上条「涙子をいじめた御坂をいじめてやる!」 (246)
御坂美琴に今日は二回も襲撃された。
スーパーに行く途中、不意打ちで超電磁砲を打ち込まれたのが一回目。
そのせいでタイムセールを逃した。
仕方ないので業務用スーパーまで遠出して安く済ませたら、帰り際に二回目の襲撃。
この攻撃によって、10kgの米がパーになった。今日一日の買い物が無駄になった。
高校では校則でアルバイトを禁止されているため、生活費は親からの仕送りのみ。
しかしうちには居候がいるため、一人分の仕送り額で生活していくにはカッツカツの極貧生活を余儀なくされている。
だからタイムセールに行くのだ。業務用スーパーに行くのだ。
工夫を凝らさないとまともに生活できないほどに、私、上条当麻の財布事情は厳しい。
_______________
・以前ニュー速VIPで書いた 『佐天「いじめられる能力かぁ」』 のアナザーサイドストーリー①です
(たぶん読んでなくても理解できる……ように心がけた)
・前回出なかった上条さん(童貞)が主役(上条×佐天のカップリング)
・胸糞、セクロス描写あり
・スレタイ回収はかなり最後のほう(ほぼ最後まで書き終わってる)
・キャラ崩壊、能力関係の矛盾点は適当に流してもらえると助かります
・前回に続き冗長気味ですが、暇つぶしがてら読んでってください
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上条「はあ……御坂のやつめ。なんだっておれを目の敵にして……」トボトボ
テクテク
ドン!
上条「っつう、ぶつかってすみません。怪我ありませんか?」
??「ハア……いえ、こちらこそ不注意でした……ハアハア」
なんだこの子。女の子なのに全身生傷だらけでボロボロじゃないか。
息が切れている。風邪か?
服も破れていて、年頃の女の子が着るにはあまりにも汚なすぎる。
で、でも可愛い。御坂と違って胸もあるし、正直好みだぞ。
??「そ、それでは失礼しました」ペコ
上条「ちょ、ちょっと待ちなよ」ガシ
パキン!
思わず手を取っちまった。
ん?今右手が反応したような……まぁそれは置いておいて
??「!?」
上条「いったい何があったんだ? 傷だらけじゃないか。手当をしないと。病院に連れて行くよ」
??「い、いえ。それには及びません……ハアハア……というか、私とこれ以上話しているとあなたにも私の能力の影響が……」
能力?なんのことだ?やっぱりさっきの……
上条「なんだか事情がありそうだな。いいよ、話してみなよ。よかったら助けになるよ」
どうせ今日は腹ペコで眠れないだろうし……
??「あ、あの……」
上条「ん? あ、俺は上条当麻。君は?」
??「佐天涙子です……ハア…ハア…」
上条「それで佐天さん、色々話しを聞きたいところだけど、まず傷の手当をしようか」
上条「病院に行くのが嫌ならうちに来るか?」
佐天「ハア、ハア……」ジッ
上条「あ、もちろん変なことはしないって誓うから」
上条「なんだったら部屋に入らずに救急箱だけ渡してもいいし」
佐天「あの…ハアハア……上条さん……でしたっけ?」
上条「ん? なんだい?」
佐天「あなたは私を見てなんとも思いませんか?」
上条「え?」
どういうことだ?さっき能力がどうとか言ってたけど……
佐天「殴りたいと思いませんか? 罵りたいと思いませんか? つばを吐きかけてやりたいと、土下座させてやりたいと、玩具にし
てみたいと、奴隷にしてみたいと、犯したいと思いませんか?」
佐天「ハアハア……ハアハア……」
上条「な、何を言ってるんだ?」
この子は俗にいうメンヘラってやつか?
関わらないほうがいいかな……
いやいや、そういうわけにはいかないか。やっぱり見た目は可愛いしな。
よし、ちょっといいところ見せてみるか。
上条「初対面だけど、そんなボロボロな格好した女の子を放ってはおけないだろ?」
上条「君を見てなにか思うところがあるとしたら、助けになりたいと思ったことくらいだよ」
佐天「……ハア」
上条「さっき、能力の影響がどうとか言ってたね。詳しく話してくれるかい?」
上条「実は俺、そういう能力とか魔術とか絡む事件によく巻き込まれて慣れてるんだ。力になれるかもしれない」
佐天「ハアハア……ハアハア……」
本当につらそうだな。大丈夫か?
佐天「私、ハア……今まで無能力者だったんですが最近能力に目覚めたんです……コホコホ」
佐天「名称はまだありませんが、ハア、『自身がいじめを受ける能力』なんです」
上条「な、なんだよ、それ……」
いじめられる能力……だと?
佐天「自分の身体から発せられる信号によって、周囲の人達に無自覚に私を苛めたいと思わせて行動させてしまうんです」
佐天「ハアハア……コホコホ」
佐天「私は未熟なのでまだ能力を制御できず、常にその信号は垂れ流しです」
佐天「だから今は私に関わるすべての人が私の敵なんです……ハアハア」
上条「……」
なんだよ、それ……
佐天「す~はー…」
佐天「わかっていただけましたか? 私と一緒にいるとあなたも私をいじめたいと思うはずです」
佐天「どういうわけか能力の効き目が遅れているみたいですが…ハアハア……それも時間の問題です」
佐天「もう少しすればあなたの「私を助けたい」と思う感情は全く逆のエネルギーに変わってしまいます……コホコホ」
佐天「あ、それとも先程の言動はすでに演技で、そうやって私を安心させておいてからどん底に落とす腹積もりでしょうか?」
上条「……」
佐天「ハアハア……はあ、はあ」
佐天「残念ですが、もうそういうパターンもひと通り経験してますので、今さらそんなことで落ち込みもしませんよ」
なんなんだよ、それ?
皆からいじめられる?皆が敵?
辛いってもんじゃないだろ。
御使堕しを経験した今だからこそわかる。
自分以外の人間が変わってしまう恐ろしさ。
自分だけ世界から取り残されたような寂しさ。
あんなこと二度とゴメンだ。
この子、今は味方が誰もいないのか……
………俺が助けなきゃ。
上条「君はひとつ誤解をしている。君の能力は俺に効いていないし、これからも効かない」
佐天「!?」
上条「俺の右手――幻想殺しっていうんだけど異能の力を打ち消す力があるんだ」
上条「だから精神的に作用する能力も、脳に右手を伝ってシャットダウンできているはずなんだ」
佐天「そ、そんなことが……ハア」
上条「信じてくれとしかいえない。手近に能力者がいれば試せるんだけど、今はいないし」
上条「とにかく、君を助けたいのは本当だ」
佐天「ハアハア……はあ、はあ……」
佐天「上条さ…ん…」フラリ
バタン
倒れた。
佐天「ハアハア……ハアハア」
熱がある。相当無理していたようだ。
とりあえずうちに運ぶか。
居候はイギリスに帰ってるし大丈夫だ。
上条「よっこいしょっと」ヒョイ
こ、これは別にやましいことを考えているわけではなく、あくまでも人助けだ、うん。
別に相手が男でもそうしたし……たぶん。
上条「オホン……」
女の子って柔らかいのな、全体的に……
しかし周囲が自分をいじめる能力かぁ……能力者にも色々あるんだな
上条さんち
佐天「ん……」パチリ
上条「お? 目覚めたか?」
あれから半日は眠っていた。すっかり夜も更けた。
上条「ここは俺んち。気持ちよさそうに寝てたから起こさなかったけど、もうこんな時間だし泊まっていきなよ」
佐天「あ、あの……」
上条「眠ってる最中に見える範囲だけ手当させてもらったけど、服を脱がすわけには行かないから、そのあたりはしなかった」
上条「コレ救急箱と着替え、置いておくね」
佐天「……」
上条「あぁ、お腹空いていると思っておかゆ作っておいた。食べていいよ」
この家の最後の食料です。くそ、御坂のやつめ。
上条「それじゃあ、俺は浴槽で寝てるから何かあったら声かけてよ」
下心が全くなかったわけではないが、可愛い寝顔を堪能させてもらっただけでも感謝しようか。
佐天「よ、浴槽で寝るってどういうことですか?」
上条「あぁ。部屋はひとつしか無いし、居候がいたときはいつもそうしてたから気にしないで」
佐天「……」
佐天「あなたには本当に効いてないんですね、私の能力。」
上条「ん? まあな。信じてくれた?」
佐天「上条さん、あの……」
上条「何かな?」
佐天「その、よかったら私の話、聞いてくれませんか? 眠かったら寝てもらってもいいですけど……」
上条「おお。こっちから話してくれって言ったんだ。いくらでも聞くよ」
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そこで佐天さんから聞かされた話は、生々しく、あまりにも残忍だった。
聞くに堪えないほどの――
クラスメートからの無視に始まり、仲良しグループからの締め出し、先生からも見放され四面楚歌、親友の裏切り。
肉体的な痛み、日に日に削られる精神。
いじめは性的なものにも波及し、4日前にとうとうその貞操をも失ったらしい。
今日もスキルアウトの連中に輪姦された帰りだったとか。
まだこんな年端もいかない子なのに……
上条「……」
