ガヴ「なんかヴィーネとタプリスが鬼仲悪い」 (215)
ラフィ「えっ? そうなんですか?」
ガヴ「ああ」
ラフィ「以前見かけた時はそんな仲が悪いようには見えませんでしたけど」
ガヴ「そうなんだよ。ヴィーネもこの前までかわいい後輩ができたってはしゃいでたのに」
ラフィ「どのような様子なんですか?」
ガヴ「今朝のことなんだけどさ」
ーーーーーーーーーー
ーーーーー
ガヴ「ふあぁ…」
ガヴ(ねっむ。さすがに二徹明けはキツいな、数学の宿題さえなきゃ絶対休んでたのに)
タプリス「あっ、天真先輩! おはようございます!」
ガヴ「ん? タプリスじゃん。また人間界来たの?」
タプリス「はい。しかも今回は一週間も貰えちゃいました」
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ガヴ「よく許可おりたな。この前も来たのに」
タプリス「それは天真先輩のおかげなんですよ」
ガヴ「私の?」
タプリス「実はですね、駄天使となってしまった天真先輩の現状を事細かに伝え、それを打破したいと先生に切に訴えたら通ったんです!」
ガヴ「……」
タプリス「しかも経過次第では定期的に訪問の機会を貰えるそうで!」
ガヴ「そうか、確かに私のおかげだな」
タプリス「はいっ!」
ガヴ「つまり……たたでさえ減りつつあった私への仕送りがいきなり暴落したのはタプリス、お前のせいってことか。そうだな? ん?」
タプリス「ひええっ!? ご、ごめんなさーい!!」
ガヴ「まったく、余計なことしてくれたな」
タプリス「うー……すみません」
タプリス「でも今のままじゃ先輩をあの憎っくき悪魔から救えないと思って、どうにか下界に降りようと必死だったんです~」
ガヴ「はあ? 誰だよ憎っくき悪魔って」
タプリス「それはもちろんアイツです! 血のように紅い髪をたくわえた…」
ヴィーネ「あらガヴ。今日は早いじゃない」
タプリス「!」
ガヴ「おー、ヴィーネ。ちょうどいいところに」
ヴィーネ「ちょうどいいって?」
ヴィーネ「…!」
ガヴ「いやー、今日宿題あったじゃん? ちょっと間に合いそうにないからヴィーネにさ」
ヴィーネ「……」
タプリス「……」
ガヴ「って、どうした二人とも睨み合って」
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「…チッ」ボソ
ガヴ「!?」
タプリス「……」
タプリス「…ケッ」ボソ
ガヴ「!!?」
ガヴ(な、なんだよこの空気!?)
ガヴ(てかいまヴィーネ舌打ちした? えっ? それにタプリスのほうも…)
ヴィーネ「なにしてんのよ、おまえ」
タプリス「なにって…下界訪問って昨日言ったじゃないですか。もう忘れたんですか? 悪魔はみんなバカなんですか?」
ヴィーネ「だったら昇降口じゃなくて正式に受付通って来客バッジつけなさいよ。天使はそんなことも知らないの?」
タプリス「はぁ? 意味わかんないんですが」
ヴィーネ「理解できない? 天使のくせに常識なさすぎって言ったのよ」
ガヴ(うっそだろおい)
タプリス「っていうかなに悪魔が常識ぶってんですか? あなたほんとに悪魔ですか? 使命放棄ですか?」
ヴィーネ「下界に溶け込むんだから規範や礼節を重んじるのは当然でしょ。頭大丈夫? ちゃんと脳みそ詰まってるわけ?」
ガヴ「お、おいおいやめろよヴィーネ」ガッ
ヴィーネ「ガヴ! 放して! 今こいつと…」
ガヴ「だからもうやめろって! 相手は中学生だぞ」
ヴィーネ「で、でもっ」
タプリス「ぷはっ、天真先輩に怒られてやんのです」
ヴィーネ「むきいぃ…!!」
ガヴ「お前もだぞタプリス。悪魔相手とはいえ年長者になんて物言いしてんだ」ペシ
タプリス「あうっ……いたいです~」
ヴィーネ「ぷっ、だっさ」
タプリス「ぬううぅ!!」
ガヴ「いいかげん落ち着けお前らっ!!!」
ってのを書いていきます
前作のヴィーネにチョコあげたやつの続きというか同じ世界線だけど、読まなくても問題ない感じに仕上げられたらなと
ガヴ「一体どうしちゃったんだよ。喧嘩か?」
ヴィーネ「べつにー?」
タプリス「そんな次元じゃないです。こんな人とケンカすることすら恥です」
ヴィーネ「なんですって?」
ガヴ「あーあーあー! またおっ始めんなよ!」
ヴィーネ「フンッ」
タプリス「ふんです!」
ガヴ(だるすぎマックス……)
ガヴ「と、とにかく今はいいだろヴィーネ? 時間がもったいない」
ヴィーネ「…そうね。ムダもいいところだわ」チラ
タプリス「は? なんですかその目」
ガヴ「タプリスも! な? 話あるなら後で聞いてやるから! なっ?」
タプリス「……まあ、天真先輩がそう言うなら」
ガヴ「よーしよーしじゃあそういうことで! ほら行こうヴィーネ」
ヴィーネ「うん」
ガヴ「また後でなタプリス!」
タプリス「はいっ、天真先輩!」
ーーーーー
ーーーーーーーーーー
ガヴ「って感じで」
ラフィ「ええと……さすがにウソですよね?」
ガヴ「私もさすがにウソだと信じたかったよ」
ラフィ「も、盛ってるんですよね?」
ガヴ「むしろオブラートに包んでる。実際はもっと酷かったような気もする」
ラフィ「……」
ラフィ「なぜそのようなことに?」
ガヴ「それがヴィーネに聞いても なんでもないから気にしないで の一点張りでさ」
ラフィ「それでなんでもなかったら逆に恐ろしいです!」
ガヴ「そうなんだよ。だからもうヴィーネが怖くて怖くて……」
ラフィ「それでこちらの教室に…心中お察しします」
ラフィ「ここはひとまず、ヴィーネさんの怒りが鎮まるまで待ってから事情を聞き出すしかないですね」
ガヴ「それが違うんだよ」
ラフィ「違う、というと?」
ガヴ「ヴィーネのやつ怒ってるどころか、むしろめちゃくちゃ機嫌いいんだ」
ラフィ「……はい?」
ガヴ「なんか私と話してるときは終始不気味なくらい笑顔だしさ」
ラフィ「はあ」
ガヴ「それにだよ、今朝なんか私が自力で宿題やってたらヴィーネのほうからプリント持ってきて……」
ヴィーネ『はい、ガヴ』パサ
ガヴ『……え?』
ヴィーネ『宿題でしょ? 写していいわよ、まるごと♪』ニコッ
ガヴ『あ、うん…………え?』
ヴィーネ『……』ニコニコ
ガヴ「……」
ラフィ「……」
ガヴ「うわあああああ怖い恐いこわいヴィーネこわいよおおおお!!!」
ラフィ「ガヴちゃん! ガヴちゃんは私が守りますっ!」ダキッ!
遅くてすません
休憩がてら書いてるので…
前日夜 ヴィネット宅
タプリス「ごちそうさまでしたっ」
ヴィーネ「お粗末さま。お口に合ったかしら?」
タプリス「それはもちろん! 月乃瀬先輩、すっごく料理がお上手なんですね」
ヴィーネ「えー? このくらい普通よ」カチャ
タプリス「あっ、お皿洗いは私がやります!」
ヴィーネ「いいのよそんな。一人分も二人分もたいして変わらないし」
タプリス「ですが急に泊めてもらうことになった上に美味しい晩ごはんまで……何かしないと申し訳ないです」
ヴィーネ「ふふ、作ったごはんを美味しいって言ってくれるだけで十分よ。ありがとね」
タプリス(あうぅ、ほんとにもう良い人すぎます。絶対生まれる世界を間違えてます!)
ガチャッ
タプリス「ふーっ」
タプリス「お風呂ありがとうございました。とっても気持ちよかったです!」ポカポカ
ヴィーネ「はじめての入浴剤はどうだったかしら?」
タプリス「なんといったら良いのでしょう。体の疲れとか心の乱れとか、そういう悪いものがお湯に溶けていくかのように消えてしまいました…」
ヴィーネ「わかる! 私も最初に使ったときなんてもう悪魔成分がなくなっちゃったかと思ったもん」
タプリス「あ! ひょっとしてだから月乃瀬先輩はぜんぜん悪魔っぽくないんじゃないですか?」
ヴィーネ「ぐうっ!!」ズサッ!
タプリス「あれっ!? ご、ごめんなさい!」
ヴィーネ「あはは……いいのよ事実だから。そうね、いっそ入浴剤のせいにしてしまいたいわ…」
タプリス「けど本当にすごいパワーです。治癒の泉は天界にもありますけど、こんなに心地良く感じたのは初めてかもしれません」
ヴィーネ「ふふ、満足してもらえたみたいでよかった」
タプリス「いやはや下界のアイテムは侮れないものばかりです」
ヴィーネ「あ、やっぱり天使でもそう思うのね」
ヴィーネ「今はだいぶいろいろなことに慣れてきたけど、私も人間界に来てからというもの新しい発見だらけでびっくりだったわ」
タプリス「……天真先輩は」
ヴィーネ「ん? ガヴ?」
タプリス「この にゅうよくざい を知っているんでしょうか?」
ヴィーネ「入浴剤を? さすがに知ってるんじゃないかしら」
タプリス「…そうですか」
ヴィーネ「ただ使ったことがあるのかは分からないわね。あの子お風呂めんどくさがるし」
タプリス「!」
ヴィーネ「それがどうかしたの?」
タプリス「これです!!」
ヴィーネ「これ?」
タプリス「入浴剤です! これを使えば、天真先輩を救うことができるかもしれません!」
ヴィーネ「ガヴを…救う?」
タプリス「はいっ!」
タプリス「この入浴剤とやら、使った者の浄化してくれる最強アイテム、すなわち有用性特A級の逸品であると判定しました」
ヴィーネ「へ?」
タプリス「いま、天真先輩は悪の力によって駄目駄目な天使…駄天使であることを強要されているのはご存知ですね?」
ヴィーネ(悪の力? ゲームとかの娯楽のことかしら)
タプリス「私はそんな囚われの天真先輩を救い出すため、再び下界への訪問を許可されたのです」
タプリス「そこでこのアイテムです! もし未だに天真先輩が入浴剤のお風呂を体験したことがないのであればっ」
タプリス「この強大なパワーを持つお湯につかることによって悪に汚された心を浄化!」
タプリス「みごと昔のような、優しく凛々しい天真先輩が復活! めでたしめでたしというわけですっ!」
ヴィーネ「え、ええー?」
タプリス「あれ? だ、ダメでしょうか」
ヴィーネ「うーんと……どうだろう」
タプリス「悪魔の月乃瀬先輩にも天使の私にもばっちり癒し効果があるんですし」
タプリス「であるならば両方を兼ね備えている状態の天真先輩にも効くのではと閃いたんですけど……」
ヴィーネ(それだけであのガヴが改心するとは正直思えないけど)
タプリス「やっぱり無理ですかね…」シュン
ヴィーネ(この子はこの子なりに本気なのよね)
ヴィーネ「やってみよっか!」
タプリス「えっ!」
ヴィーネ「私もね、ガヴリールのことは前々からどうにかしなきゃって思ってたのよ」
タプリス「やっぱりそうなんですか!? 天真先輩から少し聞いてましたけど、本当だったとは」
ヴィーネ「まあ…一応」
タプリス(月乃瀬先輩は悪魔サイドのはずなのに。一体どこまで良い人なんですか)
ヴィーネ「なにやっても改善するどころかむしろ悪化していく一方で若干諦め気味だったんだけど…」
ヴィーネ「いま千咲ちゃんが話した案はまだ試したことないし、やってみる価値はあると思うの」
タプリス「っ! で、ですよねっ」
ヴィーネ「うん。それにすぐには効果が出なかったとしても、変わるきっかけにはなるかもしれないし」
タプリス「そうですそうです、何事もチャレンジです!」
タプリス(ようし、月乃瀬先輩のゴーサインも出たし、さっそく明日にでも試してみます!)
