幼 「だってアンタ弱すぎるもの」
男 「あっそ」ビュンッ
パシッ
男 「い」
幼 「あまりにも幼稚な手……」
グルン!
ドス!!
男 「グハアッ!?」
男 「ゲホッゲホッ!!」
幼 「……」
男 「あ、アスファルトの上に思い切りたたきつけやがって……」
幼 「自業自得」
男 「お、今日は水色のパンツか。へへ、良いもん見ちまったなラッキー」
幼 「……」
幼 「えい」グシャ
男 「グボハァ!?」
男 ピクピク
幼 「……」スタスタ
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思いつきと勢いだけ。えたらんように頑張りたいです
友 「おーい生きてるかー」
男 「……」
友 「あ、こりゃダメだ。喪服用意せんと」
男 「勝手に殺すな。ヨッ」ハネオキ
友 「お、生きてた」
男 「当たり前だろ。そんなヤワな鍛え方してねーよ。それにしてもやっぱ勝てねーな」
友 「もうやめとけって。毎朝毎朝」
男 「いーややめないね。絶対俺はあいつより強くなる。絶対にな」
友 「どーしてお前がそこまで思ってるのかなんて今更聞かねーけどそういうのは道場でやれって話。登校中にやんのは迷惑だぜ。割とマジで」
男 「まぁ…そう言えばそうだけどよ……」
友 「いや、もう俺ら高2だろ。常識を考えろ常識を。今のお前、端から見たらただの通り魔だぞ」
男 「通り魔!?人聞き悪ぃこと言うなっ!?」
友 「そりゃ幼ちゃんは実家が空道の道場で本人もバリバリのサラブレッドだし、そんじゃそこらの男じゃ相手にもならねーんだろーけどさ。見た目はちっこくて可愛らしい女の子なんだぞ。しかもルックスも上の上。そんな彼女に日々お前がしてることは何だ?」
男 「果たし合い」
友 「お前はそうかもしれんが、今のご時世それお巡りさんが見たらお前一発退学だかんな」
男 「何でだよ!痛めつけられてるのは俺だろ!」
友 「突っかかるお前の自業自得だろうが」
男 「ぐぐぐ…!何でお前がそこまであいつの肩もつんだよ!」
友 「幼友ちゃんに言われたからだよ。いい加減止めてってさ」
男 「え」
友 「『私の親友に傷一つ付けたら叩っ切る』だとよ」
男 「オゥ…」
友 「俺はお前のそういうとこ嫌いじゃねーけど、周りは結構引いてるからな」
男 「ま、マジか……。俺って空気読めて無い系か?」
友 「うん、大分前からから」
男 「ホーリーシット」
友 「やべ、もうこんな時間じゃねーか。とりあえずそういうことだから暴れるのは人がいないとこだけにしとけよ。おら急ぐぞ脳筋」
男 「お、おう」
─────昼休み 教室─────
幼友 「幼-!ご飯食べよー!」
幼 「そりゃ食べるけどさ。その『ご飯食べよー!』毎回言わなきゃダメなのあんた?」
幼友 「親しき中にも礼儀ありでしょ?私たち親友だけどちゃんと断りを入れなきゃ」
幼 「たかが昼ご飯食べるだけなのに」
幼友 「もうー!幼それでも武道家なの?ちゃんと礼儀良くしなきゃ!」
幼 「別に私は自分が武道家だなんて思ってないし…」
幼友 「細かいことは気にしないの!もう早く食べよ!お腹空きすぎて倒れちゃうよ!はい、手を合わせてください!」
幼 「はいはい」パン
幼 幼友 「「いただきま」」
男 「ちょっといいか」
幼 幼友 「「アアン!!?」」ギロギロッ
男 「ひっ!?」
幼友 「あんたさぁ……今の流れ見てて良くこのタイミングで声かけれるわよねぇ……」ギロギロ
男 (この子怖い。キャラコロコロ変わるから怖い。超苦手)ダラダラ
