【 ガヴドロ 】ゼルエル 「 ゼルエル戦記 」 (103)

※オリジナルキャラクターが登場し、年齢など全て空想上の話になります。

ガヴリール( 16 )「 わ、わかってるよ姉さん… 」ビクビク

ガヴリール 「 次からちゃんとするからさ…許してよ 」ビクビク

ゼルエル( 25 ) 「 ガヴリール…またお前はデタラメを… 」ワナワナ

ゼルエル 「 今日という今日は許さん!! 」グアッ

ガヴリール 「 うわあああ!!! 」

ーーーーーーー

ガヴリール 「 なんで姉さんは私にこんな厳しいのさ… 」シクシク

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ゼルエル 「 …それはお前のためを思ってだな… 」

ガヴリール 「 …姉さんは昔からそうだよね… 」

ガヴリール 「 私が道を間違えそうになった時はいつも怒ってくれる 」

ガヴリール 「 … ごめん 」グス

ゼルエル 「 お、おい…泣くなガヴリール… 」

ガヴリール 「 …姉さんはどうして…こんなダメな私を…? 」

ゼルエル 「 …なんでだろうな 」クス

ゼルエル 「 私はそろそろ天界に帰るとする… 」

ゼルエル 「 また明日見に来るからダラダラしてるんじゃないぞ 」スタスタ


ゼルエル 「 理由か… それは私がお前を… 」スタスタ

ーーー10年前 天界学校ーーー

ゼルエル( 15 )「 ………… 」スタスタ

オイ アレ ゼルエルジャナイカ?
オ、オイ カカワルナヨ コロサレルゾ

ゼルエル 「 ………はぁ 」スタスタ

私は自分が持っている力が強すぎる為、周りを傷つやすい 誰も私に近づこうとはしなかった…だけど

ライラ 「 あっ ゼルエル~! 一緒にご飯食べよー! 」タタタ

彼女…ライラは違った

ーーーーーーー

ライラ 「 ゼルエルはまず喋り方が堅いんだよ~? 」モグモグ

ゼルエル 「 お前は軽すぎる… 」モグモグ

ライラ 「 軽いほうがいいんだよ! コミュニケーション取りやすいし 」

後輩天使 「 あっライラ先輩!こんにちは~ 」ペコリ

ライラ 「 おーっす!昨日のテストどうだった? お姉さんにみせてみ? 」

後輩天使 「 はい! おかげさまで!いい点数でした! 」バッ

ライラ 「 お~92点…んー おしい!! 」

ライラ 「 この前教えたところ間違ってるじゃない!! 」

後輩天使 「 すみません…いざ本番になると忘れちゃって… 」シュン

ライラ 「 大丈夫!また教えてあげるからここ座って座って 」トントン

ライラ 「 ほらここはこうして…」カキカキ

後輩天使 「 あっ なるほど…わかりやすいです!! 」

ゼルエル 「 おいお前 」

後輩天使 「 はひっ!? 」ビクッ

ゼルエル 「 なんだその覚え方は…小学生か? 」

ゼルエル 「 ここはこうしたほうが早い 」カキカキ

後輩天使 「 ご、ごめんなさい!! 」タタタ

ライラ 「 ちょっとゼルエル~? 」

ゼルエル 「 …すまん 」

ライラ 「 あの子にはこっちのほうが覚えやすいんだよ~ 」

ライラ 「 それとゼルエル…顔怖すぎ… 」

ゼルエル 「 ……すまん 」

ライラ 「 ほら笑えー!! 」ムニムニ

ゼルエル 「 なっ おいやふぇろ! 」ムニムニ

ライラ 「 あはは!ゼルエル変な顔~ 」ケラケラ

ゼルエル 「 …お前ってやつは… 」ハァ

ライラ 「 あっ そろそろ昼休み終わるね 教室戻らないとっ 」スタスタ

ゼルエル 「 ああ… 」スタスタ

ゼルエル 「 ………… 」

私は天使学校主席 天真=ゼルエル=ホワイト そして彼女は…

次席の 関根=ライラ=オルウェン


この物語は私が神の腕と呼ばれるようになるまでの戦記である…

【 第1章 】善悪の集い

先生 「 ~で、あるからしてー 」

ゼルエル 「 …………… 」

ゼルエル( つまらんな…)

