勇者「デュエル・・・なんだそりゃ?」【修正版】 (187)

このスレは
勇者「デュエル・・・なんだそりゃ?」
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1455886330
勇者「行くぜ、デュエル!」賢者「デュエル!!」
https://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1459681865

の修正版です。
主に細かい部分とデュエル描写のミスを直して行きます。
デュエル部分は元スレの勝敗はそのままですが、過程が違う所もあり


とは言ってもストーリーや設定に変更部分もあるため、元スレを見てくださった方も読んでくれたら幸いです。


これを書き終わったら、元スレの続きである最終決戦を今までの安価ありデュエルで書いていきます

マスタールール4が適応される前に書き終わるのを目標に頑張る




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1487679894

「勇者・・・お前との旅、悪くなかったぜ・・・」


「ここまでかな。・・・そんな顔しないでよ、勇者。ようやく、戦士の所へ・・・行けるんだからさぁ。あんたは、頑張って・・・ね・・・」


「私も・・・あなたの盾に・・・なれたみたいです・・・勇者様・・・どうか、魔王を・・・倒し・・・て・・・」






「ーーー見事だ、勇者。よもや2度目の旅にして我を倒すとは。しかし・・・忘れるな。我ら・・・勇者と魔王の戦いに終わりはない。あるとすれば・・・いや、それはまだ貴様の知る所ではないな。せいぜい、苦しむがいい。我と同じく、永遠を前に絶望するしかないのだからーーー」












世界に、信託が下る。
1度目の旅で、1人魔王の前に敗れ。
2度目の旅で、仲間を失いながらも魔王を打倒した。


そんな勇者の、3度目の戦いがーーー



勇者「・・・また、目覚めたか。って、なんだこりゃ?札?」



《バスターブレイダー》



デュエルが全てとなった、この変革した世界でーーー始まる




王様「おお、そなたが伝説に聞く勇者か」


勇者「はい」


王様「見た所、丸腰のようだが・・・」


勇者「は?」


勇者(丸腰って・・・前回の旅で手に入れた、この聖剣が見えないのか?)



王様「良い。装備はこちらで手配しようぞ」



勇者は デュエルディスクと デッキを 手に入れた !!



王様「さあ、行くのだ勇者よ!!そなたのデュエルで、世界を救え!!」


勇者(デュエル・・・なんだそりゃ?)

リンク召喚は本当にひどい
リンク召喚自体はいいんだけど、既存を巻き込んじゃダメでしょ

お、帰ってきたのか
前スレも見てたよ、応援してる

勇者「このデュエルディスクってやつは、盾か?魔王戦で前のは壊れちまったから、丁度良いって言ったら丁度良いんだけどな。一応装備しとくか」


勇者は デュエルディスクを装備した !!

勇者「ん?目覚めた時に拾った札が束になってセットしてあるな。案外、魔法札による祝福の力でも備わってんのかも」

勇者「・・・しっかし、よくわからないまま出てきちまったけど・・・とりあえず酒場で仲間を集めるか」



勇者(戦士・・・魔法使い・・・僧侶・・・お前達を思うと、まだあの時の悔しさが忘れられない。けど、1人でなんて魔王討伐なんか出来ないってお前らが教えてくれたから・・・今度は、もう仲間を失わないように・・・俺、頑張るからな。・・・見ててくれよ)






ーーー酒場ーーー


勇者「ごめんよ。仲間を探してるんだが」



スタンダード国のマスター「お、噂の勇者様ってのはアンタかい。丁度血気盛んな奴らが集まってるよ。待ってな、この街一番のデュエリストを紹介するから」



勇者「デュエリスト?よくわからないが、よろしく頼む」



マスター「おーい、傭兵!こっちに来い!!噂の勇者様が仲間をお探しだよ!!」



傭兵「アンタが勇者様か。早速で悪いが、実力を試させて貰っても?」


勇者「確かに、血気盛んな奴だ。いいぜ、かかって来いよ」ジャキッ!!




傭兵「行くぜ、デュエル!!」



デュエルディスク「」ウィーン ガチャガチャ!!



2人のデュエルディスクが、展開される!!


勇者「・・・は?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はぁ、はあーーー」


少女が路地を走る。
今日、この少女は女神からの信託を受けた。
何故自分が?とは思ったが、使命であるならば仕方が無い。
それに・・・



勇者伝説。
幼い頃から、自分のヒーローであったお伽噺の、その人本人に会えるならば・・・そんなことは、瑣末な問題だ



「城に行ったらすれ違っちゃったから・・・!!多分、勇者様が行くのは・・・酒場、だと思う・・・!!また、仲間を集めるのなら、だけど!!」


擦り切れるほど読んで、記憶した物語。
きっと、自分の想像は合っている、はず!!





「・・・着いた!!」



バァン!!
と酒場の扉を開け放った瞬間、耳に飛び込んでくる喧騒と歓声。



賢者「・・・いけない。デュエル、始まっちゃってるじゃないーーー!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
傭兵「行くぜ、俺のターン!!」



傭兵「俺は《ミノタウロス》を召喚!!更に、手札から《デーモンの斧》を装備だ!!」


ミノタウロス ATK 1700→2700


傭兵「ターンエンド!!さあ、勇者様のターンだぜ!!」



勇者「え、ええ!?」



勇者「まだ理解しきれていないが・・・とりあえず、この札を使った召喚術を行えばいいのか?」アセアセ



傭兵「勇者様、ドローはしないのか?」



勇者「?」



賢者「・・・その札の山から、自分のターンの開始時に一枚引くんですよ」ボソッ


勇者「こ、こうだな!ドロー!!」



勇者(魔物の札が一枚しかないじゃないか。とりあえず、こいつを!)



勇者「俺は、《プチモス》を召喚!!」


勇者は プチモスを 攻撃表示で召喚した !!

プチモス ATK 300



勇者「これで終わりだ!!」



傭兵「伏せカードもないとは・・・舐められたもんだぜ!俺のターン、ドロー!!」


傭兵「俺は更に、手札から《団結の力》を発動!!《ミノタウロス》に装備するぜ!!」


ミノタウロス ATK2700→3500



傭兵「そして、《ゴブリン突撃部隊》を召喚!!これにより、《ミノタウロス》の攻撃力は更にアップ!!」


ミノタウロス ATK3500→4300

「出た!!傭兵さんのマジックコンボだ!!」


傭兵「バトルだ!ミノタウロスで!プチモスに攻撃!!」



ズバーン!!


プチモス は 破壊された !!
勇者に 4000 ポイントの ダメージ !!



勇者「うわぁぁぁ!!」LP4000→0 ピーッ!!



勇者 は デュエルに 敗北した !!



傭兵「うわ、弱っ!!これなら俺でも魔王を倒せそうだぜ、なあ野郎共!!」



勇者「いてて・・・なんだってんだよ・・・いったい・・・」



賢者「勇者様、ちょっと」グイグイ


勇者「?」


賢者「こちらに来てもらえますか?」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


勇者「なるほど、デュエルが全ての世界、ねぇ・・・」


賢者「そうです。女神様から聞いた話では、勇者様がいた以前の世界ではデュエルが存在しなかったらしいですね。ですから、私がデュエルのことを勇者様にーーー」


勇者「いや、いいよ。ようはその、デュエルってのをやらなきゃいいんだろ?」


賢者「え?」


勇者「俺には俺のやり方がある。ありがとうな、説明してくれて」


賢者「ちょっと、勇者様?何処へーーー」

ーーー草原ーーー


勇者「腕が鈍る前にーーー」キョロキョロ



スライム「」ポヨンポヨン



勇者「いたいた。・・・ん?魔物までデュエルディスクってのを着けてんのかよ。まあいい、行くぜーーー!!」ダダダ!!




スライム「!!」


スライム「キュー!!(デュエル!!)」



両者のデュエルディスクが、展開される!!



勇者「うげ、そういや外すの忘れてた。まあいい、こんなお遊びに付き合ってられるかーーー!!」


勇者が、聖剣を抜く。
それを振り上げ、スライムめがけーーー!!



賢者「だめ、勇者様ーーー!!」

ガキィン!!



と、勇者の剣は見えない壁に阻まれた


勇者「へ?」


『違反ペナルティー!!4000ポイント!!』ビリビリ


勇者「ぎゃあああ!!」LP4000→0 ピーッ!!



勇者 は 死んでしまった!!


賢者「だから、言ったのに・・・」ハァ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


勇者「あれ、ここは・・・」ムクッ


賢者「デュエル神殿です。勇者様は、闇のゲームで負けてしまいましたから」



勇者「・・・」


賢者「・・・」



勇者「そっか・・・迷惑かけたな」


賢者「いえ」


勇者「本当にあのデュエルってのをしないとスライムすら倒せないんだな・・・身にしみたよ」


勇者「・・・ごめん、賢者。俺に、教えてくれないか?デュエルのことを、そして、この世界のことをーーー」


賢者「はいっ!もちろんっ」

勇者「ーーーなるほどな。魔物とのデュエルは、その闇のゲームとやらになって・・・負けたらそれまでのダメージも関係なく、死んでしまうと」



賢者「はい。そして、闇のゲームに負けた人を生き返らせるには・・・このデュエル神殿で、使用していたデッキを触媒に蘇生することが出来ます」



勇者「んで、蘇生に使ったカードは消えちまう、と。まいったな。カードも、最初に拾ったやつしか残ってないや」




賢者「大丈夫です。勇者様が使っていたデッキは、グレートモスデッキだったはずですから・・・練習するなら、私の予備デッキをお貸ししますので、初心者にはわかりやすいと思います」


勇者「何から何まで、悪いな。じゃあ・・・よろしく頼むよ、賢者」


賢者「はい!」


勇者「敬語は使わなくていいよ、これからは俺の先生で・・・仲間なんだからさ。だろ?賢者」


賢者「勇者様・・・わかりまし、いえ、わかったわ。これからビシバシ行くからね、覚悟して!」


勇者「ああ!」


勇者 と 賢者は かたい 握手を 交わした !!

ーーー賢者の日記ーーー



そうして、私達はデュエルの特訓を始めた。
勇者には悪いけど、私も彼には強くなってほしいから・・・スパルタで指導した。
けれど、彼は特訓が始まってから文句の一つも言わずメキメキと腕を上げていった。
元々、我慢強い人みたい。
それは、私のイメージ通り・・・どんな困難にも負けず、立ち向かって行く勇者様の姿だった。


まだシンクロやエクシーズを覚えるには早いと思うし、この国にはそういうカードがまだ発達していないから・・・それを教えるのはまた後々にしましょう。



そして、明日。
勇者の願いで、あの傭兵に勝ったら・・・私達は、ついに旅立つことになる。


・・・やだ、憧れの勇者様と旅なんて・・・意識したら、ちょっとヤバイかも

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

傭兵「うわぁぁぁ!」LP0 ピーッ!!


勇者「うしっ!!」



賢者「やったぁ!!完全勝利ね、勇者!!」


勇者「賢者のおかげだぜ!」ニコッ



賢者「っ!」ドキッ



傭兵「くそ・・・まさか、あんな弱かった勇者に負けるなんて・・・」



賢者「ふんだ、あれはまだルールすらわかってなかったからよ!そんな状態の勇者に勝って慢心していた貴方に、ずっと努力してきた勇者が負けるはずないでしょっ」


勇者「なんで、お前が怒ってんだよ・・・」



賢者「でもこれで、街の有名なデュエリストには全員勝ったわね!」



勇者「ああ、これでようやく・・・旅立てる」


賢者「いよいよ実戦ね。あ、私のデッキは返してもらうわよ?」


勇者「そうだな。この1週間で、ちゃんとルールも理解できたし・・・旅立つ前に、俺のデッキを作らないと」



勇者「バスターブレイダー。俺が初めて手に入れたこのカードで、最強のデッキを作ってやるぜ!!」


賢者「良いカードね。いずれ強力なサポートカードも増えるだろうし、良いと思うわよ」

ーーー旅立ちーーー



勇者「さぁて・・・」


スライムが 現れた !!

スライム「!!」



スライム「キュー!!(デュエル!!)」


勇者「今度はあの時みたいには行かないぜ!!デュエルだ!!」




ーーーデュエル!!



勇者「俺のターン!!俺は手札からフィールド魔法、《死皇帝の陵墓》を発動!!ライフを2000ポイント払い、手札から《バスターブレイダー》を召喚する!!来い、バスターブレイダー!!」


バスターブレイダー ATK2600

勇者「カードを2枚セットし、ターンエンド!!」


賢者(竜破壊と蛮竜並べたい)


スライム「キュー!!(僕のターン、ドロー!!)」

スライム「キュー!!(僕は《センジュゴット》を召喚!!効果により《クラブタートル》を手札に加える!!)」



スライム「キュー!!(更に、手札から儀式魔法、《亀の誓い》を発動!!手札の《リバイバルスライム》と、フィールドの《センジュゴット》をリリースし《クラブタートル》を儀式召喚!!)」



クラブタートル ATK2550



勇者「なんだ!?あいつもいきなり上級モンスターを出して来たぞ!!」


賢者「儀式召喚ね。大丈夫、見た目は派手だけど基本的にアド損だから」


勇者「ああ、アドバンテージってやつか。なるほどな」


賢者(本当にヤバイのは、ネクロスとかの儀式の使い手が出てきたら・・・いえ、今は考えなくてもいいわね)


スライム「キュー!!(更に、《ポセイドンの力》を発動!《クラブタートル》に装備!!)」



クラブタートル ATK2550→2850


スライム「キュー!!(バトル!!バスターブレイダーに攻撃!!)」



勇者「おっと、させないぜ!!トラップ発動!!マジックシリンダー!!その亀の攻撃をそっくり返すぜ!」


スライム「キュー!!?」LP4000→1150



賢者「やるじゃない」


勇者「へへっ」


賢者「でも、攻撃反応罠は強力な効果も持ってるけど、除去もされやすいから気を付けてね」


勇者「おう!」

スライム「キュー(カードを一枚セットし、ターンエンド)」



賢者「伏せカードに注意するのよ!」


勇者「わかってる、俺のターン!!ドロー!!」


勇者「よっし、手札から《サイクロン》を発動!!そのリバースカードを破壊するぜ!」


《聖なるバリアミラーフォース》が破壊された!!



勇者「なるほど、どんな強力な罠も発動前に叩けばいいんだな!」



賢者(次はフリーチェーンのカードについても教えなきゃ)



勇者「俺は更に、リバースカードオープン!!《DNA改造手術》!!このカードの効果により、フィールドの全てのカードをドラゴン族に変える!!」


勇者「それによりバスターブレイダーの攻撃力が500ポイントアップ!!そして手札から《魔導戦士ブレイカー》を召喚!!」



勇者「バトルだ!!バスターブレイダーで攻撃!!破壊剣一閃!!」


クラブタートル を 切り裂いた !!



勇者「とどめだ!ブレイカーで、ダイレクトアタック!!」


スライム「キュー!!」LP 0 ピーッ!!



スライムを倒した!!
勇者は デュエルに勝利した !!

賢者「やったわね!!」


勇者「ちょっとヒヤヒヤしたけどな。儀式モンスターにはびっくりした」


勇者は カードを手に入れた !!

《クラブタートル》NEW!!


勇者「お?これは・・・」


賢者「魔物とのデュエルに勝利すると、カードを手に入れることが出来るのよ」


勇者「なるほど・・・じゃあどんどん勝って、強いカードを手に入れなきゃな!」


勇者「先に進もう、賢者!!」


賢者「うん!」クスッ



ーーー賢者の日記ーーー


勇者は道中、たくさんの魔物とデュエルした。
少なからず危ない場面もあったけど、それもなんとか勝ってきた。


・・・時々、勇者が上の空になっている時がある。
前の旅を思い出しているのかもしれない。「ここは、変わってないんだな」と呟いたりする
デュエルではまだまだ成長途中だけど、やっぱり旅での彼は頼もしかった。
安全な寝場所を探し出したり、食料を調達したり・・当たり前だけど、私が知らないことをたくさん知っているみたい



夜も彼はほとんど寝ずに見張りをしてくれている
申し訳ないので、交代での見張り番を申し出たけど・・・
たまに、勇者が眠っている時にうなされている事も。
きっと、辛い思いをしてきたんだろう・・・たくさん、たくさん。


前の仲間の人だと思う名前を言って・・・何度も謝ってた



私が、彼を支えてあげなくちゃ。
仲間だと認めてくれた勇者を、私がーーー

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勇者「敵も結構強くなってきたな。融合モンスターってのが増えてきた」


賢者「もう、国境は越えたものね。そろそろ、融合の国に着くはずよ」



勇者「ユーゴの国?」


賢者「ユーゴじゃないわ、融合よ」


賢者「その名の通り融合召喚が盛んな国でね。デュエルアカデミアっていう学校があって、子供もデュエルの勉強をたくさんしてるから全体的にレベルが高いと聞いたわ。優秀な成績で卒業した生徒はそのまま国の兵士に推薦されるらしくて、魔物への自衛能力も高いとの噂よ」


勇者「へぇ・・・でもそんな軍があって、戦争とかって起きないのか?」


賢者「国同士では、そんなことないわよ。あくまで敵は魔王だしね。各国でそんなに交流もないしね。まあ、内乱のある国もあるらしいけどーーー」


賢者「人同士のデュエルは、プライドをかけた戦いだから。案外、決着がつけばスッキリするものよ?」


勇者「そっか。なら・・・」



この世界は、人間同士の殺し合いってのがないのか。
いや、人間だし、揉め事はあるんだろう。
けど、それがドロドロした殺し合いや、暗殺ではなくデュエルで行われるならーーー



勇者「良い、世界になったんだな」


賢者「?」

ーーー融合の国ーーー


勇者「うお、すげぇ!!人がたくさんいるし、活気があるな!!」



賢者「本当ね。こんなに賑わってるなんて。噂以上だわ」


勇者「張り紙があるぞ。なになに・・・『来たれ挑戦者!!伝統のデュエル大会が始まる!!優勝者には豪華報酬!!』・・・だってさ!」


賢者「だからこんなに人が多いのね。国の一大イベントなら納得だわ」



勇者「よし、決めた!まずはここでデュエルしまくって・・・大会にも出るぜ!!」



賢者「え!!でも、参加条件があったらどうするの?」



勇者「そのためにもこれから情報収集するんだよ。俺は聞き込みをしてくるから、賢者は・・・カードでも見繕って買っておいてくれないか?食料とか旅に必要なのは俺が探すからさ。で、1時間後にここで落ち合おう」



賢者「・・・了解。じゃあ、カードは私に任せておいて。あと、今夜の宿も探しておくから」



勇者「頼んだぜ」






懐かしいスレがあると思ったら……
1か月で2スレ分の修正・張り直しは無謀な気もするが再開は嬉しい

ーーー30分後


勇者「ーーーまいったな。歩きながらこの街のデュエルの様子を見てたけど、本当にレベルが高いじゃないか。今の俺が太刀打ち出来るかどうか・・・」



勇者「情報は集まったけどな。3日後の大会の出場資格は、アカデミアで優秀な成績の生徒と、過去に出場経験のあるデュエリストの推薦か・・・締切は丁度今日までって話だったし、どうしたもんか」



勇者「ーーーそれにしても」



変わってしまった世界を見ていると、どうにも不思議な光景を目にする



勇者「そりゃあ、そこら中でデュエルが行われてるってのは慣れたけど」



勇者「『店主に勝ったら品物半額!ただし負けたら2倍での買い取り!』とか『デュエリスト定食、おすすめは今日のカードで占います』とか、『レアカードと家を交換!!』とかってどうなのよ・・・?」



勇者「慣れたようで、やっぱまだわからねーことだらけだな」







ーーー勇・・・者・・・



勇者「ん?」




勇者よーーー



勇者「俺を呼ぶ・・・声?」



勇者「あっちか?」ダダダ







ーーー路地裏ーーー




ローブの男「・・・」


勇者「お前か?俺を呼んだのは」


「・・・・・・」


勇者「おい、なんとか言えよ」


「ーーーこうして、また貴様と会うことになるとは、な」


勇者「?」



「我は、貴様に打倒された身。世界が変わってから、こうして転生した。一枚のカードとして」


「こんな茶番に付き合う気は毛頭無かったが・・・勇者よ。貴様もこの世界で目覚めたのなら話は別だ。貴様が望むなら、この力ーーー貸してやってもいい」


勇者「お前、はーーー」



男から放たれる魔力が、知っている者だと告げる。
勇者は、1度戦った相手を忘れることはない。
そう、この魔力、声、存在感はーーー


勇者「神竜、か?」


神竜「いかにも。我が力、貴様に預けるのも面白かろうーーー」


勇者「へっ、もらえるものなら、貰っておくぜ!」



神竜「ならば、勇者よ。今度こそお前の道を、見守ろう」ピカー!!



勇者「・・・よろしくな」



《オシリスの天空竜》を手に入れた !!


『勇者と神竜』


魔王を倒すための聖剣を手に入れるべく、勇者達一行は神竜の守る神殿へと訪れていた。
・・・とは言っても、すでにそのメンバーは1人欠けている。
仲間の1人である戦士が、四天王のネクロマンサーとの戦いで命を落としたのだ。
しかし、悲嘆する間もなくーーー魔王の早期打倒のため、勇者達は神竜に挑んでいた。


神竜(何なのだこの者達はーーー力は、我の方が上。だが、この身に全く恐怖を覚えないどころか・・・確固たる信念で挑んでくる)


戦いは熾烈を極めた。
魔力を使い切った魔法使いは倒れ、それを守る僧侶もすでに力を使い果たし膝をついている。


戦士という強力な仲間を失ったパーティーは以前に比べると弱いはず。なのに



勇者「はぁぁぁぁ!!」ガキィン!!



この者は、倒れない。
神竜は、相手の心を読むことができる。だから、一行が戦士という仲間を失った大きな喪失感を持っており、未だそれを拭い切れていないのも理解できた。


だが



勇者「うおおおお!!」


倒れない。
絶望しない。
いや、絶望はしていたはずだ。


だが、勇者は



勇者(俺が守るんだ!!俺が!!)


親友の死すらも耐え、仲間達のため、ひたすら剣を振っていた。


神竜(これが、勇者かーーー)


いつしか神竜は、その愚直さに目を奪われていた

そうして、何時間に及ぶ激闘の末、神竜はついに根負けした。
勇者にはすでに力は残っていない。いないにも関わらず、精神力だけでこの身を打倒したのだ。


力尽きる前に、神竜はいくつか質問をした



「・・・貴様は、それでいいのか。勇者よ。その身を引き裂き、心を引き裂き、仲間を失いーーーその先にに、望むものがあるというのか」



「・・・ああ。戦士が貫いた信念を、俺達が引き継ぐ。それがアイツへの手向けであり・・・戦士を助けられなかった俺達が出来る、唯一の贖罪なんだ」



「ならば、最後に訪れるのは虚無であろう。戦いを続けても、貴様はーーー」



救われない。そう、言いかけた時。



「そうだな。俺の思い描くハッピーエンドは、皆で笑い合える、ってものだった。このまま戦い続けて、魔王を倒しても虚しいだけかもしれない。けどーーー」



「でも、間違ってないって。俺の、戦士の、魔法使いの、僧侶の、俺達のーーー俺達の旅は、間違ってなかったんだって・・・魔王を倒したら、きっとそう思えるから」



「だから、俺は行くよ。俺は勇者だから。戦士が、魔王を打倒するって信じてくれていた、勇者だから。・・・聖剣、貰って行くぜ」

「・・・・・・」


「・・・ふん。救えない奴だ。だが・・・もし、出来たなら。貴様らの行く末を見守ってみるのも、面白かったかもな」


「ははは。やめとけって。多分、面白くなんかないぜ」


神竜は少しだけ残念そうに、消滅していった。
これは神竜が認めた人間の、ほんの一つである戦いの顛末ーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

賢者「首尾はどう?」


勇者「ボチボチ、かな」


賢者「じゃあ、そこの酒場で話しましょう」








賢者「ーーーなるほどね。大会に出るには、実力者からの推薦が必要、か」


勇者「賢者は大会に出たことないのか?すげぇ強いけど」



賢者には勇者の実力に合わせたサブデッキを使って貰ってデュエルの相手をしてもらっているのだが、1度も勇者は勝てていないのだ。



賢者「無いわね。この街に来たのも初めてだし」


勇者「そうか・・・」


勇者「くっそー!!どっかに出場経験のあるデュエリストはいねーのかよー!」

賢者「そんな簡単にいるわけないでしょ。見つけても、推薦してもらえるかなんて保証ないんだし。締切は今日でしょ?今回は諦めましょう」


勇者「でもなー、もしかしたらまだ挑戦者募集!とかしてるかもじゃん!?」


賢者「そんな都合の良い人がいる訳ーーー」




女将「オラオラァ!!なんだ、最終日なのに誰もいないのかい!?アタシに挑戦しようって根性のある奴は!!」


「そんなこと言っても、元大会ベスト8の女将に勝てる奴なんざ・・・」


「推薦してくれるって言われても・・・もういねぇよ、なぁ?」



勇者・賢者「「ーーーーーーいた!!!」」


賢者「いける?勇者」

勇者「いけるも何も・・・勝つしかないだろ!」

賢者「OK」ニヤッ


賢者「すいません、女将さん。少しよろしいですか?」


女将「ん?なぁに、お嬢ちゃん」


賢者「私達、挑戦します。貴女に勝てば、大会に推薦してくれるんですよね?」


女将「へぇ、あんた達が?腕に覚えはあるんだろうね?」


賢者「・・・む。確かに私は大したことないですけど、ここにいる彼・・・勇者は、ここにいる人達よりは強いと思いますよ?」


勇者「おま、言い過ぎじゃ・・・」


女将「はは、そう言ってるけど?」


賢者「謙遜ですよ。立ち向かう前から諦めている人達や、ベスト8で満足している人よりも・・・彼は、伸び代がある」


女将「言ってくれるじゃない」ニヤッ




女将「勇者とやら!かかってきな!アンタがかてば、推薦でも何でもしてやるよ!ついでにレアカードだって賭けたっていい!」ウィーン ガチャガチャ


勇者「ああもう、無駄に挑発してどうすんだよ!」


賢者(だって・・・勇者を馬鹿にされるの、嫌なんだもん。それに、嘘は言ってないわ。確かに実力ではまだ負けてるかもしれないけど、勇者の成長速度なら!)

勇者(そうだ、オシリスをデッキにいれてみよう)スッ



勇者「よっしゃ行くぜ!!」ウィーン ガチャガチャ


二人のデュエルディスクが、展開される!!



