【安価】男「これが……俺の能力?」 (86)

男「この能力は……」

能力の内容↓2

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男「物体を1センチだけずらす能力?」

男「使えるのかよ」

男「おりゃっ」

男の目の前にあるペンが右に1センチ動く

男「……微妙じゃね?」

男「テレビでも見よ」

テレビでは臨時ニュースが放送されていた。

レポーター『30分ほど前から○○街のコンビニエンスストアで強盗が立てこもりを……』

レポーター『新しい情報が入りました!立てこもり犯は人質を!人質をとっています!』

男「まじ?物騒だな」

男「○○街ってここじゃん」

男「野次馬に行こう」

男「野次馬多いな。コンビニが全く見えない。すし詰めだわ」

男「あ、そうか」

男が適当に手を前を出し念じると、周囲の野次馬たちが1センチずつ脇にずれる。

男「おー、モーセみたい。ちょうどかき分けて進むスペースはできたな」

男「すいませーん。通りまーす」

男「コンビニが見えてきた」

強盗『○×△!!』

男「建物から何やら叫び声が聞こえるな」

警官「ここから先は入らないでください」

男「うーん、警官が何人かいて野次馬が入れないな。人質とってるみたいだけどどうしよう」

男「選択肢は2つだ。

1、帰る

2、警官を無視してコンビニまで近寄る

ちなみに俺は自分の行動を選択肢を設けて決めるのが大好きなタイプだ。独り言だが」

男「さて、どーしよ」

↓2

男「2、警官を無視してコンビニまで近寄る。警官の気を引こう」

と、警官のズボンを下方向に1センチずらす

警官「おっとと……。あ!キミ!テープから奥に入っちゃいけないったら!」

男「無視無視。あ、コンビニの扉は別に封鎖されてるとかないみたいだな」

と、コンビニの中に入る

男「おじゃましまーす」

コンビニには、強盗男が急に現れた男に驚いている。

人質は店員2人と客1人。ガムテープで目隠しされ、腕と足を縛られた状態で座らせられている。

強盗「なんだお前は!交渉人か?」

男「普通の人だよ」

店員1「んむー!」フガフガ

強盗「だまっとれ!」

強盗は座っている店員1の顎を蹴り上げた。

店員1「んがっ!うううう……」

店員1は悶え苦しんでいる。

男「なんだか許せん!そして能力があれば勝てそうな気がする!」

強盗「何しにきたんだ!死にに来たのか?ァァン?」

強盗は興奮した様子で折り畳みナイフを振り回して男を脅す。

男「なんだか勝てそうだし来たんだよ」

強盗「気でも触れてんのかてめェ!人質がどうなっても……」

男が手を前に出し、強盗が持っていた折り畳みナイフの可動部を可動する方向に1センチずらす。可動部をずらされた折り畳みナイフの刃は重力に従って強盗の人差し指に噛みついた。

強盗「いっ」

指に浅い切り傷を付けたが、強盗は動揺している。男が能力を使ったとは気づくはずもない。

男「手袋も付けずにナイフだけで強盗に来たの?バカなの?死ぬの?」

男「どうしよ。強盗は弱そうだ。

1、強盗をこらしめる

2、まずは人質から助けよう」

↓2

男「1、こらしめる」

強盗「何をぶつぶつとぉ!」

強盗は折り畳みナイフを再び直し振り回す。

男「無駄なことはやめて出頭したほうがいいんじゃないの?」

折り畳みナイフの可動部をまたずらす。さっきと同じく刃は強盗の指に当たり、傷をえぐる。

強盗「ぐっ、なんで肝心な時に!」

男(同じ物体は何度もずらせないみたいだな)

ナイフの刃先を強盗の指に向けて1センチずらす。刃は指の肉に食い込み強盗に鋭い痛みを与える。

強盗「いぎぁッ!あ、あああ」

男「次でとどめになるか?」

男は手をかざし、強盗の指をナイフの刃が刺さっている方向とは逆に1センチずらす。

強盗「~~~~ッ!!」

強盗は悲鳴を上げ転がり回った。ナイフは指に合計して2センチ食い込み、ドロドロとした血が刃を濡らす。

男「あんまり動くと指もげるぞ」

強盗「ひぃぃぃぃぃぃ!!」

強盗は、血の吹き出る指を抑えながらのた打ち回り、失禁した後気絶した。

男「強盗が小心者でよかったが、ことの重大さに気づいた。人質を助けよう」

男「ノリで来たけどこれからどうしよう」

店員1「ありがとうございます!ありがとうございます!」

店員2「なんとお礼を申し上げれば……」

男「いえいえ、礼には及びません(俺ヒーローじゃん。すごいかも)」

男「次は客だな」

人質だった客のガムテープを外すとそこには見覚えのある顔が……

誰?↓2

人質にされていたのは、ポニテ少女だった。小さく縮こまり震えている。

男(女の子だったのか。今まで気づかなかった……。ガムテープ貼られていたし、俺自身テンション上がってたし)

