【俺ガイル】いろいろいろは (80)

『目覚まし時計』



放課後。奉仕部。



いろは「こんにちは!」ガラッ

雪乃「ノックをしなさい」

結衣「やっはろー。いろはちゃん」

いろは「やっはろーでーす」

八幡「何しに来た」

いろは「もちろん依頼ですよ!依頼!」

雪乃「・・・また生徒会絡みかしら」

いろは「今日は違いますよ!」

雪乃「・・・今日は、ね」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1490779648

いろは「最近、朝起きれないんですよぉ」

八幡(朝弱いいろはす可愛い)

八幡「目覚ましかけろ。終わり」

いろは「むぅ、そんなのもうやってますよ。でも普通の目覚ましじゃ起きれないんです」

八幡「高い奴買え。終わり」

いろは「ふふ。ところが無料でこんなアプリを見つけました!」バッ

結衣「『録音した音声を、目覚ましに使えます。』だって」

いろは「先輩の気持ち悪い声聴いたら、すぐ目が覚めると思うんですよねー」

八幡「お前な・・・」

いろは「というわけで、これ読んでください」

八幡(一色が鞄から一冊のノートを取り出し、目の前で開いて見せた)



『おーい、早く起きろよ。起きなきゃキスしちまうぞーって・・・・・・・・・本当に、するぞ』



いろは「さぁ、張り切ってどうぞ!」

八幡「・・・いや、何この三流乙女ゲーに出てきそうな台詞」

いろは「授業中に考えました!」

八幡「ちゃんと授業聞きなさい」

いろは「いやぁ、なるべく気持ち悪い方がいいと思って!」

八幡「いや読む訳ねぇだろ」

いろは「えー」

八幡「えー。じゃない。おい、お前らも何か言ってやれ」

雪乃「一色さんに賛成よ」スチャッ

結衣「わ、私も!」スチャッ

八幡「いつの間にダウンロードしたんだお前ら」

雪乃「・・・・・・」ジーッ

結衣「・・・・・・」ソワソワ

八幡「いや、読まないからね?」

いろは「・・・あっ、陽乃さんですか?・・・はい、その、ちょっとお話がありまして」

八幡「お前本当マジでお前マジで」

次の日の朝。



いろは「ん・・・んぅ・・・」

『・・・ピッ、おーい、早く起きろよ』

いろは(あぁ・・・先輩の声だ・・・好き・・・幸せ・・・)

『起きなきゃキスしちまうぞーって』

いろは「!」ピクッ

『・・・・・・・・・本当に、するぞ』

いろは「・・・」ドキドキ

いろは「・・・・・・・・・」ドキドキ

いろは(・・・・・・キスまだかな?)ドキドキ



遅刻しました。

『目覚まし時計』終わり。

『リモコン』



放課後、生徒会室。



八幡「ちーっす」ガラガラ

いろは「あっ、来た。これお願いしまーす」パサッ

八幡「了解・・・・・・お前、これぐらい自分でやれよ。十分で終わるだろ」

いろは(そりゃあ先輩のためにでっちあげた仕事ですから)

八幡「まぁ・・・やるけどよ」

いろは「あっ、先輩。資料がもう一枚・・・」ガサッ

いろは(資料を一枚渡し忘れたので、鞄をもう一度開くと、我が家のテレビのリモコンが入っていた)

いろは(テーブルの近くに置いた時に、落ちちゃったのかな)

