霧切「多重人格探偵キョウコ」 (43)


気がつくと、どこまでも真っ白な部屋にいる。

足元には、小さなテレビが一つ。


『……ザザッ、…える、か……う、…ザッ……子……』

砂嵐の中、声がする。

『ザーッ……そへ……くん、だ……ザザッ』


『僕の、ザザッ…名前は……』


ザーーーーーー…




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1494820200

※多重人格探偵サイコとのクロス

※トリックは期待しないでクレメンス…

※安価はない

◆ ◆ ◆ ◆ ◆


……ガタンゴトン、ガタンゴトン……


霧切  「……ん?」パチッ

霧切  「ここは……」

霧切  (なんだか、すごく不思議な夢を見ていたような気がする…)

霧切  (私としたことが、電車の中で無防備に寝てしまうなんて。
     やっぱり緊張しているのかしら?)

霧切  (近代的なデザインの車内には、ラッシュ時だというのに、ほとんど乗客がいない。
     それもそうね。この路線を使うのなんて、【学園関係者くらい】だもの)


『本日も銀座線直通、希望ヶ峰線をご利用くださいまして、ありがとうございました』

『次は、希望ヶ峰学園東門、希望ヶ峰学園東門……終点です』

プシュー…ガタンッ


霧切  「よっ……と、重いっ…!」ガコッ

霧切  (やっぱり、荷物だけ先に送っておけばよかった……)ズルズル

霧切  (近代的なデザインの駅を出て、目の前にそびえたつのは。
     【希望ヶ峰学園】――ありとあらゆる分野で【超高校級と呼ばれる生徒たちを集め、
     その才能を研究する】超法規的な教育機関……)

霧切  (ここを卒業すれば、人生の成功が約束される、まさに【希望】の学園)

霧切  (入学する生徒たちは、【超高校級のアイドル】であったり、【超高校級の野球選手】であったり、
     はたまた【超高校級の文学少女】【暴走族】……さまざまな才能を持っている)

霧切  (そんな学園に、私……霧切響子も、足を踏み入れようとしていた)ペラッ


『霧切響子様
 あなたを超高校級の××として、当学園への編入を認めます』


霧切  (入学案内と校舎を見くらべて、私は背筋を伸ばした)

霧切  (その瞬間)

ぐにゃり…

霧切  「!?」

霧切  (視界がぐるりと回転して、頭の後ろがすうっと引っぱられる)

霧切  (倒れる、と思う前に。私の意識は闇に包まれた)


【Prologue:ようこそ絶望学園】


霧切  「……」

霧切  「……?」パチッ

気がつくと私は、机に突っ伏していた。
不自然な姿勢だったせいか、体のあちこちが痛い。


霧切  「ここは……【教室】?」

周りを見渡す。とても落ち着いて勉強できるとは言いがたい内装ね。
窓には分厚い鉄板が打ちつけられ、黒板の上には監視カメラのレンズが光っている。
壁紙はサイケデリックな色合いで、薄暗いのもあいまって、不気味な雰囲気。


霧切  「うっ…!」ズキッ

頭のどこかが、にぶく痛んだ。

ここに来るまで、私は何をしていたのかしら?
全ての記憶が、まるで夢の中の景色みたいにあやふやで、そんなような気もするし、
そうではなかったようにも思える。


霧切  「……まずは、ここから出ましょう。考えるのは後でもできるわ」ガラッ

自分に言い聞かせるようにして、教室のドアを開いた。

カツン、カツン…


霧切  (おかしい。さっきから誰ともすれ違わない。それどころか、人の気配すらない)

霧切  (ここは本当に希望ヶ峰学園なの……?)


一人分の靴音だけが響く廊下。やがて、大きな扉の前に出た。
開きっぱなしの扉から中へ入ると、ざわめいていた人たちが一斉に私を見る。


??? 「あ、新しい人来たよ!女の子だ!」

??? 「これで最後か…新入生はたしか15人だったな。ということは、これで全員か」

??? 「おい、オメーなんか知らねえか?」


霧切  (赤いジャージを着たポニーテールの女子と、眼鏡をかけた精悍な顔つきの男子。
     そして、リーゼントに学ランの男子)

霧切  「ごめんなさい、私もさっき目覚めたばかりで……」

??? 「じゃあ、オメーもか?」

霧切  「……もしかして、私以外にも同じような状況の人がいるの?」

??? 「うん!ここにいるみんながそうだよ!!学園に入ろうとしたら気絶しちゃって……で、
     気がついたら教室で寝てたの」

赤いジャージの彼女が答えてくれた。

つまり私たちは、異常事態に巻きこまれているらしい。
分かったのはそれだけだった。

一旦切ります

サイコクロスとか期待

安価なしって書いたけど
非日常編のキャラ選択安価はしようか

__________


霧切  (たしか、彼女は……"超高校級のスイマー"ね。向こうにいるのが"野球選手"と"アイドル"……
     おさげの彼女は"文学少女")