佐天「あ、あははぁ。今日会ったばかりなのにこんな話聞かせて申し訳ないです」
佐天「誰かに聞いてもらいたくて……勝手ですよね、私って。そんなんだから、こんなどうしようもない能力が芽生えて……」
上条「…どうして」
佐天「え?」
上条「どうして、泣かないんだ? 話すだけでも辛いだろ?」
上条「どうしてそんな顔してこんなこと話せるんだよ!」
俺ならとっくに心が折れてるよ。
佐天「……もうたくさん泣きましたよ、涙が枯れるくらい。」
上条「だからって、」
佐天「それにもう決めたんです。」
佐天「いじめには耐える。それでもって能力を抑えることができるようにレベルアップしようって。」
佐天「今はそのために猛勉強中なんです。」
上条「確かに、状況を打破するには君が君自身の能力を切ることが一番だけど、それでも辛くないのか?」
上条「勉強にだけ打ち込めるわけでもないだろ!?」
佐天「……」
佐天「正直、辛いです。学校では殴られて、放課後は輪姦されて、フラフラになって帰宅して睡眠時間削って勉強して……」
佐天「だけど、両親と約束したから。学園都市に行くからには超能力身につけて帰ってくるって」
佐天「そのことを4日前に犯された後に思い出して、こんなところでくじけてる場合じゃないなって思ったんです」
上条「……」
佐天「それに親友と……仲間たちとまたパフェ食べに行ったり、お茶したり、遊びに行きたいんです」
佐天「あの幸せだった日々を取り戻すために……今は耐えて頑張るしかないんです」
どこまで健気で真っ直ぐな子なんだよ。
見た目もそうだけど、中身にも惚れちまうだろ。
上条「俺に……」
佐天「ん? なんですか?」
上条「俺に何か力になれることはないのか?」
上条「俺の幻想殺しなら君の能力を無効化できると思う」
佐天「ありがたいですけど、根本的な解決にはなりません」
上条「な!?」
佐天「私の能力は私の意思に反して常に垂れ流しです」
佐天「だから上条さんに触れられて一時的に能力がなくなったとしても、手を離せばまた元の木阿弥です」
上条「だ、だけど……」
佐天「ずっと上条さんに手を握っててもらうわけにはいかないでしょ?///」モジモジ
う、やっぱり可愛い……ってそうじゃなくて。
この子が望むならずっと手を握ってても……いや現実的に無理か。
上条「能力を抑えられる目処は立っているのかい?」
佐天「いいえ、こればっかりは……」
佐天「元々私は出来が悪くて……あはは」
佐天「この能力が電気的なものだって知ったのもつい最近なんですよ」
佐天「まだまだ学ぶことはたくさんあるみたいです」
上条「そうか……」
佐天「そんな顔しないでください。今日は話しを聞いてもらっただけでも随分楽になりました」
佐天「あれからずっと、誰にも相談できなかったので……」
佐天「あの、上条さん……」ジー
上条「なんだい?」
佐天「力になってくれるというのなら、一つお願いがあります」
上条「おぉ、なんでも言ってくれ!」
佐天「これから時間あるときでいいので、またこうやって会って話しを聞いていただけますか?」
佐天「今、友だちみたいに話せる人がいないんです」
上条「そ、そんなことくらいお安い御用だよ。というかそんなことでいいの? もっと何かこう……」
いつもみたいに明確な“敵”がいれば、そげぶで解決できるってのに……
佐天「ふふ。“そんなこと”なんかじゃありませんよ。そうしてもらえるととても助かります」
佐天「今日初対面なのに、話すだけでどれだけ安心したか……」
上条「わかった。これから佐天さんが能力を制御できるようになるまで、協力するよ!」
佐天「能力が制御できるようになったらおしまいですかぁ?」ジ~
その上目遣いは反則だろ!!
可愛さがとどまることを知らないぜwwwwww
佐天「あは。ごめんなさい。こんなやり取りも久しぶりで。」
上条「だいぶ元気がでたみたいだね。最初に比べると」
佐天「ええ。上条さんとお話できてかなり気が楽になりました」
上条「明日から毎日、今日出会った時間にあの場所にいるよ」
上条「話したくなったら来るといい。それ以外の時間でも、はいこれ、俺の連絡先。いつでもかけてきて」
佐天「ありがとうございます。本当に本当に……」シクシク
上条「あ、あわ、ハンカチハンカチ」フキフキ
くそ、童貞丸出しじゃねえか。
その日、佐天さんは泊まり、翌朝帰っていった。
もちろん何もなかったが。
そして次の日からは、佐天さんと会って他愛もない話をしている。
ほぼ毎日だ。
いじめで心身ともに辛いだろうに、家に帰って休まなくて平気なのか?
佐天『家にいるよりもこうやってお話してるほうが心も身体も癒されますよ』
だってさ。
俺も楽しみにしている。
女運のない上条さんにもとうとう春が来たか。
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佐天『えぐ……今日は、ハアハア……虫を食べさせられたんです』シクシク
上条『だ、大丈夫か? くそ……』
佐天『とても気持ち悪かったです。今でもまだ感触が残ってて……ハアハア…おえ』
上条『お、おい佐天さん』スリスリ
佐天『ハアハア……背中さすって…くれて、ありがとうございます…う、オエ』ゲロゲロォ
佐天『ごめん、なさ…ぃ。気持ち悪い……ですよね……ハアハア』
上条『そんなことねえよ。俺だってそんなもの食べさせられたら吐くって』スリスリ
上条『楽になるまでこうしてるから』スリスリ
佐天『ありがとうございます』シクシク
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佐天『ハアハア……ハアハア……ゴホゴホ』フラフラ
上条『お、おい。大丈夫か?』
佐天『触らないで!!!!』
上条『!?』ビク!
佐天『あ……ごめん…なさい』
上条『……』
上条『今日は何があったんだよ?』
佐天『また友達が連れてきたスキルアウトの人達に……その……輪姦されて……』
上条『あ、そっか……』
佐天『はあ。覚悟決めたはずなんですけどねぇ』
佐天『やっぱり何度やってもあの行為は慣れません』
上条『慣れなくていいんだよ』
佐天『そうですよね……』
佐天『さっきはごめんなさい、上条さんは悪くないのに一瞬嫌がっちゃって』
上条『いや、いいって……そうだ! 喉乾いてるだろ? あそこの自販機で何か奢ってやるよ』
佐天『いいんですか?』
上条『おう。何がいい?』
佐天『じゃあ、ええっと……』
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佐天『今日はちょっと良いことがあったんですよ』
上条『へぇ、なんだい?』
佐天『体育でマラソンがあったんですが、私が一番でした!』
上条『おぉ。マジでか。俺なんて小学校の運動会とかで一等賞とったことなんてないんだよなぁ』
上条『毎年靴紐が切れたり、腹壊したりしてwwwwww』
佐天『あはは。「不幸だ~」って言ってる姿が想像出来ますね』
佐天『まぁ、今日は一番とったせいで体育が終わった後にリンチにあったんですが……』
上条『あ……』
佐天『「涙子のくせに生意気だー」ってね。どこのガキ大将の台詞でしょうね、ふふ』
上条『ほら、こういうこともあろうかと絆創膏』サッ
上条『手の甲切れてるよ』
佐天『おぉ~。気付かなかったです。私のことよく見てますね~』ニヤニヤ
上条『ちょ、そ、それは、その、あれがあれで、これはそれでして///』
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佐天『ハアハア……ハアハア……』ボロボロ
上条『さ、佐天さん!大丈夫か。おい、ボロボロじゃねえか。火傷の跡も……一体何をされたんだよ』
佐天『ちょ、ちょっとドジっちゃって……ハアハア』
上条『いくら能力で操られてるっていっても、やっていいこととだめなことの線引くらいできるだろ!』
上条『佐天さん、誰にやられたんだよ!?』
佐天『言いません。言ったら上条さん、その人のこと殴りに行くんでしょ?』
上条『そ、そんな佐天さんが気にすることじゃ』
佐天『そんなおっかない顔してる人には教えられません』
佐天『それに上条さんにはこのいじめに関わらないで欲しいんです』
上条『な、なんで……』
佐天『こうやって全く関わらない友達がいるってことがとても救いなんですよ?』
佐天『上条さんが私の味方でも敵でも、この件に関して関わり合いを持ったらそれが崩れちゃうんです』
上条『君はどこまで……』
佐天『ね? こうやってここにいて会ってくれるだけで、また明日も頑張ろうって気になれるんですから』
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佐天『聞いてください、上条さん! とうとうレベルが3になって能力を切れるようになったんですよ!』
上条『マジ?』
佐天『マジで!』
上条『……』
佐天『上条さん?』
上条『ぅ……』
佐天『う?』
上条『ううぉーーーーーーーーーー!!!!!!」
佐天『わわっ!』ビクッ!