勇者「デュエル!!」LP4000


女将「デュエル!!」LP4000

>>4
よくよく考えたら最終決戦勇者デッキが死んでてワロタ
魔王とのラストデュエルのみマスタールール4ってのも考えてたんだけど、難しそうだわ


>>5
>>23
頑張るよ、ありがとう!

女将「先行は貰うよ!!アタシのターン!!」手札5


女将「アタシは手札から《サイバー・ヴァリー》を召喚!!」手札4


《サイバー・ヴァリー》ATK 0


女将「そして《機械複製術》を発動するよ!!デッキからサイバーヴァリーを更に2体特殊召喚する!!」手札3



勇者「一気にモンスターが3体並んだ!?」



女将「サイバーヴァリーの効果を発動!!もう2体のサイバーヴァリーを除外し、デッキから2枚ドローさせてもらうよ!ドロー!!」
手札5


女将「カードを一枚セットし、ターンエンドだよ!!」手札4

LP4000
フィールド
《サイバーヴァリー》
伏せ一枚



勇者「俺のターンだ!!ドロー!」手札6


《オシリスの天空竜》
《バスターブレイダー》
《サンダーブレイク》
《リビングデッドの呼び声》
《和睦の使者》
《サイクロン》


オシリス(我の出番だな!!)


勇者「ねぇよ!!事故ってんじゃねえか!!」

勇者(幸いにもサンダーブレイクとリビングデッドがある。これならなんとか・・・)


勇者「俺はリバースカードを四枚セット!!ターンエンド!!」手札2



女将「ずいぶん消極的だねぇ」


賢者(大丈夫かしら・・・)ハラハラ



女将「アタシのターンだよ!ドロー!」手札5


女将「とは言え、その伏せカードは厄介だねぇ」


女将「アタシは手札から《サイバー・ドラゴン・ツヴァイ》を召喚!!」ATK1500


女将「ツヴァイの効果発動!!手札の《エヴォリューション・バースト》を見せ、《サイバー・ドラゴン》として扱うよ!」


勇者「何をしてくるつもりだ・・・?」


女将「《エヴォリューション・バースト》発動!!セットカード一枚を破壊するよ!!・・・アタシは勘が良くてね。そいつだ!!」手札3



パリーン!!
リビングデッドが 破壊された!!


勇者「!!」


女将「その様子だとキーカードだったみたいだね。でもまだまだ、容赦しないよ!サイバーヴァリーの効果で、ツヴァイとヴァリーを除外し、2枚ドロー!」手札5


女将「ーーー来た!アタシは融合を発動!!手札のサイバードラゴン2体を融合!!来な!《サイバー・ツイン・ドラゴン》!!」手札2


《サイバー・ツイン・ドラゴン》ATK2800

勇者「攻撃力2800の融合モンスター!!」


賢者「厄介なのが出たわね・・・」

女将「それだけじゃあないよ!!サイバーツインは、2回の攻撃が出来る!!行け!サイバーツインドラゴン!!勇者にダイレクトアタック!!」


勇者「ーーー!!トラップ発動!!サンダーブレイク!!手札を一枚コストに、フィールドのカードを破壊出来る!!俺は手札の・・・」チラッ


オシリス(おいっ!)


勇者(・・・ん?なんだ?オシリスのテキストが・・・確認出来ない!?)


勇者(俺にはまだ使いこなせないってことなのか・・・?)


勇者(一枚破壊されたとはいえ、まだデッキには2枚のリビングデッドが残っている。ここは使用できるかわからないオシリスよりもーーー)


勇者「バスターブレイダーを捨てて、サイバーツインドラゴンを破壊する!!」


女将「そう簡単にエースを破壊させないよ!リバースカードオープン!!《禁じられた聖槍》!!サイバーツインの攻撃力をターン終了時まで800ポイントダウンさせる代わりに、魔法罠の効果は受け付けなくなるよ!!」ATK2800→2000


女将「これでもジャスト4000!!終わりだね!」


勇者「くっ・・・!まだだ!更にリバースカード発動!!《和睦の使者》!!このターン俺は、戦闘ダメージを受けない!!」


サイバーツインドラゴンの攻撃が、勇者を襲う!!
・・・が、勇者は無傷だった !!


女将「ほう、なかなかやるじゃないか。ここまで凌ぎ切られるとは思わなかったよ・・・メイン2にカードを一枚セットし、ターンエンド!!」


勇者「エンドフェイズに《サイクロン》を発動!!そのカードわや破壊するぜ!」


女将「・・・ほぅ、アンタも良い勘してるじゃないか。《次元幽閉》が破壊されたよ」


女将 LP4000 手札1

フィールド
《サイバー・ツイン・ドラゴン》ATK2800

賢者「・・・けど、勇者の場にはもうカードは無い・・・このドローが勝負ね」


勇者「ーーー俺のターン!!ドロー!!」手札2



勇者「ーーー!!」


勇者「モンスターをセット!!ターンエンドだ!!」


女将「・・・万策尽きたみたいだね。今、楽にしてやるよ!アタシのターン!ドロー!!」手札2


女将(サイバードラゴンか・・・仕方ない、ここはツインで畳み掛ける!!)



女将「サイバーツインでセットモンスターを攻撃!!さあ、壁を消し去りな!!」

サイバーツインドラゴン「」ゴオオオ!!


勇者「壁?・・・いや、コイツは俺の希望だぜ!」ニヤッ


女将「!?」



勇者「《メタモルポット》の効果発動!!お互いに手札を全て捨て、新たに5枚ドローする!!」


女将「何!?」


女将(く、サイバードラゴンがこれで全て墓地に・・・新たに引いたのはサポートカードだけ。なら、このデュエルはツインで叩きのめすのみ!!)


女将「まだアタシのバトルフェイズは終わっちゃいないよ!2度目の攻撃!!勇者にダイレクトアタック!!」ズガァァ!!


勇者「ぐうっ!!」LP4000→1200


女将「メイン2に《アーマード・サイバーン》を召喚!!効果によりサイバーツインドラゴンに装備するよ!」


女将「カードを一枚セットしてターンエンド!!」

LP4000 手札3
フィールド
《サイバー・ツイン・ドラゴン》ATK2800 E:アーマードサイバーン

勇者「俺のターン!!ドロー!!」手札6


勇者「行くぜ!《魔導戦士ブレイカーを召喚!!》」手札5

勇者「ブレイカーの特殊能力!召喚に成功した時、魔力カウンターが1つ乗り、攻撃力が300ポイントアップする!」ATK1600→1900

女将「は!そのモンスターでアタシのツインドラゴンを倒す気かい?」


オシリス(違うな!貴様を倒すのは我だ!)


勇者「ごめん。それは無理」


勇者「ブレイカーの効果発動!!魔力カウンターを取り除き、魔法罠ゾーンのカード・・・アーマードサイバーンを破壊する!」


女将「む・・・!」


勇者「更に手札から《地砕き》を発動!!これでツインドラゴンを破壊出来るぜ!」手札4


女将「させないよ!トラップ発動!!《マジック・ジャマー》!!手札を一枚捨てて、その効果を無効にする!!」


勇者「・・・!!」


賢者(・・・けど、これでもう守るモノは何も無くなったわ!勇者、あとひと息よ!)


勇者「ーーーまだだ!手札から《死者蘇生》発動!!甦れ・・・バスターブレイダー!!」手札3


女将「なんだって!?」


《バスターブレイダー》 ATK2600



女将「だけど、そのモンスターでもアタシのツインには届かないよ」



勇者「そうだな。まったく、ドラゴンって名前のくせにドラゴン族じゃないなんて詐欺もいい所だぜ」

勇者「バスターブレイダーだけじゃ、アンタのサイバーツインドラゴンには勝てない」

勇者「だけどな、どんな力の差も、仲間の力があれば乗り越えていけるんだ!装備魔法発動!!《団結の力》!!」


勇者「バスターブレイダーに装備するぜ!!」


《バスターブレイダー》ATK2600→4200

女将「馬鹿な!!サイバーツインを上回った!?」

勇者「バトルだ!バスターブレイダーでサイバーツインドラゴンを攻撃!!破壊剣!!一閃!!」ザンッ!!


サイバーツインドラゴンは 真っ二つになった !!

女将「くぅぅ・・・!!」LP4000→2600


勇者「魔導戦士ブレイカーで、ダイレクトアタック!!」ガッ!!



女将「うわぁぁぁ!!」LP2600→1000


「おお!ライフが拮抗したぞ!」


「どっちが勝つんだ!?」


勇者「はぁ、はぁ・・・俺はカードを一枚セットし、ターンエンドだ!!」


勇者 LP1200 手札1
フィールド
《バスターブレイダー》ATK4200 《魔導戦士ブレイカー》ATK1600
《団結の力》 伏せ1

女将「アタシのターン!ドロー!」手札3


女将「!!」


女将「・・・泣いても笑っても、これが最後の攻防になるね。ーーー行くよ、勇者!!」


勇者「来い!!」



女将「手札から、《パワー・ボンド》を発動!!手札の《サイバー・ドラゴン・ツヴァイ》と《プロト・サイバー・ドラゴン》を融合する!!来い、《ペアサイクロイド》!!」


《ペアサイクロイド》ATK1600


勇者「魔導戦士ブレイカーと同じ攻撃力・・・言っちゃなんだが、融合モンスターにしては弱くねぇか?」


賢者「いえ、あのモンスターは・・・まずい、勇者に打つ手が無ければ、このままーーー!!」


女将「拍子抜けしてる暇は無いよ?パワーボンドの効果!!それはこのカードで融合召喚されたモンスターの攻撃力を、倍にする!!」


勇者「何だって!?」


《ペアサイクロイド》ATK1600→3200

女将「そして、ペアサイクロイドの能力。このカードは、プレイヤーにダイレクトアタックすることが出来る」


勇者「攻撃力3200のダイレクトアタックだと!?なんてカードだ・・・」


女将「ようやくこのカードの恐ろしさに気付いたようだね。さあ、行くよ!!ペアサイクロイドの攻撃!!勇者に、ダイレクトアタック!!」


ゴオオオ!!


オシリス(まずいぞ!!この攻撃を受ければーーー!!)


勇者「わかってるよ!!見せてやるぜ、勇者の聖なる加護って奴を!!」


勇者「トラップ発動!!《ホーリーライフバリアー》!!手札を一枚捨てて、このターン受ける全てのダメージをゼロにする!!」


女将「なに!?」


ーーードカァァァ!!


勇者「ぐあ・・・っ!!」ガシャーン!!

女将「そんな・・・」


勇者「はぁ、はあーーー耐えきったぜ。さあ、次は俺の番だ!!」


女将「ーーーいや」


勇者「?」


女将「ーーーターンエンド。アタシの、負けさ」

LP1000→0 ピーッ!!


勇者「なんで・・・」


女将「強力な力にはそれ相応のリスクが伴う。アタシはパワーボンドの効果で、融合召喚したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを、ターンエンドと共に受けたのさ」


女将「お節介な忠告だがね。これから大会を勝ち上がってくからには、時にはこんなリスクを背負うこともあるだろう」


女将「ーーーデッキとデュエリストは一心同体だ。アンタは簡単に負けるんじゃないよ、勇者」ニコッ


勇者「!!」


勇者「ありがとうございました!!」ペコッ

ーーー宿屋ーーー


賢者「無事推薦が貰えて良かったわね、勇者」


勇者「ああ!!後は、デッキを調整するだけだけど・・・」


賢者「どうしたの?」


勇者「いや、こんなのんびりしてていいのかなって」


賢者「大丈夫よ。今の勇者の実力でガンガン進んでいけるほど甘くはないし、これは良い修行になると思う。勇者はまだまだ力を付けないとね」


勇者「やっぱりこの先にいる奴らはもっと強いのか?」


賢者「んー、それぞれの国で戦法が違うから一概には言えないけど・・・今の勇者からしたら別次元の強さに感じると思う。この国のトップクラスのデュエリストとかなら、他の国にも劣りはしないでしょうけど・・・」


勇者「けど?」


賢者「魔界に一番近い街・・・私の故郷なんだけど、そこはレベルの高い魔物と衝突が多いから。必然的に実戦経験豊富で様々な戦法を得意とするデュエリストが集まっているわ。人間の中ではトップクラスの実力者達だと思う」


勇者「へぇ、そんな所が故郷なら賢者も強いわけだ」


賢者「とにかく、今やることはとにかくデュエルの腕を磨いて強力なカードを集めること。それがこの世界での、魔王討伐のスタートラインね」


勇者「わかった。まずはとにかくデュエル!だな!」


賢者「そうよ。勝っても負けてもいい。今はデュエルに慣れて行きましょう」


賢者「優勝商品は豪華なレアカードらしいし、副賞でもこの街のカードの永久割引券が貰えるらしいわ」


勇者「そうなのか。俄然やる気が出てきたぜ!」


勇者「あ、でもさ。それなら賢者はどうして大会に出ないんだ?」


賢者「あなたの修行だもの。優勝商品に興味はあるけど・・・私、公式な大会には出ないことにしてるの」


勇者「ふーん・・・?」




賢者「とにかく、いくら3日後だからってもう時間は無いわ。これから大会用にベストなデッキを作って、完成したらそれを使いこなせるまで練習しなきゃならないもの」


勇者「そうだった。カードの方は、どうだ?」


賢者「バッチリ。勇者がどんなデッキを組むかわからないけど、目に付いたカードは買ってきたわ。あなたがこれまで手に入れたカードや、私の所持してるカードも合わせればそれなりのデッキが組めるはずよ」


勇者「よーし、早速やるぞ!!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

勇者「うーん」


賢者「何を悩んでいるの?」


勇者「このカードなんだけどさ」


《オシリスの天空竜》


賢者「それは・・・まさか、伝説の三幻神!?」ビクッ


賢者「それをどこで!?」



勇者「かくかくしかじか」



賢者「なるほどね・・・最後の一枚が見つからなかったわけだ・・・もう、勇者を所有者と決めていたのね」ボソッ


勇者「え?」


賢者「何でもない、独り言。けど、さすが神のカードね・・・素質がある人間にしか、カードの精霊の声は聞こえないはずなのに・・・私にも聞こえる」


オシリス(もっと崇めよ)ドヤッ


勇者「つっても、今はまだまだ使えないカードだけどな」


オシリス(それは貴様が未熟だからだろう!!)


賢者「オシリスに認められているのに使えないってことは、やっぱりまだ勇者のデュエリストレベルがカードに追いついていないからね。いずれ使いこなせたら、何よりも強力な仲間になるわよ」



勇者(デュエリストレベルってなんすか)


賢者「ひとまず、今は気を取り直して神に頼らないデッキを作ってみましょう」


勇者「了解」


ーーー魔力カウンターデッキが完成した!!



勇者「よっしゃ!!これが俺の新しい相棒だ!賢者がカードを分けてくれたおかげで助かったぜ!!」


賢者「どういたしまして。あとは練習あるのみ、ね!!」


《勇者デッキ》

バスブレ×1
熟練の白魔術師×2
熟練の黒魔術師×2
ブレイカー×2
ディフェンダー×2
執念深き老魔術師×1
見習い魔術師×2
マジカルコンダクター×2
ブラックマジシャン×1
神聖魔導王エンディミオン×1
沼地の魔神王×2
メタモルポット×1


魔力掌握×3
サイクロン×2
死者蘇生×1
魔法都市エンディミオン×1
テラフォーミング×1
光の護封剣×1
魔導師の力×1
融合×1
闇の誘惑×2
手札抹殺×1

パワーストーン×2
奇跡の復活×1
リビングデッド×2
サンダーブレイク×1
和睦の使者×1

勇者「そして、これが俺の新たな切り札」


《超魔導剣士ーブラック・パラディン》



勇者「明日からの特訓、またよろしく頼むよ賢者」


賢者「もちろん。大会に向けて、ビシバシ行くわよ!!」





ーーーーーー賢者の日記ーーーーーー


そして勇者は、見事新しいデッキを使いこなして二日間の特訓を終えた。
大会前だから、街のデュエリストも練習相手にはこと欠かなかったしね。
私は私で勇者のデュエルを見ながらも情報を集めたんだけど、どうやら今大会の優勝候補は『英雄』と『竜使い』の2人らしい。
2人ともアカデミアの生徒で、将来はこの国の優秀な兵士として期待されているとか。

どこまでやれるかまだわからないけど、私・・・勇者を応援してるから。


頑張って!!

ーーー魔界ーーー


魔王「ーーー勇者は、融合の国に滞在しているのか」


側近「ーーーはっ!同胞の報告では、確かに」


魔王「ふん・・・『例の作戦』の準備で、人間共の国に放っていた奴らが妙な所で役に立ったな。まさか勇者が目覚めているとは」



側近「はい。いかがいたしますか?」


魔王「放っておけ。あの時代ならいざ知らず、今の目覚めた勇者など赤子のような物よ。それでは、楽しみがない」


側近(魔王様はデュエルにすっかりハマってしまわれたからなぁ・・・)


キラードール「えええー!それじゃあつまらないよ、魔王様!せっかく勇者の居場所がわかったっていうのに!」


黒騎士「口をつつしめ、キラードール」


キラードール「・・・なに?ボクとやるっていうの?」


??「・・・くだらん。それより魔王!!いつになったらこの世界を出る手段を教える!!」


魔王「貴様もしばし待て。なぁに、まだ準備段階だが貴様にも仕事はある。それとキラードール、貴様も落ちつけ。勇者ならばいずれ、力を付けてここに現れよう。楽しみはそれまで取っておけ。暴れたい気持ちもわからなくはないがな」


キラードール(そんなに待てないよ・・・)


キラードール(同じ四天王のネクロキメラだって人間界にいるんだし、・・・ボクだって!!)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大会当日


勇者「へぇ、この闘技場でやるのか」


賢者「ずいぶん立派な所でやるのね」


女将「よう、来たね。待ってたよ」


女将「もうエントリーはしてあるよ。これが対戦表さ」


賢者「トーナメント形式でやるのね」


勇者「俺の1回戦の相手は・・・」


賢者「竜使い!?いきなり優勝候補の筆頭じゃない!」


勇者「そうなのか。いずれ当たる相手だしな、早くなっただけさ」


女将「ははは!いい度胸だ!その調子なら心配は要らなそうだねぇ!」


勇者「もちろん。当たって砕けてくるさ」


賢者「名前の通りなら、今のデッキと相性は良いはずよ。ミスなく行けば勝てない相手じゃないと思う」


勇者「賢者がそう言ってくれるなら、自信出てきた。頑張ってくるよ」ポンポンッ

賢者「・・・うん。頑張って、勇者様」ドキドキ


勇者「勇者様はやめろって」ハハハ


女将「そうだ、大会中はデッキ以外のカードは持ち込めないから、手持ちのカードは賢者ちゃんに預けておきな」


勇者「そうなのか?」


オシリス(では我は賢者と観戦するか。勇者、不甲斐ない姿を見せたら許さんぞっ!)


女将「じゃあ、賢者ちゃんはアタシとおいで。良い席取っておいたからさ」


賢者「ありがとうございます!」



王様「ではこれより、大会の開始を宣言する。皆全力を持って、己のデッキとタクティクスを発揮せよ!!」



実況「まずは、Aブロックの1回戦を始めたいと思います!!」


実況「今大会、初試合を飾ってくれるのは・・・おお、いきなりの好カード!!」


実況「優勝候補の1人!!アカデミアでもトップクラスと名高い、竜使い選手だーーー!!」


竜使い「・・・ふん。トップクラスではない、ナンバーワンだ!」



実況「そして対するは、今大会のダークホース!!国外から参加の、勇者選手です!!」


「え・・・勇者!?」

「勇者って、あの・・・?」



実況「そう、この世界では知らぬ者はいないという、あの勇者様です!!軽々しく呼んでよいものか・・・」


勇者「はは、気にしないでくれよ」


実況「なんとあの酒場の女将を破っての、推薦でエントリーされたそうです!勇者選手の実力はデュエルでも相当なものだ!!これは期待出来るでしょう!!」


王様「うむ、面白そうだ!」



竜使い「勇者だかなんだか知らないが、貴様の佇まいはまだデュエリストとしては2流も良いところだ。その程度では、この俺様には勝てんぞ!」


勇者「・・・さあ。確かに、俺はまだまだデュエリストとしては未熟なんだろうな。けど、デュエルはこれからだ。勝敗が着くまでは、どんな言葉も当てにならないぜ」


竜使い「いいだろう。ならば、俺がその古臭い伝説に引導を渡してやる!!」


勇者「来い!!」


「「デュエル!!」」

竜使い「先行は俺がもらう!俺のターン!」 手札5


竜使い「俺はモンスターをセット!カードを二枚伏せてターンエンド!」 手札2


勇者「なんだよ、やる気満々なわりにはずいぶんと大人しいじゃないか」


竜使い「ふん、カードとハサミは使いようだ。お前に戦略ってものを見せてやる。来い!」



勇者「やってやるさ‥‥俺のターン!ドロー!」


《漆黒のパワーストーン》
《魔導騎士ディフェンダー 》
《リビングデッドの呼び声》
《熟練の黒魔術師 》
《熟練の白魔術師 》
《闇の誘惑 》



勇者(‥‥相手が何を仕掛けてくるか分からないが、この手札ならそこそこやれるはずだ。しかし、除去がないのが痛いな)



勇者「俺は《熟練の白魔術師》を召喚!」


白魔導師「ハァッ!」ATK1700


勇者「更に、《闇の誘惑》を発動!デッキからカード二枚をドローし、その後手札から闇属性モンスターを除外する!」

勇者(よし、魔力掌握と魔法都市エンディミオンを引いたぞ!)


勇者「手札の黒魔術師を除外。そして、闇の誘惑を発動したことにより白魔術師にカウンターが一つ乗る」


白魔術師「ヘァッ!!」カウンター1



勇者「更に、フィールド魔法、《魔法都市エンディミオン》を発動!白魔術師にカウンターが乗る!」


白魔術師「ホァ!!」カウンター2


勇者「手札より、《魔力掌握》を発動!対象はエンディミオン!」


魔法都市エンディミオン カウンター 0→2

白魔術師「ホゥゥゥゥ」2→3


勇者「そして魔力掌握の更なる効果でデッキから魔力掌握を加える」


勇者「白魔術師の効果!カウンターが三つ乗っているこのカードを墓地に送ることで、《バスタ・ーブレイダー》をデッキから特殊召喚するぜ!」


《バスターブレイダー》「ハァ!!」ATK2600



勇者「バトルだ!バスターブレイダーでセットモンスターを攻撃!」


竜使い「‥‥伏せていたのは、《アームド・ドラゴンLv3》!!破壊される!」


ズバッ!!

勇者「ドラゴン族がお前の墓地に行ったことで、バスターブレイダーの攻撃力は500アップ!」ATK3100


勇者「これが俺のエース、バスターブレイダーだ!相手が悪かったな!竜使い!」


竜使い「‥‥くくく。竜殺しか。確かに相性は最悪だが、それは並のデュエリストの話。俺様には通じんぞ!!」


勇者「俺はカードを二枚セットしターンエンド!」


勇者 LP:4000 手札:2
フィールド
《魔法都市エンディミオン》c 2

《バスターブレイダー》ATK3100
伏せ2枚


竜使い「俺はお前のエンドフェイズに《リビングデッドの呼び声》を発動!アームド・ドラゴンLv3を特殊召喚する!そして俺のターン!!ドロー!」 手札3



竜使い「スタンバイフェイズ、アームド・ドラゴンLv3を墓地に送ることで、デッキから《アームド・ドラゴンLv5》を特殊召喚!」


《アームド・ドラゴンLv5 》ATK2400

《バスター・ブレイダー》ATK3100→3600

勇者「なんだコイツは‥‥」


賢者「気を付けて勇者!!そいつは放っておくとどんどん強力なモンスターになるわよ!!」

オシリス(だが、奴がドラゴンを出す度にバスターブレイダーがパワーアップするなら、さほど問題はないのでは?)

賢者「バスターブレイダーは確かにドラゴンに対しては強力な効果を持っているけど・・・あくまで、戦闘で有利なだけ。竜使いも自分の弱点は熟知してるだろうし、きっとまだ何かあるわ」

竜使い「更に俺は、手札から魔法カード、《レベルアップ!》を発動!アームド・ドラゴンLv5は、Lv7に進化する!」


《アームド・ドラゴンLv7》 ATK2800


《バスター・ブレイダー》ATK3600→4100

エンディミオン魔力カウンター 2→3


竜使い「手札から《ソウルテイカー》を発動!鬱陶しい貴様のバスターブレイダーは破壊だ!」


竜使い「竜の力を受けろ!」



バスターブレイダーは 破壊された!


勇者「竜関係ねーし‥‥」


勇者 LP4000→5000


竜使い「ふん、その回復はこれから蹂躙される貴様へのプレゼントだ」

竜使い「バトルだ!アームド・ドラゴンLv7でダイレクトアタック!」


勇者「トラップ発動!《リビングデッドの呼び声》!バスターブレイダー蘇生!」

バスターブレイダー ATK4100


竜使い「ちっ‥‥大人しく墓場にいれば良いものをーーーバトルを終了する。ターンエンド!」

LP:4000 手札:1
フィールド

《アームド・ドラゴンLv7》 ATK2800
伏せ 一枚

勇者「俺のターン、ドロー!!」手札3


勇者(ドローしたのは、メタモルポットか。だがアイツも手札補充できちまうし、まだコイツの出番じゃないな)


勇者「俺は手札から《魔導騎士ディフェンダー》を召喚!ディフェンダーの効果によりディフェンダー自身にカウンターを乗せる!」手札2

ATK1600


勇者「更に手札から、魔力掌握を発動!エンディミオンにカウンターを乗せ同名カードをデッキから手札に!」


エンディミオン カウンター4→6



勇者「バトルだ!バスターブレイダーでアームド・ドラゴンを攻撃!破壊剣一閃!!」


竜使い「トラップ発動!《炸裂装甲》!バスターブレイダーを破壊する!」

竜使い「再び散れ!!役立たずの竜殺しよ!」

勇者「ぐっ!‥‥」


勇者(ディフェンダーじゃアームド・ドラゴンには勝てない‥‥)



勇者「ターンエンド!」


LP:5000 手札:2
フィールド
《魔法都市エンディミオン》c6

《魔導騎士ディフェンダー》ATK1600 c1
伏せ一枚

竜使い「俺のターン!ドロー!」


竜使い「ははは!これでお前を葬る手札は整った!!!」


勇者「なに!?」



竜使い「アームド・ドラゴンLv7の効果発動!手札の《ホルスの黒炎竜Lv6》を捨て、お前のディフェンダーを破壊する!」


勇者「‥‥くっ!!ディフェンダーの効果!1ターンに1度、魔法使いモンスターが破壊される代わりにフィールドに存在する魔力カウンターを一つ取り除く!ディフェンダー自身のカウンターを使う!」


竜使い「予定調和だ!俺は《死者蘇生》を発動!!墓地より、《ホルスの黒炎竜Lv6》を復活!!バトルだ!!ホルスでディフェンダーを攻撃!」

《魔王都市エンディミオン》c6→7

ディフェンダー は 破壊 された !
勇者に 700 ポイントの ダメージ !!


