・キャラ崩壊、口調注意
・本家とミリオンのキャラが絡みます
よろしくお願いします。
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~~事務所・会議室~~
ガチャ
天海春香「失礼しまーす」
我那覇響「おはよう。春香」
春香「おはよー。早いね響ちゃん」
響「大事な打ち合わせだからな。むしろ春香が遅すぎるくらいだぞ」
春香「それもそうだね。一体どんな内容なのかドキがワクワクするね!」
響「胸はどこにいったんだよ」
春香「千早ちゃんの話してる?」
響「してない」
春香「それにしてもプロデューサー遅いねー」
響「そうだな。そろそろ来てもおかしくないと思うけど……」
ガチャ
P「すまん、待たせた。打ち合わせが長引いてしまってな」
響「おっ、噂をすれば」
春香「おはようございますプロデューサー。何の打ち合わせですか?」
P「次の特番でどの我那覇がバンジージャンプをするかというとても大事な打ち合わせだ」
響「どの我那覇ってなんだ!? 自分一択じゃないか!」
春香「ドンマイ響ちゃん!」
P「そして議論の末、春香が飛ぶことになった」
春香「なんで!?」
響「それじゃプロデューサー、早く打ち合わせ始めようよ」
P「ああ、そうだったな。……その前に二人は今度美希がハリウッドデビューするって知ってるか?」
春香「ええ、まぁ」
P「千早も紅白出場を目指して頑張っている。伊織も主演女優賞獲得に向けて日夜努力を続けているし、真も総合格闘技のチャンピオンを夢見て山篭りを開始した」
響「一人おかしくなかった?」
P「そうだな。千早には紅白なんてちっぽけな器に収まらずに世界を目指してもらいたい」
響「それじゃないんだけどなー」
P「まあ、俺が何を言いたいかってのはだな。事務所の仲間が自分の夢を叶えるために邁進している。ウチの評判もこいのぼりだ」
響「うなぎのぼりね」
春香「ありがたい話ですよね」
P「だから今年は二人にとっても勝負の年になると思う。そのことを肝に銘じておいてくれ」
響「……まぁ、いつも通り頑張るさー」
春香「張り切っちゃいますよー!」
P「はは、頼もしいな。さて、それで次の仕事なんだけどな――」
――――――――
春香「がなはるトーク!」
響「特別編!」
春香・響「『アイドルオススメの温泉へ行こう!』」
響「この番組はアイドルがオススメする温泉に行ってまったりするって番組だぞ!」
春香「どんな温泉が私たちを待っているかワクワクしますねっ!」
響「それじゃ今回温泉を紹介してくれるアイドルの登場だぞ!」
横山奈緒「どうもどうも横山奈緒です。今日はよろしくな~!」
春香「はい解散!」
奈緒「なんで!?」
奈緒「なんで登場した瞬間解散やねん!」
春香「奈緒ちゃん、温泉番組で一番重要なものって何か分かる?」
奈緒「え、えぇ~? 旅の楽しさが伝わる空気感とかやない? 知らんけど」
春香「色気だよ」
奈緒「……は?」
春香「この温泉番組には圧倒的に色気が足りない!」
奈緒「知らんがな!」
春香「視聴者はムラムラするために温泉番組を見てるんだよ? このメンバーじゃ視聴率なんて稼げないよ!」
奈緒「そんなわけないやろ! おっさんが行く温泉番組とかもよくあるやん! それはどの層向けやねん! ホモ専用とかでも言う気か!」
春香「そうだよ!」
奈緒「こいつ言い切りおった!!」
春香「とにかくこのメンバーには色気なんてない。ボケしかない」
奈緒「そないなことないやろ!」
春香「そうだね。食い気もあるよね」
奈緒「いらん属性がついてもた!? いやいやアイドルとしてちゃんと――あれ? そういえば響は?」
春香「ん? そういえばどこに――」
響「あの二人放っておいていいんで出発してください」
春香「あっ、もうバスに乗ってる!」
奈緒「ほんまや! ちょっ、待ってくれや~!」
――――――――
春香「はぁはぁ、置いてかれるとこだったよ……」