私は目線だけを動かして、
テレビや雑誌で見た顔と照らし合わせていく。

"占い師"の彼は、とある組から"娘を騙した男を探してくれ"と依頼されたことがあった。


霧切  (見た目から言って、リーゼントの彼が暴走族。セーラー服の彼女が"格闘家"。
     眼鏡の彼が"御曹司"。派手な彼女は"ギャル"……腕章から彼が"風紀委員")


消去法で、ゴスロリの彼女は"ギャンブラー"。太った男子は"同人作家"ね。


霧切  (プログラマーは長時間パソコンの前に座るため、若くても腰に歪みがある。
     男性的な骨格でありながら、内股。……ひときわあの人が"プログラマー"ね)

もう一人のパーカーを着た彼は、まばたきが多く、しきりに指先を動かしている。
心の中では前向きな気持ちと不安がせめぎ合っているんでしょう。

おそらく毎年抽選で選ばれる"幸運"枠。

霧切  「ふう……だいたいみんなのことは分かったわ」


ここまで、わずか10秒。


朝日奈 「す、すごいね……まだ誰も自己紹介してないのに」

石丸  「そういえば、君の名前はまだ聞いていなかったな!
     僕は【石丸清多夏】。超高校級の風紀委員だ、君は?」

霧切  「私は霧切響子。才能は…」

バチンッ!

霧切  「うっ…!」ズキッ

石丸  「、どうした霧切くん!」

不二咲 「だ、大丈夫…?」

霧切  「平気よ…ちょっと立ちくらみがしただけ……」

霧切  「私は…超高校級の……」


『霧切響子様
 あなたを超高校級の××として、当学園への編入を認めます』


霧切  「……何だったかしら?」

思い出せない。

たしかに私にも用意されていたはずなのに。

霧切  「入学案内書を見れば……ない?」

ジャケットのポケットは空だった。

石丸  「まさか…覚えていないというのか?そんなことが「ありうるだろう」

十神  「15人が一斉に意識を失い、封鎖された学園ホールへ集められた……そんなことが
     ありえたんだ。才能を忘れたボンクラが一人いたくらいで驚きはしないな」

??? 「そ、そんな言い方…!」


自分でもとんだボンクラだと思っているのだけど、
パーカーの彼は予想していたより優しい人であるらしい。

霧切  「そういえば、あなたは?」

??? 「えっ?あ、そっか。僕はどこにも情報が出てないから…」

苗木  「僕は【苗木誠】。"超高校級の幸運"らしいんだけど……正直、あまり実感ないかな」スッ

霧切  「そう。…よろしくね」ギュッ

苗木  「うん。これからよろしく、霧切さん」


握手をしている間も、私の中では形のない不安が揺らいでいた。

『キーン・コーン.カーン.コーン…』

それが形になったのは、場違いなほど明るいチャイムが鳴った時。

??? 『あー、あー、マイクテスッ、マイクテスッ!』

??? 『大丈夫?聞こえてるかなあ?』

??? 『えーっ、ではでは…新入生のみなさん!』

??? 『今から【入学式】を執り行いますので、至急【体育館】までお集まりください!』


葉隠  「な、なんだ…やっぱただのドッキリだったんだべ!!」ヘナッ

朝日奈 「私はビビってなんかいなかったからね!」

石丸  「では、体育館へ向かうとしようか!」


ゾロゾロ…


十神  「……まさか本気で、これがただのお遊びだと思っているんじゃないだろうな?」

霧切  「あなたも、予感があるの?」

十神  「ああ、お前たちも見たはずだ。窓の鉄板、監視カメラ、人気のない学園……」

十神  「これだけのことを、たった15人の新入生を驚かせるためにやってのけるのか?」

十神  「なにか、【とてつもない悪意】を感じるがな…」


それでも、言われたとおり体育館へ向かうほかない。

廊下にも、たどり着いた体育館にも、やはり私たち以外の人の気配はなかった。


山田  「およよ?なにゆえボールや跳び箱が出っぱなしなのでしょう」

セレス 「まさかこれでレクリエーションをしろとでも?」


??? 『当たらずしも遠からず、ってとこかなあ』


苗木  「っ、さっきの声…!」

大和田 「クソッ、どっから見てやがる!!!」


??? 『ここだよ。こ.こ』


霧切  (それは、血の通わない機械のようで…)


腐川  「い、いつまでこんなお遊びに付き合わせる気…!?」

葉隠  「そーだそーだ!ドッキリってんならさっさとネタバラししろってーの!!!」


??? 『うぷぷぷ…ほんとにせっかちなんだから』

??? 『まあ、ちゃんと全員集まってくれたみたいだし、そろそろ始めちゃおっか!!』


霧切  (どこかに人間くさい悪意を感じる、ちぐはぐな声音だった)


