高木「あー、そこでこっちを見ている君!」
高木「そう君だよ、君! まぁ、こっちへ来なさい」
高木「ほう、何といい面構えだ。ティンときた!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1501563242
高木「私がこれから語るのは、765プロと961プロ、決して結び付くことの無かったふたつの線を繋ぐ物語だ」
高木「765Pと961Pという2人の悠久の旅人が、未来を築いていく」
高木「なあ君、こんな世界があってもいいじゃないか」
高木「このコンテンツも12年。ここらで、その歴史を濃縮してみるなんていうのは……」
高木「……いかんいかん、大げさになってしまったようだ」
高木「ま、肩の力を抜いて、冗談半分にでも聞いてくれたまえ」
高木「おっとそれからこの物語の前に、以下の注意事項を見ておいてほしい」
【XENOGLOSSIA】【シンデレラガールズ】【ミリオンライブ!】
【765P&961P「ふたりのプロデューサー」 のリメイクである】
高木「特にXENOGLOSSIAの要素はかなり強めだ。未視聴でも問題ないが、君に合わなかったらすぐに中断した方が良いだろう」
高木「この機会に視聴してみるのもいいと思うよォ」
高木「本当にいろいろとメンドクサイ世界だが……受け入れてほしい所だ」
高木「それでは君にこの物語の登場人物を少しだけ紹介しよう」
天海春香……ゼノグラシアから逆輸入。本家とは違い、雪歩と真を「雪歩ちゃん」「真ちゃん」と呼ぶ。性格は本家とゼノグラシアのハーフぐらい。961プロ所属。
菊地真……ゼノグラシアから逆輸入。一人称が「ボク」なこと以外はまったく別人。961プロ所属。
萩原雪歩……ゼノグラシアから逆輸入。961プロ所属。
如月千早……若干ゼノグラシア要素を引き継ぎ、雪歩との関わりが深い。雪歩を「雪歩」と呼ぶ961プロ所属。
765P……765プロのプロデューサー。美希・響・貴音のユニットを率いてIA大賞を狙う。
961P……特例で961プロ始まって以来のプロデューサーに就任した男。新米。
黒井……ジュピターに961プロを去られ、己の信念を失う。961Pをプロデューサーに雇い、ユニットをデビューさせた。
高木「それから、おおまかな役職は2ndのもので考えてくれたまえ」
高木「おっともうこんな時間か!私が長々と喋ってしまったな」
高木「前もって言っておくが、好奇心が無くなったら、途中で中断してもらってもかまわない」
高木「御覧の通り、私の話は冗長なのでな……」
高木「……それじゃあ、また物語の中で会おう」
高木「そうそう言い忘れていたよ」
高木「アイドルマスター、12周年おめでとう」
―――――
―――
―
―――ここは765プロ。
TV<クロイプロカラ、シンユニットデビュー!!
美希「あ、見て見て!この娘たち、961プロの新ユニットなの」
響「前に雑誌で見かけたな。“モンデンキント”と“わんつ→ているず”だっけ」チラッ
TV<マミダヨーン!! ウッウー!!タカツキヤヨイデスー!
貴音「話には聞いておりましたが、亜美の姉妹である、双海真美はこの人物なのですね」
響「ホントに亜美そっくりだぞ」マジマジ
美希「ねーねープロデューサー、このユニットどう思う?」
765P「かわいい。プロデュースしたい」
貴音「プロデューサー、スカウトはなりませんよ?この方々は961ぷろのあいどるです」
響「同じIA大賞を狙ってくるユニットだもん、自分たちもうかうかしてられないなー!」
765P「やる気があるのは良いことだ。俺たちも頑張ろう」
765P「よし、んじゃあ仕事行こうか」
美希「はいなの!」スタッ
TV<ツヅイテハ、モンデンキントニヨル ビネツエスオーエス デス!
