【モバマスSS】卯月「オイは薩摩隼人でごわんどっ!!」 (28)

注意。 薩摩弁結構適当。 大きな心で見ちくんない。
指摘ばされたらオイは生きておられんごっ!!

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【美術館】



モバP「いやぁ、卯月助かったよ…。
美術館のイベントの特別館内アナウンスをやる予定だったアイドルが、風邪で喉を痛めちゃってな…」

卯月「アレで良かったですかね?? あまり練習できなかったから不安だったんですけど……」

モバP「いやいや、よくやってくれたよ!! 卯月の事だから致命的な読み間違えしないか心配だったんだけどな??
旧中山道を一日中山道、とか言ったりとか」

卯月「ええーっ!いくら私でもそんな読み間違えしませんようっ!!」

モバP「いやー、何か卯月って奇跡の様な読み間違えで伝説残しそうな気がするんだよな、声の質的に」

卯月「そんなー…」

モバP「アハハ…。 とにかく、卯月が急遽代理で来てくれてとても助かったよ…、本当にありがとうな??」

卯月「いえいえ!丁度スケジュールが空いてて、レッスンしか入れてなかったんです!
お仕事を回してくれてこちらこそ有難うございます!!島村卯月、代理がんばりましたっ!!」

モバP「そう言ってくれると助かるよ……、杏にも聞いてみたんだが秒で断りやがったからな…。
あんにゃろう、どうしてくれよう……」

卯月「あはは……」


モバP「まあ、アイツには滅茶苦茶タフな仕事を山ほど廻してやるとして……、
俺は館長さんに人員変更の件についてお詫びをしてくるから、控室の方で待機しててくれるか??」

卯月「……控室……、ああ、あの角のお部屋ですね?」

モバP「控室って言っても明日からの展覧会で必要のなかった品を仕舞う部屋が足りなくて、
部屋の半分程に貯蔵品が置いてあるらしいから、仕切りの向こうの品は勝手に触らない様にな??」

卯月「そうなんですか…、わかりました!」

モバP「まあ、卯月なら大丈夫だよなw 子供連中だったら心配で放置できないけどさ」

卯月「はい!気を付けます!!」

モバP「ちなみに麗奈だったら絶対一人にしない(迫真)」

卯月「あ、あはは……」



【控室】



卯月「おじゃましまーす…。アレがプロデューサーさんの言ってた仕切りかな…??
…ちょっとだけ見てみようかな……?(恐る恐る部屋の奥を覗き込む)」

卯月「うわぁ……凄い…。額に入った掛け軸に絵に水墨画……」

卯月「今日からの展覧会は西洋アンティークが中心だったみたいだから、和の物が中心に仕舞われてるのかな……」

卯月「鎧兜まで置いてある……、あ、刀まで」

卯月「凄いなぁ、本物なのかなぁ……。 コレ、切れちゃうんだよね?? 箱とかに入れてなくていいのかなぁ……」

卯月「小梅ちゃんに見せてもらったホラー映画とかだと、この鎧兜が動いて刀を抜いて襲い掛かってくるんだよね……」


卯月「そんな事になったら怖いなぁ……」


卯月「って、アハハ。そんな事有る訳無いですけどね!」

卯月「さてと、あんまり見てるとプロデューサーさんに怒られちゃうかもですし、
大人しく戻ってようっと」(明るく笑って振り返ると、背後の方からガタン、と音がする)






卯月「え………??」(青ざめた顔で振り返る)



鎧兜「」


卯月「………何にもないよね……?? あはは……、そうだよね…?? 誰も入ってない鎧兜が動くはずが……」


鎧兜【カタッ!ガタッ!!ガタガタガタッ!!!!!】(そう言った直後、鎧兜が激しく震えだす)


卯月「きゃ、きゃああああああああああ!!動いたぁあああああっ!?」

卯月「た、助けて!プロデューサーさん!!こ、小梅ちゃあああああんッ!!!!!」
(腰が抜けた様に座り込んで叫び声を挙げると、部屋全体が揺れ出す)


卯月「ち、違う?? 動いたんじゃなくて……地震??」

卯月「そ、それはそれで怖いですっ!!ぷ、プロデューサーさああああん!!」
(半泣きになって蹲っていると、すぐに地震は収まる)