~♪

~♪

~~~~♪


ボヨヨヨヨーーン


??? 『オマエラ、おはようございます!!』


石丸  「おはようございます!!!」

苗木  「えっ…あれ、なんだ?……ロボット?」

桑田  「テディベアじゃねーの?」


モノクマ『ロボットじゃないよ!ボクは【モノクマ】だよ!!オマエラの、学園長なのだー!!」


朝日奈 「クマが喋った!!」


モノクマ『だからさあ、クマじゃなくてモノクマ!ボクをあんな大量生産のクマモドキと
     一緒にしないでよ!!」


十神  「馬鹿な…我が十神財閥でもあそこまでの技術力は…」

山田  「ううむ、思わず無機物萌えに目覚めそうなフォルムですなぁ」


モノクマ『はぁ…分かってたけどさ。あまりに予想通りのリアクション。
     ネジが何本か飛び出ちゃいそうだよ』


霧切  (血が通わない中に、人間くさい悪意を感じさせる声……)

霧切  (それが、この異常事態とあまりによく合っていて……)

霧切  (私の中にあった形のない不安は、いつしか冷たい恐怖へと変わっていた)


モノクマ『いいかい、ボクにはねえ。NASA主導で開発された人工知能と、
     78個のアクチュエータが搭載されていて……』

モノクマ『…って、ちびっこたちの夢をデストロイするようなセリフを
     言わせないでほしいクマー!!』


しーん…


葉隠  「あー、やっぱロボットってことでOKなんか?」

霧切  「そこはどうでもいいわ」


モノクマ『しょぼーん…どうでもいいってハッキリ言われちゃうと、
     モノクマちょびっとハートブレイク…』

モノクマ『じゃあ、時間もないことだし、さっさと入学式を始めちゃうでゴザルよー!!』


桑田  「キャラがブレてねーか…?」


モノクマ『えー、それではっ!これより入学式を始めます!』

モノクマ『まずはじめに…えー、オマエラのような才能あふれる超高校級の生徒たちは、
     世界の宝!人類にとっての【希望】に他なりません!』

モノクマ『そんな素晴らしい希望であるオマエラを守るため、オマエラには…』

モノクマ『この【学園の中だけで】、共同生活を送ってもらいます!』

モノクマ『みんな仲良く暮らすように!!』


苗木  「え…?」

モノクマ『さて、その共同生活の期限についてなんですが…ありませんっ!!
     オマエラは【一生ここで暮らしていく】のです!!」

山田  「い、今なんと…一生、ここで……?」

舞園  「…っ、冗談じゃありません!私は外でやらなきゃいけないことが…!!」


モノクマ『だいじょーぶ、だいじょーぶ!ボクはお金持ちだから、君たちに不自由はさせないし!
     食料も物資も心配ナッシング!!』

葉隠  「マ、マジか…?食うに困んねえんだったら、俺としちゃ借金とりも来ねえし
     万々歳だべ!!」

大神  「待て。にわかには信じられん…何ゆえ我らが閉じこめられねばならんのだ?」


モノクマ『ひどいなあ、人を誘拐犯みたいに。あ、この場合は【クマを誘拐犯みたいに】ってほうが
     正しいのかな?』

モノクマ『慣れれば快適だよ!たしかに外の空気は吸えないし、青空も見えないけど、
     住めば都っていうじゃない?』

モノクマ『何日かすれば帰りたくなーい、ってなるかもね!』



山田  「ええええ!?コミケに行けないなんて拷問じゃありませんかあああ!!」

桑田  「ちょっと黙ってろブーデー!まだなんか言ってんぞあいつ!」


モノクマ『そうそう。ちゃんとクマの話は最後まで聞こうね。大事なのはこっからなんだからさあ』

十神  「ここから…?」

モノクマ『うん。さっきボクは【一生ここで暮らしていく】って言ったけど……
     実はね。ないわけじゃないんだよ。こっから出る方法』

舞園  「本当ですか…?」


モノクマ『うん。心優しいボクは、この学園生活に満足できない人のために、【特例】を設けたのです!
     それが【卒業】というルール!!』

モノクマ『では、このルールについて簡単に説明していきましょう!!』

モノクマ『オマエラにはこの学園での永久生活が義務づけられたわけですが……共同生活に一番大事なものは、
     【秩序】です!!』

モノクマ『もし、その秩序を破った人が出た場合…その人物だけは、学園から出て行ってもらうことになります!!』

モノクマ『それが【卒業】のルールなのです!!』


セレス 「その【秩序を破る】とは、どういうことですの?」

モノクマ『うぷぷぷぷ…それはね……』


モノクマ『【人が人を殺す】ことだよ…』


霧切  「こ、殺す……?」

苗木  「人を……!?」


モノクマ『イエース。刺殺扼殺絞殺撲殺惨殺毒殺溺殺薬殺呪殺……殺し方は問いません』

