周子「切なさ想いシューコちゃん」 (36)
周子が可愛くて書きながら他の方のSSを読んでたらそれらのあまりの完成度に打ちひしがれ、心折れそうになりながらもなんとか完成したので、よろしければご覧ください。
諸先輩方の100000分の1でいいから才能ほしい……
※
・地の文多め
・妄想設定あり(周子とPが15歳の時に一度出会っている、劇中の周子は二十歳、大学在学)
よろしくおねがいします。
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「んみゅ……」
瞼の裏を照らす綺麗な光と、パチパチと無機質なキーボードの弾ける音で目が覚めた。
「起きたか」
寝ぼけまどろみながら瞼を開くと、いつもと違うせんべい布団のシーツと、きゅっとあたしを現実に引き戻してくれる低めの声。
ああ、この感じ。めっちゃひさびさやなあ。
「おはよー、Pさーん……」
「飯、テーブルの上に置いといたから。食べちゃいな。」
「んー……」
頭をもたげると、私を柔らかく包んでいたタオルケットが落ちる。同時に霧散する、心地良い匂い。
昨日の夜、ずっとあたしを包んでくれた、Pさんの香り。
その主はといえば、シューコちゃんに背中を向けてパソコンに向かってパチパチやってる。
ああ、これ。出会ったときと全く一緒だ。
それが嬉しいやら、腹立たしいやら。
出会ったときから、二人の間は随分色んなものが変わったと思うんだけど。例えば……あたしは、Pさんの香りがふっと逃げてっちゃっただけで、どーも寂しくなっちゃうくらいには、今じゃあんたがそばに居てくれなきゃ調子出ないのに。
あんたは寝起きのしゅーこちゃんほっぽっといて、熱心に資料作りかい。本当、あのときから変わらないね。
ムカついたから、昨日あなたがしてくれたのと同じくらいの強さで、後ろから抱き締めてやった。
「ん……こら。冷めるぞ、朝ごはん。」
「あんなー、Pはん」
「うん?」
あの時は私はたしか15歳で、Pさんはプロデューサーじゃなくて、マネージャーだった。
高校に行く、行かないでおとんと大喧嘩して、実家を飛び出したきり行き倒れ同然になってたあたしを拾ってくれたあのときも、Pさんは一枚だけのせんべい布団にあたしを寝かせて、自分は背中向いてパチパチパソコン打ってたっけな。
四畳間に一枚しか敷けない布団を譲って、高熱出してひっくり返ってた見ず知らずのあたしのこと、一晩中見ててくれたんでしょ。
少女マンガみたいに優しくて甘々なくせに、君は絶対、俺は優しいって、あたしに伝えてくれないんだ。
こっち向きなよ、もう。
「……この、いけず」
「なんで?」
結局、一緒に暮らした……もとい、匿ってもらったのは一ヶ月くらいだったのかな。
実家は大切にしろ、学校は行けるなら行け、ってPさんにも言われたねー。
あの時、あたし噛み付いたなー。今思えば、Pさんに捨てられるって思ったのかな。
それっくらい、Pさんに受け止めてもらってたんだね。あたしの色んな部分を。10代の家出娘を一ヶ月も匿うって事だけでも、ちょっと考えたってムチャなことだって思うし。
そしたら、「もしそれでも面白い事が何も無かったら、俺が周子を迎えに行く。周子をアイドルにして、一緒に面白い事探すから。必ず行くから、それまで頑張れ。」って言ってくれた。
本当に迎えに来てくれたときは驚いたよ。「すっかり看板娘だな」って笑ったPさんが店先に立ってた瞬間は、たぶん一生忘れないよ。
「俺もようやくプロデューサーだ。」って。サラッと言ったPさんが、その一言を言うためにどれくらい真剣に仕事に打ち込んでくれたのかって、当時はわからなかったけど。
