P「ちーちゃん」(34)
※書き溜めあり
※765・モバマスで同じプロダクションという設定
P「俺は決めた」
P「名前が「ち」で始まる子を、ちーちゃんって呼んでやるぞ!」
P「どんな反応が返ってくるか……ふふふ、楽しみだぜ!」
・千川ちーちゃん
P「まずは一番身近なちひろさんから仕掛けてみるか」
P「アイドルではなくアシスタント。つまり一般人だ。不意打ちで仕掛ければ初々しいリアクションが見られるかもしれん」
P「ま、最初だし軽めのジャブで行くつもりでね」
*
ちひろ「……はい。ですが、それでしたらセットの方がお得で……」
P(電話中か。ライブの物販の打ち合わせみたいだな)
P(……決してガチャを催促する電話じゃないぞ。断じてだ)
ちひろ「はい。そのようにお願いいたします。それでは失礼いたします」ガチャ
P(よし、終わったみたいだな。ちなみにガチャは電話を切る音であって、決してガチャを連想させるものではないぞ。本当だ)
ちひろ「ふう。えっと、次は……」
P「ちょっといいかな」
ちひろ「あ、Pさん。どうかしましたか?」
P「うん。実はちーちゃんに頼みたいことがあって」
ちひろ「ちーちゃんって……千早ちゃんに言伝ですか?」
P「いや、千早じゃなくて、ちーちゃんに」ジロッ
ちひろ「え?……えぇ?ひょっとして、私のこと、ですか?」
P「うん。ライブの物販のレイアウトなんだけど……」
ちひろ「も、もう!いきなり変な呼び方してー。あ、ひょっとして……何か企んでるんですか?」
P「企むって人聞きの悪い……」
ちひろ「だって、普段は誰のこともあだ名で呼んだりしないじゃないですか。だから何か悪巧みしてるんじゃないかなーって」
P「してないしてない。ちょっと反応が見てみたかっただけ」
ちひろ「本当ですかー?ふふ、それなら私じゃなくてアイドルの子たちにでもしてあげてくださいね」
P(もちろんこれからするつもり)
*
P「うーむ、ちょっと慌てただけだったな。まあ大人の女性だし、あんなものだよね」
P「やっぱりちひろさんは天使だ。鬼や悪魔と言う奴の気がしれないな」
P「声も可愛いし」
P「さて、次だ次」
・如月ちーちゃん
P「千早か。あいつはファンからちーちゃんと呼ばれることもあるから、案外素っ気ない反応かもな」
P「だが事務所の人間やスタッフさんからはあだ名で呼ばれないし、中々に面白い反応が期待できる……はずだ」
P「もしこれが原因で関係にヒビが入るようなことになったら……その時はこの世にさよならバイバイしよう」
*
千早「…………♪」
P(お、いたいた。今は新曲のデモを聞いているようだな)
P(都合よく隣の席が空いている。隣に座れば、あいつも気が付いてくれるだろう)
P「よいしょっと」
千早「……?ああ、プロデューサー。お疲れ様です」ピッ
P「お疲れ。悪い、邪魔しちゃったな」
千早「いえ、そんなことありません。ちょうど新曲について伺いたいことがありましたから」
P「そうか、ならよかったよ。で、聞きたいことって?」
千早「ここの歌詞なんですけれど、「会いたくて一人ふるえる」という心情をどう表現したらいいのか悩んでまして……」
P「そうだな……ちーちゃんはどう思う?」
千早「そうですね…………って、え?」
P「ん?どうした?」