卯月「うう……結構凄い揺れだったなぁ……、貯蔵品は大丈夫かな?? 倒れて壊れたりしても私のせいになったりしないよね…??」

卯月「ああ、もう…刀も床に転がってるし……」(恐る恐る立ち上がって、床に落ちた刀を拾い上げようと、鞘と柄を掴む)




卯月「                   」






モバP「卯月!!大丈夫かっ!? 地震が有ったようだが、怪我は無いかッ!?」
(プロデューサーが慌てて控室に駆け込んで来る)


卯月「      」


モバP「どうしたんだ?卯月……。うわっ、お前、なんで刀なんて抜いてるんだよ!!危ないからこっちに渡せ!!ほらっ!!」


卯月「チェ………」

モバP「ちぇ??」

卯月「チェストォオオオオォォォ―ッ」(裂帛の気合と共に、床に向けて刀を振り下ろし、刀を刀身の半ばから圧し折る)


モバP「ちょっ!!!おま!!何をッ……」(叫んだ瞬間、折れた刀の一部が顔面の横を掠め飛び、肩に髪がひと房切れ落ちる)

モバP「なっなななななな」

モバP「お前!!何やってんだよ!?もう少しで髪がパッションPになる所だっただろ!!」

モバP「いや、それはともかく、刀折ってどうすんだよ!!弁償とか…… 卯月「なんじゃ、おはんは。わっぜ、やぜらしかぞ…?」(ユラリ)


モバP「う、卯月…??」




卯月「なんね卯月て。今は皐月じゃろがい……。うぉっ、何じゃこん短か袴はっ!!褌(へこ)が丸見えになるじゃなかか!!」
(叫び声を挙げると、スカートを捲り上げる様に掴み中を覗き込む、当然下着はモロ見え)

モバP「わーっ!!何パンツ出してんだよ!!仕舞え仕舞えッ!!」(慌ててそっぽを向きスカートを押さえつけようと)

卯月「何じゃ、さっきから…やぜらしのう…。誰(だい)じゃおはんは? 此処は何処な??見た所何処かの蔵ン中のごたるが」

モバP「卯月……??お前何を言って……??」

卯月「言葉づかいからすっと江戸のモンかぃ?? まあよか、少し話を聞かせっもらうで、
ちっと付(ち)いて来んない」(言うなり、モバPの腕を掴んで、外に連れ出そうとする)

モバP「ちょ、ちょっ……何処に行くんだよ…??」

卯月「話を聞(き)っためにゆったい……。 ??…おはん……随分(あばてもなか)うでが太(ふ)てな…??
いや違(ち)ご!!、俺(おい)の腕が細(ほ)そなっちょっ??」

モバP「な、何を言って……?」

卯月「よう見たら何じゃこん髪は!!オイの髷は如何(いけん)した!? おはん!!鏡、鏡(かがん)な無(ね)か探せ!!」

モバP「か、かがん…??ああ、鏡か…これで良いのか??」(年代物の行李の中に仕舞われていた手鏡を差し出す)

卯月(引っ手繰る様に鏡を受け取り)「貸(か)せっくれ!!な、なんだこや!?オイの顔がおごじょになっちょっが!!」


モバP「卯月……、お前…、一体……??」

卯月「なんじゃこや…、ビン(頭)がおかしゅうないそうじゃ……」






【346プロ】




未央「そんで? しまむーが変な言葉遣いになった理由って??」

凛「分からない…、今、隣の部屋で芳乃が話聞いてるみたいだけど……、
何でも昔のお侍さんが憑り付いたとかどうとか……」

未央「そっかー、早く戻るといいねぇ」


ありす「いやいやいや」


未央「どしたの??ありすちゃん」

ありす「いやいや、何ですか昔のお侍さんって……、それに憑り付いたとか……意味不明でしょう。
何を普通に流してるんですか?? 後、橘です」


未央(言うて私達、結構異世界とかに飛ばされたりしてるしなぁ)

凛(これくらいの事、結構普通に流してたな……)





ありす「そんなオカルト有り得ませんし、そんな訳の分からない事に卯月さんが巻き込まれて心配じゃないんですか??」


未央「ソウダネー、シンパイダナー」(棒)

凛「ハヤクモドルトイイネー」(棒)


ありす「何なんですか、その口調は…もう…、卯月さん大丈夫でしょうか……」


未央(しまむーなら余裕そうな気がするんだけどなぁ)

