男「ありがとう。幼ちゃんは優しいね」

幼「あら。それは私が単純ということかしら？」

男「いや断じてそのような意味では」

幼「私は単純ではないわ」

幼「貴方意外の男の人にはね」

男「返答しかねます…」

幼「都合悪くなると黙るのね。馬鹿。」ｷﾞｭｳｳ

男「あのそろそろ離してくれませんか…勉強が…」

幼「ひどい…私というものがありながら」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

男「やっぱりそのままでいいです…」

幼「そうそう。自分に正直になればいいのよ」

男「幼ちゃんはストレートすぎるよ…」

幼「貴方意外の男の人にはストレートではないわ」ｷﾞｭｳ

男「顔赤いよ」

幼「気のせいよ」

男「ストレートなんだね」

幼「…上手いこと言ったつもり？」

幼「折角貴方の部屋に勉強教えに来たのにほとんど進んでないわね」

男「幼ちゃんのせいだよ…」

幼「あら。それが教えて貰うときの態度かしら？」

男「よろしくお願いします…」

幼「だめ」

男「なんでだよ…土下座までしたのに…」

幼「もっと違うことをしてほしいのよ」

男「わからないよ…」

幼「あら、私から言わせる気？」

幼「貴方もシたいはずだけど」ｶﾞﾀﾝ

男「漢字違いますよ！！押し倒さないで！ほら、僕の親も帰ってきますから！！」

幼「貴方の親、昨日から家明けてるんじゃなかったかしら。それにちゃんと許可頂いてるわ」

男「二面楚歌だな」

幼「私もいるから三面ね」

幼「さて、あとはゆっくり貴方を……あら、もうこんな時間」ﾁﾗ

男「あ、それじゃあもう今日は…」

幼「もしもし、お母さん、今日は泊りになるわ。男の家よ」

お母さん『あらー、誰かと思ったら。若い者同士、楽しんでねー』

幼「…ありがと」 ﾋﾟｯ

男「ああぁ…」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

幼「そうだ、お風呂沸いてるんだったわ」ｽｯｸ

男「先に入って来ていいよ」

幼「ダメ。私が後に入らないと貴方、お湯の中で私の体液を堪能するでしょう」

男「さすがにそんなことはしないよ…」

幼「あら、どんなことならするのかしら」ｼﾞﾄｰ

男「いや…はは」

幼「誤魔化しは一回だけよ」

男「え…？」

幼「今夜が楽しみね」ﾊﾞﾀﾝ

男「あぁ…」

一旦風呂落ち

ｶﾎﾟｰﾝ

男「はあ…」

男「ドキドキしてきた」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

男「いや、今日こそ言うんだ…幼ちゃんに言わなければいけないこと」ｸﾞｯ

幼「あら、言わなければいけないことって何かしら？」

男「幼、いつからそこに！？」

幼「貴方がお風呂でナニしてるか、監視してたのよ」ｶﾗﾗ

男「字が違います！あと何で勝手に入ってきてるんですか！！！」

幼「いけなかったかしら…」

男「いや、むしろ…」

幼「よく喋る口」

幼「貴方の、とっても元気ね…」

男「誤解されるからやめて！！」

幼「それで、言わなければいけないことって何かしら」

男「その…」

男「幼、俺達って恋人なのかな」

幼「まさか」

男「抱き付くのは？」

幼「習慣」

男「ええ…」

男「今日、学校で女さんから言われたんだ」

男「『幼さんと付き合ってるんですか？』って、友達からも冷やかされるし…」

男「とにかく、このままでは誤解されかねない」

幼「それで？」

男「お互い少し距離を置こうじゃないか」

男「まず一緒の登下校」

幼「家が隣だから仕方ないじゃない」

幼「それに習慣だから登校の時間に起きてしまうわ」

男「…じゃあ俺がずらすよ」

男「それに幼ちゃんには悪いが弁当もいいよ。一番の誤解される原因」

男「とにかく、今日までにしよう」

幼「……わかったわ。ただ…明日の登校は…」

男「合わせるしかないか。じゃあ登校までな。」

幼「これ、お風呂の中でする話ではないわね」

男「しょうがないだろ。お前が聞いてきたんだし」

幼「のらりくらりとかわせないの？」

男「ハードル高いよ…」

幼「上がりましょう。湯冷めしないうちにご飯も。作り置きしてるんでしょ？」ｻﾞﾊﾞｧ

男「ああ。先に上がってくれ」

幼「わかったわ」

男(双方タオル一枚、よく我慢できたな俺…)