千早「い、いえ、その……。わ、私は、孤独で切ない気持ちを伝えられるように、トーンを抑えて歌うつもりです」
P「なるほど。俺もちーちゃんの言う通りだと」
千早「ぷ、プロデューサー!?」ガタッ
P「なんだ?」
千早「あ、あの、やはり聞き間違えではなく、私のこと「ちーちゃん」って……」
P「え?うん。呼んだけど」
千早「そ、そんなしれっと……。一体、どうしたんですか?」
P「いや、いきなり俺が「ちーちゃん」って呼んだら、千早がどんな反応するかなーって思って」
千早「小学生じゃないんですから……」
P「俺は小学生じゃなかったのか……」
千早「一体何を言ってるんですか、本当に……。驚いて損しましたよ……」
P「はっはっは。中々いい反応だったぞ。その調子ならバラエティの仕事を増やしてもよさそうだな」
千早「もう!からかわないでください。ええと、何の話をしていたんでしたっけ?」
P「歌詞の解釈についてだったな。俺としてはもう少し――」
*
P「概ね予想通りの反応だったな」
P「だけど昔の千早だったら、眉をひそめて不機嫌になるだけだったろうな。ホントにあいつも丸くなったもんだ……」
P「恥ずかしそうにしつつ許してくれる千早を見れただけでも、プロデューサー冥利に尽きるってもんだ。マジ天使」
P「よーし、次行くぞ!」
・横山ちーちゃん
P「千佳は……まあ、学校なんかだとあだ名で呼ばれてても不思議じゃないからな」
P「それにまだ子供だし、特別面白味のある反応にはならないだろう」
P「ま、子供らしい素直で可愛い反応に期待ってとこだな」
*
千佳「レッツ♪マジカル☆メイクアーップ♪」
P(千佳は……ああ、魔女っ娘アニメ見てるのか。OPまで口ずさんでノリノリだな)
P(他には誰も居ないみたいだな。ということは、絶好のちーちゃんタイムだぜ!)
P「お、いつものアニメか?」
千佳「Pくん!ねー、時間あるなら一緒に見ようよ!」
P「折角だからそうさせてもらおうかな」
千佳「えへへ、それじゃここ座ってー♪」
P「はいはい」
千佳「あ、じゃあOP最初から見よっか!」ピッ
P「えっとこれは……マジカル☆コスメ、ラブピュア?」
千佳「そーなんだー♪今月から始まったばっかりの、新しいラブピュアだよ!」
P「へー。このシリーズはずっと見てるのか?」
千佳「うん♪あたしが幼稚園の時に始まって、それからずっと見てるんだよ!」
P「なるほどなー。ちーちゃんは本当に魔女っ娘が好きなんだなぁ」
千佳「うん♪……って、ええ!?Pくん今あたしのこと、ちーちゃんって呼んだ!聞き間違えじゃないよね!?」
P「それがどうかしたか?」
千佳「えー!?だって、今までずっと千佳って呼んでたのに!」
P「そうだっけか?」
千佳「そうだよー!……あ、なおちゃん!」
P「へ?」
奈緒「ごめん、待たせたな……って、Pさん?」
P「なんで奈緒がここに?ていうか、待たせたって?」
奈緒「なんでって、あたしは千佳と一緒にラブピュアを見てたんだよ。ちょっとトイレ行ってただけ。それよりPさんこそ、ここで何してんだよ」
千佳「ねーねーなおちゃん!そんなことよりね、さっきPくんがあたしのこと「ちーちゃん」って呼んでくれたんだよー!えへへー♪」
P(お?これは面倒な気配がギュンギュンするぞ?)
