高森藍子「あり得たかもしれない未来」 (12)

デレマスの高森藍子ちゃんのSSです。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1500992331

高森藍子、22歳。今日から社会人の仲間入りです。少し緊張するけど、新しい生活にわくわくしています。


藍子「本日よりお世話になります、高森です。どうぞよろしくお願いします」


パチパチパチ


無難に挨拶を終え、自分の席に着くと、少し背の高い男の人が柔和な笑顔でこちらへやってきました。


「高森さんの教育係を任されました。よろしくお願いします」


藍子「こちらこそ、ご迷惑をおかけしてしまうことも多いと思いますが、よろしくお願いします」


そんな風にお互いに畏まった挨拶をして、ふと顔を上げると目が合い、どちらともなく笑い出しました。


これが彼との出会いでした。

それから数か月、私は彼と一緒にいろいろなところにお仕事へ行きました。


今まで経験したことのないことの連続で、失敗してしまうこともありましたが、そのたびに彼はいつも的確なフォローをいれてくれました。


そして失敗の原因をいっしょに分析し、改善案も立ててくれるのです。そのおかげか、同期の本田さんにはいつも、どうやっているのか質問攻めにあいます。

会社内ではいつもにこにこしている彼ですが、取引先の会社の人と話しているときの彼はいつもキリッとしていて、端から見ても「出来る男」という印象です。


同僚にその話を聞いてみると

「うーん。僕が知ってる限りだと、そんなに雰囲気が変わるって感じじゃないけどね。教育係になって自覚が出来たのかもね」


との事でした。つまり、「出来る男」な彼を社内で知ってるのは私だけですね。そう考えるとなんだか嬉しくなってきます。

そんな彼といっしょにいて、だんだんと惹かれていったのは自然なことなのでしょう。気がつくと彼のことを目で追う私がいました。


今まであまり積極的に男性にアプローチしたことはなかったけど、きっと彼は鈍感だから少し勇気を出そう。


そう決めた日から私の接近作戦は始まりました。とは言ったものの、あまりそういうことに縁のなかった私がやれる事は、おしゃれに気を配ったり、いっしょにお昼を食べにいったり、その程度でした。


そんな2人の関係が変わったのは、いつも通りのお昼のことでした。

藍子「お疲れ様です。もし良かったらいっしょにお昼に行きませんか」


「いや、今日はちょっとやめとくよ。諸事情あって金欠でね。また誘ってね」


彼は少し困った風に、だけどいつもの笑顔でそう言いました。きっと何かがあったのだろうけど、それを私が尋ねるのもおかしいし、何より答えてくれないだろう。


そこで意を決して私はこう言ったのです。


藍子「それなら明日から私がお弁当を作ってきます。実家からたくさんお野菜が送られてきて、少し困ってたんです。協力してもらえませんか」

こう言えばきっと彼は断れないはず。心の片隅でそんなことを考えながらも彼の返事にドキドキしていました。


「それはとってもありがたい提案だけど、高森さんに悪くないかな」


藍子「そんなこと全然ないです。どうせ自分の分は作らないといけないんだから、2人分でも変わらないんです。気にしないでください」


「じゃあありがたくその提案をお受けしようかな。でも、どうしてそこまでしてくれるの?」


分かってはいたけど、やっぱりこの人はそういう反応をするんですね。それなら直接ぶつかるのみです。ファイトっ、私!


藍子「それは、私はあなたのことが………」

ハイ カーット


監督「はいオッケー。藍子ちゃん良い演技だったよ-。恋愛ものは初めてって聞いたけどとっても良い感じだよ」


藍子「ありがとうございますっ!」


監督「いやいや、こちらこそだよ。絶対良い作品にしようね。」


藍子「はいっ、精いっぱいがんばります」


監督「お、プロデューサーさんもきてたんね。藍子ちゃんすごく良い演技してましたよ。鼻高々なんじゃないの」


P「ありがとうございます。もし気に入って頂けたなら次回作にもぜひよろしくお願いします」


監督「なかなか強かだね、君も。心配しなくてもこれがオンエアされたら藍子ちゃんは引っ張りだこになるよ。そんじゃ俺はちょっとトイレ行ってくるわ」

P「藍子もお疲れ様。どうだった?」


藍子「とっても楽しかったです。自分と同じ名前の役っていうのはなんだか不思議な感じでしたけど、いつもと違う自分になれたみたいでした」


P「そうだよなー。藍子もアイドルになってなければこの役の娘みたいに社会人になって、こんな恋もしてたかもだもんな。やっぱこういうのって憧れたりする?」


藍子「全く憧れないって言ったら嘘になりますけど、でもアイドルだったからこそ経験出来た嬉しいことや楽しいこともいっぱいあるから後悔なんてなんにもしてないですよ?」


P「それなら良かった。OLな藍子を見てたらちょっと心配になっちゃってね。」


藍子「ふふ、心配しすぎですよ。私はアイドルをしている今がとっても幸せです」


それにアイドルになってなかったら、私にとっての"いつも笑顔で仕事の出来る、ちょっと鈍感な彼"には出会えませんでしたからねっ。


でもドラマの高森さんみたいに、気持ちを伝えるって事はまだしません。もうちょっと"アイドルの高森藍子"でいさせて下さい。


いつか、ちゃんと満足できた時に伝えます。それまで待っててくださいね、Pさん♪

以上になります。短い&雑ですみません


藍子ちゃん、お誕生日おめでとう。
この1年が藍子ちゃんにとって幸多いものでありますように。



あと、作中の会社の描写は適当です。仕事柄、会社勤めしたことないんで。

もう少し待ってもらうかもですが、絶対に続きを書く別作品


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