勇者「ぐっ!!」LP5000→4300


竜使い「アームド・ドラゴンでダイレクトアタックだ!」ATK2800


勇者「ぐあぁぁぁぁぁ!!」LP4300→1500


賢者「勇者!!」


竜使い「俺はこれでターンエンドだが‥‥エンドフェイズ、ホルスの黒炎竜Lv6の効果が発動!!」


竜使い「このカードを墓地に送り、デッキから《ホルスの黒炎竜Lv8》を特殊召喚する!」ATK3000


竜使い「このカードは魔法カードの発動を無効にし破壊することができる‥‥竜殺しを失い、頼みの綱の魔法すらも封じられたお前は両腕をもがれたに等しい!!」


竜使い「なかなか粘った方だが・・・これがドラゴンの圧倒的な力だ!!」

勇者「くっ‥‥‥‥」



勇者(次のターンのドローに、全てが掛かっている‥‥!)



竜使い LP:4000 手札:0
フィールド:
《アームド・ドラゴンLv7》ATK2800
《ホルスの黒炎竜Lv8》ATK3000


勇者(‥‥きた!)


勇者「俺はカードを一枚セット!モンスターをセットしターンエンド!」


竜使い「俺のターン!!ドロー!」


竜使い「‥‥俺の最高のモンスターで止めを刺してやるよ!」


竜使い「アームド・ドラゴンLv7をリリースし、手札から《アームド・ドラゴンLv10》を特殊召喚!!」ATK3000



竜使い「バトルだ!ホルスよ、セットモンスターに攻撃しろ!!」


勇者「俺のカードは、メタモルポット!お互いに手札を全て捨て、5枚ドローだ!」


竜使い「‥‥は、どうやら勝利の女神は俺様の勝利を確実にしたいようだな!!勇者、今引いたカードはサイクロン!それも二枚だ!これで貴様の二枚の伏せを破壊することができる!万策つきたな!一枚目のサイクロン発動!」


勇者「一枚目の効果発動!《漆黒のパワーストーン》!破壊されるが、カウンター3つ乗った状態のこのカードが破壊された時、同じ数のカウンターをエンディミオンに乗せる!」

カウンター12

竜使い「だからどうした!効果を封じられたエンディミオンなど、無駄にでかいハリボテと同じ!!さあ、もう一枚のサイクロンを発動!最後のカードも破壊だ!」

勇者「ーーーそれはどうかな?」

竜使い「なに!?」

勇者「エンディミオンが力を蓄え続けてくれたおかげで、俺のデッキは最高の力を発揮できるんだ!!」

勇者「リバースカードオープン!《奇跡の復活》!このカードはフィールドに存在する魔力カウンターを2つ使い、墓地からブラックマジシャンかバスターブレイダーを特殊召喚できる!!」



勇者「俺が蘇えらせるのはもちろん、バスターブレイダー!!」

カウンター 12→10

竜使い「なっ‥‥!!どこまでも・・・しつこい・・・!!まだ邪魔をするか!!」



勇者「お前がたんまりドラゴンを使ってくれたおかげで、バスターブレイダーの攻撃力は‥‥5600だ!!」



竜使い「‥‥なん‥‥だと!?」

竜使い「だがそれも、このターンを凌いだだけに過ぎん!」


竜使い「アームドドラゴンLv10の効果を発動!!手札の《超再生能力》を墓地に送り、バスターブレイダーを破壊する!!」


バスターブレイダーが、再び墓地へ送られる!!


勇者「悪い、バスターブレイダー・・・お前のおかげで、どうにか生き延びられたぜ・・・」


竜使い「はぁ、はあ・・・ーーーカードを一枚セットし、ターンエンド!!」


LP 4000 手札1
フィールド
《アームド・ドラゴンLv10》ATK3000
《ホルスの黒炎竜Lv8》ATK3000
伏せ 一枚


竜使い(何故だ・・・しつこいバスターブレイダーは葬り、俺のドラゴン達は健在。依然として現状は俺が圧倒的に有利なはずーーーだが、なんなんだこの悪寒はーーー!?)


勇者「俺の、ターン!!」キッ!!


竜使い「!?」ゾクッ



何故か、竜使いは思い出していた。
幼き頃に見た、あの勇者伝説を。


『勇者って、すげぇ!!』


伝承の勇者の語りで、一番に讃えられていたのは強さではなかった。
最初の旅で、孤独に戦い。
そして、1人で四天王、魔王に挑み散った。
それでも2度目の旅で、仲間を失っても幾度となく立ち上がり、傷付き、また立ち上がる
そんな不屈の心が、最も歴代勇者で讃えられていたのだ。


『ふん。要は勇者とはしつこかっただけだろう?俺なら、何度も挑まずとも勝利するがな』


・・・アカデミアで、英雄に出会う前の自分の一言。
敗北にも価値がある、這い上がる強さこそが尊いと知る前の自分には、この勇者の姿がどう映っただろうかーーー?


竜使い「ーーー来い。お前の全力で。俺も、俺の全力で迎え撃つ!!」


勇者「ーーーああ!!ドロー!!」手札6



賢者「・・・竜使いの目から、慢心が消えた」


オシリス(?)


賢者「認めたのよ。勇者を、デュエリストとして。全力で倒す価値のある、ライバルとして」



勇者「俺は《魔導戦士ブレイカー》を召喚!効果発動!!魔力カウンターが乗るぜ!!」


勇者「ブレイカーの効果でお前の伏せを破壊する!」


竜使い「(ミラーフォースが!!)」



勇者「更に、手札の《神聖魔導王エンディミオン》の効果発動!フィールドの魔力カウンターを6つ取り除き、手札から特殊召喚!!」ATK2700



勇者「エンディミオンの効果発動!墓地の《闇の誘惑》を手札に!」


勇者「そして、手札の《テラ・フォーミング》を墓地に送ってフィールドのカードを一枚破壊する!ホルスを破壊!」


勇者「これで、お前の魔法封じは無力化したぜ!!」


竜使い「くっ・・・!」


勇者「《死者蘇生》を発動!!もう1度、俺の力になってくれ!!バスターブレイダーを特殊召喚!!」

バスターブレイダー ATK5600


竜使い「バスターブレイダー・・・」


もう、悪態は出てこない。
これが、勇者。そして、このしぶとさ、諦めない力が、かつて世界を救った男のーーー



賢者「いっけぇ!!勇者ぁー!!」


勇者「バトル!バスターブレイダーでアームド・ドラゴンLv10に攻撃!!破壊剣!!一閃!!」


ズバッ!!


竜使い「あぐぅ‥‥!!」LP4000→1400


勇者「トドメだ、いっけぇ!エンディミオン!ダイレクトアタック!」


竜使い(そうか、これが・・・)


竜使い(ーーーお前のデュエル、なのか)


LP 0 ピーッ!!

勇者「よっしゃぁぁぁぁぁぁ!!」グッ!


竜使い「・・・」



勇者「良いデュエルだったな!竜使い!!」


竜使い「・・・ふん。まあ、少しは認めてやってもいい」


勇者「なんだよ、素直じゃないんだか素直なんだか」



竜使い「・・・次は俺が勝つ」


勇者「ああ!またやろう!!」



2人は かたい 握手を 交わした !!








??「へぇー、あれが勇者、ねぇ?」

勢いに乗った勇者は、その後所々苦戦はしながらも、順調に勝ち進んだ。
そして‥‥



賢者「次が決勝ね」


オシリス(我無しでも勝ち進むとは、少し見直したぞ)


賢者「相手はやっぱり、英雄ね。デュエルを見てたけど、スター性があるっていうか・・・あれだけ融合で会場を湧かせて、一発逆転のドロー能力を持ってるのは流石としか言えないわね」


勇者「わかってはいたけど強敵、だな」


竜使い「‥‥決勝まで進んだか。俺を倒しただけある」


勇者「うわ、お前いきなり現れるなよ」



竜使い「‥‥奴は強いぞ。おそらく、この国一番だ」


勇者「そうなのか?」


竜使い「俺を含めこの国の腕自慢が集まっているが‥‥奴はその中でも頭一つ抜けている。認めたくないがな」


賢者「その人のこと、ライバル視してるのね」


竜使い「ふん、この大会で決着をつけてやろうと思ったが‥‥仕方ない。勇者、勝てよ」


勇者「え、俺を応援してくれるのか?」


竜使い「当たり前だ!きさまがもし負けたら、名実共に俺が奴より弱いことになってしまうではないか!」


賢者(‥‥別に勇者の勝ち負けはあまり関係ないような‥‥)


勇者「わかった、ありがとう‥‥竜使い」



竜使い「観客席でお前のデュエル、しっかり見ててやる。情けない姿を見せるなよ」


彼なりのエールを送って、竜使いは去っていった


賢者「じゃ、私も観客席に行くわね。‥‥頑張って」


オシリス(負けそうになったら我に助けをこうといいぞ!)



勇者「ああ、全力で行ってくる!!

実況「さあ!ついにこの国最強のデュエリストが決まる時が来ました!まずは‥‥まだアカデミアの生徒でありながら、襲撃してくる魔物を幾度も最前線で撃退してきた!優勝候補ナンバー1!!英雄選手の入場です!!」




英雄「‥‥‥‥」



実況「続きまして!!彼のライバルである竜使い選手を1回戦で打ち破り、その疑いの無い強さで勝ち上がってきたダークホース!!生ける伝説!!勇者選手!!」



勇者「うおおおお!」



国王「このデュエルの勝者には我が国を背負って立つデュエリストになってほしい。双方とも頑張ってくれ」



勇者(まいったなぁ‥‥もし勝ててもこの国に残るつもりはないんだけどなぁ)



英雄「よろしく。いいデュエルをしよう」スッ


勇者「ああ、簡単には負けないぜ」


英雄「ふふ、私もだ」


実況「では、デュエル開始!!!」



「「ーーーデュエル!!」」

勇者「俺のターン!!」


《テラ・フォーミング》
《魔導騎士ディフェンダー》
《光の護封剣》
《熟練の黒魔術師》
《魔力掌握》


勇者「ーーーよし!」


実況「先行は勇者選手!!さあ、どんなタクティクスを見せてくれるのか!!」


勇者「俺は《熟練の黒魔術師》を召喚!!」手札4


勇者「更に、手札から《テラ・フォーミング》を発動!!デッキから《魔法都市エンディミオン》を手札に加えるぜ!!」


実況「おーっと、まずは準備段階か!?勇者選手、ここまで勝ち上がってきた戦法である魔力カウンターをタメ始めています!これで黒魔術師に魔力カウンターが1つ乗ったぁぁ!!」


勇者「そして魔法都市エンディミオンを発動!!更に、エンディミオンを対象に《魔力掌握》を発動!!効果によりエンディミオンにカウンターが2つ、そして黒魔術師にも1つ乗るぜ!!」


《魔法都市エンディミオン》c2
《熟練の黒魔術師》c3


勇者「デッキから更なる《魔力掌握》も手札に加わる!!」手札3



勇者「黒魔術師の効果発動!!カウンターが3つ乗っているこのカードを墓地へ送り、デッキから《ブラック・マジシャン》を特殊召喚だ!!」


ブラックマジシャン「ハァッ!!」ATK2500


実況「そして上級モンスターであるブラックマジシャンの登場!!勇者選手、まずは上々の立ち上がりと言って良いでしょう!!」


勇者「俺はこれでターンエンド!さあ、お前のターンだぜ!」


LP4000 手札3
フィールド
《魔法都市エンディミオン》c2
《ブラックマジシャン》ATK2500

英雄「そっちも手札は万全のようだな。なら、こちらも行かせてもらう!」


英雄「私のターン、ドロー!!」手札6


実況「さあ、英雄選手の一ターン目はどうなるのか!?」


英雄「私は手札より《テイク・オーバー5》を発動!!」手札5


英雄「この効果により、私はデッキの上から5枚のカードを墓地に送る」


《E・HEROバブルマン》
《融合》
《ネクロ・ガードナー》
《E・HEROネクロダークマン》
《E・HEROスパークマン》


実況「おおっと、いきなりの墓地肥やし!!大量のモンスターを墓地へ送りました!しかし、主力である融合が墓地に行ってしまったのは痛いか?」


賢者「・・・いいカードが落ちたわ。これは、ちょっと勇者も頑張らないとマズイわね。今の所圧倒的なアド差よ」


オシリス(そうなのか?しかし、勇者もすでに上級モンスターを召喚しているぞ?それに、あれだけモンスターを墓地に送ってしまっては苦しいのではないのか)


賢者「それは勇者のデッキにとってかなり良い流れだけどね。けど、英雄はその上を行ってる。E・HEROは、どこからでも融合出来る、まさにこの国に相応しい融合特化デッキ。英雄がどんな構築をしているかわからないけど・・・」

英雄「モンスターをセット!そしてカードを一枚セットして、ターンエンド!!」手札3



LP4000 手札3
フィールド
セットモンスター1
伏せ1



実況「おっと、ここは様子見か!?英雄選手、まずは準備を整えてから勇者選手の出方を伺っているのでしょう」


勇者「嵐の前の静けさってやつか・・・俺は素人だが、それでもお前から絶対の自信って奴を感じるぜ」


英雄「そっちもかなり良い手札みたいだからな。E・HEROの持ち味のひとつである速攻力の高さよりも、この戦法をとらせてもらった」


英雄「さあ、君のターンだ」


勇者「上等だぜ!!俺のターン!!ドロー!!」手札4

《見習い魔術師》


勇者(防御に徹することも出来るが・・・相手は融合デッキ。手札を充実させればさせるほど、多分こっちが不利になる)



実況「さあ、勇者選手!!ここは攻めるか、それとも守りを固めるのか!!」



勇者「ーーー両方だ!!俺は《魔導騎士ディフェンダー》を召喚!!」手札3 ATK1600


勇者「ディフェンダーの効果発動!!このカードに魔力カウンターが1つ乗るぜ!」


勇者「そして再び《魔力掌握》を発動する!!エンディミオンにカウンターが2つ乗るぜ!更なる魔法掌握も、効果によりデッキから手札に加える!」c2→4


英雄「なるほど、魔法使い族を破壊から守れるディフェンダーで、攻守共に備えるか・・・」


勇者「バトルだ!!ブラックマジシャンで、セットモンスターを攻撃!!ブラックマジック!!」


英雄「セットモンスターは、《フレンドッグ》!!このカードが戦闘によって破壊された時、墓地からE・HERO一枚と融合のカードを手札に加える!!」手札5


実況「破壊されはしましたが、ここで英雄選手が手札補充に出た!これは次のターンに期待です!」


勇者「だけどまだディフェンダーの攻撃が残っているぜ!行け、ディフェンダー!!ダイレクトアタックだ!!」


英雄「・・・ぐっ!」LP4000→2400



実況「先にライフを削ったのは勇者選手だー!!」


勇者「俺はこれでターンエンド!」


LP4000 手札3
フィールド
《魔法都市エンディミオン》c5(テイクオーバー5のカウント忘れてた)
《ブラック・マジシャン》ATK2500
《魔導騎士ディフェンダー》ATK1600 c1

英雄「私のターン!!ドロー!!」手札6


英雄「スタンバイフェイズ、墓地のテイクオーバー5の効果を発動!手札、デッキ、墓地の同名カードとこのカードを除外することにより、デッキからカードを一枚ドローする。ドロー!!」手札7



実況「英雄選手、これで手札は万全!さあ、反撃か!?」


オシリス(ふむ、これはどうなのだ?賢者)


賢者「そうね・・・E・HEROデッキはとにかく魔法カードを使うから、勇者が既にエンディミオンを展開している今、魔力カウンターは充分な力を発揮出来ると思う。今の勇者のフィールドも中々硬くはあるけれど、あとは英雄がそれをどう凌駕してくるか、ね」



竜使い「英雄が融合などを使えば使うほど、勇者も力を溜め込む。が、長期戦になれば勇者が有利だが・・・それで奴に勝てるなら、俺だってとっくに勝っているさ」




英雄「手札から《Eーエマージェンシーコール》を発動。デッキから、《E・HEROエッジマン》を手札に加える!」


エンディミオン c5→6


英雄「《融合》を発動!!《E・HEROエッジマン》と《E・HEROワイルドマン》を融合!!現れろ、《E・HEROワイルドジャギーマン》!!」手札4

《E・HEROワイルドジャギーマン》ATK2600

エンディミオン c6→7

実況「出ました!!英雄選手の融合召喚!!そしてこのカードは、相手の全てのモンスターに攻撃が出来るカード!!」



勇者「ーーー!!」


英雄「バトル!!ワイルドジャギーマンで、ディフェンダーを攻撃!!」


勇者(どっちも攻撃されるなら、守れるのはどちらか一体・・・なら!)



勇者「ディフェンダーの効果発動!!1ターンに1度、フィールドの魔力カウンターを1つ取り除き、魔法使いモンスターの破壊を無効にする!!」

ディフェンダー c1→0

英雄「だが、ダメージは受けてもらう!!」


勇者「ぐっ・・・!!」LP4000→3000


英雄「続いて、ブラックマジシャンに攻撃!!」



勇者「うわっ・・・!」LP3000→2900



英雄「私はこれで、ターンエンド」



実況「英雄選手、勇者選手の布陣を突破!!しかし、勇者選手も負けてはいません!!ディフェンダーを残し、反撃の体勢を整えるか!?」



英雄 LP2400 手札4
フィールド
《E・HEROワイルドジャギーマン》ATK2600
伏せ1枚

勇者「俺の、ターン!!ドロー!!」手札4


《沼地の魔神王》


勇者(このカードは・・・!よし、少しだが勝機は見えてきた!!)



勇者「俺はモンスターをセット。そしてディフェンダーを守備表示に変更する」DEF2000


勇者(見習い魔術師で、執念深き老魔術師をリクルートすれば、あのモンスターを破壊することは出来る。だが、新たなモンスターを呼ばれたら押し切られる可能性もある。ここは・・・)


勇者「手札から《光の護封剣》を発動!!三ターンの間、お前の攻撃を封じる」

エンディミオン c7→8


勇者(現状、ワイルドジャギーマンを倒せる可能性があるカードは老魔術師と・・・デッキにいるエンディミオン。そして・・・ブラックパラディン)



勇者(ここは時間を稼いで、手札の補充に専念する!)


勇者 LP2900 手札2
フィールド
《魔法都市エンディミオン》c8
《魔導騎士ディフェンダー》DEF2000
セットモンスター 1枚
《光の護封剣》残り3ターン



英雄「私のターン、ドロー!!」手札5

英雄「ふむ・・・まだ何も出来ないな。これでターンエンドだ」


勇者「俺のターン!!ドロー!!」


《和睦の使者》


勇者「《見習い魔術師》を反転召喚!!エンディミオンにカウンターを乗せる!」

エンディミオン c8→9


勇者「カードを1枚セットしてターンエンド!」手札2



英雄「私のターン、ドロー!!ーーーターンエンド」手札6



実況「おっと、膠着状態です!光の護封剣が消えるまであと1ターン、勇者選手は反撃の狼煙を上げるか!?それとも英雄選手が攻め切るか!?」



賢者「ドローソース不足ね・・・勇者が手札を整えると同時に、英雄だって手札が充実する」


竜使い「次のターンのドローが、勝負の分かれ目だな。英雄の野郎、多分次で仕掛けるぞ」



勇者「俺のターン、ドロー!!」


《神聖魔導王エンディミオン》


勇者「ーーー来た!!俺は《魔法都市エンディミオン》のカウンターを6つ取り除き、手札から《神聖魔導王エンディミオン》を特殊召喚!!」手札2

《神聖魔導王エンディミオン》ATK2700

《魔法都市エンディミオン》c9→3

勇者「この特殊召喚に成功した時、墓地から魔法カードを一枚手札に加える!《魔力掌握》を手札に!!」手札3


勇者手札
《魔力掌握》
《魔力掌握》
《沼地の魔神王》


勇者(エンディミオンの効果で魔法カードを捨てれば、ワイルドジャギーマンは破壊出来る。が・・・)


賢者「このターンで決めに行くか、魔法を温存してエンディミオンが破壊された場合に備えるか、ね・・・」


竜使い「俺ならここで攻めに行くが・・・」


賢者「まだ英雄には、1ターン目から温存してるリバースカードと、墓地のネクロガードナーがある。勇者がどこまで考えてるかはわからないけど、ここで手札を消費すべきではないわね」


勇者「見習い魔術師を守備表示に変更」

勇者「ーーーバトルだ!!俺はエンディミオンで、ワイルドジャギーマンを攻撃!!」



実況「勇者選手、反撃だぁぁぁぁぁぁ!!さあ、これをどうするのか、英雄選手!!」

ワイルドジャギーマンは 破壊された !!


英雄「っ・・・!!」LP2400→2300



勇者「ディフェンダーで、ダイレクトアタックだぁ!!」


英雄「リバースカードオープン!!《クリボーを呼ぶ笛》!!デッキから《ハネクリボー》を特殊召喚する!」


《魔法都市エンディミオン》c3→4


勇者「なら、ディフェンダーでダイレクトアタック!!」


ハネクリボー は 破壊された !!



英雄「すまない、助かったよハネクリボー」



実況「ここで英雄選手、温存していたカードで勇者選手の攻撃を防ぐ!!しかし、ここでハネクリボーはいささか勿体無い気も・・・?」


勇者「何を狙ってるんだ・・・?ーーー俺は、メインフェイズ2に《魔力掌握》を発動!!」


勇者「ターンエンドだ!!


LP2900 手札2
フィールド
《神聖魔導王エンディミオン》ATK2700
《魔導騎士ディフェンダー》ATK1600
《見習い魔術師》DEF 800

伏せ1枚
《光の護封剣》残り1ターン

《魔法都市エンディミオン》c6


英雄「私のターン、ドロー!」手札7


英雄(次のターンが勝負・・・!!)



英雄「手札から《E・HEROバブルマン》(アニメ版)を召喚!!」手札6


英雄「バブルマンが召喚、特殊召喚された時、自分フィールドにカードが存在しない場合私はカードを2枚ドロー出来る!!」手札8


実況「英雄選手、更に手札を補充した!!」



英雄「ーーーよし!そして手札から、《亜空間バトル》を発動!!このカードの効果により、互いのプレイヤーはモンスターを3枚デッキから選び1枚ずつ見せ合う。攻撃力の高いカードを出したプレイヤーは、それを手札に加え、低いものを出したプレイヤーはそのカードを墓地へ送り、500ポイントのダメージを受ける」手札7


エンディミオン c7


勇者「なるほどな。なら、俺の選ぶカードはーーー!」


実況「まずは1枚目!両者、何を出すか!?」


勇者「俺は《バスター・ブレイダー》!!」ATK2600


英雄「私は《E・HEROクレイマン》」ATK800


勇者「俺はバスターブレイダーを手札に加え」手札3

英雄「私はクレイマンを墓地に、500ポイントのダメージを受ける」
LP1800


勇者「2枚目!!《魔道戦士ブレイカー》」ATK1600

英雄「私は《E・HEROキャプテン・ゴールド》」ATK2100

勇者「くっ・・・負けたか」LP2400

英雄「さあ、最後だ!!」手札8

勇者「《熟練の白魔術師》!!」ATK1700

英雄「《E・HEROネオス》!!」ATK2500

勇者「俺は更に500ポイントのダメージ・・・!!」LP1900

英雄(よし、ネオスを手札に呼び込んだ)手札9


実況「ここで両者のライフが並びました!!」


英雄「《ミラクル・フュージョン》を発動!!墓地の《E・HEROクレイマン》《E・HEROスパークマン》を除外して融合!!」手札8

英雄「現れろ、《E・HEROサンダー・ジャイアント》!!」ATK2400


エンディミオン c8


英雄「サンダージャイアントの効果を発動!!手札を1枚墓地に送り、このカードの攻撃力以下のモンスターを1枚破壊する。ネオスを手札から捨てて、ディフェンダーを破壊する!!」手札7


勇者「ディフェンダーの効果を発動!!フィールドのカウンターを1つ使い、破壊されない!!」


エンディミオン c7


英雄「キャプテンゴールドの効果発動!!手札からこのカードを捨てることにより。デッキから《摩天楼ースカイスクレイパー》を手札に加える!!」手札7

英雄「まだだ!!2枚目の《ミラクル・フュージョン》を発動!!墓地のネオスと、キャプテンゴールドを融合!!現れろ、《E・HERO the シャイニング!!》」手札6


エンディミオン c8


英雄「シャイニングは、除外されているHEROの数×300ポイント攻撃力をアップさせる!!」


シャイニング ATK2600→3800


英雄「そして、《融合》を発動。手札の《E・HEROフェザーマン》とフィールドの《E・HEROバブルマン》を融合!!」手札4


エンディミオンc9

英雄「現れろ、《E・HEROアブソルートZERO》!!」ATK2500



実況「なんと英雄選手、3連続融合!!強力な融合モンスターが、フィールドに揃い踏みです!!」


勇者「こりゃ壮観だな・・・」



英雄「フィールド魔法発動。《摩天楼ースカイスクレイパー》」手札3


エンディミオン c10

実況「これはーーー!魔法都市と、HEROが守護する未来都市の対立!!まさに、都市間による争いへと発展したかーーー!?」

英雄「そして手札から《Rーライトジャスティス》を発動!!」


エンディミオン c11

英雄「このカードはフィールドのE・HEROの数だけ相手の魔法、罠を破壊する!!」


勇者「ーーー!なら、リバースカード発動!!《和睦の使者》!!」


実況「おっと、だが流石の勇者選手!!英雄選手の猛攻撃を察知し、すかさず守りのカードを発動した!!」


英雄「なるほど、それを発動されてはこのターン攻撃の意味はなくなるな。だが、効果による破壊は続行する。エンディミオン、和睦の使者、光の護封剣を破壊する!」


勇者「エンディミオンの効果により、魔力カウンターを1つ取り除き破壊から守る!!」


エンディミオン c10



英雄「私はカードを2枚セットし、ターンエンド!さあ、君の番だ勇者!!私の手は出し尽くした、後は全力でぶつかるのみ!!」


英雄 LP1800 手札0
フィールド
《摩天楼ースカイスクレイパー》
《E・HERO the シャイニング》ATK3800
《E・HEROアブソルートZERO》ATK2500
《E・HEROサンダー・ジャイアント》ATK2400


伏せ2枚



竜使い「アブソルートZEROか・・・野郎、厄介なカードを出しやがる」

賢者「あのカードは、フィールドから離れた時相手フィールドのモンスターを全て破壊するカード。攻撃力の上がったシャイニングも注意ね。・・・このデュエル、いよいよ決着が着くわ」

勇者(テキストを確認してみたが、なるほど・・・あのアブソルートZEROって奴はとんでもねぇモンスターだな。けど、ディフェンダーなら・・・!!)


