藤原肇「みんなと交わした言の葉を重ねて」 (91)


肇ちゃんがみんなとおしゃべりする話

・独自設定多め(一応、数年後設定)
・Pと肇ちゃんはお付き合いしています

よろしくお願い致します。

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【事務所】



ガチャ



肇「おはようございまーす…」


P「ん? 肇?」


肇「あ、Pさん。おはようございます」


P「あれ? 今日オフじゃ…ていうか、早くない? まだ俺以外誰もいないぞ」



肇「早起きですから。それに、たまには朝から事務所で1日のんびりするのもいいかなと思ったので…」


P「まあ、肇がいいならそれでもいいけど…騒がしいと思うぞ?」


肇「ふふ、事務所のみんなの騒がしさ、好きですから」


P「そっか」


肇「ところで、ですね」


P「うん?」


肇「Pさん、また、徹夜ですか?」


P「えーと…3時間くらい仮眠はしたから徹夜では…」


肇「…」


P「…ごめん」


肇「お身体には気をつけて下さいといつも言っているじゃないですか」


P「ご、ごめん」


肇「もう…Pさんに何かあったら、私…」


P「…気をつけるよ」


肇「…ダメです。許してあげません」


P「ええー…」


肇「だから、おしおきです……さあ、私の膝に」


P「えっと…もうそろそろ人も来るだろうしそれは恥ずかしいかなーって」


肇「だから、です…ちなみに、私は見られても構いませんから」


P「いや、一応立場ってものが…」


肇「どうせみんなには私たちの関係はバレていますし」


P「え、み、みんな?」


肇「…どうやら、私たちは相当わかりやすいらしいです」


P「ウソだろ…何故だ…」


肇「ほら、さっさと来てください! …じゃないと、みんながいる時にもっと恥ずかしい事しちゃいますよ?」


P「わ、わかったよ…それじゃ、失礼して…」


肇「はい…」


P「…肇の膝、相変わらず柔らかいな」


肇「ふふ、寝てしまっても構いませんよ」


P「あー…魅力的な提案だけど、これからロケの付き添いに行かなきゃだから…」


肇「楓さんのロケでしたっけ」


P「そうそう。温泉入って酒飲んで飯食べて、実質日帰り旅行みたいなものだけど」


肇「ふふ、でも温泉番組の楓さん、とっても楽しそうです」


P「まあ、本人が希望した仕事だしな。でも、まさか希望まんまで通るとは思わなかった」


肇「今度は加奈ちゃんたちも温泉のロケをするそうですし、私もいつか挑戦してみたいです」


P「…」


肇「…ダメ、ですか?」


P「ダメじゃないけどさ…」


肇「…これは、Pさんが私の裸を他の方に…という解釈をしても?」


P「だって……俺だってまだ肇の裸、見てないのに…」


肇「!」


P「え? あ…!」


P(寝ボケてとんでもない事を言ってしまった…!)