奈緒「は……はぁっ?Pさん、それ一体どういうことだよ!?」
P「あー、そのなぁ」
千佳「Pくんがーちーちゃんってー呼んでくれたー♪」
奈緒「なんだよいきなり!?……ひ、ひょっとしてPさん、ロリコンってやつじゃ……!?」
P「落ち着け奈緒。これには千早の胸より浅いワケがあってな」
凛「うるさいよ奈緒。どうしたの?」
加蓮「あれ、Pさんじゃん」
P「あっはっは凛に加蓮じゃないかあっはっは」
凛「何?その変な笑い方」
奈緒「そんなことどうでもいいんだよ!それよりPさんがロリコンだってことが問題なんだよ!」
加蓮「……え?一体なんの話?」
凛「プロデューサー。ちょっと詳しい話……聞かせてもらえる?」
P「はい」
凛「……つまり、千佳ちゃんをちーちゃんって呼んでみて」
加蓮「どんな反応するか知りたかってこと?」
奈緒「バカか、あんた」
P「どうやらそうらしい」
千佳「つまんないのー。てっきりPくんがラブリーチカのパートナーとして、仲良くなったから呼んでくれたと思ったのにー!」
P「本当にご迷惑をおかけしました。いや、弁解するとな?本当はこんなことになる前にネタばらしするつもりだったんだぞ?」
加蓮「じゃあさっさとすればこんな騒ぎにならなかったのに」
P「しようと思った矢先に奈緒が戻って来てな。俺の言うことに耳を傾けようともせず、まるでスピーカーのごとき大騒ぎをしおってな」
奈緒「はぁ!?あたしの所為かよ!?」
凛「あー、それは奈緒が悪いね」
加蓮「奈緒、ちゃんとごめんなさいするんだよ?」
P「ほら、俺と一緒にあやまろう?奈緒はごめんなさい出来るいい子だって、俺ちゃんと知ってるよ?」
奈緒「お、お前らなぁ~っ!!」
*
P「予定外のトラブルだったな。もはや千佳がどうのというよりも、トライアドがメインになってしまった気がする」
P「千佳をぬか喜びさせたことは反省しよう。お詫びに欲しい変身グッズでも買ってあげなくちゃな」
P「それにしても千佳ちゃんはやっぱりいい子でしたネ……呼び方ひとつであれだけ喜んでくれるなら、いっそあだ名で呼んであげるのもいいかもしれない」
P「だがこんなことで懲りない俺は、さらに次を目指すぜ!」
・緒方ちーちゃん
P「アイドル界の力道山こと緒方智絵里がネクストターゲットだぜ!」
P「昔の智絵里であれば、あだ名で呼んだところで「自分に気を使っているだけかも」と受け取ったことだろう」
P「だがCDデビューも果たした今!自信を持った智絵里の反応は、全くの未知数だぜ!」
P「それではレッツ突撃!BGMはYUKIのドラマチック!」
*
智絵里「…………」ペラッ
P(智絵里は……読書中だな。テーブルの上には四葉のクローバーを挟んだ栞が置かれている)
P(俺も栞、貰ったな……大事に使ってるぞ。まあそれはさておき、行くとしよう)
P「お、読書してるのか。偉いなー」
智絵里「あ、Pさん……。えへへ、お疲れ様です」
P「おう、お疲れ。で、何を読んでるんだ?」
智絵里「これですか?これは……その、れ、恋愛小説……です……」
P「ほほぅ、恋愛小説とな!れん・あい!恋!そして愛!」
智絵里「あ、あの……は、恥ずかしいから……連呼しないで、ください……!うぅ……」
P「ははは、スマンな。やっぱりちーちゃんもお年頃ってことか」
智絵里「も、もう……っ!って、えっと……ちーちゃん?」
P「どうかしたのか、ちーちゃん」
智絵里「あ……あの、それって……その、ちーちゃんって……わ、わ、わたし!?」
P「そうだぞ、ちーちゃん」
智絵里「え、え、えっと……!ち、ちーちゃんって、その、あの…………はぅぅ」パタリ
P「あ、オーバーヒートした」
智絵里「きゅぅ……」
P「おい、ちーちゃんしっかりしろ!気を確かに!ちぃぃぃちゃぁぁぁん!」
ちひろ「ちょっとうるさいですよPさ……って、智絵里ちゃん!?どうしたの!!」