モノクマ『誰かを殺した生徒だけが、ここから出られる…ただそれだけの、単純なルールだよ』


霧切  (背筋がぞわっと泡だった)

霧切  (その言葉が出た瞬間、みんなの中にあった不安が、ハッキリと形を持って共有されたのが分かった)

江ノ島 「ハァ?マジありえないんですけど…人を殺すとか、無理に決まってるって!」


モノクマ『うぷぷぷぷぷ…!さっきも言ったでしょ?君たちはいわば【人類にとっての希望】なわけだけど…
     そんな【希望】同士が殺し合う【絶望】的シチュエーション…それって』

モノクマ『ワックワクの、ドッキドキだよね!!』

江ノ島 「聞いちゃいないし」


霧切  (ペラペラとまくしたてるモノクマに、私たちはただ立ち尽くすしかなかった)

霧切  (だけど、一人だけ…)


大和田 「さっきから聞いてりゃ好き勝手言いやがって…ふざけんじゃねーぞ!!!」

モノクマ『ふざける?それって君の髪型のこと?』キョトン

大和田 「テメェ…!決めた、ボッコボコにしてやる!!!」ムギューッ

モノクマ『いたたたたっ!!暴力はんたーい!!!』


霧切  (教壇の前に立った大和田くんが、モノクマの両耳をつかんで引っぱる)

霧切  (それを見た瞬間、私の中にあった不安が、けたたましい警告音を鳴らした)


ピコーンピコーン


大和田 「あ?なんだこの音…」

霧切  「危ない!!今すぐそれを離して!!」

大和田 「あ、ああ!?」ブンッ


霧切  (私の大声に驚いたのか、大和田くんは反射的にモノクマを――)

霧切  (ぶん投げた)


ピコーンピコーンピコー…

ドッカアアアーーン!!!


大和田 「んなっ!?」


パラパラ…


苗木  「ば、爆発した……?」

江ノ島 「い、今…離さなかったら、大和田が…?」

モノクマ『ふーっ。危なかったねえ大和田君。学園長への暴力は校則違反だよ?』ニュイッ

大和田 「どっから湧いて出やがった…!」

モノクマ『ボクの慈悲深さに感謝しなよ?クマの顔も三度までってね』

石丸  「やめたまえ!さっきの爆発を見ただろう!?」

江ノ島 「そーだよ大和田!まずは霧切にお礼言うのが先っしょ!」

大和田 「ぐっ…分かったよ…えーと……「霧切響子よ」ありがとな、霧切…おかげで助かったぜ」

霧切  「どういたしまして、大和田くん」

霧切  (素直にお礼を言われると、ちょっとうれしい)

霧切  (だけど、今の爆発で分かった。このモノクマは、私たちに危害を加えることをためらわない。
     ……逆らえば、何が起こるか分からない)


葉隠  「わ、わけ分かんねーべ…殺すとか、なんとか…」

モノクマ『あのねえ、ボクがさっき説明したのが全てであり、一なんだよ。
     今日からはここがオマエラの学校であり、家であり、世界なんだ』

モノクマ『分かんない、分かんないって、ちょっとは自分の頭で考えてみなよ』

モノクマ『何かを得られるのは、何かを失う覚悟のある人間だけだよ!!遠慮なく、殺って殺って
     殺りまくっちゃえってーの!!!』

モノクマ『うぷぷぷぷぷぷぷ……』


霧切  (私たちは自然と、お互いの顔を見合わせた)

霧切  (きっと相手の表情がそのまま自分の表情になっているのだろうと思う)

霧切  (この日、私たちの運命が動き出した)

霧切  (学園の――私たち自身の真実を、解き明かす方向へ)








プロローグ


ようこそ絶望学園


【END】




生き残りメンバー 15人


【霧切響子】

【苗木誠】

【舞園さやか】

【桑田怜恩】

【江ノ島盾子】

【大和田紋土】

【山田一二三】

【セレスティア.ルーデンベルク】

【石丸清多夏】

【十神白夜】

【腐川冬子】

【不二咲千尋】

【大神さくら】

【葉隠康比呂】

【朝日奈葵】

>>7
ありがとう
でも今のところはちょこちょこ学窓のことが出てくる程度かもしれない
霧切主人公の再構成といった方がいいかも



◆ 校則 ◆


1 生徒たちはこの学園の中で共同生活を送りましょう。なお、共同生活の期限はありません。

2 夜10時から朝7時までを『夜時間』とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので、ご注意ください。

3 就寝は寄宿舎にある各自の個室のみ可能です。廊下を含む他の部屋での故意の就寝は、
  校則違反とみなし罰則を与えます。

4 この学園について調べるのは自由です。制限はありません。

5 学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。

6 『錠剤』は用法、用量を守って正しく服用しましょう。

7 仲間を殺したクロは『卒業』となりますが、自分がクロだと仲間に知られてはいけません。

