【艦これ】提督「約束の空」 (43)

・独自設定あり

・艦これSSですが、艦娘は余り出て来ないかもです

鎮守府 0600

提督「朝か…」

総員起こしラッパの音に目を覚ました。今日の天気は…曇り?

提督「…いや、降っているか……」

漫画の中でしか見ないと思っていた、牛乳瓶の底みたいな眼鏡。それを掛けながらそう呟く…

提督(…今日の訓練は、この天候じゃ変更か…)

コンコン

「…おはようございます」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1498893590

大鷹「提督、起きていらっしゃいますか?」

提督「大鷹か、おはよう。」

大鷹「おはようございます」

提督「…朝からイヤな空模様だな」

大鷹「そうですね…この子たちも今日は朝から、元気が無いみたいです」

提督「…この天気なら仕方ない。この天候だ…早速だが、午前中の空母の訓練は変更だ…すまんが、連絡を頼む」

大鷹「…仕方ありませんね。分かりました」


提督「……」

廊下

提督「(…大分強くなってきたな。だけど、この調子なら昼ぐらいにはあがるか……)うっ」

「きゃっ」

提督「す、すまん。大丈夫か?」

霞「…痛た。あんた、どこ見て歩いてるのよ!」

提督「すまん、霞。気づかなかった」

霞「前見て歩きなさいよ!只でさえ、そんな眼鏡してもろくに見えないんだから。このクズ!」

提督「いやっ、これでも一応は……」

霞「何よ?なんか文句あるわけ?」

提督「いやっ、無いです 。ぶつかて、すまなかった」

霞「…全く。気をつけなさいよ!只でさえ目が悪いんだから、よそめなんかしないで、前向いて歩きなさいよ。いい?」

提督「気を付けるよ」

霞「…全く」(スタスタ)

霞(……私だら良かったものを、物にぶつかったらどうするのよ。下手したらケガじゃすまないのよ……まぁ、そうなったら付きっきりで看病してあげるんだけど……)

提督「……此れでも一応それなりに見えてるんだがな……しかし気づかなかったとは、勘が鈍ったかな…」

提督(……白だったな)

食堂

鳳翔「おはようございます」

提督「おはよう、鳳翔。いつもの頼む」

鳳翔「はいっ。朝食と…人参ジュースです」

提督「毎日すまんな。ワザワザ作ってくれて」

鳳翔「構いませんよ…着任されてから毎日飲まれてますけど。やはり…」

提督「……分かってるよ……こんなことしても、良くはならないだろうな。だけど、現役時代からの日課みたいなものだから、やめられなくてな……」

鳳翔「……提督」

提督「それに、体にも良いからな。この通り毎日元気、何するにも健康第一だからな」





鳳翔「」

誤爆しました

鳳翔「くすっ。元気そうで何よりです。…………」

提督「……どうした?そういう鳳翔は疲れてるみたいだが」

鳳翔「いぇ、そんな事はないですよ」

提督「……そうか?なら、いいんだが。何かあるなら相談にのるぞ」

鳳翔「…………お食事が済みましたら、お時間宜しいですか?」



提督「……」(もぐもぐ)

羽黒「……司令官さん、また一人で御飯」

妙高「提督と一緒に食べないなら、誘ってもかまわないわよ」

羽黒「えぇ?!で、でも…私余り司令官さんの事知らないし……何を話していいか……」

足柄「確かに、提督って悪い人じゃないんだけど、ぱっとしてないし、誘っても話し弾まそうよね~。出世も他の提督に比べると遅い感じだし、容姿もあの眼鏡ねぇ…ガリ勉君って感じよね」