凛(色々修羅場潜ってるしね、卯月も)




芳乃「戻りましてー」


未央「あっ、よしのん、どうだった、しまむー。元に戻りそう??」

芳乃「ええ、大した事はありませんのでー。
憑依とかならば厄介でしたが、アレはただ残留思念が卯月殿の人格に乗り移っただけでしてー」

未央「ざんりゅーしねん??」

芳乃「ええ、モノに残る記憶、とでも言うのでしょうかー。
長年使われた品物が人格を持つ…付喪神と言われる状態になった時に、最も品物の近くに有った人格…
過去の所有者の人格を模倣して動き出す状態でして―」

凛「良く分からないけど…お化けとかじゃないの…??」

芳乃「ええ、ただの記憶の塊が卯月殿の人格の上に乗っかってるだけでしてー」




ありす「やっぱりオカルトなんかじゃありませんでしたね!!今回も論破です!!」

未央「いや、意味わからんし」

凛「残留思念とかも充分オカルトじゃないの??」

ありす「オカルトの定義は目に見えない、言葉では説明できないもの、とネットにも書いてます」(タブレット操作して)

ありす「芳乃さんが説明してくれましたし、目にも見えてるじゃないですか、オカルトじゃあないですよ」(論破)

凛「ありすがソレで良いならいいけど……」

ありす「橘です。不思議な事でも観測できれば事実足り得るんですよ?? 
実際に有る事なのに自説に拘って否定のは子供のする事ですから!!」

ありす「クラスメイトにも『サンタは居ない』って私をバカにする子供が居ますが、笑ってしまいますよ。
おかしいですよね、イヴさんと言う実例が有るのに」

未央「あー、イヴにゃんいるしねぇ……」

凛「サンタが実在するって事考えると……お侍さんの残留思念くらいあっても何の不思議も無いのかな……??」

ありす「そう言う事ですね、論破です」(ふんす)





未央「まぁ、それはそれでイイとして……、しまむーは大丈夫なんだね??」

芳乃「ええ、厄介なモノなら故郷のばばさまをお呼びしなければなりませんでしたがー、その必要もないかとー」

凛「そうなんだ……、良かった…。不幸中の幸いってヤツだね…」

芳乃「ええ、依り代の刀も折れているようですしー、そう長い事現存はしないかとー」

モバP「ホント、それが唯一の救いだよな……」

凛「あっ、プロデューサー」

未央「おはよー??あれ、しまむーは??」

モバP「取り合えず、隣で休ませてるよ……。中の人が此処に来るまでにビルだの車だのに大はしゃぎしまくってたからな…、
流石に疲れたんだろ」

未央「うわぁ…、本当にお侍さんなんだ……」




凛「で、何処の時代の何処の国の人なの?? 刀の人は」

モバP「聞いた所によると、薩摩藩士、木村多聞。延宝七年生まれだとさ」

凛「…サツマって何処??」

芳乃「鹿児島でしてー」

未央「エンポーって何時??江戸時代??」

ありす「調べた所によると1673年から1681年までの期間、との事です」(タブレットシュッシュ)