P「大変だ千川ちーちゃん!緒方ちーちゃんが恥ずかしさのあまり倒れてしまった!」
ちひろ「ええっ!?っていうか、まだやってたんですか!?」
P「だって俺は一度決めたらやる男だって通信簿に書いてあったから!」
ちひろ「意味わからないですよ!それより智絵里ちゃんを運ぶの手伝ってくださいよ!」
智絵里「ふにゃぁ……」グテー
P「目が覚めた智絵里に向かってちーちゃんコールを繰り返してたらまた倒れてしまった」
P「その後ちひろさんにめちゃんこ叱られた。あっち年下なのに。俺いい大人なのに。少し泣いた」
P「でもね、みなさん。智絵里のとても愛おしい一面を見られただけでも、いい年こいて叱られるだけのリスクを冒す甲斐があったと言えますよね?ですよね?」
P「俺はそんな一面がもっと見たい!だから次だ次だぁ!!」
・佐々木ちーちゃん
P「千枝なー。あいつは自覚してるのかしてないのか、こう、なんと言いますか……誘ってる感じが、ねえ」
P「年齢不相応の魔性とでも言いましょうか……最近の小学生ってああなのかなー、と思いきや、その一方で仁奈みたいなのも居りますし」
P「あいつの反応は未知数だな。喜んでくれそうな気もするし、そうでない気もする」
P「まあそんなこんなはさておいて!俺は!千枝を!ちーちゃんと呼びに行くんです!イェイ!」
*
千枝「~♪」ポーピー
P(千枝は……鍵盤ハーモニカに勤しんでいるようだ)
P(そんな千枝ちゃんの邪魔をする悪い大人が、そう。僕だ)
P「前よりもうまくなったなぁ」
千枝「あ、Pさん……。えへ、教えてもらったおかげです」
P「ああ、この間のことか。もう発表会は終わったんだろ?」
千枝「はい。でも来週、音楽のテストがあって……今はそのための練習をしてるんです」
P「ちーちゃんは練習熱心だな。偉いぞ」
千枝「えへへ、って、えっ……ち、ちーちゃん?」
P「おう。それがどうかしたのか?」
千枝「あ……その、えっと…………」
P(おや?何やら複雑な表情をしているぞ)
千枝「そ、その、いきなりで恥ずかしい……でも、ちょっと嬉しい、です……」
P「その割には浮かない顔だな」
千枝「え?……あの……嬉しいんですけど、でも、その……も、もっとオトナっぽい呼び方のほうが……」
P「つまり、ちーちゃんのことはちーちゃんじゃなくて、いつも通りに千枝と呼んでほしいってことか?」
千枝「は、はい。……ごめんなさい。千枝、わがままですね……」
P「いや、全面的に俺が悪い。だってちーちゃんって呼んでみたらどんな反応するのか見てみたかっただけだもん」
P「だから千枝が謝ることなんて何もないんだぞーというか本当に申し訳ありません一回り以上齢の離れた小学生に気を使わせるとはもうね本当にね馬鹿じゃないかとね馬鹿なんですけどね」
千枝「ぴ、Pさん落ち着いてください!ど、土下座なんてやめてください!」
*
P「えー、千枝ちゃんはもう立派な大人と言っても差し支えないほどのお子でございました」
P「精神年齢において、とっくに抜かれていたようでございます。早く私も頭の第二次性徴期を済ませるべきですね」
P「ですが私の辞書に「反省」も「自粛」も落丁していて載ってません!次行っちゃう!?次行っちゃう!!」
・黒川ちーちゃん
P「ふひひ、来ちゃいましたよこの時が。みなさんお待ちかねのスーパーブラックリバータイムのお時間です」
P「常に落ち着き払った雰囲気を纏っちゃいるが、その実態はハタチのJD」
P「その怜悧な表情を崩すためなら!俺は!職も住所も捨てる覚悟だ!」
P「赤面するならそれでよし!罵倒侮蔑も大歓迎!つまり俺にはご褒美のみだぁ!ヒャッハーッ!!」
*
千秋「…………」コツコツ
P(えー、というわけで大学から事務所へ向かう途中のチアキチャンを発見しました)
P(これより作戦行動に移ります。I'm lost control!!バイパー?突撃!!)
