フレイア「私、ハヤテとの子供が欲しい……」 (22)


ワルキューレ女子寮

ハヤテ「ブッ!? は、はぁ!?フレイア、お前急に何言って……」

フレイア「急じゃ、ないんよ……ずっと考えとったんやけど……ハヤテに好きって言ってもらえてから、ずっと」

ハヤテ「……」

フレイア「でも、もう私15歳やし……自分の子供が同じ歳になる頃、もう生きてないんだなあ、って思って」

ハヤテ「……それは、そうだけどよ。あのな……フレイア、なんで」

フレイア「ん、で。ぶっちゃ、考えて……」





美雲「私を養子にすればいいんじゃないかしら、って」

ハヤテ「帰れ」

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ハヤテ「こんな話するのに美雲さんがいるからおかしいと思ったんだ……なんなんだよ一体!何の冗談だこれ」

美雲「冗談じゃないわ。忘れたの?私、三歳なんだもの。フレイアの子供でも何も問題ないじゃない?」

ハヤテ「大有りだろ……おいフレイア、なんでそんな話になったんだ?分かるように説明してくれ」

フレイア「あんね!私が悩んどったら美雲さんが話聞いてくれて、そしたら美雲さんも今度研究所から出るから行くとこさがしてるんよ、って!」

ハヤテ「そりゃ丁度いいや、養子にしよう。ってなるかよ。わけわかんねーよ」

美雲「私、考えたのよ。フレイアに聞かれてからずっと、私は何故、何のために歌うのかって」

ハヤテ「はぁ」

フレイア「うんうん!」

美雲「私にとっての歌ってなにかしら……私は何?私は 何の為に生まれて、何のために生きているの?」

ハヤテ「……はぁ」

フレイア「うんうん、うん!」

美雲「分からないまま、終わる。そんなのは嫌よ」

ハヤテ「……」

フレイア「うん、うん……!ハヤテ、聞いた!?美雲さん、こんなに悩んどったんよ!ね!?」

ハヤテ「ね?じゃねーよ。こいつ大昔の地球の幼児向けアニメ観ただけだ、昔親父に観せてもらったから知ってる」

美雲「ふふっ。だって私、三歳なんだもの」

ハヤテ「最近それ言えば許されると思ってるだろ。カナメさん困ってたぞ」

美雲「分からず屋ねえ。何をそんなに怒っているの、ハヤテマン?」

ハヤテ「怒るって言うかよ……あとハヤテマンやめろ。引っ張られてんじゃねーよ考えも呼び方も幼児アニメによ」

フレイア「っぶふ、はや、ハヤテマン、っふふ、いひ、いひひひひ」

ハヤテ「お前も笑ってんなよ……ルンピッカピカだなー」

美雲「ふふっ。誰かさんと一緒の時は大体そうみたいだけど?」

ハヤテ「まあ今はあんたがいるから台無しだけどな」

美雲「あら、お邪魔だったかしら」

ハヤテ「今更かよ」

ハヤテ「あのな、俺とフレイアが付き合ってるのは知ってるよな」

美雲「ええ、全銀河が」

ハヤテ「言い方」

フレイア「ハヤテ、あんなみんなの前で『好き』って言って来るんやもん。私、恥ずかしくて……いひひ」

ハヤテ「あの言い淀んでたのそこかよ畜生……ルンピッカピカだなー」

美雲「あら、お邪魔かしら」

ハヤテ「今更かよって言ってんだよ……そう、それで、今日のデートの話をする時に、今みたいに角光らせて、こいつが何て言ったか分かるか?」

美雲「『あんね、ハヤテ……その、明日……私の部屋、来ん?』」

ハヤテ「その通りだけどどっから出てきた今のフレイアそのものの声」

美雲「レイナって有能よね」

ハヤテ「あいつ」

美雲「それで、意識したからこそあなた、今日いつもよりダサさ控えめの気合の入った服装なのね」

フレイア「えっ、あ、ほ、ほんとやね。なんか、今日のハヤテかっこいい……ううん!いつもカッコいいんよ!でもね、うーんと、なんて言うか、ちゃ、ちゃんとしてる!」

ハヤテ「やめろ、触れるなそれに。服買いに行ったら女の店員に『フレイアちゃんとのデートにそれはあり得ない』って全否定されたんだよ」

美雲「ふふっ。さっすが、宇宙に、いいえ、銀河に飛び出す系有名カップルってとこかしら」

ハヤテ「やめろってんだよ」

