藤原肇「何気ない、素敵な日々の階段を」 (55)


肇ちゃんが色んな人とお話しする話

・独自設定多め
・事務所の設定は↓を読んで頂ければ

   藤原肇「ハンズ事務所?」
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前作 藤原肇「も、もうかえっで下さい…!」
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それでは、よろしくお願い致します。

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【事務所】


P「…」カタカタ


肇「…」ジー


聖來P「…」カタカタ


聖來「…」ジー


P「…」カタカタ


肇「…」ジー


聖來P「…」カタカタ


聖來「…」ジー


P「……ふう」


肇「!」ピク


聖來P「……よし」


聖來「!」ピク


P「お待たせ、肇。飯、行くか」


肇「はい!」パアッ


聖來P「よっしゃ、聖來、飲み行くか」


聖來「待ってました!」パアッ



凛「…」ジー


未央「…」ジー


凛「…ふたりとも、まるで犬みたいだね」


未央「お、しぶりんがそれ言う?」


凛「?」


未央「んーん。何でも」


凛「ソファーで姿勢良くそれぞれのプロデューサーの仕事が終わるのを待ってる姿、まさに忠犬だね」


未央「ふたり、というより2匹、だったね」


凛「ふふ、そうだね」



ティロン♪



凛「あ、プロデューサーからメール…」ピク


凛(…!…褒められた…嬉しいな…)


凛「…♪」ニコニコ


未央(おー…幸せそうな顔…しぶりんに尻尾が生えてたらブンブン振ってるんだろうな…)


未央(わんこが3匹に増えたね!)



ーーーーーーーーーーーーー


薫「じゃあ、せんせぇ!肇お姉ちゃん!またねー!」フリフリ


肇「ええ、またね、薫ちゃん」フリフリ


P「気をつけて帰れよー」フリフリ



バタン



肇「…薫ちゃん、可愛いですね」


P「そうだな。つい、可愛がっちゃうな」


肇「ええ、私もです」


P「年少組と話してる肇は、何というか、お姉さんしてるよな。しっかりしてるなあって思うよ」


肇「ありがとうございます。私、ひとりっ子で、ずっと「妹が欲しいなあ」と思っていたんです。だから、事務所の小さい子たちが可愛くて…」


P「なるほどなあ」


肇「こずえちゃんとか」


P「ああ、温泉の時に仲良くしてたな」


肇「仁奈ちゃんとか」


P「仁奈ちゃん癒されるよなあ」


肇「珠美ちゃんとか」


P「うん?」


肇「どうされました?」


P「え、いや…うん?珠美?」


肇「ええ、可愛いですよね珠美ちゃん」


P「可愛いのは同意するけど…あれ?確か珠美ってー」


肇「私、憧れの大人組の方たちにたくさん可愛がっていただいてますから。だから、私も年少組のみんなのお姉さんになれたらなあって」


P「あ、うん。そうなのか」


P「(…まあ、いいか)肇は、大人組だと、どんな人みたくなりたいんだ?」


肇「そうですね、やっぱりまずは楓さんです」


P「ああ、アイドルになる前から憧れてたんだもんな」


肇「はい。実際にお会いしてみたら、とても気さくな方で…それでも、ライブだと神秘的なオーラと歌声に惹き込まれて…私の尊敬する、大好きな先輩です」


P「それ聞いたら楓さん喜ぶだろうな」


肇「いつか、きちんとお伝えするつもりです!…他にも、川島さんとか」


P「確かに、仕事モードの川島さんはキリッとしてて頼りになるな」


肇「早苗さんや聖來さんのような、明るくパワフルな方たちや」


P「なるほど」


肇「保奈美さんとか」


P「だから、うん?」


肇「どうされました?」


P「いや…その、さっきからちょいちょい紛れ込ませるソレ何なんだ?」


肇「?何の事です?」


P「ほら、珠美といい保奈美といい。確かに間違ってはいないけど「ん?」となる面子を紛れ込ませる感じ」


肇「??」キョトン


P(…まさか)


P「…なあ、肇?」


肇「はい?」


P「…知らないのかもしれないけど、珠美も保奈美も、肇と同じ16歳だからな?」


肇「……………………?」ジュウロクサイ…


肇「……………………ええっ!?」


P「知らなかったかー!」


P(改めて考えると、個性派揃いだな16歳組!)