あんとき魔法をかけてもらったんだって、あたしはハッキリわかるよ。
「ありがと……」
「なんだい、それ。」
「うっさい……」
聞き返さんといて。これでも、精一杯なんやから。
「へんなしゅーこー」
うっさいあほ。
あたしがこないへにゃへにゃになってまうの、あんたのせいやよ。
「大学どうだ?」
「どう? んー、むー? ふつう、かなー?」
「彼氏出来たか?」
「あれ、作って良いの?」
「ダメ。」
「あかんのかーい。」
高校も行かずこの業界に飛び込んだPさんにとっては、スクールとかキャンパスってのはちょっと憧れらしい。よく、「大学楽しいか?」みたいなことを聞いてくる。芸能関係者さんて、T大KY大ですみたいなヒトも珍しくないもんね。あたしはそういうの、よくわかんないけど。
大学……たぶん普通に通えばそれなりに楽しさもあるんだろうけど。正直、仕事の事を考えてる方がワクワクする。あのシューコちゃんがよくもまあこんなにアクティブになったって、自分でもよう思うけどね。たぶん、Pさんがくれた世界以上の衝撃は、そこには無いなぁって予感がしてる。
大体、お陰さんで大学でもすっかりレアキャラ扱いだしなー。ちゃんと単位取りきって卒業したフレちゃんは偉いと思うよ。
……仕事がワクワク、なんて、実家の手伝い嫌々やってたあたしが聞いたら、どんなカオするだろーね。それくらい、あの時迎えに来てくれた魔法使いさんから始まった毎日は鮮やかで、色んな意味でかけがえがないんだ。
あ、そうそう、いまシューコちゃんは奏と同じ大学に通ってます。わたしはなんだかんだもたもたやって一年遅れたから、ストレートで入った奏と同学年なんだけどね。一芸推薦ってやつ、あれ便利だね。
大学でも結局奏と居ちゃうから、大学生活が特別なもの、って認識もあまりないんだと思う。あの子と居ると目立ってしょーがないんだけど。
「最近、ますますオーラほとばしってるからさーあの子。キャンパス歩いてるとモーセの十戒みたいになるのね。みんな遠巻きに見守るみたいな。」
「案外、速水さんの方はお前の方が原因だと思ってんじゃないのか。」
「……前から思ってたんだけどさぁ、Pさんって奏にだけさん付け敬語だよね。」
「なんだろうな、それこそ……オーラ?」
「ちょいーPはん〜ほしたら呼び捨てタメ口のシューコちゃんはちんちくりんってことなん?」
「食う・寝る・食うの狐娘は何時まで経ってもちんちくりんや。」
「あたしの餌付け楽しいくせに〜」
「餌付けされとる自覚あるんかい。」
「……Pさんてあたしと一緒にいるようになってからちょっとずつ、京言葉っぽくなってきたよね。」
「そういう周子はずいぶん標準語っぽいぞ。ガキの頃の周子はもっとはんなりしてた。」
「え、そう?」
「そうおす。」
「じゃーあたしが京都要素薄いのって、Pさんのせいかな。」
「そやなぁ……」
そやなぁって、どっちよ。
今のはちょっとわざとらしかった。
移るもんなのかな、そういうの。
Pさんがあたしに染まって、あたしもPさんに染まっていくってのは、なんていうか、うん、悪くない、気がする。
……シューコちゃんって、こんな重い女だったかな。
Pさんは澄まし顔で伏し目がちにコーヒーを啜る。こうやって見るPさんは、随分と年上のお兄さんに見えた。他のアイドルとプロデューサーのコンビに比べたら、あたしたちってそんなに年齢差ないはずなんだけど。
考えてみれば、今のあたしと、出会った頃のPさんが同い年なんだもんね。昔からこの人は同年代の男の子より大人びた男性だったんだろう。あたしよりずっと、大人にならなきゃいけないスピードがこの人は速かったんだよね。