幼「………」ﾌｷﾌｷ

男「………」

～～～～～～～～～～～～

男「ふわあ…歯も磨き終わったしそろそろ寝よう。幼ちゃんはいつもどうり隅の空き部屋か」

幼「そうさせてもらうわ。いつ襲ってくるかわからないし」ｼﾞｰ

男「何故俺を見ながら…」

幼「まぁいいわ。じゃあおやすみ」

男「おやすみ…」

ﾁｭﾝﾁｭﾝ

男「幼。よう。おはよう。」

幼「…朝っぱらから下らないダジャレを浴びせられる方の身にもなって。起きてるなら先に行ってるわね」

男「んー…」

ﾊﾞﾀﾝ

男(やっぱり起きちゃうんだなー…)

幼「…………」ﾃｸﾃｸ

幼友「あれー？幼ちゃん今日はひとりー？」

幼「ええ。あの変態と一緒に行かなくていいとは喜ばしいわ」

幼友「…そう。ほどほどに頑張ってねー」

幼「…何を？まあ頑張るわ。」ﾃｸﾃｸ

男「やっと幼がいなくなった…」

男「…そろそろ行くかぁ」ﾊﾞﾀﾝ

男「…………」ﾃｸﾃｸ

男友「あれ？男？今日ひとりなのか。珍しいなぁ」

男「変に誤解されちゃ困るからなあ」

男友「そうか。惜しいなあ…次は頑張れよ」

男「何がだよ…まあ頑張るわ…」ﾃｸﾃｸ

～～～～～お昼～～～～～

男「買うのは久しぶりだなあ」

男友「へぇ、幼ちゃんの弁当じゃないとか本当に珍しいなあ」

男「うん。今日はね」

幼「あっ。男、貴方、私と一緒に…」

女「あっ、男さんだあ！よかったら一緒に食べませんか！！」

男「あっ、女さん。ごめん。まだ俺買ってないからさ」

女「それなら大丈夫です！実はお弁当男さんの分も作ってきたんですよ！」

男「おお。ありがとう。だったらお言葉に甘えて」

女「ありがとうございます！！」

男「じゃあ女さん、行こうか」ﾃｸﾃｸ

幼「おとこ……」

幼(私とは、食べないって言ったのに…)

幼友「あっ、幼ちゃん、よかったら久しぶりにわたしと食べよう！」

幼「ありがとう…でも…遠慮しておくわ…」

幼友「いいよ、ごめんね」

幼友(どうしよう。幼ちゃん、ずいぶん参ってるみたい)

女「男さん、それでですね…」

男「あははは…そりゃおかしい」

ｱﾊﾊﾊ

幼「…………どうしよう」

幼(お弁当、作ってたのに…)

男「実は俺もね…」

幼「………」

～～～～～～～～

幼「………」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

ｱﾊﾊﾊ……

男「はははは…女さん凄いね」

女「いやあそれほどでも。よかったら今度……」

幼(…………帰ろう)ﾀｯﾀｯﾀ

幼(……楽になったはずなのに、どうして)

寝落ち

あくしろよ

>>15
最初はこのスレタイだけで釣りスレ立てようと思ったんだよ


さすがに即興は無理だったから一旦寝る

幼「………」

幼(男に電話…)