8 なお、校則は増えていく場合があります。



【食堂】


大和田 「クソッ!!わざわざ【校則】なんて作りやがって!!」ググ…


霧切  (大和田くんは腹だたしげに奥歯を噛みしめて、電子生徒手帳を握りしめる)

霧切  (さっきの爆発で、うかつな行為は危ないと分かったみたいだけど…全身から悔しさをにじませていた)


十神  「しかし、今のところ俺たちはモノクマに対抗する術を持たない。
     とりあえずは従っておいた方が賢明だろうな」

霧切  「…そうね」

霧切  (あのあと、【電子生徒手帳】という小さなタブレット端末が配られた)


モノクマ『その電子生徒手帳は、学園生活に欠かせない大事なアイテムだから、絶対になくさないようにね!』


霧切  (ここに、プロフィールとして私の才能が書かれていないか期待したけど……なかった)

霧切  (電子生徒手帳で分かるのは個人の名前だけ。【才能は表示されない】みたいね)

霧切  (つまり、才能はすべて自己申告…といってもみんな有名人だけど。
     私は地道に思い出すしかないのかしら。気が重いわ……)


モノクマ『ちなみに、その電子生徒手帳は超ハイテク!完全耐火性で、ゾウが踏んでも壊れないすぐれもの!!
     くわしい【校則】も載ってるから、その少ない記憶容量にしっかり叩きこんでおくよーに!!!』

霧切  (モノクマはそれだけ説明して、また姿を消した)

霧切  (そのあと、石丸くんが「食堂で話し合いをしよう!」と言い出して…今にいたる)



腐川  「ね、ねえ…あんた、【超高校級の格闘家】なんでしょ…その無駄についた筋肉で
     どうにかならないわけ?」

大神  「玄関ホールへ来る前に試したが…教室の鉄板は固かった。【我の力でもびくともせん】」

腐川  「ふん……肝心な時に役立たずな才能ね」

朝日奈 「腐川ちゃん、酷いよ!」

桑田  「ま、こーなったらしばらく監禁生活楽しもうぜ」

霧切  (軽口を叩く桑田くんだけど)

霧切  (そこまで呑気に考えられるほど、誰も……大人じゃない)


大和田 「なあ、だいたい話し合いも終わったしよ。ちょっと探索してこねえか?
     【俺たちの部屋】もあるみてえだしな……」

石丸  「むっ?それは別に構わないが…君がそんなことを言い出すとは思わなかったな」

大和田 「いや…なんつーか、オメーを見てたらよ。【こうしなきゃいけねえ】って
     声がすんだ。頭のどっかで」

霧切  「……?」

大和田 「……なんでもねえ」

石丸  「では、男女でペアを作らないか?モノクマが何をしてくるか分からない。だが、
     15人で固まって動くのも効率が悪い」

大和田 「そう言い出すと思って、あみだ作っといたぜ」パッ

石丸  「すごいな君は!エスパーか!!」

舞園  「」

霧切  (私は……彼とペアになったみたいね)


安価でペアになった人の名前(男子限定)↓1

桑田


>>23

二次でも見ない組み合わせだ



霧切  「……桑田くん、よろしく」

桑田  「分かった。行こうぜ」


苗木  「あ、僕は舞園さんとだ」

舞園  「よろしくお願いしますね、苗木くん」にこっ

舞園  「……」チラッ

霧切  (今、桑田くんを一瞬だけ睨みつけたような……)


桑田  「オレらの担当は【寄宿舎】だってよ。自分の部屋だけ見てこいってさ」ペラッ

霧切  (もしかして大和田くんは、記憶のあやふやな私に気を遣って
     一番楽なエリアを割り当ててくれたのかしら)チラッ


腐川  「こ、来ないでよ……あんたみたいに教養のない男の思考回路なんて、
     決まってるんだから……」ビクビク

大和田 「さすがのオレでも傷つくぞ!」


霧切  (……聞くのは野暮ね)フッ


【寄宿舎エリア】


霧切  「……角部屋。隣は苗木くん、向かいは石丸くん……治安のよさそうな並びだわ」

桑田  「じゃ、これオメーの部屋の鍵な。オレは自分の部屋見てくっから「待って」ガシッ

霧切  「中に爆弾が仕かけられていたり、落とし穴があったりするかもしれないわ。
     私たちが男女ペアになっている理由をもう忘れたの?」

桑田  「……まさか、オレに盾になれってか?」

霧切  「ええ、そうよ」キリギリッ

霧切  「お願い。そのかわりあなたの部屋に行くときは私が先に入るわ」ジーッ

桑田  「うっ……わ、分かったよ!」ガチャッ


【霧切の部屋】


桑田  「……何もねーか」ホッ

霧切  (予想に反して、そこはごく普通の部屋だった)

霧切  「……よかった、さすがにここにはついてないのね」ガチャッ

霧切  (着がえはシャワールームでするしかないらしい。
     常に監視されるなんて、欠伸もうかうかできないわね)

