??「よぉ~こそぉ~」
男「は?(なんだここ。一面真っ白な空間……?)」
男「(夢、にしちゃ感覚がリアルすぎるな。かといって目の前の光景は現実離れしすぎてる)」
??「君は栄光あるゲームの参加権を得ました、パチパチィ」
男「お前、なんだ……? ゲーム?」
天使「はじめまして。ボクは神の使い。キミの担当です。
キミたちからすれば天使って言ったほうが分かりやすいかな?」
男「天使ィ?」
天使「あ、疑ってるね」
男「あたりめーだろ」
天使「まあ、そういう反応になるよねぇ。ほぉらとぶよ~ぱたぱた~。
光るよぉ、ぴかぴかぁ。天使のわっかも出しちゃうよぉ」
男「うわっ!(浮かび上がりやがった!?)
マジモンの天使!?」
天使「最初っからそういってるしぃ」
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男「……だけど実際に見ても、どうにもアタマのおかしいコスプレにしかみえねーんだよな」
天使「ええ~せっかくヒトのパブリックイメージを気にして
意味もないわっかだして翼生やしたり白い服きてきたのにぃ」
男「パブリックイメージを気にする天使がどこにいるんだ」
男「(妙な気分だな……目の前で起こっている超常現象をなぜかすんなり信じてる俺がいる……)」
男「ていうかここどこだよ。どうやって拉致りやがった。答えろ」
天使「いーけないんだ。天使にそんな言葉づかいしていいのかなぁ?
神様に言いつけちゃうぞ」
男「いいから質問に答えろよ」
天使「ま、いっか。おっけー。質問に答えるよ」
男「お前緩いな……まずここはどこだよ」
天使「ここは、えっとそうだね。キミたちの言葉でいうならうーん……難しいなぁ。
ああ、そうだ。きょすーくうかんかな!」
男「は?」
天使「だぁかぁらぁ、虚数空間だよ。きょすーくうかん。実在しない空間ってこと」
男「なにも回答になっていないんだが?」
天使「それで、次の質問なんだっけ。ああ、どうやって連れてきたかって?」
男「おい、こら、勝手に話進めんな」
天使「それはねぇ、ちょーっと夢の中に入らせてもらって、
えっと君たちの言葉でいうなら魂を連れてこさせてもらいました」
男「は?」
天使「その『は?』っていうのやめない? 感じ悪いよぉ?」
男「お前が意味わからんことばっかり言うからだろうが!」
天使「そんなにわからないかなぁ。だって虚数空間に肉体は入れないし」
男「虚数空間の特性なんざどうでもいいんだよ!」
天使「じゃあなにをききたいのさぁ」
男「俺が分からないこと全部だよ!」
天使「えーめんどくさいしぃ、そろそろはじまっちゃうしぃ」
男「この状況をめんどくさいで片付けるのやめてくれ……」
男「……はじまる?」
天使「ああ、そうそう。キミは今からあるゲームに参加できるようになったんだよ。
そのゲームは肉体まるごとだから安心してね」
男「棄権する」
天使「えぇ~ちょっとぉ、聞きもしないでそれはないでしょぉ」
男「付き合ってられるか、馬鹿。さっさと帰せ」
天使「フフフフ」
男「なんだよ、その不気味な笑いは……」
天使「もちろんタダでとは言わないよぉ。もし勝てたらご褒美あげちゃう」
男「いらん」
天使「だぁかぁらぁ、話聞く前に拒否するの現代っこの悪いクセだよぉ」
天使「いいかい? もし最後まで勝てたら神様の涙と天使の瞳をあげちゃう」
男「そんな意味の分からんものいらん」
天使「ええ!? あ、そうか。キミたち知らないもんね」
男「あん?」
天使「えっとねー、神様の涙はそうだなぁ。想像を実体化させる宝珠って言えばいいのかな。
天使の瞳は全ての世界を見通せちゃうコンタクトレンズって感じ」
天使「どう、ほしくなったでしょ?」
男「現実離れしすぎていてイメージがわかんからいらん」
天使「えぇっ!?」
男「どちらかといえば今すぐ俺を家に帰してくれっていうのが願いだ」
天使「でもぉ~」
男「でも?」
天使「もうエントリーしちゃった、てへ」
男「は?」
天使「だぁってぇ、こんないいものいらないっていうと思わなかったしぃ」
男「はあ、わかったわかった。ならさっさとはじめろ」
天使「あれぇ? もっと『ふざけんな! 取り消せ!』とか言うと思ったのに。
まあ、取り消せないんだけどねぇ」
男「似てねぇモノマネすんな。
さっさと負けてリタイアすんだよ。それでいいだろ」
天使「ふぅん。いいけどぉ、それじゃ死んじゃうかもよ?」
男「は?」
天使「詳しいルールはあとで説明するけどぉ、正規の手順で抜けないとどうなるか知らないから」
