工藤忍「雨の日はきっといい天気」 (26)

モバマスの工藤忍ちゃんのSSです。




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ザー…ザー…



忍「あー……」



忍(梅雨とはいえ、すごい雨だねー……)



忍(雨がしのげる場所があって良かったかも)



忍(しばらくは雨宿りかな……ヘヘ、カタツムリさんも雨宿り?)



忍(Pさん、早く迎えに来ーい!……なんて)


バシャバシャ



忍「……」



忍(あーあ、イキナリ降るんだもんなぁ……グッショリだよ)



忍(気持ち悪いからタイ緩めとこ……誰も居ないよね?)キョロキョロ



P「……」ポタポタ



忍「うおう」ビクッ



P「しの、……へっくしっ」



忍「……あはははははっ。Pさん、水も滴るいい男だよっ」



P「そりゃどうも!!」


忍「へへ、Pさんもビショビショだね、傘はどうしたの?」



P「途中で壊れたよ……」



忍「やっぱり?……傘2本持ってきたなら、もう1本も使えば良かったのに」



P「2本とも壊したらどうしようかと思って」



忍「たしかに」


P「傘忘れたっていうから迎えに来たのに、散々だよ……」



忍「へへ……かたじけない」



P「どこの武士だよ」



忍「……ふふっ」ニコ



P(よくわからんが楽しそうだ)


ザァァァァ…



忍「雨が弱まるまで、まずはこのまま……雨宿りしよっか」



P「そうするか」



忍「ほら、キレイなアジサイが咲いてるよ?」



P「よくこんなところ見つけたなぁ」



忍「へへっ、学校帰りに見つけたんだ。アジサイのトンネルみたいでステキでしょ!」



P「うん、雨の日のアジサイは映えるよな」



忍「花の雫がキラキラして、プリズムみたいだよね」

ザー…ザー…



P(忍、制服着崩してるのか……まぁ、濡れてるんだから当たり前か)



忍「……ねぇ、もっとこっちに来なって。濡れちゃうよ?」



P(あー)



P「……」



忍「はぁ……服が肌にベッタリで気持ち悪いね」



P「……」



忍「……Pさん?」



忍「って!み、見ちゃダメッ!!」

P「あ、いや……その、」



P「似合ってる……と思う」



忍「潔い!」



P「アジサイの色とお揃いだな」ハハッ



忍「その褒め方は嬉しくない!」



忍「ああああ、忘れて忘れろ忘れよう!」



バサッ



忍「あ、」



P「とりあえずそれ羽織って、暖かくしとけ」

忍「Pさん……キザだね」フフッ



P「なんのことだか」



忍「ごまかされないよっ!」



P「ごめんて」



忍「……、ありがと。ちょっと嬉しい」



P「ちょっとかよ」



忍「へへっ、ちょっとだけね」ニコ





ザー…ザー…



P「……雨の日はいいことないな」



忍「そう?」



P「びしょぬれになるし、なんかジメジメするし……」



忍「アタシは滅入ったりしないよ。今は雨でも、いつか晴れるもんね!」



P「そりゃそうだけどさ」



忍「……」

P「……」

ザァァァァ…



P「梅雨だなぁ」



忍「梅雨だね」



P「……」



忍「……」



P「やみそうにないなぁ」



忍「だね」



忍「……」



P「……」


忍「……雨の日ってさ、自然と静かにならない?」



P「うん」



忍「なんか、黙っていても心地良いんだ。雨音のおかげかな?」



P「そうかも」



忍「それともPさんといるから?」



P「それは……どうだろう」



忍「へへっ」



P(やっぱり楽しそうだ)

忍「こうしてると……世界に2人だけみたいだね。アタシたちだけここに置いていかれちゃったみたい」



P「……」



忍「……、ずっと降ればいいのになー、なんて」ボソッ



P「そのうち止むよ、たぶん」



忍「あー。聞こえちゃったの?」



P「2人きりだからな」



忍「このままがいいなって」



P「そういうわけにもいかないんだけど」



忍「乙女ゴコロが分かってないよっ」



P「そういうもんかなぁ」



忍「へへ、そうだよっ。だからもう少しお話しよ!今後のこととかさ」


P「そんなこといってもなぁ……一緒にいる時間が長いと話すことがない」



忍「口下手」



P「辛辣!」



忍「へへ、冗談だよ。あっ、ここでクイズなんてどうかな!」



P「楽しそうだな」



忍「おかげさまで! こほん、さて、アジサイの花言葉はなんでしょう?」



P「夕美か」



忍「夕美ちゃんに教えてもらったからね! 正解者にはダブったコーヒー缶のおまけ付きっ」



P「微妙に嬉しくないぞ」


P「ええと……『移り気』だっけ」



忍「正解っ! いろんな子に手を出すPさんみたいだよね」



P「言い方がヒドイな!」



忍「へへっ、問答無用だよ!」



P「容赦ない!」



忍「……でも、今はアタシといてくれるから」



P「……うん?」



忍「だからうれしいなって」



P「……、そりゃどうも」



忍「ふふっ、雨宿りも悪くないなー」


ザァァァァ…



P「……まあ、花言葉なんてだいぶ適当だからな。1つの花にいくつも意味があるし」



忍「そんなこというと夕美ちゃんとか凛ちゃんに怒られるよ? 告げ口しとこうか?」



P「勘弁してください」



忍「ふふ……こんなに色とりどりでキレイなのにね」



P「……」



忍「……」



P「なんかさ……アイドルみたいだなって言ったら変か?」



忍「?」



P「アジサイって花言葉の通り、いろんな色の花があるだろ?」



忍「……、うん」



P「アジサイの色は元々土の酸度で決まってて、さらに少しずつ色を変えていくんだ」



P「それは、ヒトの心に例えたら『移り気』なのかもしれないけど、アイドルに例えたらいい意味なんじゃないかなって」



忍「どういうこと?」



P「アイドルだって、それぞれの個性に合わせて、そしてカラフルに光るからな」



P「白色、水色、青色、紫色、紅色……アイドルの忍もたくさんの色を見せられるといいな」



忍「……、」



P「なんていうのはどうでしょう」



忍「……うん。Pさんらしくて、いいと思うよ。」


P「あー、柄にもなく真面目な話してしまった」



忍「いつも真面目だったらいいのにっ」



P「なにおう」



忍「じゃあ、いろんなアタシを見せていかないとね! もちろん、Pさんにも」



P「おう、楽しみにしてるぞ。悲鳴をあげるくらい仕事取ってきてやる」



忍「へへ、まかせて! 信じられる人がいれば怖くないし、頑張れるよっ」






ザァー…ザァー…



忍「…くしゅんっ」



P「忍、体冷えてきたんじゃないか?」



忍「ん、ちょっと……やっぱり濡れると体、冷えちゃうね」



P「うーん、上着濡れちゃってるしな。あんまり意味ないか」



忍「……」



忍(いろんなアタシかぁ)



忍(たまにはこんなことするアタシがいてもいいよね)



忍(いっ、いくよっ、アイドルは努力、女は勇気! ガンバレ、アタシ!)


P「……忍?」



忍「ねぇ、Pさん。……早く温まろ?」ギュッ



P「……、…」



忍「……なんか言ってくれないと恥ずかしいんだけど」



P「……、風邪ひいたら困るからな」



忍「へへっ、ダメーって離されるかと思った」



P「いまだけだぞ」



忍「十分だよっ! ……こんなアタシはどう?」



P「ドキッとしました」



忍「正直だね」


P「プロデューサーは誠実さが売りだからな」



忍「なにそれっ。」



P「正直恥ずかしい」



忍「我慢して。くっついた方が暖かいからね」



P「うん」



忍「ふふっ。ドキドキしてるから余計にそうかも」



P「ドキドキが伝わらないように必死だよ」



忍「えー。そこは伝わって欲しいな」



P「なんで?」



忍「同じキモチだったらうれしい…からかな」






サアアアア…



P「だいぶ小降りになってきたな」



忍「そろそろ傘差しても大丈夫かな?」



P「いけるんじゃないか」



忍「あーあ、この時間もおしまいだね」



P「もう身が保たないよ……」



忍「へ、へへ。アタシも限界……この辺にしとこ」



パッ



忍「ねぇ……Pさん」



P「ん?」



忍「また一緒に雨宿りしてくれる?」



P「……、よろこんで」



忍「へへっ。ありがと♪」ニコ


P「そろそろ行こうか」



忍「うん」



P「はい、傘」



忍「あ、うん。ありがとう、」



忍「って、プロデューサーさんはどうするの?」



P「このくらいなら、差さなくても平気でしょ」



忍「よくないよっ。はい、Pさん。1本しか傘がない時は?」



P「ない時は?」



忍「することは1つだよっ!」



くるっ



忍「へへっ。アタシの傘、まだスペース空いてるよ♪ Pさん、一緒にどう?」


ポツポツ……



忍「ほらほら、もうちょっとくっつかないと濡れちゃうよー?」



P「今日はなんかぐいぐい来るなぁ」



忍「へへ、せっかくの雨の日だからね」



P「?」



忍「雨でも笑えば楽しいと思うんだ……Pさんは楽しかった?」



P「……、」



P「楽しかった……と思う」



忍「ふふっ、なら良かった! アタシも楽しかったよ!」






忍「だから、雨の日はきっといい天気だね、Pさん♪」



おしまい



カードの台詞からだいたいこんな感じです。
忍ちゃんかわいい、やったぜ。

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