上条『やったな、涙子ちゃん! やった、まじでがんばったぞぉーー!』ダキッ ナデナデ
佐天『ちょ、上条さん/////』
上条『っは! しまった。ご、ごめん。つい////』
佐天『ぃ、いえ///』
佐天『ていうかさっき「涙子ちゃん」って……』カァ~
上条『ぁ、そ、それはだから、その、これがああなってここをこうして、あれがこれで、それがあれで……』アセアセ
佐天『ふふ。私もお返しに「当麻さん」って呼ばせてもらいますね』
上条『ううぉぅ! なんちゅう破壊力wwwwww』
佐天『……』
佐天『……当麻さん』
上条『ん? なに?』
佐天『今まで本当にありがとうございました!』ペコリ
上条『いやいや、そんな改まんなくていいって。俺は大したことしてない。頑張ったのは涙子ちゃんだ』
佐天『それでもありがとうございましたなんです!』
上条『そうか。まぁ、あんまり女子中学生にペコペコ頭下げさせるのもなんだし、素直に感謝の気持ちは受け取っておくか』
佐天『あの……当麻さん』
上条『ん? なんだい?』
佐天『これからもこうやって会ってくださいますか?』
上条『当たり前だろ! もう俺達は友達、いや親友同士だと思ってるんだ。いじめがなくなったからって「はい、さようなら」っ
てわけにはいくか』
佐天『はぁ。よかった』ホッ
上条『お? 俺とまだ逢えるようでホッとしてるのかな~?』ニヤニヤ
佐天『……』
佐天『実はまだいじめが完璧になくなったわけじゃないんです』
上条『え?』
佐天『オン・オフの切り替えができるようにはなったんですが、元々この能力は「オン」状態がデフォルトなわけでして……』
佐天『オフにするためには能力を「使う」必要があるんです』
上条『ん? んん? ごめん、あふぉな上条さんにもうちょいわかりやすく』
佐天『つまり常時オフにはまだできないんです』
佐天『オフにするには常に演算し続けなければいけなくて、まだ私の精神力では長い時間維持できなくて……』
佐天『オフにできる時間はせいぜい一日4,5時間程度です。切れたらまたいじめの対象にされます』
佐天『オフの状態も正確には完全にオフじゃないみたいで、直接的ないじめをされていたのが無関心になる程度なんです』
上条『そ、それじゃあ、まだ辛い日々は続くってことか……』
佐天『でもだいぶ楽になりましたよ。いじめの内容も軽くなりましたし』
上条『そっか。でもそこまで来たならあともう少しでいじめも完全になくなるんじゃね?』
佐天『ええ。そうですね。あともうひと踏ん張りがんばりますよ♪』
佐天『当麻さんが自分のことのように喜んでくれて嬉しかったです』
佐天『今日はとてもいい日になりました』
_________
_________
佐天『ハアハア……あぐ……ハアハア……ゲホゲホ』ボロッボロ
上条『る、涙子! おい、どうしてこんな……』
上条『いじめは軽くなったんじゃなかったのかよ』
佐天『ちょ、ちょっと油断してました…ハアハア……ック』
佐天『ぃ、痛い……ハア』
佐天『やっぱり高位の能力者はいじめ方も一流ですね、あははゲホゲホ』
上条『少し待ってろ。今部屋まで運ぶから。』
佐天『ぁ、お姫様だっこ///』ボソッ
______
___
こうして、心身の状態が浮き沈みの激しい涙子との1か月は瞬く間に過ぎていった。
俺はその間、ただ話しを聞いてあげる事しかできないもどかしさに苛立ちを感じていた。
だけどそれでも健気に頑張る彼女を見て、心から応援したくなった。
そして彼女に完全に惚れている自分に気づく。
親のため、友達との日々を取り戻すため、まっすぐに生きている彼女の姿が愛しくて愛しくて仕方ないのだ。
今までも多くの女性が俺の周りにいた気がするが、今は彼女しか見えない。
いじめの件が一段落ついたら告白しよう。
佐天「当麻さん、今日はお話することがあります」
上条「おぅ、どうしたんだい、改まって」
佐天「ずっと心に決めていたことがあって、あることが終わったら実行しようと思ってたんです」
上条「心に決めていたこと? あること?」
佐天「すー…はー…」
上条「!?」
佐天「当麻さん、好きです! いえ、ずっと大好きでした、今まで。それにこれからも!!! 私とお付き合いしてください、お願
いします!」
上条「……え?」ポカーン
佐天「いじめが完全になくなったらずっと告白しようって思ってたんです」
佐天「それで先日とうとうレベル4になって常時完全能力オフ、ついでに対象の変更が可能になって、」
佐天「いじめが完全になくなりました」
佐天「だから私の想いを伝えます。好きです! どうしようもないくらい」
上条「……」ボーーーゼン
佐天「辛い時にそばに居てくれた人に惚れるなんてありきたりすぎですよね///」
佐天「でも本気なんです」
上条「……」
佐天「あの、上条さん?」
上条「ぅ…」
佐天「う?」
上条「ううぉーーーーーーーーーー!!!!!!」
佐天「ま、また?」ビクッ
上条「ちくしょぉーーーー先を越されちまった。なんということだ」
佐天「え? 先?」
上条「俺も好きなんだよ! 涙子のこと! いじめがなくなったらこっちから告白しようとしてたのに」
佐天「当麻さん///」
上条「お願いされるまでもねえ。付きあおう、涙子」ガシッ
佐天「ぁ///」
佐天「当麻さん、ここ公園です。ちっちゃい子に見られてます///」
上条「関係あるかぁ。今超嬉しいんだ!」
――このことに関しては、あとで後悔した。土御門と青ピアスに見られていたorz
天さんと別れた帰り道
ふう。不幸が売りのこの上条当麻、今人生で一番シアワセです。
学校では青ピ達『モテないグループ』に属しているせいで今までそんなチャンスを逃してきたが、最終的にたった一人の女の子に巡りあえたら勝ち組さ。
ふっふっふ。最高に気分がいいぜ。
??「あ、あんたぁ」
ん?
??「き、奇遇ね。こんなところで会うなんて///」
こいつか。名前で呼ばないとキレるんだよな。
上条「あぁ、御坂か。どうしたんだ、こんなところで?」
御坂「たまたま通りがかったのよ、たまたま。別に通りかかるのを待ってなんか……」ゴニョゴニョ
上条「んん?」
御坂「と、とにかく勝負しなさいよ。前の決着がまだでしょうが~」
上条「はふー。御坂、俺は今幸せの絶頂にいるんだ」
御坂「はぁ? 何言ってるの?」
上条「とにかく気分がいいんだ。今日は俺の負けでいい。この気分のまま帰りたいからこれで失礼するよ」
御坂「ちょ、ちょっと待ちなさいよ」
上条「じゃあな~ノシ」
翌朝
これからは涙子とのデートとかにお金を使いたいから、一層節約しなきゃな。
新聞とチラシ着てるかな?
今日のお買い得品はっと……
お、卵が安いな。ちょうど切らしてたっけ。
先着20名だから開店直後に並ばないと。行くか。
スーパーまでの道
御坂「あ、あんた///」
上条「ん? あぁ、ビリビリか」
あ、しまった。失言だ、つい。
御坂「ビリビリいうな! 私には御坂美琴って名前があるって言ってるでしょうがぁ!!」
ビリビリィ!
パキン!
っふう。案の定、電撃が飛んできたか。
上条「お、おい。すまなかった。でも今日は卵の安売りが先着20名、お一人様一パックまでで急いでるんだ」
上条「頼むから今度にしてくれー」タタタッ
御坂「あんたの事情なんか知らないのよ。とにかく勝負、勝負しなさいよ~」ダッ
___________
___________
上条「ゼーハーゼーハー」
御坂「はあはあ」
御坂「ようやく観念したようね」
ああ、今日も安売りはだめだったか。
御坂「じゃあ、遠慮なく行かせてもらうわよ!」
いっそ、二度と歯向かってこれないくらい、ボコボコにしてやろうか
御坂美琴は事あるごとに俺につっかかる。
何の恨みがあるんだ?