<チーチャーン
千秋「…………」コツコツ
<チーーチャーーーン
千秋「……ん?」
P「ちぃぃぃぃちゃぁぁぁぁん!!!」ズドドドド
千秋「ひぃっ!?ぴ、Pさん……!?」
P「くーろーかーわーちーーーーーちゃーーーーーん!!!」ズドドドド
千秋「きゃぁあああ!!」ダダッ
P「うぉぉぉぉぉ!!なぁぜぇ逃ぃげぇるぅぅぅぅぅっ!!!」ズドドドドドド
千秋「追ってくるからよぉ!!っていうか、な、なんなのよぉ!?」ダダダダッ
P「フヒホフヒャホォ!!ああああああちーちゃぁぁぁぁぁぁんオホホホホホホ!!」ズドドドドドド
千秋「だ、誰かー!誰か助けてー!!」ダダダダッ
警察「――君さぁ。いくら相手が知り合いだからって、街中であんな大声出して追っかけたら駄目に決まってるでしょ」
P「はい……頭では理解していたんですけれど、衝動が理性という最後のガラスをぶち破ってしまいまして」
警察「今回は口頭での注意で済ませるけど、次やったらしょっ引くからね?」
P「ホンっトにすいませんでした。家には養うべき妻と夫と19人の娘と12人の妹が居りまして働き手が私のみでして」
警察「わかった、わかったから。じゃあお嬢さんからも、ちゃんと言っておいてくださいね」
千秋「ご迷惑をおかけしました……」
P「……ケッ。国家に飼いならされたK9の分際で偉そうにしやがって」ペッ
千秋「アナタ、何一つ反省してないの?」
P「反省してまーす(チッ、うっせーな)」
千秋「いい加減私も怒るわよ。……ねえ、それより何なの?あのふざけた理由は」
P「ふざけてないもん!Pちゃん、本気の本気でちーちゃんって呼んでみたかったんだもん!」
千秋「その喋り方、即刻やめて頂戴」
P「アッハイ」
千秋「全く……。私まで恥ずかしい目にあったじゃないの」
P「俺、ちーちゃんが恥ずかしがるような、そういう一面が見たかったのよ」
千秋「だからって人様に迷惑かけていい理由にはならないわよ」
P「はっ、ごもっともで返す言葉もございません」
千秋「いい?もうこんなことしないって約束して。その……ち、ちーちゃんって、人前じゃないところで呼ぶくらいなら、別に許してあげるから」
P「マジでいいのちーちゃん?ホントにちーちゃん?ちーちゃんのことちーちゃんって呼んでちーちゃん?」
千秋「ごめんなさい。今すぐ止めたくなってきたわ」
*
P「結局千秋は頬を赤らめつつも、たまにちーちゃんと呼ぶことを許してくれた。やったね」
P「さすが、ぬばたまビューティホーは心が広いね。ポリスに怒られた甲斐があったってもんよ」
P「でも会ったばかりの頃の千秋だったら、事務所を辞めてたかもしれないのに……千早同様、丸くなったもんだなぁ」
P「だけど事務所やアイドルに迷惑をかけかねないから、さすがに大声で叫んで追い回すのは月一程度に抑えることにしよう。Pちゃんいい子だもん」
P「さー、次は君だ!じゃじゃーん!」
・小室ちーちゃん
P「千奈美だな。そこのお前、「誰?」とか言うんじゃありません。横浜で会ってるでしょーが」
P「クールな彼女だけれど、年齢は千秋よりも一つ下。酒もタバコも買えない19!つまりティーンエイジ!ニンジャタートルズ!」
P「ということは、ちーちゃんって呼んでも法律的にも倫理的にも問題ない!はずだ!」
P「さて、そんな千奈美はどんな反応を返してくれるのだろうか。ボートでわざと素直な言葉を無視した時は中々いいリアクションだったが……今回も期待しちゃうぜ」