ﾌﾟﾙﾙﾙ　ﾌﾟﾙﾙﾙ

『もしもし！ちょうどよかった、今俺も電話掛けようと思ってたところなんだよ』

幼「…そう、ところで貴方、日曜日私の服を買いに行くのに一緒に行ってくれないかしら」

『日曜か…まあいいけど』

『それでさ！幼ちゃんって女さんのLINE持ってたよな！』

幼「ええ」

『それを俺n…』

ﾌﾞｯｯ

幼「…………」


男「なんだよ幼ちゃん…急に切りやがって」

男「何かあったのかな…」

～～～お昼～～～

女「男さん」

男「ん？」

女「好きなものとかありますかね？あったらお弁当に入れたいなー、と」

男「うーん、卵焼きかな」

女「卵焼きですか！今度作りますね！」

男「ああ、うん。ありがとう」

女「そういえば男さん、日曜日って空いてますか？」

女「もし空いていたら男さん、一緒に服を買いに…」

男「空いてないよ。幼ちゃんと服をね」

女「そうですか…」ｼｭﾝ

男「ごめんね、約束は約束だから」

幼「……………」

男「あ、幼からLINEだ」

『日曜、キャンセルでいいよ』

男「おお。女さん。日曜がキャンセルになった。日曜、じゃあ一緒に」

女「ありがとうございます！」ﾊﾟｱｱ


幼「…………これでいいわ」

幼「私は…」

幼友「幼ちゃん、本当にそれでいいのー？」ﾎﾟﾝ

幼「…いつからそこにいたの？」

幼友「幼稚園の頃から側にいるよ！」

幼「……今は放っておいて。感動的なセリフを受け止めきれるような感情じゃないの」

幼友「そっかー…」

男「じゃあねー女さん…ん？」

男「今度は幼友ちゃんからだ」

『幼、とっても落ち込んでるよ』

男「…………」

～～～家～～～

幼「………あ。女さんからLINE」

『私、日曜日に男さんに告白しますから』

幼「……！？」

幼「…『何故それを私に』」

『それは幼さんが男さんにとって一番近い人だからです』

『応援してくれますか？』

幼「………」

幼「……『頑張ってください』」


女(頑張ってください…か　応援するとは言ってないわね…)

女(それにどこかよそよそしいわ)

女(まあいいわ…日曜日…決着はつくから)

～～～お昼～～～

女「男さん！卵焼き作ってきましたよー！」

男「……おお」ﾊﾟｸ

女「どうでしょうか」

男「……おいしいよ」

男(でも、何か足りないな…)

男(それは……)

男(……幼の卵焼きか)

男(言い出せないなあ…)

男「じゃあ女さん！またね！」


男(幼、落ち込んでたって言ってたなあ…)

男「幼友からだ…」

『慰めてあげたら？』

「『行きづらいです。…微妙な距離感だし』」

『距離感？男くんにとって幼ちゃんはどんな存在なの』

男「………」

男(俺にとっての、幼か…)



男「はあ…用事が立て混んでて結局慰めに行けなかった」

男「日曜日…もうすぐだなあ」

女(日曜日…もうすぐだわ)

女(一応LINEしておこう)

男「あっ。女さんから」

『日曜日、楽しみですね！』

男「『俺もです！よろしくお願いしますね！』」

男「こんなもんか…」

女「『俺もです！よろしくお願いしますね！』」

女「こんなもんよね…」

僕は早くゲロ甘パートが書きたい


ごめんなさい。寝落ちます…。
あとトリップ付けます

男(ついに日曜日が二日後だ…)

男(どんな服着て行こうかな…)

男(幼ちゃんには悪いことしたなあ…)

女「男さん！お昼一緒に食べましょう！」

男「あ、はい」

ｶﾞﾔｶﾞﾔ

男「わかりました」

女「はははは…」

男(女さんの弁当、おいしいなあ…)

幼「………」


ｻﾞｱｱｱｱ…

男「…あ、雨だ」

女「男さん、丁度良かった！一緒に帰りましょう！」

男「女さんこっち方面だったんですか…！意外ですね」

女「ところで男さん…傘あります？」

女「職員室に行けば借りれるかなと思ったんですけど急な雨だからみんな借りてて…借りれなくて」

男「あ、折り畳みなら常備してます！いいですよ、さしていって」

女「それじゃあ男さんにも悪いので…その…一緒に同じ傘で…」

男(それって…相合傘？)

男「…お、女さんが言うなら俺は…だ、大丈夫ですけど」

女「良かった…じゃあ…////」ｽｯ

男(うわあ…天国だ…)

ｻﾞｱｱｱｱ

女「…////」

男(り…理性が…どうしよう…)

男(とりあえずここは…ん？)

幼「……………」ｻﾞｱｱｱｱ

男(…幼ちゃん…傘も持たずひとりで…大丈夫かな)

男(ぐしょぐしょじゃん…風邪引かないかな…心配だな)

男(つーか他人に常備させておいて自分は何やってんだよ)

男「幼ちゃん、大丈夫？もしよかったら…」

幼「…………」ﾁﾗｯ　ｸﾙｯ

男「あ………」

女「どうしました？」

男「いや…なんでも」

男(行っちゃったよ…)

幼「…………ただいま」ｶﾞﾁｬ

幼母「…あら大丈夫？どうしたの、そんなに濡れて。先にお風呂入っちゃいなさい」

幼「………いいよ」

幼母「…え？」

幼「……はいらなくても、いいよ」

ﾊﾞﾀﾝ

幼母(……………)


女「ふふふ…やったわ！」

女(今頃あの女…ひとり寂しく泣いてるんじゃないかしら…)