幼 「待って幼友。コイツが空気読めないのは昭和の時以来だから」
男 「生まれてねーよ!お前と同じ平成生まれだろ!」
幼 「うっさい単細胞。で何よ。さっさと要件を言いなさいよ。ミラクルとんちんかん」
男 「昭和人間はお前だ!」
男 (クッソー殴りて-!多分100倍返しだけど)
幼 「いいから何なのよ。早く要件言って」
男 「……いや、その、あれだ。幼、迷惑だったか?」
幼 「何が?」
男 「いや、だから今朝の決闘」
幼 「決闘?私は道端に落ちてたゴミを踏んづけただけなんだけど」
男 「ゴミとはなんだゴミとは!!」
幼 「ゴミそのものじゃん」
幼友 「右に同じ」
男 「お前の右手側は俺だ!っていうか俺はゴミじゃねぇ!」
幼 「じゃあ何だって言うのよ」
男 「決まってるだろ。俺はお前の終生のライバルだ!いつか絶対俺はお前より強くなってやるからな!」
幼 「……」
幼友 「……」
周りのクラスメート 「……」
ガララッ
友 「おーい男。パン買ってきたぞ……て」
シーン……
男 「な、何だよ。む、無視すんなよお前ら!」
友 「あっちゃあ……やらかしたなまたお前」
幼友 「友君!ちゃんと男君にあのこと言ってくれたんでしょうね!」
友 「俺はちゃんと警告しといたんだけどなぁ」
幼友 「じゃあ何でこのゴミはまだ幼に纏わり付こうとしてんのよ!」
友 「俺が知るかよ。まぁ多分こうなるだろうなぁとは思ってたけどな。最高に空気読めねーしコイツ」
幼友 「空気が読めないレベルじゃないよこれ!何かの病気なんじゃないの!?」
男 「な!?お前今何て!」
幼 「男!!」
男 ビクッ!
幼 「……あたしが何に怒るかランキングトップ3って知ってる?」
男 「し、知らん」
幼 「第3位。おなか減ってる時にウザいことに関わること」
幼 「あたしは今最高にお腹減ってる」
幼 「何なら2限終わったときに早弁してやろうかと思ったぐらい」
男 「お前昔からスゲー喰うもんな!」
ガンッ!
幼 「何か言った?」ユカヘコミー
男 「イイエスイマセンデシタ」
幼 「とにかく昼の邪魔しないで。今すぐ消えて」シッシッ
男 「……わかったよ。悪かったな邪魔してよ」
幼友 「もう2度と幼に近づかないでよね!」
男 「……チッ」トボトボ
幼友 「改めまして頂きまーす!」
幼 「頂きます」
幼友 「モグモグ」
幼 「ごちそうさまでした」カポッ
幼友 「はやっ!!?え、嘘!?何でもう食べ終わったの!?まだ1分も経ってないよ!?ていうか幼のお弁当私の3倍はあったよね!?」
幼 「あぁ、私早食いが特技だから」
幼友 「特技の域越えてるよ!魔法だよそんなの!ていうか知らなかったよそんな特技!」
幼 「ハハハ、まぁ特技なんて人それぞれだし。それよりもさぁ、ちょっと聞いてもいい?」
幼友 「何?私はゆっくり食べるからね」モグモグ
幼 「幼友、あいつと何かあったの?」
幼友 「あいつ?」
幼 「男よ」
幼友 「男君?特に思い当たる節はないけど?」モグモグ
幼 「そう?何か凄いあいつに突っかかってたし、友君にも何か言ったんでしょあいつのことで」
幼友 「毎朝毎朝私の親友に暴力振るうのやめてって言ったんだよ」モグモグ
幼 「暴力か……。幼友にはあれが暴力に見える?」
幼友 「暴力以外の何なのよ。もちろん幼はめっちゃ強いハイパーミラクルJKなのは百も承知だけどさ。それでも男君は立派な男の子なんだよ。絶対おかしいよ今の状況」モグモグモグモグ
幼 「……そうね。確かにおかしいわよね」