ポニテ少女「あ……」

男(目があった。くそ、緊張するな……。童貞だし)

男「あの……」

さっと「「「「犯人確保ォォーっ!!」」」」ゾロゾロ

男「なんか来た」

さっと隊員1「大丈夫ですか?」

男「はい」

さっと隊員2「とにかく、ここから皆さん出ましょう。話はその後で」

さっと隊員3「人質全員無事ーーーーッ!」

レポーター「たった今、強盗の身柄が確保されたようです!人質は全員無事、全員無事だそうです!」

男はその場で簡単な事情聴取をされていた。

警官「キミ、なんであんな危ないことをしたの!」

男「いや、あの……」

男(能力が使えて調子に乗っていたとは言えないし、信じてもらえないよな)

すると、コートを着た男が現れ警察手帳を見せた。どうやら刑事らしい。

刑事「なに?この子?」

警官「はいっ!彼です!勝手にコンビニに入って……」

刑事「そ……。で、キミの名前は?」

警官「本官は!」

刑事「おめーじゃねーよ。キミだよ、キ・ミ」

と男の指を指す。

男「あ、俺、男です」

刑事「はい男くんねー。学生?」

男「はい」

刑事「はーい」

男(この刑事ヤスケンに似てる)

刑事は簡単な質問をしながらメモを取っている。

刑事「で、コンビニでのことなんだけど。店員さんたちが男くんが助けてくれたって証言してるのね?本当かな?」

男「え、あ、はい」

刑事「じゃ、強盗のことなんだけど……。彼、指に怪我してるんだよ。結構深いやつ」

刑事は、うつむき気味になっている男の顔を覗き込みながら尋ねる。

刑事「男くんがやったのかなぁ?強盗がやったと考えるのは無理があるんだよねぇ……」

男(う、困った。あれはなんと答えていいのやら。答えを拒否して変に疑われるのも厄介だし)

男(選択肢は2つ

1、正直に「俺、能力があるんです」と説明しちゃう。

2適当に「俺が得意のクァラァテでやりました」とはぐらかす)

↓2

男(1、正直に「俺、能力があるんです」と説明しちゃう)

男「あ、あの刑事さん。それなんですけど」

刑事「なに?」

男(言っても信じてもらえないだろうが、見せたらけっこう……)

男「実は俺、こういうことができて……」

と、手をかざし刑事が持っているペンを右にずらした。ペンは刑事の手をすり抜けるように、動き地面に落ちる。

刑事「へぇ……」

男(あまり驚かないな。興味深そうに眺めているけど)

刑事「ま、今日は遅いし帰りなよ。キミは『強盗から人質を守り助けたヒーロー』だからね! 学校で表彰式とかあるかも」

男「あの!刑事さん!そ、その俺の能力のことは」

刑事「ささ!帰りなさい。親御さんが心配してるかも」

男「あの」

刑事「さぁ早く! マスコミとか来るから!」

刑事「話は明日。学校の帰りに署に来てくれ」

男「え」

刑事「いいね?」

男「あ、はい」

刑事「じゃ、ここはボクに任せて」

押し寄せるマスコミを刑事が止めてくれたので、その間に男は家へ帰った。

男が家に帰ると、親が色々聞いてきたのは言うまでもない。

最初は適当にごまかすつもりだった。しかし、コンビニから出てくる男の姿はヘリからの撮影でバッチリ全国放送されていたのだ。

観念した男は自分の能力のこと以外全て話した。

男「疲れてるし今日は早く寝よ」

と思ったが眠れるはずもなく。脳裏に浮かぶのは怯えたポニテ少女の姿と刑事の不穏な態度。

男「明日学校行きたくねぇ」

結局寝れた。

1つづく

2つづかない

↓2

つづいたらまた明日。おやすみなさい

カーチャン「朝だよ、起きろ」

男「朝だ。学校行こう」

男は学校で人気者になっていた。

生徒達「「「わいわいがやがや」」」

男「今日だけだろ。しかし、悪い気はしないどころか気持ちがいい」

男「人気者のうちにやっとくことはあるかな」

↓2

男「ミニスカの女の子のスカートを上にずらそう」

男「ビッチくせえギャルにやったろ。減るもんじゃなし」

男が、男子と話しているミニスカ女の方向に手をかざすとスカートが1センチ上にずれた。

男(見えた!ピンクのヒラヒラしとるパンツが見えた!)