美希「それにしてもこのモンデンキントって娘たち、みんなおっぱいちっちゃいねー」
響「その視点はどうなんだ、美希」
―――――
―――
―
――場所は変わって、ここは高木社長の通うバー。カウンターには高木と黒井社長の姿がある。
偶然に会した2人は、一体どんな会話を交わしているのか。
高木「いやぁ~驚いたよ~!まさか961プロから新ユニットがふた組も!」
高木「なんせ同時にふた組もデビューしたんだからねぇ!」
黒井「……温存していただけだ。ジュピターが消えた今、新たに我が社の看板となるのは、あの子達だ」
黒井「お前たちには二度と負けん……真の王者が誰だか思い知らせてやるからなっ!!」
高木「しかし…竜宮小町に歌唱対決で一度敗れただけで、ジュピターを手放すなんて、お前はどうして……」
黒井「奴らが勝手に離れていっただけだ!分かったようなことをいうな……!」
高木「……そうか」
高木「それで、お前のユニットは竜宮小町とフェアリーを超えていく算段はあるのかい?」
黒井「貴様に話すような理由もないが……」
黒井「今夜会ったのも何かの縁だ。一つ教えてくれてやろう」
高木「もったいぶるねぇ。話してくれよ」
黒井「……ジュピターの自立型アイドルユニットの体制を省みた結果」
黒井「………」
黒井「……モンデンキント、わんつ→ているず、には新たにプロデューサーを付けることになった」
―――――
―――
―
―――ここはとあるホール。今日はここで、モンデンキントとわんつ→ているずがミニライブを開催していた。
小さいながらも満員になった客席。歌の披露を終えた真美の声が会場に響く。
真美「会場の兄ちゃん姉ちゃーん!!」
やよい「わんつ→ているず、これからもよろしくお願いしまーっす!!」
\ワーーーーーー!!!ヤヨイチャーン!!マミー!!/
やよい「うっうー!次はモンデンキントのみんなだよー!!」
\フゥゥゥゥゥ!!/
961P「お疲れ様。二人とも、素晴らしいライブだったね」
やよい「あっプロデューサー!お疲れ様ですーっ」
真美「ねーねー兄ちゃん!真美たち、ちゃんと出来てたかな?」
961P「ああ、とても素敵だったよ。本当は今一緒に喜びたい所だけど...」
961P「モンデンキントが終わったら、合同ステージもあるからな。気を抜かずに行こう」
春香「さあフィナーレだよー!みんな!!」
\ワァァァァァァァァ!!!/
雪歩「ラストの曲は、私達モンデンキントの新曲…」
真「『恋だもん~初級編~』を歌うよ」
千早「最後まで、応援よろしくお願いします!」
\オォォォォォォォォォォォ!!!!/
かくして、961プロのミニライブは大団円を迎えた。
ステージ袖では成功を喜びあうアイドル達の姿。
デビューして一カ月足らず。駆け足で彼女たちは成長を遂げている
春香「お疲れさまでした!」
961P「両ユニット混合のステージも大成功だな。みんな、本当にいいライブだったぞ」
千早「プロデューサーのおかげです。デビューから私達をここまで導いてくださったからこそ…」
春香「そうですよ!プロデューサーさんのおかげです!ねっ雪歩ちゃん!」
雪歩「……zzz」
春香「って立ったまま寝てるし!!」ガーン
…… 一方で、上手く回らない歯車もある。
真「…萩原、今日は小さなミスが目立ったぞ」
雪歩「…はい、すいません」 シュン
真「ステージの上であまり余計なことを考えるなよ。ミスしたらボク達は終わりなんだ」
真「特に萩原は如月を意識しすぎだ。お前が歌を届ける場所はどこだ?」
雪歩「…分かってます。私だって、あの人に迷惑はかけたくないです…!」
真「ボクの言いたいことは言ったから。ひきとめて悪かった」スタスタ…
―――――
―――
―
―――場面は再び765プロ……
全てのアイドルユニットが目指す“頂”、『アイドルアカデミー』から通知が事務所に届いていた。
小鳥「プロデューサーさん、今年度のIA大賞の詳細が届いてますよ!」
765P「ありがとうございます、音無さん。律子には俺から伝えておきますね」
高木「いや~今年は竜宮小町にフェアリーと、765プロからもノミネートが確実だろう!!」
高木「嬉しい限りだね、きみィ」ハッハッハ…
小鳥「今年は、765プロがIA大賞を勝ち取れますよ!」
765P「はい!とにかく俺は全身全霊でフェアリーをプロデュースします!」
765P「他のユニットに負けないためにも」
765P「そして、竜宮小町に並び立つためにも……!!」
―――――
―――
―
ここはとあるロケ地―――
「……ありがとうございます、IA大賞ですか」
「電話の内容は聞いたわね、みんな」チラッ