肇「…」


P「…」


肇「…見たいですか?」


P「え」


肇「私の…」


P「…肇、前にも話したけど、そういうのは…」


肇「ええ。成人するまで、でしたよね。それとは別に、です」


P「…そりゃ、見たいよ」


肇「…すけべ、ですね」


P「…まあな」


肇「ふふ…♪」ナデナデ


P「…」


肇「…ちなみに今、想像しました?」


P「…してないよ?」


肇「本当に?」


P「…しました」


肇「くすっ、やっぱりPさんはすけべです」


P「…肇、最近変わったな」


肇「そうでしょうか?」


P「そうだよ。なんか、こう…アクティブになった?」


肇「アクティブ、ですか?」


P「この前のライブ後にみんなで泊まった旅館でもさ…」


肇「あ、あれは、その…!」


P「あんな汗だくになって、大きな声出すんだもんな。びっくりしたよ」


肇「あんな姿…恥ずかしいです…」


P「可愛かったけどな。でもまさか5回戦もするとは…」


肇「負けっぱなしなのは悔しいんです!」


P「はは、負けず嫌いだなあ…でも、気をつけろよ? 浴衣、相当乱れてたからな。周りに人がいなかったからよかったものの、目のやり場に困って仕方がなかった」


肇「す、すみません…」


楓「えっちな話ですか?」にゅっ


P「うわあっ! 出た!」


楓「出たってそんな…人をおばけみたいに…」


肇「か、楓さん…いつからそこに…?」


楓「んー、おふたりがえっちな話をはじめた頃からですね。プロデューサー、肇ちゃんが成人するまで手は出さないのでは?」


P「…楓さん、わかってるでしょ。温泉卓球の話だって」


楓「ふふ♪」


肇「楓さん、あの時はご迷惑を…」


楓「いえいえ。でも、熱中し過ぎて少しセクシーな姿になってたかも知れませんね? …ちなみにその時の肇ちゃんの写真がここに」


肇「え!?」


P「下さい、楓さん!」


肇「Pさん!」


楓「冗談ですよ」


肇「なんだ…」


P「なんだ…」


肇「Pさん?」


P「ごめんなさい…」


楓「ふふ♪ …さて、おふたりには申し訳ありませんが、プロデューサー、そろそろ時間です」


P「え? あ、もうそんな時間か…」


楓「ふふ、肇ちゃんとのふたりの時間を邪魔してしまってごめんなさい」


P「いや、そんな…」


楓「それじゃあ、肇ちゃん。旦那様を少しお借りしますね」


肇「だ、旦那様って…!」


P「…まだ、婚約はしてませんよ」


楓「まだ?」


P「…ええ、まだ」


肇「Pさん…!」


P「それじゃ、行ってきます、肇」


肇「…はい。 行ってらっしゃい、Pさん!」


楓「…♪」


P「ほ、ほら、楓さん。行きますよ」


楓「はーい♪」


肇「あ、Pさん!」


P「ん?」


肇「う、浮気しちゃダメですよ!」


P「…するわけないだろ。それじゃ!」


楓「あらあら…見せつけてくれますね?」


P「俺だって、楓さんにからかわれっぱなしじゃないんですよ」


楓「ふふ、そうですか…それじゃあ、肇ちゃん。行ってきます」フリフリ


肇「は、はい! 行ってらっしゃい!」フリフリ



バタン



肇「…」


肇「…!」


肇「〜!!」ジタバタ



ガチャ



ちひろ「ふわあ…おはようございまーす…って、肇ちゃん? どうして事務所に…え、肇ちゃん! 顔真っ赤ですよ! 熱ですか!?」


肇「あ…こ、これは、そういうのじゃないです…!」


ちひろ「?」



ーーーーーーーーーーーーー


ちひろ「…」カタカタ


肇「ちひろさん、お茶いかがですか?」


ちひろ「ありがとうございます、肇ちゃん。オフなのになんだかごめんなさいね」


肇「私が好きでしている事ですから。あ、良かったら肩、揉みましょうか?」


ちひろ「えっ、そんな事まで肇ちゃんに……いいんですか?」


肇「いいのです」コクコク


ちひろ「それじゃあ…少し、お願いします」


肇「ふふ、かしこまりました」


ちひろ「…」


肇「よっ…」ギュッ


ちひろ「…あー…気持ちいいです…」


肇「おじいちゃんの肩をよく揉んでいましたから…得意なんです」ギュッギュッ


ちひろ「なるほど…」


肇「…」ギュッギュッ


ちひろ「…いやー…いつも羨ましかったんですよ。肇ちゃんの肩揉み」


肇「え?」ギュッ


ちひろ「Pさんによく肩揉みしてるでしょう? いいなーって」


肇「あ…すみません」ギュッギュッ


ちひろ「別に怒ってはいませんよ。ただ、ラブラブだなあって。微笑ましいです」


肇「…ラブラブ、ですか」ギュッ


ちひろ「ええ」


肇「…私たち、そんなに…いちゃいちゃ、してますか?」ギュッ


ちひろ「いつも甘い空気がふたりの間に流れてますね。見せつけられる方も大変です」


肇「それは、その、ご迷惑を…」ギュッ


ちひろ「ふふ、怒ってはいませんってば。ふたりとも可愛いなあって」


肇「…ありがとうございます」ギュッギュッ


ちひろ「いえいえ…ところで、前から気になっていたんですけど」


肇「は、はい」ギュッ


ちひろ「肇ちゃんは、Pさんのどこが好きなんですか?」


肇「え…?」


ちひろ「この前飲み会でPさんにも同じ質問をしたので」


肇「Pさんは何と…?」


ちひろ「肇ちゃんが答えてくれたら、教えてあげます」


肇「そ、そんな…」


ちひろ「ふふ、答えなくてもいいんですよ?」


肇「そ、それは………えっと、ですね」


ちひろ「はい」


肇「……ぜ、全部、です」


ちひろ「全部?」


肇「はい、Pさんの、全部……具体的なところを挙げた方がいいでしょうか…?」


ちひろ「…ふふ、やっぱりお似合いですねえ…」


肇「え?」


ちひろ「Pさんも、同じ答えでしたよ。「藤原肇の全部が好きなんです」だそうです。ちょうど今の肇ちゃんみたいに、顔を真っ赤にして答えてました」


肇「…」


ちひろ「いいなー、私もそんな事言ってくれる恋人が欲しいです」


肇「そ、そんな…」


ちひろ「お幸せに、ね?」


肇「…ありがとうございます。ちひろさん」


ちひろ「でも、いちゃいちゃは程々に」


肇「き、気をつけます…」



ーーーーーーーーーーーーー


文香「…」ペラッ


肇「あ、文香さん。おはようございます」


文香「…おはようございます…はじはじさん。いい天気ですね」


肇「え?」


文香「…」


肇「あれ? 聞き間違いかな…すみません、文香さん、今、何と?」


文香「おはようございます…」


肇「そのあと」


文香「いい天気ですね…」


肇「その前」


文香「…はじはじさん」


肇「それです。えっと…「はじはじさん」というのは、恐らく私の事ですよね?」


文香「はい…はじはじさん」


肇「えーと…私の記憶が正しければ、つい先日まで文香さんは私を「肇さん」と…」


文香「そうですね…はじはじさん」


肇「凄い推してきますね」


文香「私は…ファンの方から「ふみふみ」という愛称で呼ばれています」


肇「? …はい」


文香「ですから、私は肇さんを「はじはじさん」と…」


肇「話が飛びましたね」


文香「…?」


肇「首を傾げたいのはこちらです…」


文香「…はじはじさん」


肇「な、何でしょう」


文香「…月下氷姫、覚えていますか」


肇「え? ええ、勿論」


文香「私も…はじはじさんも…まだアイドルになりたての頃で…私に本当にアイドルが務まるのかもわからなくて…それでも…確固たる想いでアイドルに打ち込むはじはじさんの姿に…心動かされました」