ライラ 「 ねーねーゼルエル? 今日私の家遊びにこない? 」ボソ

ゼルエル 「 授業に集中しろよ… 」ボソ

ライラ 「 そんなこと言ったってつまんないんだもん… 」

ライラ 「 ゼルエルも同じ事考えてたでしょ? 」クス

ゼルエル 「 そ、そんなことない…! 」

ライラ 「 嘘って顔に出てるよ~ 」ププ

先生 「 そこっ! 私語禁止だ!! 」

ライラ 「 あっ すいません! 」ペコリ

ゼルエル 「 ………はぁ 」

ーーーーーーー

ゼルエル 「 …ただいま 」ガチャ

ゼルエル「 ガヴリールは…まだ帰ってないか 」

ゼルエル 「 ふぅ…準備するかな… 」スタスタ

ライラの家は村はずれの崖の上にある ここからそう離れてはいない

ピンポーン

ライラ 「 あっゼルエル!もう来たんだ!」ガチャ

ゼルエル 「 …お邪魔します 」スタスタ

ライラ 「 私1人だから畏まらなくていいよー 」

ライラ 「 ってゼルエルはいつもそんな感じか 」クス

ライラ 「 何して遊ぼっか! けん玉?めんこ? 」ワクワク

ゼルエル 「 子供かお前は… 」

ライラ 「 むむ…じゃあゼルエルって好きな人とかいる? 」ワクワク

ゼルエル 「 なっ いきなり何を言ってるんだお前は! 」

ライラ 「 お? その反応は… 教えなさい!! 」ガシッ

ゼルエル 「 落ち着け! …いないに決まってるだろ 」

ゼルエル 「 私はお前意外とはそう喋らない 」

ライラ 「 なんだ~いないのかー 」

ゼルエル 「 …そういうお前はどうなんだ 」

ライラ 「 へ? 」キョトン

ゼルエル 「 いるのか? …好きな人 」

ライラ 「 う~ん わかんない 」

ゼルエル 「 …なんだそれ 」ハァ

ライラ 「 …まあしいて言うならー ゼルエルは友達として好きだよ? 」

ゼルエル 「 ………… 」

ゼルエル 「 話変えないか? 」

ライラ 「 …だね じゃあさ!苦手なものとかある? 」ワクワク

ゼルエル 「 い、いや!ないぞ決してない… 」

ライラ 「 おー!ゼルエルにも苦手なのあるんだ~ 」ニヤニヤ

ライラ 「 教えて! 誰にも言わないから!お願い!! 」ガシッ

ゼルエル 「 絶対言わん!! おい離せ… 」ブンブン

ライラ 「 お~ねーが~い~ 誰にも言わないからさ~ 」ユサユサ

ゼルエル 「 くっ… 笑わないか?」

ライラ 「 笑わない!! 」

ゼルエル 「 ………犬 」

ライラ 「 …………… 」

ゼルエル 「 …………… 」

ライラ 「 ぷっ! あははは! 」ケラケラ

ゼルエル 「 お、おい! 」ワナワナ

ライラ 「 だって あはは! ゼルエルが…ぷぷっ 犬が苦手だったなんてっ 」ケラケラ

ゼルエル 「 笑いすぎだ!! 」ワナワナ

ライラ 「 はぁ…はぁ… ごめんごめん 」

ゼルエル 「 言った私が馬鹿だった… 」

ライラ 「 ふぅ… ゼルエルは可愛いなぁ~ 」ニコニコ

ゼルエル 「 その笑みやめろ… 」

ゼルエル 「 …次はライラの番だ 」

ライラ 「 私? う~ん 普通に虫かな 」

ゼルエル 「 虫? あんなちっぽけなのが苦手なのか? 」

ライラ 「 いやいや 女の子は皆苦手だと思うよ? 」

ゼルエル 「 …私は別になんとも思わんが… それより犬のほうが 」

ライラ 「 犬は可愛いじゃない! 」

ゼルエル 「 …子犬ならな 大人の犬はダメだ… 」

ライラ 「 あっ 子犬ならいけるんだ 」

ライラ 「 今度下界のペットショップいかない? 」ニヤニヤ

ゼルエル 「 断る!! その代わりインセクトショップに… 」

ライラ 「 絶対いや!! 」

ゼルエル 「 ふっ…冗談だ 」クス

ゼルエル 「 …ん もうこんな時間か… 今日は帰るとする 」

ライラ 「 あっ うん!また明日ね~ 」

ーーーーーーー

ガヴリール( 6 )「 あっお姉ちゃんおかえり! 」タタタ

ゼルエル 「 ガヴリール 帰ってたか 」

ガヴリール 「 うん!ついさっき帰ってきたんだよー! 」

ゼルエル 「 そうか… お父さんとお母さんは帰りが遅いらしい 」

ゼルエル 「 私が夕飯作ってやるからな 」ナデナデ

ガヴリール 「 私も手伝う! 」

ゼルエル 「 ああ…助かる 」

ーーー次の日 天界学校 ーーー

ライラ 「 ゼルエルやっときたー! 」

ゼルエル 「 お前は朝から元気だな… 」

ライラ 「 まあ元気が売りだからね♪ 」

ゼルエル 「 売りなのか… 」

ライラ 「 あっ そういえばさっき先生から言われたんだけど 」

ライラ 「 今日の放課後に校長室に来て欲しいって なんだろう? 」

ゼルエル 「 私達2人か? まあ…主席と次席だしな 」

ゼルエル 「 大方成績の事といったところだろう 」

ライラ 「 …ん? でもそれって大体事前に教えてくれるよね 」

ゼルエル 「 そうだったか? じゃあ別の話かもな… 」

ライラ 「 もしかすると2人とも退学だったり…? 」

ゼルエル 「 ………… 」

ライラ 「 冗談だって! そんな怖い顔しないでー 」ケラケラ

ゼルエル 「 …ほら授業が始まるぞ 」スタスタ

ライラ 「 あっ まってよ~ 」タタタ

ゼルエル 「 …………… 」



ーーー 校長室 ーーー

ライラ 「 ライラとゼルエル ただ今まいりました! 」コンコン

校長先生 「 …はいりたまえ 」

ライラゼルエル 「 失礼します 」ガチャ

校長先生 「 うむ…腰掛けて構わん 」

ゼルエル 「 校長先生…話というのは? 」

校長先生 「 ああ…今から話す 」

校長先生 「 …君達は『邪竜』の伝説を知っているか? 」

ライラ 「 …確か大昔に神様と大勢の天使 悪魔で戦い…」

ライラ 「 封印したという…竜のことですよね? 」

校長先生 「 …その通りだ 」

ゼルエル 「 …なぜ今そんな昔話を? 」

校長先生 「 …………… 」

校長先生 「 先日行った天界と魔界の総会議で… 」

校長先生 「 邪竜が封印から目覚めたとの報告があった 」

ゼルエルライラ 「 !!! 」

ライラ 「 目覚めたって…なぜ!? 」

校長先生 「 …封印に加勢していた大悪魔の1人が裏切ったらしい 」

校長先生 「 なぜ裏切ったのかはわからないが… 」

校長先生 「 六芒星の1角が解け 封印が解かれてしまったのだ 」

ゼルエル 「 …それで私達に何をしろと? 」

校長先生 「 単刀直入に問う その大悪魔と邪竜を駆除してくれまいか? 」

ゼルエル 「 …………… 」

ゼルエル 「 話の意図はわかりました 」

ライラ 「 そんな…ちょっと待ってください!! 」

ライラ 「 なぜ私達なんですか!! 」

ライラ 「 もっと優秀な大天使や大悪魔がいっぱいいるじゃないですか! 」

校長先生 「 …それがいないのだよ 」

校長先生 「 天界には大天使が3人 魔界には大悪魔が3人いるが… 」

校長先生 「 全員邪竜を封印するために力を使い果たしてしまった 」

校長先生 「 とても邪竜と戦える状態ではない 」

ライラ 「 そんな…… 」