桑田  「なんつーか…息がつまる感じだな」

霧切  「換気ができないのは辛いわね。……私のトランクはどこに行ったのかしら」キョロキョロ

霧切  (ベッドの上に段ボールが一つだけあった。中には着がえや洗面用具が乱雑に入れられている。
     おかしい……私はきちんと畳んで入れたはずなのに)

霧切  「なぜ私の荷物はなかったか……教室へ運ぶあいだに荷物だけ処分したと考えるのが自然ね。
     つまり、私の荷物の中に何か不都合なものがあったか、それとも目的は……」

桑田  「おい名探偵、いーからさっさと荷物出せって」

霧切  「!!」ピーン

桑田  「……霧切、どした?」

霧切  「いえ。【名探偵】…って、いい響きだって……思って」

桑田  「あ、ベッドの下になんか落ちてっぞ」ゴソゴソ

霧切  「!出してみて、なにかの手がかりかもしれないわ」

霧切  (しかし。期待に反してベッド下から出てきたのは)


【世界の傑作ミステリ モルグ街の殺人】


霧切  「……桑田くん。ヒマで辛いならこれでも読んでいて」

桑田  「お、おう」ペラッ

霧切  「……」ガタッ、ドサッ

桑田  「……」ペラッ

霧切  「……」スッ、バサバサッ

桑田  「ハァ!?オランウータンってアリかよ!……くっそ、全然分かんなかった!」パタンッ

霧切  (間がもたないし、何か聞いてみようかしら)

霧切  (彼の人となりはだいたい分かったけど、やっぱりあの舞園さんの態度は引っかかるわ)


霧切  「舞園さんと……何か、喧嘩でもしたの」

桑田  「それがよー、フツーに自己紹介してちょっと喋っただけなんだけど、
     いきなりムクれてどっか行っちまってよ」

霧切  「……どんな話を、していたの」

桑田  「やっぱり将来は野球選手ですよね?って聞かれてさ。いやー、野球とかダッセーし、
     ミュージシャンとかカッケーだろって言ったの」

霧切  「もしかして、好きな女の子が音楽好きだから……とか?」

桑田  「当たり。行きつけの美容室のお姉さん」

霧切  「モテたいから音楽を始めたアーティストなんて、たくさんいると思うけど。
     ……舞園さんはきっと、その言葉が気に食わなかったのね」

桑田  「マジかよ…」

霧切  「あなたの心はあなたのもの。舞園さんの心は、舞園さんのもの。
     どちらがいい、悪いとか……こうするべきという答えは、ないんじゃないかしら」

桑田  「……なんか、霧切ってすげーな。……オレなんかより、ちゃんと考えてるし」

霧切  「そんなことないわ。ただ……常に何かを考えていないと、不安なだけ」


【桑田の部屋】


霧切  「……いい?開けるわよ」ガチャッ

桑田  「なんもねーか」ホッ

霧切  (間取りは同じはずなのに、インテリアはまるで違う。私の予想に反して、
     ダッシュボードには地区大会のトロフィーやサインボールが飾られていた)

霧切  「好きなのね、野球」

霧切  (モノクマが勝手に荷物を開けてインテリアを作ったのかしら。私の部屋と違って、
     着がえはちゃんと畳まれているし、備えつけの棚には色々なものが並べられている)


霧切  「あら、【レコード】なんて聴くの?意外ね」

桑田  「はっ?オレはホロヴィッツなんか聴かねえって。十神あたりのがまぎれこんだんじゃねーの?」

霧切  「……」

桑田  「あれ?針んとこに写真はさまってる。オレと……ダメだ、【半分切れてて】もう一人は分かんねえ」

霧切  「あなたの肩に回っている手の持ち主のこと?男性のようだけど」

モノクマ『その写真が気になる?』ヒョイッ

桑田  「うわあっ!!」

モノクマ『でもダーメ!そこから先は袋とじのお楽しみってね!』

モノクマ『ほら、【校則】にもあったでしょ?』


4 この学園について調べるのは自由です。制限はありません。


モノクマ『オマエラがもし、【真実を知りたい】っていうんなら、ボクは邪魔しないからさ。
     好きにするといいよ』

霧切  「あなたは、私たちを殺し合わせたいんじゃないの?」

モノクマ『いやだなあ…【ただ人が死ぬのなんて、当たり前のことじゃないか】。霧切さんは
     ひたすら石コロを映しただけの映画を見て笑えるの?』

モノクマ『うぷぷぷ…ま、せいぜいがんばってよ。ボクは応援してるからね!』ボヨヨーン


桑田  「言うだけ言って消えやがった……」

霧切  「そろそろ時間だし、食堂に戻りましょう。これ以上の発見はないわ」

桑田  「そ、そうだな」

霧切  「……どうしたの?」

桑田  「や、なんでもねえ。行こうぜ」

今日はここまで


霧切  (食堂での報告会は、たった一言)