*
周子「よっ……と」ヒュッ
千奈美「さすが、やるわね周子」
周子「よし!おーわりー」
P(えー、今回は趣向を変えまして、既に周子には当企画の内容を伝えております)
P(趣味であるダーツの真っ最中に、いかなる反応を頂けるのか。非常に楽しみでございます。ブルズアイ千奈美の集中力にご期待ください)
P「きっちり0点か。凄いな。ダーツっていうのはてっきり合計得点を争うもんかと思ってたけど、こんなゲームがあるんだな」
千奈美「ファイブ・オー・ワンよ。一番オーソドックスなゲームじゃないかしら」
周子「まあダーツやらないんだったら知らなくて普通かな」
千奈美「次は私の番ね。見ていてね、Pさん。私が勝つところ」
周子「千奈美さん強気だねー。お手並み拝見、だね」
P「応援してるぞー」
千奈美「行くわよ……!」ヒュッ
周子「お、さすが。手堅く当ててくるねー」チラッ
P「やっぱり上手いんだなぁ」コクッ
千奈美「あら、まだこれくらいで感心してもらっても困るわよ。ちゃんと最後まで目に焼き付けて……」スッ
P「期待してるぞ、ちーちゃん」
千奈美「置いて……っね?」ヒュッ
P「あ、外した」
千奈美「「あ、外した」じゃないわよ!待って。今のちーちゃんって私のことよね?」
P「そうだけど、それがどうかしたのか?」
周子「ほらほら、それよりちゃっちゃと三投目やっちゃってよ」
千奈美「……もう、なんだっていうのよ。全く……」スッ
周子「頑張れー。ちーちゃん」
千奈美「んんっ……!?」ヒュッ
P「あれ、また外れたぞ」
周子「どうしたんだろう。今日は調子悪いみたいだね」
千奈美「ちょっと周子。あなたまで何なのよその呼び方は!?」
周子「いや、折角だから親しみを込めて……ねぇ、Pさん」
P「どうしたちーちゃん。俺の目に焼き付けてほしいのは、この光景だったのか?ん?」
千奈美「あ、あなた達ね……。……いいわ、上等よ!こうなったらその挑戦、受けてやるわよ!」
P「よし!その意気だぞ、ちーちゃん!」
周子「シューコちゃんも応援してるよー、ちーちゃん」
千奈美「ああもう、調子狂う……!!」ヒュッ
*
P「意気込んだのはいいものの、結局慣れない呼ばれ方の所為で力が抜けたのか、結果は散々なものに」
P「お詫びとして代金は全て俺持ち。あと今度はおふざけなしでダーツ対決をすることになってしまった」
P「そうそう。実際には投げている最中に声をかけるのはルール違反だからやってはいけないよ。集中力が途切れてしまうからね。お兄さんとの約束だ」
P「いやー、それにしても。千奈美もいい感じにほぐれてきた、ってところかな。気張った仮面の下を垣間見ることができてよかったよ」
P「残すところあと二人……よっしゃぁ、キビキビ行くぞぁ!!」
・相川ちーちゃん
P「眼鏡が好き。ショートカットだと尚いい。そんなワガママボーイに大人気の千夏か」
P「うーん……なんだろう。反応はともかくとして、最終的に大人の対応であしらわれる未来しか浮かばないんだけど」
P「それに何と言ってもあいつは、既にマブダチの唯から「ちなったん」という立派なあだ名を授かってるしなぁ」
P「だがそんなことで挫ける俺ではない。案ずるよりヒッヒッフー!いっちょ仕掛けてみっか!」
*
千夏「それじゃあみなさん、お疲れ様でした」