肇「文香さん…」


文香「私の事は、「ふみふみ」と…」


肇「ふ、ふみふみ…さん?」


文香「…はい、ふみふみです…それで…私が今でもアイドルを楽しんでいられるのは…あなたのお陰でもあるんです…はじはじさんの」


肇「私の…」


文香「そんなはじはじさんと…もっと仲良くなりたいと思っていたのですが…あれから長らく…はじはじさんとはユニットを組む機会に恵まれず…」


肇「…」


文香「そこでどうしたらいいか調べていたら…「あだ名で呼んで親密度を上げる」という方法に辿り着き…」


肇「な、なるほど…だから急に私の事をあだ名で…」


文香「はい…お嫌、でしたか?」


肇「…いいえ。嬉しいです。ちょっと、びっくりしちゃいましたけど。そういう事でしたか」


文香「…良かったです」


肇「…確かに、ふみ…ふみさんとは、なかなかご一緒する機会が無かったですね」


文香「はい…」


肇「…私で良かったら喜んで。もっと仲良くなりましょう、ふみふみさん」


文香「…はじはじさん」


肇「…「はじはじさん」は、もう少し考える余地がありそうですが、それはともかく…ふみふみさん」


文香「…はい」


肇「今度、おすすめの本を貸していただけませんか?」


文香「本…ですか?」


肇「はい。ふみふみさんの事、もっと知りたいです。ふみふみさんの好きな本、読んでみたいです」


文香「…わかりました。喜んで」


肇「はいっ」


文香「…その代わり、と言っては何ですが…」


肇「はい?」


文香「はじはじさんに…陶芸を教わってみたいです…」


肇「! …ええ、喜んで!」



ーーーーーーーーーーーーー


肇「…」


肇(事務所でお留守番…ちょっと暇になっちゃった)


肇(あれ、これ…シン選組ガールズで使った衣装と小道具…?)


肇(…)


肇(…誰も、見てないよね…?)


肇(…わ、羽織の生地、しっかりしてる…本格的だなあ…)モゾモゾ


肇(刀…! 格好いい…!)シャキン


肇(鏡の前で…子どもの頃から1回やってみたかったアレを…!)トテトテ


肇「…」


肇「…牙突!」



ガチャ



肇「あ」


久美子「あ」


美優「え…?」


肇「…」


久美子「…」


美優「…」


肇「…見ました?」


久美子「…肇ちゃん、カッコいい!」


肇「や、やっぱり! わ、忘れて! 久美子ちゃん、忘れて!」


久美子「やーだー! 肇ちゃん、ね! もっかいやって! あと、写真撮るわね!」パシャパシャ


肇「と、撮らないで! み、美優さん、助けて下さい…!」


美優「…あ、斎藤一と藤原肇で、「ハジメ」繋がりだから牙突、なのね」


肇「解説しないで下さい! 余計に恥ずかしいです!」


久美子「あら、美優さんよく知ってるわね」


美優「映画を見て…珠美ちゃんに漫画を貸してもらって…」


久美子「へー、少年マンガとかも読むんだ」ギュウウウ


肇「く、久美子ちゃん…! 離してえ…!」


久美子「ふふ、肇ちゃんがカワイイから無理でーす♪」


肇「ううぅ…」


久美子「あ、写真、Pさんにも送っておこうか?」


肇「だ、ダメ! 絶対ダメ!」


久美子「えー、喜ぶと思うけど?」


肇「こ、こんな姿、恥ずかしいから!」


久美子「そんな事ないわよー、ね、美優さん?」


美優「肇ちゃん…格好良かったですよ。でも私的には、肇ちゃんには操ちゃんのコスプレを…」


肇「そういう問題ではなく…!」


久美子「ね、ね、もう一回牙突やって!」


肇「うわーん!」



【とある温泉街】


ティロン♪


P「ん? 久美子さんからLINEが…珍しいな」


楓「どーしましたか」ハムハム


P「…楓さん、温泉まんじゅう美味しい? 頬っぺたにあんこ付いてますよ」


楓「ひとつ食べますか?」


P「…いただきます。ほら、久美子さんから画像が送信されて…何の画像だろう……あ」


楓「あ」


P「…肇の写真ですね」


楓「…可愛いですね」


P「…可愛いです。とりあえず保存を」


楓「あとで私にもください」


P「はい…それにしても」


楓「?」


P「可愛いなあ…」


楓(流石、肇ちゃんのプロ。言葉の重みが違いますね)