DQN1「あ、ミニスカのパンツ見えてるwwwwwwww」

DQN2「マジwwwwwwwwww」

ミニスカ女「え?あ!ちょ、見んな!見んなし!wwwwww」

DQN3「そのパンツの下も見せろよwwwwwwww」

男(DQN怖いわ……。でも帰ったら抜こ)

DQN3「見せろやwwwwww」

ミニスカ女「やめてってば!」タタッ

男(案外かわいい反応だな。めちゃシコ)

DQNたち「逃げたwwwwww」

男の能力を知る者は自分自身とあの刑事しかいない。優越感に浸りながら男は他の女子のスカートをずらし脳内フォルダに保存していた。

男「あ、帰りに警察署に行かなきゃな……」

男は昨日の刑事を訪ねるため、警察署へ向かった。

男「あの……刑事さんいますか」

刑事「私だけど」

刑事「ああ、男くんか。こっちの部屋で話そう」

男「あ、はい」

男「って、ここ取調室じゃないですかー、やだー」

刑事「偶然開いてたからね。仕方ないね」

刑事「で昨日の話なんだけど……」

男「警官を無視してコンビニに行ってしまったことですか?」

刑事「違う」

男「強盗にどうやって怪我を負わせたかですか?」

刑事「違う。近いけど」

男「じゃあ、一体……」

刑事「キミの能力についてだよ。鈍いなぁ」

刑事「キミの能力は『物体を1センチだけずらす能力』で間違いないね?」

男「そうです。昨日もお話した通り」

刑事「ウソついてない?」

男「つきませんよ!」

刑事「ふーん……。ま、素直でいいんじゃないか?」

刑事は少しつまらなさそうに頬杖を付いた。

男(なんか急にそっけなくなったな)

刑事「……かく言う私も実は能力を持っていてね」

男「!?」

刑事「いや、能力を持っていると言うから『そっち側』の人だと思ったんだがね」

男「そっち側?」

刑事「いや、こっちの話ね。キミは別に知らなくていい」

刑事「キミは正直者だね。私的には面白くないが、悪いことじゃあない」

男(腹立つな。しかし、この人も俺みたいな超能力を持っているのか?)

刑事「正直者なキミに私の能力を教えてあげよう」

男(聞いてないけど、気にならないわけはない……。黙って話を聞いておこう)

刑事の能力↓2

刑事「私の能力は『相手の発言が本当の事かわかる能力』。まぁ嘘発見器だね」

刑事「さっき、男くんに『ウソついてないよね?』と聞いたよね?」

男「……」

刑事「分かってたんだよねぇ。ウソついたなら『そっち側』の人間ってすぐに分かっちゃうんだよねぇ」

男「試したんですか?」

刑事「そ。これで私はキミに能力を明かして、対等な関係になれたってわけだ」

男(勝手な……)

刑事「あいにくボクの能力は戦闘には向かない。でも、キミの能力ってすごいよねぇ!すごく強い」

男「そ、そうですか?あまりそうは感じないけど……」

刑事「謙遜なさんな、男くんさぁ。見てごらんよ、この取調室の柱。ボルトで固定されてるだろう?」

男「ええ」

刑事「建築物はね。1ミリのズレも許されないんだ。そこのボルトを1センチずらしてごらん」

刑事は芝居がかった口調でまくし立てる。

刑事「その柱を1センチずらしてごらん。その壁を! そのドアを!」

刑事「この警察署はバランスを崩し崩壊する」

男(こいつやべえ)

刑事は一息置くとため息を付き、興奮を抑えた。

刑事「ハハ、冗談だよ」

刑事「敢えてキミは能力をそのように使わずに、強盗を懲らしめた。それってすごいことじゃないか?」

男「ええ!? ええと……」

男は脳裏に学校で見た女子のパンツのことを思い出したが、無理やりそれを消し去った。

刑事「キミは正真正銘の正義の味方になれそうだな」

男「そんな子供じゃあるまいし……」

刑事「今、嘘付いたね」

男「え」

刑事「正義の味方っていいよね。気持ちいいよね。自分の気持ちに嘘をついちゃいけないよ」

刑事は骨ばった顔を弛ませ微笑んだ。

刑事「ねえ男くん。もう一回さ」







刑事「正義の味方やらない?」

男(やべえ、やべえよ。この刑事頭おかしいよ。不用意なこと言えば全部見透かされそうだしどうしよう)