那智「全くだ。指揮官足るものもっともシャキっとしてもらわねば。ここは海軍だ、あんなでは困る!」

提督「……ごちそうさま」

一緒に食べたいなら だよね?
食べないだとほんのりイジメw

提督「鳳翔、居るか?」

鳳翔「はいっ。提督、ワザワザすいません」

提督「構わないよ。どのみち午前中は訓練が中止になって暇になったからな…」

鳳翔「そうですね。空母の皆さんも時間をもて余してましたよ」

提督「予報じゃ午前中は持つはずだったんだかな、中々天候には勝てんよ……それに、あいつと違って皆のは全天候型じゃないしな」

鳳翔「…そうですね。私の子でもこの天候じゃ発艦は厳しいですね」

提督「…無理だとは言わないのか…」

鳳翔「うふふ」

提督「恐ろしな……で、相談てのは?」

鳳翔「はいっ、その……この子の事なんですけど…」






>>9
すいません、ご指摘ありがとうございます

× 妙高「提督と一緒に食べないなら、誘ってもかまわないわよ」

○妙高「一緒に食べたいなら、誘っても構わないわよ」

ですね。すいません



提督「……また96艦戦とは初期の機体を持ってた……いや、96改の方か。大鷹から借りたのか?」

鳳翔「大鷹さんから、お預かりしたんです」

提督「預かった?」

鳳翔「この子を助けてほしいと」

提督「助ける?」

鳳翔「えぇ…この子、このままでは潰れてしまうと泣きつかれまして」

96改の妖精さん(以下妖精さん)「……」(ゲッソリ)

提督「……ひどく窶れ果ててるな…一体どうして」

鳳翔「…私も妖精さん達の事はよく分からないですけど、明石さんがあ言うにはストレスの様なものでは無いかと」

提督「ストレス?なんでまた……」

鳳翔「周り合わせようと頑張りすぎたんだと思います」

提督「周りに?……そうか、大鷹は着任が最近だから連度で差が出てしまうのは仕方無いが…だが、この子の技量も良かったぞ」

鳳翔「この子は他の空母の娘達の技量を見て、大鷹さんを守る為には、自分も早くあの位にならないとと、頑張っていたようなのですが……」

提督「…うちの主力は烈風改や紫電改ニみたいな新鋭機な上に連度もかなり……空母だからと、一緒に訓練させたのが仇になっか……最初から高みを見すぎて……速く技量を上げようとして縮まらん連度に自分の技量では、このままでは大鷹を守れないという不安感からスランプに陥ったか……」

