幼馴染「男君、浮気したよね」 男「えっ?」(96)

幼「昨日、女と一緒に帰ってたでしょ」

男「え? お、ああ、うん」

幼「だからね」

男「うん?」

幼「殺そうと思います」

男「………………えっ?」

男「え? ちょ、えっ? 待って、意味が分からない」

幼「?」

男「何が分からないの、みたいな顔で首傾げるな。まず説明をだな」

幼「ああ。眉間に包丁を」

男「怖いわ!! そうじゃなくて!」

幼「浮気しておいて言い訳とか許せない」ギリリ

男「してないって!! たまたま会って駅まで一緒に歩いただけだ!」

幼「大丈夫、せめて苦しまないように逝かせてあげるから」ニコッ

男(なんだこれヤバイヤバイヤバイ)

男(とにかく落ち着かせないと。本気で人を殺しそうな目だ)ガクブル

男「俺のクラスの委員長なんだって。殺すとか物騒なことは言うな」

幼「殺すのは男君だよ?」

男「よせ!! おまえだって男子と歩きながら雑談くらいするだろ?」

幼「……まあ、たまには」

男「それと同じだ。ちょっと並んで話したからって、浮気だなんて思うほうがおかしい」

幼「……そうね……。ごめんなさい、早とちりで逆上してしまったみたい」ショボン

男「お、おう。分かってくれればいいんだ……」ホッ

男「気分転換に甘いものでも食べて帰るか」

幼「うん! あ、でもあんまり食べると……その……ふ、太っちゃうと困るし……///」

男「ははは。大丈夫だって、幼はスタイルいいんだから」

幼「あ、ありがと///」

男(いつも通りの幼だ。さっきのは本当に勘違いして混乱してただけだよなきっと)

幼「アイスもいいけどカキ氷もいいなあ。ね、男君はどっちがいい?」

男「カキ氷にするか。幼はそれでいいか?」

幼「もちろん!」

男「ふう。それにしても、まさか幼がOKしてくれるとは思わなかったなあ」

幼「え?」

男「いやな。幼馴染ではあるけど、中学の間は家も遠くて疎遠だったろ」

男「高校で再会して……思ってたよりずっと美人になってて最初驚いたよ」

幼「へ、変なこと言わないでよ///」

男「いやマジで。男友達なんかもおまえ見て大騒ぎでさ。誰かに取られるかと焦ったぜ」

幼「そ、そんな。私は///」モジモジ

男「後悔するくらいなら玉砕してでも、と思って告ったんだ」

男「返事待ちの間が長く感じてたまらなかったよ」

幼「う……は、恥ずかしくてすぐ返事できなくて……ごめんなさい」

男「幼が引っ越したのは確か……小学4年のときだったか?」

幼「うん。お父さんが事故で死んじゃって、お母さんの実家のほうに」

男「で、またこっちに戻ってきたと。でもなんで急に?」

幼「お兄ちゃんが近くで就職したのと、学校も都心のほうがいいだろうって」

幼「それに、田舎へ戻ってすぐお母さんも心労で……」

男「え!? そ、そうだったのか。すまん、何も知らなくて俺」

幼「ううん、いいの。お爺ちゃんもお婆ちゃんも良くしてくれたし」

幼「それに今はお兄ちゃんと二人暮らしで、けっこう気楽だから」

男「そっか……。兄貴、あ、いや、幼兄さんは元気か?」

幼「なかなかいいところに就職できたみたいで、楽しそうにお仕事してる」

男「へえ。それは良かった」

幼「でもたまに飲み会だーとか言って、よその女の匂いさせて帰ってくるから」

幼「そういうときは切り裂きたくなるかな」ギリリ

男「……ん?」

幼「私のお兄ちゃんなのにね」

男「え? あ、おう。えと、ん?」

幼「忙しいのか前より構ってもらえることが減ったから、それが少し寂しい」

男「あー……お、おまえ昔からお兄ちゃんっ子だったもんな」

幼「そんなあ、普通だよ///」

男(一瞬なんか寒気したけど、カキ氷のせいだよな)

幼「そういう男君のほうは、中学の間はどうだったの? 友達とか増えた?」

男「うーん、ほぼ全員が小学校から一緒だからなあ。増えはしたけど、あんま変わらん」

幼「ふうん……女の子は?」ニコッ

男「!?」ゾクリ

男(また寒気が……)