八幡「資料がどうした」

いろは「えいっ」ピッ

八幡「は?」

いろは「一時停止。なんちゃって」

八幡「」

いろは「ん?」

八幡「」

いろは「止まってる・・・」

いろは「まぁ抱きつくよね」ポフッ

八幡「」

いろは「あぁ・・・あぁ、良い。幸せ」ギューッ

いろは「・・・ん?」クイッ

いろは「おお、おお」クイックイッ

いろは「ポーズは自由自在」クイクイクイ

いろは「!」キュピーン

いろは「壁際に寄せて・・・ここをこうして」ズルズル

いろは「きゃー!壁ドンされてるー!」パシャパシャ

八幡「」

いろは「うーん・・・この写真だけで五か月は行けるな」

いろは「!!」キュピリリリーン

いろは「ソファーに持ってって・・・」ズルズルグイグイ

八幡「」

いろは「ボタン外して、ベルトも閉まってんだか閉まってないんだか分かんない感じにして、髪は・・・元からボサボサだ」カチャカチャ

いろは「私もボタン全開にして、スカートちょっとずらして、髪もちょっと乱して」

いろは「ブラは・・・付けてない方が生々しいかな」

いろは「よし」パシャ

いろは「うわぁ・・・事後っぽい」

いろは「事後だ。完璧に事後ですよこれは。ひゃー」

いろは「・・・うふふ」

八幡「」

いろは「おっと、愉しんでいる内にこんな時間に。そろそろ戻さないと怪しまれちゃうな」

いろは「再生」ピッ

八幡「ハッ」

いろは「あっ。先輩やっと起きた。もー、仕事ほっといて寝ないでくださいよー」

八幡「・・・えっ」

いろは「?どうしたんですかぁ?」

八幡「お前、何でそんな、服、胸を」

いろは「あっ」

八幡「・・・・・・」

いろは「・・・・・・」

八幡「・・・・・・?」

いろは「責任・・・取ってくださいね」

八幡「えっ」



記憶を巻き戻して事無きを得ました(得てない)。

帰り道。



八幡「まさかあんなプッツリ・・・気絶するみたいに眠っていたとは・・・疲れてんのかな、俺」スタスタ

いろは「かもしれませんねー。これからはもっと簡単な仕事を依頼します」テクテク

八幡「そもそも自分でやってくれ。あれより簡単な仕事なら、なおさら」

いろは「いいじゃないですか。少しでも多く先輩と一緒に居たいんですよ」

八幡「・・・はいはい。あざといあざとい」

いろは「むぅ」

いろは(嘘はついてないのに)

いろは「・・・ねぇ先輩」

八幡「何だよ」

いろは「例えば、先輩の好きな人が、今目の前にいるとします」

八幡「・・・おう」

八幡(例えば、じゃなくて実際に目の前にいるけどな)

いろは「そして、その人の動きを止められるリモコンが手元に有るとします」

八幡(いや有るわけねぇだろそんな物。時止め系A〇は9割がやらせなんだぞ)

いろは「先輩なら、何かしますか?」

八幡「何かって?」

いろは「な、なにかですよ」

八幡「・・・・・・何もしねぇだろうな」

いろは「・・・本当ですか?」

八幡「そんな事しても何も意味ないだろ。お互いに愛がないと」

いろは「お互いの、愛・・・」

八幡「やめろ。繰り返すな。恥かしいだろが」

いろは「・・・そう、ですよね」

八幡「・・・どういうことだよ」

いろは「いえ、こっちの話です」

いろは(あの写真は、今消してしまおう)スッ

いろは(そして本当に恋人になった時、本物の事後写真を撮らせてもらおう)

いろは「えっと、今日撮った写真は・・・っと」スッスッ

八幡「おいなんだその写真は」

いろは「巻き戻し」ピッ



事無きを得ました。



『リモコン』終わり。

今日はこれだけです。

これからも色々書いていこうと思います。

よろしくお願いします。

『満員電車』



ガタンゴトン、ガタンゴトン



いろは(うぅ・・・今日何か人多いなぁ・・・)ウギュウ

いろは(こんなに人多いと痴漢されちゃうかもなぁ。私可愛いし)

いろは(そしてぷるぷる震えるか弱い私を先輩が颯爽と助けて、私が恋に落ちちゃう所までがワンセット)

いろは(いや元から先輩のこと好きじゃん私)

いろは(いやぁ・・・でもいいなぁそのシチュエーション)

いろは(触られる前に、壁と先輩にサンドイッチしてもらうとか)

いろは(触られちゃっても、上書きしてくれちゃったりね)

いろは(なーんてね!なーんてね!)

いろは(まぁ、別に先輩に守ってもらわなくても大丈夫なんだけどね)

いろは(そういう目で見られるのは慣れてるし。実際触られたらすぐにガッてしてやる。ガッて)

男子A「・・・」サッ

いろは「えっ」ビクッ

いろは(・・・・・・・・・マジでで?)

いろは(・・・ど、どうしよう、怖い。怖いよ)

いろは(怖い。見られるのと、されるのが、こんなに違うなんて)

いろは(うそ。動けない。体がすくんで動けないとか、本当にあるんだ。やだ。やだ)

いろは(助けて・・・助けて、助けて)

いろは(先輩・・・!)