男「はあぁぁ!? ふざけんな! そのエントリー取り消せ!」
天使「だからできないんだってぇ。そんなことしたら神様の怒りを買って今この場で死んじゃうって」
男「で、できない? どうしてくれんだよ……意味わかんねぇよ」
天使「ヘーキヘーキ、滅多なことじゃ死なないから、たぶん、きっと、うん」
男「尻すぼみになってんじゃねぇ! あと目線そらすな!」
天使「あ、アハハ。とにかく、ルール説明するねぇ。本当に時間無くなってきたから」
男「くっそ! ……おら、話せ」
天使「うんうん。参加ってことでいいんだね。
はじめからそうやって素直に聞いてくれればよかったのにぃ」
男「時間ねーんだろが!」
天使「そうだったね。
まずキミに参加してもらいたいゲームのことについて説明するよ」
天使「んー時間もないし端的にキミたち風に言ってしまえば宝探しと鬼ごっこかな」
男「随分ガキっぽいな……」
天使「まーネ。ただ参加人数はボクも知らないんだ」
男「おいおい、大丈夫かよ……」
天使「ああ、でもキミ含めて一人二人ってことはないから。
それで探してもらう宝が、こんなの」
男「なんだ、青い宝石? 野球ボールくらいあるな」
天使「必ずしもこれと全く同じってワケじゃないけどねぇ。でも、わかると思うよ。
これがこれから行ってもらう場所に20個ほど隠してあるんだ。
それで1コ見つけて、タイムリミットまで持っていてもらえばオッケー」
男「それだけか?」
天使「それだけ」
男「鬼ごっこっていうのは?」
天使「まあ、鬼ごっこになるかどうかは実際わからないんだけどねぇ。
見つけてもらった宝は持ってなきゃいけないってことは?」
男「なるほど、争奪戦が始まれば持つものが追われ、持たないものが追う構図になるってことか」
天使「そゆこと。飲み込み早くて助かるよぉ」
男「確かになるかわからないな。
見つけてずっと隠れっぱなしのかくれんぼになるかもしれないわけだし」
天使「あーボクが言いたいのはそういうことじゃないけどねー」
男「は?」
天使「まあまあ。始まればそれはわかるし、ここで説明しちゃうのはNGだよぉ」
男「はあ。そうかい。それで?」
天使「それで? って?」
男「負けたらどうなるんだ?」
天使「アハハ、やっぱり気になる?」
男「当たり前だろうが! ていうかさっさと負けて解放されたいんだよ!」
天使「あーなるほどとねぇ。でもそれはオススメしないかなぁ」
男「どうして?」
天使「言ったでしょ。正規の手順で抜けなきゃいけないって」
天使「正規の手順で抜ける方法は一つ。宝を手に入れてまずは勝ち残る。
そしてそのあとに進むか棄権するかを決める」
天使「そして、宝を手に入れられなかったものの末路は……」
男「末路は?」
天使「ボクにもわからないや」
男「は?」
天使「そこから先は神様の管轄だからねぇ。ボクたちが知ることはできないのさ」
男「意味わかんねぇ……意味わかんねぇよ!」
天使「だから、真面目にやることをお勧めするよ。
本当に知らないんだ。負けても何事もなく戻っているかもしれないし、もしくは戻れないかもしれない」
天使「ただ神様は常々言っているよ。
『何のリスクも追わずに手に入れることのできるものなどない』ってね」
天使「そして、無事に戻ったなんて話を聞いたことは一度もないんだ」
男「ふざけんな。ふざけんなよ……」
天使「さて、話はここまでにしておこう」
天使「これからキミはとある場所に転送される。
そしてその30分後にゲームが始まる。
いいね?」
男「よくねぇけど、やるしかないんだろ」
天使「いい眼だ。ボクが見込んだだけはある」
男「あん?」
天使「おっと、そうだ。一個プレゼントを渡さなきゃ」
男「プレゼントだ?」
天使「この争奪戦を有利にすすめるために、天使から一つだけ
プレゼントを渡すことを許されているんだ」
男「ふぅん。っておい! なんか俺の脚どんどん消えてるんだけど!?」
天使「わっちゃー転送はじまっちゃった。
えっとえっとーなに渡せばいいのかなーえっとぉ」
男「ななな、なんでもいいから早くしてくれ! もう腰まで消えてるって!」
天使「えとーえとーじゃあ、ハイ! これ!」
【天使の木槌 を手にいれた!】
男「木槌!? こんなもん渡されても――」
シュウウウ……
天使「あ、いっちゃった」
天使「まあ、使い方はわかるだろうしいいけどさぁ」
天使「慌ててたとはいえ、ヘタすればバランスをぶっ壊しちゃうアイテム渡しちゃったなぁ」
天使「ボクのためにも、彼には頑張ってもらわないといけないし、いっか」