モバP「徳川綱吉の時代だな」

未央「凄い!ダテマサムネとかに会った事有るのかな??本当にパーリィしてたのかな!?」

モバP「綱吉だって言ってるだろ……、後、別に伊達政宗はパーリィしてないからな??」

凛「ざっと340年前の人か……」

モバP「しかし困ったもんだな、江戸時代のサムライをアイドル活動させる訳にもいかんし…」

芳乃「しかも彼の方は、薩摩の武家者(ぼっけもん)でしてー。 まず、不可能かと―」

モバP「うん…、しばらく卯月は休養させないとな……」

凛「そうだね、卯月の空いたスケジュールのカバーは、なるべく私達が入るよ」

モバP「そうしてくれるか?? 頼んだ」

未央「しばらくニュージェネの活動もお休みかー……」



モバP「うむ、しばらくは様子見だな……。 
それにしても芳乃、何かこう、パーッと話が片付くスペシャルな秘術は無いのか?依田の家には」

ありす「そんな便利なモノが都合よく有る訳ないじゃないですか……、漫画じゃないんですから…」


芳乃「有るには有りますがー」

ありす「有るんですかっ!?」

モバP「マジでか、依田パネェ」

芳乃「ですが、その方法は何が起こるか分からない危険性を孕みますので―。今回の出来事は放置しておけば収まる話なのでー、
敢えてその愚を犯す必要はないかと―」

モバP「ふむ、芳乃がそう言うならやめとくか……」



未央「にしても、そのお侍さんも良くもまあ今が340年後だー、なんて言われて納得してくれたよねぇ」

凛「そうだよね。幾らビルだの車だのが有るって言ってもさ、難しいんじゃないかな、普通は」

芳乃「幸いな事に先方が依田の名前を知っていてくれたのでー、話は早くすみましてー」

凛「へぇ、そうなんだ…」

未央「あっ、そうか!!よしのんも鹿児島出身じゃん!!」

芳乃「ええ、依田の家は昔から地元ではかんなぎ、拝み屋の家系で通っておりますのでー、
不可思議の事には却って通りが良かったかと―」

モバP『よう分かりもはんが、依田の家のモンが言うなら安心じゃ!!』って言って勝手に納得してたな」

未央「それで良いのか、薩摩藩士……」

芳乃「余り物事を複雑に考える家風では有りませぬゆえー」


未央「それにしても刀の人、随分大人しくしてるね?? 大丈夫なのかな??」(隣の部屋の入り口をチラリと見て)

モバP「ああ、今は俺のスマホ貸して漫画読ませてたんだが、そしたら食い入るように見てるぞ」

凛「漫画、理解できるんだ……」

未央「漫画って何をさ??」

モバP「薩摩義士伝とか……ドリフターズとか…」

未央「あー」(察し)

モバP「後は衛府の七忍とか」

未央「それはやめた方が……」


モバP「うーむ…、ずっとこうしてる訳にもいかないし……、そろそろ話し合うかぁ…」(溜息)

未央「プロデューサー、ファイト」



(コンコンと扉をノック)モバP「卯月…、じゃなかった、木村さーん? 入りますよー??」

卯月「おお、プロデューサーさぁ!! こん、すまほっちゅうのは面白かのう!!どんだけの巻物が入っちょるんかの!!」


未央「うわぁ、声デカい……」

ありす「どうでも良いけど、卯月さんの身体でソファーの上で胡坐かくのやめてくれませんかね…、
下着まる見えなんですけど……」

モバP「気に入ってくれたなら何よりなんですが……」

卯月「にしてん、こん薩摩義士伝のひえもんとりば、おいの暮らしちょった時代とは大分違ごちょるな、
おいのこんは素手でやりよりもしたが」

モバP「そうなんですか??」

卯月「じゃっど。肝も薬になっかい傷ば付けん様に、噛みついて穴ば開いたた所ンに素手ば突っ込んで、肝を抉り出して…」


凛「卯月の顔で嬉々としてそんなエグイ事言わないで……」(泣)




   ※※   ※※   ※※



モバP「……と言う訳で、木村さんの人格はしばらくしたら消えるらしいので、
それまで卯月として生活して欲しい訳ですが……」

卯月「よう分かりもはんが…、普通ンおごじょんごつ、しとらしか風ンしとればよかとじゃな??」

芳乃「でしてー」

卯月「分かりもした、勝手ば分かりもはんし、そちらン指示に従いもそ」

未央「あら、あっさりと」

ありす「消えるって言ってますけど、怖くないんですか…? 死んじゃうみたいなモノだと思うんですけど……??」

卯月「薩摩ン武士は、け死んごっに怖(お)じるモンはおらんど?? 普段から肝ば練っちょるからの」

未央「きも? ねっちょる??」

芳乃「肝練りでしてー。肝試しみたいなもので、
天井から紐で下げた火縄銃が誰に当たるか分からない状態で回転させて、その中で宴会をするのでしてー」

凛「なんでそんな事するの……」

ありす「全く意味がわからないんですが……」

未央「薩人パネェ」



モバP「……まぁ、納得してくれたところで、とりあえず何処に木村さんを泊めるか、だよな…。
卯月ん家に帰す訳にもいかないし……」

未央「信じてアイドルに送り出した娘が、薩摩藩士になってチェスト、とか、新ジャンルだよね」


モバP「一発でアイドルやめさせられるよな」


凛「でも、女子寮に入れる訳にはいかないよね……木村さん、男の人だし……」

卯月「女子寮言うンは、おごじょが暮らしとっトコかい?? そいはおいも勘弁しもんそ」

芳乃「ちなみに補足するとー、昔の薩摩の若者(にせ)は、女性と道ですれ違うのも駆け足で立ち去り、
家に帰って水浴びするくらい、女性を穢れとみなしたらしくー、そんな中で生活するのは論外の様でしてー」