律子が訊く。
「んっふっふ~、亜美たちならヨユーで大賞とっちゃうっしょー!」
「ヘラヘラするのは感心しないけど、大賞取る気はあるわ」フンッ
「そうね♪みんなと一緒が楽しいっていう気持ちなら、私たちは誰にも負けないもの~♪」ニコニコ
「頼もしいわ。その意気よ……さあ、ますます忙しくなるわね!」
強い風が、彼女たちの髪を揺らしていった。
それはきっと、新たな世界まで吹きわたる風―――
【imas-12thAnniversary SS長編】
「それぞれのアイドルマスター」
961プロからモンデンキント、わんつ→ているずの両ユニットがデビューして、4ヶ月が経った。
軌道に乗り勢いを増す961プロ。圧倒的な実力でファンを増やしていく765プロ。
両者とも芸能界を盛り上げる先頭だ。
そんな中、アイドルユニットの頂点を決める闘いが、始まろうとしていた……
―――――
―――
―
―――ここは都内撮影スタジオ。
雪歩が初めてファッション誌の表紙を飾ることになり、961Pと雪歩の2人が訪れていた。
961P「雪歩、お疲れ様」
雪歩「ふぅ、いつもより緊張しました……」
961P「実は、俺もカメラを持ってきたんだ」
961P「衣装のままで、記念に一枚撮ってもいいかな?」
雪歩「大丈夫ですよ。可愛く撮ってくださいね」ニコッ
パシャッ
961P「雪歩はどっちかっていうとモデル業に光るものがあるよ」
961P「もちろん、ステージやメディア系が良くないって訳じゃないけど」
雪歩「うーん、その通りだと思います」
雪歩「私は……舞台に立つといつも自意識に苛まれるんです」
雪歩「私を見に来てる人はいない……そんな自意識に」
961P「……?どうしてかな。そんなことはないと思うけど」
雪歩「本当ですね。理由に心当たりがあるとすれば…」
雪歩「……私がどうしてアイドルなのか、実はよく分かってないからかもしれません……」
961P「雪歩……?」
雪歩「すいません、変なこと言っちゃって。次の現場に向かいましょう」
―――――
―――
―
―――また別の日。ここは、真が出演する舞台の稽古現場。
新人であるにも関わらず、高度な演技をする真に、プロデューサーは見入っていた。
<キュウケイデース!
961P「真、すごいじゃないか!監督も『実力のある子だ』って褒めてたぞ!」
真「別に。誰に言ってんの」プイ
961P「別にって……真、かなり練習したんじゃないか?」
961P「そうじゃなきゃ、あれだけパーフェクトな演技は出来ないだろ」
真「……今日はボクは役者として呼ばれたんだ。ミスをしないのは当たり前なんだよ」
真「ミスしたらそこで終わり。普段がアイドルだから褒められただけだ」ツン
961P「でも、普段から一人でストイックにレッスンもやってるし、もっと力を抜いてもいいと思うぞ…?」
961P「俺たちは仲間なんだから、他のみんなも頼ったりしてさ……」
真「ボク達は自分一人の才能を試す世界にいるんだ」
真「一人で上に登れないヤツはどうしようもないんだよ」
―――――
―――
―
―――視点は変わってここは765プロ。
ついにIA大賞からノミネートユニット発表の通知が届いた。事務所を緊張が覆う。
小鳥「IA大賞の運営から、ノミネートされたユニットの発表通知が届いてます!」
高木「おおぅ、ついにきたか…!」ガタッ
765P「音無さん、結果を教えてください」ドキドキ…
高木「……」ドキドキ…
小鳥「ノミネートされたのは、876プロの『ディアリースターズ』を筆頭に…」
小鳥「…魔王エンジェル、ニュージェネレーション、315プロに移籍したジュピター…」
高木「音無君、765プロは...」ドキドキ…
小鳥「…765プロからは、フェアリー、竜宮小町の2組ともノミネートされています!!」
765P「やった…!」グッ
律子「ふぅ…少し解放された気分です」
高木「キミたち、まずは大変ご苦労だった。これからも一層の活躍を期待している!」
律子「プロデューサーとフェアリーには悪いですが、大賞は私達竜宮小町がいただきますよ」 ニヤッ
765P「む、フェアリーだって譲る気はさらさらないさ」
高木「ああ、音無君……通知を見せてもらえんかね?」
小鳥「はい、いいですよ?」スッ
高木「ありがとう……どれどれ」
高木(961プロからは、わんつ→ているず、だけか……)
―――――
―――
―
―――ここは961プロ内に存在する、アイドル部門の事務所。
IA大賞ノミネートユニットが発表されたため、ミーティングが行われていた。
千早「……私達はノミネートされなかったのね」
雪歩「千早さん……」