勇者「俺のターン、ドロー!!」手札4


実況「さあ、勇者選手のターン!!彼も魔力カウンターの貯蔵は万全、ここで英雄選手の布陣を打ち砕けるか!?」


勇者「俺は《死者蘇生》を発動!!甦れ、ブラックマジシャン!!」

勇者「そして《沼地の魔神王》の効果により、《融合》をデッキから手札に加える!!」


勇者「俺のエースを見せてやるぜ、英雄!!」

英雄「楽しみだ。思いっきり来い、勇者!!」

勇者「行くぜ、融合発動!!手札のバスターブレイダーと、フィールドのブラックマジシャンを融合!!」

エンディミオン c12

勇者「ーーー黒魔術師が竜殺しの剣を手に取る時、究極の魔導剣士が姿を現す!!融合召喚!!現れろ、《超魔導剣士ーブラック・パラディン!!》」ATK2900


勇者「そしてエンディミオンの効果を発動!!」手札の魔力掌握を捨てて、シャイニングを破壊する!!」手札0

英雄「シャイニングの効果発動!!このカードが墓地へ送られた時、除外されているHEROを2体まで手札に加える!!私はネオスのみを手札に!!」手札1



勇者「ーーーバトルだ!!ブラックパラディンで、アブソルートZEROを攻撃!!超・魔・導・烈・破・斬!!」


英雄「くっ・・・!!」LP1800→1400


英雄「だが、アブソルートZEROの効果を受けてもらう!!このカードがフィールドから離れた時、相手フィールドのモンスターを全て破壊する!!」


勇者「ディフェンダーの効果!!1ターンに1度、魔力カウンターを消費して、魔法使いモンスターを破壊から守る!!そしてそれは、同時に破壊される場合モンスターの数だけ魔力カウンターを使うことで、全てのモンスターを守ることが出来る!!俺はエンディミオン、ブラックパラディン、ディフェンダー、見習い魔術師の4つの魔力カウンターを消費し、破壊を無効!!」

エンディミオン c12→8


実況「ディフェンダーが、魔力の盾を展開し自軍のモンスターを守ったぁぁぁぁぁぁ!!」

勇者「まだ俺のバトルフェイズは終わっちゃいないぜ!!エンディミオンで、サンダージャイアントを攻撃!!」


英雄「がっ・・・!!」LP1400→1100


勇者「ーーーこれで最後だ!ディフェンダーで、英雄にダイレクトアタックだぁぁぁぁぁぁ!!」


実況「英雄選手、ここで敗北となるかーーー!?」


賢者「いっけぇぇぇ!!」








英雄「ーーートラップ発動!!《ヒーロー見参》!!」


勇者「なに・・・?」


英雄「このカードは攻撃宣言時、自分の手札の中から相手にランダムに1枚カードを選ばせる。そしてそれがモンスターだった場合、特殊召喚出来る!!」


実況「ーーーですが、英雄選手の手札は1枚。しかもーーー」


勇者「ーーーこれを狙って、お前は・・・シャイニングの効果を」


英雄「そう。私のカードは《E・HEROネオス》!!特殊召喚だ!!」


《E・HEROネオス》ATK2500



実況「英雄選手のエースモンスター、ネオスが遂に登場!!主を守ったぁぁぁぁぁぁ!!」


勇者(すげぇ・・・)


勇者(デュエルって・・・やっぱり・・・すげぇんだな!!)


勇者「お前に伏せカードがあるのはわかってた。でも、こうも簡単に返されるとはな」


英雄「君の全力に応えた結果だよ。ネオスも、喜んでいる。君のようなデュエリストと、戦うことが出来て」


勇者「・・・俺は、これでターンエンド!!」


英雄「私の、ターン!!ドロー!!」手札1


賢者「けど、英雄の手札は1枚。ネオスだけじゃ、勇者のライフを削り切る事は・・・できない」

竜使い「普通ならな。だが・・・ここで奇跡のドローとやらをするのが、英雄なんだ。・・・まったく、憎たらしい奴だ」


賢者「・・・勇者」



英雄「私は《HEROの遺産》を発動!!アブソルートZEROとシャイニングをエクストラデッキに戻し、3枚カードをドロー!!」手札3



英雄「・・・!!《融合回収》を発動!!墓地のフェザーマンと、融合を手札に加える!!」手札4


実況「英雄選手、再び自らの手札を整え・・・出るか、逆転の切り札!!」


英雄「《融合》発動!!手札の《E・HEROフェザーマン》と、《バーストレディ》を融合!!現れろ、マイフェイバリットヒーロー!!《E・HEROフレイム・ウイングマン》!!」手札1


《E・HEROフレイム・ウイングマン》ATK2100



英雄「そしてネオスに装備魔法、《ネオス・フォース》を発動!!ネオスの攻撃力は800ポイントアップし、相手モンスターを破壊した時その攻撃力分のダメージを与える!!」手札0

《E・HEROネオス》ATK3300


英雄「・・・行くぞ、勇者!!これが私の全力だ!!」

勇者「ーーー来い!!


英雄「ネオスでブラックパラディンに攻撃!!ラスオブネオス!!」


勇者「ディフェンダーの効果発動!!ブラックパラディンは破壊されない!!」


英雄「わかっているさ。だが、ダメージは受けてもらう!!」



勇者「ぐっ・・・!!」LP1900→1500



オシリス(よし、耐えたぞ!!)



賢者「いえ・・・」


竜使い「これで・・・もう勇者は止められん」


オシリス(?)


英雄「これが最後の一撃!!フレイムウイングマンで、ブラックパラディンに攻撃!!」


勇者「何!?攻撃力の負けているブラックパラディンに攻撃だって!?」


英雄「ヒーローには、ヒーローに相応しい戦う舞台がある!!フィールド魔法《摩天楼ースカイスクレイパー》の効果発動!!ヒーローが自分より攻撃力の高いモンスターに攻撃する時、攻撃力を1000ポイントアップさせる!!」


勇者「なーーー!?」



英雄「いっけぇぇぇ、フレイムウイングマン!!スカイスクレイパー・シュート!!」ATK3100


勇者「うわっ・・・!!」LP1500→1300



ブラックパラディンは 破壊された!!


英雄「フレイムウイングマンの効果!!ブラックパラディンの攻撃力分のダメージを受けてもらうよ、勇者!!」


勇者「ーーー!!」



勇者(これが、この国最強のデュエリストーーー)


勇者 LP1300→0 ピーッ!!



勇者「ーーー俺の負け、だな」


英雄「楽しいデュエルだったよ、勇者」


勇者「俺もだ。ありがとう、英雄」




実況「ついに決まったぁぁぁぁぁぁ!!激闘を制し、優勝を手にしたのはーーー英雄選手だぁぁぁぁぁぁ!!」



ワァァァァ!!



賢者「頑張った・・・頑張ったね、勇者」パチパチ


竜使い「ふん・・・今回だけは、素直に讃えてやろう」
パチパチ


実況「それでは、英雄に優勝商品の授与です!」


王様「2人とも、良いデュエルだった!英雄には、この国一のデュエリストの栄誉と、優勝商品をつかわす!!」


英雄「はっ!有り難き幸せ!」



王様「惜しくも準優勝となってしまった勇者だが、これに挫けず、デュエリストとしての未知を突き進むのじゃぞ!」



勇者「はい!」



勇者(悔しいけど‥‥まだまだ俺の力が未熟だった。もっと強くならなきゃな!)


オシリス(しかし勇者も、ずいぶんと腕が上がったのではないか?相手はこの国のナンバー1なのだろう?)


賢者「一概にそうとは言い切れないわね・・・英雄はまだ余力を残していたわ。最初に墓地に送ったネクロダークマンもあったし、使っていないリバースカードも1枚あった。きっと、それすらも上回る攻めをしなくちゃ勇者に勝ちはなかったでしょうね」


竜使い「辛辣だな。お前、勇者の女なんだろう?」


賢者「ーーーはぁ!?おおお、女って!?私と勇者は、そ、そんな関係じゃ・・・!!」


竜使い「違うのか?俺はてっきり」


賢者「違うわよ!!勘違い!!勘違いだから!!ワンキルするわよもう!!」


ギャー ギャー



英雄「勇者」


勇者「ん?」


英雄「ワクワクするデュエルだった。また、やろう」


勇者「ああ!もっともっと強くなって、いつかリベンジするぜ!」








??「へぇ~、これが友情ってやつなの?カンドーカンドー!」



勇者「!?」


英雄「!?」



王様「誰じゃ、貴様は!?いつのまに!?」



勇者「お前‥‥魔物か?」



一見、よくいる普通の少年に見えるが‥‥
かつて幾百もの魔物達と戦ってきた勇者は、経験で気づく。その小さな身体から放たれる、帯びただしいほどの瘴気に



??「そうだよ!さっすが勇者!よくわかったね!」

英雄「‥‥‥‥」ゾクッ


英雄も遅れて気付く。‥‥この力、威圧感。
ただの魔物ではない



??「ボクは四天王のキラードール。勇者を見に来たんだけど‥‥せっかく面白そうな祭り事をしてるみたいだから、ボクがもっと盛り上げてあげるよ」パチンッ



英雄「うわっ」


王様「ぎゃっ!」



キラードールが指を鳴らすと、近くにいた英雄と王様が吹き飛ばされる。
そして、勇者とキラードールはドーム状のエネルギーの壁に包まれた



キラードール「スフィアフィールド。・・・これで誰も邪魔できないよ」



明るく笑うキラードールだが、その目には殺意が篭っている



勇者「‥‥くそ!やるしかないか!」



キラードール「さあ、闇のゲームの始まりだ!!」



「「デュエル!!」」

キラードール「ボクのターン!!」手札5


キラードール「・・・うん。ターンエンドかな」


勇者「!?」


勇者「なんだお前・・・やる気あるのか?」


キラードール「もちろん。けど、さっきのデュエルを見ていた限り、本気をだしたら一瞬で終わっちゃうと思うから。さあ、おいでよ勇者。せっかくハンデをあげたんだからさぁ」


勇者「後悔するなよーーー俺のターン、ドロー!!」手札6


《サンダー・ブレイク》
《リビングデッドの呼び声》
《魔導騎士ディフェンダー》
《魔力掌握》
《神聖魔導王エンディミオン》
《テラ・フォーミング


勇者「俺は手札から、《魔導騎士ディフェンダー》を召喚!!」手札5


勇者「更に《テラ・フォーミング》を発動!!《魔法都市エンディミオン》を手札に加え、発動!!」》手札4


勇者「《魔力掌握》の効果で、エンディミオンにカウンターが2つ乗る!!そして同名カードをデッキから手札に!!」


勇者「バトルだ!ディフェンダーで、ダイレクトアタック!!」


キラードール「あれ、それで展開終わり?拍子抜けだなぁ・・・ボクは手札から《捕食植物セラセニアント》の効果を発動!!ダイレクトアタックを受けた時、このカードを特殊召喚するよ」手札4


《捕食植物セラセニアント》DEF600

勇者「なら、ディフェンダーでそいつを攻撃!!」


ズバッ!!


キラードール「あーあ、倒しちゃった。セラセニアントの効果発動!!戦闘を行ったモンスターを破壊する!!」


勇者「なっ・・・!!ディフェンダーの効果!!自身の魔力カウンターを使い、破壊されない!!」


キラードール「あぁ、そういえばそんな効果もあったねー。じゃあボクはセラセニアントの3つ目の効果を使わせてもらうよ。デッキからセラセニアント以外のプレデターカードを手札に加える《捕食植物オフリス・スコーピオ》を手札に加えるよ」手札5



賢者「まさか、アイツのデッキ・・・!!」


オシリス(どうした?)



賢者「だめ!!逃げて勇者!!そいつには勝てない!!」



キラードール「だってさ。どうする勇者?」


勇者「ふん、逃がす気なんてさらさらないくせによく言うぜ。メイン2にカードを2枚セット!!ターンエンドだ!!」手札2


勇者「お前の目が言ってるぜ。獲物は逃がさないってな。経験上、そういう奴には背中を見せた方が危険なのもわかってる」


キラードール「へぇ・・・さすがは勇者様だね。よくわかってるけど・・・!!」


キラードール「ここはすでに君の生きてきた世界とは違う!!どうにもならない現実ってのを見せてあげるよ!ボクのターン、ドロー!!」手札6


勇者(とは言え、奴がさっき使ったカードは見た事もないカード・・・賢者があんなに動揺してたってことは・・・ヤバイ、かもな)


キラードール「手札から《魔玩具補綴》を発動!!デッキから《融合》と、《エッジインプ・チェーン》を手札に加える!!」手札7


エンディミオン c3


キラードール「更にボクは手札から《捕食植物オフリス・スコーピオ》を召喚!!このカードを召喚、特殊召喚に成功した場合、手札からモンスター1枚を墓地に送ってデッキから捕食植物モンスターを特殊召喚出来る!!エッジインプチェーンを墓地へ送りボクはデッキから《捕食植物ダーリング・コブラ》を特殊召喚!!」手札5


キラードール「ダーリングコブラの効果で、デッキから《魔玩具融合》エッジインプチェーンの効果でデッキから《魔玩具補綴》を手札に加えるよ」手札7


キラードール「《融合》を発動!!手札の《エッジインプ・シザー》と、フィールドのダーリングコブラを融合!!」手札5

エンディミオン c4

キラードール「現れろ、《捕食植物キメラ・フレシア》!!」


キラードール「キメラフレシアは1ターンに1度、このカードのレベル以下の相手モンスターを除外することが出来る。除外なら、君のモンスターは手も足も出ないね」ケラケラ


勇者「ならば・・・!!リバースカードオープン!!《サンダー・ブレイク》!!手札の神聖魔導王エンディミオンを捨てて、そのカードを破壊するぜ!!」手札1


キメラフレシアは 破壊された !!


キラードール「うん。そうするしかないよね!けどボクのターンはまだまだこれからだよ」ニヤリ


キラードール「手札の《ファーニマルベア》を捨てて、デッキから《トイポット》をセット!!」手札4


キラードール「そして墓地の《エッジインプ・シザー》の効果を発動!!手札の《ファーニマル・オウル》をデッキの一番上に戻し、フィールドに特殊召喚!!」手札3


キラードール「トイポットを発動!!効果により、手札の《ファーニマル・ウイング》を墓地に送って1枚ドロー!!このカードがファーニマルモンスターの場合手札からファーニマルモンスターを特殊召喚出来る。・・・確認するまでもないよね?」手札2


エンディミオン c5


勇者「それは、さっきデッキに戻した・・・」



キラードール「そう、ファーニマルオウルさ!!特殊召喚し、効果発動!!デッキから融合を手札に加える!!」手札3


キラードール「融合を発動!!フィールドのファーニマルオウルと、エッジインプシザーを融合!!現れろ、《デストーイ・ハーケンクラーケン》!!」手札2

エンディミオン c6

《デストーイ・ハーケン・クラーケン》ATK2200



キラードール「そして墓地のファーニマルウイングの効果を発動!!トイポットがフィールドにある時、このカードと墓地のファーニマルベアを除外して1枚ドローする!更に、トイポットを墓地に送ることでもう1枚ドロー!!」手札4


キラードール「墓地に送られたトイポットの効果で、デッキから《ファーニマル・ペンギン》を手札に加えるよ」手札5



勇者「くそ、また手札が増えた・・・!!」


キラードール「真の融合使いは手札を切らさないものだよ。・・・まあ、君がさっき戦っていた男もそこそこだったけどねーーー四天王であるボクは、その程度じゃ終わらない」


キラードール「《魔玩具融合》を発動!!墓地のファーニマルオウルとエッジインプチェーンを融合!!現れろ、《デストーイ・デアデビル》!!」手札4


エンディミオン c7



キラードール「バトルだ!!さあ、なぶり殺しにしてあげるよ勇者!!デストーイハーケンクラーケンで、ディフェンダーを攻撃!!」


勇者「ーーーくっ、ディフェンダーの効果発動!!フィールドの魔力カウンターを使い、破壊されない!!」


勇者「ぐあっ!!」LP4000→3400


エンディミオン c6

キラードール「ダメージを受けた・・・ね?」ニヤッ


勇者「何?」



ドゴォォォォン!!


キャー!! うわーーー!!



勇者「なっ・・・なんで、観客の人達に被害が!?」


キラードール「あははは!!あれぇ、言って無かったっけ!?ボクの持つこのスフィアフィールドで君が受けたダメージは、周囲の人間共を巻き込む!!」


勇者「なんだと・・・!!」


キラードール「周りの奴らを守りたければ、ダメージを受けずにボクを倒すことだ。単純なルールでしょ?この闇のゲームは」


勇者「今すぐやめろ!!」


キラードール「嫌だね!!さあ、デストーイハーケンクラーケンは2回の攻撃が出来る!!もう1度、ディフェンダーを攻撃!!」


勇者「くそ、みんな逃げーーーぐあっ!!」LP3400→2800



ドォォォォォン!!


「た、たすけ・・・」
「嫌ぁぁぁぁぁぁ」



キラードール「人間って馬鹿だよねぇ。こんなに集まってちゃ、パニックでおちおち逃げることも出来やしないじゃん。良かったね、勇者。君が無様に負ける所を、皆見てくれるよ?」


勇者「ぐ・・・」


キラードール「四天王クラスとの闇のゲームを侮っていたでしょ?その辺の雑魚とはレベルが違う。君を襲うダメージもケタ違いだろうし」


キラードール「だから・・・君だけが苦しむなんてフェアじゃないと思わない?負ければ君は死ぬ。だから、見物してる愚かな人間共にも同じ苦しみを与えてあげなきゃ可哀想だものね、あはは!!」



キラードール「オフリス・スコーピオで攻撃!!」ATK1200



勇者「リバースカードオープン!!リビングデッドの呼び声!!墓地から《神聖魔導王エンディミオン》を特殊召喚!!」ATK2700


キラードール「・・・これじゃあ攻撃出来ないね。でも・・・」


《デストーイ・デアデビル》ATK3000



キラードール「あはは!人間共よ!!勇者は自分の命可愛さに、お前達を犠牲にするってさ!!」


勇者「違う!!俺はそんなつもりじゃーーー」



キラードール「デアデビルで、エンディミオンを攻撃!!」


勇者「がっ・・・!!」LP2800→2500



「ぎゃぁぁぁ!!」


勇者「みんな・・・!」


キラードール「デアデビルの効果を発動!!相手モンスターを戦闘で破壊した場合、1000ポイントのダメージを与える!!」


キラードール「良かったね、勇者。これでもまだ死なないよ」ニコ


キラードール「ーーー周りはどうか知らないけどねぇ!」


勇者「がぁぁぁ!!」LP2500→1500



「痛い・・・助けて・・・」


「誰か・・・」



勇者「ーーー!!」ギリッ



キラードール「バトルフェイズ終了時に、ハーケンクラーケンは守備表示になる」DEF3000



キラードール「さあ、彼らを助けるにはこのターンでボクを仕留めないと、もっと被害が出るよ?ターンエンド!!」


勇者「くそ、くそ・・・俺のターン!!ドロー!!」手札2

《光の護封剣》

勇者「魔力掌握を発動!!エンディミオンにカウンターを乗せ、同名カードをサーチ!!」手札2

エンディミオン c8


勇者「神聖魔導王エンディミオンの効果を発動!!手札の魔力掌握を捨てて、デアデビルを破壊する!!」


キラードール「あーあ、破壊されちゃったか。でも・・・デアデビルの効果発動!!自分の墓地のデストーイモンスターの数×500ポイントのダメージを与える」


キラードール「・・・今度は自分の手で、傷付けるなんてやるねぇ。勝利のためなら犠牲はやむなし、でしょ?勇者サマ」


勇者「そんな・・・そんなつもりじゃ・・・ぐぁぁぁ!!」
LP1500→1000


竜使い「がっ・・・!!」バタッ


女将「きゃあ・・・!!」


賢者「2人共!!しっかり!!」


オシリス(なんて邪悪な波動だ・・・!!今の我では、賢者を守るので精一杯かーーーくっ!!)




勇者「・・・バトル!!エンディミオンでオフリススコーピオを攻撃!!」


キラードール「うっ・・・!」LP4000→2500


キラードール「やるじゃん、やっとボクにダメージをあたえられたね」


勇者(くそ・・・こいつ、あくまで遊んでるだけだ。ちくしょう、なんで俺はこんなにもーーー弱い!?)


勇者「メイン2に光の護封剣を発動!!ターンエンドだ!」


エンディミオン c9



キラードール「ボクのターン、ドロー!!」手札5

書き忘れた。
勇者のスタンバイフェイズにキメラフレシアの効果でデッキから融合回収サーチでキラードールの手札は6



キラードール「ボクは再び《魔玩具補綴》を発動!!デッキから融合とエッジインプチェーンを手札に加える!!」手札7




キラードール「そして手札から融合発動!!手札のエッジインプチェーンとファーニマルペンギンを融合!!現れろ、《デストーイ・チェーン・シープ》!!」手札4


キラードール「エッジインプチェーンの効果で、《魔玩具融合》を手札に加える」手札5


キラードール「そしてペンギンの効果!!2枚ドローし、その後手札を1枚捨てる!ボクは《捕食植物コーディセップス》を墓地に!!」
手札6



「勇者様・・・助けて・・・」


「怖い・・・怖い・・・」



勇者「ーーーっ!!」


キラードール「そんなに睨まないでよ。・・・すぐにみんな、あの世に送ってあげるからさぁ!!」


キラードール「ハーケンクラーケンの効果発動!!神聖魔導王エンディミオンを墓地に送る!」


キラードール「これで君の場はガラ空きだけど・・・まだ邪魔なカードがあるなぁ」


キラードール「《魔玩具融合》を発動!!墓地のエッジインプシザーとファーニマルペンギンを除外して融合!!現れろ、《デストーイ・シザー・タイガー》!!」手札5


キラードール「シザータイガーの効果で、君の光の護封剣は破壊。・・・あは、これで守るものは全部無くなったね!!」



キラードール「《融合回収》を発動。墓地の融合と捕食植物ダーリング・コブラを手札に加える。そして融合発動!!ダーリングコブラと、ハーケンクラーケンを融合!!《捕食植物ドラゴスタペリア》を融合召喚!!」手札4



《デストーイ・シザー・タイガー》ATK2500
《デストーイ・チェーン・シープ》ATK2600
《捕食植物ドラゴスタペリア》ATK2700


賢者「勇者ぁ!!」



勇者「お願いだ・・・せめて、傷付けるのは俺だけにしてくれ。他の人達は関係ない!!」



キラードール「あはは、そうだね。関係ない。けど、これが宿命さ。人間共!!聞くがいい!!無力な勇者がここにいるせいで、君たちは苦しんでいる!!勇者は死んでも生き返るが・・・勇者がいる限り、ボク達四天王は何度でもやってくる!!さあ、恐れよ!!たった今、勇者は死ぬ!!弱い勇者を呪え!!そして・・・魔族の恐怖を、永遠に刻め!!」


キラードール「バトルだ!3体のモンスターで、勇者にダイレクトアタック!!」



勇者「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」LP0 ピー!!



キラードール「以上、キラードールによる勇者と愚かな民衆の虐殺劇場でした!!みんな、楽しんでくれた!?あはははははは!!」


「やめ・・・ぎゃぁぁぁ!!」


「あああああ!!」





キラードールの高笑いと、人々の叫びが国中に響き渡ったーーー

勇者はデッキを失った!!


魔力カウンター系カード、バスターブレイダー、開闢、ブラックマジシャン、融合、ブラックパラディン、死者蘇生、サンダーブレイク、闇の誘惑、テラフォーミング、光の護封剣

は 消滅した !!








勇者「‥‥う‥‥ここは‥‥」



賢者「勇者!!良かった、気がついた!」ギュッ



勇者「デュエル神殿‥‥?そうか、俺‥‥負けて‥‥死んだのか」


賢者「勇者ぁ‥‥」ウルウル



勇者「賢者‥‥無事だったのか、良かった‥‥」



オシリス(我の力で守ったのだ!!)エヘン



勇者「そっ、か。ありがとうな‥‥」




勇者「‥‥‥‥」ボーッ



賢者「ーーー勇者?」



勇者「ん?あ、ああ。悪い‥‥」



頭に、キラードールとのデュエルが反芻する。
なす術もなかった。それどころか、周りの人まで傷付けて‥‥



勇者「うぐっ」ズキッ!!



ーーーそれに、生き返ったとはいえ四天王ほどの相手とのダメージは、尾を引くようだった

賢者「大丈夫?」サスサス

勇者「ああ‥‥」


オシリス(だいぶ酷くやられたようだな)



勇者「俺は大丈夫だ。‥‥他の人達は?」



賢者「王様は、英雄が咄嗟に庇ったから小さな怪我で済んだわ。英雄も一命は取り留めたけど‥‥まだ目を覚ましてない」


勇者「そうか‥‥」



賢者「竜使いや、屈強なデュエリスト達もみんな生きてるわ。酷い怪我だけど。‥‥でも、そうじゃない人達は何十人亡くなったか‥‥」



勇者「‥‥‥‥」



‥‥これが、闇のゲームの末路。
デュエルが全て、ということの本当の意味を初めて理解した。
デュエルが強くなければ、デュエルエネルギーの余波でさえ、命を落としてしまう




勇者「俺のせいだ‥‥俺が、いたからアイツが襲ってきた」



賢者「そんな、それは違うわ勇者!」



勇者「違わないだろ!」



バンッ!!
勇者が立ち上がったと同時に、2人がいた部屋のドアが開け放たれる。

‥‥そこには、この国の兵士達がいた

兵士「失礼する。勇者だな?」


勇者「ああ」


兵士「王からのご命令だ。勇者、貴様には即刻にこの国から出ていってもらう」



賢者「はぁ!?なによそれ!?」



兵士「今回の件は、貴様に責任があるとのことだ。かなりの被害が出て、民も混乱している。‥‥貴様が原因と知れば、暴動が起き、最悪貴様を極刑にまでしないと気が済まないモノもいるだろう。追放は、陛下の温情だ」



賢者「そんなことって!!」



兵士「なお、従わぬのなら即刻ここでデュエルで拘束する」



数人の兵士がデュエルディスクを構える



賢者「無茶苦茶よ、そんなの」



勇者「‥‥わかった。迷惑かけて済まなかった」



賢者「勇者!?」



勇者「それと‥‥賢者はこの件には無関係だ。出ていくのは俺1人でいいだろ」



兵士「ああ」



勇者「‥‥じゃあ、な」スタスタ



賢者「ちょ、待ちなさいよ!」

街の外



勇者「‥‥」スタスタ


賢者「待ってよ!」グイッ


オシリス(そうだ!我まで置いて行くな!)