ヴィーネ「あ、じゃあ明日一緒にお買い物行かない? ガヴ用の入浴剤を探しに」
タプリス「そうしましょう! 私、天真先輩が天界にいたころ好きだった香りとか分かります!」
ヴィーネ「それいい! 昔を思い出させるには効果ばつぐんじゃないかしら」
タプリス「えへへへ、もし思い出してくれたら嬉しいなぁ」
ヴィーネ(どこがいいかな。たしか駅のリニューアルした中にコスメ系の大きなお店があったような)
タプリス「あわよくばそのまま天真先輩と一緒にお風呂なんて……きゃーーっ!」
ヴィーネ「えええっ!?」
ヴィーネ「ちょっ、なに言ってるの千咲ちゃん! そんなことあるわけ……」
タプリス「え~~? 分からないじゃないですかぁ!」
ヴィーネ(ガヴと一緒に、お、お、おふろ入るだなんて……っ!)
タプリス「あぁ、天真先輩に優しく背中を流されると想像しただけで夢のような心地ですぅ~」
ヴィーネ「ガヴと……洗いっこ……」ゴクリ
ヴィーネ「ってムリムリムリ! そんなのまだ早いんだからー!!」ブンブン
タプリス「ふふっ。こう言ったら失礼かもですけど月乃瀬先輩、ウブな感じですごくかわいいですっ」
ヴィーネ「うぅ、からかわないでよ」
タプリス「すみません。でも大丈夫ですよ、もしそうなったとしても一緒に入るのは私ですし」
ヴィーネ「えー、いやいや」
ヴィーネ「……ん? ちょっと待って、どうして千咲ちゃんが?」
タプリス「はい?」
ここから歪みが
なんかまた長くなる気がしてきた
ヴィーネ「だってガヴをお風呂に入れるのは私の役目だし」
タプリス「え? いえいえそれも私がやりますよ」
ヴィーネ「ど、どうして?」
タプリス「当然ですよ。これ以上月乃瀬先輩にご迷惑をおかけするわけにはいきませんし」
ヴィーネ「ええっ? いいわよ、ガヴの面倒見るなんて今さらなんでもないし」
タプリス「そう遠慮なさらず。ここは私に任せてくださいっ」
ヴィーネ「遠慮っていうか…」
ヴィーネ「それを言うなら千咲ちゃんこそ遠慮しなくていいのよ?」
タプリス「遠慮なんてしてません。天真先輩を救うのは私の使命ですから」
ヴィーネ「いやでも……私だってガヴには改心してもらいたいし、それに未来の先輩として後輩の役に立ちたいって気持ちがね?」
タプリス「あははー、でもそれは未来の話じゃないですかぁ」
ヴィーネ「そうでなくとも今の時点で年上なわけだし」
タプリス「……そもそも年とか関係あります?」
ヴィーネ「年長者は年少者に頼られるものじゃない。天界だと違うのかしら?」
タプリス「それは同じですけど、だから今は関係なくないですか?」
ヴィーネ「か、関係あるわよ。それに年上の人の言うことは聞くべきだし」
タプリス「えっ……なんですかそれ」
ヴィーネ「なんですかって、学校で教わらなかったの?」
タプリス「いえそうでなく。なんか急に上から目線になりましたね」
ヴィーネ「えっ? 別にそんなつもりないけど」
タプリス「つもりがなくても私がそう感じました。正直ちょっと不快です」
ヴィーネ「あ、そう。ごめんなさいね?」
タプリス「……」
ヴィーネ「……」
タプリス「っていうか、実は私のほうが年上かもしれないですよね」
ヴィーネ「えー? それはないんじゃない?」
タプリス「分かりませんか? だって月乃瀬先輩と私は生まれた世界が違うんですよ?」
ヴィーネ「いやー、だからそれを考慮したうえでありえないかなーと」
タプリス「ど、どういう意味ですかぁ~?」
ヴィーネ「うーん? 口に出すのはちょっとかわいそうだな~」
タプリス「あはは、あはははー」ギスギス
ヴィーネ「うふふふふふ」ギスギス
タプリス「もういいです。とにかく今回は私が天真先輩をお風呂に入れるので邪魔しないでください!」
ヴィーネ「なっ、ちょっと勝手に決めないでよ!」
タプリス「勝手じゃありません! これは元から決まっていたことです!」
ヴィーネ「決まってないし! 私がやるって言ってるじゃない!」
タプリス「あーもう! しつこいですねっ」
ヴィーネ「はっ? しつこい!?」
タプリス「超しつこいです! なんでそんなに食い下がるんですか!」
ヴィーネ「え!? そ、そりゃあ…………ガヴを改心させたいし」
タプリス「えー? 本当にそれだけですかぁ?」
ヴィーネ「あ、当たり前じゃない!」
タプリス「はっ!まさか……」
ヴィーネ「な、なによ」
タプリス「改心させたいとか言って、月乃瀬先輩はあわよくば天真先輩と一緒にお風呂入ろうとしてるんじゃないですか?」
ヴィーネ「ふあっ!? そ、そんなわけないじゃない!」
タプリス「うわーやっぱり。ウソ下手すぎです」
ヴィーネ「え、ええー? なに言ってるのかしら、面白いこと言うわね」ダラダラ
タプリス「はぁ。気がついてよかったです、これはもう天真先輩の貞操を守るためにも私がやるしかないですね」
ヴィーネ「だから違うって言ってるのに!」
タプリス「どうですかね~、悪魔の言うことですし」
ヴィーネ「くううう……そ、そっちこそガヴとお風呂入りたいから必死だったんじゃないの!?」
タプリス「えっ」
ヴィーネ(ってそんなわけないか…ダメね私、後輩相手にムキになったりして)
タプリス「……」
ヴィーネ「ん? あれ、どうかした?」
タプリス「そ」
ヴィーネ「えっ?」
タプリス「そっ」
ヴィーネ「……そ?」
タプリス「そそそんなわけないなないないないじゃないですかぁあああああ!!?」バーン!
ヴィーネ「!?」
タプリス「わたしがてっ、てて天真先輩とおおおふお風呂入りたいからだなんてっ」アセアセ
タプリス「ばぶっ、ブぁかなこと、いっ言わないでくださいますかぁああ!?」アセアセ
ヴィーネ「」
タプリス「はあっはあっ」
タプリス「言いがかりですっ、濡れ衣ですっ! 」
タプリス「私は、これっっっっぽっちも! そんなうらやましいことはっ!」
タプリス「……」
タプリス「間違えました!」
ヴィーネ「」
タプリス「やましいことはっ!」
タプリス「かんがえておりまっせんなのです!!」
ヴィーネ「」
タプリス「ふう…」
タプリス(あ、危なかったです。でもどうにかごまかせ)
ヴィーネ「ドへたかーーーーっ!!」スパーン!
タプリス「ぎゃふっ!?」
タプリス「な、なにをするだァーーっ!」
ヴィーネ「ヘタよ! ヘタすぎんのよ!」
タプリス「意味不明です! なにがヘタだというんですかっ!?」
ヴィーネ「なにがじゃないわよ! 全部よ! なにようらやましいって!」
タプリス「うらやましいなんて言ってません! 悪魔の妄想です!」
ヴィーネ「思いっきり言った後で訂正してたから! やっぱり千咲ちゃんもガヴと一緒にお風呂入りたいだけじゃない!」
タプリス「そ、そんな根拠のない主張がまかり通るのは悪魔だけです! 見えすいた悪魔の陰謀に私は屈しませんよっ」
ヴィーネ「悪魔悪魔って、悪魔つければ相手が悪くなると思ってんじゃないわよ!」
タプリス「ふーんだ」
タプリス「あっ、ていうか今『も』って言いましたね!? やっぱり月乃瀬先輩も天真先輩とお風呂入りたいだけじゃないですか!」
ヴィーネ「うえっ!? ち、違うし! 言葉の綾よ!」
タプリス「あーあーボロが出ましたね。それこそヘタな言い訳です! やーいへたっぴ悪魔!」
ヴィーネ「お、おまえぇー…!!」ピキピキ
ヴィーネ「私とガヴは別にいいのよ! 一緒にお風呂に入るくらいなんてことない仲なんだから!」
タプリス「うーわ、なんですかそれ、下級悪魔のくせして天使学校の首席卒である天真先輩と対等なつもりですか?」
ヴィーネ「フン、現にこっちじゃ私がその主席だった天使の世話をしているの。こういう言い方は好きじゃないけど立場的には私の方がむしろ上なのよ!」
タプリス「て、天真先輩だって好きでああなったんじゃありません! そもそもあなたたち悪魔の仕業で……」
ヴィーネ「はあ? さっきも言ってたけどどういう意味よそれ」
タプリス「ううー! 今さらしらばっくれるなんてまさに悪の化身です!」
ヴィーネ「何の話か知らないけど、とにかくガヴの面倒見てるのは私なの! 大体ガヴだっておまえみたいな昔の人物よりかは私にしてもらうほうが良いに決まってるわ」
タプリス「あ、ありえません! 天界での天真先輩と私の絆に比べたらあなたとのそれなど貧弱の極みです!」
ヴィーネ「へーえ? どの程度の絆かしら? 言ってごらんなさいよ」
タプリス「例えるならば……そう! 私との絆がお蕎麦のとろろだとするならば、そちらはせいぜいあまり練ってない納豆の糸です!」
ヴィーネ「そんなこと聞いたんじゃないし! っていうかどんな例えよ!」
タプリス「じゃあ他に何を言えというんですか」
ヴィーネ「もっと具体的なことよ!」
タプリス「具体的ぃ~?」
ヴィーネ「例えば私はそうね、よくガヴと一緒に登下校してるわ」
タプリス「……な、なにぃ!?」
タプリス(信じられません! 天使学校ではこの私ですらほとんど一緒に帰ってもらったことなんてないのに!)
タプリス「な、なかなかやりますね」
ヴィーネ「当然よ。私とガヴの仲だもの」
タプリス「でも私だって負けませんよ」
タプリス「私は天真先輩と……あいあい傘をしたことがありますっ!」
ヴィーネ「なっ!?」
ヴィーネ(相合傘!?)
ヴィーネ(っていえばあれよね、こっ恋人同士がよくやるっていう……雨の日限定のドキドキイベント!)
タプリス「ああ…天真先輩と肩を寄せ合って歩いたあの道。いまでも鮮明に思い出せます」ウットリ
ヴィーネ(この子、純粋そうな顔してなんて積極的なの…!?)
タプリス「どうです? 驚いて声も出ませんか?」
ヴィーネ「くっ、まだよ」
タプリス「へー? 負け惜しみなら聞いてあげますよ」
ヴィーネ「誰が!」
ヴィーネ「私なんてね……この前ガヴと海で一緒に遊んじゃったんだから!」
タプリス「うみっ!?」
タプリス「う、海ってことはまさか天真先輩は……」
ヴィーネ「もちろん水着よ!」
タプリス「ひゃああああっ!!」
ヴィーネ「さらに日焼け止めだって塗ってあげたわ!!」
タプリス「ひょええええっ!?」
ヴィーネ「ガヴのぷにぷにの肌……小さいうなじ……」
タプリス「あわ、あわわわ…」
ヴィーネ「そしてクリームを延ばしたときに微かに漏れた甘い声……うふふふふふ」ウットリ
タプリス「うっううううう! うらやましいうらやましいうらやましいですうぅぅ!!」
ヴィーネ「あーっはっはっは! 格の違いを思い知ったかしら?」
タプリス「わ、私だって、私だってぇ!!」
タプリス(えーとえーと、なにか天真先輩との仲睦まじい出来事は……!)ワタワタ
ヴィーネ「フン、所詮はかつての先輩と後輩ってことね」
タプリス「っ!」
ヴィーネ「授業もお昼も遊ぶのも一緒に過ごしてきた現世の私たちからすれば、おまえとの過去なんて鼻息で飛ばせるくらいのものでしかないのよ」
タプリス「なあーーっ!? わ、私と天真先輩の過去を……なんてこと言いやがるんですかっ!? この鬼っ! 悪魔っ!!」
ヴィーネ「だって私悪魔だもーん」
タプリス「くそう、くそうです! こん畜生ですっ!」
ヴィーネ「文句があるなら私よりガヴと親密になってみたら? ま、無理だと思うけど!」
タプリス「う、うう~~!!!」
タプリス「うわああああああっ!!!」ダッ!