プシュー



いろは(!?)グイッ

いろは(いつの間にか、次の駅に着いて、誰かが私の腕を引っ張った)

いろは(動けない私を、助けてくれた)

いろは(その人は)

いろは「・・・先輩・・・!」

八幡「すまんかった!」ザッ

いろは「・・・え?」

いろは(先輩は土下座した。綺麗だ)

八幡「じ、事故!事故だったんだ!たまたま手が滑りこんで、たまたま他の乗客と挟まれて・・・」

いろは「あの、先輩」

八幡「ひぃっ!許してください!来年うちの高校に入学する妹が居るんです!このままでは変態の妹というレッテルを貼られてしまいます!」

いろは「いや、あの」

八幡「お願いします!何でもしますから!」

いろは(・・・なんだこれは)

いろは「はぁ・・・解りました。許しますから顔を上げてください」

八幡「本当ですか!」ガバッ

いろは「事故だったんですよね?なら、しょうがないじゃないですか」

八幡「ありがとうございます!ありがとうございます!」

いろは(『ただし、私と子作りしてもらいます』)

いろは(いや、流石に無理か・・・と言っても折角、何でもしてくれるわけだし)

いろは「ただし、今日から私の専属荷物持ちってことで♪私が呼んだらすぐ来てくださいね」

八幡「え・・・いやそれは」

いろは「・・・」ニッコリ

八幡「お安い御用でございます!」

いろは「はい。よろしくお願いします♪」

いろは(そういえば、私は先輩に触られてぷるぷるして、さらにそれを先輩に見られたんだよね・・・)

いろは(めっちゃ興奮する)



『満員電車』終わり。

『カロリーメイト』



八幡(あー。今日の体育めんどくせぇなぁ。戸塚とペア組めねーし)

八幡(・・・よし、サボるか)

八幡「うわー」ズシャッ

戸塚「わっ、大丈夫?」

八幡「ちょっと保健室行ってくるわ」スタッ

戸塚「うわっ・・・うん。保健室行った方がいいね。先生には僕が言ってくるよ」

八幡(・・・?そんな酷い転び方に見えたか?)スッ

八幡(・・・うおっ。右手の甲から血が)ズタァ

八幡(予定より深い傷を負ってしまった・・・罰かな、これも)スタスタ

八幡「すいません・・・体育で怪我を負ってしまったのですが」ガラッ

いろは「今、先生は出払ってます・・・って先輩じゃないですか」

八幡「一色か」スッ

いろは「?右手どうかしたんですか?」

八幡「転んで怪我した」

いろは「・・・なんで隠すんです?」

八幡「いや、女子供に傷を見せる訳にはいかんだろ」

いろは「何ですかその無駄な漢気は・・・」キュン

八幡「結構グロいしな」

いろは「はぁ・・・手当てしてあげますから見せてください」スッ

八幡「いや、いいって。自分でやるから」

いろは「片手だけじゃ難しいでしょう。深い傷ならなおさらキチンと手当てしませんと」スイッ

八幡「あっ」

いろは「うーん。これなら大き目のあれで大丈夫ですかね」

八幡「お、おう」

いろは「はーい、ちょっとしみますけど我慢してくださいねー」プシュプシュ

八幡「何か・・・テキパキしてんな」キュン

いろは「これでも元運動部のマネージャーですからね」

八幡「ついに元になっちゃったよ・・・」

いろは「まぁ、生徒会長に奉仕部にマネージャーと、三つも掛け持つのは流石に厳しいですからねー」

八幡「いやお前奉仕部じゃないじゃん・・・」

いろは「なんですか。奉仕部にはこれ以上誰も入部しちゃ駄目なんですか。ズルいですよ、あの二人ばっかり」

八幡「・・・何が」

いろは「さぁ?何がでしょうね・・・っと。はい、手当て完了です」

八幡「おう。ありがとな」

いろは「どういたしまして」

八幡「そういや・・・お前な」

八幡(んで保健室に居んの?・・・って聞いたらデリカシーに欠ける気がする。女子だし)

八幡(つっても、お前な。まで言っちまったからな・・・何か言わねば)

八幡「す好きか?」

いろは「は?」

八幡「いや、昨日の晩飯が茄子でな。やっぱり茄子美味しいなぁと感動したんだよ。お前はどうかと思ってな」

いろは「はぁ・・・何というか、平和な人ですね」

八幡(変なレッテルを貼られた)