奈緒「ほんまやな……」
響「いつまでもくだらない話続けてるからだろ」
春香「ごめんごめん、ちゃんと実のある話をするよ」
奈緒「そういえば前から聞きたかったんやけど、二人ってどうやって知り合ったん?」
春香「出会い系でだよ」
奈緒「響頼むわ」
響「分かったぞ」
響「実は自分が事務所に入りたての頃、全然友達ができなかったんだ」
奈緒「なんで? 上京したばっかりで緊張してたとか?」
響「いや、いきなり事務所の床掘って埋まりだす子や一日中ラーメンを食べてる子、素手でクマ狩ってくる子や春香。特殊な子ばかりで関わっちゃいけないと思っていたからな」
奈緒「ウチの事務所は個性的な人ばっかりやからなぁ……」
春香「待って、一人おかしい子がいた」
響「確かに春香って子はぶっちぎりで頭おかしかった」
春香「そういう意味じゃないんだけどなー」
響「慣れない土地に慣れない生活。おまけにこんな事務所だろ? 日に日に精神が弱っていってさ、得意だったダンスもボロボロ。このままじゃいけないと頑張っても頑張っても結果が出ない。ついにこらえきれなくなってレッスン室で一人泣いてたんだ。そんなとき春香が話しかけてくれたんだ」
奈緒「へぇー、何て話しかけられたん?」
響「『友達になろー』って」
奈緒「そのタイミングで!?」
奈緒「えっ、響一人でレッスン室で泣いてんねやろ? そのタイミングで言われたん?」
響「ああ、めちゃくちゃビックリしたぞ」
春香「私なりに色々考えたんだよ? でもさ、私はこの言葉以外に最適な言葉が見つからなかったんだよ」
奈緒「いやもっと言う事あるやろ! 『大丈夫?』とか『元気出して』とか」
春香「奈緒ちゃん……、天才だったか……!」
奈緒「誰でも思いつくわ!!」
春香「響ちゃんが泣いてるのを見て私もテンパったんだよ」
奈緒「うーん、しょうがない……かぁ?」
響「いやいや、いきなり泣いてる人に『友達になろー』って声かけるか普通? 絶対友達になりたくないだろ」
奈緒「せやな。で、響はなんて返したん?」
響「『いいよー』って」
奈緒「ええんかい!」
奈緒「さっき『絶対に友達になりたくない』とか言よったやろ!」
響「違うぞ! これは春香の巧妙な罠なんだ! 泣いてるところに優しい声をかけるという豊臣秀吉も真っ青な人心掌握術で――」
奈緒「普通やんけ! チョロ過ぎるやろ!!」
春香「感動的な出会い方だよね」
奈緒「どこがや! 会話だけ抜粋すると『友達になろー』『いいよー』やで!? 完っ全に小学生の友達の作り方やんけ!!」
響「奈緒、言い過ぎだぞ」
奈緒「別に言い過ぎでもないやろ!」
響「小学生はもうちょっと高度な駆け引きを経て友達になるからな」
奈緒「じゃあ幼稚園児の会話やなぁ!!」
響「これが自分と春香の出会いの物語だな」
奈緒「最初の入り的に感動的な話が聞けると思ったんやけどなぁ……」
春香「がっかりだよね!!」
奈緒「ほんまになぁ! 言葉のチョイスもうちょっと考えてほしかったなぁ!」
春香「『フレンズになろー』の方が良かったかな?」
奈緒「悪化したしなぁ!!」
響「まぁまぁ、ほら、そろそろ着くらしいぞ。降りる準備をしないとな」
――――――――
奈緒「はい、という事でやってきました○○町。ここに私オススメのとっておきの温泉があります」
奈緒「けど! ただ温泉に入るだけってのもつまらないのでちょっと探索してみましょう!」
響「ここら辺は何が有名なんだ?」
奈緒「ここら辺には有名な学問の神様を祀ってる神社があるみたいやな。学生の私達にはピッタリや!」
響「へぇー、それは是非行きたいぞ!」
春香「ま、私には必要ないかな」
響「もう手遅れなんだな」
春香「そうじゃなくてね」
奈緒「ほんならとりあえず神社に行こか!」
~~神社・お祭り中~~
ガヤガヤ
春香「うわぁ~、人がいっぱいだね」
奈緒「どうやらお祭り中みたいやな」
響「出店もたくさんあるみたいだし、ふらふら寄り道しながら歩く?」