ヴィーネ「あっ、なによ逃げる気!?」
タプリス「うるさい! いまに見てやがれですっ!」
タプリス「すぐにおまえみたいななんちゃってヘタレ悪魔なんかより、天真先輩と仲良しになってやるんだからあああああっ!!」
ガチャッ バタン!
ヴィーネ「な、なんちゃってヘタレ悪魔…!?」ガーン
ヴィーネ「むむむむっっかつくうううう!! なんなのあの天使!? 生意気だし!」
ガチャッ!
ヴィーネ「ってもう戻ってきた!?」
タプリス「ごはんとお風呂どうもでしたっ! バーカバーカ!!」
バタン!!
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「律儀かっ!!」
キーンコーン
ガヴ「あー、もう戻らないといけないのか…」
ラフィ「でもヴィーネさん、機嫌が良いのなら実害はないんですよね」
ガヴ「今のところはね。ただ何かの拍子に発火とかしそうな雰囲気が耐えられないんだよ」
ラフィ「続報を待ってます。何かあったらすぐに連絡くださいね?」
ガヴ「悪いなラフィ。こんな時頼れるのはお前だけなんだ」
ラフィ「いえいえ、天使どうし助け合っていきましょう」
ガヴ「この恩はいつか返すよ。それじゃ」
ラフィ「はい。がんばってください」
ラフィ「……」
ラフィ(あんな困ってるガヴちゃんは初めて見ましたね)
ラフィ(普段はサターニャさんというボケとヴィーネさんというツッコミを横目にでのほほんと立っているガヴちゃんでしたけど)
ラフィ(タプちゃんというニューフェイスが乱入し、さらにヴィーネさんが壊れることにより、一気に安寧が崩れてしまったのですね)
ラフィ「これはなんとも……」
ラフィ(面 白 く な っ て き ま し た)プークスクス
ちょっと土日に人生かかった試験あるんで次は月曜以降に更新しやす…
昼休み
ガヴ(よし、またラフィのところへ行こう)
ヴィーネ「ガーヴ。一緒に食べましょ」ニッコニコ
ガヴ(げっ)
ガヴ「えーっと……ヴィーネはお弁当?」
ヴィーネ「うん」
ガヴ「あちゃー、私今日はちょっと学食行こうと思ってて(棒)」
ヴィーネ「購買じゃダメなの?」
ガヴ「いやぁ最近野菜とか不足気味でさ、バランス良い食事にしようかと」
ヴィーネ「へぇ、それはいい心がけね」
ガヴ「だろ? そういうわけで今日は」
ヴィーネ「じゃあ私のお弁当半分あげるわ! 野菜も果物も豊富に入ってるわよ」
ガヴ「え? いやいいよ足りなくなるだろ」
ヴィーネ「遠慮しないで。いっぱいあるから」ドーン
ガヴ(重箱…だと…?)
ガヴ「な、なんでこんな作ってきちゃったんだよ」
ヴィーネ「こんなこともあろうかと♪」
ガヴ(予想済み!? 心の声にもツッコミ入れるし、実はヴィーネって未来予知とかできるんじゃないか?)
ヴィーネ「私のお弁当じゃダメかな…?」シュン
ガヴ「ええーいやいやそういうんじゃないよ、ヴィーネの料理はうまいし」
ヴィーネ「ほんとに!?」パァ
ガヴ(感情の起伏が激しい!)
ヴィーネ「毎日食べたいくらい!?」
ガヴ「やめろやめろ! 暴走すんな」
ヴィーネ「素直じゃないなあ」
ガヴ(ほんとなんなんだ今日のヴィーネは…いろいろ心臓に悪い)
ヴィーネ「はいガヴ、あーん」
ガヴ「ちょっ、自分で食えるから!!」
サターニャ「……え、なにこれ」
ガヴ「見ての通りだよ」
サターニャ「見て分かんないから言ったんだけど。なんでアンタたちくっついて座ってるのよ」
ヴィーネ「なあに? いつもこんな感じじゃない」ニコニコ
サターニャ「きもちわるっ! なになにガヴリール、ヴィネットとなんかあったわけ?」
ガヴ「知らん。むしろそれは私が聞きたい」
サターニャ「ふーん。まあいいけど」ドサッ
ガヴ「サターニャ、今日はメロンパン取られなかったんだな」
サターニャ「フッ、あたり前でしょ。そう毎日毎日犬っころに取られてたまるもんですかって…」
ラフィ「ふうーーっ」←耳に息
サターニャ「にょえええええっ!!?」ゾワッ
サターニャ「はあっはあっ…なによ今の!?」
ガヴリール(ラフィ! よかった、こっち来てくれたか)
ラフィ「こんにちは~」
サターニャ「ってぇやっぱりラフィエル! なんてことすんのよ、メロンパン落としちゃうところだったじゃない!」
ラフィ「ガヴちゃん大丈夫ですか?」ヒソヒソ
サターニャ「しかも無視っ!?」
ガヴ「あー、まだギリ大丈夫」ヒソヒソ
ラフィ「……それは本当ですか?」
ガヴ「え?」
ラフィ「だっ、だって、おとなり…」プッ
ヴィーネ「はいガヴ、ミニトマトよ。口あけて♪」
ガヴ「!? あーもう! 自分で食べるって言ってるだろ!」
ヴィーネ「ごっごめんね? いやだった…?」ウル
ガヴ「ちがっ、だから別にそういうんじゃ」
ラフィ「……! ……!!」プルプル
ガヴ「おい、笑いこらえてないで助けてくれよ!」ヒソヒソ
ラフィ「すみっ…すみませっ…! いま助けます……!」プルプルプル
ラフィ「はふー……あのヴィーネさん」
ヴィーネ「なに?」
ラフィ「ガヴちゃん食べにくそうですから、少し離れてあげてはいかがですか?」
ヴィーネ「えっ、そうなのガヴ?」
ガヴ「まあゼロ距離だと腕とか当たるし。それ以前に私は自力で食べたい」
ヴィーネ「そ、そっか、近かったかな。ごめんね気づかなくて」
サターニャ「私最初に指摘したじゃない…」
ガヴ(グッジョブだラフィ!)グッ
ラフィ(いえいえ)グッ
ラフィ(せっかくなので、もうひとつ)パチン
ガヴ(ん…? なんのウインクだ?)
ラフィ「サターニャさん、私たちは学食に行きませんか?」
ガヴ「え」
サターニャ「へ? なんでよ」
ラフィ「私、サターニャさんと学食に行きたいんです」
サターニャ「やだ! どうせまたなんか企んでるんでしょ!」
ガヴ(おいラフィなんのつもりだ? そんなことしたら私がヴィーネと二人になるだろ)
サターニャ「大体アンタこれが見えないの? メロンパン! 私のお昼はコレってもう決まってるの」
ラフィ「そうですか~。では仕方ないですね」ピーッ
サターニャ「そ。だから諦め…なによ今の指笛は」
ラフィ「サターニャさん、ちょっと」クイクイ
サターニャ「?」
ラフィ「ふうーーっ」←再び耳に息
サターニャ「にゃひいいいいいっ!?」ポロッ
ガヴ「あ、落っこちた」
サターニャ「や、やめなさいよそれぇ! ゾクっとすんのよ!」
ラフィ「ゾクっと……つまり興奮!? サターニャさんは変態さんなんですね!」
サターニャ「はあ…? ああもー、結局落っことしちゃったじゃない、私のメロンパ」
< ワンワン!
サターニャ「ンッ!?」ビクッ
ガヴ「この犬の鳴き声は……」
犬「ワンッ!」ヒョイッ
サターニャ「あああああっ! ちょ、犬っ!!」
サターニャ「どこから湧いたのよ!? 待ちなさーーい!!」ダッ
ラフィ「うふふふふ」
ガヴ「……」
ラフィ「あらあらー行ってしまいましたね」
ガヴ「……で、ラフィエルさんや?」
ラフィ「デモドウシテコンナトコロニイヌガー」
ガヴ「おま」
ラフィ「ガヴちゃん」
ラフィ(二人っきりにしてあげますねっ)グッ
ガヴ「なにそのいい顔!?」
ガヴ(いやまて落ち着けガヴリール。ラフィは秀才、何か考えがあるのかもしれない)
ラフィ「マッテクダサイーサターニャサーン」ピュー
ガヴ「……」
ヴィーネ「ガヴ? 全然食べてないけど…もしかして美味しくない?」
ガヴ「ぶっ!? おいしくなくない! おいしいおいしい!」
ヴィーネ「そっか、よかった!」ニコ
ガヴ「あっははははー」
ガヴ(なにやってんだラフィーーッ!!!)
放課後
ガヴ(よし! ようやく終わりだ)
ガヴ(ここはとりあえずヴィーネに声をかけられる前にダッシュで帰る!)ダッ
ヴィーネ「ガヴー……あ、あれ?」
ガヴ(振り返るな、今は前だけを見るんだ)タタタ
サターニャ「ん?」
サターニャ(ガヴリール? なんか急いでるわね)
サターニャ(そうだわ、邪魔してやろうじゃない!)キラン
ガヴ「!」
サターニャ「おおーっとガヴリール! ここを通りたくば」
ガヴ「あ、野良ラフィエルだ」
サターニャ「なんですって!?」クルッ
ガヴ「あばよ」スタタタ
サターニャ「なあーっ!? この、ウソついたわねー!!」
ガヴ(完全に私の邪魔しにきてたな。サターニャがバカで助かった)タタタ
ラフィエル「あら?」
ガヴ「って、わりと近くにいたよ!」
ラフィ「ガヴちゃん。どうしたんですかそんなに慌てて」
ガヴ「ラフィお前なぁ! 昼のアレはなんのつもりだ!」
ラフィ「ああー、うふふ。落ち着いて二人きりで話し合えたほうが良いかと思いまして」
ガヴ(絶対違う。面白そうだからって顔にまんべんなく書いてある)
ガヴ「おかげで様子のおかしいヴィーネを延々と褒めたり宥めたりの繰り返し…」
ガヴ「って、あーくそっ、こうしてる場合じゃなかった。お前覚えてろよ」ダッ
ラフィ「待ってください」ガシッ
ガヴ「な、なんだよ放せよ。いま急いでるんだ」
ラフィ「まあまあ、そんなに生き急いでも幸せにはなれませんよ」
ガヴ「そんな単位で急いどらんわ!」
ラフィ「ダメですよガヴちゃん、天使の基本はスマイルですよ? ほら、すまーーいる」ニコ
ガヴ「お前のせいで私のスマイルは絶賛高騰中だよ! いいから放してくれまじで!」
ラフィ「あれれ? 放したいんですけど急に錐体外路症状が…」
ガヴ「無理がありすぎるだろ! 早くしないとーー」
ヴィーネ「いた! もう、なんで先帰るのよ」
ガヴ(あ、オワタ)ティウンティウン
ラフィ「ヴィーネさん、ガヴちゃんを探していたんですか?」
ヴィーネ「探すっていうか、ガヴが走って出て行っちゃうんだもん」
ラフィ「あらあらー」
ヴィーネ「どうして先に行っちゃったのよ」
ガヴ「いや…」
ヴィーネ「もしかしてガヴ、私のこと嫌いになったの…?」
ガヴ「ははは、まさかそんな」
ヴィーネ「ねぇ、嫌いになったの? そうなの……?」スゥ
ガヴ「だあもう違うってば!!」
ヴィーネ「そ、そうよね。よかった」ホッ
ガヴ(最初は涙目とかだったのに…なんで今や目のハイライト消えるようになってんだよ! 怖いわ!)
ラフィ「……!! ……!!」バンバン
ガヴ(お前は笑ってんじゃねええええ!!)