――
―
男「う、うん? ここは……つめたっ! 水……波?」
男「海岸線……目の前には雑木林。
うーむ無人島に漂着した人みたいになってきたな」
男「島かどうかもわからねぇけどさ」
男「……で? この木槌を使ってどうしろと? 釘でも打てと?」
パアアア
男「うわ、木槌が光はじめた!?」
木槌『チュートリアルモードを開始します』
男「チュートリアル……? ずいぶん親切なこって」
木槌『この木槌で叩いたモノにランダムで効果を与えます。
ベースとなる効果に神の意志を宿らせることによって効果が決定されます』
男「……なんのこっちゃ」
木槌『試してみましょう。近くに小石がありますね。
今回はチュートリアルなので対象を小石に限定させてもらいます
【小石を>>12する】』
爆弾
木槌『効果が決定しました。実際に叩いてみましょう』
男「小石を爆弾にするねぇ……いきなり爆発したりしないよな?」
コンッ!
男「……? なにも変化しないぞ」
木槌『遠くに投げて効果を確かめてみましょう』
男「投げろねぇ……せいっ!」
ボンッ!
男「うわっ!(大した爆発じゃねぇけど、本当に爆発した!)」
木槌『成功です。チュートリアルは以上になります』
木槌『最後に注意事項です。この効果は10分置きにしか使えません。
また、神の遺志が抽象的であればあるほど効果は薄くなり、具体的であるほど効果が高くなります』
木槌『さらに、短い文字数のものほど効果は高くなり、長文ほど効果が薄くなります』
木槌『なお木槌に効果が宿るのは10分間だけです。過ぎてしまえば効果が失われてしまいます』
木槌『もっとも気をつけなければならないことをお伝えします。
木槌に同じ効果を宿すことはできません。
そして一度叩いたものにはこの木槌の効果は与えることができません』
木槌『くれぐれもご留意くださいますようお願い申し上げます』
木槌『それでは、ご武運を』
シュウウウウ……
男「光が収まったか。本当に意味わからん状況になってきたな」
男(天使が言うには転送されてから30分後に始まるって言ってたな)
男(ってことはあと20分チョイで始まるわけだが、もう動き回っていいのか?)
【チュートリアル 行動指針】
男の行動は適所で行動安価が入ります。
行動安価は選択肢3つ+自由安価で構成されます。
自由安価の指定は事前の行動や行動指針に矛盾の出る行動はできません。
(例:現在の男の行動指針は生きてゲームを脱出するのため自殺する、といった行動はできないなど)
自由安価は行動指針に矛盾が生じない限りは行動へと移ります。
(例:○○を殺す、などはOK)
それでは行動を選択していきましょう。
【現在の行動指針 生きてゲームを脱出する】
Q.これからどうする?
1.この場に待機する
2.この場を離れて探索してみる
3.この付近を探索してみる
4.自由安価
>>17
3
男「……とりあえず、この付近を探索してみるか」
男「もし、もう近くに目当ての宝があれば万々歳。
なくても地形把握をしておく必要はありそうだしな」
男「とりあえず海岸線にはめぼしいものは特にないから……
雑木林を見て回るか」
――雑木林
男「うーむ……植生の知識があれば気候やらも予想がつくんだろうが全く分からんな。
とりあえず、虫はそこらじゅうにうようよしているが……これも種類がわからん」
男「木の実もそこらじゅうになってはいるものの、食えるかどうかもアヤシイな」
男「そういや、あのクソ天使。ゲームの期間明言していかなかった」
男「……うわ、めっちゃ嫌な予感が。
もしかして、何日もここにいないといけない場合サバイバル生活しなきゃいけねーの……?」
男「うっわ、思ったより最悪の状況だぞ、これ」
男「食糧とか飲料水とかどーすんだよ! あのアホ天使!」
男「いや、待てよ。木槌を使えば拠点とかすぐにつくれたりするのか……?」
男「いや待て待て、トチ狂った考え方はやめよう」
男「さっさと宝を見つけて、リミットまでもってればいいんだ」
男「拠点なんて作ったら居場所がモロバレだし、なにより作ったところで
拠点で生活しないかもしれない」
男「いや、だけど宝探しだっていうくらいだし、やっぱり何日もかかるかも……」
男「うぬぬぬ……どうすれば」
ピンポンパンポーン
……――ただいまよりゲームを開始します。繰り返します。ただいまよりゲームを開始します。
男「……! 始まった、か」
男「さて、どうするか」
【現在の行動指針 生きてゲームから脱出する】
Q.どうする?