奈緒「せやな」
春香「何か行ってみたいものある?」
奈緒「射的以外やったらなんでもええで。私射的めっちゃ苦手やねん」
春香「あっ、じゃあさ、あのお店寄ろうよ」
奈緒「ん? どのお店?」
春香「射的」
奈緒「話聞いてた?」
奈緒「い~や~や~! 行~き~た~く~な~いいいいいいいいいい!!」ズルズル
春香「いいじゃんいいじゃん。別に減るもんじゃないでしょ」
奈緒「いやホント、私の射的の腕は人様にお見せできるもんやないんですって!」ズルズル
春香「大丈夫大丈夫。いざとなったら編集で何とかするから」
奈緒「絶対カットされへんから嫌や!」ズルズル
春香「苦手を克服するのも大事だと思うよ?」
奈緒「確かにそうやけど――」ズルズル
響「お話中悪いけど着いたぞ」
「へいらっしゃい!」
奈緒「引っ張る力強いなぁ!」
春香「えへ♪」
響「奈緒、もうここまで来たら腹をくくるしかないぞ」
奈緒「せやなぁ……、よし! ほな、やろか! 最初は誰から行く?」
春香「じゃあ私からで!」
響「最初が肝心だからな。ガツンと一発決めてくれ」
春香「任せて! 伊達に小学生の頃『のび太』なんて呼ばれてないよ」
響「どうせドジでのろまだったからだろ?」
春香「違うよ! 一年中黄色いシャツと紺のズボンを着ていたからだよ!」
奈緒「結局射撃関係ないやんけ!!」
響「で、何を狙うんだ?」
春香「う~ん……じゃああの猫の置物で」
響「お、あの猫可愛いな」
春香「じゃあゲットできたら響ちゃんにあげるよ」
響「ホントか!? 頼んだぞ春香!」
春香「任せて! それじゃいくよ~」
パン
「大当たり~」カランカラン
春香「やった!」
響「おお!」
奈緒「はぁ~、一発で当てるとか凄いわ」
春香「ほら、響ちゃん手を出して」
響「ありがとう春香! 自分一生大事に――」
春香「はい、『ダンゴムシが交尾している模型』」
響「なるほどいるかぁ!」スパーン
響「猫の置物は!?」
春香「いや~、狙いが外れちゃってね。近くにあったそれを撃ちぬいちゃったんだよ」
響「よりによってこんな奇特な物撃ちぬかなくていいだろ!」
春香「そこら辺は……ね? 響ちゃんのためだと思って手に力が入りすぎちゃったんだよ」
響「……はぁ、しょうがないな。せっかく春香が取ってくれたものだし、とりあえずこれは大事に家にでも飾るぞ」
春香「響ちゃん……!」
響「よく見たら生命の神秘を感じるし、愛らしくも感じられる良い模型だと自分は思うぞ」
春香「センスないね! 私はものすごくダサいと思う!」
響「…………」
春香「あっ、ちょっ、響ちゃんごめん。悪かったから私の変顔写真をSNSにあげようとしないで」
響「#kokkai」
春香「ほんとやめて!!」
響「よし、じゃあ次は自分の番だな。奈緒、何か欲しいものあるか?」
奈緒「ほな、あそこのお菓子詰め合わせ狙ってくれる? お腹すいたわ」
響「分かったぞ」
パン
「大当たり~」カランカラン
響「はい、奈緒。約束の品さー」
奈緒「おお、いとも容易く当てたな~」
響「まぁ、伊達に色んな仕事してないからな。宇宙行ったりマグロ漁船乗ったり」
奈緒「……ホンマに仕事考えて欲しいなぁ」
春香「じゃあ最後は奈緒ちゃんだね」
奈緒「気乗りはせんけど頑張るで」
春香「じゃあ奈緒ちゃん、私にあのキャラメルをプレゼントして欲しいかな」
奈緒「まぁ、一応やれるだけやってみるわ! たぶんアカンやろうけど堪忍してな」
春香「大丈夫! 奈緒ちゃんが私のために一生懸命頑張ってるってだけで私は満足だから!」
奈緒「春香……! そんなん言われたらゲットせえへんわけにはいかんやろ! 全身全霊かけて景品ゲットしたるからな! いっくでぇ~!」
パン
「グワアァァーッ!!」
奈緒「おっさーん!?!?!?」
「グ、グフッ……」
奈緒「すんませんすんません! わざとやないんです! 私ホント射撃がメッチャ下手くそで……!」