未央「なにそれ…」

モバP「マジでか。 俺、生まれ変わったら薩摩だけは絶対イヤだわ……」

凛「逆に女子寮でも安全そうだけど……、周りが気分良くないよね、そんなんじゃあ……」

ありす「復帰後の卯月さんの人間関係にも影響ありそうですし…、それも却下ですね」


モバP「…しょうがないから宿直室を借り受けよう。二、三日ならプロデューサー権限でなんとか誤魔化せるだろ」

ありす「それが一番無難そうですね…」

卯月「お願いしもす」


【三日後】




モバP「さーて、そんな訳で三日ほど経った訳だが……」

アイドル多数「「「「あの人を如何にかして下さい!!プロデューサーッ!!」」」」」


モバP「すげぇな、たった数日で此処まで嫌われるか、どうやったんだ、九州男児……」

モバP「分かった、分かった、一人づつ話聞くから……」


モバP「まずはお前から聞こう、何が有ったんだよ、とときん」

愛梨「もう、卯月ちゃんの身体で好き放題し過ぎなんですよ、あの人~っ!!」

愛梨「人目を気にせず脱いじゃうし…見てるこっちが恥ずかしくなってきちゃうんですよぅ…」

モバP「……とときんが言うならよっぽどなんだが……、お前、自分がブーメラン投げてる自覚、有るか??」

愛梨「私なんてレベルじゃないんですよっ!? スカートなのに何時でも胡坐だし、熱いからって上半身裸で水浴びとかしてるし…」

モバP「マジでか。ちなみに場所は? 何時ごろの話??」

愛梨「プロデューサーぁ……」(ジト目)

モバP「すまんすまん、まぁ元が男だからその辺の感覚が薄いんだろ…、俺の方から重ねて言っとくよ」

愛梨「お願いしますよ…??男の人が居てもまったく気にしてないんです…。卯月ちゃん、可愛そうですよ……」

モバP(お前も普段かなり際どいけどな……、反面教師になってるのかな……??)



モバP「よし、次だ。 次は珠美、何が有った??」

珠美「何が有った?じゃ、ありませんぞ!! …珠美が日課の素振りを事務所の中庭でやっていると……」

卯月『おっ、やっちょりもすな!! じゃっどん、そげな素振りじゃ人は斬れもはんどっ!?』

卯月『どい、おいに貸ちみんないっ……そこン大木が良かどな……、チェスト―――――ッ!!!!』

珠美「…と、一撃の下に珠美の相棒の竹男くんを圧し折ってしまったのですぞ!!」(泣き顔)

モバP「あー……、立木打ちは樫の木刀でやるモンらしいしなぁ……」

珠美「しかも、『おお、こいはすまんこって…じゃっどん、竹刀っちゅうんは随分ヤワでごわんな、
そげなもんじゃ人ば斬る腕ば出来もはんど!!ガッハッハ!!』…と、悪気も無く大笑いで立ち去ってッ……」

珠美「珠美はッ…珠美は悔しいですッ…竹男の敵を討つにも、剣士として言い返せなかった事が珠美はッ……!!」

モバP「お前は何を目指して何処に行こうとしてるんだよ……アイドルだろ…」


モバP「分かった分かった、その事についても俺から言っとくから……次は??」

モバP「分かった分かった、その事についても俺から言っとくから……次は??」

凛、優、聖來「…私達だよ」

モバP「おう、お揃いで…。あー…お前らって事は……。 あー…(眉間を抑えて、察し)」

凛「察しは付いてるみたいだけどね…、どうにかしてよ、あの野蛮人ッ!!」

優「私がアッキーのお世話してたらぁ、『おお!随分肉の柔そげな美味そうな狗ッコでごわんなッ!!』とか、言うんだよぉ!!
酷いよぉー!アッキーは食べ物じゃないよっ!!」

聖來「ホントね、人の食文化についてとやかく言いたくないんだけど、愛犬家的には有り得ないから、犬食とか…」(額に青筋)