ーーーーーーーーーーーーー


肇「ひどい目にあった…」


藍子「あ、肇ちゃん。おはよう♪」


肇「藍子ちゃん。おはようございます。いつ事務所に来たの?」


藍子「さっきかな。今日は朝からずっとお散歩をしていたから」


肇「朝からずっと?」


藍子「途中で猫さんを見かけて…ついつい写真を撮るのに夢中になっちゃって」


肇「ふふ、藍子ちゃんらしいね」


藍子「すっかりお腹ぺこぺこになっちゃいました」


肇「あ、もうお昼時か…」


藍子「実はさっき、ちひろさんに貰ったカップうどんを食べようと思ってるの。今、ちょうどお湯を入れ終わって…」


肇「うどん…」


藍子「あ、うどん職人の血が騒いじゃった?」


肇「もう、うどん職人じゃないってば。確かに作務衣は着てるけど…」


藍子「ふふ、でもこの前、企画でうどんを作った時に褒められてたよね? スジがいいって」


肇「あれはあれで…面白かったから…」


藍子「職人肌だなあ…」


加奈「何話してるの?」にゅっ


肇「あ、加奈ちゃん」


藍子「肇ちゃんがうどん職人みたいって話♪」


肇「もう、藍子ちゃん!」


藍子「ふふ、ごめんなさい」


加奈「? よくわからないけど楽しそうだね!」


肇「加奈ちゃんもこれからお昼ご飯?」


加奈「うん! 今日はお弁当作ってみたんだ。ほら!」


肇「わあ…本格的…」


加奈「えへへ♪ 録画した料理番組を見ながら作ったんだ〜これがそのメモ!」


肇「ふふ、流石加奈ちゃん」


藍子「お料理かあ…私、あまり得意じゃないからなあ」


加奈「練習すれば大丈夫だよ! わたしもみんなに教えてもらいながら作ったから!」


肇「あ、それなら今度3人でお料理しない? 私も少しなら教えられるから…」


加奈「いいね!」


藍子「うんっ」


肇「ふふ、美味しいお料理作ろうね」


加奈「楽しみだな〜久しぶりだもんね、肇ちゃんや藍子ちゃんと遊ぶのも」


藍子「今までお仕事もオフもなかなか被らなかったからね…」


肇「でも、これからまた3人の時間が増えそうで嬉しいです♪」


加奈「そうだね! だって、わたしたちー」


肇・藍子・加奈「「「ビビッドカラーエイジ!」」」


藍子「また3人でユニット組めるとは思わなかったね♪」


加奈「うん! またふたりと一緒にお仕事できて楽しかったよ〜」


肇「今日という日を鮮やかに染め上げるユニット…素敵なライブができて幸せだったなあ…」


加奈「あ、そういえば、肇ちゃん」


肇「?」


加奈「どうして、ビビッドカラーエイジって名前を付けたの?」


肇「え?」


藍子「あ、私も気になってました。肇ちゃんが付けるユニット名って、漢字のユニット名が多かったから…」


肇「うん。いつもはそうなんだけど…Pさんから今回のユニットのコンセプトを聞いて、ユニット名を考えていたら「鮮やかな色」って言葉が浮かんで…それでビビッドカラーって」


加奈「なるほど…」


藍子「素敵なユニット名だよね。聞いた瞬間に「これだ!」って思っちゃいました」


肇「ふふ、選んだ理由は、びびっと来たからー? なんて♪」


加奈「…」


藍子「…」


肇「えっ」


加奈「肇ちゃん、変わったよね」


藍子「最近ますます楓さんに影響されてるね」


肇「えっ、面白くなかった?」


加奈「うーん…」


藍子「コメントに困るなあ…」


肇「そ、そんな…! もっと頑張らないと…!」


藍子「ストイックだなあ…」


加奈「肇ちゃん、真面目系天然って言われたりしない?」


肇「て、天然? 私が?」


加奈「うん」


肇「思ってもみなかった……あ」グウゥゥ


加奈「…」


藍子「…」


肇「…」


加奈「…肇ちゃん、お腹空いたの?」


肇「…」コクン


藍子(いじらしい…)


加奈「…わたしのお弁当、分けてあげようか?」


肇「……ありがとう」


加奈「うん。あ、今の肇ちゃん、このタコさんウインナーみたいな色してるね」


肇「…」プクー


加奈(可愛い)


藍子(可愛い)


藍子「ふふ、私もうどん分けてあげるね? ……ああー!」


加奈「わっ! ど、どうしたの藍子ちゃん!?」


藍子「温めっぱなしだったから、うどん、伸びちゃってる〜…」


加奈(ゆるふわだ)


肇(ゆるふわだ)


とりあえずここまで!
もう半分は今日の夜投稿します。



ーーーーーーーーーーーーー


響子「ルンバって、あるじゃないですか」


肇「ルンバ…? あの、丸いやつかな?」


響子「そう、あの、丸いやつです」


肇「それがどうかしたの?」


響子「…私のプロデューサーさんって、ウチの事務所のお掃除リーダーじゃないですか」


肇「家事が好きな方だもんね。私も教えてもらいたいくらい…」


響子「そんな私のプロデューサーさんが、「ルンバを買ったら事務所の掃除も少しは楽になるな」って」


肇「ああ、確かにそうかもね。事務所は広いし、それにルンバがちょこちょこ動き回ってるの、可愛いかも」


響子「そうじゃないでしょう!?」


肇「え!?」


響子「お掃除は、自分の手でやるから意味があるんです! 確かにルンバの動きは可愛いなと思いますが、大切な事務所だからこそ自分たちでお掃除しなきゃダメなんです!」


肇「ご、ごめんなさい…」


響子「…という、感じで、今ちょっとケンカしてるんです」


肇「え、響子ちゃんのプロデューサーさんと?」


響子「はい…」


肇「ルンバが原因で?」


響子「はい…お掃除の方向性の違いで…」


肇「バンドみたいだね…」


響子「…肇さんからも、あの人に言ってもらえませんか?「自分たちの手でお掃除しなきゃダメだと思います」って」


肇「うーん…でも、別にルンバでもいいんじゃ…」


響子「肇さんは、肇さんのプロデューサーさんとお付き合いしていますよね?」


肇「え? う、うん」


響子「当然、将来の事も考えていると思うんです」


肇「しょ、将来って言うのは、つまり、その…」


響子「そう、結婚です!」


肇「結婚…Pさんと……私が、Pさんのお嫁さんに…?」


響子「そうです!」


肇「……………」


響子「肇さーん?」


肇「あっ! ごめんなさい、ちょっと、想像しちゃって…」


響子「ごほん、話を戻すと夫婦や恋人…そしてアイドルとプロデューサー。つまり、パートナーのふたりにとって共同作業ってとっても大切だと思うんです」


肇「そ、そうかも…」


響子「身近な家事、特にお掃除は、ふたりの仲を深めるのにぴったりだと思いませんか?」


肇「なるほど…!」


響子「それを、「楽になるから」という理由でルンバに任せてしまっていいのでしょうか! 確かに、ルンバだけならいいかもしれません。ですが、一度例外を許したらきっとどんどん最新の家電製品にふたりの家事の時間を奪われてしまいます! それはつまり、ふたりで過ごす時間の減少です!」


肇「それは…由々しき事態だね…!」


響子「そうでしょう!? だから、肇さんからも説得して下さい!」


肇「…響子ちゃんの熱意は、よく伝わったよ」


響子「! それじゃあ…!」


肇「…うん。私からも、響子ちゃんのプロデューサーさんに頼んでみるね。なんなら、Pさんからも!」


響子「肇さん…! ありがとうございます!」


肇「こちらこそ。自分たちでするお掃除の大切さを教えてくれてありがとう」


響子「ふふ、どういたしまして」


肇「…あれ? でも、ちょっと待って」


響子「どうしました?」


肇「今の話からすると…響子ちゃんはもしかして、響子ちゃんのプロデューサーさんが…」


響子「…えっと…気になったり、気にならなかったりと言いますか…」


肇「…響子ちゃん」


響子「は、はい」


肇「…頑張ってね!」


響子「…色々、アドバイスして下さいね?」


肇「うん。任せて」グッ


響子「ありがとうございます! …あ、そうだ。これを、肇さんのプロデューサーさんのデスクに」


肇「これは…Pさんのワイシャツ?」


響子「はい。アイロンがけしておいたので。時々みなさんの服のアイロンがけを引き受けているんです」


肇「…響子ちゃん、いいお嫁さんになるよ」


響子「えへへ、ありがとうございます。それじゃあ、私ちょっとコンビニに行ってきますね」


肇「うん。行ってらっしゃい」


響子「はい♪ それじゃあ…」



バタン



肇「…」


肇「…Pさんの、ワイシャツ…」


志希「一緒に嗅ぐ?」にゅっ


肇「ひゃあっ!? し、志希さん!?」


志希「うーん、ちょっと匂いが薄れちゃってるなあ…」ハスハス


肇「あっ! だ、ダメです!」バッ


志希「えー、いいじゃーん。肇ちゃんも一緒に嗅ごうよー」


肇「え!?」


志希「カレシの匂いを把握しておくのもカノジョの務めだと思わなーい?」


肇「…………だ、ダメです! ダメ!」


志希「今、悩んでたよね?」


肇「な、悩んでないです!」


志希「しょーがないにゃあ…じゃ、代わりに肇ちゃんの匂いを嗅がせてもらおう! ハスハス〜♪」ガバッ


肇「ひゃあああああっ!?」



ーーーーーーーーーーーーー


肇「うぅ…疲れた…どっと疲れた…」


聖來「あれ? 肇ちゃんじゃん。そんな汗びっしょりになって、自主トレ?」


肇「いえ…ある意味トレーニングかも知れませんが…」


聖來「?」


肇「いえ、何でも…聖來さんはレッスンですか?」


聖來「そ! たくさん踊って疲れちゃった! 最近あっついねーもう夕方なのに」


肇「ええ。昨日なんか、まるで夏みたいでした」


聖來「アタシ汗っかきだからさ、大変だよー…アイス食べちゃおっと。肇ちゃんも食べる?」


肇「はい、是非」


聖來「それじゃ、はい。半分こ!」


肇「ふふ、ありがとうございます」


聖來「いえいえ♪ それじゃ、いっただきまーす」


肇「いただきます」


聖來「…」チュー


肇「…」チュー


聖來「…」


肇「…」


聖來「〜!」キーン


肇「〜!」キーン


聖來「あははっ! ふたりしてキーンときたね〜」


肇「ふふっ、一気に吸い込み過ぎちゃいましたね」


聖來「そうだねー…ふう、あっついあっつい」パタパタ


肇「いっそ、海にでも行きたいですね」


聖來「あー、いいねー…夏になったら、一緒に行こうか?」


肇「あ、デートのお誘いですか?」


聖來「お姉さんと一緒に水着デートしよ?」


肇「ふふ、喜んで」


聖來「やった♪」


肇「しっかりリードして下さいね?」


聖來「もっちろん! 夏じゃなくても今度一緒に遊びに行こうよ」


肇「はい! あ、それなら」


聖來「お 、どこか希望がある?」


肇「一緒に服を買いに行って欲しいです」


聖來「服を?」


肇「はい。私が持ってるのは、素朴な服が多いので、お洒落な方にファッションを教えてもらいたくて…」


聖來「あー、確かに飾らない服が多いかもね。でも、たまに着てるあのモコモコした服と帽子の組み合わせとか、結構オシャレだと思うけど?」


肇「あれは、美紗希さんに選んでいただいたんです……ちなみに、私の勝負服です」


聖來「へーえ…」


肇「…秘密ですよ? でも、もっと普段からオシャレな服を着てみたくて…」


聖來「ファッション、ね……うん。アタシでよければいいよ!」


肇「! ありがとうございます、聖來さん!」ニコッ


聖來(その笑顔だけでどんな服で着飾るよりも肇ちゃんは素敵だよ、なんてのは口説き文句みたいかな?)


肇「? どうしたんですか聖來さん?」


聖來「んー? 肇ちゃんは可愛いなって」


肇「え?」


聖來「ナーイショ! で、どんな服着てみたいとかある?」


肇「そうですね…もっとお洒落で、大胆な…」


聖來「うんうん」


肇「それこそ…聖來さんのような…」


聖來「え?」


肇「え?」


聖來「ちょっと待って。アタシの服って肇ちゃん的に大胆な格好なの?」


肇「だ、だって…おヘソ出してますし…」


聖來「え! ヘソ出しって、そんな変かな!?」


肇「いいえ、全然! 聖來さん、似合ってます! セクシーです!」


聖來「せ、セクシー!? ちょっと待って、アタシ、そんなつもりじゃ…!」


肇「セクシーじゃ、ないんですか…?」


聖來「ど、どうしてちょっと泣きそうなのさ…!」


肇「聖來さんのようなセクシーな服は、私にはやっぱり、まだまだ背伸びなのでしょうか…」


聖來「背伸びって言うか、そもそもアタシの服はセクシーじゃないって言うか、うーん、どう言えば…」


肇「! そうか! そうですよね!」


聖來「な、何が…!?」


肇「そんじょそこらのスタイルじゃ、聖來さんのようなセクシーな服は似合わないぞと、そういう事ですね!」


聖來「一体いつそんな会話したっけ?」


肇「だって、おヘソを出してるんですよ!?」


聖來「あんまり強調しないで!? なんか恥ずかしくなってきた! それに、スタイルなら肇ちゃんだっていいじゃん! アタシより背も高いし!」


肇「いえ! ダンスで鍛えた聖來さんのカラダ、私とは比べものにならないくらいにとっても魅力的です! 引き締まっていて、でも出るところは出ていて…」


聖來「は、肇ちゃん、なんか目が怖いよ…?」


肇「…実は私、聖來さんの引き締まったそのお腹を触ってみたかったんです」


聖來「唐突な告白」


肇「一回だけ…一回だけですから…!」


聖來「だから目が怖い! 目が怖いよ肇ちゃん!? ホントどうしちゃったの!? 暑さにヤラれちゃったの!?」


肇「いい器は、手触りでわかるんです!」


聖來「何言ってるの!? もうこの会話がどこに行き着くのかわからないよ!」


肇「だから、憧れの聖來さんという器を私の手で見極めさせて下さい!」


聖來「肇ちゃんらしい素敵な言い回しだけどただのセクハラ発言だよそれ!」


肇「聖來さん、失礼します!」ガバッ


聖來「ひゃあああああっ!? ちょっと、肇ちゃん!! 行けなくなる!! お嫁に行けなくなっちゃうからあ!!」



ーーーーーーーーーーーーー


肇(…わ、私はなんて事を…まさか聖來さんに「お嫁に行けなくなる」と言わせてしまうとは…)


雪美「……肇……」クイクイ


肇(これじゃ志希さんとおんなじだ…あとでまた聖來さんに謝っておこう…でも、やっぱり聖來さんスタイルいいな…羨ましい…)


雪美「……肇……」クイクイ


肇「え? あ、雪美ちゃん。お疲れ様です。すぐに気づかなくてごめんね」


雪美「……おつかれ……」


レナ「あら肇ちゃん。何か考え事? 私でよければ相談に乗るわよ?」


肇「レナさん…いえ、これ以上犠牲者を増やすわけには…」


レナ「ぎ、犠牲者?」


肇「な、何でも。レナさんと雪美ちゃんは何をしていたんですか?」


雪美「……まほう……見てた……」


レナ「そう、魔法使いレナの、ね?」


雪美「……うん……」


肇(ふふ、レナさん優しいな)


裕子「あっ! レナさんのサイキックですね!?」にゅっ


レナ「いや、だからテクニック…じゃなくて魔法だってば」


肇「ユッコちゃん、お疲れ様です」


裕子「はい! お疲れ様です肇ちゃん、雪美ちゃん、レナさん!」


雪美「……おつかれ……」


レナ「お疲れ様ユッコちゃん。今日も元気ね」


裕子「元気はサイキックの源ですから!」


レナ「ふふ、そうなの」


肇「でもユッコちゃん、いつの間に事務所に来たの? 全然気づかなかった…」


裕子「ふっふっふ、テレポーテーションで現場から移動してきました!」


レナ「さっきユッコちゃん普通にドア開けて入ってきてたわよね?」


裕子「…サイキック普通に入室です!」


レナ「サイキック付ければいいってものでもないんじゃ…」


雪美「……ユッコも……まほう……使える……?」


裕子「魔法ではなくサイキックですが、使えますよ! 雪美ちゃん、見たいですか?」


雪美「……うん……」


肇「あ、私もユッコちゃんのサイキック、見てみたいです!」


裕子「おお、肇ちゃんもですか! あっ、肇ちゃんと言えば、肇ちゃんも超能力が使えると聞いていますよ!」


肇「え? 私が?」


裕子「はい! 確か「ツーカー」と言う能力だと聞きました!」


肇「え」


レナ「へえ…」


雪美「……ツーカー……?」


裕子「その人が何を言おうとしてるのかわかるんですよね!」


雪美「……肇……私が……言いたいこと……わかる……?」


裕子「私が考えてる事も当ててみて下さい!」


レナ(あら、ふたりともキラキラした目)


肇「え、えっと…それはですね…」


裕子「それは?」


肇「…Pさんに対して限定の能力と、いいますか…」


レナ(あらあら、顔真っ赤)


裕子「そっかー、それなら仕方ないですね」


雪美「……残念……」


肇「ご、ごめんね?」


裕子「それなら、今度肇ちゃんのプロデューサーがいる時に見せて下さい!」


肇「ええ!?」


雪美「……そうしたら……見れる……?」


肇「えっとー…そのー…」チラッ


レナ「……私も肇ちゃんの超能力見たいなー♪」


肇「レナさん…!」


裕子「…」ワクワク


雪美「…」ワクワク


肇「」


レナ「♪」


肇「…わ、わかりました…」


裕子「やったー!」


雪美「……楽しみ……」


レナ「ふふ、ツーカー、ね…」


肇「…レナさん、わかってますね?」


レナ「んー? 何がー?」


肇「し、シレッとしてますね…」


レナ「ポーカーフェイスは得意なの♪」


雪美「……ユッコは……今……サイキック……使える……?」


裕子「私ですか? いつでもいけますよ! それでは、このスプーンを曲げてみせましょう! むむむーん…!」


雪美「……がんばれ……」


肇「ユッコちゃん、ファイトです!」


レナ「ふふ、ユッコちゃんったら…」



〜数分後〜


雪美「……ユッコ……すごい……」パチパチ


肇「…」


レナ「…」


裕子「…」


肇「…曲がりましたね…」


レナ「…曲がったわね…」


肇「もの凄い曲がり方でしたね…」


レナ「凄すぎて驚く前にちょっと引いちゃったわ…」


肇「ポーカーフェイスが崩れちゃってましたね…」


レナ「男の人には見せられない顔しちゃったわね…」


肇「…で、でも、凄いです! ユッコちゃん! 私、感動しました!」


裕子「…」


肇「…ユッコちゃん?」ユサユサ


裕子「…」


レナ「…ユッコちゃん?」


肇「…ユッコちゃん、驚きすぎて気絶してます…」


レナ「いや、曲げた本人が一番驚いちゃダメでしょ…」


雪美「……すごい……」パチパチ



ーーーーーーーーーーーーー


ちひろ「…」カタカタ


肇「ちひろさん、お茶いかがですか?」


ちひろ「あら、肇ちゃん。ありがとうございます。本当に朝からずっと事務所にいたんですね」


肇「みんなとお話しするのが楽しくて…充実した休日でした♪」


ちひろ「ふふ、それは何よりです」



ガチャ



留美「ちひろさん、お疲れ様…あら、肇ちゃんも」


肇「お疲れ様です留美さん」


留美「あら? でも肇ちゃんは今日はオフのはずじゃ…」


肇「はい。今日は事務所で過ごそうと思って。留美さんも今日は上がりですか?」


留美「ええ。今ちょうど同じ現場だった子を送り届けてきたところよ。はい、ちひろさん。社用車のキー」


ちひろ「はい、確かに。留美さん、いつもありがとうございます。送迎までしていただいて…」


留美「いいのよ…あ、ちひろさん。ここの計算間違えてるわよ」


ちひろ「え? あ、本当だ! ありがとうございます。どうもこの手の資料の打ち込みって苦手で…」


留美「ちひろさんが良ければ、明日その資料チェックしましょうか?」


ちひろ「え、でも、留美さんお忙しいんじゃ…」


留美「忙しいのはお互い様よ。助け合いましょう? それに私なら大丈夫。元秘書だもの」


ちひろ「そ、それじゃあ、お願いしちゃおうかなー…」


留美「ええ。任せて」


肇「…」ジー


留美「? どうしたの肇ちゃん」


肇「留美さん、そのバックに付いているキーホルダー…」


留美「ああ、これね。ふふ、可愛いでしょう? みくちゃんに貰ったのよ」


ちひろ「猫のキーホルダーですか…留美さん、猫好きですものね」


留美「ええ…アレルギーで飼えないから、写真とかぬいぐるみとか欲しくなっちゃうのよね」


肇「猫の写真を見てる時の留美さん、とっても幸せそうです」


留美「あ、あら…? 見られちゃってたのかしら…」


肇「くすっ、はい。この前のダンスレッスンが一緒だった時に。それと、みくちゃんを撫でている時の留美さんも、とっても幸せそうでした」


留美「そ、それは…みくちゃんが可愛かったし…私にそこまで懐いてくれる子ってアイドルになる前はいなかったから…嬉しくて…」


肇「私も留美さん好きですよ?」


留美「ふふ、ありがとう、肇ちゃん。あ…そうだ」ガサゴソ


肇「?」


留美「あ、あった。はい、これ」スチャ


ちひろ「わあ…可愛い」


肇「これは…猫耳ですか?」


留美「ええ。みくちゃんに貰ったのだけれど、私じゃ恥ずかしくて…ふふ、肇にゃんこ」


ちひろ「肇ちゃんは犬っぽいなあと思ってましたけど、にゃんこもいけますね!」


肇「あ…これ、よくできてますね。もふもふです」サワサワ


ちひろ「肇ちゃん、にゃーって言ってみて! にゃーって!」


肇「そ、そうですね…せっかくですし…に、にゃーん…」


留美「もっと手を丸めて貰えるかしら」


肇「こ、こうですか…にゃ?」


ちひろ「はい可愛い」パシャ


肇「もう、ちひろさん!」


留美「…」ナデナデ


肇「あ…に、にゃーん…」


留美「…」サワサワ


肇「ご、ごろにゃん…ごろごろごろ…」


留美「ふふ、喉鳴らしてくれるのね」


肇「も、もうおしまいです! はい、次は留美さん! いえ、留美にゃん!」スチャ


留美「え、私も…?」


肇「留美さんの猫耳ですから。さあ、にゃーんって言ってみて下さい! 手も丸めて!」


留美「……にゃーん……」


ちひろ「おー…これもなかなか…!」


留美「わ、私には似合わないわよ」


肇「そんな事ありません。 留美にゃん、とっても可愛いですよ?」ナデナデ


留美「もう……にゃーん……」


肇「ふふ、可愛いです」サワサワ


留美「ご、ごろごろごろ…」


ちひろ「留美さん、結構ノリいいですよね」


留美「一応アイドルだしね…でも、恥ずかしい…」



ティロン♪


留美「あ…電話…早苗さんから」ピッ


ちひろ「この後の飲みの話でしょうか?」


肇「あ…私もPさんから電話が…」ピッ


留美「もしもし…早苗さん? にゃにか変更でもありましたか?」


ちひろ(猫耳を付けながら電話する留美さん、可愛いなあ)パシャ


肇「もしもし…Pさん? どうされました?」


留美「…え? 話し方が猫みたい? そ、そんな事にゃい…ないですよ。集合場所の変更ですか? …あ、楓さんも合流? 」


肇「…あ、今東京に。お疲れ様です。私ですか? はい、まだ事務所に…え、ふたりでご飯? でも、楓さんも一緒のはずじゃ…途中で解散、ですか」


ちひろ(なるほど、そういう事ですか。楓さんも粋ですね)