「い、いや、いいんだ。当たる場所に立っていたおっさんにも非がある。それに、こんなこと業界では日常茶飯事だからね」
奈緒(日常茶飯事なんや……)
響(射的業界の闇深すぎるだろ……)
「まぁ、日常茶飯事とは言っても人を撃っちゃったわけだからね。ちゃんと反省はしてもらうよ」
奈緒「はい! ほんっとすみませんでした!!」
「そうだなぁ……、とりあえず君達三人――」
奈緒「は、はい! 何でしょうか!」
「おっさんのTシャツにサインしてもらってもいい?」
奈緒「そ、そんなことで許してくれはるんですか!? 書きます書きます! もう何枚でも書きますんで! な?」
響「当たり前だぞ!」
春香「是非!」
「また遊びに来てね~」
奈緒「はーい! また絶対来ますんで~!」
春香「いや~、いいおじさんだったね!」
響「だな! お土産にお菓子もたくさん貰ったし」
奈緒「こういう知らない土地の出会いとかっていいよな」
春香「一夏のアバンチュールや一夜の過ちとかね!」
奈緒「…………」
響「…………」
春香「えっ、あの……ボケだからね? ツッコんでもらわないと非常に困ると言いますか……」
響「……このど淫乱」ボソ
春香「違うからね!?」
奈緒「まぁ、とりあえずお参りに行こか!」
響「確か学問の神様だったよな?」
奈緒「せやで! やっぱ頭良くなりたいよな! 知的な女性とか憧れるわ~」
春香「痴的な女性?」
奈緒「やっぱど淫乱やんけ!」
~~神社・神殿前~~
奈緒「さて、何をお祈りしよか」
響「学問の神様だからな。無難に学業成就とかでいいんじゃないか?」
奈緒「それやと面白みがな~」
響「面白さとか求めないでいいと思うけどな」
春香「待って! 今私重要なことに気づいたんだけど!」
奈緒「ん? どうした?」
春香「今私の財布に500円しかないんだけど! やっぱりこれを投げるしかないの!?」
響「ものすごくどうでもいいぞ」
奈緒「予想の十倍くらいな」
春香「どうでもよくないよ! 高校生の500円は社会人の1万円に匹敵するってお母さんが言ってたもん!」
奈緒「でも500円って実際得られる効果が高いらしいなぁ。一流の催眠術師も本気で催眠かけるときは5円じゃなく500円玉を用いるって話をよお聞くし」
春香「そうなの!?」
奈緒「まぁウソなんやけど」
春香「ウソか~い」ドンガラガッシャーン
響(何だこの茶番……)
響「春香、5円ぐらい貸してやるさー」
春香「ありがとう響ちゃん!」
奈緒「さて、ほんじゃお参りしますか。お賽銭入れて、2礼2拍手1礼な」
響「分かったぞ」
春香「はーい」
奈緒「そんじゃお願いしますか!」
――――――――
奈緒「ふぅ~、みんな無事お願いできた?」
響「ああ、バッチリだぞ!」
春香「それじゃおみくじ引かない? 神社に来たらやっぱりおみくじでしょ!」
奈緒「せやな。それじゃ皆で引いてみますか!」
響「こういうのって凄いワクワクするよな」
奈緒「せやな。皆で引くとちょっとした運バトルみたいで楽しいよな」
春香「運なら私に任せてよ! 今まで運だけで芸能界を生き抜いてきたといっても過言ではないからね!」
響「そうだな。運様様だな」
奈緒「せやな。神様にはちゃんと感謝しいや」
春香「否定して! 運だけじゃないよって否定してよ!」
奈緒「さて、各々準備はええか?」
響「オーケー」
春香「バッチリだよ」
奈緒「ほないくで~、せーのっ!」
バッ
奈緒「お、おおおおおお!? やったー! 大吉や! いやぁ~、これは今年遂にブレイクしてまうな~。二人は?」
響「吉だな。まぁまぁだぞ。春香は?」
春香「私もまぁまぁかな。大凶だよ」
奈緒「いやそれ全くまぁまぁちゃうやん! ドベやん!」
春香「うぅ……、見事私だけ大吉を引いて自慢しようと思ったのに……」
響「そういう所を神様はちゃんと見てるんだぞ」
奈緒「せやで。春香の邪な心を神様は見抜いたんや」