いろは「茄子ですか・・・私も好きですよ。茄子」

八幡「へぇ」

いろは「ていうか、お野菜は全部好きですね」

八幡「肉は?」

いろは「お肉も好きですよ・・・そういえば私、食べ物の好き嫌いとか全然ないですねぇ」

八幡「ふぅん・・・」キュン

八幡(・・・・・・何で今、きゅんってしたんだ、俺)

いろは「先輩の好きな食べ物は何ですか?」

八幡「んー・・・カロリーメイト?」

いろは「へぇー」キュン

いろは(・・・・・・何で今、きゅんとしたの、私)



『カロリーメイト』終わり。

『マルバツゲーム』



陽乃「比企谷くんって眼鏡似合いそうだよね!」ズシャアアアア

八幡「うわああああ」

八幡(学校に登校しようと家の扉を開けると陽乃さんが居た。黒塗りの高級車と共に)

八幡「な、なんすか」

陽乃「比企谷くんって眼鏡似合うだろーなーと思って、持って来ちゃった♪」

八幡「はぁ・・・」

陽乃「えいっ」スチャッ

八幡(蛇に睨まれた蛙。何の抵抗もできないまま眼鏡を掛けられた)

八幡(まぁ、眼鏡ごときに抵抗する理由もないだろうが)

陽乃「実は、その眼鏡には特殊な機能があってね?」

八幡(抵抗すべきだったかもしれない)

陽乃「雪ノ下陽乃は雪ノ下雪乃の姉である」

八幡「・・・・・・?」

陽乃「・・・」トントン

八幡(陽乃さんが無言で自分の耳の上を指差す。眼鏡のつる部分に何かあるのか)

八幡(そう思い、つるを手探ってみると、なにやら小さなボタンが。きっとこれに何かあるのだろう)ポチッ



ピンポーン



陽乃「何て鳴った?」

八幡「ピンポーン、と」

陽乃「よし、じゃあ次。雪ノ下陽乃は雪ノ下雪乃の妹である」

八幡(もう一度ボタンを押してみる)ポチッ



ブッブー

陽乃「んふふ。もう解ったかな」

八幡「嘘発見器。ですか」

陽乃「さぁ~どうだろうね~?ちなみに音は使用者にしか聞こえないから安心してね」

八幡「・・・返します。俺には無用の長物ですよ」スッ

陽乃「3、2、1、はいっ!」パンッ

八幡「・・・ん、あれ?は、外れない。外れないんですけど」

陽乃「比企谷くんみたいな人ってすぐ催眠掛かってくれるから楽だなー」

八幡「法整備早く」

陽乃「まぁまぁ、放課後には外してあげるから。それまで楽しく過ごして頂戴な。愛しい愛しい比企谷くん♪」

八幡「・・・」ポチッ ピンポーン

陽乃「やーん♪比企谷くんを本当に愛しく思ってることがばれちゃうー♪」

八幡「・・・どうせ、おもちゃとして好き。とかいうオチでしょ」

陽乃「ばーれちゃった。そうだよ。私は比企谷くんみたいなおもちゃがだーい好き♪じゃあねー」ブロロロロ

八幡「・・・」ポチッ ブッブー

八幡「・・・!?」

八幡(・・・いざ過ごしてみると、眼鏡って何か違和感あるな・・・)スタスタ

八幡(まぁ、放課後までの辛抱だ。あの機能はそもそも使わなければ無問題だしな)

いろは「あ、先輩。今日は眼鏡ですか。こっちもカッコイイですね」

八幡「・・・」ポチッ ピンポーン

八幡「お、おう・・・そうか、格好いいか・・・」

いろは「な、何ですか素直に照れたりして・・・ま、まぁ葉山先輩の方がカッコイイですけどね!」ブッブー

八幡「・・・・・・なぁ、お前葉山の事が好きなんだよな」

いろは「う・・・いや、その、一回振られて・・・もう吹っ切れたと言いますか・・・何と言いますか」ピンポーン

八幡「・・・他にもう好きな奴ができたとかか?」

いろは「なっ、そんな軽い女じゃないですよ私は!違います!」ブッブー

八幡「・・・ん、んで、その相手が、俺だったり・・・」

いろは「んっ・・・そ、そーですよ!実は私、先輩のことがだーい好きなんです!」ピンポーン

八幡「・・・・・・マジかお前」

いろは「もーっ!何でいつもみたいに『あざといあざとい』ってならないんですかーっ!」

八幡「いや、その・・・・・・お前マジか」

いろは「そういえば先輩・・・眼鏡触りすぎじゃないですか?」

八幡「あっ、いやそんなことねぇだろ」

いろは「いや、照れてるとしても触り過ぎですし・・・今日急に眼鏡掛けて来たのも何か怪しいです」ジロッ

八幡「き、気まぐれだよ」

いろは「ていっ」バッ

八幡「うわっ」

八幡(他人だったら外してもらえるのか・・・いや今はマズい)