校長先生 「 だが君達2人と…魔界にいる悪魔2人の4人でなら… 」

校長先生 「 邪竜を倒せるのではないか? と総会議で意見が出たのだ 」

ゼルエル 「 悪魔2人? 」

校長先生 「 ああ…魔界学校の主席と次席だ 優秀な悪魔らしい 」

校長先生 「 裏切った大悪魔は勿論 邪竜もまだ弱ったままのはずだ 」

校長先生 「 情けない話だが君達に頼るしかない 頼まれてはくれぬか? 」

ライラ 「 …もし邪竜を放っておくと どうなりますか…? 」

校長先生 「 …力を戻した邪竜は天界や魔界…下界までも滅ぼしてしまうだろう 」

ゼルエル 「 …決まりだな ライラ 」

ライラ 「 …そうだね ゼルエル 」

ゼルエルライラ 「 私達に任せてください!! 」バンッ

校長先生 「 心から感謝する…! 」

ーーーー 魔界 ーーーー

ゼルエル 「 魔界か…初めて入るな 」

ライラ 「 2人の悪魔 どんな人だろうねー? 」

ゼルエル 「 ………… 」

ライラ 「 それにしても魔界って不気味だよね~ 」

ライラ 「 あっ あそこが集合場所の広場じゃない? 」タタタ

ゼルエル 「 おい待てライラ! 」タタタ

ーーーーーーー

悪魔a 「 ん? きたみたいだな 」

悪魔b 「 思ってたより普通みたいだねお姉ちゃん 」

ライラ 「 関根=ライラ=オルウェン です よろしくね! 」

ゼルエル 「 …天真=ゼルエル=ホワイトだ 」

バアル 「 朝比奈=バアル=イシュタルテ 一応主席だ よろしくな 」

バラム 「 妹の朝比奈=バラム=イシュタルテです よろしくお願いします 」 ペコリ

ライラ 「 これからこの4人が仲間になるんだよね? 」

ゼルエル 「 仲間…か 」バチバチ

バチバチ バチバチ ヴゥーン

バアルバラム 「 !? 」

私は悪魔2人の周りに結界を張った その辺の悪魔なら絶対に出られない 分厚い結界を …

バアル 「 おい!どういうつもりだ!! 」バンバン

ゼルエル 「 お前達…そこから出られるか? 」バチバチ

ライラ 「 ちょっ ゼルエル! やめなさいって! 」アセアセ

バアル 「 ちっ 試してるつもりか? こんなもの…! 」ガンガン

ゼルエル 「 …無理か やはり悪魔の力などいらん 」

ゼルエル 「 私達だけで充分だ 行くぞライラ 」スタスタ

ライラ 「 ゼルエル!? 待ちなさいって! 」

バアル 「 っざけんなよ…! 」グァッ

悪魔バアル 「 ぅらあっ!! 」バリーン

ゼルエル 「 ほぅ… 結界を破ったか… 」

悪魔バアル 「 はぁ…はぁ… 」シュー

バアル 「 …どういうつもりだ天真=ゼルエル=ホワイト 」

ゼルエル 「 …試すような事をしてすまんな… 」

バアル 「 ちっくしょ… 」パタリ

バラム 「 お姉ちゃん!! 」

ゼルエル 「 …後日また来る 」スタスタ

ライラ 「 あっ ご、ごめんね? 」タタタ

ーーーーーーー

ライラ 「 ちょっとゼルエル!ダメじゃない!!」

ライラ 「 いきなりあんな事するなんて… 」

ゼルエル 「 …ライラ お前は あいつらをどう思う? 」

ライラ 「 どう思うって これから一緒に戦う仲間なんだから… 」

ゼルエル 「 …仲間か 私は今のあいつらなら邪魔でしかない 」

ゼルエル 「 と、思っている 」

ライラ 「 ゼルエル…… 」

ーーーーーーー

バラム 「 お姉ちゃん…大丈夫? 」

バアル 「 …さっきので力をほぼ使い果たした 」

バアル 「 まさか…ここまで差があるとは思わなかったよ… 」

バラム 「 お姉ちゃん… 」

バアル 「 しかもあの結界… 全然本気出してないなあいつ… 」

バアル 「 天界の化け物か… 魔界でも噂になるのがわかった 」

バラム 「 でもそんな人が仲間になってくれるんだから… 」

バアル 「 ………… 」

ーーー 天界 校長室 ーーー

校長先生 「 ゼルエル君… 」

ゼルエル 「 …すみません 」

校長先生 「 いや、構わんよ 互いの実力を知る事は大切だ 」

ゼルエル 「 いえ…やり過ぎました 」

ライラ 「 そうだよ!あれじゃもう関わってくれないかも… 」

校長先生 「 あの2人はああ見えても心の強さは確からしい 」

校長先生 「 安心したまえ 」

ライラ 「 だといいんですけど… 」

ーー 魔界 理事長室 ーー

理事長 「 ふむ…天使はどうだったかね? 」

バアル 「 はい 恐ろしく強かったです 」

バラム 「 ………… 」

理事長 「 やはり君達2人でもそう思うか… 」

理事長 「 あの天使…特にゼルエルは恐らく魔界 天界の歴史上で 」

理事長 「 最高クラスの逸材だ 」

バアル 「 ………… 」

理事長 「 次席のライラ=オルウェンも君達より実力は上だろう… 」

バアル 「 …理事長 1つ提案があるのですが… 」

理事長 「 ん?なんだね? 」

バアル 「 それはーーー 」

理事長 「 …本気かね? 」

バアル 「 …はい 本気です 」

バラム 「 …私もお姉ちゃんの提案に賛成です 」

理事長 「 うむ…ではよろしく頼…む! 」

ーーーーーーー

ゼルエル 「 …ただいま 」ガチャ

ガヴリール 「 お姉ちゃんおかえりっ! 」タタタ

ゼルエル 「 ガヴリール 夕食は食べたか? 」ナデナデ

ガヴリール 「 うん!お母さんが作ってくれたよー! 」

ガヴリール 「 お姉ちゃんのぶん温めてくるねー! 」タタタ

ゼルエル 「 ああ 助かる 」

【 第2章 】天使と悪魔

ゼルエル 「 そろそろ行くか… 」

ライラ 「 次はあんな事しちゃ駄目だからね? 」

ゼルエル 「 ああ…わかってる 」

ーーー 魔界 ーーー

バアル 「 ………… 」

ゼルエル 「 …昨日はすまなかったな 」

ライラ 「 悪気があったわけじゃないから…ね? 」

バアル 「 いいんだ 自分の未熟さがよく理解できた 」

バアル 「 …お願いがあるんだが… 」

ゼルエル 「 …お願い? 」

バアル 「 私と…妹のバラムを弟子にしてほしい! 」ドゲザ

バラム 「 お願いします!! 」ドゲザ

ゼルエル 「 …………… 」

ライラ 「 ちょっ 悪魔が天使に弟子入りなんて… 」

バアル 「 …おかしいのはわかっている 」

バアル 「 だけど私達は強くならなくっちゃいけない… 」

バアル 「 魔界や天界…下界を救うため… 」

バアル 「 裏切った大悪魔にケジメをつけるめ…! 」

バアル 「 だから頼む…! 」

ゼルエル 「 …弟子はとらない 」

ゼルエル 「 ただ… 友達として鍛えてやることは出来る 」

バアル 「 …!! ありがとう 」ペコリ

バラム 「 本当にありがとうございます 」ペコリ

ゼルエル 「 や、やめてくれ…普通に接してくれていいから 」テレ

ライラ 「 仲良くなれそうでよかったぁ… 」ホッ

バアル 「 ゼルエルさんとライラさん よろしくお願いします! 」

ゼルエルライラ 「「 さん付けとかいいから!」」テレ

こうしてライラの他に私と関わってくれる者が2人も増えたのだ

ーーーーーーー