凛「嬉々とした顔で、えのころ飯ってのの調理法説明し出した時は、卯月の顔なのに頬を張り飛ばしかけたからね……??
何とか我慢して抑え込んだけどさ……??」

モバP「あー…そうだよなぁ……犬食はなぁ……、俺も引くなぁ……」

凛「とにかく、芳乃の話じゃもうすぐ戻るらしいけど、早急にどうにかしてよ。
…これ以上、卯月の顔を見て顔を顰める日々なんて送りたくないんだけど」

優「アッキー怯えて鞄から出てこないんだよぉ……、可哀想だよぉー…」

聖來「どうにかして。すぐに。お願い。」


モバP「ハイ……ワカリマシタ……」



モバP「やっべ、完全におこじゃん…。お犬様至上主義の人達は怒らすとマジおっかねぇな…、生類憐みの令かよ……」

モバP「言うて、愛犬家からすれば友人喰われそうになる、みたいなモンなんだから、嫌悪感パネェんだろうなぁ……」

モバP「俺も流石に犬猫は引くし……、爬虫類とかまでなら、まぁ……」

モバP「それはそれで小春ちゃんが泣くか……」

モバP「にしてもどうしよ。 文句言うにしても、薩摩隼人相手に説教??」

モバP「大丈夫か……俺……。斬り殺されたりしないよなぁ……??」





   ※※   ※※   ※※






(コンコン、と宿直室のドアをノック)
モバP「木村さーん……??いらっしゃいますかぁ……??」

モバP「ん……、返事が無いな…。留守か……?」(ソーッと中を覗く)



卯月「                    」

モバP「何だ、居るじゃん……。木村さーん??」

卯月「    」

モバP「返事無いや……、転寝でもしてんのかな?? 木村さーん」(肩を掴んでユサユサ揺する)


卯月「ん……ぷろでゅーさー…さん??」


モバP「!!!!!!?う、卯月、戻ったのか??卯月ッ!?」


卯月「おぅ!?おお、プロデューサーさぁじゃあなかか、オイに何か用があっとな??」


モバP「……ダメか…」

卯月「なんか、ないがダメば言いよっとな??」

モバP「いや、今一瞬、卯月が元に戻りそうになってたんですよ……、もうしばらく待たなきゃダメなのかなぁ……」

卯月「そげんな……、…オイはもうすぐ消ゆっのだもんの……。 ないか、ビンがボーッとするんはそん為かのう……」

モバP「ええ…、芳乃の話によると、もう直ぐみたいなんですが……」

卯月「そげんな…」


モバP(木村さんはそう言うと、何か考え込む様に黙り込んでしまった)

モバP(死をも恐れぬ薩摩隼人とは言え、消滅して行く事には何か思う事が有るのだろう…)

モバP(俺としては、ただ消えゆく彼に何も言える事が有る訳が無く、一人木村さんを残して部屋を出て言うしかなかった……)



【終業後】



モバP「おし、そんじゃあ、レッスン場占めるぞー、忘れ物無いなー??」

芳乃「ありませぬー」

優「あっ、アッキー忘れてた!!」

ありす「大事な飼い犬でしょ……、忘れないであげて下さいよ……」

未央「んんーっ!!今日も一日お疲れーっ!!プロデューサーも仕事終わりでしょ!?何処かご飯連れて行ってよぉ~~」

未央「具体的に言うと、おごって♪」

モバP「残念。今日は昼に苦情受けてて、ちょい仕事残ってんだ。食事はお前らだけで行ってくれ」

モバP「木村さん一人で残して外出る訳にもいかねーしな……また、何かトラブル起こしそうだし……」

芳乃「その方が無難かとー。 先程聞いた意識が戻りかけてる状態から見て、今晩が山かと思われますゆえー、
もう少しの辛抱かとー」



モバP「ってな訳だ。食事はまた今度な??」

未央「ちぇーっ、はーい、またねー」

ありす「話が済んだのなら早くシャワー浴びに行きましょうよ…、ゆっくりしてたらシャワー室の方も閉められちゃいますよ??」

未央「そだね、いこっか」



モバP「…さて……、俺はさっさと仕事片付けますかねぇ……。明日には卯月戻ってると良いなぁ…。
そろそろ誤魔化すのも限界だし…」




   ※※   ※※   ※※

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