あたしはPさんと歩んできたけど、Pさんにもそういう人、居んのかな。
子供から大人になる間のPさんのことを、あたしは知らない。いったいどんな風に過ごしたんだろ。知ることが叶わないのが、少しだけ歯がゆい。
恋したこと、あったのかな。誰かに焦がれて、その人の事だけ考えて過ごした夜が、この人にもあったのかな。
あたしが柄にもなく、そうだったみたいにさ。
「奏はあれで結構、初心なんよーPさん」
「へぇ……でも、いまや魔性の女の代名詞じゃん」
「例えば、こないだ美嘉姉ぇが初体験済ませたときの話なんだけどさ」
「ぶーっ!!!!」
「うわっ、きたなっ! こっち向かんとってよ!」
むせるPさんを見て、あたしはケラケラ笑う。
「げほっ……おまっ、マジで……えぇ!?」
「いやー期待通りのリアクションありがとうございます。」
「だってお前……あのカリスマJK改めカリスマJDの城ヶ崎美嘉が……?」
「はい」
「見た目に反してウブな純情、常に高水準の守備力に定評のある処女ヶ崎美嘉が……、」
「はい」
「えぇ……いや……うわぁ……え、相手は?」
「ん? いや、ほら、プロデューサーさん、美嘉の。」
「……マジかぁ〜〜?」
おうおう、動揺していらっしゃる。
そうそう、シューコちゃんと一緒のときはたまには、そうやって大人びた澄まし顔、崩すといいよ。
あたしが仮に、好きな人出来たーん、なんて言ったら、どんなカオするのかな、この人。
こんな風に焦ってんのが見られんのかな。
「奏とフレちゃんが自分のプロデューサーさんとキスした時の話をしててさー」
「おおう……当然のように社内恋愛がまかり通っている……」
「で、美嘉ちゃんの様子がいつもと違ったから問い詰めたら……こないだ、致しましたと。」
「俺、美嘉Pさんとこないだ飲んだばっかだぜ……」
「可愛かったよー? 茹でだこみたいに真っ赤になってる美嘉ちゃんに奏が『どうやってその気にさせたの!?』ってさー、必死に細かいディティールを聞き出そうとするから美嘉ちゃんオーバーヒートしちゃって。」
「あの研いだナイフのような美嘉Pさんと美嘉姉ぇがな……やべーな、次に会ったら絶対思い出しちまう。」
「ファンが聞いたら卒倒だね〜」
「ケラケラ笑うなお前は……」
「ちなみに最近でいちばん盛り上がったシチュエーションってのが、カリスマJK時代の制服を引っ張ってきて……」
「友人の夜事情ベラベラしゃべりすぎとちゃう、お前?」
奏はプロデューサーさんの事になると美嘉ちゃん顔負けの乙女になっちゃうらしく、どーやって今より一歩距離を縮めたら良いか悩んでるみたい。フレちゃんはまぁ……甘々デリカな毎日みたいね。
アイドルの魅力があたしたちの内側から生まれるものだとするなら、そーゆーファクターは間違いなく、彼女たちのキラキラのエンジンとして機能してるんだと思う。本気で惚れ抜いてる人の為に出す力って、やっぱすごいもんね。それは、ファンへ恩返しするときもおんなしだけど。
自分のオトコの話してるとき、みんな幸せそうやもんねー。アイドルがそーゆーことって、賛否あるだろうけど、あのカオを見たらあたしはアリだと思う。ダメや言われても、好きなもんは好きやろしな。
一癖も二癖もあるあのコたちをあんなにメロメロにしちゃうパートナーさんは、やっぱり素敵な男性なんだろうね。
「Lippsと言えばさーPさん。」
「おう。」
「志希ちゃんのプロデューサーさんがごばっと担当増えたらしいじゃん、最近」
「いま勢いあるからなー、彼は」
「もうね、露骨に機嫌悪い、志希ちゃん」
「なにそれ可愛いかよ。……あの子、そういうの隠すの上手そうだけどな。飄々としてるっていうか。」