ゼルエル 「 でも修行というか…そんな時間があるのか? 」

ゼルエル 「 明日…いや今から邪竜が襲ってきたらどうする? 」

バラム 「 それに関しては大丈夫だと思います… 」

バラム 「 邪竜が元の力を取り戻すまでかなりの時間がいるはずなので…」

ライラ 「 そっか… でも弱ってる今がチャンスなんじゃないかな 」

バアル 「 それが 今邪竜はこの世界にいないらしいんだ 」

ゼルエル 「 なっ どういう事だ? 」

バラム 「 邪竜は今 天界と魔界の間に出来た時空の狭間にいます 」

バラム 「 恐らく力を取り戻した時に出てくるのではないかと… 」

ライラ 「 でもそんな話…天界じゃ聞いてないよ!? 」

バラム 「 時空の狭間は魔界の方が近いので 天界にはまだ情報が… 」

ゼルエル 「 ………… 」

ゼルエル 「 だがこれで今から襲ってくる心配はしないでいいわけだ 」

ゼルエル 「 いつ出てくるのかわかるか? 」

バラム 「 様子を見てわかり次第報告するとの事です 」

ゼルエル 「 そうか… 私達は今から天界にこの事を伝えてこよう 」

ゼルエル 「 明日またくる 行くぞライラ 」

ーーーーーーー

ライラ 「それじゃあ特訓しようか 」

ライラ 「 バアルは前ので大体分かったけどバラムちゃんはどんな感じ? 」

バラム 「 私はお姉ちゃんよりもダメダメで… 」

ゼルエル 「 そうだな…まずは 」バチバチ

バチバチバチバチバチバチヴゥーン

ゼルエル 「 これはお前達に初めてあった時に張った結界と同じだ 」

ゼルエル 「 これを今日中に楽々突破できるようになってもらう 」

バアル 「 …いきなりハードだな 」

ゼルエル 「 いや、簡単なことだ 」

ゼルエル 「 お前は力のコントロールをうまく出来てないだけ 」

ゼルエル 「 それさえ上手く出来れば簡単に壊せるさ 」

バアル 「 力のコントロールか…よし! 」グァッ

悪魔バアル 「 おもいっきり…! 」

ゼルエル 「 待て!!…それじゃこの前と同じじゃないか 」

悪魔バアル 「 あっ…そうか… 」

ゼルエル 「 まず…拳の先に集中して力を込める 」

悪魔バアル 「 …わかった! 」ググ

ゼルエル 「 拳意外は力を抜いてから… 次にイメージしてみろ 」

ゼルエル 「 結界を壊している自分の姿を 」

悪魔バアル「 ………! 」ゴクリ

ゼルエル 「 よし…そのまま軽く結界を殴る…! 」

悪魔バアル 「 ……! 」コン バリーン

バラム 「 え!? 簡単に壊れた…? 」

ライラ 「 おおー!すごいすごい! 」パチパチ

悪魔バアル 「 これを私が…? 」

ゼルエル 「 今のが力のコントロールだ やれば出来るじゃないか 」

悪魔バアル 「 こんな簡単に… 」ゴクリ

ゼルエル 「 次はバラム 行くぞ 」バチバチ

ーーーーーーー

悪魔バラム 「 …えい! 」 コン バリーン

悪魔バラム 「 やった!できたよ! 」

ゼルエル 「 …今日中どころかすぐ終わってしまったな… 」

ライラ 「 …ゼルエル あれって結構ムズかしい技術じゃなかった? 」ボソ

ゼルエル 「 ………ああ 」

バアル 「 やったなバラム! 」ワイワイ

バラム 「 うん!お姉ちゃん! 」キャキャ

ゼルエル 「 …あの2人がそれだけ才能があるってことだな 」

ライラ 「 ……よーし! バアル~ バラム~! 私と手合わせだ! 」

バアル 「 …!ライラと…… 」

バラム 「 手合わせ…! 」

ライラ 「 ほら 早く悪魔モードになってかかってきなさい! 」

バアル 「 えっ ライラは…? 」

ライラ 「 私はこのままでいいよ? まだね ♪ 」ワクワク

バラム 「 では遠慮なく…! 」グァッ

ーーーーーーー

悪魔バアル 「 はぁ…はぁ… 」ゼェゼェ

悪魔バラム 「 もう…動けません… 」パタリ

ライラ 「 2人とも結構やるね…! 」

悪魔バアル 「 いや…強すぎだろ… 」パタリ

ライラ 「 今癒してあげるからね 」パァー

バアル 「傷や疲れが無くなっていく…!」パァー

バラム 「 天使って凄いね… 」パァー

ゼルエル 「 …今日はここまでにしよう 明日また同じ場所に集合だ 」

ーーーーーーー

ライラ 「 ゼルエル…あの2人さ カッコイイね 」

ゼルエル 「 ああ…昨日のあの時の顔… 」


回想バアル 「 魔界や天界…下界を救うため…」

回想バアル 「 裏切った大悪魔にケジメをつけるため…! 」

回想バアル 「 だから頼む…! 」


ゼルエル 「 …本物だったな 」

ーーーーーーー

ガヴリール 「 お姉ちゃんおかえり! 」タタタ

ゼルエル 「 いつも出迎えありがとうな ガヴリール 」ナデナデ

ガヴリール 「 えへへ… 」テレテレ

ガヴリール 「 そうだ!これお姉ちゃんにプレゼント!! 」ファサ

ゼルエル 「 これは…! 花で作った髪飾りか…? 」

ガヴリール 「 うん! いつもお姉ちゃんにはお世話になってるから… 」テレテレ

ガヴリール 「 お姉ちゃん大好き!! 」ギュ

ゼルエル 「 ガヴリール… 」ウルウル

ゼルエル 「 お姉ちゃんもガヴリールが大好きだからな 」ナデナデ

ガヴリール 「 えへへ…嬉しいなぁ 」テレテレ

ゼルエル( ガヴリールの為にも必ず邪竜を…!)

ーーー 数日後 ーーー

悪魔バアル 「 うりゃっ! 」バシュ

天使ライラ 「 おっと危なっ 」ヒュン

悪魔バラム 「 隙ありっ! 」バンッ

天使ライラ 「 うわっ! …負けた… 」ガク

ゼルエル 「 ここ数日の特訓で2人掛りなら 」

ゼルエル 「 ライラにも勝てるようになったか… 」

ライラ 「 展開早すぎない!? 」

バアル 「 いや…2人掛りでなんて 」

ゼルエル 「 お前達はそれでいいんだ 」

ゼルエル 「 1人でなら歯が立たなくても2人でなら勝てる 」

ゼルエル 「 それがお前達の強みであろう? 」

ライラ 「 うんうん バアルとバラムのコンビネーションは凄いよ! 」

バラム 「 お姉ちゃんとの…コンビネーション…! 」

ライラ 「 そういえばゼルエルってここ数日何してたの? 」

ライラ 「 たまに助言くれる程度だったけど… 」

ゼルエル 「 千里眼で時空の狭間をみてたんだが… 」

ゼルエル 「 もしもの事があるかもしれないからな 」

ライラ 「 そうだったんだ! それで何かわかった? 」ズイズイ

ゼルエル 「 日に日に大きくなっている 恐らく… 」

ライラ 「 もうすぐ…かぁ…」

ライラ 「 今日は皆ここでキャンプでもしない? 」

ゼルエル 「 急に話変わりすぎだろ… 」

バアルバラム 「「 いいな( ですね )!」」

ーーーーーーー

焚き火 「 ………… 」パチパチパチ

ライラ 「 ほら皆お肉焼けたよ! 」

バラム 「 いただきます! 」バッ

バアル 「 おいバラム…ほんと食べるの大好きだな 」

バラム 「 おねえひゃんも早く食べひょ? 」モグモグ

ゼルエル 「 肉なんて久しぶりだ… 」

ライラ( ゼルエルの家…貧乏だもんね… )