いろは「・・・?つるにボタンが」

いろは(先輩はこれをしきりに押していたのか・・・そういえば、私が何か喋った後に押していたような。そしてあの反応・・・)

いろは「これ・・・噓発見器だったりします?」

八幡「そんな訳ないだろお前」

いろは「・・・」ポチッ ブッブー

八幡「あっ」

いろは(って事は、あれも・・・?)

いろは「うう、ううう」

八幡「あ、いやその眼鏡はだな。ボタンを押すと何か変な音が鳴るだけで、直前の誰かの発言の真偽とは全く関係は・・・」

いろは「・・・・・・すか」

八幡「・・・え?」

いろは「先輩は!私の事!好きですか!!」

八幡「んなっ」

いろは「さぁ答えてくださいよ!さぁさぁさぁ!」ズズイ

八幡「いや、お前、お前」

八幡(いや・・・こいつも俺のことが好き・・・なんだよな?)

八幡(なら、正直に言っても問題ないのでは)

八幡「俺は・・・」

陽乃「ひゃあっはろー!!」ズシャアアアア

八幡「うわああああ」

いろは「うわああああ」

陽乃「どう?比企谷くん・・・ありゃ、今はいろはちゃんが掛けてるの。いろはちゃんも似合ってるよ!」

いろは「こ、この噓発見器、陽乃さんのだったんですか!?」

陽乃「んー?これは別に噓発見器なんかじゃないけどー?」スッ

いろは「えっ、でも、そのボタンを押した時の音は・・・」

陽乃「あぁ、ボタンを押す度にピンポーンとブッブーが交互に鳴るだけの機能のこと?」

八幡「えっ」

八幡(・・・・・・思い返せば、確かに交互だった気がする)

陽乃「ってか何?嘘発見器って(笑)現代テクノロジーでそんなのできる訳ないじゃん(笑)しかもこんなにコンパクトな(笑)」

八幡「な・・・でも」

陽乃「でも、何?私、これが噓発見器だなんて一回も言ってないけど?」ポチッ

陽乃「うふふ」ピンポーン

八幡「ぐぬぬぬぬ」

陽乃「じゃあね~」ステテテ

いろは「・・・してやられたみたいですね」

八幡「・・・敵わねぇな、全く」

いろは「・・・先輩」

八幡「なんだよ」

いろは「私の眼鏡姿、どうでした?」

八幡「・・・別に。あざとい以外の感想が思い浮かばんわ」

いろは「・・・ふふっ。素直じゃないですねぇ」

八幡「なっ、お前」

いろは「これぐらい、発見器がなくても解りますよっ。ぶっぶー。です」

八幡「・・・ぐぬぬぬぬ」



『マルバツゲーム』終わり。

『リボン』



いろは「・・・」トントン

雪乃「・・・どうぞ」

いろは「お邪魔しまーす」

結衣「あ、いろはちゃん。やっはろー」

いろは「やっはろーでーす。それより雪ノ下先輩!今日はちゃんとノックしてから入りましたよ!褒めてください!」

雪乃「やって当たり前のことよ。わざわざ褒める気にはならないわ」

いろは「・・・・・・」

雪乃「・・・仕方ないわね」ナデナデ

いろは「えへっ、ありがとうございます!」

八幡(あら~)

いろは「・・・あれ、雪ノ下先輩」

雪乃「?何かしら」

いろは「髪のリボン、いつものと違いますね」

雪乃「え、ええ・・・まぁ、そうね」

結衣「あ、いろはちゃんも気付いた?可愛いよね~それ」

いろは「そうですね。よく似合ってます!」

雪乃「そ、そう・・・ありがとう・・・」

いろは「でも、こういう小さな変化、先輩は気付かなさそうですよねー」チラッ

八幡「・・・まぁ、うん。そうだな」

いろは「・・・?」

いろは(先輩の反応が変・・・何で?いつもの奉仕部と違う点と言えばもちろん・・・)