最初の出会いはチンピラに絡まれている彼女を助けたこと。
しかしまさか超能力者とは知らず、余計なお世話をしてしまったらしい。
俺の右手の特性で、御坂の電撃を打ち消した。
それが彼女のプライドを傷つけてしまったのか。
以来、出会うごとに勝負勝負とのたまい、右手の幻想殺しが無ければ死んでしまうような攻撃をしかけてくるようになった。
洒落にならないのだ。
俺が全身で異能の力を無効化できるのならまだしも、残念ながらこの力は右手限定だ。
それゆえ、受け損なうと当然ダメージを負う。
学園都市第三位の攻撃をまともに浴びてしまったら「痛い」ではすまない。
良くて大やけど、最悪感電死もありうる。
だから俺は今まで最大限、御坂を刺激しないよう、機嫌を取ってきた。
時には負ける振りをしたり、恋人の振りをしたり。
またあるときはあいつの宿敵を代わりに倒したり。
しかしその結果がこの仕打ちとはどうなんだ?
以前はこいつの過去を知っているだけに、同情にも似た感情があった。
事あるごとに突っかかってくるのも、小学生が好きな子に意地悪するアレみたいなものかなってポジティブにとらえていた。
あいつがどう思ってたのかは知らないけど……
何より俺自身、あいつに少し気があった。
そりゃあ、黙っていれば見た目は超絶美少女だ。胸はないけど。
だけど今の俺には涙子がいる。
御坂にあった少しばかりの感情も、消え去った。
だとすれば、これ以上俺がこいつの仕打ちを受けてもニコニコ水に流す必要なんてもうないんじゃないだろうか。
ビリビリィ!
上条「っく!」
パキン!
上条「っふう」
御坂「相変わらず不思議な右手ね。でも今日の私は一味違うわよ。作戦を練りに練って、」
上条「御坂ぁ!!!」
御坂「な、なによ。いきなり大声出して……」
上条「お前さあ、そんなことして楽しいの?」
御坂「え?」
上条「守ることはできるけど攻めることはできない相手に攻撃して楽しいのかって聞いてるんだ!」
御坂「ちょ、なによ。いきなりそんなこと……今までそんなこと一度も」ゴニョゴニョ
上条「確かに俺はお前の攻撃を無効化できる。でも100%じゃない。そんなことはわかってるだろ?」
上条「その上こちらからは攻撃できない」
御坂「できないってしてないだけじゃない。ぃ、いいのよ、勝負なんだからあんただって攻撃しても……」
上条「はあ……本気で言ってるのか、それ?」
上条「いくらお前から仕掛けてきた勝負だからっていっても、男が因縁もない年下の女の子に攻撃できるわけないだろ。俺はそこまで腐っちゃいない」
上条「お前は何がしたいんだ?」
御坂「何って……」
上条「俺はただ、スーパーの安売りに行こうと公園を通っただけだぞ?」
上条「何か俺がお前を怒らせるようなことをしたのか?」
御坂「それは……」
上条「したって言うなら謝るよ、ごめん」ペコリ
上条「だからもうやめてくれ。今までお前の攻撃で俺の買ってきた食料が無駄になった」
上条「電化製品がおじゃんになった」
上条「スーパーのタイムセールに行けなくなったこともあるし、遅刻して補講を受けさせられたこともあった」
上条「その度に居候に理不尽に責められる辛さがお前にわかるか?」
御坂「わ、私はただあんたと……」
上条「頼む、このとおりだ!」
御坂「ぅ、うぅ……ご、ごめん」シクシクシクシク
泣いてやがる、この女。
上条「それじゃ、もう俺は行くよ」
御坂「ま、待ってぇ」ウルウル
上条「妹達の件で何か助けが必要なら呼んでくれ。じゃあな」プイ
どうだ中学生。
相手を責めつつも最終的にこちらが下手に出ることによって罪悪感を植え付ける作戦は成功したようだな。
これでもう御坂は俺の周りをうろちょろしないだろう。
心置きなく買い物にいけるぜ。
何よりこの先、涙子とのデートの時とかに襲われたらたまったもんじゃない。
その点、ここらで御坂とケリをつけておいたのは正解だったかもな。
佐天「ぁ、当麻さ~ん」
上条「お? 涙子、こんなところで会うなんて奇遇だな」
佐天「買い物の帰りなんです。卵が安かったんですよ」
上条「もしかして××マート?」
佐天「ええ、そうですよ。もう売り切れてましたが」
上条「ぐぁ~やっぱりか。俺も朝並んで買いに行こうとしたのに野暮用が入っちまって逃したんだよ」
佐天「ふふ。こういう時はなんて言うんですか?」
上条「不幸ぅだぁ~~~」
佐天「仕方ないですね。今日はそれじゃあ当麻さんちにこの卵を使ったお夕飯作りに行きましょっか」
上条「え? マジで? いいの?」
佐天「ええ。一人で食べるよりも二人で食べたほうが美味しいですし」
上条「やったぜ。人生初めての彼女の手料理だ♪」
佐天「ぁ、あんまり期待しないでくださいね///」
佐天「その代わりと言ってはなんですが……」チラッ
上条「ん? どうかした?」
佐天「あとでお願い一つ聞いてもらっていいですか?」
上条「ん。いいよ。何かな? この上条さん、一つだけなんてけち臭いことは言わないのでいくつでも言ってご覧なさい」
佐天「ぁ、あとで言います。夕飯食べた後にでも……」
上条「わかった。じゃあまた後でな。部屋片付けておくわ」
佐天「はぃ、また」ペコリ
夕飯後
上条「っふう。美味かったぁ。ごちそうさま」
おい、こんなに幸せでいいのか、おれ。
佐天「お粗末さまでした。気に入ってもらえてよかったです。ちょっと自信がなかったので」
上条「いやいや、自信もっていいよ、この料理は。そこらのレストランより断然うまいって」
佐天「またまたぁ。褒めても何も出ませんよ?」
上条「本心だって。上条さんは嘘は言いません! 毎日だって食べたいよ」
佐天「ほ、本気にしちゃいますよ?///」
上条「あぁ、本気で受け取ってくれ」
佐天「……」
上条「……」
ぅ。言って後悔。なんか恥ずかしい。
佐天「あの、当麻さん」
上条「ん?」
佐天「昼間言ってたお願い、聞いてもらえますか?」
上条「おぉ、そうだったね。こんな美味しいもの食べさせてもらえたんだ、なんでも言ってよ」
佐天「……」ドキドキ
上条「涙子?」
佐天「……してください」ボソ
上条「ん? 何?」
佐天「き、キスしてください!!」
上条「ぉぉおう?」
佐天「だめですかぁ?」ウルウル
上条「いいやいや、いいいいよ。全然いいよ。むしろこっちがしたい、めっちゃキスしたい!」
おい、童貞にこのシチュはハードル高いぞ……おい。
佐天「ほんとですか!?」パア
上条「あ、あぁ。望むところだよ。ででででも俺初めてだからやり方とかわからないから」アセアセ
佐天「いいんです。自己流でもなんでも。口を重ねてくれれば///」
上条「じゃ、じゃじゃぁこれ以上間を置くと緊張しちゃうから早速……」ドキドキ
佐天「はぃ、お願いします」ドキドキ
ちゅ
上条「ん」
佐天「んちゅ」
上条「はあ…ハア……こ、こんなもんかな?///」
佐天「ハアハア……は、はい。ありがとうございます///」
上条「……」
佐天「……」
佐天「実を言うと断られるんじゃないかって思ってたんです」
上条「どうして? 断るわけないじゃん」
佐天「その……私、いじめられてる時にたくさんカラダ犯されたので……」
あ、そういうことか。
佐天「私のカラダ、汚いから……だから、いくら彼女っていっても生理的に受け付けられないって思われても仕方がないかなって……」シクシクシクシク
上条「涙子!」
ダキッ
佐天「と、当麻さん!///」
上条「大丈夫だから……何も汚いことなんてないから……」
佐天「………」
佐天「…………ありがとうございます」
翌朝
チュンチュン
事後
……にはならなかった。
佐天「おっはようございま~す♪」
上条「ん~~。おはよ。朝からテンション高いな」
佐天「はい、それはもう。最近目覚めがとってもいいんですよ。ストレスから解放されたおかげですね」
佐天「朝食できてますよ♪」
昨夜はあのまま眠った。
結局一線を超えられなかった。なんたる醜態だorz
あの空気は押し倒してもよかったよな……はあ。
くそぉ、せっかくカッコよく決まったのに、童貞卒業のチャンスがぁ……
佐天「いただきまぁすっ!」
上条「いただきます」
モグモグパクパク
佐天「ところで当麻さん」
上条「んー? なにー?」モグモグ
佐天「昨日はあのまま押し倒してセッ○スしてくれてもよかったんですよ?」
上条「ブーーー」ブハ
上条「ゲホゲホ……いきなり何を」
佐天「あは~。動揺しちゃってwwwwww」
佐天「私もちょっと期待してたのになぁ~」ニヤニヤ
佐天「私に魅力が足りなかったのかなぁ~」
上条「うぅ……スミマセンデシタ」
佐天「それともやっぱり他の男に抱かれた女は抱きたくないのかなぁ~」
上条「そ、そんなことは」
佐天「あは。冗談です」
上条「そ、そっか」アセアセ
佐天「ま。昨日はキスしてもらっただけで十分幸せでした。楽しみは次にとっておきますね」
上条「ぉ、おう。任せろ!」
佐天「……」
佐天「……ほんと、期待してますから」ボソッ
朝食後、涙子は帰っていった。
帰り際、合鍵を渡しておいた。
お、なんかこれって恋人っぽいなぁ。
キリのいいところなのでちょっとお風呂行ってきます。
見てくれている人、ありがとう。
美琴sage話が嫌いな人すみません。
あと2つ別サイドの話を作っていて、そこで美琴が救済がされます。
戻りました。>>85から再開します。
___________
___________
それから一週間、お互いになかなか時間が取れなくて会えなかった。
そんなある日……
今日も今日とてスーパーの安売りだ。
目当ては野菜と肉。今日はカレーだな。
お?涙子だ。
上条「おーい!」
佐天「ぁ、当麻さん……」トボトボ
ん?なんだろう。心なしか落ち込んでるように見える。
上条「元気なさそうだな。なんかあったのか?」
佐天「ぁ、えと……」
よく見るとすごいクマ、泣きはらした跡がある。
上条「何かあったらなら俺に言えよ。力になる!」
佐天「……ぅ」シクシク
佐天「……当麻さぁん、ウワァァァン!!」ポロポロ
上条「!?」
上条さんち
上条「落ち着いたか?」ナデナデ
佐天「ええ。ごめんなさい、取り乱して……」グスン
上条「いや、別にいいんだけど。何があったんだ?」
佐天「……」
上条「ま、言いたくなかったら無理して言わなくてもいいよ」
佐天「……」
佐天「私……」
佐天「私、友達に裏切られたんです。その子にずっといじめられてたんです」
上条「それはまた能力で?」
佐天「いいえ。能力は全く関係ありません」
佐天「とある事情でその人には私の能力が効かないんです」
俺以外に、涙子の能力――気付かないうちに相手の精神を操るような、トンデモ能力に抵抗できるやつなんているのか?