ラフィ「はあ、はあ……おなかいたいです~」
ガヴ(ラフィエル泣かす、後で絶対泣かす)
ヴィーネ「まあいいわ。ガヴ、一緒に帰ろ?」
ガヴ(もはや私に味方はいないのか……)
ラフィ「待ってくださいヴィーネさん」
ヴィーネ「なに?」
ラフィ「実はですね」
ラフィ「私、ガヴちゃんと約束してたんです。今日一緒に帰るって」
ガヴ「!」
ヴィーネ「えっ? そうなの?」
ラフィ「はい。天界に関わる用事があって、ちょっと急ぎで向かわなければいけないもので」
ラフィ「それでガヴちゃんはこちらまで駆けてきてくれたんだと思います」
ヴィーネ「そうだったの? ごめんガヴ、そう言ってくれれば引き止めなかったんだけど…」
ガヴ「えっ? ま、まあ、いいよ別に」
ラフィ「そういうわけですから、私たちはお先に失礼しますね」
ヴィーネ「うん……また明日」
ラフィ「はい」
ガヴ「……」
ラフィ「こんな感じでよかったですか?」
ガヴ「……助かったよ」
ラフィ「いえいえー」
日が開いてしまい申し訳ない。おかげで無事受かりそうです
また明日来るけどちょっと展開二通りで悩んでるので少なめかも
ガヴ「結局ラフィは私の味方してくれるの?」
ラフィ「なに言ってるんですか! 私はいつだって味方ですよ」
ラフィ(エンターテインメントの)
ガヴ「そっか……悪かった、文句言って」
ラフィ「いえいえ」
ラフィ「あ、お詫びついでにっていうわけじゃないですけど、ひとつお願いしてもいいですか?」
ガヴ「ん?」
ラフィ「今から本当にお出かけしていただけないでしょうか」
ガヴ「はあ。なんでまた」
ラフィ「下界にきてからというもの、天使どうしでっていうことがあまりないように思うんです」
ラフィ「たまには天使と天使がなかよくショッピング♪ なんていうのもあったほうが私としては嬉しいんですけど…」
ガヴ(天使どうしで…か。確かにラフィと二人でってのはあんまりない気がする)
ガヴ(ぶっちゃけ早く帰ってネトゲしたいけどラフィのおかげで助かったのもあるし、少しくらい付き合ってもいいか)
ガヴ「分かったよ。行こう」
ラフィ「わあ! そう言ってもらえてよかったです」
ガヴ「少しだけだぞ。ちなみにどこ行くかは決めてあるの?」
ラフィ「はいっ! それはですねーーー」
駅
ラフィ「到着~~! ここです!」バーン
ガヴ「ほー」ドーン
タプリス「ご、ゴージャスですっ!」デーン
ラフィ「最近整備が終わったんですよね」
ガヴ「そういや前から工事してたっけか」
タプリス「都会ですぅ~」
ラフィ「人も多くて活気がありますね」
ガヴ「景気よさそうだな」
ガヴ「で……」
タプリス「未来ですぅ~!」
ガヴ「なんでタプリスがいるんだよ」
タプリス「なんでってそれは…」
ラフィ「あら! タプちゃんどうしてここに?」
タプリス「えっ? だって白羽先輩がここに来たら天真先輩に会えむぐう」
ラフィ「なるほど偶然ですか~」
ガヴ「お前が呼んだのかよ」
ラフィ「きっとこれも神様が定められた運命なのですね。ね? タプちゃん?」
タプリス「もご! もごもご!」コクコク
ラフィ「ほらタプちゃんもそのように言っていますよ」
ガヴ「ラフィ、お前が神なのは分かったから息させてやれ」
タプリス「ぷはあっ! はあっ、な、なんですか!?」
ガヴ「お前ほんとなにがしたいんだよ」ヒソヒソ
ラフィ「なんのことですか?」
ガヴ「……やっぱいい」
タプリス「先輩がた、どうかしましたか?」
ラフィ「なんでもないですよ。あっ! そういえば」
ガヴ「なんだ?」
ラフィ「私、やんごとなき用事を思い出してしまいました。というわけですみませんがこれにて失礼します」
ガヴ「はっ?」
ラフィ「ガヴちゃん、タプちゃんのこと頼みますね~~」スタスタ
ガヴ「いや、なんだよ用事って!? おいラフィ!」
ガヴ(……また二人にされた)
タプリス「行ってしまいましたね…白羽先輩」
ガヴ(まあでもタプリスにヴィーネとのことを聞くチャンスか。タプリスはヴィーネと違って普通っぽいし)
タプリス「ふ、ふふふ二人きりですねっ! 天真しぇんぱいっ!」カチコチ
ガヴ(普通じゃなかった!)
タプリス「そっそれでは仕方がないので二人で行きましょう天真先輩」
ガヴ「え、どこに?」
タプリス「そうですね、天真先輩はどこか行きたいところありますか?」
ガヴ「……」
ガヴ「家だな」
タプリス「ちょっ! いきなり帰ろうとしないでください!」
ガヴ「だって私はラフィに誘われただけだし。タプリスもいま 仕方ないので って言ったじゃん」
タプリス「い、言ってません!」
ガヴ「いや言ったよ思いっきり」
タプリス「仮に言ってたとしてもそういう仕方なくじゃありません! 天真先輩は私とお買い物じゃイヤなんですか!?」
ガヴ「……さあ」
タプリス「否定してくれないっ!?」ガーン!
タプリス(ううう…せっかく白羽先輩の計らいで二人きりにしてもらったのに、最初から難航状態です)グスグス
ガヴ(……まあ今のヴィーネよりはマシか)
ガヴ「ほら、置いてくぞタプリス」
タプリス「えっ? いいんですか?」
ガヴ「ちょうどアクセサリーとかが気になってたからな」
タプリス「先輩…!!」パァ
ガヴ「なんだよ行かないのか?」
タプリス「行きます! もちろん行きます!」
ガヴ「ん」
タプリス「先輩となら私、地上の果てまでだって行きます!!」
ガヴ「それは一人で行ってこい!」
短くてすません
みんな色々な組み合わせ希望があってびびる…
この話はあんまゆりゆりしないので
このレスの後から一番リクエスト多かったカプで次回もうちょいゆりゆりするの書きたいと思います
テクテク
ガヴ「どこもめちゃくちゃ綺麗に改装されてるな」
タプリス「前はどんなだったんですか?」
ガヴ「……」
ガヴ「基本家から出ないし全然覚えてないけど、とりあえずこんな明るくはなかった」
タプリス「そうですか…」
ガヴ「タプリスはどこか行きたい店あるのか?」
タプリス「あります! ですが、先に先輩の行きたいお店に入りましょう」
ガヴ「そっか」
タプリス「それにしても意外です。先輩アクセサリーに興味があるなんて」
ガヴ「まあ、少しでも整ってたほうがいいしな」
タプリス(年中引きこもりと聞く先輩がオシャレに気を配るとは……これは改心の第一歩かもしれません!)
ガヴ「えーっと。あー、あそこなんかよさそうじゃね」
タプリス「! どこですか?」
ガヴ「ほらそこ」
タプリス「なるほど、ここですか!」
タプリス(なんとなくですが、いまどきのジョシコーセーって感じのお店ですね。 かわいいお洋服がいっぱいです)
ガヴ「いや、こっちだよ」ウィーン
タプリス「はい?」
シャッセーイ
タプリス「…………」
ガヴ「おっ、通販で見たやつに似てる! やっぱここでよさそうだな」
タプリス「あの天真先輩、ここは?」
ガヴ「ん? なんだよ」
タプリス「なんだか見たことない部品? ロープ? がそこかしこにあるんですが」
ガヴ「パーツとかケーブルだろ。使う人は使うんだよ」
タプリス「はあ……」
ガヴ「これなんかよさそうだな。でも私にセッティングできるかどうか」ブツブツ
タプリス(別の目的のものでしょうか)
ガヴ「タプリスー、ちょいお店の人呼んで来てくんね?」
タプリス「あ、はい! ただいま!」スタタ
ガヴ(…案外タプリスのやつは使えるな)
ウィーン
ガヴ「よし、ネットよりだいぶ安く買えた」
タプリス「よかったですね」
ガヴ「じゃ、次行くか」
タプリス「はい!」
ガヴ「タプリスはどの店行くの?」
タプリス「えーっと、こすめ?のお店ですかね」
ガヴ「へえ。じゃ案内板でも見てみるか」
タプリス「いえ! まずは天真先輩のほうを優先しましょう」
ガヴ「ん? 私はもう今ので済んだけど」
タプリス「あれ? 先輩最初にアクセサリーを見るって言ってましたよね?」
ガヴ「だからいま買ったじゃん」
タプリス「へ?」
ガヴ「ほら、冷却ボードと無線マウス」ガサ
タプリス「…はい?」
タプリス(……私の知ってるアクセサリーと違うほうだったなんて)ズーン
タプリス(そうですよね、日がな上下ジャージの先輩がオシャレなんてしませんよね)トボトボ
ガヴ「コスメの店って要はドラッグストア的なとこだろ?」
タプリス「どらっぐ? すみません、下界の言葉はまだ知らないものが多くて」
ガヴ「何が欲しいんだ?」
タプリス「アレです、粉の……」
タプリス(あれ? ど忘れしました! お風呂の、えーっと)
ガヴ「粉? 洗剤かなんか?」
タプリス「いえ、天真先輩知りませんか?」
タプリス「使うとこう……すーっと……魔法みたいに気持ちよくなる……」
ガヴ「なんだそりゃ」
ガヴ(ん? まてよ、使うと魔法みたいに気持ちよくなる……粉…!?)ゾッ
タプリス「なんでしたっけ。本当にすごいんですよ、一発で疲れも何もかも消えて無くなっちゃうような感じで」
ガヴ(間違いない……その魔法の粉は……)
タプリス「あっ思い出しました、にゅう」
ガヴ「タプリス!! それは絶対ダメだ!」ガッ
タプリス「ぐえっ」
ガヴ「いつだ!? いつ使ったんだよ!! 何回目だ!?」グラグラ
タプリス「いたいいたい! 痛いです天真先輩っ! 昨日、まだ一回ですぐえぇ」
ガヴ「一回でもダメなんだよ! 絶対ダメだ! ダメ絶対なんだ!!」
タプリス「げほげほっ、なんでですかぁ~あんな気持ちいいのに」
ガヴ「バカ! それが罠なんだよ……そうやってみんな堕ちていくんだって…」
タプリス「そ、そんなに危険なものなんですか?」
ガヴ「ああ。その快楽によって溺れたら最後、もうそれなしには生きられなくなっちゃうらしい」
タプリス「ええっ!? あ、でも確かにあまりの気持ちよさに溺れかけました……溺れたらアウトだったんですね」
ガヴ(くそっどうなってるんだよ。ほとんど人間界にいないタプリスがどうして…)
ガヴ(仮にも後輩のそんな姿は見たくないし、知らぬフリはいくら私でもさすがに無理だぞ)
ガヴ「なあタプリス、一回使ったって言ったけどどうしたんだ? 誰かから勧められたのか?」
タプリス「それはあの悪…」
タプリス「っ! い、言えません!」
ガヴ「ちょっ、何でだよ!?」
ガヴ(闇取引だから言えないのか!? 悪ってなんだよ、悪の組織!?)
タプリス(今日は天真先輩には私と親密になってもらうんです! 絶対にあの悪魔の話題なんか出しませんっ!)
ガヴ「大事なことなんだよ! 名前は分かるのか?」
タプリス「え、ええー? さあー知りませんよー?」ピュ~
ガヴ(知ってるんだな…)
ガヴ「ま、まさか私の知ってるやつだったりしないよな?」
タプリス「ぎくっ!」
ガヴ「えっ!!?」
タプリス「……」
タプリス「まっままままさかぁーーそんなわけ」
ガヴ「はああああ!? ちょっ、誰!? 誰だよそいつ!?」グラグラグラ
タプリス「えうえうえうえう」
タプリス「げふっげふっ! く、苦しいです~」
ガヴ「お前のためなんだよ! 頼む、教えてくれ」
タプリス「うう、そこまで言われると…」
ガヴ(私が知ってるやつとなると学校か?)
