ライラ「ライラさんも世界レベル」 (18)


「いい今、誰か時間が空いてる人いるか?」

事務所の扉から慌ただしく飛び込んできたのは、プロデューサー殿の声でございました。

「わたくし、時間空いてますです」

わたくし、ライラさんはその声に応えましたです。そして、

「私の出番ね」

わたくしが肩を揉んでいたヘレンさんはその声の主に応えましたですよ。


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続きをあげようと思ったら別のSSが始まりそうになっていた。何を言ってるかわからねーと思うが(ry

これは立て直してもいいのだろうか、無視すればいいのだろうか
無視かな


「いやー、助かったよ。ヘレンとライラがいてくれて」

 安心したように息を吐いたプロデューサー殿は、車を運転しながらそう言いました。どーにもこーにも、『孫の手も借りたい』状態だったところにプロデューサー殿が手を挙げたようでございます。

「代役…ね。私が出たら休んだ子たちが霞んでしまうけれど、それでもいいのかしら」

「代役というかゲストが君ら二人になったってだけだから気にしなくていいぞ」

「…そう」

 前の座席でプロデューサー殿とヘレンさんがそんな『辛口』を叩いていましたです。
ライラさんは、後ろの座席でヘレンさんがずっとプロデューサー殿から見えない方の手で髪をいじっているの見ながら聞いてましたです
 そして、車に乗る前から思っていたことがあったライラさんは訪ねました

「わたくしヘレンさんとお仕事するのもお話したのも今日が初めてでございますです。なにをしたらー」

「へっ」

 車が一度大きく揺れました。

「大丈夫よライラ、この私がいるのだから自信を持ちなさい」

 もう一度車が揺れました。



「待て待て待て、事務所で肩を揉んでいたろ」

「今日、レッスンだと思って来ましたですが勘違いしてましたです」

「それで暇そうにしてたライラに「悪いけど、肩を揉んでもらえるかしら」と私が声をかけたのよ」

 また車が揺れました。これで三回揺れましたですねー。

「君らの初コンタクトはそれで良いのか…」

「それよりもあなた、車を揺らしすぎよ」

「ライラさん気持ち悪くなってきましたです…」

「ごめんごめん、もう着くから耐えてくれ」

 そのあと、お仕事するところに着いて「今日はベテランの人と話すってだけだから深く気にしなくていいぞ」とプロデューサー殿に言われてからライラさんとヘレンさんの初お仕事行きましたですよ。

――

「今日はお疲れ様、話するだけだったろ」

「そうね、私の魅力を余すところなく伝えられたかだけが疑問ね」

「たくさんお話しましたです」

 今日のお仕事ではヘレンさんが「私を理解するにはこの踊りを見てもらわないと」と言い始めてライラさんも一緒に踊りましたです。司会の方が止めてくれるまで踊りました。


「ヘレンとライラ…思ったよりありだな」

次の日、わたくしが事務所にきたらプロデューサー殿がそう言いながらペンをかんでました。ヘレンさんと踊ったの楽しかったのでまた踊りたいですねー。

「プロデューサー殿、おはようございますです」

「おー、おはよう。今日はレッスンだったな」

「はいです。お荷物置いたら行ってきますです」

 わたくしが事務所を出てトレーナーさんのところへ行くと、すでにルーキーさんが疲れていましたです。隣ではトレーナーさんとヘレンさんがはげしく踊っていて、ライラさんはルーキーさんの横に座ってそれをしばらく見てました。
 そして、トレーナーさんがライラさんに気づいてくれましたです。

「あら、ライラさんきてたんですか」

「はいです。今日はライラさんもレッスンしますですよ」

「昨日はごめんなさい…レッスンの日変わったことを全員に伝えたと思ってたんですけど…」

「そのおかげでライラという原石に触れることができたから私は構わないわ」

「わたくしもヘレンさんと仲良くなれたのでドンマイドンマイでございます」

「ありがとうございます、それじゃ今日も頑張ってレッスンしましょう!」

「おー」


――

「おつかれさまでした!」

 トレーナーさんのその声でその日のレッスンは終わりました。とてもくたくたになったのを覚えていますです。
 でも、ヘレンさんはずっと元気でございました。どうしてか訪ねたら

「それは私が世界レベルだからよ」

と言いましたですのでライラさんも世界レベルになりたいです。
 二人で事務所に帰る途中、ヘレンさんとお話しましたですよ。

「ヘレンさんも昨日、レッスンがなかったので事務所にいたのですねー」

「いいえ、私のカンが事務所に脚を運ばせたのよ。今日は行くべきだと」

「おー…違いますですか」

 考えていたことと違っていたのでわたくし少し考えましたですよ。そして

「それでは、プロデューサー殿とお話しに来てたですね!」

と、曲がり角で言ったら、ヘレンさんが表情と姿勢を変えずにまっすぐ進んで壁にぶつかりました



「大丈夫でございますか?」

「ええ」

 壁にぶつかったのに平然とヘレンさんは歩き始めました。もしかしたら世界レベルになったら身体が頑丈になるかもしれませんですね。
 そのあとも、今度ライブでこんな演出してみたいあの曲踊りたいとヘレンさんとお話しましたですよ。