春香「モンデンキントもデビューからあんなに頑張ったのになぁ……」
961P「残念だけど……でも、このIA大賞だけが世間の評価のすべてじゃない」
真「……納得いかないよ、こんなの」
961P「真、結果は結果だ。今回は少し運が無かっただけだ」
961P「……わんつ→ているずは来週ノミネート公式発表会が、船上ライブと共に行われる」
961P「大賞を取るにはその会場での良いアピールが不可欠だ。それに向けて準備していこう」
「「はいっ!」」
961P「それから……」
961P「モンデンキントにはひとつ提案がある」
961P「765プロ、竜宮小町と一戦交えようかと考えている」
雪歩「竜宮小町との直接対決……ですか?」
961P「そう。まだ具体的なイメージが掴めている訳じゃないが、ステージバトルをオファーしようかと思う」
真「向こうが簡単に勝負を受けるもんか」
961P「たしかに今じゃただの妄想の内だ」
961P「言ったようにIA大賞はすべてではないが、注目度は比類なきものがある」
961P「毎年IA大賞にノミネートできなかったユニットは露出が少なくなってしまう傾向はある」
961P「ジンクスから脱却するには、俺たちはここでアピールするべきなんだと思う」
千早「……私も、何もしないよりはその案に乗りたいです」
春香「私もです!モンデンキントが負けていないんだってことを証明したい!」
961P「ありがとう。雪歩と真はどうかな」
雪歩「千早さんがそれを望むのなら、私もついていきます」
真「……やるからには勝つ」
―――――
―――
―
―――ここは765プロの劇場。
フェアリーと竜宮小町のノミネート決定を、未来達が祝福していた。
未来「みなさんIA大賞ノミネート、おめでとうございます!!」
美希「ありがとうなの!」アハッ!
翼「いいなぁ~私もIA大賞候補アイドルなんてなりたいなぁ~」
静香「翼はもう少しお仕事頑張らないと……」
翼「そうだね……フェアリー、応援してますよ!」
響「自分たち、劇場のみんなの分もがんばってくるからね!」
貴音「舞台は違えど、私達の心はひとつ、ですよ」
未来「船上ライブのTV中継楽しみにしています!」
あずさ「うふふ、私達も船の上でライブなんて楽しみだわ」ニコニコ
伊織「船の上ならさすがにあずさも迷子にならないわね」
翼「この前飛行機で迷子になってたあずささんなら分からないですよ~」
亜美「亜美たち、トップアイドルになっちゃうっぽいよ?」
律子「はぁ...あんたはそうやってすぐ調子に乗るんだから...」
765P「亜美も頑張ったんだ。少しくらい気を抜いてもいいじゃないか...」
律子「だ・め・で・す!...まったくプロデューサーは亜美に甘いんですから!!」
765P「フェアリーの3人みたいなパーフェクトなアイドルと接してると、 時々亜美のアホさが必要になるんだよ」
亜美「うあうあ~!兄ちゃんそれってどーゆうことだYO!」
―――――
―――
―
―――再び視点は変わり、ここは961プロ 社長室。
竜宮小町との共演の許可を、黒井社長が出すかどうか。
もしGOサインが出れば、765プロと961プロが関わりを持つのは、実にジュピター移籍後ぶりのこととなる。
黒井「...お前が高木の所のアイドルと共演を望むとはな」
961P「IA大賞にノミネートされたユニットに注目が集まっている今こそ、 一度剣を交える時期かと」
黒井「だが、IA大賞前のこのデリケートな期間に、歌唱対決はリスクの面から、765側が拒否する……」
黒井「……いや、その可能性はない、ということか」
961P「……765プロは必ず乗ってきます。相手が我々ですから」
黒井「フン、こんなところで昔買った恨みが功を奏すとはな」
黒井「モンデンキントのLive×Aliveの出演を許可する。 相手が格上だろうと、無様な負けは許されない」
黒井「分かったな」
961P「……承りました」
黒井「765プロ側には貴様が接触するのか?」
961P「はい。その予定です」
黒井「奴らは我々を警戒しているぞ。そうやすやすとは疎通ができないだろう」
961P「……乗り越えてみせます。今後のためにも」
黒井(しかし……ここからがモンデンキントの正念場だろうな)
黒井(このステージバトルで彼女たちの亀裂がどうなるか……)
黒井(ヤツは、持ち堪えるだろうか…それとも……)
―――――
―――
―
―――そして、IA大賞ノミネート公式発表&船上ライブ開催の日が訪れた。
後にこの日は、961プロと765プロの距離を縮めたターニングポイントともなる。
律子「あら、涼!」