いろは「雪ノ下先輩。そのリボン貸してもらっても・・・」スッ

雪乃「だ、駄目っ!」バッ

いろは「・・・」

雪乃「あっ、その、ごめんなさい。でも、このリボンは・・・」

いろは「いえ、いいですよ。大事なリボンなんですね」

雪乃「そ、そんなに大事では・・・」

いろは「誰かからの贈り物ですかぁ?」

雪乃「えっ」ギクッ

八幡「」ギクッ

いろは「・・・先輩ですか?」

結衣「えぇっ!」

雪乃「ちっ、違うのよ。彼はただの荷物持ちで、ついでに。ついでに選んでもらっただけで・・・」

いろは「・・・先輩」クルッ

八幡「はい」

いろは「ちょっぷ」ペシッ

八幡「・・・あの、一色さん?」

いろは「先輩、言いましたよね。私の専属荷物持ちになるって」ペシッペシッ

八幡「え?あ、その」

いろは「先輩。『専属』の意味解りますよね?国語三位ですもんね?」ペシッペシッペシッ

八幡「あの、あのだな」

いろは「なんで!私以外の女の人の!荷物持ちやってるんですか!」ペシペシペシペシペシ

八幡「やめろはげる」

雪乃「ちょっと待ちなさい、いろはさん。専属荷物持ち・・・?どういうことかしら?」

いろは「別に!?先輩に痴漢されたんで黙っててあげる代わりに専属荷物持ちになってもらっただけですけど!?」

雪乃「!?」

結衣「!?」

八幡「はわわ」

いろは「でも先輩が約束破ったんで私が黙ってる必要もないですね!警察に行ってきます!」

八幡「やめてください!もう一色さん以外の荷物は持ちません!だから!」

いろは「ふむ・・・ならばテストしましょうか」

八幡「テスト?」

いろは「明後日の土曜日。私とデートしましょう♪」



『リボン』終わり。

『ららぽ』



いろは「あっ、先輩遅いですよー」

八幡「・・・いや、一時間前だよね?」

いろは「今日のデートが楽しみで、ついつい早く出ちゃいました♪」

八幡「あざとい」

いろは「そして男の子は女の子より早く待ち合わせ場所に来なきゃいけないんですっ!」

八幡「理不尽」

いろは「っていうか、先輩も一時間前に来てるじゃないですか。そんなに私とのデートが楽しみだったんですかー?」

八幡「いや、妹が一時間早く行けって言うから・・・」

いろは「むぅ。私とのデート中に他の女の子の話しないでください!」

八幡「妹も駄目なのかよ・・・ただでさえ少ない話題が更に少なくなったぞ」

いろは「元から期待してませんが・・・ほら、早速ららぽへゴーですよ」

八幡「おう、まだ荷物は持たなくていいんだな」

いろは「・・・!」キュピコン

八幡「?」

いろは「あー。なんか右腕が重くなってきました」

八幡「え、何。帰るの?」

いろは「持ってください」

八幡「え」

いろは「右腕、重いから持ってください」

八幡「・・・えーと、こうか?」グッ

いろは「こうですよ♪」グイッ

八幡「・・・あの、一色さん。腕組むのは流石に・・・」

いろは「さぁ!ららぽへゴーです!」

八幡「・・・やれやれだぜ」

八幡「んで、何買うんだ?」テクテク

いろは「先輩をメロメロにできちゃうような可愛い服を買います!」テクテク

八幡「ふーん・・・」

いろは「うふふ、楽しみですかぁ?」

八幡「・・・さぁな」

いろは「さ、着きましたよ」

八幡「おお・・・これ俺が入っても大丈夫か?ドレスコードとかない?」

いろは「大丈夫ですよ・・・どんだけ耐性ないんですか」

八幡「・・・あんまり離れないでくれよ?一人で居たら不審者だと思われそうだ」

いろは「もっかい言ってください」