「あたしは結構気付いちゃうな。おっかない顔してはるわーと思ったらふと寂しそうにしてたり」
「なにそれ抱き締めたい」
「意外と独占欲強いからねー」
「あー、なんかわかる」
「んー、わたしもわかるなー」
「依存監禁されたいアイドルランキングCu部門の毎回上位なだけはあるな。」
「そー、あたしも18歳の時さー」
「うん」
「15歳の時に『プロデューサーになって絶対に迎えにいく』って言ったきり別れたお兄さんが本当に迎えに来てくれてさー」
「う……ん?」
「ガラにもなく王子さまかよー、なんてときめいちゃったんだけど、そのお兄さんはもう何人もプロデュースしててね。聞いたらあたしは4番目か5番目の女だったらしいんだよねー、がっくしだよー」
「うっ……」
「カボチャの馬車に乗っていったら、既に舞踏会には何人ものシンデレラ候補が王子さまに唾をつけられてたっていう。あんときはちょっとメラっときたよねー」
頬杖ついて、ちょっと口尖らせながら言ってやる。
「……いや、すまんて」
「ん? 謝ることないやん、あたしが勝手に勘違いしとっただけやしー、ただあんなにハッキリ『迎えに行く』って殺し文句言われちゃってたからさー、真っ先にあたしのところに来てくれたんだって思い込んでたもんでさー。」
「いやあ……な? しゅーこ」
「まあ舞い上がってた純情シューコちゃんに芸能界の現実を突き付けるっていう意味では? ちょっと苦めの良い薬だったかなーって思うし? 仕事は仕事だって今はちゃんと理解できるから。だから全然、これっぽっちもー? やきもちとか妬いてませんけどねーうん。」
「……勘弁してくれ、周子」
怒ってなんていないよ、ってのはホント。あの時のPさんはガムシャラに経験と実績を求めなきゃいけなくて、それがいまのあたしのプロデュースに繋がっているんだから、感謝こそすれ、そんな事で拗ねたりしないって。
ただ、Pさんのそーゆーカワイイ顔が見たくなっただけ。
あたしが君に伝えたいのは、そんな事じゃないんだ。
「ほーん、反省してんの?」
「う………まあ」
「ふーん?」
「ぐっ……望みを言えい!」
「ふっふっ、くるしゅうなーい。」
あたしたちは話題も笑いも豊富すぎて、却っていつも肝心なところに触れられない。
昨日みたいに寄り添って眠るほど近くにいても、心のいちばんやらかいところに交わらないようにして、ここまで来た。
けどなー、シューコちゃん、煮え切らないのは案外、性に合わんのよ。
だからさ。
「今夜、一杯奢ってよ、Pさん♪」
「ダーツバー好きだな、お前。」
「えーやん、ダーツ出来るしここなら個室みたいなもんだし。」
「俺はたまには寿司が食いたい。」
「回るやつならええよ。」
「普通、回らんやつなら、っていうんじゃないのか?」
「なんか多少ガチャガチャしてないと落ち着かないんだよねー」
「そういうところ、変わってるよな」
「ミステリアスアイドルしゅーこちゃん」
「なに?」
「なんでもー」
去年の12月、20歳の記念にPさんに初めてPさんとお酒を飲んだダーツバー。大成功させたライブの時も、シンデレラガールになったときも、ごほうびはここだったね。
ふたりだけの、内緒の打ち上げ。あのときは、お酒はなかったけど。
「未成年のアイドルが盛り場に来るのは印象良いもんじゃない。周子も好きだろうけど、普段は控えろよ。今日はトクベツ、だ。」
なんて、妹に火遊びを教えるみたいに、下手くそなウィンク決めていたずらっぽく言ってたっけ。
そう、特別な場所、だよ。君と来るこの場所は、あたしにとって。
「Pさん、右で相手してあげよっか〜?」
「及ばねぇよ。」
Pさんは強いお酒を好む。夜が似合う人だ、と思う。