女(問題は二日後ね…日曜日)

女(私は必ずやってみせるから)


男(幼ちゃん…心配だな)

男(大丈夫かな)

男(明日、家に行ってみよう)

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

男「幼ちゃんいますかー」

幼母「はいはーい…あら男くん。どうしたの？」

男「いや、幼ちゃん昨日雨の中ずぶ濡れで帰ってたから心配になって」

幼母「そう…幼ったら昨日から部屋に籠りっきりで出てこないのよ…」

幼母「お風呂も私達が寝てる間に入ってたみたいで…男くん、なんとか説得してやってくださいな」

男「はい」

幼母「ところで原因はなんだったのかしら…幼があんなに塞ぎこんだのは初めて」

幼母「たとえば強いショックを受けたとか…」

男「じゃあ僕は幼ちゃんの部屋に」

幼母「じゃあよろしくね」


男(強いショックか…)


ｺﾝｺﾝ

男「おーい、幼ちゃん？いるのか？」

幼「………」

男「幼ちゃん？いるんだろう？」

幼「………はいって」

男「うん」ｶﾞﾁｬ

幼「………なんできたの」

男「いや、昨日お前、ずぶ濡れで帰ってただろ？だから心配で来たんだよ」

男「幼ちゃん…目の周り腫れてるよ。大丈夫？」

幼「私は大丈夫だから…心配しないで」

男「おじゃましましたー」


幼友「幼ちゃん…大丈夫かなぁ」

幼友「でも、もうひとおしかな」

幼友「『幼ちゃん、男くんに言うチャンスあったんじゃないの？言ってみればいいのに』」

幼友「『結果はどうであれ、想いを伝えるのは大事なことだし』」

幼友「『わたしは幼ちゃんを応援します』…と」


幼「あ………LINEだ」

幼「……男」


男「ついに決戦の日曜日」

男「今日は…頑張ろう」

女「…ふふ、セッティングは完璧。あの女も容易に手出し出来なくしたわ」

女(あとは自分の全力をぶつけにいく。それだけ)

～～～お昼～～～

幼「………もうお昼」

幼(今ごろふたりは何をやってるのかなあ………)

幼「あ…………」ﾌﾗｯ

ﾊﾞﾀﾝ…


ｶﾞﾔｶﾞﾔ

女「この服なんてどうですか？」

男「可愛いんじゃないかな…あ」

女「どうかしましたか？」

男「幼の携帯から電話だ。ごめん…………え？」

『お、男くん大変、幼が高熱で倒れたのよ！！！』

『幼がうわ言みたいに男くんの名前をy………』

男「すぐに向かいます！！！！」ﾌﾞﾂｯ

女「え……どうしました……？」

男「女ちゃん…ごめん！！土下座でもなんでもするけど幼が倒れたって連絡があって…」

男「俺にとって幼は大切な…とにかくすぐに向かわないと！！！！」ﾀﾞｯ


女「……いっちゃった」

女「クソ…あの女…私の計画を邪魔しやがって…」ﾀﾞﾝ!!


男「はあ、はあ……」ﾋﾟﾝﾎﾟﾝ

ﾋﾟﾝﾎﾟﾝ　ﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝ

男「幼ちゃんいますかー！！」

ﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝ

幼母「おとこくん…」ｶﾞﾁｬ

男「幼ちゃん！！」ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

幼「ｽｰ…ｽｰ…」

男「…寝てるのか」

幼母「ええ…今は大分落ち着いてきたけど…側にいてあげて下さいな…」

男「…………」

幼「……あ…」

幼「おとこ…？」

『言えるチャンスはあったんじゃないの？』

男「幼…大丈夫か？今熱はあr」

『言ってみればいいのに』

幼「…こっちにきて」

男「わかった」ｽｯ


幼「……すき」


男「え…？」

幼「ふふ…いっちゃった」

幼「ごめんね…迷惑だよね…」

男「………」

男「いや、迷惑じゃない」

男「けど……」

幼「……保留ってこと…？」

男「………ヘタレでごめんな」

幼「……わかってる」

幼「…それに、私だけってのもずるい気がする」

男「……？」

幼「一方だけじゃなく、ちゃんと決めて貰いたい」

幼「だから…」



女「…今ごろ何やってるんだろうな」

女「あ…幼からLINEだ」

『男くんのいえにいまから来れますか』

女「…何これ」

女「…まあいいか。男くんに会える機会があるなら言ってしまおう。自棄だよヤケ。」

女「『はい』」

女「………」


女「行ってみるか」