ーーーーーーーーーーーーー


肇「おはようございます、Pさん」


P「おはよう、肇」


肇「…Pさん、Pさん」


P「んー?」


肇「今日の私は、いつもと一味違います。どこが違うと思いますか?」


P「え?うーーん…」


P(…服は、美紗希に選んでもらったヤツだろ…お洒落な服着こなすようになったなあ…モコモコしてて可愛らしい…違った。そうじゃなくて…)


肇「…」ワクワク


P(髪型…ではないか、アクセサリー…違う、靴か…?)


肇「…ヒントは、持ち物です」


P「あ、そっちか…んーと…あ、それか?手に持ってるコーヒーカップ」


肇「はい!正解です。事務所に向かう途中のコンビニで買ったんです」


P「でも、それのどこが一味違うんだ?」


肇「ふふ、何とですね…これ、ブラックコーヒーなんです」


P「いつもカフェオレなのに?ホントに一味違うとはな。でも、どうして急にブラックを?」


肇「この前、凛ちゃんから聞いたんです。「コーヒー片手に歩く川島さんがとても格好良かった」と。しかも、川島さんに聞いたところ朝はいつもブラックを飲まれるとか。ですから、私も真似してみました!これで私もオトナの女性に…!」


P(その発想とわざわざ見せに来るのが子どもっぽくて可愛いな…なんて言ったらぷくーされるかな?)


肇「では…いざ!」ゴクッ


P「おお、いい飲みっぷり」


肇「…」


P「…肇?」


肇「…にがぁ…」


P「…」


P(…やっぱり、可愛いなあ)



ーーーーーーーーーーーーー


楓「…」セッセ


肇「…はい、ここを、こうして…」



ガチャ



P「お疲れ様です」


楓「プロデューサー、お疲れ様です」セッセ


P「あれ、楓さん。肇に陶芸習ってるんですか?」


肇「ええ。楓さんが、手作りのお猪口を作ってみたいらしくて」


楓「肇先生にご指導いただいている、というわけです」セッセ


P「なるほど。手作りお猪口か…楓さんらしいですね。あ、肇とお揃いの作務衣、お似合いですよ」


楓「ふふ、ありがとうございます」


肇「ペアルック、ですね♪Pさんも作務衣、着てみますか?」


P「作務衣か…確かに夏なんかは涼しくていいかもしれないな」


肇「作務衣は夏だけでなく、インナーを変えれば四季を通して着れるんですよ?あ…でも、流石に真冬は少し、さむぇーかもしれませんね。ふふっ♪」


楓「あら、肇ちゃん、お上手♪」


肇「ふふ、楓さんに鍛えられた賜物です」


楓「…♪」セッセ


肇「…はい、次はここを…」


P(…お茶目な子になったなあ…)



【後日】


楓「プロデューサー」チョンチョン


P「はい、何でしょう?」クルッ


楓「遅れてしまいましたが、これ、差し上げます。バレンタインのプレゼントです」


P「わざわざ、そんな…ありがとうございます。これ、開けても?」


楓「ええ、どうぞ」


P「では…」パカッ


P「これは…チョコクッキーと、お猪口?あ、もしかして、前に肇と作ってた?」


楓「はい♪昨年のバレンタインデーに肇ちゃんがチョコと一緒にマグカップを差し上げたと聞いて、私も長考した末、ちょこっとしたプレゼントとしてお猪口を添えようと」


P「おお、ダジャレのキレも冴えてますね」


楓「ふふ、これから事務所で飲む時は、これを使って下さいね?…早速ですが今夜、どうですか?いいお酒をいただいたんです」クイッ


P「はは、喜んでお付き合いします」


楓「楽しみにしていますね?それでは後ほど」スタスタ


P(…お猪口、肇からもらったマグカップの横に置いておこう…うん。宝物がまた増えたな)


P(…よし!今日も頑張ろう!)