P(撮影の仕事が終わったみたいだな。事務所へ戻るまでの車中が今回の戦場だ)
千夏「お待たせPさん」
P「お疲れ。それじゃ、戻るぞ」バタンッ
千夏「ええ」バタンッ
P「今回もいい感じだったな。出来上がりが楽しみだ」
千夏「そうね。最近はあまり迷うこともなくなってきたし、自分らしさが出せるようになってきたように思えるわ」
P「前に比べると表情が自然というか、柔らかくなったな。あ、そうだ。これ、コーヒー」
千夏「ありがとう。……柔らかくなった、か。きっと変わったのだと思うわ。Pさんと出会ってから、ね」ズズッ
P「俺だけの力じゃないよ、ちーちゃんが変わったのは」
千夏「ごぶっ」
P「おわっ!急に噴き出してどうしたんだ」
千夏「ごほっ、Pさんが、いきなり、変なこと言うからじゃない!」
P「言ったか?変なことなんて」
千夏「言ったわよ!ちーちゃんって何よ?ひょっとして唯ちゃんの真似?」
P「真似じゃないやい!唯たんのはちなったんだけど、Pちゃんのはちーちゃんなんだい!」
千夏「お願いだから、その変な喋り方も、変な呼び方もやめて」
P「そんなに嫌だったのか……」
千夏「ん、嫌っていうか……呼び方を変えるにしたって急すぎるわよ、いくらなんでも」
P「つまりそれは、千夏のことを十回呼ぶうちの一回だけちーちゃんにすればいいということか」
千夏「そういう問題じゃなくて……もう、なんなのよ、これ」
P「と、ここでネタばらし。実は千夏をいきなり「ちーちゃん」と呼んだら、一体どんな反応するのか試してみるのが目的でしたー」
千夏「なに、そんなくだらない目的だったの?真面目に答えて損したわ……」
P「はっはっは。俺は戸惑う千夏を見れて大儲けだったぞ」
千夏「やだ、忘れてよ。……Pさんって、たまに子供みたいなことするんだから」
P「たまにっていうか、割としょっちゅう言われる」
*
P「大人な対応の中にも恥じらいが見え隠れする、非常に王道的な素晴らしい反応だったと言えましょう」
P「これからも、なるだけ千夏が口に何かを含んだタイミングを狙って頑張ってみたいと思います」
P「ふふふ……これで「ゆいちな」から「ゆいPちな」になる日も遠くないな!」
P「想像してごらん。千夏が左右から「ちなったん」「ちーちゃん」と呼ばれている世界を」
P「それはそれとして。長きにわたる検証作業も、いよいよ次で最後と相成り申した」
P「行け行け俺!GOGO俺!どこまでも!」
・松尾ちーちゃん
P「トリを飾るのは太眉+半デコ+不器用+サトラセ+黒スト……とまあ属性てんこ盛りな書道系本音ダダ漏れ女子・千鶴だ」
P「千鶴が最後になったのは何も気まぐれや偶然ではない。確たる理由がある」
P「俺の趣味だ」
P「それに本来は一子相伝である奥義「ラブリービーム」を独力で習得した彼女以外に、オチを任せられる奴がいるか?いや、いるはずがない。はい論破」
P「あいつなら間違いなく、いい反応をくれることは確定的に明らかなのだ!」
P「荒~れ~る~ぜ~……止めてみなぁ!!」
*
千鶴「ちょっとライラさん、この寒いのにアイスなんて食べて平気なの?」
ライラ「大丈夫でございますよー。こたつがぬくぬくなので安心でございます」モグモグ
千鶴「まあ……それはそうだけど……でも、冬だし」
P(お、ライラと一緒か。年末以来、あの二人はすっかり仲良しだな)
P(こいつは面白くなりそうなYO☆KA☆N……!)