勇者「‥‥お前も、俺と一緒にいたらロクなことにならないぞ。そう、丁度これが頃合いなんだ。賢者、もう俺といないほうがいい」


賢者「だから、1人で勝手に決めないでよ!」



勇者「もう、ついてくるな」



賢者「い、や、よ!」グイッ



勇者「やめろ!」



勇者が賢者の手を振り払う



賢者「勇、者?」



勇者「‥‥思い出したんだ。今回のことで」


賢者「え?」



勇者「昔の、ことをさ」





遥か昔、この世界を救った勇者。
‥‥彼の旅は、決して楽なものではなかった



勇者「お前みたいな、良い仲間がたくさんいたよ。みんなで背中を預けあってさ、笑って、力を合わせて、冒険した」



勇者「でも‥‥最後に魔王を倒した時、立っていたのは俺1人だった」



賢者「‥‥」



勇者「旅の途中で死んだやつ。四天王との戦いで死んだやつ。魔王との戦いで死んだやつ」



勇者「俺は、前の旅でも‥‥たくさんの屍の上にいたんだ」

勇者「今回はもっと過酷だ。現時点で、四天王にすら敵わない」


勇者「‥‥正直、怖くなった。デュエルが」



賢者「‥‥」



勇者「だからちょっと1人で頭を冷やしてから、また頑張るよ。賢者には世話になったけどさ、でも俺もう」




賢者「‥‥バカ」



ギュッ‥‥



賢者が、優しく勇者を抱き寄せる



賢者「‥‥ホントバカよ。泣きそうなくせに。昔魔王を倒したほどの勇者様がさ」



勇者「‥‥‥‥」



賢者「私が、守るから」



勇者「え?」



賢者「今度は、絶対私があなたを守ってみせる」



勇者「賢者」



賢者「忘れたの?これでも私、勇者よりもずっとずっと強いのよ?」


勇者「‥‥知ってる」



賢者「だから、勇者が私に並ぶぐらいに強くなるまで‥‥私があなたを守るの。ね?」


勇者「‥‥」


賢者「え、ダメ‥‥かな?」


勇者「いや」クスッ



勇者(俺を守る、なんて言ってくれたのは賢者が初めてだから‥‥面食らった)

勇者「賢者」ギュッ


賢者「は、はわわ!?」



今後は、勇者がキツく賢者を抱き寄せる



勇者「ありがとう。俺、頑張るから。賢者と同じくらい‥‥いや、賢者を守れるくらい、俺強くなるから」



賢者「‥‥うん」



オシリス(‥‥我も空気くらい読めるぞ。これは、黙っていなければいけない時だ)



勇者と賢者の誓いの抱擁は、時の流れを忘れるほど長く続いたーーー





賢者「ゆ、勇者?そろそろ、離れても‥‥いいんじゃないか?」


勇者「そ、そうだなっ」



同時に2人が離れる。
お互いに、照れくさくて顔を伏せた



オシリス(まったく、いつまでやっておるんだか。恥ずかしいなら最初からしなければよいだろうに)



勇者「う、うるさい」


賢者「そうよ!」


オシリス(まあ、せいぜい賢者に鍛えて貰うんだな。賢者の解説は、デュエルをよく知らない我にもわかりやすかったぞ。腕前も申し分無し、これからもお前にとっては良い師匠になるだろう)


賢者「そ、そう?」テレッ


オシリス(うむ)


勇者「なんかいつの間にかお前ら仲良くなってない?」


オシリス(そうだな。お前が我をデッキから抜いてから、ほとんど賢者が話し相手だったぞ)


賢者「ねー」



勇者「あ、そう‥‥」

勇者「さて、どうするかな!」


強くなる。その為には



賢者「ま、手っ取り早いのは次の街に行くことね。新しいカードも、あなたが知らない召喚法だってまだまだあるんだから」



勇者「そうなのか!?」



オシリス(我も活躍できるか!?)


賢者「うん、そうね」



勇者(俺もオシリスを使えるくらいのデュエリストにならなきゃな)




賢者「とにかく、こんな所じゃおちおちデッキも組んでられないわね。勇者、今デッキないでしょ?」



勇者「そういえば‥‥」



賢者「街に着くまでは私のサブデッキ貸してあげるから、それからね。デッキ作り方は」



勇者「そうだな。‥‥賢者」スッ


賢者「え?」


勇者「ありがとうな。これからもよろしく」



賢者「うん!」ニコッ

勇者「じゃ、行くか」



竜使い「ーーー待て!!」



勇者「竜使い‥‥」



竜使い「1つだけ言っておく。俺は別に、今回件で貴様を責めるつもりはない。‥‥英雄のやつも、そうだろう」



勇者「‥‥」



竜使い「‥‥行くのか?奴らを倒しに」



勇者「ああ。でも、力不足は痛感したし、また1から力をつけようと思う」



竜使い「俺も‥‥」



勇者「?」



竜使い「俺も!今よりずっと強くなる!俺の故郷を、人々を傷付けたアイツを絶対に許さん!!」



竜使い「‥‥だから、力をつけたら。その時は、貴様と一緒に戦ってやる」



英雄「‥‥私もだ」ヨロッ



勇者「英雄!?良かった、気がついたのか!」



竜使い「馬鹿野郎!貴様はまだ寝ていろと言っただろうが!」


英雄「大丈夫だ‥‥竜使い。‥‥私だって、友を見送りたいさ」


勇者「!!」



英雄「私達は全力でデュエルした仲だ。ならばもう、友だろう?」



勇者「‥‥ああ!」



英雄「いずれ君たちが魔王と決着をつける時、必ず私達も駆け付けると誓おう。‥‥それまで、達者でな」



竜使い「もう負けるなよ!勇者!」



勇者「‥‥ああ!また会おうな、2人とも!!」

人に見送られ、勇者と賢者は次の街を目指す。


賢者「悪いことばかりじゃないでしょ、デュエルも」


勇者「ああ。ホントにな」



臆病になっていた自分を振り払う。



賢者がいる、デュエルで出来た友がいる。
それを思うだけで、勇者の足取りは軽くなり、次の1歩を力強く踏める。



賢者「ほら、勇者!道中も特訓よ!」


勇者「おう!」



賢者「行くわよ!アン・ドゥ・ドロー!アン・ドゥ・ドロー!」



勇者「アン・ドゥ・ドロー!!」



そして2人は、次の街へ‥‥

ーーー魔王城ーーー


キラードール「報告は以上です」


魔王「ふむ」



キラードール「でも魔王様ぁ?あんな弱っちい勇者のことなんかなんで気にするんですか?」



魔王「バカ者が。それはやつのデッキがまだ未成熟だっただけのことだ。調子に乗るでない」



キラードール「えー」



魔王「貴様ら新しい四天王は知らぬのだ。勇者の‥‥奴の成長速度と、その厄介さはな」



キラードール「‥‥」



魔王「案外貴様が刺激したせいで、余計な力をつけるかもな?」



キラードール「むー。‥‥なら、またボクが」



魔王「いや、貴様はしばらく謹慎だ。勝手をした罰でな」



キラードール「‥‥う」



魔王「それに‥‥次に勇者が行く街。あそこには奴がいる」



キラードール「他の四天王に譲るのか‥‥あー、やだやだ」



側近「口を慎め、キラードール」



キラードール「はぁい」



魔王「ふん‥‥奴が勇者を仕留めればそれで良し。仕留めれなくとも、いずれは我が葬るのみよ。ハーハッハ!!」



側近(新しいデッキを試したくてウズウズしてらっしゃる。あー、これはまた城の者が犠牲になるな‥‥)

勇者「アン・ドゥ・ドロー!アン‥‥‥‥ーーー!!」



賢者「どうしたの?」



勇者「‥‥何かを閃いた気がする」



賢者「え?」



勇者「よし!いける!いけるぞ!」



オシリス(何を騒いでるのだ‥‥こやつは)



賢者「さぁ‥‥?」





勇者 は デスティニードロー を 覚えた !!

次の街への長い道のりを、勇者達は歩く
時には魔物を倒しながら、カードを手に入れて



勇者「そろそろ知らないカードが手に入るようになってきたな」


シールド・ウォリアー NEW

進化する人類 NEW

くず鉄のカカシ NEW



賢者「そう‥‥もう国境を超えたのね」




勇者「国境?砦も何もなかったぞ?」



賢者「必要ないからよ」



勇者「なんで?国同士のイザコザとか、ないのか?」



賢者「前にも言ったけど、ないわね」



賢者が断言する



勇者「‥‥‥‥」



そういえば、俺はこの変わった世界のことをほとんど知らない。
前に少しだけ聞いた気もするけど、ここで詳しく賢者に話を聞くべきか‥‥
いや、聞こう。賢者は隠しているが明らかに疲れてきている。仮にも昔世界中を旅した俺のペースで着いてきてくれたんだ、当然だろう


勇者「賢者、ちょっと休もう」


賢者「私のことは気にしないで、平気だから」



勇者「ダメだ。‥‥賢者は俺の先生だろ?先に倒れられたら困る」


オシリス(そうだ、無理をするな。このマヌケ1人になっては頼りない)



賢者「‥‥うん、じゃあお言葉に甘えて」



勇者と賢者は近くにあった小さな洞窟に腰を休めた



賢者(さすが勇者。こういう休みやすい場所を的確に見つけられるのは、やっぱり経験なのね)


勇者「それで、戦争とかがないってのは‥‥本当なのか?」


賢者「本当よ。昔は色々あったみたいだけど‥‥今は平和そのもの。魔物以外はね」



勇者「そうなのか‥‥」



賢者「と、言うよりそれぞれの国が独立し過ぎてる‥‥と言ったほうがいいかしら。旅人でもない限り、ほとんど交流がないから国ごとに使うカードや戦術も違うの」



勇者「なるほど」



賢者「見てのとおり外は魔物がウロウロしてるから、好んで街の外に出る人もいないしね」



勇者「ふーん。賢者の故郷はもっと遠くなんだよな」



賢者「そうよ。もっとも、私の故郷はどの国にも属さないただの街だけど」



勇者「そうなのか?でも、賢者はカードもデッキもたくさん持ってるよな」



賢者「それは私の故郷が、魔界に一番近かったから。‥‥そこはかつて、各国の猛者が魔界に踏み入るために拠点にしたところなの。時がたって、街になった。だから様々なカードが集まったし、様々な戦術があるの」


勇者「‥‥賢者が強いわけだ。凄い街だな」



賢者「今はそうでもないわよ。強い人達は魔物とのデュエルで負けて死んでしまったり、魔界に踏み込んでそのまま帰らなかったりしたから‥‥」


勇者「そっ、か」



勇者「じゃあ賢者は随分と遠くから、俺が目覚めた街まで来てくれたんだな。‥‥危険な旅だったろ?」


賢者「そうでもないわよ。故郷のお師匠様が、途中までカードの力で私を送ってくれたから」



勇者「か、カードの力!?」



賢者「そうよ。トップクラスのデュエリストの中でも、ほんの一握りだそうだけど、カードの力を引き出せる領域まで達することができる人がいるらしいの。私はお師匠様しか見たことないわね」


勇者「へぇ‥‥」



オシリス(それは興味深いな!勇者がその領域まで行けば我も大暴れできると言うわけだ!)



賢者「それはそれでちょっと困るかも、はは。それでね、丁度このあたりまで送ってもらったの。そこから魔物を倒しながら勇者に会いに行ったってわけ」



勇者「賢者がたくさんカードを持ってたわけが分かったよ」



賢者「そういうこと。なんで私なんかが女神様に選ばれたのかはわからないけど‥‥」



勇者(‥‥いや、これ以上ない人選だったよ。サンキュー女神様!!)



勇者「‥‥ん?」



勇者が洞窟の奥にある妙な窪みを見つける



勇者「これは‥‥」


久しく抜いてなかった腰の剣を抜き、そこ目掛けて振り下ろす!!

ガキィン!!


勇者「か、硬いな‥‥」


賢者「どうかしたの?」


勇者「いや、勘だけどさ。何かありそうだなって」


賢者「流石勇者ね!任せて!」



勇者「え」


ザシュッ!!


デッキからカードを引いた賢者は、それで岩を切り裂いた


賢者「ホントだわ、宝箱!勇者凄い!」


勇者(‥‥なにかがおかしい!!)


賢者「中身は何かしら!?」


勇者「ん?ああ」


勇者(ま、楽しそうだからいいか。こうしてはしゃいでるのを見てると、賢者も普通の女の子なんだなぁ)



賢者「開けるわよ‥‥」ゴクリッ


勇者「おお‥‥」




勇者「これは」



勇者「白いカード!?」


賢者「シンクロモンスターね」


勇者「し、シンクロモンスター?」




《レッド・デーモンズ・ドラゴン》

勇者「力強そうなモンスターだ‥‥」


つい見惚れてしまう。
初めてみる白いカードだというのもあるが、何だか美しい。
それでいてカードから感じる力強いパワー。




勇者「シンクロモンスターってなんだ?」



賢者「そうね、いい機会だから説明するわ。これから相手も使ってくるだろうから」





勇者「ーーーなるほどね。チューナーとそれ以外のモンスターを組み合わせて出す、それがシンクロ召喚か」


賢者「理解が早くて助かるわ」



オシリス(我の出番が更に無くなった気がする)



勇者「じゃあさ、これまで手に入れたカードの中でも、相性のいいカードがあるんじゃないか?」



賢者「良い目のつけ所ね。そう、シンクロ召喚‥‥それ以外にもまだ違う召喚があるけど、一見微妙な効果と思われたカードも様々な召喚を取り入れることで強力なカードに変わるのよ」



勇者「奥が深いな、デュエルって」

賢者の日記



勇者にシンクロ召喚の説明や、どんなデッキがあるかを話しながら私達は進んだ。
・・・勇者は新しいカードの存在にワクワクしているみたい。
元気出してくれて良かった。あんな顔の勇者は、もう見たくないから。



これからきっと魔物もどんどん強くなっていくし、また四天王みたいな強力な敵に狙われると思う。
だから、私が守る。
もう、勇者を悲しませない。彼が敵わないほどの相手だったら、私がーーー

魔王「ーーー勇者は調律の国に近付いたか」


側近「ーーーはっ!!ネクロキメラにも伝達してあります!」


魔王「デュエル神殿がある限り、人間共はデュエルで敗北しても何度でも生き返る・・・まったく、女神も余計なモノを作ったものだ」


側近「無力化の準備は今も進行中です。おそらくそう時間はかからないかと・・・ですが」


魔王「なんだ?」



側近「我々の動きに勘づいている人間がいるようです。各地で妨害にあったと報告が」


魔王「ふん・・・人間も馬鹿ではないか



側近「このままではデュエル神殿の無力化も一時的にしか作用しないでしょう」



魔王「構わん。・・・ネクロキメラが勇者を葬り、奴が蘇るまでの時間が稼げればな」



側近「魔王様はずいぶんとあの勇者を買っているようですが・・・」



魔王「当然だろう。奴は立ち上がる度に強さを増していく。それにデュエル神殿などというモノがあっては増長するばかりだ」


魔王「ーーーようやく実ろうとしているこの計画、邪魔されてなるものか」



《超融合》(アニメ版)ドクンッ・・・ドクンッ・・・

ーーー調律の国ーーー




勇者「着いたぞぉ!!」


賢者「長かったわね。随分とカードも集まったんじゃない?」



勇者「それにしても‥‥なんだ、俺のいた国や融合の国より、なんだか錆びれてるような」


賢者「話には聞いたことがある。調律の国は貧富の差が激しくて、スラム街と本都で別れてるって」


勇者「ふーん、じゃあここがスラム街ってことか。そう言われてみると確かに、歩いてる奴らの目がギラギラしてやがる」


賢者「ガラが悪そうね‥‥勇者、ここは慎重に」


勇者「おーい!カードショップってどこにあるんだ?」


チンピラ「ああ?」


チンピラ2「なんだあの野郎」


賢者「もう‥‥」ハァ


勇者「カードショップだよ。どこにあるか知ってるか?」


チンピラ「‥‥ああ。そんな洒落たもん、ここにはねぇぜ。ま、一件それらしいもんがあるっちゃあるが」


勇者「教えてくれよ」


チンピラ3「はは!コイツはえらいハリキリ☆ボーイが来たもんだぜ。おめー、よそもんだな?」


勇者「ああ」


賢者「勇者、ややこしくなりそうだから行きましょ」


勇者「何でだよ?教えてくれるってさ」


賢者「ああ、そっか。仮にも最強だった勇者さまだものね‥‥もうあなたの知ってる世界じゃないのよ、わかってる?」


チンピラ2「へっ、これ以上の情報が欲しかったらなぁ」


チンピラ「ありったけのカードを置いて行きな!!」


デュエルディスク「バトルロイヤルモード!スタンバァイ!!」


勇者「え、ええ!?」ガチャガチャ


チンピラ×3「「「へへっ!」」」ガチャガチャ


勇者「さ、3体1かよ!?」


デュエル!!


賢者「あーあ‥‥」



チンピラ「よく粘ったが、終わりだぜぇ!!」


勇者「くっ、トラップ発動!和睦の使者!」



チンピラ「ちっ‥‥悪あがきを」



勇者「ーーーはぁ、はぁ‥‥」LP300


フィールドにカード無し



チンピラ「へへっ」LP3800

フィールド ガイアナイトATK2600


チンピラ2 「次で決めてやるぜ!」LP3200


フィールド スクラップドラゴンATK2800


チンピラ「がはは!」LP2900

フィールド サイコ・ヘルストランサーATK2400



勇者「く、くそ‥‥」



チンピラ「まったく弱っちぃ野郎だぜ!」


チンピラ2「ママの所に帰ったらどうだ?」


チンピラ「雑魚はとっとと失せやがれ!」


賢者「‥‥」ムカッ!!


老人「‥‥なんじゃ、あやつらまたカモを見つけたのか。あの若いのも可愛そうに」


賢者「おじいさん、ちょっとこの荷物お願い」


老人「おう‥‥?」

賢者「私の、ターン!!」


デュエルディスク「乱入ペナルティ!!2000ポイント!!」ビリビリ!!


LP4000→2000



勇者「賢者?」


賢者「恥も知らずマナーも悪い奴らは‥‥許さないから!!」





チンピラ「ぎゃあ!!」LP0 ピーッ!!


チンピラ2「ほげっ」LP0 ピーッ!!


チンピラ3「ふぎゃー!!」LP0 ピーッ!!




賢者「ふんだ!勇者をバカにした罰なんだから!」



勇者(‥‥何が起こってるのかまったくわからなかった‥‥)



老人「たった一ターンで3人を‥‥ワンターンスリーキルゥ‥‥」



チンピラ「ひぃ、お助け!!」



バタバタ



勇者「た、助かったよ賢者」


賢者「流石に3対1なんて卑怯だもの」

老人「いやー、見事じゃった!」パチパチ


勇者「?」


老人「ほれ、お嬢ちゃん。荷物じゃ」


賢者「ありがとうございます」


賢者「恐縮ですけど、良かったらカードが売ってる所を教えてくれませんか?」


老人「なんじゃ、そんなことで良かったら案内してやるしてやる!さっきは珍しいものを見せてもらったしのぅ!」


賢者「ありがとうございます!」


老人「いやなに、丁度ワシの知り合いでな。気にするな気にするな!」



オシリス(‥‥形無しだな、勇者)


勇者「まったくだ‥‥」


賢者「そんなことないわ。あのデッキであれだけ粘ったんだもの。新しいデッキ組めば勇者だってあんな奴らイチコロよ!!」


勇者「頑張るよ、賢者」


老人「ホッホッホ。元気な若者達じゃ!」

「着いたぞ、ここじゃ」


勇者「へー」


ジャンク屋「爺さんか。アンタが人を連れてくるなんて珍しい」


老人「ホッホッホ。なぁに、金の卵を見つけてのぉ。カードが欲しいそうじゃ」


ジャンク屋「そうか。まあ、ゆっくり見ていってくれ」



賢者「ありがとうございます」ペコッ



勇者「どうも」ペコッ




勇者「スラムで一つしかない店にしては、他に客がいないんだな」



老人「ホッホッホ、スラムのチンピラどもなんかは寄り付かんからなぁ」



賢者「そうなんですか?」



老人「そういうやつが来たらほれ、コヤツが追い返してしまうのじゃよ」



ジャンク屋「‥‥クズカードとか、そういう言葉を使うやつに売るものはないからな」


勇者「なんだそれ!酷いな!カードってさ、それぞれ役割を持ってるもんだろ?」


勇者(シンクロ召喚を知ってから、色々なカードに使い道があるってよくわかったし)



ジャンク屋「その通りだ」



勇者「よし、そんなやつらに負けないためにも、カード選んで早くデッキを作るぞ!」



ジャンク屋「‥‥ふ。このあたりだと、落ち着ける所もないだろう。隣の部屋が空いてるから、カードを買ったらゆっくりデッキをつくるといい」



賢者「いいの?」



ジャンク屋「ああ。そんな輝いた目を見るのは子供達以外では久しぶりでね。好きに使うといい」



勇者「助かるよ!ありがとう!」


勇者「うーん‥‥」


賢者「どう?勇者。デッキ作りの調子は」


勇者「組みたいデッキはあるんだけどなぁ」


賢者「ふーん?あ、Xセイバーじゃない。私、余ってるカードがあるからあげるわよ」



勇者は 賢者からカードを 受け取った !!


勇者「お、ありがとう!‥‥強いな、コイツら。結構強力なデッキが組めそうだ!!」


賢者「どういたしまして。頑張ってね!」

シンクロ勇者デッキ


Xセイバーエアベルン ×2
Xセイバーガラハド ×2
Xセイバーパシウル×1
XXセイバーエマーズブレイド×1
XXセイバーガルドストライク×1
XXセイバーダークソウル×2
XXセイバーフォルトロール×3
XXセイバーフラムナイト×3
XXセイバーボガーナイト×3
XXセイバーレイジグラ
レスキューキャット
召喚僧サモンプリースト

一時休戦
おろかな埋葬
サイクロン×2
ガトムズの非常招集
セイバー・スラッシュ
セイバー・リフレクト×2
剣の煌き
手札抹殺
簡易融合
強制転移
月の書
ワンフォーワン


ガトムズの緊急指令×3
身剣一体
デモンズチェーン
和睦の使者
緊急同調
トゥルースリインフォース



アームズ・エイド
天狼王 ブルーセイリオス
大地の騎士ガイアナイト
スクラップデスデーモン
レッドデーモンズドラゴン
スクラップドラゴン

Xセイバーウェイン
Xセイバーウルベルム
XXセイバーヒュンレイ
Xセイバーソウザ
XXセイバーガトムズ

フュージョニスト(地属性☆3)
カルボナーラ戦士(地属性☆4)
メカ・ザウルス(地属性☆5)

勇者「よし、出来たぞ!」


勇者がデッキを作り上げる頃には、もう日が落ちていた

勇者「あー、随分時間がかかっちゃったなぁ」




賢者「勇者?終わったの?」ガチャ


勇者「ごめん、ずいぶん待ったろ?」


賢者「ううん、待ってる間ジャンク屋さんからこの街のことを色々聞いてたから」


勇者「へぇ‥‥」


賢者「どうやらこの街じゃ、貧富の差が激しいだけじゃなくてスラムと本都の人で対立があるらしいの。スラムの過激な人達は暴動を起こしたり、本都はそれを制圧しようとして無関係な人まで巻きこんだり」


勇者「酷い話だな」


オシリス(いつの時代も、人間のやることは変わらんな)


ジャンク屋「‥‥昔は、こんな国ではなかった。確かに貧富の差はあったが、それでもスラムの人間は活気に溢れ、毎日を生きていたんだ。俺達にはデュエルがあったからな。本都とスラムの人々は、デュエルで競い、円満な関係を築けていた」



勇者「ジャンク屋」



ジャンク屋「しかし、数年前から事情が変わった。この国の王は人が変わったように、俺達スラムの人間を弾圧するようになった。本都への出入りの禁止や、デュエルの禁止までも‥‥」



勇者「デュエルの禁止だって!?」



ジャンク屋「ああ。奴らは、俺達からデュエルディスクを、デッキを奪っていった」



勇者「でも、街にいたチンピラはデッキもディスクも持っていたぜ?」



ジャンク屋「それは、そいつらがスラムの過激派グループに属してたからだろう。基本的に今の過激派の活動は、デッキやディスクを奪い返すことによる戦力の増加みたいだからな」



老人「コヤツのような強いデュエリストはデュエリスト狩りの時に本都の騎士団を追い返しとるからな!そういう奴らが中心になって、革命すると騒いでいる」



勇者「それは、ジャンク屋もか?」



ジャンク屋「‥‥力だけでどうこうなる問題じゃない。過激派の行動には正直賛同できないが、俺は家族から受けついだこの店を守らなければいけない」



老人「この店はスラム唯一のカードが多く集まる場所と同時に、過激派にとっては貴重な戦力を補充できる場所じゃからな‥‥本都にも目の敵にされてるんじゃよ」

勇者「大変なんだな」


ジャンク屋「お前達も、特に用がないなら早くこの国から出ていったほうがいい。どんなトラブルに巻き込まれるかわからないからな」



勇者「でも」



老人「本都に行くのも危険じゃぞい。旅人なぞ滅多にないからな、奴らがどういう対応をするかわからん」



賢者「‥‥そうね。勇者、ここは厄介事が起きる前にこの国を出るべきだわ」



ジャンク屋「それでなくても、国王の正体は魔物だと噂もある。今日はここに泊まっていって、明日になったら」


勇者「ーーーちょっと待て、魔物、だって!?」


ジャンク屋「あ、ああ。噂に過ぎないが」



勇者「‥‥‥‥」


賢者「どうしたの?」


勇者「いや、昔もそんなことがあってさ」



賢者「?」



勇者「強力な軍事力を持ってる国に、魔王の配下が潜入して内側から乗っ取る。‥‥もしかしたら」



ジャンク屋「どういうことだ?」



勇者「いや。これは、俺達も調べないといけないみたいだ」


勇者(もしまた同じ手口なら、操ってるのは四天王クラスの奴のはず。放ってはおけない!!)