ガヴ(いや、タプリスと関係があるなら天界の関係者のほうが可能性は高いか。 けどラフィ以外に天使の知り合いなんて近くにいないし)
タプリス「……月乃瀬先輩です」
ガヴ「ん? 誰だそれ」
ガヴ(そんなのいたっけ?)
ガヴ(つきのせ……月乃瀬………え?)
タプリス「ですからほら、あの悪魔の…」
ガヴ「え? え?」
ガヴ「ええええええええっ!!?」
ガヴ「月乃瀬って……ヴィーネのこと!?」
タプリス「はい」
ガヴ「いや、ははは…何かの間違いだろ? そんなもの勧めただなんて」
タプリス「いえ、昨日私が使ったことないと言ったらぜひ一緒にと」
ガヴ「まじかよ…よりによってヴィーネって」
ガヴ(そんなの一番考えられなかった。今まで特別悩んでる風でもなかったし今日も別に様子は…)
ガヴ(まて、そういえば今日一日おかしかったな。朝はタプリスとめちゃくちゃ言い合ってたし)
ガヴ(まさか昨日……)
ヴィーネ『ほらこれが魔法の粉よ。吸ってみなさい』
タプリス『ありがとうございます。すうーーー……!!』
タプリス『あへ……なんれすかこれ……きもちいいでふぅ』トロン
ヴィーネ『でしょ? 私もすうーーー……んんっ』
ヴィーネ『えへへぇーー』トロン
タプリス『うへへへぇーー』
タプリス『せんぱぁいもう一回~』
ヴィーネ『ダメよぉ、きちょうなものなんだから』
タプリス『いーじゃないれすかぁちょっとくらい!』
ヴィーネ「ダメだってば、わきまえなさぁい!』
タプリス『いいからよこせぇえ!!』
ヴィーネ『うるせぇー!! 帰れ帰れぇ!!』
ガヴ(……的なことがあって今の状態になったんじゃあ)
ガヴ(それで初回のタプリスはまだ大丈夫でも、常習のヴィーネは脳に影響が出始めて今日は様子がおかしくなっていたと……くそ、なんで妙に辻褄が合うんだよ)
ガヴ(っ! ならヴィーネは今も!?)
ガヴ「ヴィーネ…!」プルルル
タプリス「え? 先輩?」
ガヴ「ああもう、なんで出ないんだよ!」
ガヴ(どうする? もしや出ないってことはまたヴィーネは…)
ガヴ(うわああ! そんなの考えたくない!!)
タプリス「あのぅ、天真先輩?」
ガヴ(今ならまだ……)
ガヴ「タプリス、今からヴィーネのとこ行くぞ」
タプリス「へっ? だ、ダメです! 今は私と」
ガヴ「急ぐんだよ! 手遅れになる前に!」
タプリス「ええっ、じゃあせめてどらっぐすとあだけでも…」
ガヴ「そんなとこに売ってないから! いいから来い!!」グイ
タプリス「天真先輩!? ま、待ってください~!」
また明日
そろそろオチを考えるぞい
サタグラサンとガヴガヴは新しすぎるわw
チャプ
ヴィーネ「ふう」
ヴィーネ(これで少しは落ちついたかしら)
ヴィーネ「……」
ヴィーネ『素直じゃないなあ』
ヴィーネ『はいガヴ、あーん』
ヴィーネ「い」
ヴィーネ「いやああああぁああ!!」ドボン!
ヴィーネ(やっぱりまだ…いやああああああっ!)
ヴィーネ(あーーんもう! なんであんなことしたのよぉ!!)ブクブクブク
ヴィーネ(昨日のこと引きずって、変に対抗心燃やして)
ヴィーネ(今日はできる限りガヴに優しくしようって…)
ヴィーネ「ぷはっ」
ヴィーネ(それはいいけど、ガヴのことばかり考えてたらいつの間にか自分すら見失って)
ヴィーネ(あんな恥ずかしいことを平気で……うわああぁほんと何やってるのよ私!!)バシャバシャ
ヴィーネ(途中なんてもはやストーカーの域だった気がするわね。ガヴに嫌われてたらどうしよう)
ヴィーネ「はぁ…」
ピンポーン
ヴィーネ(明日ガヴにちゃんと謝らなきゃ)
ヴィーネ(それに千咲ちゃんにも…だいぶ言いすぎたし)
ピンポンピンポーン
ヴィーネ(ん? もしかしてうちのインターホンかしら?)
ピンポンピンポンピンポーン
ガヴ「はあっはあっ……くそっ出てこない」
タプリス「て、天真先輩ぃ…どうしたんですか? なんで、全力疾走なんて」
タプリス(でも、先輩に手を握られちゃいました! うっひょーーです!)
ガヴ「話はヴィーネを止めてからだ! このカギさえ開けられれば…」ガチャガチャ
ガヴ「タプリス、お前ピッキング得意か!?」
タプリス「はい!? ぴ、ぴっきんぐ? ですか?」
ガヴ(ダメだ知らないやつだ!)
ガヴ(こんなことなら合鍵作っとくべきだった。他に方法は……)
ガヴ(そうだ、神足通!!)
ガヴ(けど私に使えるか? またパンツだけ飛んでく可能性もあるし)
ガヴ(そもそも使えるなら最初から使えばよかった話で、完全に時間と体力をロスしたことに…)
ガヴ(ってそんなこと気にしてる場合じゃない! とにかくやってみるんだ!)
リィィィン
タプリス「えっ? ここで天使の力を使うんですか? 誰かに見られたら…」
ガヴ「バレなきゃセーフ! バレても止む無しだ!」スゥゥ
タプリス「ええっ!?」
ガヴ(頼む……私を、ヴィーネのところへ!!)
カッ!
ヴィーネ「……」
ヴィーネ(止んだみたいね)
ヴィーネ(集金はこの前来たし、となると宅配? 特に注文とかした記憶は無いけど)
ヴィーネ(ま、それなら不在票が入ってるだろうし。もう少しお湯に浸かってゆっくりしてようっと)
ヴィーネ「ふんふーん♪」チャプ
ヴィーネ(気持ちいい。こんなに極楽なのにどうしてガヴは面倒なんて言うのかしら)
ヴィーネ(昨日の話、本当に試してみる価値はあるかもね。ガヴを入浴剤のお風呂に入れて)
ヴィーネ(そのまま一緒に……なんてね)
ヴィーネ(ありえないありえない。そんなこと今の私にはとても)
カッ!
ヴィーネ「へっ?」
ドボーン!!
ヴィーネ「ちょっ、なに…?」
ガヴ「ぶはっ!!」
ヴィーネ「きゃあああああああっ!?!?!?」
ガヴ(ヴィーネ! ってことは成功か!)
ヴィーネ「がっがががガヴ!? え? えええっ!?」
ガヴ「ん? けど風呂? なんでこんなとこに」チャプ
ヴィーネ「それはこっちの台詞だから!! なんでガヴが急に…」
ガヴ「そうだ! まだ大丈夫なのか!? 幻覚とか見てないか!?」
ヴィーネ「全力で今幻覚を見てる気分よ!!」
ガヴ(っ!! まさか手遅れ……!?)
ヴィーネ「と、とにかく状況を」
ガヴ「うわあぁヴィーネーーっ!!」ギュウウ
ヴィーネ「ひやあああああっ!? が、ガヴ!? どうしたのよ!?」
ガヴ「うう、ヴィーネ…」ギュウ
ヴィーネ「なになに? 本当にどうしたの?」ドキドキ
ガヴ「……また使っちゃったの?」
ヴィーネ「使った?」
ガヴ「粉……例の気分がよくなる」
ヴィーネ(え? あ、ひょっとして入浴剤?)
ヴィーネ「うん、使ったわよ。というか今まさに浸かってるんだけど」
ガヴ「っ、なんでだよ! なんでそんなものを!」
ヴィーネ「な、なんでって言われても。浸かってると心も体も温まって楽になるし、すごく気持ちいいし」
ガヴ「……やめるつもりはないの?」
ヴィーネ「ええっ? うーん、今じゃ習慣になってるから、ないとちょっと辛いかも?」
ガヴ(やっぱり…もう依存しかけてるのか)
ヴィーネ「えっと、ガヴも興味があるの?」
ガヴ「ない! 断じてない! 絶対にない!」
ヴィーネ「あ、そうなんだ…」ガーン
ヴィーネ(そこまで否定する? 過去に何かあったのかしら)
ヴィーネ(っていうかなんでガヴはずっと抱きついてきてるの!? 私裸なのに……う、嬉しいけど)
ガヴ「……」ギュウウ
ヴィーネ(でもやっぱり恥ずかしい…)
ガヴ「私のせい…なのか?」
ヴィーネ「へっ?」
ガヴ「私がヴィーネに迷惑ばっかりかけてるせいで、ストレスがどんどんかかって」
ガヴ「それでとうとう抱えきれなくなって……手を出しちゃったのか…?」
ヴィーネ「え? ええっ?」
ヴィーネ(確かに入浴剤使うとストレスとかも軽くなるけど…)
ヴィーネ「べ、別にストレスの全部がガヴのってことは無いわよ? 私が好きでやってるところもあるんだし」
ガヴ「ヴィーネはいいやつだから…そう思ってやってくれてても、無意識に負荷がかかってたんだよ」
ガヴ「なのに私がお構いなしにだらけまくってるから。私がヴィーネを闇に染めちゃったんだ」
ヴィーネ(闇!? 入浴剤ってそんないけないものだったの? 用量制限は特に記載がなかったと思うけど)
ガヴ「ヴィーネ…私がもうやめてって言ったらやめてくれるの?」
ヴィーネ「ど、どうして?」
ガヴ「やめてくれないのか…」
ヴィーネ「いや、やめるやめないはともかく理由を教えてよ。そんなに嫌いなの?」
ガヴ「……」
ガヴ「……好きだから」
ヴィーネ「へ?」
ヴィーネ「どういうこと? 好きなら別に使ってもいいじゃない」
ガヴ「ちがう、そっちは嫌いだ!」
ヴィーネ「はあ? ちょっとガヴ意味が」
ガヴ「好きなのはヴィーネだ!」
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「んっ!?」ボッ
ヴィーネ(え? なに? 聞き間違い?)
ガヴ「私は…ヴィーネが好きだ」
ヴィーネ「んんっ!?」ボボッ
ヴィーネ「が、ガヴ!? どうしたのいきなり」
ガヴ「ヴィーネは優しい……悪魔なのに優しいし、困ってる人がいたら助けてあげるし」
ガヴ「学校でも真面目で授業もちゃんと受けるし、宿題も忘れずにやるし」
ヴィーネ「え、ええー……?」
ガヴ「私が遅刻しないように朝は起こしに来るし、宿題は見せてくれないけど教えてくれるし」
ガヴ「たまにご飯作ってくれるし、栄養考えてるし、おいしいし」
ヴィーネ「ちょ、やめてよガヴ、褒めすぎよ」
ガヴ「ぶっちゃけ世話焼きすぎだし、ゲーム取り上げるし」
ヴィーネ「だからやめ……ん?」
ガヴ「徹夜明けで眠いのに無理やり起こすし!」
ヴィーネ「それはおまえが悪いわ!!」
ガヴ「けどそういうとこも全部含めて…私は今のヴィーネが大好きなんだ!」
ヴィーネ「っ!!?」カァァ
ヴィーネ「え、あ、えと」
ガヴ「ヴィーネ、好きだ……大好きだぁ!!」ギュウウ
ヴィーネ「~~!?!?」ボンッ
ヴィーネ「が、がががガヴ!? あの、そのっ…」グルグル
ヴィーネ(ど、どうなってるの!? えっ、これっ、ガヴから!? まさかの告白!?)
ガヴ「ヴィーネぇ…」ギュウゥ
ヴィーネ「え、えっとね!? ああああのあのね? 実はねガヴ、私も」
ガヴ「うぅ……ぐすっ」
ヴィーネ「…え?」
ガヴ「お願いだ…変わらないでくれよ…」
ヴィーネ(ガヴ、もしかして泣いてるの?)