「あまり強い酒をがぶ飲みするなよ、喉を痛めるからな。」なんて自分のアイドルには言うけど、喉が焼けるような尖ったお酒をかぽんと一息で煽り、言葉少ないままにスタンスを決めるシュッとした姿は、ダーツバーの薄暗さに映える。
昔、ミッドナイトフェアリーってやったけど、あれはPさんとあたしの組み合わせあっての企画だったと思う。あの頃のPさんはダーツ下手っぴだったけど、あの時から君は夜が似合ってた。
「おっ、ナイストン。Pさん、上手くなったよねー」
「周子の遊び相手くらいにはなるか?」
ブルを二本決めてきたPさんを迎えると、Pさんは返事代わりのように一口目で既に半分以上減っていた琥珀色の液体を、くいっと一気に飲み干した。
濡れた唇に、色っぽさを感じた。
「ねえ、勝負しよーよ。」
「うん?」
「あたしが勝ったら、お願い聞いてもらうけどね♪」
「ほーう、俺が勝ったらどうする?」
「んー?」
短めのスカートだけど、これ見よがしに片膝を椅子に掛けたまま抱いてみた。
グラスを遊ばせながら、ちらりとしたPさんの視線を感じる。普段抑えてる、雄の視線。
隠してるつもり、そーゆーの、シューコちゃんは鋭いんだよ?
「何でもシテあげるよ。Pさんのシテほしいこと。」
あたしは隠す気無いよ、今夜は、何もかも。
「んくっ……んくっ……ぷはっ。ふー……。」
「限界か? なら、残り貰うぞ。」
「あん、ちょっとー、飲むのに。」
「……っふう、すぐ同じの、頼んでやるよ。」
負けたらイッキの約束で、あたしのグラスは半分くらい空くと、Pさんに取られてしまう。Pさんなりの、あたしがハメを外しすぎないようにって気遣い。
Pさんはと言えば、もう4回くらい、あたしのより明らかにキツそうなカクテルを飲み干してた。
「んもー、飲みすぎやないのん?」
それっぽく心配してるようなそぶりで、ぺたりとPさんの頬っぺたを触る。掌から伝わる体温、あたしにフィードバックしてくる多幸感。
Pさんに触れたいってズルい下心は、バレちゃまずいって気持ちと、知って欲しいって気持ちが入れ違いに組上がって出来ている。
「お前が飲ますんだろ?」
シューコの手ぇ冷てぇ、と笑いながら、あたしの手に手を重ねて来た。
ドキッとする、昼とは違う夜の顔。
「周子とこんな風に酒が飲めるなんてな。」
もうちょい艶っぽい雰囲気で伝えるつもりだったんだけど。
その、相変わらず妹を相手にしてるようなしみじみとした言い方にムカッときて、思わず言っちゃった。
「あたしさ、Pさんのこと好きなんだ。」
Pさんの頬っぺたに、戸惑いが差した。
「次、あたしでしょ。投げてくるね。」
なにか言おうとしたPさんの手からするりと抜けた。
わざと目と目を外して、背中を向ける。
「いつから?」
ダーツ盤の青白いディスプレイ越しに、Pさんの姿が見える。
そーゆー言い方、好きじゃないな。
「んー? 15歳の頃くらいからかな。」
「出会った頃からじゃねーか」
「そーだね。」
あたしは今夜で、隠すのはヤメにするんだ。
だからさ、Pさんもハッキリさせよう。
「あきっぽいシューコちゃんがさー」
すとん。ブルに入る。
「5年も片思いはさ、辛いんよ」
お、またブル。
ハットトリック出るかー?
「実らないなら……もうさ! スッパリ……諦めさせてよ」
緊張の第三投目はカン、って間抜けな音がして。
尻切れになっちゃったあたしの言葉とおんなしように、刺さらず落ちた。
一旦ここで切ります。
仕事で数日家を空けるので、再開できるのは戻ってきてから、日曜くらいには再開できるかと思います。
……おちないよね?
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