男「おはよう!」
幼馴染「おはようございます」
男「元気?」
幼馴染「はい、私は元気です」
男「相変わらず堅苦しい喋り方だな~」
幼馴染「いいえ、そんなことはありません」
男「……」
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男「じゃ、学校行こうか」
幼馴染「はい、行きましょう」
幼馴染「今の時刻は8時15分なので、このまま歩いていけば間に合うでしょう」
男「うん……そうだね」
ワイワイ…… ガヤガヤ……
友「いやー、昨日寝てなくてさー」
男「なんでだよー」
友「YouTube見てたら、いつの間にか朝になってて……」
幼馴染「あなたは睡眠を十分に取らなければなりません」
幼馴染「なぜなら、睡眠を取らなければ、人間は実力を十分に発揮できないからです」
友「ご、ごめんなさい」
授業――
教師「じゃあ、この問題を……幼馴染!」
幼馴染「はい、答えは××です」
教師「正解だ! よく解けたな!」
幼馴染「なぜなら、私は昨夜、このページを予習していたからです」
幼馴染「その恩恵として、私は今の問題を正解することができました」
教師「そ、そうか」
教師「じゃあ次の問題を……男、答えてみろ!」
男「ゲ! えと、その、あの……」
幼馴染「……」ボソッ
男「えーっと、答えは○○です!」
教師「おおっ、やるじゃないか!」
幼馴染「なぜなら、私が今小さな声で答えを教えたからです」
男「言わなくていいからぁぁぁ!」
美術――
美術教師「今日は学校の風景を写生しましょう」
友「写生かー……めんどくせえなぁ」
友「どうせなら、字が違う写生をしたいなぁ……なんて」ゲヘヘ…
男「バカかお前」
幼馴染「私の近くで下品な冗談をいうのは控えていただけるとありがたいです」
幼馴染「なぜなら、私はまだ経験に乏しく、そういった話題に慣れているとはいえないからです」
友「ごめんなさい、ごめんなさぁい!」
幼馴染「あなたは何を描いているのですか?」
男「校門! 直線だらけで楽そうだしさ」
幼馴染「非常によくできた絵ですね」
男「ありがと」
幼馴染「どういたしまして」
男「そっちは? 何描いてるの?」
幼馴染「はい、私は校庭を描いています」
幼馴染「これは砂場です。これは鉄棒です。これはサッカーゴールです。これは……」
男「見れば分かる! 見れば分かる!」
体育――
男「ハッ、ハッ、ハッ……持久走は嫌いだ……」タッタッタ…
男「あ~……やっと終わった。疲れた……」ハッハッ
幼馴染「あなたはゴールをしました。おめでとうございます」
男「ども……ありがと……」ハッハッ
幼馴染「あなたはなにか飲みますか?」
男「飲みます、飲みます!」
幼馴染「あなたは次の中から選ぶことができます。水道水、麦茶、ポカリスエット……」
男「どれでもいいよぉ!」
幼馴染「……」タッタッタ…
男「お疲れ~」
幼馴染「はい、私はとても疲れています」
男「ホントに?」
幼馴染「はい、それは本当です」
男(のわりに息切れ一つしてないんですけど……)
昼休み――
男「待ちに待った弁当タイム!」
男「いただきます!」モグモグ
幼馴染「いただきます」モグモグ
男「いや~、体育の後のメシってのはうまいね!」
幼馴染「はい、とてもおいしいです」
男「ごちそうさま~」
幼馴染「それでは私はゼリーを食べ始めようと思います」
男「おっ、デザート? 入るの?」
幼馴染「はい、大丈夫です。なぜなら、私の腹部には別離している部分があるためです」
男「別離……!?」
男(ああ……別腹ってことか)
午後の授業――
男「ううん……眠い……」ウトウト…
男(まずいな……この授業の先生は怖いから、起きなきゃ……)
男(だけど眠い……)
幼馴染「先ほどからあなたの様子がおかしいのですが、なにかあったのですか?」
男「いや、すっごく眠くて……なんとか起きてられるようにしてくんない?」
幼馴染「はい、私はあなたが起きていられるように努力するつもりです」
幼馴染「あなたが小学校6年生の時、私はこんなことがあったことを記憶しています」
幼馴染「修学旅行の夜、女子の部屋に忍び込んだあなたは、私の布団に潜り込んできて……」
男「ぃよっしゃあぁぁぁ! 目が覚めたぁぁぁぁぁ!!!」
スパルタ教師「コラッ、うるさいぞ!!!」
友「じゃあなー」
男「おう、今日はもう夜更かしすんなよ」
友「さっきウトウトしてたオメーにいわれたくねえよ!」
男「うるへー」
男「じゃ、俺たちも帰ろうか」
幼馴染「はい、一緒に帰りましょう」
男(幼馴染とは幼稚園以来の付き合いだけど、未だにキャラがつかめないんだよな)
男(今も付き合ってるのか付き合ってないのか、微妙な関係だし……)
男(思い切って、ちょっと聞いてみよっかな)
男「あのさぁ」
幼馴染「はい、なんでしょうか?」
男「幼馴染って、俺のことどう思ってる?」
幼馴染「……」
男(――ってやべっ! いくらなんでもストレートに聞きすぎた!)
幼馴染「好きです」
男「え」
幼馴染「愛しています」
男「ええ!?」
幼馴染「私はあなたのことをもっとも愛しています」
男「最上級!?」
幼馴染「私は世界で一番、あなたのことを愛しています」
男「分かった! もう分かったからぁぁ! 周りに人いるから!」
ヒューヒュー!
男(いやー、さっきはビックリした……)
男(でもま、悪い気はしない……ていうか嬉しい。うん、嬉しいに決まってる)
男(お、幼馴染からLINEきた。さっきの件かな)
幼馴染<ハロー!さっきは人前であんなこと口走っちゃってホントSorry!
男<いや気にしてないよ、嬉しかったし
幼馴染<ホント!?よかったー!私ホントにホントにYOUのことLOVELOVELOVE!
男(相変わらず、妙に英語が混ざったハイテンションな文章だ……)
男(いつも思うけど、なんで手紙やメールだとこんなにもキャラが変わるんだろう……)
おわり
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