幼「ねえ、女友達は?」ニコニコ

男「あ、ああ。たまに遊びに行ったりとかは、まあそれなりに……」

男「でも二人きりっていうのはなかったぞ。勘違いするなよ?」

幼「じゃあ登録はけっこう多かったりする?」

男「それなりだけど……どうかしたか?」

幼「私の引越し先、同級生が数えるほどっていう田舎学校だったから」

男「なるほど。まあ数はそこそこだが、実際に使う番号って数人くらいだぜ」

幼「その中に女の子もいる?」

男「違う高校行った奴とは、たまに連絡取ったりするな。メールが多いか」

幼「ふうん。それ、消して」

男「え?」

幼「全部、消して」ニコリ

男「…………え?」

幼「もう私っていう彼女がいるんだから、その子たちと連絡しなくていいよね」

幼「教室で話すくらいならともかく、メールも電話もする必要なんかないよね」ニコニコ

男「えっ、い、いや、連絡するってもただの雑談で」

幼「私最初に言ったよね私だけを見てくれるならってちゃんと言ったよねだからよその女の連絡先なんて必要ないよねすぐ消してよ二度とそんなことしないでそれともそいつが好きなの私のこと好きだって言っておいて他に誰か好きな人がいるのいるわけないよねそんなのおかしいものまさか約束は嘘だったの私のこと騙したのだとしたら今すぐあなたのことぐちゃぐちゃにしてどこにも行かないように――」

男「」

幼「……ふふっ。どうしたの変な顔して。冗談だよ」

男「じょ、冗談……?」

幼「あはは、男君って表情がくるくる変わって面白いなあ」

男「お、おう……」

幼「あっ、今日はお兄ちゃん早く帰ってくるんだった! 夕飯の準備しなくちゃ!」

男「……そ、そうか。じゃあ帰ろうか……」

~~放課後~~

委員長「男君また会ったね。駅までだけど一緒に帰ろっか」

男「ん……あ、いや今日は幼を待つよ」

委員長「あ、そっか。うん分かった。じゃあまた明日ね」ニコッ

男「おう、また明日な」

男「……」

男(委員長って可愛いなあ)

幼「こんなところで何してるの?」

男「!?」ビクッ

男「お、幼を待ってたんだ! 一緒に帰ろうと思ってな」

幼「えっ……あ、ありがと……///」

男(赤くなってる。どっちが本当の幼なんだ?)

幼「ところで、もう連絡先は消してくれた?」

男「!?」

幼「プライベートのは家族と私以外は全部消してね」ニコリ

男「あ、え、いや……お、男友達は残していいだろ?」

幼「なんで? 必要ないよね。遊ぶ相手は私だけでいいよね」

男「い、いや……と、友達と遊ぶくらいは問題ないだろ? 男同士なんだしさ」

幼「はあ?」

幼「そんなこと言って――」

?「あれっ。おーい!」

幼「お兄ちゃん? なんでこんなところに」

幼兄「外回りの帰り。思ったより早く話がまとまって休憩してた」ハハハ

幼「ちゃんと仕事しなきゃダメでしょ!」

幼兄「してるって。よっ、男君だよな。久しぶり! 俺のこと覚えてる?」

男「あ、はい。幼兄さんですよね。お久しぶりです」

幼兄「敬語なんて覚えたのかー。悪戯坊主も大人になったなあ」グリグリ

男「わわっ、頭を撫で回すのやめろよっ」

幼兄「あはは、そうそうその口調。昔と同じだ、懐かしい」

幼兄「んー、声かけといて何だが、デートの邪魔しちゃったか」

幼「そんな///」

男(そうだ……兄貴に聞いたら、幼の様子がおかしいのって分かるよな)

男(でもどうやって聞こう。幼の前では話せないし)

幼兄「そうそう幼。俺、今日ちょっと帰るの遅くなるから。飯は先に食っててくれ」

幼「また飲み会?」ギリリ

男(あっ、表情が変わった)

幼兄「……男君と会える時間を作ってやろうという兄心だ。怒るなって」

幼兄「っと、そんなこと言って俺が邪魔してちゃ意味ないな」

幼兄「そろそろ会社に戻るわ。またな」

男「あ、ちょっと兄貴!」

幼兄「ん?」

男「えと、連絡先を教えてほしいんだ。相談とか……あっ!」

男(やべ、これも幼は怒るのか!?)

幼「……」ニコニコ

男(あれっ、笑顔の種類が違うな。身内はセーフなのか?)