鳳翔「えぇ、そのせいか最近は飛んでも失敗が多くて、それが余計にストレスになったようで…大鷹さんも頑張ったんですが駄目で…」

提督「……まさかこんな事になるとはな…」

提督「俺のミスだな……機体差についての考慮が欠けていた…」

鳳翔「提督のせいではありませんよ。私もこんな事は始めてですから……」

提督「……すまなかった」

妖精さん「……私ガ悪イノ。提督ハ悪クナイヨ」

鳳翔「……私も私の子達もできる限り頑張ってみたのですが、すっかり自信を無くしてしまったようで、ずっとこんな感じなんです…」

提督「いかんな。このままでは、本当に再起不能になってしまう……」

鳳翔「私も、かつてはたくさんの赤トンボの皆さんを送り出しましたけど、私自身は飛行機の操縦に関しては全く分かりませんので……」

提督「空母は自ら空には飛ばないなからな……それで俺に相談したわけか」

鳳翔「こういった事となると提督しか頼る術がありません……私からもお願いします。この子を助けて下さい」

提督「……わかった。この子は暫く預かろう」

鳳翔「…提督、ありがとうございます」

提督「…よし、さあおいで」

妖精さん「…イヤ……訓練シヤキャ……早ク……上手ニナラナイト……」

提督「……大丈夫だよ。俺が君を一人前のパイロットにしてやるから」

妖精さん「……」

提督「……俺を信じろ」

妖精さん「……ワカッタ」

執務室

提督「よし、着いたぞ。少し、ここ(机の上)で待ってろ。鍵は……あったあった」

ガタガタ

妖精さん「??」

提督「この棚の後ろに隠し扉があってな……鳳翔に手伝ってもらって片付けた以来始めて開けるよ……よし、行こうか」

妖精さん「……」

提督「うぷっ、掃除なんてしなかったから埃ぽいな……」

妖精さん「……コホコホ……?」

妖精さん「……戦闘機……」

提督「これは模型だから、さわっても乗れないぞ」

妖精さん「……見タ事ナイ…機体…噴式?」

提督「君達は始めて見るだろう。これはF/A-18C って戦闘機だ。現役だった時の俺の相棒だった」

妖精さん「提督、パイロットナノ?」

提督「……元な……。君達が現れる前、連中との戦いで目をやられて…地上に降りたんだ。今はこの通り、もう飛ぶことは出来ないけどな…」

妖精さん「……」



提督「……湿っぽくなっちまったな。そこに掛かってる制服見てみろ」

妖精さん「…勲章ガツイテル」

提督「すごいだろ。自慢じゃ無いが此れでも連中を7機撃墜したエースなんだぜ」

妖精さん「?スゴイ、提督スゴイ…」

提督「もっと褒めてもいいぞ?」

妖精さん「カッコイイ!」

提督「ふっ。……少しは笑顔が戻ったな」


妖精さん「……」

提督「…さっきも言ったけど俺が君の事を一人前のパイロットにしてやるからな。だから、もう心配しなくても大丈夫だ。エースがついんだ安心しろ」

妖精さん「……ウン」

提督「一人前になれたら、あのウイングマークをお前に託す。だから、その時まで俺と一緒に頑張る、一人で無茶はしないって約束してくれ」

妖精さん「約束スル」

提督「よしっ、いい子だ。これから頑張ろうな」

妖精さん「…ウン」

提督(……せめて俺から空を奪った連中の、最後を見届けてやると、過去をここに封じ、提督として海軍に残ったつもりが、まさか再び開けるとはな……)

妖精さん「……ン?」

提督「……(……俺の分まで君に託す。必ず舞い上がれよ……俺はもうこの目で見ることが出来ないあの空へ)」スッ

妖精さん「?」

コンコン

大鷹「失礼します。提督……あら?お留守でしたか……」

「……頑張ろうな」

大鷹「……あら?何かしら奥から声が……」

大鷹「こんな所にお部屋が……提督、いらっしゃいますか?」

提督「ん?」

大鷹「!!だ、誰ですか!?(何、このハンサムな士官の方は?///)」

提督「だ、誰だ?!…スッ……大鷹か」

大鷹「……えっ、提督…えぇ?!」

今日はここまで

提督「…事情は鳳翔から聞いたよ。それで、この子についてはしばらく俺が面倒を見ようと思う」

大鷹「…は、はいっ。それはありがたいのですが…そ、その…」

提督「どうした?」

大鷹「…提督がパイロットであったのはわかりました、ですがいくらパイロットだったとはいえ、96艦戦さんは艦載機ですから、その、大丈夫でしょうか?」

提督「心配いらん。俺はキャリ……あっ、いや…なんだ……飛ばすなら航空機はさほど変わらん」

大鷹「…でも、この子…懐いてはくれたんですが、その…最近は…着艦が苦手になってしまったようで…」

提督「…着艦か」

大鷹「はいっ。甲板にうまく降りれないでケガをしてばかりで…取り返しがつかないような事になるんじゃないかと…私…心配で」

提督「発着艦についても心配するな。その辺についても心得はある」

大鷹「…本当ですか?…日本の海軍に、空母はもうないと聞きましたが」

提督「……確かに日本には戦後から空母はないが…まぁ、細かい事は気にするな」

大鷹「…は、はぁ」

大鷹(…大丈夫なんでしょうか…)

提督「とにかく、飛ぶ事については俺のほうが専門だ…こいつの君を守りたいっていう強い気持ちは本物だ、俺は引退したがこいつの君の為にと頑張る姿に助けてやろうと思ったんだ…君を守れる強い艦載機にしてやろうとな」

大鷹「提督…ありがとうございます」

提督「おっと、もう何だかんだ昼か…飯の支度を頼むよ。午後は晴れたら空母部隊の練習だ」

大鷹「…わかりました。少々お待ちくださいね」

提督「…ふぅっ……(空母に乗ってたのはばれるとややこしいからな…)」

妖精さん「…提督?」

提督「……ん?あぁ……心配そうな顔をするな、戦闘技術だけじゃなく発着艦についても任せろよ」

妖精さん「…デモ…空母、乗ッタコトアルノ?」

提督「あぁ、空母航空団の所属だったからね。ずっと空母だったよ」

提督「……あいつ等には昔の記憶があるから…話す気になれないで黙ってはいたんだけどな…俺はこう見えても、ハワイ生まれの3世でな…国籍は向こうなんだ…」

妖精さん「……」

提督「……それで向こうで海軍パイロットとして勤務してたんだが…深海棲艦の奴が現れて、太平洋に派遣され戦ってきたんだが……日に日に押されて行ってな。俺も撃墜されて…その時、洋上が荒れてて愛機の燃料か燃焼材かはわからんがそんなもんが混じった海水をもろに浴び続けてな…それで目をやられてな」

