依田芳乃『贈り物には、意志があるのですよー』 (12)


乙倉悠貴の場合

悠貴「芳乃さんっ!誕生日おめでとうございます!」
芳乃「あー。悠貴さん。ありがとうございますー」
悠貴「私、プレゼント持ってきました!受け取ってもらえますか?」
芳乃「もちろん、いただきますー」
悠貴「じゃあこれをどうぞ。芳乃さんに似合うと思って、リボンを選んでみました!」
芳乃「ふむー。淡く、穏やかな色合いのリボンですねー」
悠貴「はいっ。芳乃さんって水辺にいると絵になるので!だから水色の物が似合うと思ったんです!」
芳乃「ふふっ、悠貴さん。あんまり褒めても、何も出ませんよー」
悠貴「いえいえいえ、そんな気持ちは微塵もないですよ!?思ったことを言っただけで」
芳乃「わかっていますー。このリボンから、悠貴さんの気持ちがとても、伝わってきますのでー」
悠貴「リボンから私の気持ち、ですか?」
芳乃「はいー。相手を想う気持ちは物に宿るのですー。ですから、このリボンにも悠貴さんの気持ちがたくさん、詰まっているのでしてー」

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すみません。

改行忘れました……。


乙倉悠貴の場合

悠貴「芳乃さんっ!誕生日おめでとうございます!」

芳乃「あー。悠貴さん。ありがとうございますー」

悠貴「私、プレゼント持ってきました!受け取ってもらえますか?」

芳乃「もちろん、いただきますー」

悠貴「じゃあこれをどうぞ。芳乃さんに似合うと思って、リボンを選んでみました!」

芳乃「ふむー。淡く、穏やかな色合いのリボンですねー」

悠貴「はいっ。芳乃さんって水辺にいると絵になるので!だから水色の物が似合うと思ったんです!」

芳乃「ふふっ、悠貴さん。あんまり褒めても、何も出ませんよー」

悠貴「いえいえいえ、そんな気持ちは微塵もないですよ!?思ったことを言っただけで」

芳乃「わかっていますー。このリボンから、悠貴さんの気持ちがとても、伝わってきますのでー」

悠貴「リボンから私の気持ち、ですか?」

芳乃「はいー。相手を想う気持ちは物に宿るのですー。ですから、このリボンにも悠貴さんの気持ちがたくさん、詰まっているのでしてー」


悠貴「……何だか、恥ずかしいですね」

芳乃「そんなことはないのですよー。私は、とても嬉しいですー」

悠貴「そう思ってもらえるなら、私も嬉しいです!」

芳乃「悠貴さんの気持ち、しかと受け取りましたー」

悠貴「はいっ。芳乃さんを想った私の気持ちが、しっかり届いて良かったです」

芳乃「……ほー」

悠貴「芳乃さん?」

芳乃「悠貴さんにー、告白されましたー」

悠貴「こ、告白!?ええっ!?」

芳乃「私を、想っているなどとー」

悠貴「えっ、あっ!そ、そういうことではなく!」

芳乃「ふふっ。冗談でしてー」

悠貴「もうっ、芳乃さん」

芳乃「すみませぬー。悠貴さんが可愛らしかったのでー」


二宮飛鳥の場合

飛鳥「やあ、芳乃」

芳乃「おやー、飛鳥さんですかー。どうかしましたかー?」

飛鳥「何、今日はキミの誕生日だからね。ボクなりにそれを祝おうと思ったのさ」

芳乃「ふむー。ありがとうございますー」

飛鳥「礼には及ばないさ。それよりも受け取ってもらえるかい?」

芳乃「ぜひー。開けてみても、良いですかー?」

飛鳥「もちろん。キミの好みはわからなかったから、つまらないものかもしれないけどね」

芳乃「そんなことはないのですよー。大切なのは、物ではなく気持ちなのですからー」

飛鳥「気持ち、ね。キミには贈り物が何かは関係ないんだね」

芳乃「私だけではなくー、誰もがそうでしょー。飛鳥さんも、悠貴さんも。贈り物をいただいて、悪く思う人はいないのですー」

飛鳥「ふむ。確かにそうだね。いきなり貰うのは困るが、記念日に貰うのなら悪くない」


芳乃「ですから、決してつまらないものではないのですよー」

飛鳥「そうだね。なら芳乃、改めて受け取ってもらえるかい?キミは石が好きなようだから、ストーンチョコを用意してみたんだ」

芳乃「ありがとうございますー。どれも綺麗で食べることがもったいないくらいでしてー」