幼兄「そっか、前は携帯なんて持ってなかったもんな。個人用のを……」ピッ

男「ありがと。仕事、頑張れよな」

幼兄「おうよー」

幼「ふんふんふーん♪」ニコニコ

男「……なんか機嫌いいな」

幼「うんっ。お兄ちゃんと男君が仲良くなってくれたら、私も嬉しいし」

幼「私にとってお兄ちゃんはもう、たった一人の家族だから」

男「そっか……でも、お爺さんやお婆さんもいるだろ」

幼「そうだけど、やっぱり距離感が違うからね」

男「あー。えっと、兄貴と会うのも久しぶりだしさ、色々話もしたいから……」

幼「うん。お兄ちゃんと会うのなら邪魔なんてしないよ」

男「お、おう(兄貴となら、か)」

~~~

幼兄「おーっす待たせたな男君! 定時に逃げ出してきた兄貴ですよ!」

男「何を言ってんだか。ダメ社員だと首になっちゃうぞ」

幼兄「大丈夫、大丈夫。仕事はちゃんとやってる。打ち合わせから直帰にしただけ」

男「ふうん?」

幼兄「男君と居酒屋ってわけにもいかないし、そこらのファミレスでいいか?」

男「飯は家で食うだろ? ならそのへんの公園でいいんだけど」

幼兄「なるほど。学生っぽくていいなそれ!」

男「どこがいいのか分からないよ」

男「かくかくしかじかってわけで、幼がなんか変なんだけど……」

幼兄「……」

男「兄貴、聞いてる?」

幼兄「そうだなあ……」

男「話しにくい?」

幼兄「ん……親父が死んだとき、男君も葬式にも来てくれただろ?」

男「覚えてるよ。おばさんと幼がわんわん泣いてて俺、声かけられなかった」

幼兄「当時は事故相手とも揉めてて、色々ややこしくてさ」

幼兄「諸々の手続きが終わってすぐ、お袋も倒れて。入院してそのまま帰らなかった」

男「そっか……」

幼兄「一息ついて気が抜けたんだろうなあ。あっという間だった」

幼兄「立て続けに家族を失ったこともあって、幼はその……」

幼兄「近しい人に異常に執着するっていうか。情緒不安定なところが出てきてさ」

男「それで幼の奴、あんな態度に……」

幼兄「でもまあ男君には期待してるんだ」

幼兄「男君ならきっとあいつを癒してくれる……ってな!」

男「あ、い、いや、その……なんか照れるな」

男「つか期待されても俺、どうしていいやら」

幼兄「そうだなあ……俺からアドバイスできることが幾つかある」

男「おお、ぜひ教えてくれ!」

幼兄「弁当には気をつけろ」

男「へ?」

幼兄「幼が前傾姿勢になったら全力で避けることに集中だ」

男「避けるって……何を?」

幼兄「最悪、愛してるのはおまえだけだと繰り返せば5針くらいで済むから」

男「へっ?」

幼兄「幼のこと頼んだ。本当は優しい子なんだ。大事にしてやってくれ」

男「あ、うん。え?」

幼兄「そろそろ飯時だし、解散するか。明日も学校だろ」

男「お、おお」

幼兄「じゃあまたな!」

男「…………」

男「えっ?」

書き溜め尽きたので今日は終わり

男(猛獣でも相手するかのような変なアドバイスされたが、何だったんだ?)

男(真面目に身の上話を聞いてたはずなのに、結局よく分からなかったぞ)

幼「ふんふーん♪」

男(こうやって見ると特に問題があるようには思えないんだがなあ)

幼「ねえ男君」

男「おう」ビクッ

幼「今日のデートは携帯を買いに行こう」

男「へ?」

幼「携帯っていうかスマホね。新しいの欲しいでしょ」

男「欲しいっちゃ欲しいけど……」

幼「お兄ちゃんにお願いしてお小遣いもらったから、私が買ってあげる」

男「い、いやそんな高価なものは悪いし。金貯めて自分で買うからいいよ」

幼「買ってあげる」ニコニコ

男「……あ、アリガトウ」

幼「その代わり、今の携帯は捨ててね」

男「は!?」

幼「捨ててね」ニコニコ

男「……は、はい……」ガクブル

~~夜~~

男「ちくしょう、へし折って公園のゴミ箱に捨てるってどういうことだよ」ゴソゴソ

男「メモリさえ生きてりゃデータは取り出せる。まだ回収されてないよな」ゴソゴソ

男「あった!! 折れてるだけでメモリは大丈夫か」

男「はあ、なんだか素っ裸で地雷原に飛び込んだ気分だ」

男「こんなので俺、大丈夫なのか……?」

~~~

委員長「男君おはよう」

男「おー……」

委員長「なんだかお疲れだね。体調でも悪いの?」

男「いや、普通に気疲れしてるだけ。はあ」

委員長「ふうん? あ、スマホに変えたんだ。いいなー」

男「おう……」

委員長「番号教えてもらっていい?」

男「い、いやその……まだ買ったばかりでよく分かってないから、その」

委員長「そっか。じゃあ使いこなせるようになったら教えてね」

男「あ、ああ」

教師「おい男、校内での携帯は禁止だ」ボコッ

男「いてっ。すいません、ロッカーに置いてくるの忘れてました」

教師「一応これも規則だからな。先生が預かっておく。放課後に取りにこい」

男「い、いやそれは!」

教師「校則違反を見逃すわけにはいかんだろ」

男(没収が幼にバレたら俺どうなるんだよ……)