佐天「私はそのことを今まで知らなくて、皆と一緒になっていじめに加わってるのも私の能力の影響だと思ってて……」
上条「そんな……」
佐天「あはは。相変わらず私って間抜けですよね」シクシク
佐天「その人はレベル5で私のあこがれで、無能力で辛かったの時に親身に相談に乗ってくれて……」
佐天「だから余計に悔しくって……」グスングスン
上条「……」
佐天「事実を知ったのは先週です。その人の後輩――私にとっても友人なのですが――から教えてもらいました」
佐天「はあ。はあ……」シクシクシクシク
佐天「昨日、私はその人に復讐して来ました。私の能力を使って……」
佐天「ボロボロになった彼女を見てスカッとしました」
上条「……」
佐天「軽蔑してくださっていいですよ」
佐天「さんざん能力に憧れてきた私が、その能力を復讐なんてくだらない事に使ったんですから」
佐天「いじめられてきた私が、いじめる側に回ったんですから……」
佐天「どうやら、私は身体だけじゃなくて心も汚くなってしまっていたようですね」
上条「……」
佐天「でもどうしても許せなかった。あの人のことを考えると、ドス黒い感情が次から次へと湧いてきてどうしようもなかったんです…うぅ……」ポロポロ
佐天「嫌いになりましたよね、当麻さん。こんな女、もう顔も見たくもないですよね」ポロポロ
上条「なるわけないだろ。そんなことでお前のことが嫌いになるか!」ダキ!
佐天「ぁ……」
上条「誰だって嫉妬とか恨みや憎しみを持ってても不思議じゃねえよ」
上条「むしろそういった感情がなけりゃ人間じゃねえ」
上条「その上、涙子は散々ひどいことをされては裏切られたんだ」
上条「そりゃ仕返しの一つや二つ、してみたくもなるさ」
佐天「当麻さ…ん」シクシクシクシク
ベッド
チュ
佐天「ん・んー……」
佐天「ハアハア」
上条「はあ、はあ……」
上条「そろそろいいか?」
佐天「はい」
上条「脱がすよ」
佐天「ん///」
スルスル……パサ
上条「!?」
上条「これは……」
なんてことだ。服の下がこれほどまでにひどい状態とは……
おびただしいほどの青あざ、内出血の跡、痛々しい切り傷。
何より焼けただれた女性器……
佐天「あ、あはは。やっぱり気持ち悪いですよね、このカラダ……」
佐天「この傷も、こっちも、いつかは薄くなってくれるのかなぁ」
上条「気持ち悪くなんかねえよ」
佐天「うそ! 正直に言ってくれていいんです」
上条「……」
くそ、どうやって慰めればいいんだ。なんて声をかければいいんだよ。
ただ「気持ち悪くない」なんて言っても説得力がねえ。
どうすれば……
いや、一つだけ思いついているのだが、これをすると上条さんの尊厳が……
佐天「その……カラダに関してはしょうがないですので、」
佐天「この先、当麻さんが他の女性とやりたくなっても私は止めません」
佐天「最終的に私のもとに帰ってくれさえすれば、浮気してくれても……」
佐天「あは。私ってば何様なんでしょうね……ごめんなさぃ」
上条「だから気持ち悪くないって言ってるだろ!」
佐天「い、いいんですよ。ムリしないで! 私が一番わかっていますので」
佐天「そういう優しさが一番痛いんです……」
上条「いや、だから……」
ええい、もう尊厳がどうのとか言ってられん。やってやる。
上条「ふう。涙子、お前に見せてやる」
ヌギヌギ
佐天「え?」
ポロン ムクムク
上条さんの息子さん@包茎 (*´∀`*)
佐天「ぁ///」
上条「ふっふっふ。どうだ、上条さんの息子タンは!」
上条「見事な皮被りだろ? 高校生にもなってまだ剥けてないんだぜ」
上条「その上、すでに戦闘モードなのに小学生並みの短小っぷり。友達と銭湯に行くと真っ先にからかわれるんだ」
佐天「///」
上条「言っておくが見た目もそうだが中身もすごいぞ?」
上条「超早漏で、[田島「チ○コ破裂するっ!」]はリアルに三擦り半で終わるんだ」
上条「そのおかげで同居人がいてもトイレで手早く処理できて助かってはいるんだが……」ウルウル
佐天「と、当麻さん///」
上条「し、しかもなぁ。実は俺、結構汗っかきだから夏場はにおいがひどくてなぁ……」シクシク
上条「中学の頃、ついたあだ名が、イカじょ「も、
佐天「も、もういいですよ///」カァ~
上条「そ、そっかぁ」ポロポロ
佐天「ぃ、言いたいことはなんとなくわかりました……」
上条「あ、あぁ。まぁなんというかアレだ」グスン
上条「涙子が自分のカラダに悩んでいるように、俺だってコンプレックスがあるんだ」
上条「全部ひっくるめてお前が好きなんだから、俺に対して劣等感を感じる必要はこれっぽっちもないぞ」
佐天「は、はぃ。ありがとうございます」ペコリ
佐天「本当にありがとうございます」
___________
コマンドなんてあったのか。
初めて知ったwwww
上条「と、ところでだなぁ……」チラ
佐天「はぃ?」
傷だらけとはいえ、目の前には裸の女の子……もう辛坊たまらん
上条「そ、そろそろ次のステップへ進みたいんだけど……」アセアセ
佐天「ぁ、そ、そうですね、あはは」
上条「……」
佐天「……」
おいぃぃぃ。ど、どうすればいいんだ。
今まで散々妄想してきたのに、いざという時に役立たねえwwwwww
AVではまずなにやってたっけ?女優へのインタビュー?いやいやいや、ねえだろ。
えっと、挿れる前に濡らさなきゃいけないんだっけ?
上条「じゃ、じゃじゃぁまずはソコを舐めさせてもらうよ」
佐天「はい///」
オナニーとかのフィルターはメール欄にsagaで回避できるよ
上条「……」
やっぱり火傷の跡がひどいな。見ていて痛々しい。
佐天「こ、ここは電気の能力者の友達に電熱で焼かれちゃって……近くで見るとやっぱりグロいですよね……」
上条「いや、そういうわけではないんだけどさ」
上条「痛くない? もう痛みは大丈夫なの?」
佐天「正直、用足しの時とかしみるんですよね」
上条「そっか。じゃあ舐めないほうがいい?」
佐天「い、いえ。当麻さんの好きにしてもらっても……舐めてもらったほうが嬉しいかも///」
上条「じゃ、じゃあ」
ぺろ
佐天「ひゃん!」ビクッ!