ーーーーーーーーーーーーー


P「ーなあ、肇?」


肇「何ですか?」


P「最近さ、みんなが俺に駄々を捏ねる時、頬っぺたをぷくーとさせるんだよ」


肇「…そ、そうなんですか?」


P「うん。特に楓さんの使用頻度が高い…それでな、「肇の真似ですか?」って聞いたら「こうすればPさんは弱い」って肇が言っていたという証言を得たんだけど…」


肇「…………な、何のことでしょう」


P「…肇、目が泳いでるぞ」


肇「…Pさんは、私を疑っていらっしゃるんですか?」プクー


P「よし、確信犯だな」グニグニ


肇「いふぁいれす、いふぁいれす…!む、むかしは、無意識だったんです…!」


P「昔?」


肇「エレベーターの頃…」


P「大分前からだな!都会に来て悪い子になりやがって」


肇「も、元はといえば、不粋なPさんが悪いんです!」


P「えぇー…いや、あの時は確かに、俺もちょっと不粋だったなと反省したけどさあ…」


肇「反省が足りません。あの時のお詫びに、あのエレベーターの景色よりも、もっとロマンチックな場所に連れて行って下さい」


P「そうくるか……ロマンチックな場所って……どこだ?」


肇「ご自分で考えて下さいっ」


P「そ、そうか……」


肇「…」


P「……あ」


肇「閃きました?」


P「うん、閃いた。ロマンチックな場所、だろ?」


肇「ええ。どこです?」


P「…肇」ガシッ


肇「は、はい」ドキッ


P「ー肇を、トップアイドルとして、きらめくペンライトの海のステージへ連れて行く。なんてのはどうだ?」キリッ


肇「…!」


P(…)


P(……あ、マズい。これは、冷静になってみると、かなり、恥ずかしい事を口走ってしまった気がする…!)プルプル


P(か、顔が熱くなってきた…こんなの、他の子に見られたら何を言われるか…あ)


藍子「…」ジー


早苗「…」ジー


P「…」


P「……見てた?」


藍子「…」パシャ


P「おい!無言で写真を撮るな!じ、事務所を通して下さい!!」


早苗「…うーん、P君、今のはちょっとクサいかも…」


藍子「でも、素敵な答えだと思いますよ?」


早苗「まあ、そうだけどさあ…もうちょっとこうムードをー」


P「冷静に品評しないで!忘れて!あと写真消して!」


肇「…Pさん」クイクイ


P「!な、何だ?肇」



肇「……私、頑張りますから…必ず、連れて行って下さいね?」ニコ



P「」ズキューン


藍子「」ズキューン


早苗「」ズキューン


藍子(か、可愛い…!Pさんの袖をちょこんと掴んで、これでもかというほど顔を真っ赤にして、それでも目は真っ直ぐにPさんを見つめて嬉しそうに微笑んで!)


早苗(こ、恋する乙女って凄いわね…私でも惚れちゃうわあんな顔されたら)


藍子(と、とりあえず…!)パシャ


P「だ、だから撮るなって!」


肇「……///」



ーーーーーーーーーーーーー


楓「おーねがいーシーンゴジラー♪…あら?」スタスタ


時子「…チッ 」ガチャガチャ


楓「時子さん、どうしました?」


時子「あぁ、楓…私の鞭を探しているのよ。ここら辺にあるはずなのだけれど」ガチャガチャ


楓「あぁ…ウチの事務所は物が多いですからね。何でも揃っているから「ハンズ事務所」と業界では呼ばれているらしいですよ」


時子「それならハンズらしくわかりやすく陳列しておいて欲しいわ」ガチャガチャ


楓「……あ」ヒョイ


楓「時子さん、時子さん」


時子「アァン?」クルッ


楓「これ、君の縄?…ふふっ♪」


時子「鞭よ」


P(…時子様は楓さんのダジャレに気づいているのだろうか…)



ーーーーーーーーーーーーー


聖來P「ぐはぁー!疲れたー!!」


聖來「もう、だらしないなあ。「体が鈍ってるからダンス教えてくれ」って言ったのはそっちでしょー?」


聖來P「いきなり難易度高すぎだろ…何だあの動き」


聖來「あんなの基礎の基礎だよ。はい、スポドリあげるからシャキッとする!」


聖來P「…それ、お前の飲みかけだろ」


聖來「え、そうだけど……イヤ?」


聖來P「イヤじゃないけど…いいのか?」


聖來「気にしない、気にしない♪」


聖來P「それじゃ、遠慮なく……でも、そういうの、男相手に誰彼構わずしない方がいいぞ」


聖來「…誰彼構わずじゃ、ないよ?」


聖來P「…え?それってどういう…」


聖來「んー!どういう意味だろうね!それじゃ!」スタスタ


聖來P「あ、おい聖來!」


肇「…」ジー



【後日】


肇「Pさん、お茶、飲まれますか?」


P「お、サンキュー」


肇「…」ゴク


肇「…はい、どうぞ」


P「え、何、毒味?」



ーーーーーーーーーーーーー


【レッスンルーム】


肇「ーなな、はーち、きゅーう…」グイー


穂乃香「…」ノビー


肇(穂乃香さん、凄いなあ…顔が地面に着きそう…軟体動物みたい…本当に、骨、あるのかな…?)グイー


穂乃香「…ふう。肇さん、ありがとうございました。では、次は肇さんですね」


肇「…あ、は、はい!お願いします……あ、あの」


穂乃香「はい?」


肇「実は私、身体、凄く硬いんです…」


穂乃香「ふふ、あずきちゃんから聞いています。そんなに硬いんですか?」


肇「それはもう…ですので、少し、お手柔らかにー」


穂乃香「駄目です!」


肇「ええ!?」


穂乃香「身体が柔らかくないと、ダンスの表現の幅も狭まりますし、それにー」


肇「そ、それに?」


穂乃香「ーセクシーぼでーに、なれませんから!」バーン!