委員長「……後で私が先生にお願いして取り返してあげるよ」ボソボソ

男「マジで? 助かる、頼むよ」ボソボソ

委員長「任せて。でも校則違反は気をつけてね」

男「おう。ありがとな(ふぅ、委員長と話してると安心するなあ)」

教師「おーし、授業始めるぞー」

昼休みにここまで書き溜めたところで、
同僚に横からメモ帳を覗かれた

俺の挙動が激しく不審なのを勘違いした同僚のおかげで、
今日から俺の渾名はSM作家('A`)
仕事してきますまた夜にでも

~~昼休み~~

男「委員長が頼んだら一発で帰ってきた。これが信頼度の違いってやつか」

男「せめてあの優しさの半分でも幼にあればなあ」

男「しかし没収が知られる前で良かった。それで幼はどこだ?」キョロキョロ

幼「あっ、男君! こっちこっち」

男「おー。とりあえず来たけど、何か用なのか? 俺、購買行きたいんだ」

幼「お昼ごはんだよね。大丈夫、今日は私が作ってきたよ///」

男「えっ! それは嬉しい……な……(そういや兄貴が弁当に気をつけろって)」

幼「本当は何が好きかちゃんと調べて作りたかったんだけど」

幼「驚かせたいっていうのが先に立っちゃって。えと……口に合うといいな」

男「ありがとう(何気に女の子に弁当作ってもらうの生まれて初めてだな)」パカッ

幼「……」ドキドキ

男「おお……!! 美味そうだ、すごい!」

幼「良かった」パァァ

男「さっそく食っていいか? いただきまーす!!」バクッ

男「うん、美味いよ! 幼って料理も上手なんだな」モグモグバクバク

幼「えへへ。小学校のときからご飯は自分で作ってたからね///」

男「唐揚げもいい具合に……」ガリッ

男(ん? なんか固いものが当たったぞ)ペロリ

男(なんだこれ。白くて小さな……骨かな?)

幼「どうかした?」

男「あ、いやなんでもない。美味くて感動してた」バクバク

幼「喜んでもらえて良かった///」

男「卵焼きもちょうどいい柔らかさで……」カササッ

男(んん? 髪の毛か……おいおい、ずいぶん長いな。一本丸々かよ)

幼「どうしたの?」

男「あ、あはは。髪の毛が入ってたんだ。意外と幼もうっかりさんだな」ポイ

幼「……」ギリッ

男「?」

幼「なんで捨てるの?」

男「え、だって髪の毛が……」

幼「髪の毛も爪も血も私の一部なんだから、彼氏なら食べられるよね」

男「」

幼「ちゃんと食べてくれるよね」

男(普通の彼氏がそんなもん食うか! 爪ってさっきの白いやつ?)

男(それに血、血って言ったか? 入ってんのか!? どういうことだよ!!)

幼「……食べてくれないの?」ジワッ

男(こ、こんな人目のある場所で泣くのはやめてくれ)

幼「ごめんなさい。やっぱり美味しくないよね。気を使わせちゃった」

男「あ、いや、その……(味は問題ないんだが)」

幼「……」ショボン

男(落ち込まれると罪悪感が……でもこの弁当、血とか爪とか……)

男(ううっ、すでに食ったと思ったら吐き気が)