千鶴「プロデューサー。お帰りなさい」
ライラ「お帰りなさいませでございますー」
P「外はさみーわ。わしも混ぜてくれぇ」ゴソゴソ
ライラ「ちょうどぬくぬくでございますよー」
P「はふぅ、沁みるわぁ……」
千鶴「あの、二人とも……お茶、飲む?その、私が飲みたいだけだから、ついででよければ淹れてくるけど」
P「お、じゃあお願いするわ」
ライラ「ライラさんもお願いしますですー」
千鶴「それじゃあ、ちょっと待っててね」スッ
ライラ「チヅルさんはとても優しいでございますねー」
P「そうだなぁ。きっとあれも、寒い外から戻ってきた俺と、アイスを食べて体の冷えたライラのために、わざわざ淹れに行ってくれたんだぞ」
ライラ「おー、そうなのですますかー。プロデューサー殿はものしりなのですねー」
P「はっはっは。歩くヤフー知恵袋の異名を持つ俺には、これくらい朝飯前よ」
ライラ「もうお昼を過ぎてしまったのに朝ごはんまだなのですか?プロデューサー殿も節約生活しているのでごさいますかー」
P「違う。違うぞライラさん」
千鶴「……はい、お待たせ」コトッ
ライラ「わざわざライラさんのためにありがとうございますですー」ペコリ
千鶴「べ、別に自分の淹れるついでだから、気にしないでいいのに……もしかして、バレてる?……ハッ、い、今のなし!」
P「安心しろ!もうちーちゃんが心優しい気遣いの出来る子だって説明はしたから!」
千鶴「え?プロデューサー、何を……って、いうか、え?ちーちゃん?」
ライラ「ちーちゃん?」
P「ちーちゃん」
千鶴「な、ななな、なんでいきなり!?あ!?ちょっと!あのポーズのことは内緒にしてって言ったのに……!」
ライラ「あのポーズ?」
P「あらーちーちゃん自爆してる」
千鶴「え?え?……待って、状況が掴めないんだけど……」
ライラ「プロデューサー殿、あのポーズとはなんのことでございますですか?」
千鶴「だ、ダメ!それだけはダメ!!秘密!絶対に秘密だから!!」
P「うむ。ライラさんがこれからあいつをちーちゃんと呼び続ければ、いつかわかるかもしれないな」
ライラ「おー。不思議でございますが、日本ではそういうしきたりがあるのでございますかー」
千鶴「ない!ないから!だから忘れて!あとちーちゃんって呼ばないで!……仲良しっぽくて嬉しいけど……ハッ!?違う、違うから!」
P「見ろ。ちーちゃんも本心では嬉しいご様子。さ、ライラさんもご一緒に!あ、そーれ」
ライラ「チヅルさんはちーちゃんさんと呼ばれると嬉しいのでございますですね。そうなのでしたらライラさんもちーちゃんさんとお呼びしますですー」
千鶴「グゥッ……!」
P「ライラよ、ちーちゃんとあだ名で呼ぶときは「さん」は着けなくてもいいと日本の法律で決まっているんだ」
ライラ「法律でございますか!はー、やはりプロデューサー殿は博識でございますですー」
千鶴「し、信じちゃダメ!それ嘘だから!」
ライラ「ですがちーちゃんとお呼びした方が嬉しそうでございますよ?」
千鶴「そ、それは……でも……!!……う、嬉しい。けど嬉しいなんて言えるわけないじゃない……ハッ!?」
P「もう不器用なんだか素直なんだかわかんねぇなちーちゃん」
ライラ「ちーちゃんは悩ましいお気持ちなのでございますねー」
千鶴「な、なにこの状況!?今日は厄日なの!?」
P「ちーちゃんは可愛いなぁ」
ライラ「ちーちゃんは可愛いのでございますー」
千鶴「ああぁ……!!」
P「ひとしきりいじった後にネタばらし」
P「すると千鶴は「じょ、冗談だったの!?……ちょっと嬉しかったのに……ハッ!?」というお約束をしっかりやってくれた」
P「あれ以来、ライラは千鶴のことをちーちゃんと呼ぶようになり、一部ではすっかり定着してしまったようだ」
P「そのうち大々的に、ちーちゃんラブリービームをメインに据えた仕事をさせよう。そう俺は心に決めた」
*
P「色とりどりの「ちーちゃん」、皆様いかがでしたでしょうか?」
P「あんなちーちゃん。こんなちーちゃん。あなた好みのちーちゃんが見つかったとしたら、私の人生における至上の喜びでございます」
P「それでは皆様も、素敵なちーちゃんライフをお送りください。お相手はPでした」
終わり
初SSにつき見苦しい個所や誤字脱字等はご容赦を
気が向いたら次は「さっちゃん」か「みっちゃん」やるかもしれない
乙
リッチャンは…あんまり居ないか
>>33
りで始まる子数えてみたら(多分)7人はいるみたいだから考えておく
このSSまとめへのコメント
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