上条「あ、だだだだ大丈夫?」
佐天「だ、大丈夫です。くすぐったくてびっくりしただけ。続けてください」
上条「わわわわかった」
sagaいれようぜー
ぺろぺろぺろぺろぺろぺろ
佐天「あ、あん…あ…んーーーはぁん」
ぺろぺろぺろぺろぺろびちゃびちゃびちゃびちゃ
ちゅぷちゅぷちゅぷぬるん
佐天「んーーー」ビクンビクン
お?これは「イク」というやつですかな?
てかアソコって独特な味だな。
美味しいとは思わないが、正直俺は好きだぞ。
佐天「ハアハア……き、気持ちいいです///」
上条「そか。よかったぁ」
佐天「ま、不味くありませんでしたか?そういえばシャワー浴びてなかったので臭いかも」アセアセ
上条「ん~。特には。癖になりそうな味だったわ。できることならずっと舐めてたい」
佐天「あぅぅ///」カア~
佐天「つ、次は私が舐めますね」
上条「お、おおおうふ」
_________
>>108
そうだったのか、教えてくれてありがとう。
ぺろぺろぺろぺろぺろぺろ
上条「はうぅぅうーー」
佐天「だ、大丈夫ですか?」
上条「おおう。だいじょぶwww」
くすぐったいけど、なんだこれ。超気持ちいいwww
ぺろぺろぺろぺろぺろぺろ
手でやるのとは違う。口の中ってこんなに温かいのかぁ
上条「ハアハア……」
ちゅぷちゅぷちゅぷ
唾液でヌルヌルしてて、なんだか……
べろべろちゅぱちゅぱ
っていうか
上条「ちょ、やばい、出る!」
_____
>>110
無知ですまぬ
ドピュドピュドピュドピュ
佐天「んー~んんー」
ごくん
上条「ハアハア……ご、ごめん、口の中で出して。あまりにも気持ちよくて我慢できなかった」
佐天「ぷはぁ~。ごちそうさまでした♪」
上条「ま、まじでごめん」
やっぱり早すぎだろ、おれorz
佐天「えへへ。いいんですよ。それより……」チラッ
佐天「息子タン、まだお元気ですよね。最後まで……やります?///」モジモジ
上条「おおう。やる、最後までヤルぞ~」
ガバァ
上条「あ、そういえばゴムが……ごめん、今すぐ買ってくる」
佐天「い、いいですよ。その……生で」
生……だと?ゴクリ
いや……
上条「だけど、今孕ませても俺には養うことができなくて……」
佐天「ふふふ。優しいですね。避妊してもらえるのって初めてで嬉しいです」
佐天「でも安心してください。私、すでに子供ができるカラダではありませんから」
上条「あ……そうなのか」
佐天「そんな顔しないでください。子供ができなくても、当麻さんと一緒にいられるだけで、私は……///」
上条「わ、わかった。ととととにかく、生でいいんだね。おーっし、そうとわかったら俄然興奮してきたぜ!」
佐天「はい。あ、ちゃんと性病検査も受けて全て陰性だったので、そこも安心してくださいね」
上条「そうか……ハアハア……よし!」
上条「ハアハア……い、いれるよ?」
佐天「はい///」
上条「いいい痛かったら言ってよ?」
おれのアレで痛くなるのか?
佐天「はぃ。がんばります!」
上条「じゃ、じゃあ………」
上条「……んっと………えっと……」
佐天「………」
上条(ここでもないし……ここか?……いや、入らない……あれぇ……)アセアセ
上条(んっと……もうちょい下かな……上?……えっと……えっと……)ウルウル
佐天「あ、あの……こ、ここです」くぱあぁ
上条「おおおう。俺も今そこだと思ったわ。気が合うねーwww」
気が合うってなにがだよ。馬鹿なの俺?死ぬの?
くそう。風俗に行って練習しておけばよかった
あ、金ねえか。
上条「じゃ、今度こそ……」
ぬぷり
佐天「あ///」
上条「ハアハア……ハアハア……」
き、気持ちええええええ
なんだこれ、オナニーとはなんだったんだよ。
温かくてヌルヌルしてて締め付けられて……
もう言葉で表現できん!
佐天「ン…っ痛うぅ……ハアハア」」
上条「い、痛いのか、涙子?」
佐天「す、すみません。火傷したところが擦れて……ハアハア」
上条「わ、わりぃ……」
佐天「ハアハア……い、いいんです。少しくらい我慢するので構わず動いてください」
上条「で、でも」
佐天「当麻さんが気持ちよくなってくれれば私も同じ気持ちになれますから!」
上条「わ、わかた!」
上条「じゃあ動くぞ」
パンパンパンパ
ドピュドピュドピュドピュ
上条「え?」
佐天「ハアハア……ハアハア……え?」
上条「……」
上条さんの息子さん「ショボン」
上条 \(^o^)/
事後
上条「オワタ……初体験オワタ……三擦り半でオワタ……」ブツブツ
佐天「げ、元気だしてください。あの、私も気持ちよかったですよ」アセアセ
上条「ごめんなさいとしか言いようが無い」orz
佐天「いいんですって。内容よりも抱いてくれたことそのものが一番嬉しいんですから」
上条「で、でも……」
佐天「それに早くイッたってことは、我慢できないくらい私のカラダが気持よかったってことですよね///」
上条「それはそうだよ。本当に気持よかった」
佐天「ふふ。ありがとうございます」
佐天「それにこれからはいつだって、何回でも出来るんですから……私は拒みませんし///」
上条「おおおう。次こそはその、い、いい、イカセてやるからな」
佐天「はい、楽しみにしています」ニコ
内容はアレだったが、とにかく涙子が笑ってくれてよかった。
今日は初めて出会った時くらい落ち込んでいたからなぁ。
しかし早かった………いや、もう忘れよう。
それにしても何かが引っかかてるんだよなぁ。涙子の台詞の何かに……
『やっぱり高位の能力者はいじめ方も一流ですね』
『その人はレベル5で私のあこがれで……』
『ここは電気の能力者の友達に電熱で焼かれちゃって……』
『この能力が電気的なものだって知ったのもつい最近なんですよ』
『とある事情でその人には私の能力が効かないんです』
まさか……
いやいやいや、いくらなんでもあいつがそんなこと……
御坂……
『あんたの事情なんか知らないのよ』
『とにかく勝負、勝負しなさいよ!』
『ようやく観念したようね』
『それじゃあ、遠慮なく行かせてもらうわよ』
あり得る……か?
自分の勝利のためにはなんでもする女。
無抵抗の人間に容赦無い電撃を浴びせる女。
スキルアウトをストレス発散のために利用する女。
スキルアウト……
『友達が連れてきたスキルアウトの人達に……その…輪姦されて……』
佐天「……まさん? とうまさん?」ユサユサ
上条「お、おう? どうした?」
佐天「どうしたって、当麻さんがどうしたんですか? 急に考えこんじゃって、話しかけても反応しなくなっちゃって」
上条「あ、そうだったのか。悪い」
思い切って聞いてみるか。
上条「あのさ、涙子。御坂美琴って知ってるか?」
佐天「!?」
佐天「ど、どうして当麻さんが御坂さんを!?」
御坂“さん”……か
上条「その口ぶりだと御坂美琴は知り合いなんだね?」
佐天「え、ええ……」
明らかに動揺してる。
上条「友達?」
佐天「そうですけど……いや、もう友達じゃあないかもしれませんね……」
上条「……」
やっぱりそうだろうな。
十中八九、涙子の女性器を焼いた友達っていうのはアイツだ。
スキルアウトに輪姦させたのも。おそらく一連のいじめのリーダー格も。
その上、その行動は涙子の能力によるものではなく、アイツ自身の意思だ。
涙子の能力は電気的な信号を送ってる。
エレクトロマスターのアイツには効かない。効くわけがない。
クソ!どうしてもっと早くに気が付かなかったんだ。気づくチャンスはあったのに。
知っていれば俺が止められたのに。
俺は涙子が傷つけば傷つくほど俺に依存してくれることに、どこか期待していたのかもしれない。
だから涙子が受けているいじめの本質まで踏み込もうとしなかった。
最低だ……
御坂のやつ………このままにしておいていいのか。
今日、涙子が復讐してきたとか言ってたけど、彼女だけに全て背負わせていいのか。
おれは……あいつに……あいつのことを……
上条「悪い、変なこと聞いたな。この話は忘れてくれ。」
佐天「い、いえ。別に……でもどうして?」
上条「いや、特にどうってこともないんだけど……この前新聞で取り沙汰されてるの見て「中学生で知らない人はいない中学生」とか言われてたから、なんとなく…知ってるのかなぁって……」
ちょっと苦しいな、この言い訳。
でも涙子に本当のことを言ったら止められるだろうしな。黙っておかないと……
佐天「そうですか」
佐天「……」
佐天「当麻さん、私そろそろ帰りますね」
上条「そっか。お? 気づけば朝か」
佐天「そうですね~。昨晩はお楽しみでしたね~♪ なんちってwww」
上条「ふわぁ~。眩しい。眠いなぁ」
佐天「寝ちゃだめですよ! 今日は平日でしょ? ちゃんと学校行ってくださいね」
上条「へ~い」
佐天「うむ、よろしい! ではこの辺で」
上条「おう。気をつけて帰れよ」
佐天「はい」ニコッ
佐天「………当麻さん」
上条「ん?」
佐天「汚いのは私だけで十分ですからね?」
上条「え?」
佐天「それでは」
ガチャン
上条「……」
さてと、まずは御坂に会って直接問い詰めないとな。
あいつは今どこにいる?