賢者「そうね、魔物が噛んでるなら私達も無関係じゃない」



勇者「さっそく明日から調査を始めるぞ!」



賢者「うん!」



ジャンク屋「‥‥よくわからないが、そこまで言うなら俺は止めない。まあ、滞在する間はここで寝泊りするといい」



勇者「ありがとう、ジャンク屋!」




ジャンク屋『建物が狭いから、お前が寝泊りできるのは一部屋しかないんだ。すまない』




勇者(‥‥だからって)


賢者(一緒のベッドとか!どう顔を合わせていいかわからないわよぉぉぉぉ!!)



勇者と賢者はそれぞれベッドの両端に、背中を向けて横になっていた



勇者「よ、よう賢者‥‥寝たか?」


賢者「‥‥まだ」


勇者「そ、そうか」



お互い寝付けるはずがない。今まで宿に泊まった時は、別の部屋だったのだから



勇者「なあ‥‥」



賢者「なに?」



勇者「ごめんな。勝手に残るって決めて」



賢者「いいわよ。放っておけないのは私も同じだし」



勇者「でも、もしも相手が四天王クラスの奴だったら」



賢者「それが?それこそ、勇者1人じゃ危ないじゃない」


勇者「‥‥う」


賢者「‥‥忘れたの?私が、勇者を守るの」


勇者「うん。忘れるものか」



賢者「勇者も、私と同じくらい強くなってくれるんでしょ?シンクロ召喚を覚えてまだろくに実戦もしてないんだから、丁度いいんじゃない?」


勇者「ああ。‥‥そうだな」ギュッ


賢者「ふぇっ‥‥!?」


勇者が後ろ手に、賢者の手を握る。


勇者「見ててくれ。俺は、強くなる。だから、誰よりも近くで‥‥見ていてほしい、賢者に」


賢者「‥‥うん」


話終わった後、2人はさっきまでが嘘のように穏やかな深い眠りに落ちていった




勇者「それじゃ、行ってくる」


ジャンク屋「ああ。気を付けろよ」



ジャンク屋の店を後に。
勇者達は本都に続く道を歩き出した



勇者「うわ、近くまで来ると‥‥凄いな」


賢者「これが今のスラムと本都を隔てる壁ね」


勇者「ずいぶん高いな‥‥こりゃ、乗り越えることはできないだろうな」


賢者「まるで要塞ね。国王の様子がおかしくなってから作られたそうだけど‥‥」



勇者「入口は一箇所しかないって話だったよな。しかも騎士団が固めてるっていう」



賢者「とりあえずそこに行くんでしょ?ダメだったら‥‥」



勇者「ジャンク屋の話では、過激派が本都の中に潜入することもあるらしいからな。何か特別な抜け道とかががあるんだろ。探せばいいさ」



賢者「そういうのは経験豊富な勇者に任せるわね」



勇者「おう、任せろ!」



オシリス(デュエルでは賢者の役に立たんからなぁ、そこしか良い所がないぞ勇者よ)



勇者「うるさいっ」

しかし、2人の考えとは裏腹に‥‥


勇者「え、いいの?」


騎士団「構わん。通ってよい」


賢者「‥‥あっさり入れたわね」


勇者「やっぱり『俺が勇者だ!!』ってのが効いたのか?」


賢者「ばか、そんな訳ないじゃない。単にスラムの人にだけ厳しいだけでしょ」



オシリス(お前に威厳などあるわけがなかろう)


勇者「えー‥‥」



本都に入ると、そこは別世界のようにきらびやかで、賑わっていた



勇者「なるほど、金持ちの街って感じだ」


賢者「あの空を飛んでるのはなにかしら?」


勇者「あれは、ワイバーンだな」


賢者「魔物じゃない!」


勇者「よく見ろよ、人が乗ってる。俺が昔立ち寄った國も、ああやってワイバーンと人が共存していた所もあったんだぞ」



賢者「へー、そうなの?」


勇者「ああ、俺も乗せて貰ってな。気持ちいいんだぜ、風を切る感覚が」



賢者「‥‥‥‥」ブルブル



勇者「どうかしたのか?」



賢者「な、なんでもない‥‥」



勇者「そうだ、せっかくだからワイバーンでも見に行こうぜ!こういう国は、絶対にワイバーンのレンタルとかしてる店があるからさ!」グイッ



賢者「え、ええ!?勇者、ちょ待っ‥‥」



オシリス(‥‥我も実体化出来ればワイバーンなんぞ赤子のようだというのに)

勇者「ほら、ここだよきっと!!」キラキラ


賢者「勇者は、こういうの‥‥好きなの?」


勇者「男のロマンだろ!いやー、ワイバーンに乗ってさ、空の魔物の大群と戦ったりしたなぁ」


賢者「‥‥」ゾクッ



勇者「聞いてる?賢者」



賢者「き、聞いてるわよっ」



勇者「すいませーん、ワイバーンって借りられるんですか?」



店主「おお、もちろん!ウチのワイバーンは騎士団のよりも速いと思うよ!!」



勇者「へぇ!凄いな!」



賢者(わ、話題逸らさなきゃ!)


賢者「あの、騎士団はデュエリスト狩りをするって話ですけど‥‥」


店主「ん?ああ、アンタら余所者さんか。珍しいな!でも安心しな、騎士団はスラムの人間じゃなきゃ粛清しないから」



店主「ワイバーンに乗ってバァーっとさ!スラムまで駆けてくんだよ!いやぁ、カッコイイよ!ウチのワイバーンの方が早いと思うけどね!」



勇者(なるほど、この壁が攻めるには騎士団にも邪魔なものだと思ってたが‥‥ワイバーンを使うのか)



勇者(一度、本都の地形を把握したほうがいいな)


勇者「おじさん、ワイバーンに乗りたいんだけど」


賢者「っ!?」


店主「いいよ、今なら2人乗れる元気なワイバーンがいるからね!空のデートってやつだ!ガハハ!最近流行っててねぇ」



店主が、檻から普通よりサイズの大きいワイバーンを連れ出した



勇者「おー、よしよし。お前か、よろしくな!」


ワイバーン「キュー♪」スリスリ


店主「お、アンタいきなり気に入られるなんて凄いねぇ」


勇者「昔からワイバーンはよく懐いてくれるんだ」



勇者「おー、よしよし。はい、店主さん代金」



店主「毎度あり!30分で戻ってきておくれよ!」



勇者「賢者、行こうぜ」


賢者「‥‥‥‥」ブンブン



賢者が無言で大きく首を横に振りながら、後ずさる。


賢者「わ、私‥‥」


勇者「へ?」


賢者「高い所、ダメなの‥‥」


勇者「ええ!?」




騎士団「ーーースラム民だ!皆さん!離れて下さい!」



勇者「!?」


突然の怒号。
振り向くと、スラムの人物と思われる人がが騎士団に追われこちらに走って‥‥


??「うっ!」ドサッ


転んだ。勇者の目の前で


勇者「大丈夫か?‥‥女の子!?」


??「う‥‥国王の正体‥‥‥‥みんな‥‥‥‥に‥‥‥‥ジャンク‥‥屋」


勇者「!!」


騎士団「そこの2人!離れて下さい!」


勇者「ちっ!」


勇者は女の子を担いでワイバーンに乗せると、賢者を強引に引っ張りワイバーンへ飛び乗った


賢者「!?!?!?」


店主「ちょ、お客さん!?」



勇者「飛べ!!」



女の子が小さな少女だったからか、ワイバーンは3人の重みなんて感じぬように豪快に飛び上がる



騎士団「と、止まれ!くそ、本隊に連絡!!犯人はワイバーンを奪って逃走!!」





賢者「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



賢者の絶叫がこだまする中、ワイバーンは猛スピードで加速する



勇者「‥‥お前、名前は?」


??「‥‥盗賊。アンタ達は‥‥?なぜボクを助けた?」


勇者「俺達はジャンク屋の知り合いだ」


賢者「あわわわわわ!!下ろしてぇ!!いやぁぁ!」


盗賊「‥‥連れの彼女、大丈夫?」


勇者「しっかり掴まってるから大丈夫さ。一応離さないように見ててくれ」


盗賊「う、うん‥‥」

賢者のために少しスピードを緩める。が


勇者「‥‥く、もう来やがったか」


後ろから、ワイバーンを駆る1人の騎士団が迫ってくる


勇者「1人か。逃げ切れるか‥‥?」


盗賊「‥‥難しいね」


勇者「え?」


盗賊「手綱、変わるよ!!」



騎士団「‥‥逃げる気か、そうはさせん!」


騎士団「フィールド魔法!デュエルフィールド!セット・オン!!」


勇者「!!これは‥‥」


キラードールと戦った時と似た、ドーム状のフィールドが形成される


勇者「倒さないと、逃げられないってか」


デュエルディスクを構え、後ろから迫る騎士団に向き直る



勇者「来いよ!」


騎士団「ライディングデュエル!!アクセラレーション!!」

勇者「俺のターン!!」手札5

勇者「モンスターをセット!!リバースカードを2枚セットしてターンエンドだ!」手札2


騎士団「私のターン!!ドロー!!」手札6


騎士団「手札から《ワン・フォー・ワン》を発動!!手札の《ジュッテナイト》を墓地へ送り、デッキから《ヘル・セキュリティ》を召喚!!」手札4


騎士団「《ヘルウェイ・パトロール》を召喚!・・・覚悟するがいい、貴様ら3人とも、一斉検挙だ!!」手札3


盗賊「来るよ!・・・大丈夫?」


勇者「まかせろ。2人とも、絶対に守ってみせる!」


賢者「助けてぇぇぇぇえ!!」


盗賊「・・・こっちは大丈夫じゃなさそうだけど」


騎士団「今更助けを乞うても遅い!!私はレベル4の《ヘルウェイ・パトロール》に、レベル1チューナーモンスター《ヘル・セキュリティ》をチューニング!!」


騎士団「勇猛なる追跡者よ、愚かな罪人を地の果てまで追い詰め、粛正せよ!!シンクロ召喚!!いでよ、レベル5!!《ヘル・ツイン・コップ》!!」ATK2200


勇者「来たな・・・シンクロ召喚」ゴクッ

騎士団「バトルだ!ヘルツインコップで、セットモンスターを攻撃!!」


ドォォォン!!


賢者「揺らさないでぇぇぇぇえ!!」


勇者「セットモンスターは《XXーセイバーエマーズブレイド》!」破壊されるが、効果によりデッキから《XXーセイバーダークソウル》を守備表示で特殊召喚する!!」


騎士団「それで守ったつもりか!!ヘルツインコップの効果発動!!相手モンスターを戦闘で破壊し墓地へ送った時、攻撃力を800ポイントアップしもう一度攻撃が出来る!」


勇者「守ってくれ、ダークソウル!」


騎士団「ヘルツインコップの追加攻撃!!2体目の雑魚モンスターを断罪!!」


パリーン!!


騎士団「私はカードを1枚セットしターンエンド」手札2



勇者「エンドフェイズにダークソウルの効果を発動!!デッキから《XXーセイバーフォルトロール》を手札に加える!!」手札3


騎士団「小癪な・・・」


勇者「俺のターン、ドロー!!」手札4

勇者「手札から《XXーセイバーボガーナイト》を召喚!!」手札3


勇者「ボガーナイトの効果発動!手札から《XXセイバーフラムナイト》を特殊召喚するぜ!」手札2



勇者「更に、自分フィールドにXセイバーが2体以上存在する時《XXーセイバーフォルトロール》は特殊召喚出来る!!来い、フォルトロール!!」手札1



勇者「俺の新たなデッキの力を見せてやるぜ!レベル4の《XXーセイバーボガーナイト》に、レベル3の《XXーセイバーフラムナイト》をチューニング!!」


勇者「勇者の剣よ、今こそ我が力となり、立ちはだかる敵を切り裂け!!シンクロ召喚!!レベル7《Xーセイバーソウザ》!!」



《Xーセイバーソウザ》ATK2500



オシリス(おお!勇者がシンクロ召喚を決めたぞ!!)


賢者「見たいけど目を開けられないのよぉぉぉぉぉ」!!



勇者「まだだ!フォルトロールの効果を発動!!墓地のフラムナイトを特殊召喚する!」


勇者「リバースカードオープン!!《ガトムズの緊急司令》!!墓地のダークソウルと、ボガーナイトを特殊召喚!!」


盗賊「フィールドに5体のモンスター・・・すごい!」


勇者「レベル3のダークソウルに、レベル3のフラムナイトをチューニング!!」


勇者「来い!!レベル6!《XXーセイバーヒュンレイ》!!」





勇者「ヒュンレイはシンクロ召喚に成功した時、フィールドの魔法、罠カードを3枚まで破壊出来る!!」


騎士団「愚かな。フィールド魔法デュエルフィールドはあらゆる効果を受け付けない!!それでデュエルフィールドを壊し逃げることは出来ないぞ!!」


勇者「ああ、そういう考えもあったのか。だけどな、こっちは最初からアンタを倒して逃げるつもりだよ!」


騎士団「なっ・・・!!」



勇者(このデュエルに時間をかけすぎれば、増援が来ちまう)


勇者「賢者が失神する前に・・・ケリをつけるぜ!」


賢者「失神したいくらいよぉ・・・」グスッ



勇者「ヒュンレイの効果で、お前のセットカードを破壊!」


騎士団「リミットリバースが・・・!」


勇者フィールド

《Xーセイバーソウザ》ATK2500
《XXーセイバーフォルトロール》ATK2400
《XXーセイバーボガーナイト》ATK1900
《XXーセイバーヒュンレイ》ATK2300


騎士団

《ヘル・ツイン・コップ》ATK2200


勇者「バトルだ!!ヒュンレイでヘルツインコップを攻撃!!」


騎士団「ぐっ・・・!」LP4000→3900


勇者「ボガーナイトで、ダイレクトアタック!!」


騎士団「がぁぁぁ!!」LP3900→2000


騎士団「そんな馬鹿な・・・スラムの人間などに、私が・・・」


勇者「悪いな。俺はただの余所者デュエリストだ」


勇者「あんたらの事情は知らないが、降り掛かった火の粉は払う!!とどめだ!!ソウザでダイレクトアタック!!」


騎士団「ふぎゃあああああ!!」LP2000→0 ピーッ!!


盗賊「やったあ!!」


オシリス(自分から首を突っ込んでおいて酷い言い草だ。ヤツが火の粉ならお前はファイアーボールだな)

勇者「よし、フィールドが解除されたぞ!」


賢者「お、終わったの・・・もう怖くない・・・?」フラッ


勇者「って、賢者!危ない!」ガシッ



盗賊「今のうちだ!かっ飛ばすよ!!」



ブワッ!!


賢者「嫌ぁぁぁぁぁぁ!まだ怖いぃぃぃぃ!!」


勇者「落ちつけ!!」ギュッ










勇者「ーーーどうにか逃げられたな」


盗賊「アンタが時間をかけずに倒してくれたおかげだよ。増援が来てたら危なかった」



勇者「賢者、もう降りたぞ。大丈夫だ!」ナデナデ


賢者「・・・ホント?もう怖くない?」 グスッ


ジャンク屋「何の騒ぎだ?」


盗賊「あ、ジャンク屋!」


勇者「お前連れて来ちゃったなぁ、どうすっか」


ワイバーン「キュー♪」


勇者(つかとっさのこととは言え、騎士団に喧嘩売ったのは不味かったかな・・・まあいいや、どうするかはこれから考えよう)

盗賊「それがね、噂の尻尾を掴んだんだよ!国王を魔物だっていう噂の!」


ジャンク屋「なんだって!?」


勇者「!!」


賢者「ここ、どこ・・・?私、生きてる・・・?」 ボーッ


オシリス(生きとるぞ。しっかりしろ)



ジャンク屋「中で話そう」


勇者「俺達も聞いていいか?」


盗賊「もちろん!命の恩人だしね!」



賢者「へ??なにがどうなってるの?」

賢者「なるほど、そんな事態になってたのね」キリッ


勇者「・・・」ジーッ

オシリス(・・・)


賢者「そ、そんな目で見ないでよ!さっきの醜態は忘れて!お願いだからぁ!」



ジャンク屋「それはそうと、盗賊」


盗賊「え?」


ジャンク屋「どうしてそんな危ない真似をしたんだ」


盗賊「‥‥」


ジャンク屋「‥‥今回はたまたま勇者がいたから良かったが、1歩間違えたら捕まってる所だったんだ」


盗賊「‥‥ごめんなさい」


ジャンク屋「今度から、気を付けろよ。あまり心配させないでくれ」ナデナデ


盗賊「うんっ」



ジャンク屋「それで、本都で何を見たんだ?」



盗賊「‥‥ボク、城まで行ったんだ。噂を確かめてやるって。そうしたらさ」


勇者「‥‥何があった?」



盗賊「裏庭で、国王が1人で立ったたんだ。でも、1人じゃなくて‥‥物陰の闇の中から、魔物が出てきたんだ。そいつは国王にボソボソ何か囁いてて、国王はずっと目が虚ろだった」



勇者「‥‥洗脳か」


賢者「その可能性は高いわね」


ジャンク屋「勇者、賢者、盗賊。少しの間店を頼む」


勇者「どこに行くんだ?」


ジャンク屋「過激派のリーダーに会いに行く。今回のことを教えてやらないとな」



盗賊「最近、こっちの過激派も本都の無関係な人達にも被害を出しちゃってさ。これで国王を操ってる魔物が首謀者だって教えれば、行き場のないみんなの怒りもまとまるかなって思って」



勇者「なるほど、明確な敵がわかれば過激派も暴走しなくなるな」



賢者「勇者」


勇者「ん?」


賢者「せっかくだから、私達も協力するって伝えてもらいましょうよ」


オシリス(そうだな。我らも敵の本拠地に乗り込むなら、囮は必要だ)


勇者「囮ってお前なぁ」


ジャンク屋「いいだろう。勇者達のことも伝えておく」



賢者「お願いね」



盗賊「行ってらっしゃーい!」

盗賊「さて、と。ね、勇者。お願いがあるんだけど」


勇者「なんだ?」


盗賊「わた‥‥ボクと、デュエルをして欲しいんだ」


勇者「いいけど、なんで突然?」


盗賊「勇者が強いのはさっきわかった。だからわた‥‥ボクも、今より強くなるためにも君と戦いたいんだ」


賢者「‥‥なにか理由があるのね」



盗賊「‥‥ボクがもっと強くなれば、ジャンク屋の役に立てる。心配させなくてすむから」



賢者「‥‥盗賊」



勇者「わかった。こっちも新しいデッキをもっと試したい所だったんだ。異存はないぜ」


勇者と盗賊は頷き、店の外へ。入口の前で賢者が見守る中、ディスクを構える



勇者、盗賊「「デュエル!!」」

勇者「さて、初手は‥‥」


XXーセイバー レイジグラ
セイバーリフレクト
XXセイバー フラムナイト
和睦の使者
サイクロン



勇者「‥‥と、ちょっとキツイな」


勇者「俺は手札から、Xセイバーフラムナイトを召喚!」


勇者「カードを2枚セット!ターンエンド!」


盗賊「ボクのターン、ドロー!」


盗賊「ボクは永続魔法、黒い旋風を発動!」


勇者(あれは通しちゃマズイカード‥‥!)


勇者「チェーンだ!リバースカードオープン、サイクロン!黒い旋風は破壊する!」


オシリス(お、勇者が警戒しているようだぞ)


賢者「当然よ、シンクロデッキの要注意カードは私が予習させておいたんだから」エヘン



盗賊「くっ、痛いな‥‥でも!」


盗賊(初手の状況は完璧だ!)


盗賊「ボクはBFー蒼炎のシュラを召喚!」ATK1800


盗賊「更に、フィールドにBFがいるとき、手札から疾風のゲイルを特殊召喚できる!いけ!BFー疾風のゲイル!!」ATK1300


盗賊「疾風のゲイルの効果発動!フラムナイトの攻撃力、守備力を半分にする!」


勇者「くっ!!」

フラムナイト「うぉぉ‥‥」ATK1300→650


盗賊「バトルだ!疾風のゲイルで、フラムナイトを攻撃!」


勇者(伏せカードはセイバーリフレクト‥‥ここでフラムナイトの効果を使わずに、シュラのダイレクトアタックを受ければ、向こうの展開は阻止できる‥‥)



フラムナイト は 破壊 された!

勇者「うわぁ!!」LP4000→3350


勇者「リバースカードオープン!!セイバーリフレクト!」


勇者「今受けたダメージを回復し、その数値分のダメージをお前に与える!」LP3350→4000


盗賊「くっ!!やるね!」LP4000→3350


勇者「そしてデッキからガトムズ、またはセイバー魔法罠カードを手札に加える!」


勇者「セイバースラッシュを手札に!」

盗賊「なら、ボクはシュラでダイレクトアタックだ!」


勇者「ぐっ!」LP4000→2200


盗賊「メイン2!ボクはレベル4のシュラにレベル3のゲイルをチューニング!シンクロ召喚!!現れろ、レベル7!BFーアーマードウィング!!」ATK2500


盗賊「カードを一枚伏せて、ターンエンド!」


勇者「俺のターン、ドロー!!」


勇者「‥‥っ、まだ耐えなきゃな‥‥」



勇者(あの伏せカード‥‥確か、BF‥‥鳥獣族だったよな。‥‥なら!)



勇者「俺は、XXーセイバーレイジグラを召喚!」
ATK200


勇者「レイジグラの効果発動!墓地より、XXーフラムナイトを手札に加える!」


勇者「手札から、魔法発動!セイバースラッシュ!」


勇者「自分フィールドの表側攻撃表示のXセイバーの数だけ相手のカードを破壊できる!」



勇者「アーマードウィングを破壊!」



盗賊「リバースカード発動!ゴッドバードアタック!アーマードウィングをリリースして、レイジグラとセイバースラッシュを対象にとり、破壊する!」



バリィン!!


オシリス(これで、2人とも場がガラ空きか)


賢者「いえ、でも勇者はそれを読んでいたみたいね。だからあえてレイジグラを出しつつ、フラムナイトを回収した。‥‥やるじゃない!」


勇者(これまでのデュエルで、ただカードを出してれば勝てるものじゃないと、痛いほど思い知った。相手の狙いを予測することも、勝つためには必須なんだって。俺は賢者に教えてもらったことぐらいしか知らないし、まだまだ未熟だけど・・・出来ることを精一杯やって、知識も吸収して、もっと強くなってみせる!)



勇者「俺はカードを一枚伏せてターンエンド!」

盗賊「‥‥これなら、まだ」


盗賊「ボクは手札から、BFー極北のブリザードを召喚!効果発動!墓地のシュラを守備表示で召喚!」


盗賊「レベル4のシュラに、レベル2のブリザードをチューニング!シンクロ召喚!レベル6、BFーアームズウィング!!更に自分フィールドにBFがいるとき、このカードは特殊召喚できる!おいで、BFー黒槍のブラスト!」


アームズ・ウィング ATK2300

黒槍のブラスト ATK1700


盗賊「バトルだ!ブラストでダイレクトアタック!」



勇者「リバースカードオープン!和睦の使者!このターン、戦闘ダメージを0にする!」




盗賊「やるね!勇者!ボク、楽しいよ!絶対勝ってやる!」


勇者「まだまだ!俺も負けないぜ!」



盗賊「ボクはカードを一枚セットして、ターンエンド!」



勇者「俺のターン!ドロー!」


勇者「‥‥!」


勇者「俺は手札から、Xーセイバーガラハドを召喚!」


勇者「バトルだ!ガラハドで黒槍のブラストに攻撃!」


勇者「ガラハドの効果発動!このカードが攻撃する時、攻撃力が300ポイントアップする!」


ガラハドATK1800→2100


パリィン!!

盗賊「うっ!」LP3350→2950



勇者「カードを一枚セットして、ターンエンド!」

盗賊「!」


盗賊(‥‥これは、持ってたほうがいいかな?)


盗賊「バトルフェイズ!アームズウィングでガラハドに攻撃!」



勇者「ガラハドが攻撃される時、攻撃力は500下がる‥‥!」


ガラハドATK1800→1300



パリィン!!


ガラハド は 破壊された !!



勇者「ぐ‥‥う!」LP2200→1200


盗賊「これでボクはターンエンド!」


勇者「俺のターン!!ドロー!!」


勇者「きた!!」


勇者「墓地にXセイバーが2体以上存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは特殊召喚できる!こい、XXーガルドストライク!」


勇者「更に、手札からXXーセイバーフラムナイトを召喚!」



勇者「レベル5のガルドストライクに、レベル3のフラムナイトをチューニング!!」



勇者「勇者の鼓動、今ここに列を成す!天地鳴動の力を見るがいい!シンクロ召喚!俺の魂、レッド・デーモンズ・ドラゴン!!」ATK3000



盗賊「!!」



オシリス(我もあんな口上で呼ばれてみたいなー)



勇者「バトルだ!レッドデーモンズドラゴンでアームズウィングを攻撃!アブソリュートパワーフォース!!」


盗賊「‥‥!させないよ!リバースカードオープン!フェイク・フェザー!」


盗賊「手札のBFー熱風のギブリを墓地に送り、効果発動!このカードの効果を、君の墓地にある和睦の使者と同じにする!」


勇者「なに!?」



盗賊「よって、ボクのアームズウィングは破壊されず、ダメージも受けない!」



勇者「‥‥俺はこれでターンエンド!」



盗賊「ボクのターン、ドロー!!」


盗賊(く、このカードじゃ・・・でもまだ粘れる)

盗賊「モンスターをセットして、ターンエンド!」

勇者「俺のターン、ドロー!!」

勇者「来たぜ!俺はXセイバーエアベルンを召喚!」



勇者「リバースカードオープン!ガトムズの緊急司令!墓地のレイジグラ、フラムナイトを特殊召喚!」


勇者「レイジグラの効果発動!墓地のガルドストライクを手札に加える!」


勇者「俺はレベル1のレイジグラに、レベル3のエアベルンをチューニング!シンクロ召喚!レベル4!アームズ・エイド!!」



勇者「アームズエイドの効果発動!レッドデーモンズドラゴンに装備する!攻撃力が1000ポイントアップするぜ!」


レッドデーモンズドラゴンATK3000→4000



勇者「バトルだ!レッドデーモンズドラゴンでアームズウィングに攻撃!ハイパーアブソリュートパワーフォース!」ブォッ!!