幼友 「とにかく、幼にとって男君は昔からの幼馴染みなのはわかるけどそろそろズバッと関係切った方がいいよ」ゴチソウサマデシター
幼 「悪いけどそれはあたしが決めること。幼友の気持ちは嬉しいけどあたしは大丈夫だから」
幼友 「……まさかとは思うけど……男君のこと好きなの?」
幼 「好きでは無いわよ」キッパリ
幼友 「随分キッパリ言うんだね。でもそれって本当の気持ち?」
幼 「あたしの今のこの感じで恋するオーラ出てると思う?」
幼友 「まぁそれはわかったけどでもこれからどうするの?また明日から男君の馬鹿騒ぎに付き合うつもり?」
幼 「……そうねぇ。それもいい加減ウザいわよね……」
幼友 「じゃあ……」
幼 「そろそろ決着つけようかな」
────放課後 校門前────
友 「待てよ男」
男 「友か」
友 「友か、じゃねえよ。何勝手に帰ろうとしてんだ」
男 「約束してたか?」
友 「約束しないと帰らん仲でもねーだろ」
男 「そう、だな。スマン」
友 「ハァ……。こうなることも薄々分かってはいたけどよ。スゲー落ち込みっぷり」
男 「別に落ち込んじゃいねーよ」
友 「嘘ばっか。分かりやすすぎだからお前」
男 「……やっぱお前も迷惑だったか。毎朝のこと」
友 「超迷惑だぜ。俺なりにヒヤヒヤはするし周りの目は痛ーし」
男 「だよな……スマン」
友 「でも一時期のお前を知ってる身から言わせてもらうと、そんなこと屁でもねーと思っちまうのも事実だけどな。ま、気にすんな」
肩ポン
男 「友……」
友 「おい気持ち悪い目で俺を見るな。アッー!な展開をご希望なら帰り道の公衆便所にダイブしてこい」
男 「あいにく俺の家にはローズでディープな雑誌はねーよ」
友 「ちげぇねぇ」
「「ハハハハハハ」」
友 「じゃ帰ろーぜ。今日はチャンピオンの発売日だかんな。コンビニ寄るぜ男」
男 「そうだな、帰るか」
幼 「今週の刃牙道読みたいなら、うちにもう置いてるわよ男」
男 「ん?」
友 「お」
男 「幼……」
男 「と幼友ちゃん」
幼友 「フン……」プイッ
友 「何か用か。もうあの件ならいいだろ。ちゃんと男にも伝えたし本人反省してるし」
幼 「反省ね。あたしはまだ男からちゃんと丁寧に謝罪して貰ってないんだけど」
男 「……すまなかった。お前がそこまで迷惑してると思ってなかったから」
幼 「フーン、案外素直じゃない。まぁ許さないけど」
男 「え」
幼 「だってそうでしょ。毎朝いつもいきなり仕掛けてきて」
幼 「こっちはスッゴーく怖かったんだからね!」ウルウルッ
男 (……コイツ何言ってやがる。この世でお前が怖いのはアレだけだろうが)
男 「じゃあどうしろって言うんだ。金なんかねーぞ」
幼 「……ホンットいちいちあたしを苛つかせるわよねアンタ」
幼 「アンタのやったことは金何かで許すわけ無いじゃない」
男 「……」
幼 「男。アンタ今から道場に来なさい。そこで払って貰うわその身体で」
友 「おいおい、いくら幼馴染みでも逆レイp」
幼 「……何か言った」ギロッ
友 「んな空気な訳ないですよねー。ハイスミマセンデシタ」
男 「……何やらせるつもりだよ」
幼 「乱取り10本よ。もちろん実戦形式でね」
男 「それ分かってて言ってんのか。俺は『破門』されてる身なんだぞ」
幼 「それは心配しないで。今日は父さんと母さん本部の方に出掛けてるから今日帰ってこないし」
幼 「それにあたしは今乱取りって言ったけど稽古のつもりはないから」
幼 「これは『お仕置き』よ。今までの分キッチリ返させて貰うわ」ニヤァ
ゾクゾクッ!!