飛鳥「そこは食べてくれると、贈る側としてはありがたいんだが……」

芳乃「もちろん、いただきますよー?」

飛鳥「ははっ。気に入ったようで良かったよ」

芳乃「はいー。飛鳥さんの気持ち、しかと受け取りましたー」

飛鳥「あぁ。誰かに、キミに物を贈るのは案外悪くない」

芳乃「ふふっ。飛鳥さんの誕生日には、ぜひ私からも贈り物をー」

飛鳥「あぁ、期待して待っているよ」

芳乃「これはー、ハードルが上がってしまったのでー?」

飛鳥「ふっ。大事なのは物じゃなく、気持ちだろう?」

芳乃「そうでしたー」

飛鳥「やっぱりキミは面白い人だね。芳乃、誕生日おめでとう」


Pの場合

芳乃「そなたー、これは何でしてー?」

P「何ってそりゃあ誕生日プレゼントだよ」

芳乃「ふむー……」

P「誕生日おめでとう、芳乃」

芳乃「ありがとうございますー。ですがそなたー?」

P「どうした?」

芳乃「女性への贈り物に、石はないのでしてー」

P「……えっ!?だって芳乃、石好きだろう!?」

芳乃「たしかにー。私の趣味は石ころ集めですがー」

P「だったら何が不満なんだ!?やっぱり法螺貝のほうが……?」

芳乃「いえー、法螺貝は法螺貝でいただきましても困りますー」

P「法螺貝って見た目のわりに意外と高かったんだよ。……ごめんな?」

芳乃「そういうことではなくー」

P「じゃあ、何だ?」


芳乃「普通女性への贈り物は、もっと華やかな物ではないでしょうかー」

P「……やっぱ石だともらっても嬉しくないか?」

芳乃「いえー。私は嬉しいですよー?」

P「んー?じゃあ何が不満なんだ?」

芳乃「不満などではなく、そなたのことが心配なのですー」

P「俺が?」

芳乃「はいー。例えばそなたに恋人がいるとしてー……」

P「恋人がいるとして?」

芳乃「……例えを変えますー。好きな方がいるとしてー」

P「たいして変わってなくないか?」

芳乃「そこは大事なことでしてー」

P「……そうか」

芳乃「好きな方の誕生日に石を贈るとどう思われるでしょー?」

P「俺の好きな人かー。……すごく喜んでくれると思ったんだけどなー」

芳乃「私は石をいただいても嬉しいですが、他の方はそうではないですよー?」

P「うん?なら問題ないんじゃ」

芳乃「一般の女性は石をもらっても嬉しくないと思いますがー」


P「あぁ、そういうこと。そりゃ他の人には石なんて贈らないよ」

芳乃「ほー」

P「芳乃の誕生日だから、芳乃が好きな石を選んだの」

芳乃「つまりー、そなたは誰彼構わず石を贈るような人ではないとー?」

P「当たり前じゃん。そんなことしたら普通嫌がらせになるだけだよ」

芳乃「…………………」

P「芳乃?……おーい、よしのーん?」

芳乃「恥ずかしい勘違いを、していましてー///」

P「まあまあ。誰にだって勘違いはあるし、俺を心配してくれたんだろ?」

芳乃「そうですがー。恥ずかしいものは恥ずかしいのですー」

P「芳乃可愛い」

芳乃「……そなたー」

P「はいはい何でしょう」

芳乃「……ありがとうございますー」

P「どういたしまして」


芳乃「この贈り物は、大切にいたしますー」

P「うっかり捨てんなよ?」

芳乃「そんなことはしないのですよー」

P「そうか、それは良かった。」

芳乃「そなたが真剣に選んでくれた、大切で、大事な、石なのですー」

P「おう。……じゃあご飯でも食べに行こうか」

芳乃「そんなにしていただいても、良いのでしてー?」

P「いいよ。だって、石だけのプレゼントはあんまり良くないらしいからな」

芳乃「むー。……そなたはいじわるでして」

P「ははっ。好きなもの頼んでいいから、機嫌治してくれ」

芳乃「……それでは、おせんべいをー」

P「せめて、ご飯になるものにしてくれ」





終わりでしてー


とても短いですけど、よしのん誕生日SSでした。

改めてよしのん誕生日おめでとう!

無事に16歳を迎えましたね???

これからもよしのんを愛でていきます!

それでは、読んでいただきありがとうございました。

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