春香「……はぁ、しょうがないか。それじゃこのおみくじは結んで帰るとするよ」
キュッ
奈緒「……なぁ、春香」
春香「どうしたの? 奈緒ちゃん」
奈緒「何で私の髪の毛に結んだん?」
春香「奈緒ちゃんの大吉パワーと私の大凶おみくじでいい感じに拮抗が取れるんじゃないかと思いまして」
奈緒「勝手に人の運気奪い取らんでほしいねんけど!!」
春香「それに結びやすそうな髪型してるしね」
奈緒「別にそうでもない思いますけど!?」
響「いや、見事な髪型だぞ。まるで、このためだけに考案されたような髪型だ。……というわけで自分も結ぶぞ」
奈緒「ちょっ、響までやめーや! 罰当たりやで!」
響「大丈夫大丈夫。奈緒は大吉だからあらゆる厄から守ってくれるだろ」
奈緒「あっ、これ嫉妬しとるな! 大吉引いた私に嫉妬してんねやろ! ちょっ、や~め~え~や~!」
――――――――
奈緒「さて、お参りも終わったし、次はいよいよお楽しみの温泉やな!」
響「どんな温泉なんだ?」
奈緒「ここはなぁ、めっちゃいい温泉やで。景色もいいし湯加減もちょうどいいしな」
春香「へぇー」
奈緒「まぁ、極めつけは効能やな。毎年何万人もが湯治に来るほどここの温泉は有名やねん」
響「ここなら春香の頭も治せるかな?」
奈緒「温泉にそこまでの効力はない」
響「そんな……!!」ガーン
春香「待って、まず私の頭は大丈夫だから」
~~温泉~~
奈緒「はい! ここが私一押しの温泉です!」
春香「わぁ…………」
響「凄いな……海が見えるのか……」
奈緒「やろ! しかも景色だけじゃないで! この温泉は腰痛・肩こり・神経痛などなど、様々な身体の異常に効果があるんでこの温泉を出た後は健康間違いなしやで!!」
響「へぇー、それは凄いな」
春香「この温泉なら毎年でも来たいよ!」
奈緒「せやろ!! いやぁ~、こんなに喜んでもらえたら温泉好きとして冥利に尽きるわ!」
奈緒「それじゃ早速入ろか!」
春香「そうだね」
響「よいしょ……っと、ふぅ、いい湯加減だな」
春香「そうだね~」
奈緒「あぁ~、やっぱり温泉はええわぁ~」
春香「ふふ、奈緒ちゃんおじいちゃんみたいだよ」
奈緒「えぇ~、そこはせめておばあちゃんって言ってえや~」
春香「しょうがないなぁ~」
春香「BBA」
奈緒「ほんまな、春香すぐ裏切るな」
響「たぶん大凶引いたのもこういうとこだぞ。こういうとこ」
春香「でも温泉ってやっぱり落ち着くね~。最近入浴剤にはまってるけどやっぱり温泉には敵わないね」
奈緒「入浴剤かぁ、ちなみにどんなの使ってるん?」
春香「緑色の入浴剤かな。森林浴の香りっていうやつ。すごくリラックスできてオススメだよ」
奈緒「へぇ~」
春香「入ってるとね、森林浴の香りなんだけど自分がエメラルドブルーの海に住んでる人魚姫の気分になれるんだよ」
奈緒「へぇ~、頭おかしい楽しみ方してるなぁ~」
響「自分は培養液に入ったクリーチャーが思い浮かんだぞ」
春香「まぁ、広い意味で捉えたら培養液も海だし、人魚姫もクリーチャーだよね」
奈緒「どんだけ広義で解釈すんねん!!」
響「ふぅ~……何かこの景色見てたら明日への活力が湧いてくるな」
奈緒「せやろ! 私もなぁ、嫌なことがあったらここに来んねん」
春香「そうなの?」
奈緒「せやで。仕事で失敗したとき、努力しても上手くいかへんとき、オーディションに落ちたとき。嫌なことがあったらできるだけこの温泉に来るようにしてんねん。ま、お金が無いからそんな頻繁には来られへんのやけどな」
響「……リフレッシュは大事だよな」
奈緒「ホンマにそう思うわ。自分のテンションが最悪な状態になったとき、自分でリフレッシュできる方法を知ってるってのは大事やと思うわ」
響「そうだな。リフレッシュ方法を知ってなかったらいざというとき抱え込んでしまってどうにもできなくなるからな。……他人に救われない限り」チラッ
春香「? どしたの響ちゃん? あっ! もしかして私の魅惑のプロポーションに魅了されちゃった!? ごめんね! 罪な女で!」エッヘン