男 「……良いぜ。つまり俺はお前と決闘と考えていいんだな」
幼 「好きになさい。抗えるものならね」
友 「死んだな男……」
幼友 「右に同じね」
友 「いや、君俺の右側にいるから……」
とりあえずここまで。毎日更新できたらええなぁ……
─────夕刻 幼馴染みの家兼道場─────
キュッキュッ ギュッ
男 「……良し」
男 「準備できたぜ幼」
幼 「そう。スーパーセーフ(防顔具)はしっかり付けたんでしょうね」
男 「ああこの通りだ。拳サポも大丈夫だぜ」キュッキュッ
幼友 「友君」
友 「ん?」
幼友 「私空道って初めて見るんだけどどんな格闘技なの?」
友 「あり?君幼ちゃんの親友じゃないの?見るの初めて?」
幼友 「幼と友達になったのは1年ぐらい前だし、幼がやってることってあんまり教えてくれないんだ。幼の家には何回か遊びに来てるから道場あるのは知ってるけど、道場の中に入るのはこれが初めて」
友 「そっか。それじゃまー簡単に説明するから、って言っても俺だってやったことないし、男のおかげで少し知ってるだけってレベルだからそこ踏まえてね」
幼友 「うん」
友 「超簡単に言うと空道ってのは柔道と空手をくっつけた様な感じの格闘技だな」
幼友 「?? 柔道と空手?それって用は何でもありってこと?」
友 「幼友ちゃんが考えてるよりも何でもありだと思うぜこの空道ってやつは。何て言ったって膝はもちろんのこと、一般的な格闘技では禁止されている肘打ちや、はたまた頭突きだってOKなんだからさ」
幼友 「え……それってただの喧嘩なんじゃ……」
友 「いや端から見たらそうかもしれないけどそんな単純なものじゃないと思うぜ。喧嘩にあんなごついもん顔につけるか?」
幼友 「あれで完全に顔を守ってるんだね。そっか、だから幼はめちゃくちゃ強い武道家なのにあんなに綺麗な顔してるんだね」
友 「まぁそうなんだろうけどな」
幼 「ファウルカップは?って聞くまでもないか」
男 「当然だ。お前と俺の身体指数は30以上あるんだからな。遠慮せずに蹴ってきていいぜ」
幼 「もちろん。アンタもね」
友 「な……!?」
幼友 「え?どういうこと?」
友 「金的も有りだってことかよ!?」
幼友 「キンテキ?」
友 「……お互いに股ぐら蹴り合ってもいいんだってよ……」
幼友 「」
友 (何でもありだって分かってたけどまさかここまでとは……大丈夫かよ男……)
幼 「後確認だけどうちの道場における乱取りは、通常の空手で言う自由組み手じゃない。意味分かるわよね?」
男 「当たり前だろ。完全なる試合かつ実戦形式。それを10本だったな」
幼 「あ。あくまで10本は私の方でアンタは1本でもとれたらその場でアンタの勝ちでいいから」
男 「……随分安く見られてんじゃねーか」
幼 「1ヶ月前から毎朝毎朝挑んできてこのあたしから1本とれたことあったかしら?」
男 「もうご託はいい。さっさとはじめるぞ」
幼 「ハイハイ。それじゃあ」
男 幼 「「よろしくお願いします」」
男 (さて、始まっちまったが、まずは何でいくか……)
男 (幼に生半可な攻撃が通用しないことはこの俺が一番わかってる)
男 (一撃一撃に決定打を与えるつもりでいかないとな)
男 (…………それにしてもこの感じ………)
男 (この……この匂い……幼のこの構え……何も……あの日から……何も変わってない)
ウルッ
男 (何だ?俺の目に)
幼 「シイッッッ!!」ズバッ
男 「!?」
グラァ
男 (何だ!?どっちだ!?どっちの拳で殴られた?)
男 「クッ」ガクガク
幼 「アンタが反撃不能になって4秒経ったわ。まずあたしの1本勝ち」
男 「く、クソ……」
幼 「何初っ端から居付いてんのよ。隙だらけだったわよ」
男 「……へへ、こんぐらいハンデだよ」
幼 「……」
幼 「立って構えなさい男。こんなもんじゃないでしょ」
男 「もちろん」スタッ
友 「……イマゼンゼンミエナカッタネ」
幼友 「幼って戦闘民族だったんだ」
友 「いやマジでそう思えてくるぐらいの突きだったぜ……速すぎだろ……常識的に考えて」
幼友 「でもさ、あのスーパーセーフっていうのを着けてもああなっちゃうんだね」
友 「……ああそうだな」
友 (あんなの着けてそうそうグラつくかよ。多分幼ちゃんの突きが正確過ぎる故の脳振盪だと思うけど……)
友 (男……マジでお前生きて帰れないかもな)
とりまここまで。空道おもしろいよ
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