1.さらに探索範囲を広げて情報取集をする
2.拠点を作り、状況を整理する
3.とりあえず食糧を確保する
4.自由安価
安価↓
男「とりあえず、もう少し現状を知らないとな。
もう少し、雑木林の奥に進んでみるか……」
ザッザッザ……
男「うーん、思ったよりこの雑木林広いな。
全然出口が見えん」
男「案外、こんなところにお宝落ちてたりなー」
男「そんなんなら苦労しねえか……」
ザッザッザ……
男「結構歩いたが、抜ける気がしないな。
まだまだ続いている。結構な森林だ」
ガサガサガサ
タッタッタ……
男「! (動物……!?)」
男(いや、いまのは人の足音。つまり他のプレイヤーか!)
男「足音はここから離れていったみたいだがどうする……?」
【現在の行動指針 生きてゲームを脱出する】
Q.どうする?
1.追う
2.追わずに探索を続ける
3.逃げるようにここから離れる
4.自由安価
安価↓
男(考えてみれば、まだ開始して20分ほど)
男(さっきのプレイヤーの行動は敵対プレイヤーを考慮せず走って抜けていた)
男(つまり思慮深いタイプではないはず)
男(慎重な人間なら、まずは周囲の確認からだ。そして直線的に行動はしないだろう。
さっきのプレイヤーの足音は迷いなく真っ直ぐ走り抜けていった)
男「うーむ」
男(ただ気になるのは足音を残していったこと)
男(可能性は二つ。相当なマヌケか、罠)
男(転送から現在時間までおおよそ1時間弱。
アイテムにもよるだろうが使い方を理解していれば罠をはることは難しくない)
男「まあ、誘ってるような走り方じゃなかったけれどな」
男「足音の向かった方角は東」
男「なら、西に向かってみるか。逆方向なら罠の仕掛けられていることもあるまい」
男「それにもしかしたら、俺のときのようなチュートリアルの痕跡を見つけられるかもしれねーし」
男「もし見つけられたらこの情報アドバンテージはでかい」
男「……探してみるか、走って行ったやつの初期位置」
ザッザッザ……
男「ふう、ふう、そろそろ30分歩いたと思うんだが、
初期位置らしき場所見当たらねぇ……」
男(まさか、アイツずっと走ってたのか?
どんなバケモノ体力だよ……)
男「お? あそこで雑木林が終わってる……!」
ザッザッザ……
男「平野か、ってうお!」
男(な、なんだこりゃあ。ものすごい力で地面が掘り起こされてる!?)
男(なんつーでけぇ穴だ。深さは3メートルくらいか?
そこを起点にして扇状に土がまき散らされてるが……)
男「……どうなったらこんな風になるんだよ」
男「もしかして、みんな思ってるより戦闘向けのアイテムをもってるのか?」
男「もしそうだとしたら、やっべぇぞ。
こんな効果が不確定なアイテムじゃ正面からの戦闘は無茶すぎる」
男「つまり、敵対プレイヤーからの奪取は絶望的。
かといって、うまく宝を得られても逃走や隠蔽に特化しているわけでもない」
男「最悪だクソッタレ……」
男「これは、この木槌をもっと知っておかないとまずいかもな」
男「これは、この木槌をもっと知っておかないとまずいかもな」
男(ここがさっきのヤツの初期位置、だろう)
男(俺の初期位置から歩いて1時間ほど)
男(さらにほかのプレイヤーと遭遇しなかったことを考えると
おそらくここにいたプレイヤーが俺と一番距離の近かったプレイヤーのはずだ)
男(等間隔ではないにせよ、ゲームと銘打っている以上
ある程度離した場所に配置したいのがゲームマスターとしての心理だろう)
男(……あくまで人間感覚でいえばだけど)
男(そこは、ゲームマスターとしての良心に期待したとして。
そうなってくれば、ここは今他のプレイヤーと最も出会いにくい場所だと言える)
男「木槌の実験をするなら最適だが……」
男「問題は使用制限だよな。
万が一ここで対戦闘に有利な効果を引いちまったら、あとが不利になることは明白」
男「かといって使い方をろくに知らないのは論外」
男「うぬぬ」
【現在の行動指針 生きてゲームを脱出する】
Q.どうする?