ゼルエル 「 あっ 少し持って帰っていいか? 」

ゼルエル 「 妹にも食べさせたくてな… 」

バアル 「 ゼルエル妹いたんだ? 」

ゼルエル 「 ああ… 冷める前に行ってくる 」ヒュン

バアル 「 あっ もう消えた…天使の神足通って便利だなぁ… 」

ライラ 「 でも1度行ったことのある場所にしか移動できないんだ~ 」

ライラ 「 …ゼルエルなら千里眼で見たところでも楽々移動できるかも 」

バアル 「 マジでその能力欲しい 」

ゼルエル 「 ただいま すっごい喜んでたよ 」ヒュン

バアル 「 はっや! ほらゼルエルのぶん焼けたよ 」スッ

バラム 「 …ぜるふぇるのひもうとの話きひぃたい 」モグモグ

ライラ 「 飲み込んでから喋ろうね… 」

バラム 「…ごめんなさい 」ゴクン

バラム 「 ゼルエルの妹さんの話聞きたいな 同じ妹として気になる 」

ゼルエル 「 ん、ああ いいぞ 」モグ ゴクン

ーーーーーーー

ゼルエル 「 それでガヴリールのやつなんて言ったと思う? 」

ゼルエル 「 お姉ちゃん~ おやつの炒った豆だよ~! 」

ライラ 「 あははは!ふふっ 」ケラケラ

バアル 「 ……ぷっ 」プルプル

バラム 「 か、かわいぃ… 」キラキラ

ゼルエル 「 今度家に遊びにこないか? きっとガヴリールも喜ぶ 」

バラム 「 いくいくいきます! 」

バアル 「 でも私達悪魔は天界に入るのに許可書がいるんじゃないか? 」

ライラ 「 それは大丈夫だよ! 私とゼルエルが魔界にいるように 」

ライラ 「 バアルとバラムにも許可が降りてるはず! 」

バアル 「 あっ そうか…! 」

バアル 「 じゃあこの戦いが終わったら! 」

バラム 「 皆でゼルエルのお家へ! 」

ライラ 「 いこーう!! 」

ゼルエル 「 ライラは何回か来た事あるよな?」

ライラ 「 まあ~ でも結構前じゃない? 」

ライラ 「 最近は私の家で遊ぶことが多いよね~ 」

バラム 「 2人は仲良しですね 」キラキラ

ライラ 「 まあね!親友だし! 」

ゼルエル 「 ………! 」

バラム 「 ライラのお家にも行ってみたいです! 」キラキラ

バアル 「 確かに行ってみたいな! 」

ライラ 「 え?私? うんいいけど… 」

ライラ 「 そんな事言ったら2人の家だって行ってみたいんだから! 」

ライラ 「 ねー ゼルエル? 」

ゼルエル 「 ん、そうだな 」

バアル 「 わ、私達の家なんて何もないぞ? 」

ライラ 「 いーや!絶対行く! 」

ワイワイガヤガヤ ワイワイガヤガヤ

ゼルエル 「 …ふふっ 」ニコ

ライラ 「…ゼルエルのそんな笑顔初めてみたかも…!」

ゼルエル 「 そ、そうか…? 」テレ

ライラ 「 ………… 」ニコニコ

ゼルエル 「 その顔やめろ? 」

ーーー 次の日 ーーー

天使ライラ 「 今日は手加減しない! 」

悪魔バラム 「 望むところです!! 」

バアル 「 …ちょっと待って! 」

バアル 「 魔界から時空の狭間について情報が入った 」

バアル 「 …邪竜が力を完全に戻すまであと…3日程 だってよ 」

ゼルエル 「 3日…か… よし今日は休め 」

ゼルエル 「 明日また特訓して…次の日休む そして明明後日が決戦だ 」

ライラ 「 …ここまで頑張ってきたんだから 絶対勝てるよね 」

ゼルエル 「 …ああ 絶対だ…! 」

バアル 「 ……よし! 」

バラム 「 …お姉ちゃん! 」

ライラ 「 2人とも気合い入ってるね! 」

バアル 「 邪竜はもちろんだが…やっと大悪魔をぶっ飛ばせる…! 」

バラム 「 …魔界の面汚しだよ 許せない! 」

ライラ 「 そっか…2人にとっては最も恨むべき相手なんだよね 」

ゼルエル 「 …恐らくこの数日だけなら大悪魔はまだまだ不完全だろう 」

ゼルエル 「 思う存分やってやれ! 」

バアルバラム 「「 了解!!」」

ライラ 「 ふふっ…2人共本当に強くなったよ 」

ーーー 決戦前夜 ーーー

ゼルエル 「 ん…ライラ まだ起きていたのか 」

ライラ 「 あっ ゼルエル なんか寝られなくてね… 」

ライラ 「 明日ついに…邪竜と戦うんだ…! 」

ゼルエル 「 ああ… 時間が過ぎるのは早いな 」

ライラ 「 ………… 」

ゼルエル 「 …どうかしたか? 」

ライラ 「 …少し 怖いなって 」

ゼルエル 「 …横座っていいか? 」

ライラ 「 …どうぞ 」スッ

ゼルエル 「 ……怖い か…詳しく聞かせてくれ 」

ライラ 「 …嫌な予感がするんだ 今はゼルエルや皆と… 」

ライラ 「 楽しく話せてるけど…それが全部壊れちゃうような気がして 」

ゼルエル 「 …明日私達が負けるってことか? 」

ライラ 「 …そうは思ってないよ? 」

ライラ 「 思ってはないんだけど… 」

ゼルエル 「 なぁライラ 私な…お前と会ってなければ 」

ゼルエル 「 多分ここにはいなかった 」

ライラ 「 ………… 」

ゼルエル 「 覚えてるか? お前が初めて私に話しかけてくれた時… 」

ライラ 「 …うん すっごい無視されて傷付いたなぁ 」

ゼルエル 「 …あの時は同年代に話かけられるとか初めての経験で 」

ゼルエル 「 なんて答えればいいかわからなかったんだよ… 」

ゼルエル 「 …でもライラは毎日話かけてくれたな 」

ゼルエル 「 それでいつからか2人でよく遊ぶような仲になった 」

ライラ 「 …なんか照れるね 」

ゼルエル 「 あの時な 私はわからなかったんだよ 」

ゼルエル 「 なんで自分が生きてるのか 」

ゼルエル 「 お前が救ってくれたんだ ライラ 」

ライラ 「 そんな…大袈裟だよゼルエル 」テレ

ゼルエル 「 今もバアルやバラムといった悪魔とも友達になれた 」

ゼルエル 「 全部お前のおかげだよ 」ニコ

ゼルエル 「 この前のキャンプとか…もう毎日が楽しい 」

ゼルエル 「 こんな楽しい毎日が壊れて無くなるなんてありえないんだ 」

ライラ 「 ゼルエル…! 」ギュ

ゼルエル 「 お、おい急にくっつくなよ! 」

ライラ 「 ごめん…! 弱気になってた 」ギュー