「ところで、さっきの話だけれど」

「はいです」

「私があの人の話を聞くために事務所に来ているという予想は外れよ」

「あー…外れ…プロデューサー殿はたくさんお話してくれるからライラさんはよく行きますです」

「そう…私は余る時間があったら己を高めることにしているけど…すぐ話せる距離にいたら昨日みたいにファンに私を魅せるチャンスがくるからそれもアリかもしれないわね」

ヘレンさんが腕を組んで考え始めたところでプロデューサー殿がやってきたです。そして、新しいお仕事を持ってきてくれました。

「ヘレン、ライラ、君たち二人のライブが決定した!」

「やるじゃない、やはり私の見込んだ男ね」

「おー! ライラさんも踊れますですか」

「今度ある合同ライブに出てもらいたい」

「任せなさい」

「がんばりますですよ!」



そして、ライブに向けて練習を始めましたです。レッスンが激しく組まれてライラさん大変でございましたが、それよりもトレーナーさんよりヘレンさんが厳しかったでございますね。

「ライラ、ステップを踏む順番を間違えてるわ!直しなさい!」

「はいです!」

「リズム感はあっても周りと合わせないとその宝は活きないわよ!」

「はいです!」

「休憩を取るのは大事だけどその間、私の動きを見て覚えることに努めなさい。身体を休めてる間は頭を働かせるのよ!」

「はいです!」

 たくさん丁寧に教えてもらってわたくし嬉しかったですねー。でも、ほかのお仕事をしながらレッスンしていましたですからヘレンさんとレッスンできない日は寂しかったです。そんなときはトレーナーさんたちがとても厳しくしてくれましたですよ。

「ライラさん! ターンに勢いがない!」

「はいです!」

「ライラ! 次は歌唱レッスンだぞ!」

「はいです!」

「トレーナーさん! 休憩にはまだ早いですよ!」

「はい! …あれ?」


 そしてライラさんたちは…マスターさんの特性ドリンクを飲んでみんなが腹痛で一日倒れたあと三日間通してハイテンションになってレッスンしたり、合同ライブに出る他の演者さんたちと顔合わせしたときにライラさんが相手にお茶をこぼしてしまい喧嘩になったり、ヘレンさんが出番が足りないとゴネてマイクパフォーマンスする時間を強引に作ったり、いろんな苦難を乗り越えてライブの日を無事迎えましたです。

「そろそろ出番ね」

「そうでございますねー」

「そういえば…」

「プロデューサー殿は、観客席から観たいと言って行ってしまったでございます」

 被せるように言って失礼だったとライラさんは思いましたですが、ヘレンさんは少しだけ笑ったでございます。

「あんなにトラブル続きだったのに私たちから目を離すなんて、信頼されてるわね」

「ライラさん、足を引っ張らないようとてもがんばらないといけませんですね」

「大丈夫よ、ライブでは流れ通りに動かなければならないけど、それ以上に熱い情熱を観客にぶつければなんとかなるもの。そしてライラなら――」

 ヘレンさんの言うことが、盛り上がった観客の皆さんの声で最後だけ聞こえなかったですが、その笑顔を見てたらライラさんの緊張は解けました。
 そして、頼れる背中についてわたくしはステージに上がりましたですよ。
 わたくしたちがステージに出てまず思ったことは、観客のみなさまが少しだけ静かになっているということです。合同ライブなのでライラさんやヘレンさんのファンじゃない人もいますですから当然でございます。
 それでもヘレンさんはいつもどおり笑っていて、とても頼もしかったですねー。

「ライラ、本当は私がする予定だったけど…あなたがこの会場を沸かせなさい」

 でも、そう言ってヘレンさんがマイクをライラさんに投げたときは本当に驚きましたですよ!

「あー…みなさんこんばんは、ライラさんです。みなさまお疲れだったり暑そうにしていますですがー…これからライラさんとヘレンさんが疲れも汗も全て吹き飛ばす台風になりますです、ついてきてくださいませ。いきますですよー!」

「私たちが見せる世界レベルのライブに、魅せられなさい!」



「――そして、会場はとても盛り上がってライラさんたちのライブは大成功したですよ…リサ?」

「聴いてるわよ、アタシもライブ見てたけど…よかったじゃない」

「はいです。また踊りたいですねー…」

「でも、今はヘレンとコンビ組んでないんでしょ、それはどうして?」

「えー…「荒削りだけど、あなたも立派な世界レベルよ、これからは私ではなくもっと世界を見て己を高めなさい」と言われましたです」

「うーん…なるほど? そしてその格好…悪いけどライラには似合ってないわね。紫色はあんたに合ってるけど」

「なんと、ヘレンさんからいただいたお洋服でございますよ」

「だから似合わない気が……む…大人の女的な意味で」

「でもこれ動きやすくてとても好きですねー」

「…気に入ってるなら良いと思うわよ」

「これで、ライラさんも世界レベル!」

「はいはい」


終わり


拙いものですが見てくれてありがとうございます。
ライラさんもヘレンももっとカモン。

html依頼出してきますです

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