キーンコーンカーンコーン

男「!!! 予鈴だ、もう教室戻らないと」

幼「それ返して……。捨てておくわ」ドンヨリ

男「い、いや。後で食うから。せっかく作ってくれたんだ、食うって!」

幼「うん」パァァ

男(食わなかったらどんな目に遭うやら……。でもこれはひどすぎる……)

~~~

男「俺、このままじゃ殺される」

幼兄「ぉぉ……たった一週間でずいぶん痩せたな……」

男「くそっ、なんでこんなことに!」

男「俺はただ普通につきあって普通にデートしたかっただけなのに!」

幼兄「まあ……なんだ。あいつがああなった一端は、男君にもあるんだし」

男「なんで俺のせいなんだよ! 俺と会ってない間にああなったんだろ!?」

幼兄「うん、まあね。男君はもう覚えてないかなあ」

男「なんだよ」

幼兄「男君が、あるアニメのキャラを好きだと幼に言ったんだ」

幼兄「そのアニメがなんだったかは俺も、もう忘れたけどね」

男「アニメのキャラ?」

幼兄「幼は大人しくて地味だったせいか、明るい人気者の男君に憧れてた」

男「え、そうなんだ知らなかった。でもそれが?」

幼兄「密かに片思いしている男君が好きだと言ったキャラ」

幼兄「それと同じになれば自分も好かれる、と脳内変換」

男「なぜそうなる……」

幼兄「変に努力家な上、あの思い込みの激しさだろ」

幼兄「よく分かってないくせに、勝手にどんどん走り出してさ」

幼兄「目立たず、いつもおどおどしてた幼は、男君の一言で変わろうとした」

男「それは……」

幼兄「だから、男君ならまた幼を変えられると思うんだ。いや、男君なら絶対できる!」

男「……」

幼兄「むしろ男君にしかできないことだ! 頼む! どうか幼を、妹を助けてくれ!」キリリ

男「……いいこと言ってる風だけど、本心は?」

幼兄「ほほ本心って、な、なななんのことかなあ」ギクッ

男「本音は面倒な奴を俺に押し付けたいだけだろ!!」

幼兄「おいおい、僕の可愛い妹になんてことを言うんだいボブ」ハハハ

男「誰がボブだ。可愛いと思うなら兄貴がなんとかしろよ」

幼兄「まあまあ待ちたまえ男君や。客観的に見て、幼は美人だと思わないか?」

男「……ぶっちゃけ見た目は好みのド真ん中です」

幼兄「うむ。しかも着痩せするんだ」

男「ええっ!? あ、あれでも!?」

幼兄「そう。あれでもまだ、だ」

男「……」ゴクリ

幼兄「さらに今まで誰ともつきあったことがない。遊んでもいない」

幼兄「そんな相手も暇もなかったからな。間違いなく処女だ。保証する」

男「妹の処女を保証する兄って頭おかしいと思う」

幼兄「男君に告白されたと、オロオロしながら相談してくるいじらしさもある」

幼兄「婆さんに厳しく躾られたから掃除なんかも見事なもんだ」

幼兄「料理だって、おかしなものを入れなきゃ普通に上手い」

男「おかしなもん入れるのが大問題だよ」

幼兄「執着さえしなかったら性格も真面目だぞ?」

男「まさにその執着で大変なことになってるんだが」

幼兄「なんだよもー、幼のどこが不満なんだよ巨乳美人とか最高だろー」

男「だから中身だっつってんだろ!」

幼兄「それを君に変えて欲しい。君の代理しかできなかった情けない兄の願いだ」キリッ

男「ちょいちょいキリッとすんのやめろ」

男「ん? 兄貴が代理ってどういうこと?」

幼兄「幼は変なキャラ付けの練習をしてたんだ」

男「うん、それは聞いた」

幼兄「あいつ内気だったから、学校とか友達の前ではそんなことできなくて」

幼兄「俺でそういう練習してたわけ。表現は変だけど、仮想彼氏みたいな扱いでな」

男「へえ……でも内気には見えない」

幼兄「その名残もあって、男君に嫉妬を向けても、他の子を攻撃しようとはしないだろ?」

男「確かに、教室なんかでは普通だなあ」

男「あ、でも仮想彼氏になれるなら、兄貴でも幼の性格直せるんじゃないの?」

幼兄「やっぱり男君のほうが効果が高いから、ここは男君に任せたい」

男「いきなり変えるのは無理だって。兄貴が徐々に誘導してやったほうがいいよ」

幼兄「いや、これまで俺ではダメだったんだから男君が」

男「いやいや、やっぱ家族の愛情ってのが一番の薬だよ」

幼兄「いやいやいや」

男「いやいやいやいや」

幼兄「いいから黙ってあの厄介な地雷を引き取れ」

男「せめてオブラートに包め!!」

幼兄「しかし家族っても限界がなあ。幼は血が繋がってないし」

男「え?」

幼兄「あっ……な、なんでもない。忘れてくれ」

男「ちょ、忘れられるか! 血が繋がってないって、え!?」

幼兄「……幼には黙っててくれよ。あいつ、親父の親友の子なんだ」

男「え、ちょ、えええ!?」

幼兄「当時まだ0歳で、戸籍も見せてないから知らないはずだけど」

男「つ、つまり養子……?」

幼兄「でも親父もお袋も本当の子みたいに育ててたし、俺も本当の妹だと思ってる」

男「あ、ああ」

幼兄「血が繋がってないからこそ余計に可愛い妹なんだ。だから男君にだな」キリリ

男「おまえさっき地雷だと言っただろ」

男「それにしても兄貴たちヘビーすぎる。びっくりしたよ……」

幼兄「ま、よその腹から生まれた我が子みたいなもんだ。深く考えるな」ハッハッハ

男「軽すぎるし意味が分からん」

男(ん? 待てよ……血の繋がってない養子って、確か実子と結婚できたよな)

男(つまり俺が持て余してるあの爆弾を、兄貴とくっつけても問題ないわけだ)

幼兄(こいつ何か危険なこと考えてる気がする)

男(あのスタイルと外見は惜しいが、自分の命はもっと惜しい)

男「なあ、兄貴」

幼兄「断る」

男「まだ何も言ってねーよ!」

幼兄「俺は命懸けじゃない、ごく普通の恋愛がしたいんだ! 幸せな結婚がしたい!」

男「俺だってしたいよ!」

幼兄「俺の幸せのために、男君は幼と添い遂げてくれ」

男「俺の自由とか安寧はどこ行くんだよ!」

幼兄「空に向かって飛んでけー」

男「投げんな!!!」

幼兄「男君の一言ですべての歯車が狂いだしたんだぞ! 責任取れ!」

男「家族だろしっかり手綱掴んで捕まえとけ!」

幼兄「俺は死にたくない!!」

男「俺だって死にたくない!」

幼兄「こう考えたらどうだ? 男君と幼が添い遂げれば、少なくとも俺と幼は幸せになれる」

幼兄「だが添い遂げなければ誰も幸せになれない。だったら」

男「幼と離れたら俺は幸せになれるかもしれない」

幼兄「そのときは俺が全力で男君を不幸にする」

男「ふざけんな!!」

幼兄「ぬうう」

男「ぐぬぬ」

幼兄「はあ……ちょっと一気に長々と話しすぎたな」

男「確かに頭が混乱してる」

幼兄「養子のこと、まだ幼には言わないでくれ。お袋の命日に話すつもりだったから」

男「分かった。まあ、俺だって幼を憎んでるわけじゃないし。黙ってるよ」

幼兄「ありがとう。今日はもう帰ろうか。途中でコーヒー奢るよ。自販機だけど」

男「そこはせめて専門店にしてくれよ」