ゴゴゴゴ!!


盗賊「きゃあぁぁぁ!」LP2950→1250


勇者「アームズエイドの効果発動!バトルで破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える!いっけぇぇぇ!」



盗賊「!!」



盗賊「ボクの‥‥負け、だよ」LP0 ピーッ!!



勇者「よっしゃー!!」


賢者(どんどん強くなってるわね、勇者!)パチパチ


オシリス(まあ、なかなかだったな!)


勇者「楽しかったぜ、盗賊!充分強いじゃないか!最初なんかかなり際どかったからヒヤヒヤしたよ」


盗賊「ありがとう!ボクも楽しかったよ、勇者!やっぱり強いね!」


ガシッ!

2人は 固い握手を 交わした !!

賢者「2人とも、いいデュエルだったわよ!」パチパチ


盗賊「へへ‥‥」テレッ


勇者「ははは」



盗賊「‥‥ね、勇者」



勇者「なんだ?」



盗賊「これ、あげる」 スッ



勇者「‥‥え!いいのか?」



盗賊「うん、楽しかったし‥‥それに、勇者の役に立って欲しいんだ。本都に乗り込むかもしれないんだろ?」


勇者「そうだけど、これ‥‥大切なカードじゃないのか?」


盗賊「うん。さっきのデュエルでは出せなかったけどね。‥‥わたしの宝物。だから、勇者の力になればなって思って。お願い、そのカードでーーーこの国を、元に戻して。みんなが仲良く出来る、調律の国に」


勇者「‥‥ありがとう、大切に使わせてもらう。だから、安心しろ!俺が絶対、魔物をぶっ倒してきてやるからな!」



勇者 は ブラックフェザードラゴンを 手に入れた!!


ブラックフェザードラゴンは 勇者のEXデッキに 入った !!

それから一時間ほどたって、ジャンク屋は戻ってきた

勇者「どうだった?」


ジャンク屋「話は冷静に聞いてくれた。これで過激になっていたテロ活動も、少しは落ちつくだろう。‥‥ただ」


賢者「?」


ジャンク屋「お前達の紹介をしようと思ったが、やはりスラム外の人間には懐疑心が強くてな。信用できない、後は俺達でやると言っている」


賢者「そんな!」


勇者「まあ、当然だよな。本都からのスパイって疑われないだけマシだ」


盗賊「ジャンク屋の紹介でもだめか‥‥」


賢者「でもそれで諦めてられないわよ、せめて直接話ぐらいさせて貰わないと」


勇者「俺もそのつもりだ。こっちの人の協力は不可欠だ」


ジャンク屋「そういうと思っていた。‥‥どうやら、明日大規模な作戦に向けての会議をするらしい。そこに行けば話は可能だろう」



勇者「よし、決まりだな!まずは過激派とどうにか話をつけて味方になってもらう!」



ジャンク屋「盗賊、勇者達の明日の案内、頼めるか?」


盗賊「もちろんだよ!」



賢者「じゃあ今日は明日に向けてゆっくり休まないとね。勇者、疲れたでしょ?」


勇者「賢者もな。慣れないワイバーンに乗って相当疲れただろ?」ニヤニヤ


賢者「もう、思い出させないでよっ」





勇者「さて、明日に向けて‥‥だけど」



過激派との交渉。そして、おそらくだが四天王クラスの魔物の暗躍と、その討伐



勇者「良くも悪くも、明日は忙しくなりそうだ」



こういう時は奇襲に限る。
こっちの手が遅れるほど、敵に感づかれやすくなるものだ。
盗賊が命懸けで手に入れた情報。過激派との交渉に成功できれば、すぐにも敵に奇襲をかけたい 。


勇者「俺はこのデッキを信じる。やってやるさ!」


ーーーその日、勇者は悪夢をみた

昔の夢

当時の四天王の1人、ネクロマンサーと戦った時の記憶


卑怯なヤツだった‥‥当時滞在していた村の人達を人質に、奇襲をかけてきた

それで仲間の戦士が俺を庇い死んだ

戦士の最後の言葉を聞いてそこから脱出した俺達は、体勢を整えて村に戻った

村人は全員殺されていた

呆然としてしまった俺達の隙をついてネクロマンサーが不意打ちを仕掛けてきた

それでも俺達は反撃した。ネクロマンサーは自分が不利だと気付くと‥‥村人達と、戦士の死体を操って俺達を襲わせ逃げ延びようとした


死体であっても、戦士や村人を斬れるはずが無い。
戦意を失った俺に、魔法使いが喝を入れた


魔法使い「ここで奴を逃したら、またアイツのせいで犠牲になる人が出るのよ!やるしかないじゃない!!」


魔法使いは泣いていた。泣きながら、魔法を唱えていた

勇者「魔法使いと僧侶はなんとかネクロマンサーの動きを止めてくれ!!」

彼女達に、手を汚させたくなかった。
俺は、村人や戦士を‥‥斬った。斬って、斬って、斬って、斬って‥‥

俺達のせいで犠牲なった人達の肉の感触を
俺を庇って死んだ、大切な仲間の肉の感触を


嫌というほど味わいながら、俺は剣を振っていたーーー

ーーー勇者


誰かが、呼んでいる



ーーー勇者!!



誰だ‥‥?
悪夢の外から、俺を呼ぶ声は





賢者「勇者!!」


勇者「!!」



勇者「賢、者‥‥」


賢者「大丈夫なの?だいぶうなされてたわよ?」


勇者「あ、ああ‥‥」


賢者「‥‥本当にひどい顔してる」ギュッ


勇者「賢者‥‥」



悪夢から持ち帰ってきてしまったあの時の嫌な感触。
賢者に抱きしめられ、それがゆっくり消えていく



勇者「ごめん。もう、大丈夫だ」


賢者「ホントに?」


勇者「ああ。ありがとう」


傍らにあるものに視線を向ける
そこには、今の俺の力であり相棒の、デッキとデュエルディスク



勇者「そうだな。もう、あんな思いはしなくていいんだ」


賢者「?」



勇者(これは、人を傷付けない。仲間を傷付けない。もう俺は‥‥この手を血で汚さなくていいんだ)

賢者の日記


今日は勇者の前で凄くみっともない姿を見せちゃった。反省・・・
思い出すだけでも恥ずかしいよぉ・・・
ジャンク屋達には悪いけど、ワイバーンに乗ってデュエルはちょっと無いと思う。
勇者はなんか気に入ってたみたいだけど・・・私は絶対にイヤ!!



・・・とにかく、明日は過激派の人達との話し合い。
勇者もシンクロ召喚を身につけて自信がついてきたみたいだし、私もしっかりサポートしなきゃね!




空を飛ぶのは2度とごめんだけど!

勇者「ーーーそれじゃ、行ってくる」

ジャンク屋「血の気の多いやつらだ。大丈夫だとは思うが、一応気を付けてな」


オシリス(我は賢者が全員ノシてしまわないかが心配だがな)


賢者「そ、そんなことしないわよっ」


ジャンク屋「2人を頼んだぞ、盗賊」


盗賊「うん、任せて!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

盗賊「ーーーあそこだよ」


盗賊が指をさした先では、過激派達が集会を開いている


勇者「よし!いくか!」


チンピラ「‥‥待てや。どこに行くつもりだ?」

チンピラ2「ここから先は重要機密につき立ち入り禁止だ!」

チンピラ3「おい、コイツ‥‥」


賢者「なによ?」


チンピラ共「「「ヒィッッッッ!?」」」

オシリス(威嚇する咆哮)ボソッ


勇者「通してくれ。お前達のリーダーと話がしたい」


満足「ーーーなんの騒ぎだ?」


チンピラ共「「「な、なんでもありません!!」」」


賢者「手間が省けたわね」


勇者「あんたがリーダーか。俺は、勇者。話がしたくてきた」


満足「お前らがそうか‥‥」


勇者「俺もアンタ達に協力したい」


満足「何故だ。お前達には関係ないはず」


勇者「俺達は、魔王を倒すために旅をしてる。この国の変貌が魔物を仕業なら、見過ごすわけにはいかない」


満足「ならこの国のことは俺に任せな。お前達はさっさと魔王を倒しに行けばいい」


チンピラ「そ、そうだそうだ!リーダーはな、かつてこの国最強デュエリスト3人衆と言われた、伝説のサティ‥‥」


満足「や め ろ」キッ!!

チンピラ「す、すいません‥‥!!」


賢者「伝説って?」

オシリス(ああ!)


盗賊「満足とジャンク屋‥‥そしてもう1人いるんだけど、この国がおかしくなる前はサティスファクション・スリーって呼ばれたデュエリストなんだ」

勇者「お前達を信用してないわけじゃない。ただ、俺も力になりたいんだ。‥‥こんな策略で、この国の人達が苦しんでるなんて間違ってる!」


満足「‥‥ふん、威勢だけはいいな」


勇者「‥‥ダメか?」


満足「ダメとか、ダメじゃないとかの問題じゃあねぇ。お前の言いたいことはわかった。ならば‥‥」


満足「あとはデュエルで語れ。お前が一緒に戦えるうつわかどうか、デュエルで示してみろ!!」ガチャッ


勇者「ーーー望むところだ!」


満足「デュエルは俺の考案した新型ライディングデュエルで行う。お前、ワイバーンを連れているよな?」


勇者「ああ。だが、新型ライディングデュエルって?」


満足「騎士団の奴らをぶちのめすために考えたものだ。まあ、見ればわかる」


満足「フィールド魔法、デュエルフィールド、スカイサーキット!!セットオン!!」ピカー!!


オシリス(空に・・・ソリッドビジョンで道が現れた!?)



満足「デュエルスフィンクスはもちろん、ワイバーンを駆る腕もなければデュエルを続けることすら出来やしねぇぞ。さあ、これでも覚悟は変わらねえか、勇者!」


勇者「もちろんだ!むしろワクワクしてきたぜ」


満足「ーーーいい度胸だ。なら、満足させてくれよ?」


2人がワイバーンに飛び乗り、空高く舞い上がる!!


満足「ライディングデュエルーーー」


勇者「アクセラレーション!!」


賢者「ふざけてるわ・・・こんなの・・・」ドン引き


《デュエルフィールドースカイサーキット》

①このカードは他のカード効果を受けず、お互いのプレイヤーはフィールド魔法を発動、セット出来ない
②全てのプレイヤーのスタンバイフェイズに発動する。全てのプレイヤーにスピードカウンターを1つ乗せる。スピードカウンターは最大12個までしか乗せられず、スピードカウンターがないプレイヤーは魔法カードを発動出来ない。
③互いのプレイヤーは自分のターンのメインフェイズに自分のスピードカウンターを取り除いて効果を発動出来る
●5つ取り除いて発動する。手札の魔法カードを1枚捨てることにより、相手に800ポイントのダメージを与える
●8つ取り除いて発動する。デッキからカードを2枚ドローする
●12個取り除いて発動する。フィールドのモンスターを1体、あらゆる耐性を無視して破壊できる
④ワイバーンから落下し、地面に付いたプレイヤーは敗北する


勇者(ルールは理解した。後は・・・全力で戦うのみ!)


《XXーセイバー ガラハド》
《XXーセイバー ダークソウル》
《和睦の使者》
《月の書》
《トゥルースリインフォース》



満足「俺のターン!!」

満足「さあ、付いてこれるか勇者!!俺のライディングに!」

赤きワイバーン「マァァァァァン!!」バサーッ!


勇者 SP 1
満足 SP 1


勇者「頼むぞ、ワイバーン!」

ワイバーン「キュー!!」バサーッ!




満足「さあ行くぜ!《手札断札》を発動!お互いのプレイヤーは手札を2枚捨て、デッキよりカードを2枚ドローする!」手札4


満足「俺は《インフェルニティ・ビートル》と《インフェルニティ・デーモン》を捨て、2枚ドロー!!」手札4


勇者「俺はガラハドとダークソウルを墓地に送り2枚ドローする!!」手札5

《緊急同調》
《ガトムズの緊急司令》


満足「更に、《インフェルニティ・ネクロマンサー》を召喚!!守備表示になる!」手札3


満足「カードを3枚セットだ!・・・飛ばして行くぜ、遅れんなよ!」
ハンドレス



オシリス(手札はもうゼロのはずだが・・・なんなのだヤツの自信は)

賢者「本来、デュエルモンスターズは手札をどれだけ温存出来るか、どれほどアドを稼げるかに左右されるけど・・・例外もあるわ。あの、満足が使っているインフェルニティもその1つ・・・」


賢者「手札ゼロ・・・つまり、ハンドレスでその真価を発揮するデッキ」


勇者「何をしてくるーーー?」



満足「俺はネクロマンサーの効果を発動!!俺の手札がゼロの時、1ターンに1度ネクロマンサー以外の墓地にいるインフェルニティモンスターを特殊召喚する!俺が特殊召喚するのは、インフェルニティデーモンだ!!」


満足「インフェルニティデーモンの効果発動!!手札がゼロの時にこのカードを特殊召喚した場合、デッキからインフェルニティカードをサーチする!《インフェルニティ・ガン》を手札に!」手札1


満足「リバースカード!《死者蘇生》を発動!!墓地のビートルを特殊召喚するぜ!そして手札のインフェルニティガンを発動!!」ハンドレス

満足「ビートルの効果を発動!手札がゼロの時、このカードをリリースしてデッキから同名カードを2体まで特殊召喚する!来い!」


《インフェルニティ・ネクロマンサー》
《インフェルニティ・デーモン》
《インフェルニティ・ビートル》
《インフェルニティ・ビートル》


《インフェルニティ・ガン》
セットカード 2枚


勇者「1ターンでここまで・・・」ゴクリ


満足「何を言ってる!まだまだこんなもんじゃ満足出来ねぇだろ?ほら、ボサッとしてると置いていくぜ!?」


満足「レベル3の《インフェルニティ・ネクロマンサー》に、レベル2の《インフェルニティ・ビートル》をチューニング!!」


満足「ーーーその広き見解と知識にて、脳のリミッターを外し満足させろ!シンクロ召喚!現れろ!!レベル5《TGハイパーライブラリアン》!!」ATK2400


満足「更にレベル4の《インフェルニティ・デーモン》に、レベル2の《インフェルニティ・ビートル》をチューニング!!」



満足「凍てつく波動よ、目の前の敵を全て凍結させ、満足してみせろ!シンクロ召喚!!レベル6《氷結界の龍ブリューナク!!》」
ATK2300


満足「ハイパーライブラリアンの効果!このカード以外のシンクロ召喚に成功した時、俺はカードを1枚ドローする!」手札1




満足「そしてインフェルニティガンの効果を発動!!手札のインフェルニティモンスターを1枚墓地に送ることが出来る!《インフェルニティ・デストロイヤー》を墓地に!更に手札がゼロの時、このカードを墓地に送ることで墓地のインフェルニティモンスター2体を特殊召喚する!甦れ、ネクロマンサー!デーモン!」手札0

満足「特殊召喚したデーモンの効果で、デッキからインフェルニティ・ガンをサーチ!発動するぜ!」ハンドレス


《TGハイパーライブラリアン》
《氷結界の龍ブリューナク》
《インフェルニティ・デーモン》
《インフェルニティ・ネクロマンサー》

《インフェルニティ・ガン》
セットカード 2枚



オシリス(1人でやってるぞ)


賢者「完全に回ってるわね・・・流石に手札誘発もない勇者じゃキツイ、か」



勇者「なんてデッキだよ・・・ここまでモンスターを召喚しておいて、まだまだ底が見えねぇ・・・」


満足「怖気づいたか?」


勇者「ーーー冗談。むしろ、そんな戦法もあるってわかって勉強になるぜ。さあ、もっと見せてくれよ満足!!」


満足「ふん、まだまだ満足できねぇか・・・強欲な奴だな!ならお望み通りに見せてやるぜ!」


満足「ネクロマンサーの効果により、墓地のインフェルニティビートルを特殊召喚!!」


満足「レベル3のネクロマンサーとレベル4のデーモンに、レベル2のビートルをチューニング!!」


満足「破壊神より放たれし聖なる槍よ、今こそ魔の都を貫け!!シンクロ召喚!!レベル9、《氷結界の龍トリシューラ》!!」


満足「トリシューラの効果を発動!!お前の手札1枚と、墓地のダークソウルを除外するぜ!」






勇者「なっ・・・!」手札4

手札の《月の書》と、墓地の《XXーセイバー ダークソウル》が除外された!!


満足「更にライブラリアンの効果で1枚ドロー!!」手札1


満足「インフェルニティガンの効果を発動!!手札の《インフェルニティ・ジェネラル》を墓地に送る!!!手札がゼロになったことでインフェルニティガンをを墓地に送り効果発動!!墓地のデストロイヤーとビートルを特殊召喚する!」ハンドレス


満足「レベル6の《インフェルニティ・デストロイヤー》に、レベル2の《インフェルニティ・ビートル》をチューニング!!」


満足「漆黒の帳下りし時、冥府の扉は開かれる!舞い降りろ闇よ!!シンクロ召喚!!レベル8《ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン》!!」ATK3000



満足「ハイパーライブラリアンの効果で1枚ドロー!!」手札1


満足「・・・これでターンエンドだ。さあ、お前も満足させてくれよ?」


満足 LP4000 手札1

フィールド
《TGハイパーライブラリアン》ATK2400
《氷結界の龍ブリューナク》ATK2300
《氷結界の龍トリシューラ》ATK2700
《ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン》ATK3000


伏せカード 2枚



勇者「俺のターン、ドロー!!」手札5

勇者 Sp 2
満足 Sp 2


勇者「・・・俺はモンスターをセット!!カードを4枚セットしてターンエンドだ!」手札0


満足「へ、お前もハンドレスか。だが、気をつけろよ。あまりトロトロしてるとこのターンで決めちまうぜ!?俺のターン!ドロー!!」
手札2


満足 Sp 3
勇者 Sp 3



満足「俺はブリューナクの効果を発動!!!!1ターンに1度、手札を任意の枚数捨てることで相手フィールドのカードを手札に戻す!手札の《インフェルニティ・アーチャー》と《ヘルウェイ・パトロール》を墓地に送り、お前のセットモンスターとセットカード1枚を選択!!」


勇者「モンスターは手札に戻るが・・・お前が選んだカードをチェーンして発動するぜ!《和睦の使者》!」手札1


満足「おっと、これじゃ満足できねぇな。ターンエンドだ!!」


勇者「エンドフェイズ時、リバースカード発動!《トゥルース・リインフォース》!!デッキから《Xーセイバー パシウル》を守備表示で特殊召喚する!」


勇者「俺のターン!!ドロー!」手札2

勇者 Sp 4
満足 Sp 4


勇者「俺は手札から《レスキュー・キャット》を召喚!!効果発動!デッキから《Xーセイバー エアベルン》と《XXーセイバーダークソウル》を効果を無効にして特殊召喚するぜ!」手札1



勇者「そして手札から《XXーセイバー フォルトロール》を特殊召喚!!」手札0



勇者「フォルトロールの効果を発動!!墓地のガラハドを特殊召喚するぜ!」


《Xーセイバー パシウル》
《Xーセイバー エアベルン》
《XXーセイバーダークソウル》
《XXーセイバー フォルトロール》
《XXーセイバー ガラハド》



盗賊「勇者もフィールドにモンスターを5体並べた!!」


賢者「反撃開始ね」


勇者「レベル3のダークソウルに、レベル3のエアベルンをチューニング!シンクロ召喚!!現れろ、《XXーセイバー ヒュンレイ》!!」


満足「ライブラリアンの効果で、1枚ドロー!」手札1

勇者「ヒュンレイの効果で、お前のセットカードを2枚破壊する!」

《デプス・アミュレット》と、《インフェルニティ・フォース》
が破壊された !!

勇者「更にレベル6のヒュンレイと、レベル2のパシウルでチューニング!!シンクロ召喚!!レベル8、《スクラップ・ドラゴン!!》」


満足「シンクロ召喚したことにより、俺は再びドローだ!」手札2


勇者「スクラップドラゴンの効果を発動!!ガラハドを破壊し、お前のワンハンドレッドアイドラゴンも破壊するぜ!」


ワンハンドレッドアイドラゴンは 破壊された!!



勇者「バトルだ!スクラップドラゴンで、ハイパーライブラリアンを攻撃!!」


満足「ぐっ・・・!」LP4000→3600


勇者「更にトラップ発動!!《ガトムズの緊急司令》!墓地のヒュンレイ、エアベルンを復活させるぜ!」


満足「何っ!?」



勇者の場に、再び戦士が集結する


勇者「フォルトロールでブリューナクを攻撃!」


満足「がっ・・・!」LP3600→3500


満足「だが俺の場には、まだトリシューラがいるぜ!残っているお前のモンスター達じゃ、こいつは倒せねぇ!」


勇者「ーーーそれはどうかな!!トラップ発動!!《緊急同調》!!」


満足「何っ!?」



勇者「レベル6のヒュンレイに、レベル3のエアベルンをチューニング!!さあ来い、《XXーセイバーガトムズ》!!」ATK3100


勇者「トリシューラを攻撃だぁぁ!!」


満足「ぐあっ・・・!」LP3500→3100



盗賊「これで満足のモンスターは全滅・・・!」


オシリス(勇者が圧倒的に有利だな!!)


賢者「そうね・・・けど、満足の墓地はすでにかなり潤ってる。返しの手が怖い所ね

勇者「エンドフェイズにダークソウルの効果によって俺はデッキから《XXーセイバー レイジグラ》を手札に加えてターンエンド!!」

勇者 LP4000 手札1

《XXーセイバー フォルトロール》ATK2400
《スクラップ・ドラゴン》ATK2800
《XXーセイバー ガトムズ》ATK3100



満足「俺のターン、ドロー!!」手札3

満足 Sp 5
勇者 Sp 5


満足「俺は墓地の《ヘルウェイ・パトロール》の効果を発動!!このカードを除外して手札の《インフェルニティ・アーチャー》を特殊召喚!!更に、手札から《インフェルニティ・ビショップ》を通常召喚!!」手札1


満足「カードを1枚セット!・・・そして俺の手札がゼロになったことにより墓地の《インフェルニティ・ジェネラル》の効果が発動できる!!ジェネラルを除外して、墓地のビートル2体を効果を無効にして特殊召喚!!」



勇者「・・・くるか!」


満足「レベル4のインフェルニティビショップに、レベル2のインフェルニティビートルをチューニング!!来い、《オリエントドラゴン》!!」


満足「オリエントドラゴンは、シンクロ召喚に成功した時相手のシンクロモンスター1体を除外できるぜ!俺はスクラップドラゴンを除外!!」


勇者「攻撃力の高いガトムズじゃなく、スクラップドラゴンを・・・?」


満足「まだ満足しちゃ困るぜ!!更に、レベル6の《オリエントドラゴン》にレベル2の《インフェルニティ・ビートル》をチューニング!!」


満足「ーーー死者と生者、ゼロにて交わりし時、永劫の檻より魔の竜は解き放たれる!!いでよ、レベル8!!《インフェルニティ・デス・ドラゴン》!!」


「きた!!満足さんのエースモンスターだ!!」


「やっちまえーーー!!」

満足「俺はインフェルニティデスドラゴンの効果発動!!手札がゼロの時、相手モンスター1体を破壊し攻撃力の半分のダメージを与える!!ガトムズを破壊するぜ!!行け!!インフェルニティデスブレス!!」


勇者「うわっーーー!!」LP4000→2450



ワイバーン「キュー!?」バタバタ


勇者「うおっ!?」



賢者「大変!!今の衝撃で、勇者が!!」


盗賊「ダメージはないけど、衝撃はワイバーンも受けるからね・・・パニックになって勇者が落ちそうになってる。勇者もしがみついてはいるけれど、あのままじゃ・・・」


満足「勇者!!このデュエルのルールは覚えているか!?」


勇者「くっ・・・ワイバーンから落下して、地面に落ちたら負け・・・だったか?」


満足「そうだ。・・・インフェルニティデスドラゴンは効果を使ったターン攻撃は出来ないが、アーチャーは違う。こいつはハンドレスの時に相手にダイレクトアタックできるのさ」


満足「ダイレクトアタックの衝撃で、お前かワイバーン・・・どちらかが限界を迎えるだろう。・・・安心しな。このデュエルフィールドがある限り、落ちても死にはしねぇ」


勇者「ははっ・・・そりゃ優しいな」


満足「よく頑張ったが・・・終わりだ!インフェルニティアーチャーよ、勇者を射抜け!!ダイレクトアタック!!」


賢者「勇者!!」


ワイバーン「キュー、キュー!!」


勇者「ごめんな、怖がらせて・・・でも」


勇者「これ以上お前に怖い思いはさせねぇ!!」シャキン


勇者が剣を抜く。
暴れるワイバーン掴まっている最中で、片手を離すのは無謀。
だが


勇者「こんなんでやられるような奴は・・・勇者なんて名乗ってないんだよ!!」ギィン!!


満足「バカな!?アーチャーの矢を弾き返した!?」


勇者「おら・・・よっと!!」


そして勇者は、片手だけの力で全身を持ち上げ、一回転しながらワイバーンの背に舞い戻る!!」


勇者「・・・もう大丈夫だぞ。よしよし」LP2450→450


ワイバーン「キュー・・・?」


勇者「お前が怖いってなら、このデュエルサレンダーする。でも、まだ一緒に戦ってくれるなら・・・力を貸してくれ、相棒」


ワイバーン「・・・」


ワイバーン「キュー!!」キリッ

ワイバーンが勇者に応えるように、雄々しく翼をはためかせ、いっそう高く飛び上がる!!


勇者「戦ってくれるんだな・・・ありがとう」


満足「・・・久しぶりだぜ、こんな骨の奴に会えたのはな」ニヤッ


満足「ターンエンドだ!さあ勇者、お前達の満足を見せてみろ!!」



満足 LP3100 手札0

フィールド
《インフェルニティ・デス・ドラゴン》ATK3000
《インフェルニティ・アーチャー》ATK2000

伏せ 1枚




勇者「俺のターン!!ドロー!!」手札2


勇者 Sp 6
満足 Sp 6


勇者(俺のライフは残り僅か450・・・満足が次のターン魔法を引くだけでスカイフィールドの効果により負けちまう。だが!!)


勇者「手札から《一時休戦》を発動!!お互いにカードを1枚ドローし、次のお前のターン終了時までお互いに受けるダメージはゼロになる!!」手札2


満足「む・・・」手札1


勇者「そして俺はフォルトロールの効果発動!!墓地のパシウルを特殊召喚するぜ!!」


勇者「レベル6のフォルトロールに、レベル2のパシウルをチューニング!!シンクロ召喚!!現れろ、《レッド・デーモンズ・ドラゴン》」


勇者「バトルだ!レッドデーモンズドラゴンでインフェルニティアーチャーに攻撃!!アブソリュートパワーフォース!!」


満足「ぐ・・・だがお前のカードの効果で、ダメージは受けない!!」


勇者「カードを1枚セットして、ターンエンドだ!」


勇者 LP450 手札1

《レッド・デーモンズ・ドラゴン》ATK3000


勇者(次のターンにかける・・・!!)

満足「俺のターン、ドロー!!」手札1

満足 Sp7
勇者 Sp7


満足「カードをセット!!そしてデスドラゴンの効果を発動!!レッドデーモンズドラゴンを破壊するぜ!!」ハンドレス


勇者「ぐっ・・・だが、一時休戦の効果でダメージは受けない・・・!!」



満足「それでも、インフェルニティデスドラゴンと渡り合えるカードを失ったことにはかわりねぇ。さあ、これでも立ち向かってこれるのかよ、勇者!!」



勇者「・・・・・・」



勇者「ああ。どんな状況でも、俺は絶対に諦めない」


満足(こいつ・・・)


オシリス(当然だな。我の知っている勇者は、こんなことでは諦めたりせん)


賢者「うん。だって、勇者は・・・」


勇者伝説。
それに描かれた少年は、決して輝かしい英雄ではなかった。
泥にまみれ、地を這いずり、みすぼらしくても足掻き、生き抜いた少年。


賢者「大丈夫。勇者なら・・・」


勇者「」ドクン ドクン


勇者(身体が、熱い・・・。この感覚は、もしかして)


満足「・・・ターンエンド。もっと、もっとだ!お前の底にあるものを、俺に見せてみろ!!」


勇者「おう!!行くぜ、俺のターン!!」

ーーー突然だが。
ここで、勇者に与えられた力・・・女神の加護について説明しよう
勇者に与えられる加護は、三つある。
一つは、肉体、魔力の強化。これは歴代全ての勇者に適応される。
二つめは、魂の不死化と、蘇生の加護。
これは勇者自身との相性により、適応されるかどうかが変わるが、この加護を受けた勇者は何世代に渡って魔王との戦いに駆り出されるという。
実質、この勇者の生はこれで3回目。
1度目は女神の加護なく、死に絶え。
2度目で女神の加護を受け、蘇生。1度目で培った戦闘経験と非情さに加え、仲間と加護による新たな強みを手に入れ、見事魔王を打倒した。



そして、三つ目は・・・その勇者達の長所や、特性により変わる。
この勇者の能力。それはーーー



勇者「身体が熱い。これは、この風・・・感覚・・・ライディングデュエルの影響で、何かが変わろうとしているのかーーー?」


『あらゆる状況、地形などに適応し、それに応じて身体能力や魔力を増幅させる力』である。


それは、デュエルが全てのこの世界ではまた違った意味となる。



勇者「感じる。ライディングデュエルのこの高揚感。風や、ワイバーンと一体になるこの感覚・・・その全てが、新たな力となって俺に・・・いや、俺のデッキに変革をもたらしている」ピカーッ


勇者「・・・ドロー!!」

勇者 Sp 8
満足 Sp 8



勇者「この、カードは・・・?」


勇者手札 2

XXーセイバー レイジグラ
????

勇者「・・・やるしかない。俺に出来ることを」

勇者「デュエルフィールド、スカイサーキットの効果を発動!!スピードカウンターを8個取り除くことにより、俺はデッキからカードを2枚ドローする!!」手札4 Sp 8→0


勇者(!!やっぱり、デッキが・・・)



勇者「俺は手札から《レッド・スプリンター》を召喚!!」手札3


賢者「!?」


満足「見たこともねぇカードだ・・・」


勇者「レッドスプリンターの効果で、手札の《レッド・リゾネーター》を特殊召喚!!」手札2


勇者「レッドリゾネーターの効果を発動!!インフェルニティデスドラゴンの攻撃力分、俺のライフを回復する!」


勇者 LP450→3450

満足「なんだと・・・!?」


勇者「レベル4の《レッド・スプリンター》に、レベル2の《レッド・リゾネーター》をチューニング!!」


勇者「聖なる炎よ、猛々しい業火となりて、眠れる魂を呼び覚ませ!!ーーーシンクロ召喚!!レベル6、《レッド・ライジング・ドラゴン》!!」



賢者「あのモンスターは・・・まさか、勇者!!」


勇者「レッドライジングドラゴンの効果を発動!!墓地のレッドリゾネーターを特殊召喚!!」

勇者「レベル6の《レッドライジングドラゴン》に、レベル2の《レッドリゾネーター》をチューニング!!」


勇者「王者の咆哮、今天地を揺るがす!!唯一無二なる覇者の力を携え、我が剣となれ!!シンクロ召喚!!レッド8、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》!!」


満足「新たなレッドデーモンズドラゴンだと!?」


勇者「スカーライトの効果を発動!!このカードの攻撃力以下の特殊召喚されたモンスターを全て破壊し、1体につき500ポイントのダメージを与える!!」


満足「くっ・・・俺は墓地のインフェルニティビショップの効果を発動!このカードを除外して、インフェルニティモンスターの破壊を無効にするぜ!!」


「さすがリーダーだ!!」

「だが、お互いのドラゴンの攻撃力は互角。相打ち狙いか?」


勇者「まだだぁ!!俺は手札から《シンクローン・リゾネーター》を特殊召喚!!」


勇者「レベル8の《レッドデーモンズドラゴンスカーライト》に、レベル1の《シンクローンリゾネーター》をチューニング!!」


盗賊「3連続シンクロ!?」


勇者「深淵より解き放たれし竜よ!!今こそその力、爆散させろ!!シンクロ召喚!!レベル9、《?魔竜レッド・デーモン・アビス》!!」ATK3200


満足「さらに進化させやがった・・・!!」

勇者「シンクローンリゾネーターの効果によりレッドリゾネーターを手札に加えるぜ」手札2


勇者「バトルだ!!レッドデーモンアビスで、インフェルニティデスドラゴンを攻撃!!アビス・レイジ・バスター!!」


満足「うぐっ・・・!!」LP3100→2900


勇者「レッドデーモンアビスの効果発動!!墓地のシンクローンリゾネーターを守備表示で特殊召喚!!」


勇者「俺はこれで、ターンエンド!!」


LP3450 手札2
《えん魔竜レッド・デーモン・アビス》ATK3200

《シンクローン リゾネーター》DEF100

伏せ1


満足「やってくれるじゃねぇか・・・最っ高だぜ!!これが俺の求めていた、ライディングデュエルだ!!俺のタァァァン!!ドロー!!」手札1


満足 Sp 9
勇者 Sp 1


満足「・・・来たぜ勇者!!俺は手札からインフェルニティ・ガンを発動!!」


勇者「!!」


満足「インフェルニティガンの効果を発動!!このカードを墓地に送りーーー」

勇者「させるか!!レッドデーモンアビスの効果を、発動!!フィールド上の表側表示のカード効果をターン終了時まで無効にする!!」


満足「なっ!?」


勇者「お前のコンボは封じたぜ、満足!!」


満足「ーーーならば俺は、リバースカードオープン!!《ZEROーMAX》!!このカードの効果により、墓地のインフェルニティネクロマンサーを復活!!」


勇者「!?」


満足「ネクロマンサーの効果を発動!!」


勇者「いいや、させないぜ!リバースカードオープン!!《デモンズ・チェーン》!!ネクロマンサーの効果も、無効だ!」


満足「まだそんなカードを!?土壇場まで残しておいたのか」


勇者「危ねー危ねー。お前のモンスターの復活を許すと瞬く間に逆転されちまうからな。警戒MAX、好きにはさせないぜ!!」


満足「ーーーフッ」



満足「俺はスピードカウンターを8個取り除き、2枚ドローする!!」Sp 1 手札2


満足「モンスターをセット!!カードを1枚セットしてターンエンドだ!」

LP2900 ハンドレス

《インフェルニティ・ネクロマンサー》DEF2000
セットモンスター 1
《インフェルニティ・ガン》
伏せ2枚

勇者「俺のターン、ドロー!」手札3

勇者 Sp 2
満足 Sp 2


勇者(アイツの場にインフェルニティガンがある限り、アビスは失えない・・・なら!)


勇者「俺のフィールドに攻撃力1500以下の悪魔族チューナーがいる場合、手札から《風来王ワイルド・ワインド》は特殊召喚出来る!来い!」手札2


勇者「更に、レッドリゾネーターを通常召喚!」手札1


勇者「レベル2の《レッドリゾネーター》に、レベル4の《風来王ワイルド・ワインド》をチューニング!!」


勇者「シンクロ召喚!!現れろ、レベル6《レッド・ワイバーン》!!」



勇者「ーーーバトルだ!アビスでインフェルニティネクロマンサーを攻撃!!」


パリィン!!


勇者「更に、レッドワイバーンでセットモンスターを攻撃だあ!!」


満足「セットモンスターはインフェルニティドワーフ・・・破壊される」


勇者「これで俺はターンエンド!」

勇者 LP3450 手札1
《えん魔竜 レッド・ デーモン・アビス》ATK3200
《シンクローン・リゾネーター》DEF100
《レッド・ワイバーン》ATK2400

満足「・・・俺の、ターン!!ドロー!!」

満足 Sp 3
勇者 Sp 3

満足「次は俺の反撃だ・・・行くぞ、勇者!!」


勇者「来い!」


満足「俺は手札から《インフェルニティ・リベンジャー》を召喚!!」ハンドレス


満足「そしてインフェルニティガンの効果を発動!!」


勇者「なら、それにチェーンして再びアビスの効果を発動だ!」


満足「甘いぜ・・・リバースカード、オープン!!前のターンにセットしたこのカードを使わせてもらうぜ!《インフェルニティ・バリア》!!アビスの効果を無効にし、破壊する!」


勇者「!?」


満足「そしてインフェルニティガンの効果により、インフェルニティネクロマンサーとインフェルニティデーモンを特殊召喚!!デーモンの効果で2枚目のインフェルニティバリアを手札に加えさせてもらうぜ!そしてセット!!」


勇者「・・・くっ!」


満足「インフェルニティ・ネクロマンサーの効果を発動!!墓地のインフェルニティデスドラゴンを復活!!」


勇者「くっ・・・なら俺はレッドワイバーンの効果を発動!!インフェルニティデスドラゴンを、破壊する!」



満足「なるほど、そんな強力な効果を持っていやがったか」


満足「だが、そんなんで満足しちゃ困るぜ!見せてやる、俺の最後の切り札をよ!」


満足(インフェルニティバリアを使うためにはこのままデーモンとネクロマンサーを残しておくべきだが・・・そんな安全策よりも、今俺は俺の全力を持って満足してやる!!)


満足「レベル4の《インフェルニティデーモン》と、レベル3の《インフェルニティ・ネクロマンサー》に、レベル1の《インフェルニティビートル》をチューニング!!」


満足「地獄と天国の狭間・・・煉獄よりその姿を表せ!!シンクロ召喚!!《煉獄龍オーガ・ドラグーン》!!」ATK3000



満足「バトルだ!!オーガドラグーンでレッドワイバーンに攻撃!!」


勇者「うわぁぁぁあ!」LP3450→2850



盗賊「ライフが並んだ!」




満足「これで俺はターンエンドだ」



オシリス(まずいぞ、このままでは・・・)


賢者「・・・いえ」


オシリス(?)


賢者「満足は・・・インフェルニティバリアを伏せた時、もう1つ選択肢があった。どちらかと言うと、今の現状だとそっちの方が勝率は高かったはず」


賢者「きっと、全力でぶつかってみたかったのね。予想外の力を見せた勇者に、真っ向から」


賢者(思えば、最初から勇者を試している節はあった。私だったら、最初のターンにオーガドラグーンを並べて、まずは制圧体制をとる。それをしなかったのは、勇者の実力を見たかったから)


賢者「とにかく、勇者にはまだ勝てる可能性がある。勝負は・・・このターン」


勇者「俺の、ターン!!ドロー!!」手札2

勇者Sp4
満足Sp4

勇者「!!」


勇者(見える・・・勝利への、道筋が!!)


勇者「行くぞ、満足!!」


満足「来い!!」



勇者「自分フィールドにチューナーモンスターがいる場合、《奇術王ムーン・スター》は特殊召喚出来る!来い!!ムーンスター!!」


勇者「そしてムーンスターの効果を発動!!このカードのレベルを、墓地のレッドワイバーンと同じ6にする!!」


勇者「更に、墓地の風来王の効果を発動!!このカードを除外し、デッキからダークリゾネーターを手札に加え、通常召喚!!」


勇者(もっとだ、もっと燃やせ・・・魂を!!でなければ、このモンスターは・・・!!)

勇者「行くぞ!相棒!!」

ワイバーン「キュー!!」バサッ!!



盗賊「ワイバーンが、速度を上げた!!」



オシリス(風と一体になるのか、勇者よ!!)


賢者「そこはちょっと意味わかんない」ブルブル



ゴォォォォオ!!


勇者(・・・感じる。この突風の中、静寂していく時間を。そして、脈を打つ俺の鼓動が、燃えて行くのを!!)



カーン☆コーン!!



勇者「今だ!!」


勇者「俺はレベル6になった《奇術王ムーン・スター》に、レベル3《ダークリゾネーター》とレベル1《シンクローン・リゾネーター》をダブルチューニング!!」


勇者「王者と悪魔、今ここに交わる!赤き竜の魂の魂に触れ、天地創造の叫びを上げよ!!ーーーシンクロ召喚!!レベル10《レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント》!!」ATK3500

満足「ダブルチューニングだと!?はは、やっぱりお前は・・・面白い奴だな、勇者!!」


勇者「レッドデーモンズドラゴンタイラントの効果発動!!このカード以外のカードを全て、破壊する!!」



満足「うぉぉお・・・!!なんて効果だよ・・・!!」



勇者「これで終わりだ!!タイラントで、満足にダイレクトアタック!!獄炎の、クリムゾン・ヘルタイド!!」



満足「うわぁぁぁ!!」LP2900→0 ピーッ!!



ブワッ!!


「リーダーが落ちた!」


「危ねぇ!!」



勇者「相棒!!頼む!!」


ワイバーン「キュー!!」ビュン!!



ガシィッ!!


満足「お前・・・」


勇者「少しは認めてもらえたか?」


満足「・・・ああ。満足したぜ」


勇者「ーーー違うな」


満足「?」


勇者「『俺達』の満足は、これからだ!!」


満足「・・・ふ」


満足「ハァーハッハ!!」


勇者「あははは!!」


オシリス(・・・何にせよ、一件落着だな)


賢者「・・・みたいね」

インフェルニティのポテンシャルが高くて、勇者の勝ち筋を探すのに時間がかかり過ぎました。反省してます・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

満足「では、これより正式に勇者と賢者を俺達革命軍の同志として迎え入れる!!依存はねぇな、お前ら!!」


勇者「よろしくな」


賢者「微力だけど、精一杯頑張るわ」


「うおおおおお!!」


「勇者!!男前♂だったぞ!惚れたぜ!」


「賢者・・・あれは人の皮を被ったハデスだ・・・」ガタガタ



勇者「な、なんか悪寒が」ゾクッ


賢者「私は殺意が」ビキビキ



勇者「・・・まあいいや。満足、早速で悪いんだけどさ。作戦の提案があるんだ」


満足「・・・お?別に構わねえが。満足させてくれよ?」ニヤッ

満足「ーーーなるほどね。確かに、お前達のおかげで成功率はかなり上がりそうだ」


勇者の作戦はこうだ。
まず、ワイバーンが2体いるというのは自分達にとって大きなアドバンテージになる。
まず、過激派を本隊と分隊にわける。賢者が分隊を率いて門から正面突破。
その隙に本隊が別ルートから侵入。
本隊と分隊への対応で手薄になった所を、盗賊を案内役にワイバーンに乗って勇者と満足が一気に城へ侵入して奇襲する‥‥というもの


満足「‥‥だが、ダメだな」


勇者「やっぱり本隊の別ルートからの侵入は難しいか?」


満足「いや、そこは問題じゃねぇ。現に今まで俺達は侵入については成功してる。それはお前もわかって言ってるんだろう?」



勇者「ああ。昨日の盗賊の侵入や、お前達が今まで本都を襲撃してるって話は聞いてたからな」



賢者「私は平気よ?正面突破も問題ないと思う」


満足「別に実力を疑ってるわけでもないさ。ただ、分隊には俺の指揮が必要だ。効率よく陽動を仕掛けるならな」


勇者「じゃあ俺が1人で」


満足「問題はそこだ。‥‥城にな、いるんだよ。サティスファクション・スリーの最後の1人が。そいつの名は騎士隊長。本都で最も強く、騎士団のトップで、国王の護衛を任されてる男だ」


賢者「確かに、そんな人がいるなら危険ね。後には黒幕の魔物も控えてるわけだし」


勇者「どうすればいい?」


満足「なに、それは簡単だ。ジャンク屋を連れていけばいい」


賢者「そっか!確かジャンク屋もサティスファクション・スリーなのよね。昔の仲間なら戦わなくても説得できるかもしれないし」


満足「それはどうかな‥‥あいつクソ真面目だからな。とにかく、勇者1人で行くよりはジャンク屋も同行してくれたほうが成功率も上がるし勇者の負担も減るはずだ」


勇者「わかった。戻ってジャンク屋に話してくる」


盗賊「あ、それはボクが行くよ。勇者達は準備してて大丈夫。ワイバーンを借りていいかな」

勇者「頼む」

賢者「ありがとうね」



満足「よし、作戦は明日決行だ。すぐに準備を始めるぞ!」



「「おおー!!」」




勇者「さて、新しいカード達になったんだ。デッキを見直さないとな」


賢者「でも、女神様の加護とはいえ凄いわね。デッキが丸々書き変わるなんて」


勇者「正直、あのままじゃ勝てなかったからな・・・助かった」


賢者「その力はいつでも使えるの?」


勇者「いや・・・今回のライディングデュエルが特殊だっただけで・・・だけだよな?早々使える力じゃない」


賢者「そっか。やっぱり勇者自身が、デュエリストとしてもっと成長しないことには始まらないわね。世界を救う勇者様なら、カードの創造くらい自力出来ないと」


勇者「・・・それ、当たり前のことなのか?」



賢者「ううん、流石にそこまでのレベルになるとこの世界に何人いるかどうか、だと思う」



勇者「大変なんだな。まだまだ道は険しそうだ」



賢者「あはは、ハードル上げちゃった?」


勇者「かなり」


オシリス(我を使いこなせるようにもならんとな!)


勇者「わかってるって」


勇者(今回は女神の加護で何とかなったが・・・強くなるのに、近道なんてない。どんなに不格好でもいい、出来ることを精一杯やらなきゃな)

=================================
【勇者デッキシンクロ編2】
=================================
シンクローン・リゾネーター ×2
ミラー・リゾネーター ×1
バトルフェーダー ×1
チェーン・リゾネーター ×1
レッド・リゾネーター ×2
メタモルポット ×1
クリエイト・リゾネーター ×1
ダーク・リゾネーター ×1
フレア・リゾネーター ×1
奇術王 ムーン・スター ×2
レッド・スプリンター ×3
レッド・ガードナー ×1
風来王 ワイルド・ワインド ×2
バイス・ドラゴン ×1
サイバー・ドラゴン ×1
レッド・ウルフ ×1
トラゴエディア ×1
【魔法】
コール・リゾネーター ×3
一時休戦 ×1
皆既日蝕の書 ×1
簡易融合 ×1
精神操作 ×1
貪欲な壺 ×1
【罠】
スカーレッド・コクーン ×1
スカーレッド・カーペット ×1
レッド・スプレマシー ×1
スクリーン・オブ・レッド ×1
デモンズ・チェーン ×2
リジェクト・リボーン ×1
リビングデッドの呼び声 ×1
安全地帯 ×1
【エクストラ】
ドラゴンに乗るワイバーン ×1
TG ハイパー・ライブラリアン ×1
レッド・ライジング・ドラゴン ×1
レッド・ワイバーン ×1
天狼王 ブルー・セイリオス ×1
エクスプロード・ウィング・ドラゴン ×1
?魔竜 レッド・デーモン ×1
レッド・デーモンズ・ドラゴン ×1
レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト ×1
クリムゾン・ブレーダー ×1
?魔竜 レッド・デーモン・アビス ×1
レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント ×1
?魔竜 レッド・デーモン・ベリアル ×1
?魔竜王 レッド・デーモン・カラミティ ×1
スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン ×1

翌日


ーーー作戦が始まる。
老人に店を頼み、駆けつけてきてくれたジャンク屋は頼もしい助っ人だ


満足「よし、もう1度作戦を確認するぞ」


賢者「まず私が分隊を引き連れて正面突破よね。問題ないわ」


「「うす!よろしくお願いします姐さん!!」」


賢者「あ、姐さんはやめてよ‥‥」

オシリス(分隊で異議を唱えた奴らを片っ端から黙らせた結果だな)


満足「そして騎士団の目が分隊に向いたら、俺が本隊を率いて侵入、派手にぶちかます」


勇者「そして賢者や満足達が騎士団と交戦して陽動してくれている間に、盗賊に案内してもらいながら俺とジャンク屋がワイバーンで直接城に乗り込む」



ジャンク屋「盗賊は俺達を送り届けたらワイバーンですぐに待避だ。わかってるな?」



盗賊「うん‥‥力になれないのは悔しいけど、ジャンク屋と勇者を信じて待ってる!!」


ジャンク屋「任せてくれ。必ず目的は果たす。ここまで出来るのも、盗賊のおかげだ」ナデナデ


盗賊「へへ‥‥」テレッ


勇者「気をつけてな、賢者」


賢者「勇者こそ。そっちが一番危ないじゃない」


勇者「なんとかやってみるさ」


賢者「‥‥ごめんね。私がワイバーンに乗れたら、力になれるのに」


勇者「そんなことない。賢者だって大変だしな。それに‥‥」


賢者「??」


勇者「絶対成功させて、ちゃんと強くなってるって賢者に証明したいから」


賢者「‥‥うん。頑張ってね!私、信じてる」


勇者「ああ!!」


勇者「ーーー始まったな」


ジャンク屋「ああ」


ワイバーンに乗り待機してると、本都が騒がしくなる。



勇者「よし、俺達も行くぞ!!」



ワイバーン「キュー!!」








ジャンク屋「城が見えて来たぞ!!」


勇者「王がいるのはどのあたりだ?」


盗賊「えーと、あそこかなー」


勇者「よし、なら俺があそこの壁を剣で打ち破る!!そのまま突っ込んでくれ!」チャキッ


ジャンク屋「いや、俺に任せてくれ」


勇者「?」



ジャンク屋「はっ!!」シュッ!!



ドカーン!!


勇者(カードが壁を貫いただと!?)



盗賊「よし、行くよ!!」



勇者(こいつらもしかして、カード投げるだけで前回の魔王倒せるんじゃ‥‥)

勇者「さて、着いたが‥‥」


??「止まれ!!」


勇者「早速かよ」


ジャンク屋「場所は正確だったが‥‥同時に、奴に見つかる位置だったな」


盗賊「ご、ごめん!」


ジャンク屋「大丈夫だ。後は任せてくれ」


勇者「どっちみち戦う覚悟はしてたしな」


盗賊「‥‥うん、2人とも、頑張って!」


ワイバーン「キュー!」



??「我が国のワイバーンで強襲をかけるとは、賊め‥‥」


ジャンク屋「落ちつけ、騎士隊長」


騎士隊長「なっ‥‥君は、ジャンク屋‥‥か!?」


勇者「説得出来そうか?」ボソッ


ジャンク屋「難しいな‥‥。騎士隊長、俺達は」


騎士隊長「見損なったよ‥‥まさか君までが。満足が過激派を率いてるのは知っていたが」


ジャンク屋「お、おい」


騎士隊長「いくら旧友でも、今の僕は陛下を守る盾だ!!容赦はしない!」


勇者「話聞けよ!」


ジャンク屋「騎士隊長、俺達はこの国を救うために‥‥」



騎士隊長「満足にも言った!僕がこの国を元に戻して見せると!‥‥確かに今のこの国はかつてと比べ酷い有り様だ。僕も、本都の心優しい人達も胸を痛めている!!だから、少しずつ国を変えるための努力はしてきている!」



騎士隊長「君達のこのやり方はテロと変わらない!こんなことで国が変わると思うな!‥‥君は冷静に事態を見ていると思ったが、残念だよジャンク屋。牢で少し頭を冷やすといい」


勇者「‥‥話、聞いてくれないな」


ジャンク屋「昔からそういうヤツだ。真面目で、一直線だが‥‥周りが見えなくなる」


勇者「やるしかないのか」ウィーン


ジャンク屋「ああ、仕方ない」ウィーン


騎士隊長「君達をデュエルで拘束する!!」ウィーン



「「「ーーーデュエル!!」」」




勇者「ジャンク屋、あいつはどんなデッキを使うんだ?」


ジャンク屋「神のカード・・・」


勇者「神ぃ!?神って、あの神!?紙とか髪じゃなくて?」


ジャンク屋「ああ、神だ。騎士隊長はこの国に代々伝わる神のカード、『三極神』の継承者。その力と並々ならぬ鍛錬で、騎士団のトップに登りつめた男だ」



勇者「マジかよ・・・2対1とは言え、とんでもない奴を相手にしちまったな」



ジャンク屋「同感だ。出来るなら戦いたくない相手だった」



勇者「弱点とか、ある?」



ジャンク屋「そうだな・・・神のカードはその召喚条件の重さ故にすぐには召喚出来ないはず。加えて、1体の神を操るだけでも凄まじく精神力を使うと言う。昔の騎士隊長は1体召喚が限界だったはずだが・・・」



騎士隊長「ーーー甘いよ、ジャンク屋。僕がその頃から成長していないと?」


ジャンク屋「・・・そうは思わない。昔からお前は努力家だった。真面目で、実直に鍛錬に明け暮れていたお前なら、きっと・・・想像もつかないぐらい強くなっているだろう、と」



騎士隊長「ーーーその成果を、こんな形で見せることになるとは思わなかったよ。・・・残念だ、ジャンク屋。君は昔から誰よりも冷静でいて、しかしデュエルでは熱い心を見せる男だ。そのタクティクスと一瞬の閃きには今でも敬意を持っているよ。だからこそ、油断も手加減もしない」


ジャンク屋「俺もだ。こんな形になってしまったが、久々のお前とのデュエル、全力で行かせてもらう!」


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