とりあえずあいつの寮まで行ってみるか。
寮
ピンポーン
黒子『はい、どなたですの?』
上条『その声は白井か?俺だ、上条当麻だ』
黒子『あらあらどこぞのお猿さんが何の用でしょうか?』
黒子『ここは女の園、殿方がそう気軽に出入りするような所ではありませんよ?』
上条『わりい。もうここには来ないから一つだけ教えてくれ』
上条『そこに御坂はいるか?』
黒子『……』
上条『いないならアイツが行きそうな場所教えてくれるか?』
黒子『お姉さまに何の御用ですの?』
上条『……』
こいつも事情を知ってるのか?どこまで?
上条『なあ、白井。佐天涙子って知ってるか?』
黒子『ええ。私の親友の一人ですの』
黒子『……』
黒子『殿方さん、少し外で会って話しましょうか』
上条『おう。そのほうが助かる』
黒子『ではすぐに支度をしますので、少々お待ちを』
とあるカフェにて
上条「以上がこっちの状況と俺の考えだ」
黒子「つまりあなたと佐天さんは佐天さんの能力発動中に出会い、惹かれ合った」
黒子「あなたは今朝、佐天さんとお姉さまが知り合いであること、お姉さまが件のいじめに加わっていたことを知った」
黒子「佐天さんの能力の本質を知っているあなたは、お姉さまが操られていたのではなく、自分の意思で佐天さんをひどい目にあわせていたと考えている」
黒子「何の事情があったかは知らないが、佐天さんを悪意を持って傷つけたお姉さまが許せない」
黒子「そういうことですね?」
上条「ああ、そうだ」
上条「白井が御坂のことをどれだけ慕っているかはわかっているつもりだ。だからこそ正直に話した」
上条「俺はあいつを絶対に許さないぞ」
上条「涙子をいじめた御坂をいじめてやるんだ!」
黒子「……」
黒子「殿方さん」
黒子「愛しい人を傷つけられて憤る気持ちはわかりますが、お姉さまと会ったところであなたに何ができますの?」
上条「そ、それは……」
黒子「いくら鈍感なあなただって薄々感づいているのでしょう?お姉さまがあなたに好意を寄せていることくらい」
上条「や、やっぱりそうだったのか」
黒子「気づいておりませんでしたの?」
上条「いつも攻撃を仕掛けてくるのは好意の裏返しじゃないのかと思ったことはあるけど、あまりに本格的な攻撃をしてくるものだから、それもただの自惚れかと思っていた」
黒子「まぁ、あれは確かにやり過ぎでしたの」
黒子「しかし話を戻しますが、自分に好意を寄せている人を目の前にしてあなたに何ができると言うんですの?」
黒子「罵ることができますか?殴ることができますか?」
黒子「類人猿とはいえ、正義漢のあなたにそれができるとは到底思えませんの」
黒子「まさかお得意の口八丁で説得できるとかお思いですか?」
上条「ぐ……」
黒子「人ひとり変えるということは並大抵のことではありませんの」
確かに白井が言うことは正論だ。
涙子の傷跡を思い出してアイツに同じ目にあわせて償わせようと息巻いてここまで来たが、いざ本人を目の前にして非情になりきれるかと言われると自信がない。
やっぱり曲がりなりにもアイツの過去を知っている理解者として、正しい方向に導こうって気持ちがどこかにある。
これは性分だろうか。
だが……
上条「おれは、涙子を愛している」
黒子「それはもう聞きましたの」
上条「だからこそ、やるんだよ」
上条「昨日、涙子が御坂に復讐したって泣きながら話していた――その時は復讐相手が御坂だとは知らなかったが」
上条「あいつは葛藤しているんだ。裏切った相手へのどうしようもない復讐心と、尊敬していた友達を傷つけることへの罪悪感に……」
上条「とても辛そうにしていた。でもこの先も涙子は御坂を傷つけ続けるだろ」
上条「あいつの傷跡を見るとどれだけひどい目にあったか容易にわかる」
上条「とても「それでも友達だから」って割り切れるほどのものじゃない」
上条「だから、おれもあいつの感じる罪の重荷を一緒に背負うんだ」
上条「せめてあいつと、涙子と、同じ気持ちを共有できるように。涙子だけに全て押し付けないようにな!」
上条「そのためだったらいくらでもこの手を汚してやるし、誰に罵られても構うものか」
黒子「……」
>>1さん、出来れば分かりやすいコテつけといて。
そうすりゃあなたが別スレ立てた時すぐ内容が把握できて閉じれるから。
頼むよ。
黒子「……」
黒子「気持ちはわかりましたの。あなたも私と同じ考えでしたのですね」
黒子「類人猿と同じ思考っていうのが少々癪に障りますが……」ボソ
上条「ん?」
黒子「オホン! ここから大通りを出て南にまっすぐ、二十分ほど歩いたところに『××倉庫』という古びた建物がありますの」
黒子「そこにお姉さまはおりますの」
上条「倉庫?」
黒子「あとのことは全てあなたにお任せしますわ。ご自由になさってくださいですの」
上条「そうか。わりいな」
黒子「……」
上条「……」
黒子「さてと、そろそろ行きますか」
上条「あ、白井。もう一つ教えてくれ。お前は今、御坂のことをどう思っているんだ?お前、今は涙子の能力は受けていないんだろ?」
黒子「……」
黒子「……お姉さまの居場所を教えたことで答えにはなりませんか?」
上条「あ……」
黒子「それでは失礼しますの」
上条「……」
行こう。最愛の人を傷つけた奴をぶちのめしに。
俺は迷わない。
××倉庫
御坂「……」グッタリ
御坂だ。裸で倒れている。息はしているけど、相当参っているみたいだ。
鼻を刺すような臭気が漂っている。
上条「おい、御坂!」
御坂「ん……ぁ、あんたは…」
御坂「っは!い、嫌ぁ!見ないで!お願い、見ないでぇーーー」
御坂「ど、どうしてあんたがここに」オロオロ
随分と取り乱しているな。ま、それはそうか。
股間から精液を垂れ流している。
明らかに犯された後だ。
白井からも言われたし、こいつは俺に好意を抱いている。
そんな相手に事後のこんな姿見られるなんて、さぞかし死にたい気分だろうな。
以前の俺なら同情していただろう。
だが……
______
>>139
つけたことないけど、こんな感じでいい?
上条「御坂、俺この前のこと謝りたくてよ。お前のこと探していたんだ」
上条「この前は言いすぎたからな」
御坂「と、とうま……」
上条「実はおれ、お前のこと少し好きだったんだ」
御坂「ほ、ほんとぉ?私も///」
ニヤリ
上条「だが!」
御坂「!?」
上条「今のお前の姿を見て冷めたわwwww」
上条「とんだヤリマンビッチだったんだなぁ、お前は」
上条「お前から処女って属性抜いたら他に何が残るんだよwww」
御坂「え、あ、ち、ちがうの。これは……」
上条「違う? 何が違うってんだ?」
上条「相手はもう居ないみたいだが、明らかに複数の人とヤッた後じゃねえか」
上条「その股間から垂れ流している精液が何よりの証拠だよなwww」
御坂「あ、いやぁ。これは…これは……」
上条「おお、おー。よく見ると口もとにも精液が垂れたカピカピした跡があるじゃねえかwww」
上条「そんなに精液が好きなのかぁwww」
御坂「うぅぅ……ちが、ぅの」シクシク
上条「まさかレベル5ともあろう者が無理矢理ヤラされたとか言わねえよな!?」
上条「いつも俺にぶち込んでいるレールガンがあれば、お前に勝てるのはせいぜい一方通行くらいだからなぁ」
御坂「ぁぅぅぅ……えぐえぐ、信じて、とうまぁ」
上条「俺を名前で呼ぶなぁ!!!」
御坂「!?」ビクッ!!