涼「あ、律子姉ちゃん!竜宮小町もノミネートおめでとう!!」
律子「あんた達もついにIA大賞ノミネートまできたのね」
涼「最初876が選ばれたって聞いたときはびっくりしたけど……でも、大賞も狙っていくからね!」
律子「いや、あんた大賞無理でしょ」ヤレヤレ
涼「えっ!?」
律子「だって大賞をとるのは――」
律子「私たちだから」
♪~ キミが触れたから七彩ボタン ~♪
伊織「船の上のみんなー!こんばんはー!!」
亜美「亜美たち、IAノミネートしちゃったZE☆」
あずさ「それでは竜宮小町の七彩ボタン、聴いてください♪」
\ワァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!/
―――そして全てのノミネートユニットがライブを終えた。
会場には、プロデューサーを見失ってしまったやよいのうろたえる姿があった。
やよい「うう~プロデューサー、どこいっちゃったのかな……」オロオロ
伊織「ちょっとそこのアンタ!!」
やよい「はわっ!?私ですか?」
伊織「あんたが961プロの高槻やよいね!」
やよい「……?」
伊織「今年のIA大賞は今度こそ765プロ、そして竜宮小町がいただくわ」
伊織「もう961プロには後れを取らないわよ」
やよい「……よく分からないですけど、私たちも負けないようにがんばりまーっす!」
やよい「ええっと、竜宮小町さんの……」
亜美「おでこサンシャイン」ボソッ
やよい「おでこサンシャインさん!」
伊織「そうよ!私がおでこサンシャイン……って違うわよ!!」
真美「あれ~?そこにいる真美にそっくりな美少女は...」
亜美「お?この亜美にそっくりなぷりちーな声は...」
美希「あれ、デコちゃん、そこにいるの、961プロの子だよね?」
亜美「うあうあ~!ミキミキ空気読んで登場してYO!」
美希「しっぽがふたーつ!のやよいちゃんだよね? 近くで見るとちっちゃくてますますカワイイの!!」
やよい「えっと……えへへ……」
伊織「美希!なに仲良くなってるのよ!相手は961プr……」
美希「天使なの!スリスリしちゃうね!!」スリスリ
伊織「話を聞けー!!」プンスカ!
美希「改めましてやよいちゃん、ミキはフェアリーのミキなの!!」
やよい「水瀬伊織さん、星井美希さん、双海亜美ちゃん!初めまして高槻やよいです!」
真美「真美って呼んでねー!もしくはビューティフルクイーン!」
伊織「はぁ……なによ、961プロなのにまったく毒気ないじゃない……」
やよい「あのー、765プロさんと961プロって」
伊織「……何かあったかって?」
伊織「……アンタは知らないのね……」
やよい「……えっ?」
美希「んー、やよいちゃんはまだ、気にしなくていいの」
伊織「むしろこれからのことを考えると、知らないままの方がいいかもね」
亜美「まみー!あの有名な普通すぎるアイドルがいたYO!」
真美「ぴにゃ~」
亜美「なんで急にモノマネしたか分からないけど、似てるー!」
美希「そういえばミキもまだ未央に会ってなかったの」
伊織「……アンタ達遊びに来たんじゃないのよ」ハァ…
――― 一方その頃、迷子になってしまったあずさを探しに、貴音と響は船内を歩きまわっていた。
響「あずさぁー……どこにいったんだー!!」
貴音「困りましたね……船から降りていないといいのですが…」
渋谷凛「……我那覇さんに、四条さん?」
響「あれ……凛!久しぶりだね!!」
モバP「おう、響、貴音。ノミネートおめっとさん」ヒョコッ
響「あ、一緒だったのか」
貴音「ふふっ。ぷろでゅーさー、そのお言葉、お返しいたします」
響「CGプロもすっごい大きくなったよね!」
モバP「いやぁ、事務所立ち上げ当時にお前たちが手伝いにきてくれたおかげだよ」
モバP「765Pにもいろいろとノウハウを勉強したしな」
凛「私達が走り続けられたのは765プロのおかげです」
凛「これからも、フェアリーは私たちの目標ですよ…!」ニコッ
響「へへ、どういたしまして!」
響「ところで、卯月と未央はどこにいるんだ?」
モバP「おたくの亜美と、その姉にさんざん遊ばれてるよ」アッハッハ…
貴音「それで二人で、でーとしているという訳ですね」
凛「四条さん……!」アタフタ
貴音「ふふ、じょーくですよ、凛」クスッ
モバP「そういや、さっきあずさを見かけたけど……」
響「ほんと!?どこにいた?」
モバP「ああ、確か……」
―――――
―――
―
響「モバPの言ってた所に来たけど」
貴音「何故かぷろでゅーさーがいますね……」
響「プロデューサーと一緒にいるのは…?あずさじゃなさそうだ」
