ーーーー
ーーーー


青葉「まずはここですね～」


青葉「今日は幼稚園に来てます」


青葉「子供達がいっぱいです！」


「せんせ～だっこして～」


「せんせ～おしっこー」


天龍「あー、分かった分かったちょっと待て」


青葉「せんせ～お腹すいたー」


天龍「さっき食ったろうが……って青葉？！　な、な、何してんだ！」


青葉「何って取材ですよ。連絡したじゃないですかー」


天龍「今日来る奴ってお前だったのかよ……」

青葉「ちなみに天龍せんせーは私の同期です」


天龍「せんせー言うなっ」


「せんせーだっこー」


天龍「あー分かった分かった。よしよし」


青葉「やっぱせんせーじゃないですか」ﾆﾔﾆﾔ


天龍「うう……」

天龍「で、何だっけか？インタビューするのか？」


青葉「そうですよっ。インタビュー代はたんまりと」


天龍「でねぇだろ」


青葉「ですね～。まだ未熟なもので」


天龍「はん。ジャーナリストだっけ？になれたんなら上等だろ」


青葉「ふふっ。違いないです」

天龍「それで、何だ。何を話せば良いんだ？」


青葉「えーとですね。テーマはずばり『戦時と比べて今の自分』ですね」


天龍「自分……か」


青葉「そうです。戦時と比べて自分はどうなったか……というのがテーマです」

天龍「…………俺は、良くなったと思うぜ」


青葉「というと？」


天龍「まあ何というか……俺はあの頃は戦う事しか知らなかったからよ」


天龍「機械油と塩水と血に塗れてた手は武器を握る事しか出来なかった」


天龍「それが今やこんなガキどもをさ……不思議なもんだよな」


天龍「柔らかくて暖かい……こんな愛おしいものを俺は知らなかった」

天龍「何かを壊す事しか出来なかった俺が、今はこいつらを育ててる」


天龍「そう思うと……凄くあったかい気持ちになるんだ」


天龍「だから……俺は、今の自分は凄く好きだ……上手く言えねえけどよ」


天龍「………」


青葉「………」


天龍「な、なんか言えよ」


青葉「……凄く良いと思いますよ。天龍さん」


天龍「…ま、まあな」

天龍「よし、せっかくだからお前も手伝ってけ！」


天龍「みんな！　先生のお友達の青葉せんせーだ！」


青葉「へ？」


「せんせーのお友達？」


「だっこだっこ～」


青葉「ちょっ、うわわわわ」


天龍「落ち着けよ～」

ーーーー
ーーーー


青葉「今日はお世話になりました」


天龍「おぅっ、いつでも手伝いに来いよ」


青葉「か、考えときます…」


天龍「ふっ、じゃあまたな」


青葉「はいっ」













天龍「っとそうだ。最後に俺も質問良いか？」


青葉「？」


天龍「俺は運が良かった。…………お前は運が悪かった奴らもこれから取材するんだろ」


青葉「……」


青葉「もちろん」