刑事「……」

刑事は黙って男の出方を窺っている。

男(いや、でも強盗を倒した時のあの感覚は悪くはなかった。かなり気持ちが良かった。しかし、いや、でも)

男(選択肢は2つだ。

1、正義の味方になる

2、平穏無事な一般人として生きる)

↓2

男「1、正義の味方になる」

男「正義の味方に俺、なります」

刑事「いい判断だ。では、本題に入ろう」

男(本題って……。この刑事、最初からそのつもりだったのか)

刑事「この○○街で最近不可解な事件が頻発している」

刑事「範囲は万引きから殺人まで。『奪われた』『殺された』という事実は残るのだが、それが『どのように』行われたかが科学的物理学的観点から捜査しても皆目見当がつかない」

刑事「私は、この一連の事件の犯人を男くんや私たちと同じ『超能力者』だと踏んでいる」

男「へぇ……」

男(帰って抜きたい)

刑事「法では裁ききれないし、そもそもその超能力の存在を国が信じ認める訳がない」

刑事「それを私だけでやるには力不足だった」

男「そこで俺ってわけですか?」

刑事「そう。キミだ」

刑事「悪の超能力者を倒す正義の超能力者がキミだ。いいだろう?」

男「そうですね」

刑事「嘘をついたね。まだ、迷いがあるようだ」

男(めんどくせーな、こいつ。でも刑事なんて国家権力様々を学生の俺が敵に回すなんて無理だし、確かに正義の味方になれるのは嬉しい)

男(とりあえず、黙っているしかないみたいだな)

刑事「迷いなんてすぐ忘れる。戦う正義の味方はみんなそうさ」

刑事はポケットから一冊の手帳を出した。茶色い革の手帳。警察手帳とも違うし、昨日簡単な事情聴取を受けたときに持っていたメモ帳とも違うようだ。

刑事「さぁ、キミの初仕事だ。この手帳には私が調べたこの街にいる超能力者が載っているリストがある」

男(こんな個人情報、どこから……)

刑事「この写真を見てくれ」

男「…………!?」

刑事「びっくりした? この写真を見て、このリアクション。『知りません』なんて言えないよね」

男「……はい」

刑事「誰かなぁ?」

写真には忘れようにも忘れられない顔が写っていた。

それは――







男「昨日のコンビニにいた『ポニテ少女』……です」

刑事「明日の夜、彼女を見張って欲しい。戦う必要はない。できるね?」

男「はい」

男は刑事の強引な誘いを敢えて断らなかった。

刑事は明らかに怪しい男だ。しかし、それを不審に思うより『他の超能力者がどんなやつなのか見てみたい』という好奇心が先に行ってしまった。

男は、とにかく『正義の味方』の気持ちよさを早く味わいたかった。

男「がんばります」

刑事「ボクの連絡先はここね。明日、メール送るから」

男(一人称安定しねぇな)

刑事は男に名刺を渡すと、さっさと取調室から出るよう促す。

刑事「じゃ」

男(そっけないな)