留美「わかりました。それじゃあ、今からちひろさんと向かいますね…それでは」ピッ


肇「わかりました。それじゃあ、事務所で待っていますね…それでは」ピッ


留美「…という事になったわ。それじゃ、行きましょうか、ちひろさん」


肇「…という事になりました。今日はPさんの戻りを待ちます…帰りません」


ちひろ「はい、おふたりとも了解です♪ それじゃあ、肇ちゃん。鍵よろしくお願いしますね」


肇「はい、わかりました」


留美「肇ちゃん、お話できて楽しかったわ」


肇「私こそ、留美さんの可愛い一面がたくさん見れてよかったです」


留美「…もう、お上手ね」ナデナデ


肇「えへへ…」


ちひろ「それじゃあ、肇ちゃん。また明日」


肇「はい!」


ちひろ「…ところで、留美さん。猫耳付けっぱなしで行く気ですか?」


留美「に゛ゃっ!?」


肇(…留美さん、意外と天然なのかな?)



ーーーーーーーーーーーーー


肇「…」ソワソワ


肇「…」ソワソワ



ガチャ



肇「!」


P「お疲れ、肇」


肇「Pさん! お疲れ様です!」ギュウウウ


P「わ、こらこら。急に抱きつくなって」ナデナデ


肇「ふふ、遅刻した罰です」


P「あー…ごめんな、道が混んでて。それじゃ、お詫びに…」ギュウウウ


肇「あ…」


P「ふー…癒される…」


肇「ふふ、幸せです」


P「俺も…でも、ちょっとあっついな」


肇「私たちがですか?」


P「気温が。もう汗だくだよ」


肇「そうですね。事務所にいても結構汗かいちゃいました」


P「んー…でも肇、いい香りがする」


肇「あ、嗅がないで下さい!」


P「はは、ごめんごめん。なら離れるか?」


肇「…それは嫌です」


P「…あっついなー…」


肇「…私たちも、ですね」


P「…ああ。そうだな…」


肇「…♪」


P「…」ナデナデ


肇「…ありがとうございました。さてと、ご飯食べに行きましょうか?」


P「ん、そうだな。何食べよう。久しぶりにがっつり焼肉でも行くか?」


肇「いいですね!」


P「決まりだな」


肇「はいっ」


P「それにしても、今日はホントにずっと事務所にいたんだなあ。楽しかったか?」


肇「ええ、とっても! みなさんとたくさん話せて本当に楽しかったです!」


P「それは何よりだ。後でたくさん話を聞かせてもらおうかな……久美子さんが送ってきた写真の話も」


肇「え!? あ、あれは、その…」


P「問答無用! さあ、出るぞー」スタスタ


肇「わ、待って下さいPさん!」


P「ほら、肉が待ってるぞ!」


肇「もう、子どもみたいなんですから」


P「男の子はいくつになっても肉が好きなんだよ」


肇「ふふ、はいはい…」スタスタ


肇「…」ピタッ


肇「…」クルッ


P「どうした、肇。忘れ物か?」


肇「あ、いえ…今日は本当に楽しかったなあって。みんな優しくて、面白くて、大好きな仲間たちです。そんなみんなと交わした言葉が、積み重ねた思い出が、この事務所には詰まってるんだなあって、ふと思って…」


P「あー…なんかわかるなそういう感覚。ごちゃごちゃしてるしいつも騒がしいけどみんなとの思い出がここにはあるんだもんな」


肇「この場所は、大切な思い出があって。大好きなみんながいて、そして…Pさんがいる。本当に、宝箱のような場所です」


P「…嬉しい事言ってくれるな」


肇「すみません、突然…みんなと話している時が賑やかだった分、今のこの静けさに感傷に浸ってしまったのかもしれませんね」


P「いや、肇のそういうところ、素敵だと思うぞ」


肇「ふふ、ありがとうございます」


P「それじゃあ、帰る前にこの場所に挨拶のひとつでもしていこうか。いつもお世話になってるしな」


肇「そうですね。それでは、しっかりと」


P「ああ。それじゃ…」


肇「…」


P「…今日も1日お疲れ様でした!」


肇「また明日もよろしくお願いします!」


P「気をつけ、礼!」


肇「…」


P「…よしっ」


肇「…いいですね、こういうの」


P「ああ。なんか、いいな」


肇「ふふ…」


P「…さて、それじゃ焼肉食べにいくか! 明日もいい思い出がたくさん作れるように力つけないとな!」


肇「はいっ!」


P「今日は肇もちゃんと肉たくさん食べろよ? 俺が焼いてあげるから」


肇「ダメです。私が焼きますからPさんの方こそたくさんお肉食べて下さい」


P「俺はいいんだって。それより若い肇がたくさん食べなきゃさ」


肇「Pさんこそ、いつもお仕事でお疲れなんですからこういう時にきちんと食べないと」


P「いや、肇が…」


肇「いえ、Pさんが…」


……………

…………

……



バタン



肇ちゃん総選挙3位おめでとう!もっとみんなと仲良くしてる肇ちゃんが見たいです。
元々総選挙に向けて少しでも肇ちゃんの力になれればと思って書きはじめた一連のSSですが、今後ものんびり書いていこうと思います。

それでは今回もお付き合い下さり、ありがとうございました。

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