響「ほんと現在進行形でストレスためてくるよな」
奈緒「だから二人には是非この温泉に入ってもらいたかってん」
春香「なんで?」
奈緒「いやあ……、最近千早や美希が活躍してきてるやろ? せやからあせっとるんちゃうかなあ~って……」
響「心配してくれてたんだな」
奈緒「いやほんと、余計なお世話かな~とも思ったんやけど! でもやっぱり応援したかってん! ごめんな!」
響「謝ることなんて何もないぞ」
春香「そうだよ。奈緒ちゃんの気持ちは十分に伝わったよ!」
奈緒「ホンマ!?」パアッ
響「当たり前だぞ!」
春香「うん! 私、奈緒ちゃんのおかげでこの一年頑張れそうだよ!」
奈緒「~~っ! よし! ほなら皆であの海に向かって夢を叫ぼか!」
響「ちょっと意味が分からないぞ」
春香「遠慮します」
奈緒「なんでや!!」
響「いや、話の流れおかしくないか?」
奈緒「ええやんええやん! こういうのは勢いが大事やねん! 海に向かって大声で自分の夢を叫ぶって青春やん?」
春香「でもシンプルに恥ずかしいし……」
奈緒「今更何を恥ずかしがることがあんねん! アイドルなんて自分をさらけ出してなんぼやで!」
響「じゃあ奈緒、ちょっと手本を見せてよ」
春香「そうだね。最初にやるのは勇気がいるから手本を見せてほしいかな」
奈緒「分かった! ちゃんと見とくんやで!」
奈緒「『絶対トップアイドルになってやるからなぁ~~!!!!!』」
奈緒「……はぁはぁ、これが手本や! どや!?」
響「本当に恥ずかしいなって」
奈緒「そういう感想は求めてない!」
春香「バスタオル巻いた関西弁の少女がトチ狂ったようにしか見えなかったよ」
奈緒「その言い方は悪意あるなぁ! 訂正してや!」
春香「バスタオル巻いた関西弁の美少女がトチ狂ったようにしか見えなかったよ」
奈緒「もっと大幅にリニューアルしてほしかったけどなぁ! でも、おおきに!」
奈緒「ほら、私がやったんやから二人もやりや!」
春香「でも何言えばいいか分かんないし……」
奈緒「そんなんお参りのときに願ったんと同じでええやろ。きっとみんな同じ事を願ってるはずや。『トップアイドルになる』っていう同じ願いをな!」
響「自分は『学業成就』なんだけど……」
奈緒「なんで!?」
響「え、だって学問の神様なんだろ? その神様に合った願い事したほうがよくないか?」
奈緒「その正論は今受け付けません!!」
響「えぇー……」
奈緒「春香は!?」
春香「『無くしたくつ下の片方が見つかりますように』って」
奈緒「まったく全然関係ないやんけ! どんな願い事してんねん!」
奈緒「はい! じゃあ『トップアイドルになるぞ~~!!』な!」
響「こういうのは無理矢理言わせるもんじゃないと思うんだけどなあ……」
奈緒「こうでもせえへんかったら言わへんやろ! 私は二人の口から聞いて安心したいんや!」
春香「なんか奈緒ちゃんお母さんみたいだね」
奈緒「誰がオカンや! ほら、ちゃんとしいや! 私にカッコいいところ見せてや! 私は二人に憧れてアイドルを目指したといっても過言やないんやから!」
春香「え? 奈緒ちゃん今何て――」
奈緒「え、ええから! 早く言ってください!」
響「……ふふっ、それじゃ早速言おうか」
春香「そうだね。ファンも待ってるみたいだし」チラッ
奈緒「な、なんやねん! 言うなら早く言いや!!」
響「ははっ、よし! それじゃ春香、準備はいいか?」
春香「うん! いつでも!」
春香・響「せーのっ!」
春香「『トップアイドルになろー』」
響「『いいよー』」
奈緒「幼稚園児か!!!!」
END
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
お目汚し失礼しました。
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