ライラ 「 私らしくないよね? 」

ゼルエル 「 ああ…お前はもっとこう…うるさいほうがいい 」

ライラ 「 ぷっ なにそれ~ 」

ーーーーーーー

ライラ 「 そうだよね!絶対に守らなきゃ…この毎日を…! 」

ゼルエル 「 すっかりいつものライラに戻ったな 」

ライラ 「 ん~? 私はいつもこんな感じだよ~ 」

ゼルエル 「 ふっ …明日は早い そろそろ寝よう 」スタスタ

ライラ 「 まって ゼルエル! 」

ゼルエル 「 なんだ? 」

ライラ 「 …ありがとう 」ニコ

【 第3章 】決戦

ゼルエル 「 …皆準備は出来たか?」

バアル 「 バッチリだ! 」

バラム 「 あの狭間に飛び込むんですか?」

ゼルエル 「 ああ 私が神足通で皆を連れていく 」

ライラ 「 あっ 私も手伝うよ神足通! 」

ゼルエル 「 助かる…! 」

ゼルエル 「 それじゃあ…行くぞ 」ヒュン

ーーー 時空の狭間 ーーー

ゼルエル 「 よし…無事中に入れたみたいだ 」

ライラ 「 なんて不気味なとこなの… 」

バアル 「 …邪竜の姿はないな 」

バラム 「 …皆さんあれ! 」ビシッ

大悪魔 「 …ククク やはり刺客が来ると思っていたぜ 」

バアル 「 …大悪魔!! 」バッ

大悪魔 「 おいおい そう構えるなよ… ククク 」

ライラ 「 あれが大悪魔… え? ちょっと待って ゼルエル! 」

ゼルエル 「 …まさかそんな 」

大天使a 「 ふはは そこの2人は気づいたみたいだねぇ 」

大天使a 「 姿を消してても同じ天使には意味なかったなぁ! 」

大天使b 「 ………… 」

バアル 「 なぜ大天使が2人も… 」

大天使a 「 驚いたか? ふはっ 」

ゼルエル 「 …そんな所で何をしているんです 大天使ミカエル様 」

大天使ミカエル 「 ん~? お前は確か…ゼルエル=ホワイトだな? 」

大天使ミカエル 「 そして横にいるのはー ライラ=オルウェンか… 」

大天使ミカエル 「 ふははっ お前達…こっち側にこないか? 」

ゼルエル 「 …………… 」

大天使ミカエル 「 このつまらない世界を邪竜様と共に滅ぼすんだぁ! 」

ライラ 「 そんな馬鹿なことっ 」

大天使ミカエル 「 つまんねぇんだよ!! 天界も魔界も!! 」


大天使ミカエル 「 こんな世界1度ぶっ壊したほうがいいと思わねぇか? 」

ゼルエル 「 …ミカエル様 」

ゼルエル 「 その羽…随分と黒くなりましたね 」

大天使ミカエル 「 あぁん? そりゃ堕天するだろうよ 」

ゼルエル 「 …大天使も落ちたものだ 」

堕天使ミカエル 「 てめぇ今なんつった? 」

大悪魔 「 ククク…言われてんじゃねーかミカエルよぉ 」

堕天使ミカエル 「 お前は黙ってろ 」

バアル 「 大悪魔!! 」

大悪魔 「 ん? 俺に話たい事があるみてぇだな ククク… 」

バアル 「 …お前も 裏切った理由はそこの天使と同じなのか 」

大悪魔 「 ククク… ああそうだ 邪竜様と共にならこの世界を変えられる 」

大悪魔 「 ミカエルと同じ問をしてみるか? おいお前達 」

バラム 「 断る!! 誰がお前らなんかとっ 」

大悪魔 「 っと 随分嫌われてんなぁ ククク… 」

ゼルエル 「 …そろそろ始末しよう 」

ゼルエル 「 いつ邪竜が来るかわからん 」

ゼルエル 「 クズ共に時間を掛けている時ではない 」

堕天使ミカエル 「 んだとてめぇ!! 」

ゼルエル 「 私はあのうるさい堕天使をやる… 」

ゼルエル 「 バアル バラム! 」

バアル 「 ああ 大悪魔は私達に任せろ! 」

ゼルエル 「 よし…ライラ 」

ライラ 「 残った天使だね…任せて! 」

ゼルエル 「 気を付けろ…あんな天使 私は見た事がない 」

ライラ 「 …わかってる! 」

大天使b 「…………… 」

大悪魔 「 戦う気みてぇだな… このまま乱戦でもいいが… 」

大悪魔 「 専用のステージを用意してある そっちでやろうぜ ククク… 」シュー

ゼルエル 「 この魔法陣は… 」

大悪魔 「 戦の始まりだぁ!! 」

シューーー バシュン!!!

ーー 時空の狭間エリアA ーー

ゼルエル 「 くっ…何処かに飛ばされたのか…? 」

堕天使ミカエル 「 ゼルエルぅ てめぇが私を選んだんだろ? 」

堕天使ミカエル 「 一騎打ちだ 手加減してやるから掛かってこいよぉ 」

ゼルエル 「 …ふん 堕ちた天使に負けるつもりはない 」

ーー 時空の狭間エリアB ーー

ライラ 「 貴女はいったい… 」

大天使b 「 ………… 」

ライラ 「 堕天もしてないし 何者かは知らないけど… 」グァッ

天使ライラ 「 邪竜の仲間なら容赦しない! 」

天使ライラ 「 天界や魔界…下界を守るため!お前を倒す!! 」

大天使b 「 ………… 」ニヤ

ーー 時空の狭間エリアC ーー

大悪魔 「 お前達は俺とやりたいんだよなぁ? ククク… 」

バアル 「 大悪魔…! 覚悟っ 」グァッ

バラム 「 裏切り者には容赦しない! 」グァッ

大悪魔 「 ほぅ そっちの…バアルといったか? 」

大悪魔 「 お前は武器を持たず拳で戦う珍しいタイプみてぇだな …」

大悪魔 「 …俺もだっ 」バッ

悪魔バアル 「 なっ!?」ガード

悪魔バアル( あの間合いを一気に詰めて気やがったっ だけど…!)

ーーーーーーー

大悪魔 「 やるじゃねぇか! 」ドカ

悪魔バアル 「 まだまだぁっ! 」バキ

凄まじい攻防戦は続いた 隙をみてバラムが攻撃を仕掛けたが…
大悪魔はバラムの存在を忘れてはいなかった

悪魔バラム 「 っ!! 」カキーン

大悪魔 「 お前の武器は鎌か… 危ねぇ危ねぇ 」シュ

大悪魔バアル( 流石に強い…! でもバラムとなら…!!)

大悪魔バラム( やっぱり強い…!でもお姉ちゃんとなら…!!)

大悪魔 「 ククク…楽しいねぇ!! 」

ーー 時空の狭間エリアA ーー

堕天使ミカエル 「こ、こいつ…! 」シュ

ゼルエル 「 …そんなものか 」サッ

堕天使ミカエル( どれだけ攻撃を仕掛けても擦りさえしない…!)