八幡「・・・一人で居たら不審者だと思われそうだ」

いろは「そっちじゃなくて、一生俺のそばから離れないでくれよ。って所ですよ」

八幡「んなこと一言も言ってねぇよ。ほら、服買うんだろ?早く入るぞ」グイッ

いろは「あぁん」

いろは「あっ、この服可愛くないですかぁー?」

八幡「せやね」

いろは「あっ、この服も」

八幡「せやね」

いろは「むー、真面目に考えてくださいよー」

八幡「いや服だけ見せられても解んねぇよ・・・」

いろは「これを着たお前が見たい。ってことですか?」

八幡「いや、うーん、まぁ・・・そうなるのか」

いろは「わっかりました!いろはファッションショー開催です!これ試着して来ますね!先輩、私の鞄持っといてください!」シャッ

八幡「おう」

いろは「・・・」シャッ

八幡「?どした」

いろは「覗いても・・・いいんですよ?」

八幡「・・・馬鹿、さっさと着替えろ」

いろは「じゃ~ん!どうですか!」ビシッ

八幡「おお・・・」

いろは「さぁ感想どうぞ!」

八幡「おお・・・うん」ジーッ

いろは「あ、あの、何か言ってくださいよっ」

八幡「あぁ、まぁ、似合うんじゃねーの?」

いろは「むぅ。ジロジロ見てたくせに素っ気ない感想ですね」

八幡「・・・」サッ

いろは「・・・ふふっ、まぁ、いいです。さぁ二着目ですよ!」シャッ

いろは「覗いてもいいですよ!」シャッ

八幡「毎回やるんかそれ」


八幡「・・・」

八幡(今回は着替えが長いな)

八幡(まぁ、女子の服の方が着るのめんどくさいって聞くしな)

八幡(しかもこんなお洒落な店の服だ。俺の知らないなんやかんやがあるんだろう)



ピリリリリ



八幡(そんなことを考えていると、一色の鞄の中の何かが鳴った。十中八九スマホだろう)

八幡「おーい、一色。何か鳴ってんだけど・・・」ガクッ

八幡(試着室に向かう途中、足をもつらせた)

八幡「うぐぁっ」ズシャッ

八幡(試着室に突っ込んでしまった)

いろは「えっ」

八幡「あっ」

八幡(服を着掛けの一色と目が合ってしまった。何がとは言わないが水色だった)

いろは「・・・」

八幡「・・・」

いろは「・・・はぅ」

八幡「すまんっ!!」シャッ

八幡(試着室から急いで身を引いた)

・・・・・・・・・



いろは「いやーまさか本当に覗いて来るとは」

八幡「・・・すまん」

いろは「別にそこまで気にしてませんよ。事故だったんですよね?」

いろは(故意的に覗いてもらっても別によかったですけど)

八幡「あぁ。事故だった。神に誓える」

いろは「えぇ。電車の時と同じですよね?」

八幡「・・・すまん」

いろは「もしかしたら、先輩は私にエッチなことしちゃう運命なのかもしれませんねぇ」

八幡「恐ろしすぎるだろ・・・」

いろは「荷物持ちで許してもらえて良かったですね♪」ギュッ

八幡「でも、結局お前何も買ってねぇじゃねーか」

いろは「だって、先輩を一番メロメロにできるのは、私の裸だって事が解りましたからね♪」

八幡「・・・すまん」

いろは「まぁ、あの時はほとんど着終わってましたけどね」

八幡(むしろその方がエロかったなんて絶対言わないからな。絶対だからな)

いろは「さ、服選びも早々に終わりましたし、元から一時間早く来た事もあってかなり時間が余ったので、ゲームセンターにでも行きましょうか!」

いろは「クレーンゲームがいっぱいですね!」ガヤガヤ

八幡「せやね」

いろは(さぁ、あとは適当な景品をプレゼントして貰うだけ!)