肇「な、何の話ですか!?…きゃあっ!」ググッ


穂乃香「いーち…にーい…息をゆっくり吐きながら…」グイー


肇「いっ…!?いだだだだ!ちょ、穂乃香さっ…いだだだだ!!」ググッ


穂乃香「大丈夫です!まだ行けます!」グイー


肇「いだい!いだいです!……あっ!?」


P「…」ジー


穂乃香「あっ、肇さんのプロデューサーさん。お疲れ様です」


P「お疲れ様、穂乃香さん、肇」


肇「ど、どうしてPさんが…!?」


P「いや、明日のスケジュールで伝え忘れた事があったから…それより、肇。凄い声出てたな」


肇「っ!あ、あの、これはですね…!ち、違うんです!いえ、違わないのですが…い、いえ!と、とにかく違うんです!!」


穂乃香(何が違うんでしょう…?)


P「…」


肇「違うんです!とにもかくにも、違うんです!」


穂乃香(あ、五・七・五)


P「ふーーーん」


肇「だ、だから、その…!」


P「穂乃香さん」


穂乃香「はい、何でしょう?」


P「スケジュールは後で肇に伝えるから、続き、して」


肇「!?」


穂乃香「わかりました」グイー


肇「いっ…!?」


肇(こ、こえ、おさえなきゃっ…!!)


肇「んっ…!っはぁ…!んんぅっ…!」ノビー


P(エロい)


穂乃香(…肇さん、顔を真っ赤にして必死に身体の硬さを克服しようと…立派です!私も見習わないと…!)グイー


肇「もっ…!もう、じゅう、たちました、からあっ…!ゆるしてぇ…!」



ーーーーーーーーーーーーー


【舞台裏】


スタッフ『それでは、藤原さん、準備お願いしまーす!』


肇『はいっ!』


P『よし、いよいよだな、肇。準備はいいか?』


肇『はい。星々のスポットライトに照らされたステージで、最高の私をお見せします!』


P『ああ!楽しみにしてるぞ!…大丈夫だと思うけど、気負いすぎるなよ?』


肇『ふふ、勿論です。気取らず、気負わず、私らしく…ですね』


肇『…』スゥ


肇『ー見極めました。いきますよ』



ワアアアアア…



………………

………………………

………………………………



【事務所】


肇「ー見極めました。いきますよ」スッ



ガシャーン!



肇「…」


P「肇はジェンガ下手だなあ。あんなに格好良い事言ってたのに」


肇「…忘れて下さい」


P「見極めました。いきますよ」キリッ


肇「あー!ああー!!」ポカポカ


P「あたた…はは、手先は器用なのにな?」


肇「忘れて!忘れて下さい!」


P「んー…ヤダ」


肇「意地悪!意地悪ですっ!」


P「肇は可愛いなあ〜」


肇「…もうっ!拗ねます!」プイッ


P「あー、ごめんごめん」ナデナデ


肇「知りませんっ!」ツーン


P「機嫌直せよはじはじ〜」ツンツン


肇「はーじーめーでーすー!」



早苗「…今日もイチャついてるわね、あのふたり」


ちひろ「そうですねえ」


早苗「でも「付き合ってない」って言い張ってんのよ。バレバレだっつの、ねえ?」


ちひろ「ふたりとも不器用ですからね」


早苗「まったくもう、可愛いカップルなんだから…見てるこっちが恥ずかしくなるわ」


ちひろ「ふふ、でも、見ているだけでこっちまで幸せになりますね」


早苗「…そうね。お互い、肇ちゃんに恋愛相談された身だもの。余計に、ね♪」


ちひろ「ええ♪」


早苗「今日も平和ねえ…」


ちひろ「ええ、本当に…」



…ハジハジ…ハジメデスッ!…



というわけで、Twitterで呟いたり、他の方が下さった素敵な肇ちゃん妄想たちをアレンジした短編集でした。
次回は肇ちゃんとP夫妻が布団でグダグダ会話する話を書こうかなと思っています(エロじゃないです!)
流石に次回が終わったら投稿ペースもゆっくりになるかな…

それでは、今回もお付き合い下さりありがとうございました。肇ちゃんはいいぞ。

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