう、あのメガネかけてよくスピーチのコンテストで賞取ってた...」
男「坂本?」
妻「そう!雰囲気そのまんまで全然変わってなくてびっくりしたわよ、そんなに関わったことないから話しかけなかったけど」
男「へぇ」
妻「あ、お風呂湧いてるから先入ったら? その間にご飯作っておくから」
男「ああ、そうする」
*
男「...」スタスタ
妻「あ、ちょうどご飯出来たわよ」
男「...なぁ妻、最近風呂熱くない?」
妻「そう?私は普通だと思うけど」
男「なんか段々熱くなってるような気がすんだよね...お前最近冷え性なんじゃないか?」
妻「そうかしら...」
男「絶対そうだって」
妻「...そうね、もうちょっと湯冷ましとく」
*
男「...」モグモグ
妻「あ、そういえば今度やる「月と雷」って映画、面白そうだったわよ、一緒に見に行かない?」
男「仕事じゃなければいいよ」
妻「...こ、今週の休日は大丈夫?」
男「あー、今週か...ちょっと無理かも」
妻「...そうなの、来週は?」
男「来週なら多分大丈夫」
妻「じゃあその時見に行きましょう?」
男「ああ...あ、ちょっとお酒くれる?」
妻「ええ、持ってくるわ」
妻「ごめんなさい、お酒切れちゃってるみたい...このあいだ買っとけば良かったわね」
男「えーマジか...今度は買っといてくれよ」
妻「...ねぇ」
男「ん、なに?」
妻「そういう言い方はないんじゃないかしら?」
男「え...?」
妻「私だって一生懸命男がいい気持ちで帰ってこれるように努力してるんだから...」
男「え...いや、急にどうしたんだ――」
妻「だいたいお風呂のことだってそう...せっかく沸かしておいたのに、ありがとうの一言も言わずに!?熱い熱いって!?」
男「あ、あれは本当に熱かったし...ってかお前もそんな熱くなるなって――」
妻「それに最近、私が何か話してもいつもそっけない返事ばかり!語彙力ないんじゃないかしらってくらい一言返事よね!?」
男「な、語彙力ないは酷くないか!?」
妻「じゃあなんで一言返事しかしないわけ!?バカなの!?頭回んないのかしら!?」
男「バカじゃねーよ!だいたい学生の時は俺の方が頭良かった――」
妻「そ、それは今関係ないわよ!!」
男「ププッ、やっぱりまだ気にしてるんだな」
妻「うるさい!!人間としての頭の良さは私の方が上よ!あなたなんて、学力だけで生活力も知識も何も無いじゃない!」
男「んなわけないだろ!!」
妻「...へぇ、じゃあ今ここで、どちらが頭がいいか、決める?」
男「望むところだ...で、なにすんだよ」
*
男「なんでしりとりなんだよ」
妻「これが1番手っ取り早く知識量が量を測れるじゃない、そうでしょ?」
男「んん...まぁ、そうなのか?」
妻「早速始めましょう?最後に「ん」がつく言葉を言ったらしりとりは終わりよ」
男「そんなことはわかってるよ」
妻「あなたの頭のために一応易しく説明しただけよ」
男「こんの...!」
妻「悔しかったら私に勝つことね」
男「上等だ!!」
妻「じゃあまず、しりとりの「り」」
男「...リンゴ!」
妻「ゴダイゴ」
男(こ、コイツ...いきなり同じ文字で返してきやがった...だったらこっちもゴだ、ゴ...!)
男「ゴギガ・ガガギゴ!」
妻「ゴ...なにその変な名前」
男「えーと...遊戯王...///」
妻「うるさいほど濁音のつく名前ね...ゴルゴ」
男(ゴルゴーーー!!しまったそれがあったか...くっ...)
男「く、くそ...ゴ、ゴルゴ」
妻「ゴルゴって今言ったじゃない」
男「いや、怪獣の方だぞ!!」
妻「そう...変なとこから拾ってくるのね...ゴルゴ」
男「ゴルゴは今言った――!」
妻「ただし芸人の方」
男(うわぁぁぁ...そういえばいたなぁぁぁぁ...あと「ゴ」で返せるもの...ゴ...ゴ...)
男「...ゴディバ」
妻「...バカね、フッ」
男「フッて笑うな!」
妻「何してもまぁ、あなたの頑張りは認めるわ...ラウラ(※小惑星)」
男(ラウラ...く、また同じ文字で返してきやがった...だがそのパターンに乗せられて、俺も同じ文字で返したら、結局返せなくなるのがオチ、妻もそれが狙いだろう...ならばスルーするまで!ラ...ラ...)
男「ラモス」
妻「すん...!」
男(ん?)
妻「...スイス」
男(...スイス...なるほど、「す」攻めにシフトしたか...だがな、その程度で俺がやられると思ったら大間違いだ...す...す...)
男「スリランカ!」
妻「カラス」
男「簀巻き!」
妻「キリギリス」
男「スワロフスキー!」
妻「キース」
男「スロバキア!」
妻「アメイジング・グレイス」
男「す...す...姿焼き!」
妻「き...って、さっきからあなた微妙なチョイスばかりね」
男「ネチネチと...!咄嗟に思いついたものを言ってるだけだ!す...す...!くくく...」
妻「くくく...って、何その気持ち悪い笑い」
男「いやいや、そういえば「す」がつくもの、いいものがあったなぁと」
妻「とりあえず早くいいなさいよ」
男「ようし言ってやろう...スターバックス!!」
妻「スーツケース」
男(すぅぅぅぅぅぅぅ...)