堕天使ミカエル 「 ちくしょうが!! 」

堕天使ミカエル 「 これならどうだっ! 」ピカー

ミカエルは堕天した事により真っ黒に染まってしまった弓を取り出した

堕天使ミカエル 「 この邪気を纏った矢に触れれば天使は塵すら残らん 」

堕天使ミカエル 「 食らうがいい!! ゼルエルゥ!!! 」バシュン

ゼルエル 「 …あれを使うか 」

天使神拳奥義
"二指真空返し"

堕天使ミカエル「 跳ね返しただとっ!? 」バッ

堕天使ミカエル 「 何故だ… 有り得ない!! 」

ゼルエル 「 …もう満足だろう そろそろ終わりにするか 」スタスタ

堕天使ミカエル 「 こんなバカな事が…!? 」ブルブル

堕天使ミカエル 「 だってあいつはまだ…通常状態のままだぞ!? 」

ーー 時空の狭間エリアC ーー

悪魔バアル 「 ぅらあ!! 」ドゴッ

悪魔バラム 「 よし入ったぁ!! 」ズバ

大悪魔 「 ちっ…くそが! 」ズサー

大悪魔 「 はぁ…はぁ…お前ら強えな… 」

大悪魔 「 こんな楽しい戦い…全開の時にやりたかったぜ ククク… 」

悪魔バアル 「 楽しい…だと? 」

大悪魔 「 ああ…最っ高に楽しいぜ俺はよぉ…元から戦いは好きなんだ 」

大悪魔 「 ククク… 最後にちと本気みせてやるか 」グァッ

悪魔バラム 「 姿が変わっていく…! 」

大悪魔 「 この形態は長くは持たねぇが…楽しいぜ…ククク… 」シュン

大悪魔 「 隙だらけだぜ おら…よぉ! 」ドゴッ

大悪魔が放った拳はバラムの腹部に深く入った その破壊力は…

悪魔バラム 「 うぐぁっ!! 」

悪魔バアル 「 バラム!!」

悪魔バラム 「 うぅ…… 」パタリ

大悪魔 「 さぁ…次はお前だっ! 」ダッ

悪魔バアル 「 よくもバラムを!! 」

ーー 時空の狭間エリアA ーー

ゼルエル 「 そうだな… 最後に見せてやってもいい 」グァッ

天使ゼルエル 「 …これでお前を楽に消せるな… 」スタスタ

堕天使ミカエル 「 ひぃっ…く、来るなぁ!! 」ガクブルガクブル

堕天使ミカエル( な、なぜこんな…これじゃあまるで…)

ーー化け物!

堕天使ミカエル 「 お、お前! それ程の力いったいどこで…!? 」

天使ゼルエル 「 …生まれつきだ 」スタスタ

堕天使ミカエル( 有り得ない…こんなの私が完全でも…っ)

堕天使ミカエル( いや…邪竜様でも無理なんじゃ……)

天使ゼルエル 「 堕天使も呆気なかったな… 」ドス

堕天使ミカエル 「 うぐっ… 」パタリ

堕天使ミカエル 「 …ふっ ふふふ 」

天使ゼルエル 「 …? 何を笑っている 気でも狂ったか? 」

堕天使ミカエル 「 悪魔のほうは知らんが…もう1人の天使… 」

堕天使ミカエル 「 ライラ=オルウェンはきっともう始末されている… 」

天使ゼルエル 「 …なんだと!? 」

堕天使ミカエル 「 ふふふ…ふははは!! 」

堕天使ミカエル 「 お前は規格外過ぎた…恐らく完全の私でも勝てない… 」

堕天使ミカエル 「 だが…ライラ=オルウェンは違うだろう? 」

堕天使ミカエル 「 あの方が既に始末しているはずだ… 」

天使ゼルエル 「 …何を言っている 」

堕天使ミカエル 「 ふはは…邪竜様に…栄光あれ…!! 」

その言葉を最後に堕天使ミカエルは結晶となってはじけた

天使ゼルエル 「 ライラが…? 千里眼で…! 」

天使ゼルエル 「 …!!! 」

ーー 時空の狭間エリアC ーー

悪魔バアル 「 はぁ…はぁ… 」

大悪魔 「 ちっ…そろそろ限界か… 」

大悪魔 「 …この身朽ち果てようともお前だけは倒すぜッ 」タッ

悪魔バアル 「 ぅらあ!! 」ドゴッ

大悪魔 「 ぐはっ!! 」パタリ

大悪魔 「 はぁ…はぁ…くそ…もう動けねぇ… 」

大悪魔 「 …ここまでか…徐々に身体が消えていってやがる… ククク… 」

悪魔バアル 「 …大悪魔 」

悪魔バアル 「 ………… 」

悪魔バラム 「 お姉ちゃん! 」

悪魔バアル 「 無事だったか!! 」

大悪魔 「 ククク… バアル…バラム…か… 」

大悪魔 「 俺達はよぉ…戦う理由が別のものなら… 」

大悪魔 「 いい友になれたかもしれねぇなぁ… 」

悪魔バアル 「 …そうかもな 」

大悪魔 「 ククク… あばよ… 」ジュワ

悪魔バアル 「 ………… 」

悪魔バラム 「 お姉ちゃん… 」

悪魔バアル 「 あいつは根っからの悪者ではなかった 」

悪魔バラム 「 …早くゼルエルとライラのとこに行こう 」

悪魔バアル 「 …ああ 」

ーー 時空の狭間エリアB ーー

天使ゼルエル 「 ライラ!!! 」ヒュン

天使ゼルエル 「 ライ…!!? 」

ゼルエルが見たものは…変わり果てたライラの姿だった もうすぐ命が尽きるほどボロボロになった…

天使ゼルエル 「 おい!しっかりしろ!! 」ダッ

ライラ 「 …ゼル…エル…? 」

天使ゼルエル 「 ライラ!? 待ってろ今治してやるからな… 」パァー

ライラ 「 もう…無理だよ… 」

天使ゼルエル 「 な、何で治らないんだ!? 」パァー パァー

ライラ 「 …自分の…命の最後くらい…わかるよ…? 」

天使ゼルエル 「 バカ言うな!! なんでこんな事に… 」

邪竜 「 グギャヤヤヤヤヤヤ!! 」

天使ゼルエル 「 あれは…邪竜…か? 」

ライラ 「 あの天使…邪竜だったんだ… 」

ライラ 「 私ね… 皆にいいとこ見せたくて… 」

ライラ 「 でも…勝てなかった…」

天使ゼルエル 「 もういい…もう…喋るな…」ギュ

ライラ 「 …ごめん…ね? 」

ライラ 「 皆で…遊ぶ約束…守れなかった… 」

天使ゼルエル 「 大丈夫…ライラは助かる…そんな事言うな… 」

ライラ 「 ふふ…ゼルエルは…優しいね… 」

ライラ 「 …もう…駄目みたい… 」シュゥ

天使ゼルエル 「 ライラ…? 」

ライラ 「 今までありがと…ゼルエル… 」ニコ

天使ゼルエル 「 い、嫌だ… ライラ!待ってくれ!! 」

ライラ 「 …じゃあ…ね… 」

ライラはゼルエルの腕の中で静かに結晶となり消滅した

天使ゼルエル 「 ………… 」

ゼルエルに深い悲しみとライラを1人にしてしまった事に対する後悔が襲った… しかしそれは…

邪竜 「 グギャヤヤヤヤヤヤヤ!! 」

目の前にいる親友を葬った憎しき敵に対する怒りと殺意に変わった

天使ゼルエル 「 ……貴様が 」ギロ

天使ゼルエル 「 貴様があああ!! 」バッ

圧倒的ゼルエルの攻撃は邪竜に抵抗する暇さえも与えなかった

一撃 二撃 三撃と 当たれば肉が吹き飛ぶ破壊力を持つ攻撃を…ゼルエルは的確に邪竜に当ていく

微かに残る意識の中で…自分に嬉しそうに話しかけてくるライラの姿が浮かび上がる…

ーーライラ…

ーーお前がいてくれたから…

ーー私は…っ!

天使ゼルエル 「 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!! 」

この時のゼルエルは…傍から見ればどちらが世界を滅ぼすのか…分からないほど殺意に取り憑かれていた

ーーーーーーー

ーーーーー

ゼルエル 「 …………… 」


バアル 「 くそっ 一体何処に…あっ 」

バラム 「 やっと見つけた!ゼルエルー! 」タタタ

ゼルエル 「 バアルと…バラムか… 」

ゼルエル 「 勝ったんだな…大悪魔に 」

バアル 「 ああ…!お前も勝ったんだろ?あの堕天使に! 」

バアル 「 しかもこいつは…邪竜か? 」

バアル 「 ははっ 1人で終わらせちまいやがったか! 」

バラム 「 …ねぇお姉ちゃん…ゼルエル…ライラはどこ…? 」

ゼルエル 「 …………… 」

ーーーーーーー

バアル 「 …嘘だろ…? 」

バラム 「 そんな…いや… 」

ゼルエル 「 …………… 」

バアル 「 何かの悪い冗談だろ? なぁ!そうだと言ってくれ!! 」

ゼルエル 「 …………… 」

バラム 「 うぅ…ぐすっ ライラ… 」ポロポロ

ゼルエル 「 ……すまない 」

ーーー 半年後 ーーー

あれから私は邪竜を倒した功績として神の腕と呼ばれ讃えられた が…

ゼルエル 「 …………… 」

親友を失った深い心の傷は癒えてはいなかった

ガヴリール( 7 )「 お姉ちゃん~! 」タタタ

ゼルエル 「 ガヴリール…どうした? 」

ガヴリール 「 さっきね病院から電話があって…産まれたって! 」

ゼルエル 「 本当か!? 」

ーーーーーーー

ゼルエル 「 ………! 」

ゼルエル 「 名前は… ハニエルか…! 」

ハニエル 「 ばぶぅ~ 」キャキャ

ガヴリール 「 かわいいね!! 」

ゼルエル 「 ああ…お前によく似ているな… 」

ゼルエル 「 …………… 」

ガヴリール 「 そう言えば明日ってお姉ちゃんのお友達が来るんだよね? 」

ゼルエル 「 ん、ああ よく覚えていたなガヴリール 」ナデナデ

ガヴリール 「 そのお友達にもハニエルを見せてあげたい!! 」

ガヴリール 「 こんなに可愛いんだもん 私達だけじゃ勿体ないよ! 」

ーーーーーーー

バアル 「 ゼルエルと会うのは久しぶりだな… 」

バラム 「 うん…どうしてるのかな 」

バアル 「 そうだ 何か菓子でも買っていかないか? 」

バラム 「 あっいいね!私いいお店知ってるよ! 」

ーーー 胡桃沢洋菓子店 ーーー

サタニキア母 「 いらっしゃいませ! 」

サターニャ( 6 )「 いらっしゃいませ~! 」

バラム 「 これと…あれと…あとそれも! 」

サタニキア母 「 有難うございます! 」

サターニャ 「 ありがとうございます~! 」

バアル 「 ふふっ…可愛い店員さんだな 」ナデナデ

サターニャ 「 えへへ… 」テレテレ

ーーー 天真家 ーーー

バアル 「 …久しぶり ゼルエル 」

ゼルエル 「 久しいな… バアル バラム 」

バラム 「 あんまり変わってないねー 」

ゼルエル 「 まだ半年しか経ってないぞ… 」

ガヴリール 「 こんにちわ~! 」タタタ

バラム 「 !! もしかしてゼルエルの妹さん!? 」

ガヴリール 「 はい!妹のガヴリールです よろしくお願いします 」ペコリ

バアル 「 か、か… 」

バアルバラム 「「 かわいい!! 」」

ゼルエル 「 ガヴリールと…もう1人紹介するよ 」スッ

バラム 「 えっ!? ゼルエル…お母さんになったんだ… 」

バラム 「 まだ半年しか経ってないのに!! 」

ゼルエル 「 なっ!?違う!妹だ!! 」

ガヴリール 「 お名前は~ ハニエルっていうんだよ~ 」

バラム 「 あっ び、びっくりした… 」

バアル 「 かわいいなぁ~ 」ナデナデ

ハニエル 「 ばぶぅ~ 」キャキャ

バラム 「 正に天使だね… あ、天使なのか! 」

ーーー 天真家前 ーーー

ゼルエル 「 2人共今日はありがとう ガヴリールも喜んでたよ 」

バアル 「 いいよいいよ だけど… 」

ゼルエル 「 ……ライラか… 」

ゼルエル 「 確かにライラがいれば…もっと楽しかっただろうな… 」

バラム 「 …ライラは…生きてるよ 」

バラム 「 私達が生きてる限りずっと! 」

ゼルエル 「 ……! 」

バアル 「 バラム… そうだな…! 」

バアル 「 きっと…見ててくれてるさ 」

ゼルエル 「 バアル…バラム…お前達… 」

バラム 「 私達が元気出さないと!! 」

バラム 「 ライラみたいに…いつも笑っていられるように!! 」

ゼルエル 「 …!! 」

ゼルエル 「 ……そう…だな 」ポロポロ

バアル 「 泣くなよ…ゼルエル… 」グス

バラム 「 私達が…強くならなくっちゃ… 」ポロポロ

ーーーーーーー

ゼルエル 「 お前達も下界で修行を? 」

バアル 「 ああ ゼルエルもだろ? 」

バラム 「 じゃあ今度は下界で会おうね! 」

ゼルエル 「 2人共…本当に感謝する 」

バアル 「 こっちのセリフだよ全く… 」

バラム 「 ばいばい!ゼルエル! 」

バラム 「 ほら!お姉ちゃん行くよ~ ! 」タタタ

バアル 「 あっちょっ!待てってバラムー! 」タタタ

ゼルエル 「 ふっ…元気な奴らだ 」クス

ガヴリール 「 お姉ちゃん~? 早くご飯食べよ~ 」

ハニエル 「 ばぶぅ! 」キャキャ

ゼルエル 「 ガヴリール…ハニエル… 」

ゼルエル ( お前達は絶対私が守るからな…!)

ゼルエル 「 ああ 今行く! 」

ふと見上げた空でー ライラが笑っていたような気がした


ーー 完 ーー

因みにライラは受胎を司る天使で
バアルはソロモン72柱の魔神の1柱
バラムはソロモン72柱の悪魔らしいです

ミカエルは四大天使の1人

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