霧切  (「脱出の手がかりは、なにもない」その一言で終わるものだった)


十神  「予想はしていたがな。仮に脱出口があるとして、それが教えられるのは
     殺人を成功させた一人……」

苗木  「十神くん!」

十神  「……なんてことも、ありうるだろうな。モノクマの正体など興味もないが、
     あれを動かす人間がいるとしたら、そいつは明らかな異常者だ」

石丸  「しかしだな、ここがもし本当に希望ヶ峰学園だとするなら、
     必ず警察か自衛隊の助けが来るはずだ!!」

朝日奈 「そ、そうだよね!!日本のケーサツってすごいもんね!!」

舞園  「だと、いいんですが…」

石丸  「……」

石丸  「よし、決めたぞ」

大和田 「何をだよ」

石丸  「みんな、明日から食事を一緒にしようではないか!!太陽の光を浴びられない状況では、
     体内時計も狂ってしまう!せめて食事時間を合わせることで、みんなの団結もはかれる!!」

不二咲 「それ、楽しそうだね。15時のおやつもみんなで食べるのはどうかなぁ?」

石丸  「不二咲くんの意見に賛成だ!手始めに明日の朝8時、食堂に集合したまえ!」

桑田  「んな早く起きれねーよ」

山田  「僕も…夜の方が筆が進むので、朝はちょっと……」

霧切  (私もどちらかといえば夜型だけど、体内時計には自信がある。
     ……忘れてしまった才能に関係があるのかもしれない)

セレス 「では、わたくしからもう一つよろしいですか?」

十神  「なんだ」

セレス 「校則にある【夜時間】……この間は、出歩きを禁止するというのはいかがでしょう?」

苗木  「もしかして…夜に殺し合いが起こるのを防ぐってことかな?」

セレス 「あら。殺人鬼は昼夜など構いませんわよ。ただ……15人が15とおりの体内時計を持つのですから、
     【夜は眠る】とルールで定めておけば、生活リズムが食い違う危険性も下がると思いますが」

石丸  「う、うむ……反対する理由は特にないな」

葉隠  「トイレは部屋にあるし、夜寝るくらいは別にいいべ」

朝日奈 「決まりっ!んじゃ、【夜時間は出歩かない】これ、私たちのルールに追加ね!」

石丸  「朝食会も忘れずにな!!」


霧切  ("ギャンブラー"という才能から予測していたとおりの合理的な思考……)チラッ

霧切  (危険度、Aランク。彼女を超えるとすれば、理知的かつ傲慢な態度の十神くんか……
     いけない、また余計なことを考えている。こんなだから桑田くんに【名探偵】なんて
     あだ名をつけられてしまうんだわ)

苗木  「……霧切さん、大丈夫?」

霧切  「えっ?」ハッ

苗木  「さっきから、ずっと何か考えこんでるみたいだったから……もしかして、
     寄宿舎でモノクマに変なことでもされたんじゃないか…って、ずっと」

霧切  「心配してくれていたの?」

苗木  「うん…」

霧切  「安心して。……あなたが思っているような事は何もなかったわ」

苗木  「そっか。よかった…でも、僕でよかったら気楽に話してくれていいよ。
     僕、【幸運】らしいから、霧切さんにも分けてあげるよ」

霧切  「……ふふっ、ありがと」

苗木  「あ、やっと笑った。うん、霧切さんはやっぱり、笑った顔の方がいいよ」

霧切  「……あなた、ジゴロって言われたことない?」

苗木  「えっ?それどういう意味?」

舞園  「ぷふっ!……あっ、ごめんなさい」ククク…

石丸  「こら、そこ!!まだ学級会は終わっていないぞ!!」ビシィッ

霧切  (その後、明日の朝食は朝日奈さんと不二咲さんが「おにぎりなら作れる」というので
     まかせることに決まって…)

霧切  (今日はひとまず解散、ということになった)

【霧切の部屋】


霧切  「……たしかに、オランウータンが犯人というのは禁じ手だわ」ペラッ


キーンコーンカーンコーン…

モノクマ『夜時間になりました。まもなく食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となります。
     ではでは、おやすみなさい…』

霧切  「……」

霧切  「やっぱり、おかしいわ……」

霧切  「丸一日あれば特殊部隊も到着するはず。私たちがいわば人質だとしても、あまりにも
     警察の動きは遅すぎる……」

霧切  (でも、警察やその上の政府が私たちを閉じこめて、何の目的があるというの?
     それに、これが誘拐事件なら、犯人は外に向けて声明を出すはず。なぜ私たちに
     【コロシアイ】なんて要求を……)ズキッ

霧切  (ずっと考え事をしていたせいで、偏頭痛が起こった。
     こめかみをおさえて、ベッドに潜りこむ)

霧切  「せめて今夜は何も考えず、ぐっすり眠りたい……」