*
男「す...す...!!」
男(す...ダメだ、これ以上「す」の付くものが全く思いつかん...だけどそしたら妻に負けることに...クソ、どうすんのよ俺、どうすんのよ!?)
妻「余裕がなくなってきたみたいね。そろそろ諦めた方がいいんじゃない?」
男「いや、諦めん!」
ピポン♪
妻「ん...?あなた後輩からLINEが届いて...」
後輩からの通知『手帳スタバに忘れてるっすよ先輩w仕方ないから明日会社持ってきますわ~wあっ、お礼にあの浮気相手の話してくださいねwww』
妻「...ねぇ、なんなのこれは?」バッ
男「は...?あ、いやこれは違う...」
妻「浮気相手ってどういうこと!?」
男「と、とりあえず落ち着け!それは違うんだって!」
妻「手を尽くしてきたのに...これだけ手を尽くしてきたのに、あなた他の女に乗り換えたっていうの!?」バァン!!
男「ノー!断じてノーだ!だからそれは誤解なんだって!浮気なんかしてない!」
妻「言い訳なんて聞きたくない!」
男「言い訳じゃないんだって!!マジでしてない――」
妻「――いいわ、じゃあこの浮気相手が何なのか、ちゃーんと説明してもらうわ」
男「わ、わかった...とりあえずその浮気相手ってのは誤解で、俺が高校の時の女友達と電話で喋ってたら勝手にあいつが浮気相手だって言い出したんだよ...」
妻「用件は?」
男「は?」
妻「は?じゃなくて、その女友達と何話してたのよ」
男「よ、用件は...その...なぁ...」
妻「なんで話せないわけ?」
男「け、けど、浮気じゃない!」
妻「今ので信じられるわけないでしょ!? だいたい前々から怪しいと思ってたのよ!! 最近帰りはやけに遅いし、や、やたらと私に冷たいし...ん?」
プルルル♪
妻「んん...噂をすれば」バッ
スマホの画面『女友達』
男(ば、バカ...なんてタイミングでかけてきやがんだ...!)
妻「ダメね...私に隠し事をしようだなんて無駄よ...こうやって、嘘をついたら必ずバレるんだから」ピッ
妻「もしも――」
女友達「もしもしー?頼まれてたレストランの予約の件なんだけどさ、オッケーみたいだよー?奥さんとの誕生日パーティーの予定にははめられそうねー、あ、そうだ、そのレストランの誕生日サプライズの流れなんだけど...」ピッ
妻「...」
男「ど、どうした?」
妻「...」
妻「...誕生日...覚えててくれたのね」
男「...練ったんだぞ結構、せっかくの結婚してからの、初めての誕生日パーティーだったからさ...まぁ、この通り、バレちゃったわけだけど...」
妻「...怒鳴ってごめんなさい」
男「いや、いいよ...俺も悪いところはあったんだ。最近疲れて、お前に素っ気ない態度ばかり取ってたし...」
妻「仕方ないわよ...疲れてたのは分かってたから...」
男「楽にできるよう、これからお前の家事も手伝うよ。素っ気ない態度も、もう取らない」
妻「いいの...私も、高望みしてた部分もあったから...でも、ありがとう」
男「うん...俺も早くお前のそういう部分に気づいてれば...」
妻「...バカね、私も、ちょっと熱くなりすぎたみたい...それで勢いでしりとりなんてやっちゃって...」
男「...って、そういえば、しりとりってどこで終わった?」
妻「...確か、あなたが何も思いつかなくて、「す」で終わったまま」
男「マジか...あっ...「す」がつくもの、あったな...」
妻「何?言ってみてよ、「す」」
男「...」
男「...好きだ」
妻「...!」
妻「...大好きよ...私も」
男「もう...冷たくなんてしないから...ごめん」
妻「...」
男「...」
男・妻「「ん...」」キスッ
ピンポーン♪
男「ん...?なんだよ...」スタスタ
ドア「」ガチャ
後輩「よっす!先輩、やっぱ手帳今日届けに来たッス!!」
男「...スじゃねぇよスじゃあ...!!」
後輩「あれ?どうしたんすか?あ、そうだ、あの女友達のことなんすどwww隅におけないっすよねぇ先輩も?いやいやぁwww」トントンッ
男「野郎...ぶっ殺してやぁぁぁぁる!!!」ガシッ
後輩「ルックスはそんな大したことないのに...って、うわっ!なにすんすか先輩!!パワハラっすよパワハラ!!www後輩に対する暴力っすよ!!www」
男「呼んでもないのにいいとこでオチを邪魔しやがってぇぇぇぇぇ!!!」
後輩「ってえええええ!?何の話っすか!?あっわかったw浮気相手と奥さんで揉めたんすか?wそうなんすか?そうなんすか?www」
男「帰れオマエもう!!」
後輩「ウェイwwwwww」
勢いだけで書き上げたものです
素晴らしく短いですがこれで終わり
このSSまとめへのコメント
勢いは認める。だがゴミだ