いろは「あっ、あのぬいぐるみ可愛くないですかぁー?」

八幡「・・・またか・・・」

いろは「・・・またか。とは?」

八幡「あっ」

いろは「前にもこのクレーンゲームをしたことがあるんですかぁ?」

八幡「おう、まぁ」

いろは「先輩がこんなぬいぐるみを、一人でですかぁ?」

八幡「・・・」

いろは「誰と来たんですかぁ?」

八幡「・・・デート中に、他の女の子の話は」

いろは「先輩」

八幡「・・・先日、雪ノ下さんと来ました」

いろは「・・・先輩」

八幡「はい」

いろは「雪ノ下先輩は、先輩を脅しましたか?」

八幡「・・・え?」

いろは「何か弱みを握って、無理矢理デートに連れて行きましたか?」

八幡「・・・いや、別に」

いろは「・・・えい」バッ

八幡「・・・一色?」

いろは「もう、私の専属荷物持ち解雇です。腕持たなくていいです」

八幡「・・・電車の事は」

いろは「言いませんよ。っていうか今更証拠も何もないですし、試着室の事も誰にも言いません」

いろは「私のデートが退屈で、私の事が嫌いなら、今すぐ帰ってもらっても構いません」

いろは「でも、先輩がもし、私ともっとデートしてやってもいいって思うなら」

いろは「もう一度、腕を持ってください」

八幡「・・・」

いろは「・・・」

八幡「・・・別に、脅されたつもりなんてねーよ」ギュッ

いろは「あっ・・・」

八幡「お前がそういうことする奴だなんて最初から思ってない・・・嫌いな奴とデートなんかするかよ」

いろは「先輩・・・!」

八幡「・・・で?なんだよ。あれを取ればいいのか?」プイッ

いろは「雪ノ下先輩と一緒は嫌ですっ。えーと、あっちの奴にしましょう」

八幡「さっきのより大分小さいけどいいのか?」

いろは「おっ。先輩煽りますね~」

八幡「いや、別にそんなつもりじゃ」

いろは「小さい方が良いんですっ。小さい方が二つ以上取れそうじゃないですか」

八幡「二つ?何で」

いろは「二つ有れば、先輩と私でお揃いにできるじゃないですか♪」

八幡「・・・さいですか」

いろは「さぁ、私も手伝いますから、絶対に二つ以上取りますよぉー!」



『ららぽ』終わり。

『色々』



戸部「いろはすー。これこっちでいいん?」

いろは「もうちょい右ですかね。あといろはすって呼ばないでください」

戸部「あいよー」

いろは(・・・デスティニーランドから一週間・・・)

いろは「はぁ・・・」

戸部「どしたん。ため息何かついて」

いろは「・・・別になんでもいいじゃないですか。もう帰ってもいいですよ」

戸部「つれねーなー。俺といろはすの仲だべ?ほれ先輩に何でも言うてみ?」

いろは(うぜぇ・・・。まぁ、いいか。別に、話しても)

いろは(馬鹿だし。何があってもあの先輩の耳には入るまい)

いろは「私、最近告白して、フられまして」

戸部「マジ!?・・・へぇーいろはすぐらい可愛い娘でもフられんだ」

いろは(その真っ最中に貴方も近くに居たんですけどね)

いろは「まぁ・・・相手が相手でしたし」

戸部「ふーん・・・それで傷心中なん?」

いろは「いや、まぁそれはもう吹っ切れて、更に次の好きな人もできたんですけど」

戸部「じゃあいいじゃん」

いろは「いや・・・フられたその日にもう別の人に恋してるんですよ?ちょっと慰められただけで」

戸部「へー。それの何が嫌なん?」

いろは「いや、軽すぎません?私」

戸部「ふーん?」

いろは「何かもう・・・本当にその人のこと、好きって言えるのかなって。こんな軽い私、好きって言ってもらえるのかなって」

戸部「んー、でも前の奴より好きなんじゃん?」

いろは「えぇ、まぁ・・・」

戸部「じゃあもう関係なくね?何が何でも好きになっちゃったらさぁ」

いろは「・・・でも」

戸部「そりゃ、まぁいろはすの事軽いとか言う器の狭い男も居るかもしんないけどさぁ。そんなの関係ないくらい好きって言えばいいじゃん?」

いろは「・・・はぁ。そういうものですかね?」

戸部「そういうもんそういうもん!んじゃ俺帰るわ!」スッタカタ

いろは「・・・・・・関係ない、か・・・」

いろは「うん。好きになっちゃったんだもんね!うん!よし!頑張るぞ!」

海老名「おーい戸部っちー」

戸部「あ、海老名さん」

海老名「あっち生徒会室だよね?何してたの?」

戸部「んー?悩める後輩の恋愛相談っつーか?そんな感じ?」

海老名「へー。優しいんだねぇ」

戸部(!これは!)

戸部「と、ところで海老名さんさぁ。まだ彼氏作る気ないん?」

海老名「逆に戸部っちは彼氏作る気ない?」

戸部「!?」

いろは「せーんぱいっ!」ギュッ

八幡「!?」

いろは「えへへ」ギュー

八幡「おい、何してんだ離せ、こんな所葉山に見られたらどうすんだ。おい」

いろは「えー?でも先輩に責任取ってもらわないとですし」

八幡「・・・?どういうことだよ」

いろは「まぁ、色々言いたいことは有りますが、とにかく!」


いろは「大好きですよ。先輩」



『いろいろいろは』終わり。

以上です。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年04月08日 (土) 13:22:32   ID: aLJEoLD5

非常に良かった いろはす可愛いんじゃ^〜

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