男「今日は普通に眠れそうだ」

今日の学校で見たミニスカ女のパンツネタで2発抜いたら、ぐっすり寝れた。

1、つづく

2、つづかない

↓2 おやすみなさい

刑事は車の中で菓子パンをむさぼっていた。右手にはパンを、そして左手には超能力者のリストが載っている手帳を持ち、独り言をつぶやきながら何かを確認している。

刑事「彼は本当に『こっち側』の人間なのかな……」

リストは顔写真と簡単な文章で構成されていた。文字はわざと崩して書かれていて、彼にしか読めない暗号になっているのだ。

刑事「今月の赤バツは……と」

刑事は何人かの顔写真に赤いペンでバツをつけると安心したようにため息をついた。

刑事「だいぶ減ったんだね……」

真新しいページを捲ると、そこには男の顔写真があった。

刑事「さて、仕事だ」

場面は変わって学校。

男「学校早く終わらねーかな」

男の人気者としての賞味期限はとっくに切れていた。昨日まで女子にまでちやほやされていたのが嘘のようだ。時刻は13時、各々グループを作るなりして昼食をとっている。

男「あれ、カーチャンが作った弁当……忘れてきたみたいだな」

男「帰ったらすげー怒られるわ」

男「どーしよ」

男「選択肢は2つ。

1、学食でパンでも買ってくる

2、友達に弁当を分けてもらう」

↓2

男「2、友達に弁当を分けてもらう」

男「というわけで弁当分けてくれ」

友「いいよ」

友(♂)は男とそこそこ仲がいいやつだ。

友「はい、タコさんウィンナー」

男「サンキュー」

DQNたち「ギャハハハハwwwwwwww」

男「……」

友「……」

DQN1「なぁミニスカ女ァwwwwwwww今からフケて遊びに行かね?wwwwww」

ミニスカ女「あたしはいいよ……」

DQN2「つれねーなwwwwww」

DQN3「ピャーwwwwwwww」

友「あいつら最近すげーミニスカ女ちゃんにつきまとってるよな」

男「そうなの?」

友「そうだよ! お前、俺と同じ教室にいるんだから分かるだろ!?」

男「気にしてなかったけど、昨日もそんな感じだったな」

友「そーなんだよ!」

DQN1「おいwwwwww 付き合いわりぃよwwwwww」

ミニスカ女「しつこい」

DQN1「あ゛?」

ミニスカ女「しつこいんだよ!!」

友「おい男、これヤバいんじゃないの?」

男「DQNとか怖くて誰も近寄らないな」

友「ミニスカ女ちゃんを助けたいけど……。ミニスカ女ちゃん、こんな弱い俺を許して!」

男「友、ミニスカ女好きなの」

友「うるせー」

DQN1「あ? お? やっちゃうよ? 俺やっちゃうよ?」

DQN2「あーww DQN1の『やっちゃうよ宣言』出たわwwwwww」

DQN3「俺たち最強だからなwwwwww」

DQN2「余計なこと言うな」

ミニスカ女「……」

男(待てよ。俺が能力を使えばDQN3人ぐらい倒せるんじゃないか?)

男(誰も気づかないし、怯ませるくらい楽勝だろ。まず俺は正義の味方だし)

男(でもなー、ミニスカ女一人のために能力使うって……)

男(選択肢は2つ。

1、こっそりとミニスカ女を助け。DQNたちをこらしめる

2、めんどくさいし見てる)

↓2

男「1、こっそりとミニスカ女を助け、DQNたちをこらしめる」

男「助けてやるか」

DQNらはミニスカ女を取り囲むような状態。DQN1はミニスカ女の手首をぐいと引っ張ろうとしている。

男「1センチのずれは崩壊へと繋がる……と」

そこへすかさず男はDQN1に手をかざし、身体を位置を1センチずらした。そこにあるのは机。DQN1は自分の感覚のずれと共に、机へドンとぶつかる。

DQN1「お?」

微妙なバランスのズレが起こり重心が少しだけ後ろの方へ傾いた。

男(今だ。スッ転べ)

次に男は机の方向に手をかざした。厳密に言えば、机の脚へ手をかざしたのだ。

丸パイプでできた机の脚は後ろ方向へ1センチ動いた。ボルトが軋み、バキバキと机が悲鳴を上げ出す。

次は机の天板を上方向にずらす。板は剥がれ、1センチ上に浮きDQN1の背中を押す。そして、再び重力に従い落ちた。

重心が後ろに行き、机に寄りかかるような状態になっていたDQN1は、その崩壊に巻き込まれバランスを失い後ろへひっくり返った。

わずか数秒の出来事。男の能力を知らない生徒たちは、「DQN1が勝手にこけて机を壊した」程度にしか感じないだろう。

DQN2「DQN1wwwwwwwwww」

DQN3「だっせww」

DQN1は暫く、打ちつけた腰の痛みに悶え苦しんでいたが、何を思ったのか起き上がりミニスカ女を睨みつけ言った。

DQN1「くっそ……。おい、ミニスカ女。てめぇ……今度ぶっ殺すかんな」

ミニスカ女「え、あたしは……」

DQN2「あー、出たわ。DQN1のぶっ殺す宣言出たわwww」

DQN3「あこれ、まじやばいやつだわw」

捨て台詞を吐くだけ吐くとDQN達は教室を出ていった。

男(これミニスカ女が逆恨みされた感じか?やばいな。見てるだけの方が良かったのか?)

友「DQNだせー」

学校もミニスカ女の一件以外特に何もなく終わり、夜になった。

21時を過ぎた頃、男は刑事からメールをもらった。

やけに長文な刑事のメールを要約するとこうだ。

『ポニテ少女が超能力で悪さをしないか見張れ。攻撃はするな。次の連絡を待て』

というわけで、男はストーカーのようにコソコソ下手な尾行をしていた。

男(女の子を家から追いかける俺っていったい)

男(しかも、ポニテ少女の少女の能力は……)

ポニテ少女の能力の内容 ↓2

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