ガヴ「今の…ひぐっ…ヴィーネがいい……今のままがいい」
ガヴ「変わっちゃうなんていやだ……! 今のヴィーネが好きなんだぁ!」
ヴィーネ「ガヴ…」
また明日ですだす
ガヴ「……」グス
ヴィーネ「えっと……あのね、ガヴがどうしてそんなに慌ててるのかは全く分からないんだけど」
ヴィーネ「確かに私はガヴに規則正しい生活ができるようになってほしいし、反対に私はもっと悪魔らしく過ごせるように変わりたいとも思ってる」
ヴィーネ「でも今の暮らしだって嫌いじゃないの。むしろすごく楽しいし、好きなほう」
ヴィーネ「ガヴはちょっとだらしないけど…そんな今のガヴだって好きなのよ」
ガウ「……」
ヴィーネ「お互い変わるべきところはある。けどそんなに急ぐことは無いんじゃないかしら」
ヴィーネ「だから…」
ヴィーネ「つ、つまりね? 私はすぐに変わったりはしないから、ガヴもこのまま好きでいてくれないかな……なんて」
ヴィーネ(うわぁ、何言ってるんだろう私…)
ヴィーネ(でも最初はガヴのほうからだったんだし、そんなに変なことは言ってないわよね?)
ガヴ「ヴィーネ」
ヴィーネ「は、はい!」
ガヴ「ごめん……なんの話?」
ヴィーネ「へ?」
ガヴ「いや、変わるとか変わらないとか」
ヴィーネ「えっ? 私もよく分からなかったんだけど、ガヴが変わってほしくないって言うから…」
ガヴ「それは言ったけどさ」
ガウ「とりあえず私はヴィーネに今すぐ足を洗ってほしいってことなんだよ」
ヴィーネ「はあっ!? な、なんでよ! ていうかもう洗ったわよ!」
ガヴ「えっ? そうなの?」
ヴィーネ(足って……ウソ、お湯の中なのににおいが!? 自分で気づかないだけ!?)
ガヴ「…ならいいんだけど」
ヴィーネ「あ、洗ってないと思ったの?」
ガヴ「えっ?」
ガヴ「いやまあ……ヴィーネがそう言うなら信じるよ」
ヴィーネ(信じてなさそう!)
ヴィーネ「待って待ってガヴ、私そんなににおう!?」
ガヴ「に、におう?」
ヴィーネ「私の足! うう、ちゃんと毎日洗ってるのにぃ」
ガヴ「はっ? 私に足のにおい嗅げってこと?」
ヴィーネ「ちがっ、そうじゃなくて!」
ガヴ「……ヴィーネって変態?」
ヴィーネ「ちがうってばあああ!!」
ガヴ「どうしたんだよ」
ヴィーネ「だってガヴ、洗ったって言っても信じてなさそうだし…」
ガヴ「信じてるよ。でもそういうのって何度もやってると簡単にはやめられないって聞くし」
ヴィーネ「何度もって、そんなこと一回もないわよ!」
ガヴ「ちょっ、そこから否定するのか。タプリスから聞いたぞ?」
ヴィーネ「はああっ!? あ、あの子……!」
ヴィーネ(話を捏造して私の株を落としにかかったのね!? なんて陰湿な!)
ガヴ「いいんだヴィーネ、私とヴィーネの仲だろ?」
ヴィーネ「いやいや、あのねガヴ」
ガヴ「お前がもうしないってんなら警察に突き出したりしないよ」
ヴィーネ「警察沙汰!? そこまで悪いこと!?」
ガヴ「自覚なしか…まあでも無理もない」
ヴィーネ「ち、違うのにぃ」
ガヴ(天界でも危険さは習ったし、なにより動画で実物を見てしまった私だからこそヤバさが分かる)
ガヴ(一方でヴィーネはそういう情報に触れてこなかったんだろうな。タプリスもまだ教わってないのかもしれん)
ガヴ「でもよかった、これでヴィーネは今のままでいてくれるんだな」
ヴィーネ「……結局それどういう意味なのよ」
ガヴ「残りの粉はどこにあるの?」
ヴィーネ「残り? ストックなら洗面台の下の棚にあるけど」
ガヴ「よし。私がひとっ飛び、どこか遠くの海に捨ててくるよ」ザパッ
ヴィーネ「えええええ!?」
知らぬ間に寝てた…
ヴィーネ「ちょっとやめてよガヴ! もったいないじゃない!」
ガヴ「もう使わないんだからいいじゃん。こういうのは持ってるだけで犯罪なんだぞ」
ヴィーネ「使わないなんて言ってないでしょ! ていうか、え? 犯罪!?」
ガヴ「はあっ!? やっぱ足洗ったってのはウソだったんじゃん!!」
ヴィーネ「洗ったってば!! 第一いまはそれ関係ないでしょ!?」
ガヴ「むしろ関係しかないから! ヴィーネ矛盾しすぎ! 薬やって頭おかしくなっちゃったの!?」
ヴィーネ「えっ? 今なんて……薬?」
ガウ「そうだよ、それで頭が…」
ヴィーネ「ひ、ひどいガヴ。冗談でもそんなこと言わないでよ!!」
ガヴ「冗談なんか言ってない! こっちは本気で心配してるんだからな!?」
ヴィーネ「冗談じゃないの…!?」
ガヴ(くそっ、ヴィーネの言動が支離滅裂だ!)
ガヴ(どうする? もはや説得してなんとかなるレベルじゃないのかもしれない)
ガヴ(……そうだ! 保管場所は分かったんだ、原因の粉をむりやり廃棄すれば)ザパッ
ガシ
ヴィーネ「どこに行くの」
ガヴ「ど、どこでもいいだろ」
ヴィーネ「ガヴ、今日様子がおかしいわよ。いつものガヴならあんなひどいこと言わない。絶対に言わない」
ガヴ「おかしいのはお前だよヴィーネ。私はヴィーネをこれ以上闇に染めたくない。離してくれ」
ヴィーネ「離さない……ガヴが元に戻るまで離さない。離さない離さない離さない」スゥ
ガヴ(げっ!? また目のハイライトが…!?)
ガヴ(やばい、やばいぞこれ。ヴィーネに完全に変なスイッチが入ってる……!)
ヴィーネ「あんなのガヴじゃない。ガヴじゃないわ。私のガヴはあんなこと言わない。だからあれはガヴじゃない」ブツブツ
ガヴ(うわああああ! これ下手したら死ぬやつだ!?)
ガヴ「っ!」グイッ
ジャポン!!
ヴィーネ「ふふふ。ガヴ、こっちに来て」
ガヴ「ぶはっ、はあ……ちょっおいヴィーネ!」
ヴィーネ「ガヴが正しくなるまで一緒にお風呂入ろうね?」ニコ
ガヴ(ひええええええっ!?)
ガヴ(ここは風呂、つまり大量の水!)
ガヴ(水中とはいえ私はヴィーネより非力だし走った後で体力もさらに無い…………避……否……死…!!)
ヴィーネ「さ、二人で潜って100まで数えましょ」
ガヴ「無理無理無理無理!! 10秒もキツイ! 死んじゃうよ!? ガヴリール死んじゃう!」
ヴィーネ「大丈夫よガヴ、ガヴは私の中で永遠に生き続けるもの」
ガヴ「それすなわち死と同義だってことに気づいてください!!」
ガヴ(クソッ、沈められたら最期だ! 何か、何か良い手はないのか!?)
ヴィーネ「せーので潜ろうねガヴ♪」
ガヴ(何か、ヴィーネの目を覚まさせるようなショックを…)
ガヴ(!! そうだ!)
ガヴ(あるぞ、目を覚まさせる王道の手が……けどあれは男女じゃないと効果がないのか?)
ヴィーネ「ガヴ、準備はもーいーかい?」
ガヴ「まーだだよ!!」
ヴィーネ「よしっ、それじゃあ行くわね」
ガヴ(まだっつってんだろ!!! 手ぇあげてくださいの歯医者かお前は!)
ガヴ(ってもう迷ってる場合じゃない、やるしかない!)
ヴィーネ「せーーのっ」スッ
ガヴ「くっ…」
ガヴ(ヴィーネ、悪いっ)
ヴィーネ「えっ? ガヴ……っむ……!!」
ガヴ「………」チュー
ヴィーネ「……!!」
ヴィーネ(………へ?)パチ
ガヴ「……ぷは」
ヴィーネ「……」ボー
ガヴ「ヴィーネ、ごめんな」
ヴィーネ「……えっ? えっ?」
ガヴ(よし、なんとか止まった。今のうちに粉を回収だ!)タッ
ガチャ
ガヴ(洗面台の下って言ってたな)
ガヴ(急げよ、ヴィーネの思考が停止してるうちが勝負だ。幸いそんなにごちゃごちゃしてないしこれならすぐに…)ガサゴソ
ガヴ(すぐに……)ガサゴソ
ガヴ「……」
ガヴ(あれ? どこにもそれっぽいのがない)
ガヴ(お、おかしいな。全部見たはずなのに)
ガヴ(せいぜい中身がありそうなのは…この入浴剤くらいだし)
ガヴ(ひょっとして偽装してるのか? でもパッケージ的にもそうは見えな)
ヴィーネ「ガヴ?」
ガヴ「ひいっ!!」
ガヴ「あ、あ……ヴィーネ…さん」ダラダラ
ヴィーネ(さん?)
ヴィーネ「えっと、色々言いたいことはあるけど………どうしたの? 棚あけたりして」
ガヴ「えっ!? こ、これはですね…棚の整理を」
ヴィーネ「もしかして入浴剤の香りが好みじゃなかった?」
ガヴ「へっ? いや…普通にいい匂いだと思うけど」
ヴィーネ「そう?」
ガヴ「……」
ヴィーネ「と、とりあえず制服とか脱いだら?」
ガヴ「なっ!?」ズサッ
ヴィーネ「あっ、そうじゃなくて! 」
ガヴ「……」
ヴィーネ(ものすごい心の距離を感じる…)
ヴィーネ「ガヴ、さっきはごめんね? 私なんかおかしくなってて。もう大丈夫だから」
ガヴ「いや私こそ……ひくしっ!」
ヴィーネ「ほら風邪引いちゃう。手伝ってあげるからこっち来て」
ガヴ「ん…」
ヴィーネ「はい、髪は大体乾いたわ」
ヴィーネ「服はひとまず私の部屋着でいいわよね」
ガヴ「…うん」
ギッ
ヴィーネ「それで、どうしていきなりお風呂にワープなんてしてきたのよ」
ガヴ「だ、だからそれはヴィーネが…」
ヴィーネ「私が? なによ」
ガウ「……」
ヴィーネ(あっ……ガヴの口)ドキ
ヴィーネ(さっきのアレってやっぱり夢じゃないのよね? 私ガヴと……)カァァ
ガヴ(とにかく、はっきり所在を確かめるしかないか)
ヴィーネ「ねぇガヴ」
ガヴ「ん?」
ヴィーネ「……もう一回」
ガヴ「もう一回?」
ガヴ「なにもう一回って」
ヴィーネ「さ、さっきの! 私正気じゃなかったし…」
ガヴ「はあ?」
ガヴ(何のことだ? 正気? さっきって………えっ?)
ガヴ「ええっ!? もう一回ってまさか」
ヴィーネ「……!」コクコク
ガヴ「や、やだよ! さっきのはヴィーネの目を覚ますために仕方なくだなぁ!」
ヴィーネ「仕方なくっ…」ガーン!