~~~

男「昼休みか……あ、幼。今日もその、中庭で弁当を……」ガクブル

幼「あっ、ごめんなさい。ちょっと用事があって。お弁当だけ渡すから、食べてて」

男「へ? そ、そうか。いや分かった。うん。じゃあ貰っておくよ」

男(イヤッフー! 見られてないなら食わずに済む!! 購買でパン買おう!)

幼「本当にごめんね。クラス違うからなかなか会えないのに……」ショボン

男「用事があるなら仕方ない。気にするなって」

幼「うん、ありがと。男君は優しいね」ニコッ

男「お、おう(ちょっぴり罪悪感もあるな。でもこの弁当は食いたくない)」

男「はあー、パンうめえ……マジうめえ……」ジーン

男「OK貰ったときは舞い上がるくらい嬉しかったのになあ」モグモグ

男「こんな性格だと知ってたら告らなかったぜ。いや、むしろ逃げてた」

男「周りの奴らは知らないから羨むけど、できるものなら代わってやりたい」

男「一人の昼休みって幸せ。ん? 屋上に見えるのは幼か?」

男「……委員長もいるな。何やってんだろ」

男「ま、いいか。さっさとパン食って、弁当を始末しないと」

男「ああパンうめえ超うめえ」

幼「……」トボトボ

男「……」

幼「……」トボトボ

男(なんだこれ。ずっと俯いてどんよりしてる。何かあったのか?)

男「えーっと」

幼「あっ。な、何かな?」ニコッ

男(……無理して笑顔作ってるな。本当にどうしたんだ?)

男「ちょっと公園で休憩して行かないか? 暑いしアイスでも食おうぜ」

幼「うん……」

男「……」

幼「……」

男「アイス、溶けるぞ」

幼「うん……」

男「なあ、何かあったのか?(まさか弁当捨ててるとこ見られたとか)」

幼「ちょっとね……」

男(捨てたの知ったら前みたいな反応だよな。俺とは関係ないはず)

幼「ねえ男君。少し聞いてもいい?」

男「お、おう」ビクッ

幼「家族ってどういうものなのかな」

男「へ?」

幼「私ね、小学校のときにお父さんもお母さんも亡くしちゃったから……」

男「あ、ああ」

幼「私は家族だと思ってたんだけど、本当は違ったら……どうしたらいいのかな?」

男「……幼、もしかしておまえ……」

幼「私ね、養子なんだって。誰とも血が繋がってないんだって」

男「どこでそれを!!」

幼「男君も知ってたんだ」

男「うっ」

幼「午後の授業サボって市役所で確かめたの。本当に私、養子だった」ジワリ

男「幼……」

幼「私、何も知らなくて……私だけ知らなくて……」

幼「お父さんもお母さんも、お兄ちゃんも……私のこと騙してたの?」ポロポロ

男「騙してなんかいない!」

幼「どうして分かるの?」

男「そ、それは(兄貴は幼のことを大事に思ってる。色々言ってたけど、多分)」

男(でも話さないって約束したしな……)

悪魔男(ケケケ、そんな約束なんか気にするなよ)

悪魔男(ここで上手く誘導して、兄貴にこいつを押し付けてしまえばいい)

悪魔男(それで俺は自由だ。もうあの気持ち悪い飯も食わずに済む)

悪魔男(誰もそれが悪いなんて言わねーよ。やっちまえ、今がチャンスだ)

男(…………)

男(…………………………)

男(俺の中の天使どこいった!?)

幼「お父さんたちが死んだとき私まだ子供だから、黙ってたのは分かるの」

幼「でも、なんでお兄ちゃん今まで……」ポロポロ

男「……あ、兄貴にとってはきっとまだ幼は子供なんだよ」

幼「子供だからってバカにして、心の中では私のこと笑ってたのかな」ポロポロ

男「そんなわけないだろ!! 兄貴は本当に幼のことを大事に思ってる」

男(ちょっと自信ないけどな)

幼「そうなのかな……」

男「……本人に聞いてみようぜ」

幼「えっ!?」

男「連絡したらきっと来る。だから兄貴に聞けばいい」

幼「で、でも」

男「大丈夫だって。俺が連絡するから」

天使男(迷える子羊に道を示し兄の元へ送り届けましょう)キラキラ

男(出てくるの遅いし言ってること悪魔と一緒じゃねーか!!)

天使男(素直になるのです。それが一番ですよ)キラキラキラー

男(無駄に輝くなうぜえ!!)

幼兄「幼!!!」ダダダッ

幼「お兄ちゃん……」

幼兄「はあはあはあ」ゼエゼエ

男(全力で走ってきたって感じだなあ。駆けつけるだけの愛情はあるわけだ。なら……)

男(しかしここからどう押しつけようか?)

幼「……ねえ、お兄ちゃん……」

幼兄「はあはあ、あのな、幼……」

幼「私、本当はお兄ちゃんって呼んじゃダメだったの……かな……」ポロポロポロ

幼兄「バカな!! 俺はおまえの兄だ、それだけは嘘じゃない!」

幼「ふぇ……お兄ちゃ……」ポロポロ


           |
       \  __  /
       _ (m) _ピコーン
          |ミ|
        /  `´  \
         ∧ ∧
        (・∀ ・)
        ノ(  )ヽ
         <  >

幼兄(ん? なんか光ったぞ?)

男「なあ、幼。聞いてくれ」

幼「男君……」

男「幼は兄貴やおじさんおばさんと普通に家族のつもりだった。そうだな?」

幼「うん……」

男「でも実は普通と呼ぶには少し違った。それで怖くなった」

幼「……」

幼兄(何を言う気なんだ?)

男「なあ幼。俺はさ、幼は間違いなく本物の家族だったと思うんだ」

幼「そうなの……?」

幼兄「お、おう。もちろん」

男「でも幼は不安なんだろ。嘘だと思ってしまうんだろ?」

幼「……うん……」

男「じゃあ兄貴と正真正銘の家族になればいいんだ」

幼「え……?」

幼兄「??」

男「少し考えれば分かるだろ、幼。お嫁さんも家族なんだぜ」キリッ

幼「!!?」

幼兄「いやその理屈はおかしい」

男「実子と養子って結婚できるんだ、幼。おまえは兄貴のお嫁さんになれる」

幼「私がお兄ちゃんのお嫁さん……?」

幼兄「かかか彼氏のくせに何を言ってるのかなあ!?」

男「そう、俺は幼の彼氏だ。幼を好きで、幼のことばかり見てた!」

幼「や、やだ急に何を///」

男「だからこそ分かるんだ……本当に幼のことを幸せにできるのは誰なのか、が」

幼「えっ?」

幼兄「ちょ、おま」

男「真実の幸せは近すぎて見えなかった……青い鳥は最初からすぐ傍にいた……」

男「そのことに幼、おまえは気づくべきなんだ」

男「父を亡くし、母を失い、それでもおまえを守り続けてくれた人」

男「世界中の誰よりもおまえを理解している人。たった一人のかけがえのない人」

幼兄「待て勝手に話を進めるな」

男「幼、おまえの運命は兄の姿でずっと傍にいたんだよ!!」ビシィッ

幼「!!!」ドドーン

幼兄「あっさり衝撃を受けんな」

幼「そんな……私の運命の人はお兄ちゃんだった……?」ヨロヨロ

幼兄「違うから。それ間違いだから」

男「ああ、そうだ幼。兄貴こそおまえのオンリーワンだったんだ!!」

幼「ああっ!!」フラリ

幼兄「おい誰かこの茶番を止めろ」

幼「で……で、でも! でも私の初恋は男君で……」

男「!」

幼兄「そうだそうだ! 彼氏だろ、男君こそが運命の人なはず!」

幼「ああ……わ、私どうしたら……」

男「ふっ……」ニヤッ

幼兄(勝ち誇ったあの笑みはなんだ!?)

男(仮想ではなく、短期間とはいえ本物の彼氏だった俺に一日の長がある)

男(ここは一気に押し切らせてもらう!!)

幼兄(なんだ、何をする気だ!?)ゾクリ

男「俺にとっても幼は初恋だ……いや、初恋だった」

幼「……過去形、なの?」

男「俺は幼のことが大好きだ。だから幼には幸せになってもらいたいと願ってる」

男「そして幼を幸せにできるのは俺じゃない……」

幼「そんな……男君……」

男(映画を見た後、漫画や本を読んだ後。幼はいつもヒロインに影響されていた)

男(つまり! この地雷女はシチュエーションに酔いやすい!)

幼兄(こいつ、幼が思い込みの激しいことを利用するとは!!!!)ガビーン

男(ふふふ。そうさ、幼にとって都合のいい状況を用意してやれば簡単に片付く)

幼兄(くっ……この状況を覆す策は、今の俺には……!)

男(二人の男に挟まれた悲劇のヒロイン。しかも一方は兄と慕ってきた男)

男(背徳感を含み、より酔いやすいのはどちらかなど自明の理!)

男(これで決着だ!!)

幼兄(やられた……俺の負けだ……)

男「幼、君は少し遠回りをしただけだよ。俺なら大丈夫だから」ニコッ

幼「男君……」ポロポロ

男「俺はいつでもはるか遠くから君を見守ってる。頑張れ。きっとお兄さんと幸せになれるよ」

男(近づくと危険だしな。縁を切る勢いで逃げよう、そうしよう)

幼「うん……うん……!」ポロポロポロ

男「さあ幼、大切な人のところへ行くんだ。俺はもう帰るよ。幸せにな……」フッ

幼「男君……ありがとう……!」

幼兄(ああ……またあの地獄の日々が始まるのか……)ガクリ

男(勝った)グッ

~~~

男「……自由だ。フリーダム万歳!!!」

委員長「わっ……びっくりした。急に叫ばないでよ」

男「お、ごめんごめん。屋上なんて誰も来ないと思ってさ」アハハ

委員長「んー……」ジロジロ

男「どうかしたか? 俺になんか付いてる?」

委員長「ううん。元気で良かったなあって。噂になってるからね」

委員長「幼馴染さんと別れたらしい、何があったんだろうって」

男「はは、俺も聞いた。まあ、色々なことがね」

委員長「ふーん……」

男「そういや委員長、前に屋上で幼と――」

委員長「ね、男君は今フリーなんだよね!」

男「え? ああ、まあな」

委員長「じゃあ……私、アタックしてみようかなー」

男「!? ちょ、冗談だろ。委員長ならもっといい男が……」

委員長「冗談なんかじゃないよ。私ずっと前から男君のこと見てたもん」

男「ええ!?」

委員長「幼馴染さんとつきあいだしたときはちょっと焦ったけどね」

男「お、おう」

委員長「でも男君はきっと帰ってくるって信じてた」

男「お、おう?(帰ってくる?)」

委員長「えと……お、男君!」

男「は、はいっ」

委員長「わ、私とつきあってください……///」

男(うお……真っ赤になった委員長、いいな……いい!)

男「俺で良ければ喜んで!」

委員長「わあ!! やったぁ!」ダキッ

男「おぅふ! い、いきなり抱きつくのは刺激が!!」

委員長「わーいわーい!!」

男(美人だが病んでる幼と別れ、優しく可愛い委員長とつきあう。俺って勝ち組だな!)

~~~

男「はあはあ、遅れてごめん委員長!!」

委員長「ううん、GPSで見てたから急いでるの知ってたし気にしないで」ニコッ

男「GPS……?」

委員長「今日は映画でいいんだよね」

男「あ、ああ。デートの定番で悪いけど、ちょっと見たいのがあってさ」

委員長「定番や王道って私、好きだよ」ニコニコ

男「お、おう……(あれっ。なんか落ち着かないな、なぜだ?)」

委員長「あ、映画の後でいいんだけど」

男「うん?」

委員長「新しいスマホ、買いに行こうね。それもういらないから」

男「えっ」

委員長「私が買ってあげるから大丈夫だよ。あと前の携帯のメモリも今度こそ捨ててね」

男「え……な、なんで知って……」

委員長「男君のことならなんでも知ってるよー。お風呂で歌うのが好き、とか」

男「!?」

委員長「寝る前にどんなサイトを巡回してるのか、も。うふふふ」

委員長「さ、行こっ。今日は一日たっぷり遊ぼうね!」ニコニコニコ

男(……こ、この笑顔はまさか………………)

委員長「ふふふ、愛情いっぱい混ぜたお弁当もあるからね♪」

男「」

   _,,_ _,,_
   (Д´≡`Д)  一難去ってまた一難でおわりいいぃぃぃ
   ((=====))
   ((⌒(⌒ ))@))
 /\ ̄ ̄し ̄ ̄ ̄\
  ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年02月25日 (火) 00:06:11   ID: 4pbTci5N

こういうの待ってた。

2 :  SS好きの774さん   2014年02月28日 (金) 06:31:51   ID: T2hfqVNC

いい落ちだw

3 :  SS好きの774さん   2014年04月28日 (月) 17:26:52   ID: g65JiY3j

こういうのもありだな

4 :  SS好きの774さん   2014年09月23日 (火) 14:13:37   ID: _Wkj0b9T

所々笑いを誘うのが良い。

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