妖精さん「……ソレデ、ドウシタノ?」

提督「助かったからここにいるんだろ。意識もうろうで、浮かんでた所を運よく救助されて一命は取り留めたんだが、元気になった頃には。海はほぼ連中の手中、海軍基地も壊滅状態で機能してなかった…。どうしようかしてた所にな、鎮守府立ち上げに際し将校が不足してた大本営が何をどうしたかは知らんが、まぁ、上で話を合わせたんだろうが、俺のところに話がきてな。俺も、パイロット生命を奪った連中の最後を見届けてやるって思って、過去をここに封じて提督として赴任したんだ」

妖精さん「……」

提督「……驚いたか」

妖精さん「…オドロイタ」

提督「こんな話されりゃ驚くか……だが、今は深海棲艦と戦う仲間だ」

妖精さん「……」(コクリ)

提督「…改めてよろしくな」

妖精さん「…ウン」

大鷹「……提督、昼食の支度が出来ました」

提督「…そうか。さぁ、飯にするか。最近食べてないだろ?しっかり食って体調整えるのも仕事だぞ?」

妖精「リョウカイ」(ビシッ)

提督「よしよし。食ったら訓練だ」

今回はここまで

提督「……ふらついてるぞ…機種を下げろ。そのまま…いかん、スロットルを絞れ…」

大鷹「…いい子だから、そのままいらっしゃい…」

提督「…高度上げろ。やり直せ」

ブーン

提督「…だめだな」

大鷹「以前はもっとすんなり降りられていたんですが…最近はずっとあの調子で…」

提督「……」

提督「……大丈夫、大鷹は君の母艦なんだ。どんな事があろうと怖がらなくて大丈夫だ。上手く行った日もだめだった日も、洋上にある限りお前たちにとって大鷹は母親と同じだ。いつだって優しく受け止めてくれる」

大鷹「…提督……。大丈夫、大丈夫よ。怖がらないで…ほら、いらっしゃい。」

妖精さん「……」

ブーン

提督「…よしっ、いいぞ。そのまま、そのまま……」

大鷹「…怖がらなくていいのよ。さぁ、いらっしゃい…」

提督「…よしっ、ナイスアプローチだ。上手いじゃないか」

大鷹「…よしよし」

妖精さん「…///」

提督「…いい着艦だったぞ。いいか、空母は艦載機にとっては帰るべき家であり、母親みたいな存在なんだ。自分の家に帰るのに怖がる必要なんてどこにも無いんだ。君は今の技量で母艦を守れないという不安が操縦にも出て上手く降りれなくなってたんだな…だけど、今大鷹の甲板に降りてみてどうだった?怖かったか?」

妖精さん「…ウウン。ヤサシカッタ」

提督「そうさ。さっきも言ったけど、君たちにとっては母親と同じなんだ。どんな時があっても君のことは受け止めてくれる。だから、さっきみたいに怖がらずに降りるんだ」

妖精さん「…ウン」

提督「…女性を抱きしめるようにこう、優しく降りてやればいいんだ」

むにゅ

提督「ん?」

加賀「…提督?」

提督「か、加賀!?お、お前いつから…」

加賀「空母の訓練を午後からやるとおっしゃたのは提督では?」

提督「あぁ、そうだったな…」

加賀「…それより、いい加減手を離してくれないかしら?」

提督「あっ、すまん…」

加賀「…頭に来ました…次は容赦しません」

提督「すまん…」

加賀「失礼します…」

提督「……ふっ。驚いた…怒らせたかな?」

大鷹「…さぁ?…(…加賀さん、怒っている割には口元が少し綻んでいらしたような)」

提督「…怒ってるよなぁ…(…艦娘ってのは感情があるからか、難しいなぁ。……現役時代はビックEとかとかヨーキィにはどう思われてたんだろうな?)」

少しですが、今回はここまで

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