ガヴ「あ」
ヴィーネ「仕方なくね……そうよね、ごめんね嫌なことさせちゃって」ズーン
ガヴ「い、いやぁそういうんじゃ」
ヴィーネ「初めてだったんだけどな…」
ガヴ「ちょっやめてくれよ! 罪が重くなる!」
ガヴ「ほらよく言うだろ、女子どうしならノーカンだよノーカン!」
ヴィーネ「そうなの…?」
ガヴ「そうそう! それに私だって初めてだし」
ヴィーネ「えっ、ガヴも?」
ガヴ「当たり前じゃん。だからお互い様ってことで! な?」
ヴィーネ(そ、そうなんだ。私の初めてはガヴで、ガヴの初めても私で…)
ガヴ「…ダメ?」
ヴィーネ「ううん。許してあげる」
ガヴ(よかった……)
ヴィーネ「もう一回キスしてくれたら、だけど」ボソ
ガヴ「んっ!?」
ヴィーネ「あははは! 冗談よ、冗談」
ガヴ「な、なんだよもーー」ドキドキ
ガヴ(ヴィーネの柔らかい感触……まだ残ってるんだよなぁ)
ヴィーネ(冗談でもいいから…もう一回だけしてみたいな)
ガヴ「……」
ガヴ「よし、やろう!」
ヴィーネ「へっ?」
ガヴ「やるんだよもう一回! さっきのやつ!」
ヴィーネ「ええっ!?」
ガヴ「なんか不公平だから! ヴィーネよく覚えてないんだろ? 私は正気だった」
ヴィーネ(記憶自体はばっちりあるんだけどね!)
ヴィーネ「…ガヴはいいの?」
ガヴ「だからノーカンだって。ノーカンなら1回も2回も100回も変わらないよ!」
ヴィーネ「う、うん。そうね、ノーカンなら変わらないわよね!」
ヴィーネ「それじゃあ……今度は私から?」
ガヴ「ん」
ヴィーネ「……」ゴク
ヴィーネ「本当にいいのよね?」
ガヴ「いいって! ほら、ちゃちゃっと!」
ヴィーネ「う、うん!」
ヴィーネ(ううっ、自分からするのってここまで緊張するの? ガヴはこんなプレッシャーを乗り越えたのね…)
ヴィーネ「……」ドキドキ
ガヴ「ヴィーネ…まだ?」ドキドキ
ヴィーネ(ああんもう! ガヴってこんなにかわいかった!? 心臓が張り裂けそう!)
ヴィーネ(でも頑張らなきゃ。ガヴが私にしてくれたみたいに……)スッ
ガチャッ!
タプリス「ああああああああああああああああああああああっっっ!!!?」
ヴィーネ「!?」
ガヴ「!?」
タプリス「な、な、な……なんばしよっとですかあああああっ!?!?」
ヴィーネ「ち、千咲ちゃん!?」
ガヴ「タプリス!」
タプリス「ああ、最も恐れていた事態に……天真先輩が襲われてますぅぅ!!!」
ヴィーネ「はあ!? 違うわよ!」
ガヴ(そういや外に置いてきてたな。鍵かかってたけどどうやって中に…)
ラフィ「それは本当ですか!?」キラキラ
ヴィーネ「ラフィまで!?」
ガヴ(こいつか)
タプリス「やっぱり悪魔は最低です! このケダモノ!!」
ヴィーネ「誰がケダモノよ!」
タプリス「天真先輩に襲いかかるだなんてうらやま……間違えました!」
タプリス「うらやまにくらしい!」
ラフィ「タプちゃん、言い直せてませんよ」
タプリス「うらやましいっ!!」
ヴィーネ「ついに言い切った!?」
ガウ「……なんだこれは」
ギャーギャー!!
ガウ(この二人は一体何を争ってるんだ)
ラフィ「ガウちゃん、今はどういう状況なんですか?」ワクワク
ガウ「私に聞くな。あとワクワクすんな」
ラフィ「私が思うに、お二方はガウちゃんを取り合っているのではないでしょうか?」
ガウ「はあ…? 取り合うってなんだよ」
ラフィ「昨日タプちゃんが言っていました。ガウちゃんとより親密になるにはどうすればいいのかと」
ガウ「タプリスが?」
ラフィ「はい。なんでもヴィーネさんとガウちゃんを巡って大喧嘩したそうで」
ラフィ「あまりに真剣だったものですから、色々と協力させてもらいました」
ガウ「はあ。そりゃ………ん?」
ガウ「ちょい待ちラフィ、いま昨日って言った?」
ラフィ「はい。昨日です」
ガウ「いやいやそれはおかしいだろ、なんで昨日の時点でタプリスがラフィと会ってるんだよ」
ラフィ「あれ、タプちゃんから聞いてませんか? タプちゃんは昨日私の家に泊まったんですよ」
ガウ「……は?」
ラフィ「元はヴィーネさんのお家に泊まるはずだったそうですけど、飛び出してきちゃって」
ラフィ「行く宛なく彷徨っていたところをたまたま私が拾ったんです」
ガウ「……」
ガウ「じゃあラフィは、ヴィーネとタプリスが仲悪くなってるってこと最初から知ってたわけ?」
ラフィ「はい」
ガウ「相談したときいかにも今日初めて聞きましたって反応だったじゃん!」
ラフィ「だってそのほうが面白…先入観なく相談に乗れるじゃないですか~」
ガウ(私の周りのやつはどうしてこうもウソが下手なんだ)
ラフィ「でも驚いたのは本当ですよ。タプちゃんから話を聞いていただけですから」
ラフィ「普段のヴィーネさんを見てるとそこまで口汚く怒るだなんて信じられませんでした」
ガウ「そりゃそうかもしんないけど」
タプリス「いったい天真先輩と何をしていたんですか…っ!」ギギギ
ヴィーネ「あーら聞きたい? 私とガウがどこまで進んでしまったのかをっ…!」グググ
タプリス「な、なにを~っ!?」
ガウ「はーい終わり終わり」
ヴィーネ「ガウ!」
タプリス「止めないでください! これからこの悪魔に天誅をひゃわあっ!?」ヒョイ
ラフィ「タプちゃんもストップでーす」
タプ「白羽先輩…」
ラフィ「まずは何があったのかを聞かなければですね」
ラフィ「では……二人ともそこに正座っ!」
ヴィーネ「え?」
タプリス「せ、正座ですか」
ラフィ「このほうがお説教っぽいかなと思いまして」
ガウ「別に説教するんじゃなくね?」
タプリス「私は悪くありません! この悪魔が!」
ヴィーネ「ちょっ、なに人のせいにしようとしてるのよ!」
ラフィ「まあまあ。落ち着いて話し合いましょう」
ラフィ「お二人はガウちゃんを巡って争っているようですが、どうしてそのような事態に?」
タプリス「白羽先輩には昨日お話しましたけど、この悪魔が天真先輩を奪おうとするんです」
ヴィーネ「人聞きの悪いこと言わないでよ! そっちがガウを横取りしようとしたんじゃない」
ガウ「だから私はなんなんだ? 一等賞か?」
ラフィ「初めはどのようなお話だったんですか?」
ヴィーネ「最初はたしか……ぐうたらなガウをどうにか改心させられないかって話だったわね」
タプリス「はい。それで私が、私がとある方法を思いついたんです。私が!」
ヴィーネ「どんだけ『私が』の部分強調してんのよ!」
タプリス「事実じゃないですか!」
ラフィ「それで、その方法とは?」
タプリス「入浴剤です!」
ラフィ「入浴剤……ですか?」
タプリス「はい! なぜなら」
ヴィーネ「入浴剤のお風呂ってすごく気持ちいいでしょ?」
ヴィーネ「ガウの汚れてしまった心を洗い流すとまではいかないけど、少しでも改めるきっかけになるんじゃないかって思ったの」
ラフィ「なるほど~」
タプリス「わ、私の台詞を…」
ヴィーネ「それなら普段からガウの面倒を見てる私が適任よね。なのに千咲ちゃんが出しゃばって自分がやるだなんて言い出すから」
タプリス「私が考えた方法なんです! 私が天真先輩をお風呂に入れる役目を担うのは当然です!」
ラフィ「はあ。それでお互い口論に?」
ヴィーネ「そうね。あとは私のほうがガウと仲が良いって事実を告げたら飛び出していったわ」
タプリス「ぐぎぎぎ…! 聞いてください白羽先輩っ、この人私と天真先輩の思い出を踏みにじったんですぅ~!」ヒシッ
ラフィ「あはははー。よしよし」
ラフィ「要するに、どちらがガウちゃんをお風呂に入れるかで争っていたというわけですね」
ヴィーネ「そうなるわね」
ラフィ「ガウちゃんはどちらが良いですか?」
ガウ「え?」
タプリス「そうです! 天真先輩に決めてもらえばいいんですよ!」
ヴィーネ「上等じゃない。それならお互い文句の言いっこなしだものね」
ラフィ「だ、そうですけど」
ガウ「えー……」
ヴィーネ「ガウ! 私よね!」
タプリス「私ですよね! 天真先輩っ」
ラフィ「………」ワクワク
ガウ「どっちがいいって……ねえ」
ガウ「正直……どっちもやだ」
ヴィーネ「えっ」
タプリス「ええっ!?」
ラフィ「!!」ブハッ
ヴィーネ「ど、どっちも…」
タプリス「いやなんですか…!?」
ガウ「え? だって風呂だよ?」
ガウ「高校生にもなってなにが悲しくて誰かに入れてもらうんだよ。一人で入れるっての」
ヴィーネ「た、確かに」
ラフィ(ガウちゃん……ド正論ですっ…!)プルプル
ガウ「そもそも私は風呂なんか好きじゃない。ゲームする時間なくなるし。シャワーのほうが早い」
タプリス「で、でも一度入浴剤を使って入ってみたら変わるかも…」
ガウ「あるよ入浴剤くらい。1回だけだけど」
タプリス「えっ!?」
ラフィ「どうでしたか? 使ってみた感想は」
ガウ「そうだな」
ガウ「全体的にぬるぬるしたせいで手が滑ってVITAが轟沈した」
ヴィーネ「……」
ガウ「はっきりいって大嫌いだ」
タプリス「……」
ラフィ「と、いうわけで」
ラフィ「ヴィーネさんとタプちゃんの争いは最初から最後までまるっきり無意味だったのでした~!」パチパチ
ヴィーネ「ええ……」チーン
タプリス「あはは……」ズーン
ラフィ「めでたしめでたしですね」
ガウ「めでたくねーよ。私の心労はどうしてくれるんだよ」
ガウ(っていうか結局アレはどこにあるんだ?)
ガウ(ん? まてよ入浴剤?)
タプリス(タプリスが言ってたのは確か……)
ガウ(あ)
次で終わる予定
誤字脱字は見直してるつもりだったのにまさかの名前ミス
全然気づかなかった 指摘ありがとう
ガヴ(とんだ勘違いしてたのか…)
ヴィーネ「無駄に疲れたわね……あれ?」
ヴィーネ「ガヴ、私に電話したみたいだけど何かあった?」
ガヴ「えっ!?」
ヴィーネ「ていうか、いきなり現れた理由まだ聞いてないんだけど」
ガウ「あ、あー、それはですね」
タプリス「ああーっ!! そうでした、この悪魔めっ! 私と天真先輩にあんな危険なものを勧めていただなんて!」
ヴィーネ「はい?」
タプリス「天真先輩大丈夫ですか!? 悪魔の罠に落とし込まれていませんか!?」
ガヴ「いやタプリスそれなんだけどさ」
ヴィーネ「ちょっとガヴ、なんの話?」
ガヴ「えーっと…」
ガヴ「ごめんヴィーネ、実は……」
ヴィーネ「はっ?」
ヴィーネ「はあーーーっ!? ど、ドラッグ……私が!?」
ガヴ「や、やっぱ違いますよね」
ヴィーネ「バカ言わないでよ! そんなわけないじゃない!! 誰から聞いたの!?」
ガヴ「タプリスからヴィーネに勧められたって…」
ヴィーネ「おまえ……ついて良いウソと悪いウソがあるって知らないのかしら……」ワナワナ
タプリス「ウソなんてついてません! シラを切るのも大概にしてください!」
ヴィーネ「どうやら本気で制裁が必要なようね…」ブゥゥン
タプリス「やるっていうんですか…?」リィィン
ガヴ「わああああ! 違うヴィーネ、勘違い! 私の勘違いだったんだ! だからツノしまって!」
ヴィーネ「どいてガヴ! そいつ殺せない!」
ガヴ「頼むから落ち着いてくれ! ラフィはタプリスを」
ラフィ「ーー!ーーー!!」バンバン! バンバン!
