先生「出席取るぞ。女ー」

先生「――ああ、あなたじゃないですよ。ほら、授業中はなるべく教室にはね……ははは！　そうですか！」

女「はははっ！」

友「じゃあ一緒に授業受けましょうよー！」

先生「はははは！　上手いですね！　一本取られましたわ！」

男「……ぜんっぜん状況が分かんない」

先生「あ、男。それは止めてもらいなさい。学校でそういうのは駄目だ」

友「うわっ。おいおい大丈夫かよ」

女「見えないって凄いねぇ」

男「なになに！？　なんですか！？」

友「うわぁ……出ちゃってるよ」

男「なにが！？」

女「よっぽど気に入られたんだねー」

男「ただいまー」ガチャ

母「おか――おかえり」チラ

男「ねえ今俺の頭の上見たよね？」

母「見てないわよ」チラ、チラ

男「……」

母「……お、おかえり」チラ

男「もう聞いたよ！　俺の頭の上でいったいなにが起きてるんだ！」

ガチャ
　　　　　チラッ
妹「ただい――いってきまーす」バタン

男「おいおいおいなんだよそれ！！」
　　　　　　　　　　　　　　チラッ　　　　チラッ　　　チラッ
母「ほら、あなたが小さい頃からなにか見えても言わないって決めたじゃない」チラ

男「目で訴えてるじゃねえか！！」

母「だってこれは流石に……そうだ、今日のおやつはケーキよ」ニコ

男「話をすり変えないでくれ！」

自室

男「……」



男「……」



男「……」



男「……」


ガチャ

父「男ー夜中なんだかもう少し静か――お前は俺に似て男前になったよなぁ」ニコ

男「気を使うな！　誰が喋ってたんだよ！！」

父「父さんちょっと（痛いッ）耳が（ちょっとやめて下さいよ）悪くなった（はは、息子のこと頼みます）みたいだ」

男「いや全部聞こえてるから」
　　　　　　　　　チラ
父「じゃあおやすみ。おやすみなさい」

男「なんで二回言ったんだよ！」

深夜

男「……」ｚｚｚ

男「……すう、すう」

男「……」パチ

男「……あ、あの……居るんですか……？」



男「……居ないですよね？」



男「ははは、はは、は……」



男「……すっげー怖い」