―――それは響と貴音が来る少し前のこと。
ついに961Pが765Pに接触していた。
961P「あの、少しよろしいでしょうか」
765P「えっと…あなたは……」
961P「初めまして、わたくし、961プロでプロデューサーをしております。961Pです」
765P「…!! …765プロ所属フェアリーのプロデューサー、765Pです」
961P「唐突ですが、ジュピター時代の件は本当に申し訳ありませんでした」
765P「…あなたも関わりが?」
961P「私がこの立場に就いたのは、ジュピターが961プロを辞めたあとです」
961P「……ですが、数々の妨害行為が765プロに行われたことは聞いております」
765P「……」
961P「今日は、勝手ながら765プロさんとの今後のお話をさせて頂きたくて参りました」
961P「……私もアイドル達も、これからの765プロさんとの活動に支障をきたすことを望んでいません」
765P「今後は妨害しないから一緒に仕事してくれ、と?」
961P「はっきりおっしゃいますね……言い訳がましいですが、今のアイドル達に罪はありません」
961P「モンデンキント、わんつ→ているずは共に765プロとの共演を希望しています」
961P「765プロと961プロが、力を合わせることができないかと、本気でそう考えています」
765P(ウチの力がついてきたことから、反撃を恐れての停戦か?)
765P(それとも純粋に友好を求めているのか...)
765P「今日この場で、『分かりました』とは言えません」
765P「こちらは一方的に攻撃されたのですから、すぐに信頼できるものでもないでしょう」
765P「ですが、あなた方が本当に和解の道を探ろうとしているのならば」
765P「今後も連絡をください。話を重ねましょう」
961P「……!ありがとうございます……!」ペコリ
(物陰)
響(961プロのプロデューサーだったのか)
貴音(響、なぜ私達は隠れて盗み聞きをしているのでしょうか……)
響(だって、二人とも怪しいぞ!)
貴音(今怪しいのは間違いなく私達だと思いますが……)
765P「ところで、何故急にこのお話を?」
961P「……今日のような機会を逃したら、私たちはニュートラルに対面出来ないと危惧したのです」
961P「私は961プロの人間ですから、まずアポをとる時点で警戒されてしまうでしょう」
961P「そうなってしまえば、お互いの本音も届き難くなってしまうのではないかと」
765P「そうですか……たしかに、そうかもしれません」
961P「竜宮小町のプロデューサー……秋月さんには、実は一つ、オファーを伺いました」
765P「律子に、ですか?」
961P「はい……あるテレビ番組のご共演のお願いです」
961P「突然の持ち掛けでしたから、ご迷惑をおかけしてしまいましたが…」
961P「門前払いではなく、一度持ち帰ってみる、とご提示くださいました」
765P「へぇ…律子が……」
765P「俺たちは、昔よりは仕事を選べるようになりました」
765P「このオファーにも乗るかどうか、選択することはできます」
765P「もし、考えた結果、見送らせて頂くことになっても、問題ないですね?」
961P「はい。もちろんです」
(物陰)
響(竜宮が961プロと共演かぁ……)
貴音(また何か、企みがあるのでしょうか)
響(貴音もそう考えるよね。ちょっといきなりすぎだぞ)
貴音(しかし……)
貴音(あちらのぷろでゅーさーは、黒井社長とは異なる空気を感じますね……)
―――――
―――
―
―――ノミネート公式発表会の翌日。
765プロでは、961Pからのオファーに対する捉え方の会議が行われていた。
律子「……というわけなんですけど」
小鳥「モンデンキントと竜宮小町のステージバトルのオファー、ですか……」
765P「律子の考えは?」
律子「普通のユニットなら、この時期にステージバトルをするのはリスクが高いですが……」
律子「でも、こっちは竜宮小町ですし、TVのゴールデン枠生放送でアピールできると考えると……」
律子「……でも相手は961プロですしー……」ウーン
765P「なぁ律子、961プロのプロデューサーと話してみて、どうだった?」
律子「えっと……そこそこ丁寧な人…でした。あと友好的、かな?」
765P「だよな。向こうからこれほど友好的に接近されたことは今までなかった」
律子「それは、裏をかえせば罠かもしれない……ということですか?」
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません