真姫「サボり学生」 (18)

短め。

百合なしことまきです。

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真姫(青空を白い雲がゆっくり流れていく)

真姫(屋上は穏やかだけど、上空ではきっと強い風が吹いてるから、雲はそれに流されてる・・・)

真姫(本来雲ってどう動きたいと思ってるのかしら・・・)

ことり「真姫ちゃん♪」

真姫(・・・振り向かなくてもわかる。どうせことりだもの)

ことり「そんなところで寝転んでたら制服汚れちゃうよ?」

真姫(いったいことりは何回こうやって構ってくるのかしら。私がここでサボってると決まってやってくる)

ことり「空なんて見てないでことりを見てよ~」ヒョイッ

真姫「邪魔よ。空が見えないじゃない」

ことり「やっとしゃべってくれた♪ おはよう」

真姫「授業に出てくれば?」

ことり「真姫ちゃんは空なんて眺めてなにを考えていたの?」

真姫「・・・」ハァ

真姫「雲の気持ちよ」

ことり「雲の・・・気持ち? 真姫ちゃんって変わった子だね」

真姫(いちいちうるさいわね・・・)

ことり「雲の気持ちはどうだったの? 『楽しい~』って言ってた?」

真姫「なによそれ・・・ただ、雲はどこに行きたいんだろうって思っただけ」

ことり「え?」

真姫「雲って風に流されて移動してるわけでしょ? もし風がなかったら雲は本来どこに行きたいのかしら」

ことり「雲は風がないと動けないよ。逆に風がないと雲は動けないし」

真姫「ことりは早く授業に戻りなさい。みんな心配してるわよ」

ことり「大丈夫! しんどそうに教室を出たから」

真姫「・・・理事長の娘なのに」

ことり「真姫ちゃんこそ医者の娘でしょ?」

真姫「医者はいいの」

ことり「じゃあ理事長もいい」

真姫「意味わかんない」

ことり「真姫ちゃんから言い出したのに・・・ことりはそれに合わせただけだよ? 真姫ちゃんはなんでいっつも授業をサボるの?」

真姫「そんなの退屈だからに決まってるでしょ。何回聞くのよ」

ことり「何回かって言われるとちょっと答えられないなぁ。でも、少なくとも一ヶ月はこんなことしてるよね」

真姫「勉強は大丈夫なの?」

ことり「サボるのはこの時間くらいだしね。それに優しい同い年の家庭教師さんがいるから」

真姫「海未にチクろうかしら」

ことり「そうすると自動的に真姫ちゃんのサボりもバレちゃうよ?」

真姫「フッ、別にいいわ。海未なんて怖くないし」

ことり「じゃあ今日辺り海未ちゃんに話すね」

真姫「ちょっと待って。お話をしましょ?」

ことり「ふふふ、真姫ちゃんって素直じゃないね。海未ちゃんなんて誰だって怖いよ」

真姫「だ、だから別に怖くなんか・・・」

ことり「ことり真姫ちゃんがサボる理由知ってるよ」

真姫「・・・」

ことり「親の敷いたレールには従いたくないってやつでしょ? ロックな感じでことりは好きだな」

真姫「まあね。ことりはその辺どうなのかしら」

ことり「どうなんだろう。ことりは教師にならないといけないわけじゃないし」

真姫「この学校はどうするのよ」

ことり「だって残ってるかもあやしいでしょ」

真姫「理事長の娘のセリフかしら」

ことり「ほら! ここでは娘とか言うの禁止!」

真姫「はいはい。ここは逃避場所だものね」

ことり「うん♪ 親の期待なんてクソくらえ~っ♪ ってね」

真姫「私はサボりたくてここにいるけど、ことりは私に付き合ってるんでしょ? 申し訳ないから戻りなさいよ」

ことり「ことりは付き合いたくてここにいるの。真姫ちゃんが戻るならことりもそうする」

真姫「放っておいて」

ことり「それが放っておけないのです。非行少女を正しい道に戻すのが理事長の娘の役目なんです」

真姫「なんかもう言ってることめちゃくちゃね」

ことり「細かいことなんてどうでもいいのです」

ガラッ

ことまき「!?」

教師「お前たち! 今は授業中だぞ!」

ことり「ま、真姫ちゃんヤバいよぉ。どうしよう・・・」ギュッ

真姫「な、なんで手繋ぐのよ・・・ヤバいのは私だって一緒よ」

ことり「頭のいい真姫ちゃんならなにか言い訳考えてよぉ・・・」

真姫「わかったわ。こうするのよ」ボソボソ

ことり「え?」

教師「こら! お前たち授業をサボっていたんだな!」

ことまき「・・・」セーノ

ことまき「ごめんなさいっ!」

真姫(素直に謝ればきっと許してくれるわ)

ことり(でもこれって結局サボったこと認めちゃってるよね・・・)

教師「素直に謝ったから今回だけは見逃してやる。早く戻りなさい」

ことり(ウソ、ホントに許してくれた・・・)
 
真姫(サボってたのは今回だけじゃないけどね・・・)

ことり「先生は怖かったけど、真姫ちゃんと話せて楽しかったよ」

真姫「ひとりでいたかったのに」

ことり「でも先生にバレたからこれからはサボれないね」

真姫「サボる場所なんていくらでもあるわ」

ことり「マッキーを探せっ! ってやつだ」

真姫「探さなくていいわよ。今度こそひとりを満喫するんだから」

ことり「ことりが必ず見つけて、ひとりになんてさせないんだからね!」

真姫「勝手にしなさい」

ことり「一年の教室はこの下だね。また部室で会おうね。バイバイ」

真姫「ええ。さようなら」

真姫(窓越しに雲が見える。やっぱりどこかに流されていく。地上はこんなに静かなのに)

真姫(でも、雲はひとつじゃない。みんなと一緒に流れているのなら、退屈はしないのかも・・・)

真姫(なんて)

真姫(・・・どう言い訳して教室に戻ろうかしら・・・始業する前に出てきちゃったから)

真姫(だめだ、教室入れないんだけど!)ガーン

おしまいです。

お読みいただきありがとうございました。

多々悪いところがあって、申し訳ないです。

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