霧切  (それぞれの思いを胸に、不安な一夜が過ぎて行った)




【モノクマげきじょう】



モノクマ「素晴らしい設備、最高のカリキュラム、やさしいモノクマ先生……」

モノクマ「この希望ヶ峰学園に入学できたことを、
     私たちはとても誇らしく、嬉しく思います!!」

モノクマ「本日は私たちのために入学式を執り行っていただき、本当にありがとうございました!!」

モノクマ「明日からの学園生活を充実させていくことを、誓います!!」


キーン.コーン.カーン.コーン…

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝ですよー!
     今日も一日、はりきっていきましょう!!』


霧切  (心地よいまどろみは、モノクマのアナウンスによって吹き飛ばされた)

霧切  (時刻は午前7時。寄宿舎にしてはずいぶんと遅いお目覚めね)

霧切  (シャワールームで制服を身に着けて、手早く身支度をする)

霧切  「たしか、8時からは朝食会だったわね。食堂に行ってみましょう」


【食堂】


苗木  「あ、おはよう霧切さん」

舞園  「おはようございます」

霧切  「おはよう。早いのね」

石丸  「おはよう霧切くん!爽やかな朝だな!!」

霧切  (苗木くん、舞園さん、石丸くんがいた。この3人は学生らしく早起きのようね)

大和田 「よお、昨日は眠れたか?」

霧切  「ええ。ぐっすりと」

霧切  (意外……。偏見ではなく朝には弱そうなのに、遅刻していないなんて)

不二咲 「みんな、おはよう…ちゃんと眠れた?」

葉隠  「ふああ、まだ頭が寝てるべ……」

霧切  (……まだ朝食ができあがるまで時間がかかりそうだわ。誰かと話そうかしら?)


誰と話そう?

↓1

不二咲

>>37


霧切  「不二咲さん、顔色があまりよくないわよ。…昨日は眠れたの?」

石丸  「なにっ、風邪かね!?」

不二咲 「う、ううん。具合が悪いわけじゃないんだけど……その、なんだか
     目が冴えちゃって」

不二咲 「コロシアイ…って、なんだろう、とか…これからどうなっちゃうんだろう……とか。
     そんなこと考えてたら、頭がぐるぐるしちゃって」

不二咲 「ちょっと気持ちを落ち着けようと思って、パソコンをいじっていたんだ」

霧切  「インターネットを見ていたの?」

不二咲 「ん…この学園はWi-fiもないし、インターネットはできないんだ……だけど、
     インストールしてあるソフトは使えたから」

霧切  「そう……それがあなたに必要だったなら、それでいいけど……」

霧切  「でも、それで体を壊しては元も子もないわ」

不二咲 「霧切さん……心配してくれてるの?」

霧切  「えっ、…当たり前じゃない。クラスメイトなんだもの」

不二咲 「クラスメイト……かあ……」

不二咲 「えへへ、ありがとう。なんだか、霧切さんと話せてよかった」

霧切  「?」

不二咲 「才能も思い出せなくて、一番大変なはずなのに…すごく落ち着いてて、強くて……
     すごいね、霧切さんは」

霧切  (桑田くんといい、不二咲さんといい…私はずいぶんと過大評価されているみたいね)

霧切  「買いかぶりすぎよ。私はただ、不安をまぎらわせているだけだもの」

不二咲 「うん。なんだか霧切さんと話していたら元気が出たよ。ありがとう」

霧切  「……どういたしまして」



霧切  (不二咲さんと話しているうちに、他のみんなも食堂に入ってきた)

石丸  「むっ?十神くんとセレスくんはどうしたのかね?」

腐川  「し、知らないわよ…なんでこっち見て聞くの」

葉隠  「セレスっちはメイクが大変だろうから、しかたないべ」

山田  「十神白夜殿はあの通りのツンデレ属性持ちですからなあ」

石丸  「つん……山田くん、後学のために"つんでれ"とは何か聞いてもいいかね?」

霧切  (みんなが話し合っているうちに、料理が運ばれてきた)

霧切  (……といっても、梅とサケの入ったおにぎりとみそ汁だけ。塩気はちょうどいいけど、
     おかずがないのは少し辛いかもしれない)

霧切  (だけど、たった一人だけ大喜びしていたのが)

江ノ島 「うっわ、何この豪華な朝ごはん!!」キラキラ

朝日奈 「えっ?おにぎりとみそ汁だけだよ?」

江ノ島 「こんなの戦場じゃごちそうだよ!!……んーっ、レーションよりずっとおいしい!!」モグモグ

霧切  (……江ノ島さんはミリタリーが好きなの?そういえば筋肉もしっかりついているし、
     人は見かけで判断できないってことかしら)

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