1.ここで木槌の実験をする
2.木槌の実験はせず別の場所へ移動する
3.歩いてきた場所を戻る
4.自由安価
安価↓
男「使用制限の不利よりも、アイテムの使い方を知る方が先だな」
男「それに、これから安全地帯だと思える場所は限りなく少なくなっていくだろうし」
男「ここが最後の実験機会だろう」
男「うん、まずはここで存分に木槌を振るってみよう」
男「と言ってもだ。10分に1回しか使えないってことは
せいぜい3回が限度だろうな。それ以上同じ場所に留まるのは得策と言えない」
男「よし、物は試しだ。やってみるか!」
パアアア!
木槌『能力発動。効果を決定します』
木槌【>>32を>>33】
※文章として成立しない場合、発動が無効化され、再抽選が行われます。
例:ジャンプ力を燃やす
枝
霜柱で覆う
木槌『効果成立。枝を霜柱で覆う』
パアアア
男「お、効果が発動すると光るのか」
男「枝をねぇ……」
男「そもそも、枝ってどのレベルからいうんだ?」
男「樹に生えてるものじゃないとダメなのか、それとも折れたものでもいいのか」
男「とりあえず、樹から生えていれば枝ってのは間違いない」
男「よっしゃ叩いてみればわかるだ、ろっ! っと!」
カァン!
ビシビシビシビシビシ!
男「うっひー! 霜柱ってレベルじゃねぇ! 一瞬で凍結したぞ!」
男「しかも叩いたところの枝だけじゃなくて他の枝まで伝播していきやがった」
パアアア
男「ん、まだ光ってる……?
まさか10分って1回だけじゃなくて10分間使い放題なのか?」
……
…
男「なるほどな」
男(実験の結果、光っている間は同じ効果が持続されるらしい)
男(ただし、樹木から折れてしまった枝だったものには効果がなかった)
男(つまり、折れてしまえば木片という扱いになってしまい枝ではなくなるということか)
男(それにあの範囲は、限定的且つ具体的だったからこそのものなのだろう)
男(ただ、内部まで凍結しているわけではなかった。あくまで表面を覆うだけ。
かなり文言に忠実に再現されるようだ)
男(もし叩いたものを凍らせる、みたいな抽象的なものになると
おそらくでしか言えないが叩いた面積の部分だけになるとかなんだろうな。
しかも表面だけの薄ーい氷で覆われるレベルの嬉しくないオマケ付きで)
男(もう一つ分かったことといえば殴ったときから発動までのラグはほとんどなし。
せいぜい1秒未満。即時発動することもわかった。これはでかい)
男(発動にラグがなければ、効果によっては敵対プレイヤーに当てた瞬間に勝利が確定する)
男(目に見える現象のおかげで、わかりやすかったな。実験用のくじ引きにしては大成功だろう)
男「さて、10分たったな。次を試してみよう」
パアアア!
木槌『能力発動。効果を決定します』
木槌【>>38が>>39】
男「が……? はぁ!? ここのベースもランダムなのかよ!?」
おチンチン
おちんちん
はい無効
木槌『能力発現不可。再抽選が行われます』
男「おおう、謎の文言が躍ったな……」
木槌『再抽選を行います。お待ちください』
男「……なるほど。無効文言がでると約1分は無防備な状況になるわけか」
男「これはこれで有益な情報だな」
パアアア!
木槌『能力発動。効果を決定します』
木槌【>>42が>>43】
男「再抽選でもベースは変わらないのか……? ふむ」
地
塵
木槌『能力発現不可。再抽選が行われます』
男「んんん? これでもダメなのか?
【地面が塵になる】とかなら行けたのか……?」
男「再抽選も2回連続だと隙もでかくなるな。考慮しとかねーと」
パアアア!
木槌『能力発動。効果を決定します』
木槌【>>45が>>46】
男「ベースは変わらないっぽいな」
おチンチン
敏感
木槌『能力発現不可。再抽選が行われます』
男「うぉい! またかよ!」
男「……まあ敏感になるのかならないのかわからないしな。
【敏感な肌になる】なら問答無用で発動するだろうし。
そこらへんが不確定だから発動しないんだろう」
男「かといって、出たとしても自分のものを殴りつける勇気はないし……(ぶつぶつ)」
パアアア!
木槌『能力発動。効果を決定します』
木槌【>>48が>>49】
身体能力
熊並みになる
木槌『効果成立。身体能力が熊並みになる』
男「!? うおっしゃぁ! 当たり引いた!?」
男「さっそく俺の身体を叩いて……待てよ」
男「身体能力って、なんだ……?
腕力? 脚力? 嗅覚? 視力? 聴力?
どこまで反映されるんだ……?」
男「筋肉や骨格が変わる……? それとも力だけが手に入るのか……?」
男「それに、もし全体的に熊並みになったとして。
熊と同じ力で力を振るったとしても、俺の身体が耐えられるのか……?」
男「能力はかなり文言に忠実に発現する。発現してしまう」
男「たしかに今の状態で俺自身を殴れば熊並みの身体能力"は"得られるだろう」
男「だが筋肉や骨格は人間のまま熊の力を振るったらどうだ」
男「その負荷に耐えることはできずに骨は折れ筋肉は引きちぎれてしまう」
男「そして、自分の身体を叩いてしまったら、それ以降木槌の効果は俺自身には得られなくなってしまう。
つまり回復もできず、この場で動けずにタイムリミットを迎えてしまうだろう」
男「いや、しかし何のデメリットもなく身体能力だけを得られる可能性もあるわけで……」
男「うぬぬ……」
と言ったところで後日
次回は行動安価からになると思います
お付き合い下さった方ありがとうございました
>>50の続きから
【現在の行動指針 生きてゲームを脱出する】
Q.どうする?
1.もしかしたらのデメリットを恐れず自分の身体を叩く
2.もしかしたらのデメリットが怖いからやめておく
3.時間切れになる恐れがあるが、他のモノで試しに叩いてみる
4.自由安価
安価↓
男「うん、まだ実験の段階なんだ。俺の身体を使うのは最後の最後でいいな」
男「とりあえず、動物が望ましいけど、見当たらないな」
男「……無機物でも変化するのか? 石でも小突いてみるか」
コンッ
男「変化なし。当然か。
身体能力、と謳っているんだから少なくとも生物限定だよな」
男「じゃあ、植物ならどうだ……? この樹で試してみるか」
コンッ
男「うーん、目に見える変化はないか。
もしかしたら食虫植物みたいなものだと変わったりもするかもしれないけど
針葉樹じゃわからないな……」
男「さて、なら次に試してみるのは、虫だな」
男「動物は見当たらないが、虫ならそこらじゅうにいるし」
男(それに万が一、虫なら熊並みの身体能力になってもなんとかなりそうだし)
男「虫って言っても、万が一考えるとアリとかは怖いしなー……」
男「やっぱり芋虫とかがいいかなぁ」
男「葉の裏を覗けばー、ほれいた。2センチくらいの大きさか」
男「岩の上にのっけてっと」
男「さて、どうなるかな?」
ちょんっ
男「……あれ? これも変化しな――」
もぞっ
パァン!
男「は? はああ!? いきなり芋虫が砕け散ったぞ!?」
男「うえ、ぺっぺ! 顔に体液がついた!」
男「え、ええと……? これは爆発する芋虫だったとか?」
男「いやいや、そんなことはない」
男「ってことはやっぱり?」
男「熊並みの力に芋虫の身体が耐えられなかったと……」
男「あ、あぶねぇ。考えなしに自分の身体叩かなくてよかった」
【性格補正 慎重派 になりました】
【チュートリアル 性格補正】
性格補正とは、自由安価の際にかかる行動制限です。
性格補正は既存選択肢を元に決定され、今後も選んだ選択肢によって変化していきます。
今回の【慎重派】は、自由安価時に1度だけ再試行することが可能ですが、
思い切った行動(安価による指示)ができなくなってしまうといったデメリットも存在します。
他にも【猪突猛進】【臆病】【好奇心旺盛】などの性格補正があり、それぞれ効果が違います。
自由安価を多く使いたい場合は、性格補正も考慮してみて下さい。
このSSまとめへのコメント
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