ガヴ「うおおい!!」
ガヴ「……というわけでして」
ラフィ「魔法のような粉……たしかに連想できちゃいますね…ぶふぅっ」プルプル
ヴィーネ「あきれた。いくらなんでも早とちりがすぎるわよ」
ガヴ「めんぼくない」
タプリス「やはり画期的なアイテムだったんですね。入浴剤の危険度をFに修正っと」ピピ
ヴィーネ「ガヴが私のことそういうものに手を出す風に思ってたなんて…」
ガヴ「だって! ああいうのは真面目なやつほど陥りやすいっていうし、ヴィーネの様子も変だったし…」
ヴィーネ「それは忘れて!!」
ラフィ「そうだ!」パンッ
ラフィ「色々と解決したお祝いということで、みなさんで行きたいところがあるんですけど」
ヴィーネ「行きたいところ?」
ガヴ「っていうか祝うようなことか?」
ラフィ「タプちゃんは今週末までは居られるんですよね」
タプリス「はい、来週の頭までは」
ヴィーネ「どこに行くつもりなの? ラフィ」
ラフィ「ふふふ、それはですね~」
週末
タプリス「お風呂が広いです…!!」キラキラ
ヴィーネ「電車で来れる距離にこんな温泉街があったなんてね」
ラフィ「前から来てみたかったんですよね~」
タプリス「一番乗りですっ!」ピュー
ヴィーネ「あっこら! 走ると危ないわよ!」
タプリス「うぎゃっ!?」ステーン!
ヴィーネ「言わんこっちゃない……ほら、立てる?」
タプリス「うう…どうもです」
ヴィーネ「あれ、そういえばガヴは?」
ガヴ「……」
ガヴ「服脱ぐのだるっ…」
ヴィーネ「末期か!!」
ラフィ「ほらほらガウちゃん、温泉ですよ温泉」
ガヴ「分かってるよ。今行くから」
ラフィ「せっかくのこういう機会ですし、みんなで一列になって洗いっこしませんか?」
タプリス「洗いっこ!!」
ヴィーネ「いいわね。でもどういう順番で並ぶ?」
タプリス「私が天真先輩のお背中を流しますっ!」
ヴィーネ「あっ、ちょっと勝手に決めないでよ!」
ラフィ「ガヴちゃんはどこがいいですか?」ムギュ
ガヴ「胸押し付けんなコラ。私は一番何もしなくていいところがいい」
ヴィーネ「言うと思った…一番前ね」
ラフィ「いえいえ、それならいい方法がありますよ」
ガヴ「……」
ラフィ「あは」←後
タプリス(て、天真先輩の素足! 鼻血が出そうですっ)←左
ヴィーネ「なんだかガヴがお殿様みたいね…」←右
ガヴ「……おい」
ガヴ「確かに一番なにもしなくていいところとは言ったよ? けどこれ洗いっこじゃなくね?」
ラフィ「ガヴちゃん洗いですね」
ガヴ「もはや洗車の域だよ。洗ガヴリールだよ」
ラフィ「いいじゃないですか。ピッカピカにしてあげますね」
ラフィ「それじゃ位置について、ヨーイドン!」
タプリス「おおーっ!」
ガヴ「かけっこ!?」
タプリス「て、天真先輩のお肌を傷つけないように……そーっと、そーっと」ソロ~
ガヴ「ちょっ、たっ、タプリス! くすぐったいっ!」ゾワッ
タプリス「す、すみません! では超速でっ」シュババババ!
ガヴ「いたたたたたっ痛い痛い! ってか熱いわバカ!!」
タプリス「わああごめんなさぁーい!!」
ガヴ「まったく…」
ヴィーネ「両極端すぎなのよ。適度に力いれなきゃ」ゴシゴシ
ガヴ「ん」
ヴィーネ「ガヴ、このくらいで大丈夫?」
ガヴ「ちょうどいい。ちょっとくすぐったいけど」
ヴィーネ「ね?」
タプリス「ぬぬぬ…負けません」
ラフィ「私もがんばらないとですね」
ガヴ「そんな気合いれなくても」
ラフィ(そうですね、なにかお二人にできないような……)
ラフィ(そうだ!)ピコーン
ガヴ(三方向から体を洗われるとか最初は違和感しかなかったけど、慣れると楽なもんだ)
ガヴ(なんか眠くなってきた…)
ムニッ
ガヴ(ん? なんか背中に圧が)
ラフィ「ガヴちゃん、力加減はいかがですか?」
ガヴ「ああ、なんというか……悪くない」
タプリス「!!」
ヴィーネ「なっ!!?」
ラフィ「そうですか。それはなによりです~」ゴシゴシ
ガヴ(悪くない。むしろいい感じに…指圧? 指なのかこれ? ボールでも使ってるようなずっしり感が)
ヴィーネ「ら、ラフィ何やってるのよ…!?」
ガヴ「ん?」
ラフィ「なにって、背中を擦ってあげてるんですよ?」ゴシゴシ
ヴィーネ「そうじゃなくてっ!」
ラフィ「ガヴちゃん、気持ちいいですか?」
ガヴ「まあ……えっ? なに、どうかしたの?」
ガヴ(そういえば若干ラフィの息が切れてるような)
ヴィーネ「だってむ、胸でなんてっ…」
ガヴ「はっ?」
ラフィ「ふふっ、なんだか私も…んっ…気持ちよくなってきちゃいましたぁ」
ガヴ「えっええええ!? まさかラフィお前っ」
タプリス「きゅう…」パタリ
ヴィーネ「ああっ、あまりの刺激に千咲ちゃんが!」
ガヴ「おおお終わり、終わり終わり!」ガタッ
ラフィ「ええーっ」
チャプン
ガヴ「まったく……二度とやるなよ」
ラフィ「すみません、ちょっとした出来心だったんです」
タプリス(白羽先輩、あんなことできるなんて……う、うらやましいです)ブクブク
ヴィーネ「ラフィのせいで千咲ちゃんが放心してるじゃない」
ラフィ「もうしませんから~」
ヴィーネ「でも本当にラフィのって…すごいわよね。昔からなの?」
ラフィ「さあー、気がついたらこうなってしまっていて」
ガヴ「天界にいた頃もでかかった気がするけど、最近さらにって感じだよな」
タプリス「なにをどうすればそんなにビッグになれるんですか!?」
ラフィ「え、ええー? そう言われても」
ラフィ(私はむしろ困ってるんですけど…)
タプリス「あれ? あそこの扉って外に繋がってるんですか?」
ヴィーネ「露天風呂ね。景色を眺めながらお湯に浸かれるのよ」
タプリス「ええっ! 私行ってみたいです!」ザパッ
ヴィーネ「あっ、だから走ると危ないってば!」
ヴィーネ「もーー心配かけて……私千咲ちゃんのほう行ってるわね」
ラフィ「はい」
ラフィ「ふふふ。仲直りできたみたいでよかったです」
ガヴ「それが目的か?」
ラフィ「そうですね。なにより、温泉ならガヴちゃんと一緒にお風呂に入ることも叶いますし」
ガヴ「ああそう」ブクブク
ラフィ「それと…単純に私の希望ですかね」
ガヴ「ん?」
ラフィ「下界に降り立ってもうすぐ1年が経ちます。最初は退屈だなあと思っていたんですけど」
ラフィ「ガヴちゃんを始め、みなさんと一緒に居るようになってからは毎日が楽しくて、本当にあっという間でした」
ガヴ「……」
ラフィ「ときどき考えてしまうんですよ」
ラフィ「高校の3年間なんて矢のように過ぎていって、気がついたら終わりを迎えてしまうのだと」
ラフィ「それどころか私たちは3年間も時間があるとも限りません。終わりは1年後かも、明日かもしれないんです」
ラフィ「いつ終わりが来るか分からないのなら、その前にたくさん思い出を作りたいんです」
ラフィ「学校がない日は普段会えませんからね。ただでさえ少ない日数がさらに減ってしまう。そんなのもったいないじゃないですか」
ガヴ「……」
ラフィ「ガヴちゃんはひょっとしたらお家でゲームをしているほうが好きかもしれませんが…」
ラフィ「でも今日は一緒に来てくれました。私すごく嬉しいんですよ」ニコ
ガヴ「ラフィ…」
ラフィ「しんみりしちゃいましたね。私たちも外に行きましょうか」
ガヴ(そうか、ラフィはみんなに気を配っていたんだ)
ガヴ(例えこの後すぐに終わりが来たとしても、少しでも寂しさが紛れるように)
ラフィ「タプちゃんとヴィーネさん、仲良くやれていますかね~」
ガヴ(でも実際……そういう立ち回りをするやつってのが一番寂しがりでもあるんだろうな)
ガヴ「なあ、ラフィ」
ラフィ「ガヴちゃん? どうかしましたか?」
ガヴ「大丈夫だよ」
ラフィ「はい?」
ガヴ「大丈夫」
ラフィ「……?」
ガヴ(ラフィの言う通り、いつまでもこんな暮らしが続くわけじゃない)
ガヴ(けどそれは何だってそうだ。それより寂しいのは、どうしようもない終わりが来る前に終わっちゃうことだろ)
ラフィ「大丈夫、ですか?」
ヴィーネ「ああ」
ガヴ(少なくともそうなることは…たぶんない)
ガヴ(今回ばかりは私も参ったけど、すぐに元通りになったんだし)
ガヴ「行こう。二人のところに」
ラフィ「そうですね」
ガヴ(これからもきっとそうだ)
ガララッ
ラフィ「ヴィーネさん、タプちゃん、湯加減は……」
タプリス「絶対私のほうが大きいですっ!」
ヴィーネ「ありえないから! どう見ても私のほうがあるじゃない!」
タプリス「期待値の話ですよ。今後背が伸びるにつれてぐんぐん成長しますから、私のほうが余裕で上位です!」
ヴィーネ「今の時点での話をしてるのに急に未来引っ張ってこないでよ! っていうか将来的にも望み薄なんじゃないの?」
タプリス「なっ、そんなの分からないじゃないじゃないですか! 少なくとも月乃瀬先輩よりは残念じゃなくなります!」
ヴィーネ「はああ!? 残念!? 残念ってなによ!?」
タプリス「残念は残念です! 残念悪魔っ!」
ヴィーネ「お、ま、え、は……っ!!!」
ガヴ「……」
ラフィ「あ、あら~~」
ガヴ(大丈夫じゃないかもしれない)
おわり
おまけ
サターニャ(ラフィエルの家にもヴィネットの家にも誰も居なかった)
サターニャ(となれば残るはガヴリールの家ね。おおかたみんなで地獄絵図となった家の片付けでもしてるんでしょ)
サターニャ(私を呼ばなかったのは部屋をキレイにしてから出迎えるという奉仕精神の現れかしら? あいつらもなかなか出来るようになってきたじゃない!)
サターニャ(ま、その心意気を見込んで今回はお菓子と飲み物を買ってきてやったわ)
サターニャ(大悪魔様の慈悲深いお恵みに感謝してもしきれないでしょうね。あーっはっはっはっ!)
ピンポーン
サターニャ「……出ないわね」
ピンポンピンポーン
サターニャ「おかしいわね、ベルが壊れてるんじゃ……あら?」ガチャ
サターニャ「ちょっ鍵開けっぱなしじゃない! 無用心ね」
サターニャ(あ、分かった! 私をスムーズに出迎えるために開けておいたのね!)
サターニャ(もーそこまでしなくてもいいってのに。まあ少しくらいなら褒美を与えてもいいレベルね)ルンルン
サターニャ「ガヴリールー!! 喜びなさい、サターニャ様が直々に遊びに来てやったわ……」
シーン
サターニャ「あ、あれ………?」
ガヴ「そういえばサターニャは来れなかったのか?」
ラフィ「もちろん誘ってませんよ?」
ガヴ「え?」
ラフィ「うふふ。だってそのほうが後で面白くなりそうじゃないですか♪」
ガヴ(こいつ悪魔だ)
以上です。読んでくれた方ありがとござます。
グダる前に終わりたかったけどわりとグダった感 さーせん
このSSまとめへのコメント
最近めっきり減った天才のそれだ