上条「虫酸が走るんだよ。たかが知り合いの中学生ごときに呼ばれるだなんてな」
上条「それにお前が気安く俺の名前を口にしたら、俺の彼女に失礼じゃねえか」
御坂「え?彼女って……」
上条「あア? そっか、お前オレのこと好きだったんだなwww」
上条「ごっめ~ん。上条さんにはすでにお前より若くて可愛くて、胸もあって性格もいい恋人がいるんですぅwwww」
上条「残念だったね~wwww」プークスクス
御坂「ぅ、ぅそ……うぅぅ」ポロポロ
上条「誰が好きこのんで会う度に攻撃してくるようなキチガイ女と付き合うかって―の」
御坂「と、とう……いや、上条さん、捨でないでくだざい゙」グスングスン
御坂「何でもじまずがら゙」
上条「いやいやいや、捨てる以前にまず拾ってないしwwww」
御坂「妾でも性奴隷でも何でもいいです。愛じでぐれなぐでもいいですから、本当に何でもしばすがら゙」ヒッグヒッグ
御坂「あなたのそばにいさせてください」ドゲザー
上条「……」
上条「顔を上げろよ、御坂。立て」
御坂「はぃ」
スッ
上条「御坂!」
御坂「はい」
上条「お前が未だに俺に何か期待しているというのなら、」
御坂「ぇ?」
上条「まずはその幻想からぶち壊す!!」
ボゴ!
御坂「ぶへ」
上条「オラオラオラオラぁー」
御坂「あがぁ…げふ……ガフ……あぅ……ハアハア……や、やべてぇ」
上条「おらもういっちょ!」
バキ!ドゴォ!ボキ!
御坂「ぐふ……げふげふ…や、やめ…あがぁ……」
御坂「……ハアハア」ピクピク
上条「ふう、こんなもんか」
上条「もう二度と俺の目の前に現れるんじゃねえぞ。ぺっ」
びちゃ
御坂「ぅ。うぅ……」
御坂「ど、どうじで……」
上条「ふん。じゃあな」テクテク
ガチャン
とある公園
上条「………」
上条「………」
これでよかったんだよな、これで。
俺は今、涙子の彼氏で、あいつは涙子を傷つけて……
だから俺はあいつに鉄槌を下した。
いつもみたいに正義を振りかざすのではなく、純粋な私怨で。
これでよかったんだ……
御坂『や、やべてぇ』
上条「……」
御坂『何でもしばすがら゙ あなたのそばにいさせてください』
上条「……くそ」
なんなんだよ、この気持ちは。
今まで俺に対しても散々な仕打ちをしてきたあいつを、心身ともにぶちのめすことができてせいせいしているはずなのに。
御坂『私の名前は御坂美琴、いい加減覚えなさいよ』
上条「……」
罪悪感を感じてるのか、俺は。
憎い相手とはいえ、あいつを殴っちまったことに。
佐天「だから言ったじゃないですか。汚いのは私だけで十分ですって」
上条「!?」
上条「涙子!?どうしてここに……」
佐天「後を付けていたわけではありません。××倉庫に御坂さんの様子を見に行ったら当麻さんがいて……」
上条「そうだったのか」
佐天「御坂さんとお知り合いだったんですね」
上条「ああ……」
上条「いや、ただ知り合いってだけでそんなやましいものじゃ」
佐天「あはは。わかってますって。言ったでしょ、倉庫でのことを見てたって」
上条「あ……」
佐天「……」
上条「おれ、昨日お前の傷を見て、自分が無力だって思ったんだ」
佐天「はい」
上条「だからさ、せめてお前をそんな風にしたアイツをぶちのめせば、少しはお前のためになるんじゃないかって……」
佐天「はい……」
上条「言い訳だよな。俺はただ、涙子が傷ついた時に何も出来なかった鬱憤を御坂で晴らしたかっただけかもしれない」
佐天「その鬱憤は……晴れましたか?」
上条「晴れたのかな……なんだか別のモヤモヤがくすぶっていて……」
佐天「そうですよね。そんな顔しているんですもの。晴れ晴れとした気分でいるわけありませんね」
佐天「でもね、当麻さんのその気持が少し嬉しかったりもするんですよ」
上条「え!?」
佐天「今日の朝と、さっき会った時に私が言ったこと、覚えていますか?」
佐天「『汚いのは私だけで十分だ』って。当麻さんにはその手を汚してほしくなかった」
佐天「だけど同時に、私のために「何か」をしてほしかった」
佐天「だから当麻さんが、私と御坂さんの関係を知っていて「何か」をすることがわかっていても、強くは止めなかったんです」
佐天「私が気づいていることも気づかれないように……」
上条「涙子……」
佐天「あはは。私ってずるいですよね。人の気持ちを試したり、あわよくば復讐に利用したり……」
上条「俺は、自分の意思で……いや」
もう何を言っても自分への、そして涙子への、言い訳にしかならない気がする
上手い言葉が出てこない……
佐天「本当は御坂さんを許したい。許して、また私たち仲良しグループで遊びに行きたい」
上条「……」
佐天「でも、だめなんです。どうしたっていじめられていた時の記憶が邪魔をするんです」
佐天「当麻さん。あなたみたいに正義感の塊みたいな人があんなことやって、今とてつもない後悔と罪悪感でいっぱいなんじゃないですか?」
佐天「無理しちゃって……」
上条「おれは……」
俺にできることは――白井にも言ったとおり、涙子の重荷を一緒に背負うこと
佐天「……」
佐天「当麻さん……」
上条「なんだい?」
佐天「私たち、いつか御坂さんと和解できるといいですね」
上条「……」
上条「ああ、そうだな」
今はそれしか言えない。
だけど……
上条「その時は、お前の隣にいるよ。約束する」
この気持ちだけは本当だ。
おしまい
おつ
黒子視点の続編書いて
つか、書け
ここまで読んでくれた方ありがとうございました。
不快に思った方はどうもすみません。
アナザーサイドストーリーその2,その3も今書いています。
今月中に書けたらと思います。
次も読んでくれる方いたらまたそこで。
>>172
次は美琴視点で書いています。
乙~
前作から見てる分、衝撃度は減ったけど
それぞれの救われなさが尾を引く感じ
たまにはこういうのも悪くない
>>1に注意書きやスレタイに【閲覧注意】とか入れておけば無用な反発は避けられたかも
いや、夏の奴らはそれを見てかえって突撃してくるか…
>>177
前作も見てくれてありがとうございます。
確かにそうですね。
最初の注意書きに胸糞描写ありとは書きましたが、今度はスレタイにもその旨入れておきますね。
>>1乙。そして新刊の情報である
□9月の新刊予定(2013年9月10日発売)□
『グレムリン』の頂点に立つ『魔神』オティヌスが、ついに動き出す。
◆新約 とある魔術の禁書目録(8)
著/鎌池和馬 イラスト/はいむらきよたか 定価:683円
全世界を、陰から操る『グレムリン』。その科学と魔術の融合組織が起こした様々な
『脅威』――ハワイでのテロ行為、バゲージシティでの『実験』、学園都市に眠る『不
死の存在』の奪取――には、全て理由があった。
『グングニル』。
魔神オティヌスの最終目的であるその神槍製造を止めるため、『魔神になり損ねた
男』オッレルスは、姿形を雷神トールと偽り、『グレムリン』の本拠地・サルガッソー
へ侵入、調査を開始する。
世界崩壊のカウントダウンは、間近に迫っていた。
ところで一方の上条当麻なのだが、彼が朝自宅で目覚めたら、幼い少女(レイヴィニ
ア)にエロい少女(レッサー)が同じ布団に入っていた。
>>149
まぁ、インデックスに関しては上条自身が一緒にいることを望んでるからねぇ。
なお、美琴は...
>>189
人に電撃ぶっぱする奴がまともだと...?
>>186
上条の「俺の青春」発言は都合ォ良く忘れてるらしいな。記憶障害かよ
>>196
ギャグシーンに必死に食いついてるねぇwwwwww
じゃあ「気に入らないことがあるとすぐに噛みつく穀潰しニート」や「能力は欲しいが努力はしたくない。てっとり早くズル(幻想御手)できるけど一人でやるのは怖いから友達とやりました」な奴がまともだとでも言うのかな?
>>1含めにわかアンチの巣窟だね
まだスレが残っていたとは……
このスレはHTML化依頼出しておいたのでそのうち過去ログに行くと思います。
乙言ってくれてる人、ありがとう。今日の午後か夜くらいから別スレで次の話を投下します。
タイトルは 御坂「いじめられて初めてその辛さがわかった」【閲覧注意】
見てくれる人はよろしくです。
このSSまとめへのコメント
最高だ
最低だ
最高だ
ビリビリざまあ
もっとこーゆーss増えてほしい