ハヤテ「……俺の気持ち分かるか?自分の恋人が恥ずかしそうに部屋に呼んでくれて、こっちも割とその、緊張しながらノコノコやって来たらよ」

美雲「えぇ」

ハヤテ「本人より先に美雲さんに出迎えられた俺の気持ち」

美雲「なんて出来た子だ。娘にしたいな、って?」

フレイア「やった!」

ハヤテ「そろそろ言っていいか?お前ら馬鹿じゃねーの?」

美雲「考えてもみなさい。フレイアが私の母親だとどんなに良いことがあるか」

ハヤテ「良い事……?」

美雲「とりあえず、ファンが喜ぶわ」

ハヤテ「真っ当に喜ばせろよ」

美雲「それに私も喜ぶ」

フレイア「はいっ!はいっ!私も喜びます、美雲さん!」

ハヤテ「お前ら付き合えばいいんじゃねーの」

美雲「それは取り敢えずあなたに譲ってあげるわ。でも、ふふっ。フレイア?ハヤテが嫌になったら、いつでも私のところに戻ってきなさい?」

フレイア「ほ、ほいな!いひ、いひひひひひ」

ハヤテ「まんざらでもないどころかこいつら……ルンピッカピカだなー」

美雲「それだけじゃないわ……そうね、実際にシミュレーションして見せれば早いかしら」

ハヤテ「シミュレーション?」

美雲「フレイア?私ちょっと迷子になるから、あなた、私を探してみてもらえれるかしら」

フレイア「ほいな!」

ハヤテ「お前らコンビ組めばいんじゃねーの。それでもファン喜ぶぞ多分」

美雲「――あぁ、困ったわね。こんな見知らぬ路地裏で一人になってしまうなんて」

ハヤテ「単独行動するからだろ、直せよそれミラージュ困ってるぞ」

美雲「このままじゃ私、最強歌姫ミステリアスビーナスを付狙う鬼畜ファッションモンスターメガネに襲われてしまうわ」

ハヤテ「自分で言うなよ最強とか……ロイド散っただろ銀河に」

フレイア「――あー、美雲さんどうしたんかねー。どこ行ったんやろ」

ハヤテ「スッと入るなお前も。ワルキューレって演技稽古もしてんの?」

フレイア「今日は一緒に浜辺でクラゲむさぼり食う約束だったんに」

ハヤテ「仮にもアイドルが何の予定立ててんだよ。メッサーだったらどうすんだそのクラゲ」

美雲「愛しい人の色も意味も失ってしまったけれど、なら味はどうかしら?って話よ」

ハヤテ「聞いてねーよ、お前迷子設定どうした」

フレイア「あ!カナメさん誘うの忘れとった!」

ハヤテ「やめてやれ、これ以上カナメさんの頭痛の種を増やすな。あとメッサークラゲの件まで話したらお前らぶん殴られるぞ多分」

美雲「困ったわね……そうだわ、こんな時は……歌は、神秘!」

~~~~♪

ハヤテ「……歌いだしたな」

フレイア「美雲さん、どこに……あ!この歌……星の色!美雲さんの、歌!」

ハヤテ「……」

美雲「~~~~~~♪」

フレイア「美雲さん……困っとる!路地裏で、一人で……寂しい、会いたい、って!」

ハヤテ「……」

フレイア「こっち……ううん、こっちから……あ!美雲さん!」

美雲「~~~~♪……!フレイア!」

フレイア「美雲さん!」

ギュッ!

美雲「信じてたわ、フレイア……あなたなら、私をここから連れ出してくれるって」

フレイア「いひひひ……美雲さんの、歌が。歌が、教えてくれたんよ……歌は、元気!」

美雲「フレイア……!」

フレイア「美雲さん……!」


美雲「――みたいなね」

ハヤテ「ケータイ使え」

美雲「強情ね。ふーっ。仕方がない……これだけは、使いたくなかったんだけど」

ハヤテ「な、なんだよ。実力行使やめろよな、ウィンダミア人一方的にボコれる奴に勝てる自信ないぞ俺」

美雲「そんな無粋なことはしないわ」

ハヤテ「人のデートに乱入した奴の台詞とは思えねーよ」

美雲「……コホン」




美雲「……ルダンジャール・ロム・マヤン!」

ハヤテ「……」

美雲「フレイア、あなたも一緒に!ルダンジャール・ロム・マヤン!」

フレイア「ほいな!ルダンジャール・ロム・マヤン!」

ハヤテ「…………」

美雲・フレイア「「ルダンジャール・ロム・マヤン!!!!」

ハヤテ「それで言うこと聞くようになるのお前だけだからな」

美雲「これでも分からない?」

ハヤテ「分かってたまるか。あとさっきからずっと抱きしめあうのやめてから話続けてくれないか」

フレイア「いひ、いひひひ。美雲さん柔らかい、良い匂い……」

ハヤテ「フレイアやめろ堪能すんな……お前が母親って話じゃなかったっけ」

フレイア「!ハヤテ、認めてくれるんね!?」

ハヤテ「違う。むしろ断固反対したくなってきた。確実にお前取られるわ美雲さん招き入れたら」

美雲「暗にフレイアは俺のだぞ、って言いたいのね」

ハヤテ「……」

ハヤテ「暗にじゃねーよ、俺のだよ」

フレイア「いひひ……ふぇ!?は、ハヤテ!?」

グイッ!

ハヤテ「フレイアは俺のだ!」

フレイア「ふぇええええ!?は、ハヤテ!?なんね!?急に、抱き寄せ、は、ハヤテ良い匂い、腕太い……いやいやいや!!み、美雲さんが!!美雲さんが見とるからあ!」

ハヤテ「俺が見てる前でその美雲さんとルンピカさせてたのお前だろ!」

美雲「……ふふっ」

美雲「やっとお目覚め?ってところかしら。負けたわ、ハヤテマン」

ハヤテ「ハヤテマンやめろ……はぁ?負けたってなんだよ」

美雲「フレイアを狙う男性は多いわ。告白して満足したまま、前のようにふらふらしていると……誰かにとられてしまうわよ。今のように、態度で示してあげないとね」

ハヤテ「……お前」

フレイア「ハヤテ、ごめん……私、ちょっと。ちょっとだけ、不安だったんよ……ハヤテが今忙しいの分かっとる。ハインツ陛下との停戦協定とか、こっちのウィンダミア軍との話し合いとか……それで、悩んでて、そん時、美雲さんが」

ハヤテ「……悩み聞いた、ってのは本当だったわけだな。ったく、それならこんな、回りくどいことしなくても」

美雲「ふふっ。だってその方が面白いじゃない? 一応言っておくけど養子の件は割と本気よ」

ハヤテ「勘弁しろよ」

美雲「ふふふっ。さっ、邪魔者はお暇するわ。お二人で、ごゆっくり」

フレイア「えっ、美雲さん、そんな。まだおっても……」

美雲「そこまで空気を読めないつもりじゃないわ。じゃあね」


バタンッ


ハヤテ「……」

フレイア「……」

フレイア「…………」

ハヤテ「…………」

フレイア「…………ハヤテ、あの」

ハヤテ「…………お、おう」

フレイア「……きょ、今日、ほんま、カッコいいね」

ハヤテ「お、おう……店員イチおしのそっくりそのまま買ったからな……今思えばあれワルキューレの混ぜたら危険組だったんじゃ」

フレイア「ううん、それでも……ハヤテ、かっこいい」

ハヤテ「……お前も、ルンピカピカだな」

フレイア「……さっきの、もっかい」

ハヤテ「さっきの?」

フレイア「とぼけんの」

ハヤテ「……あー……フレイア。お前は……俺の……」




バタンッ!


美雲「邪魔するわ!」

ハヤテ「ほんっっっっとにな!!!!!!」

フレイア「み、みみみ美雲さん!?!?!?」

美雲「考えたのよ、私。養子がダメなのはいいわ……でもね、ハヤテ?私、あなたのお父様が採取したDNAサンプルから作られたじゃない?」

ハヤテ「なんだよ!!!どうしても今言わなきゃダメか!?ダメなのかそれ!!!」

美雲「つまり、ライトマンは私の……父親のようなもの!」

ハヤテ「ライトマンやめろ!はあ?何言って……」

美雲「そう、つまり……ハヤテ!!私はあなたの妹よ!!!!」

フレイア「な、なんやってーーーー!?」

ハヤテ「帰れ!!!!!!!!!!!!!!」





マキナ「――あーあ、くもくも可愛いけどそこは引かなきゃだめだよー。もー」

レイナ「――せっかく仕掛けた盗聴デバイスが台無し。あとでお説教」



カナメ「……そこで何してるのかの内容によってはお説教はこっちの台詞よ、マキナ。レイナ」


今度こそ、完

フレイアはハヤテの嫁。美雲さんは俺の嫁
じゃあの!

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