カタカタ、カチャカチャ
ガヴリール「……」
ガヴリール「ん~」
ガヴリール「休日にまったりとするネトゲは最高ですな~」
ガヴリール(まあ、平日でも大体サボってネトゲだけど)
ガヴリール(……こうして考えると)
ガヴリール(もう大抵の娯楽は味わったなあ)
ガブリール(毎日寝て遊んで食って遊んで寝て…)
ガヴリール(堕落しきってんなあ)
ガヴリール「でもまだあるんだよな、してないこと」
ガヴリール「ん?」
『あの、すいません、お願いが。』
『見抜きさせてもらえないでしょうか…?』
ガヴリール「うわ、きもっ、ネットでも盛ってんじゃねーよ」
ガヴリール「……」
ガヴリール「チッ」
『たまってる、ってやつなのかな?』
『しょうがないにゃあ…』
『いいよ。』
カタカタ
ガヴリール「…なにやってんだ、私」
ガヴリール「欲求不満かよ……」
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ガヴリール(堕ちるとこまで堕ちてビッチになるとかエロ漫画みたいになるつもりは毛頭ないけど)
ガヴリール(一回くらいはまあ、味わってみたい……かな)
ガヴリール「あ゛ぁーー……くそっ……」
ガヴリール「保体も主席だったから、知識だけはあるくせして」
ガヴリール「相手がいねえ……」
ガヴリール「身近な異性つったらマスター…?」
ガヴリール「ないわ、色んな意味でダメだ」
ガヴリール「あの人はそういう目で見ちゃダメな人だ」
ガヴリール「そもそもヤるにしてもリスクあるしな…」
ガヴリール(母親になる気なんてさらさらないし、このままずっと遊んでいたいし)
ガヴリール「じゃあ、女相手なら…」
ガヴリール(そんな趣味ないんだけど…)
ガヴリール(でも快楽だけ得るんならそれしかないのか…?)
ガヴリール「……はぁ」
ガヴリール(こんなアホなこと考えるキャラじゃないっての)
ガヴリール(ムラムラしてるせいだな、うん)
ガヴリール「……一人でするか」
ドンドンドンドンドンッ!
サターニャ「おーい!ガヴリールー!」
サターニャ「このサターニャ様が遊びに来てやったわよー!」
サターニャ「丁重にもてなしなさい!なーーはっはっはっ!」
ガヴリール「チッ、アイツこんなときに……」
ガヴリール(いや、待てよ…………)
ガチャ
ガヴリール「おい」
サターニャ「ひっ」
ガヴリール「横柄な啖呵を切っといて何ビビってんだよ…」
サターニャ「ビ、ビビってなどいない!」
サターニャ「ただ今回は普通にドアが開いたことに驚いただけよ!」
ガヴリール「はぁ?なんのことだよ?」
サターニャ(こ、コイツ憶えてない……)
ガヴリール「まあいいや」
ガヴリール「ほら、入れよ」
サターニャ「え?」
ガヴリール「なんだよ、遊びに来たんだろ?」
サターニャ「あ、ああ……そう言うなら……」
サターニャ「お、おじゃましまーす……」
ガヴリール「おお、くつろいでけ」
サターニャ「な、なんか今日のアンタやけに優しいわね……」
ガヴリール「別に?いつもこんなもんだろ」
サターニャ「そうかしら…?」
サターニャ「……そうか……そうか!」
サターニャ「お前もついに私の偉大さに気づいたのね!」
サターニャ「殊勝な心がけよ!なーはっはっはっ!!」
ガヴリール「あーハイハイ」
ガヴリール(うぜぇ……)
ガヴリール(コイツだったら丁度いいや、まったく良心も傷まないな)
サターニャ「あははははっ!!」
サターニャ「大悪魔サターニャ様の力を思い知ったか!!」
サターニャ「弱い弱すぎるわ!!」
ガヴリール(クソゲーだったから課金ちょっとして直ぐやめたネトゲにここまでハマるのか…)
カヴリール(コイツも案外、廃人の素質あるんじゃないか?)
サターニャ「あー楽しかった~」
サターニャ「アンタの城で遊ぶのも悪く無いわねー」
サターニャ「褒美として今度!私の城に来ることを許可してあげるわ!」
カヴリール「許可されても行かねえっての…」
サターニャ「ふふん!素直じゃないわね!」
サターニャ「ガヴリールが私に敬意を抱くようになったのは今日の態度でよくわかってるのよ!」
ガヴリール「オーケー」
ガヴリール「減らず口もここまでな」
サターニャ「なっ…?あっ…?」
サターニャ「か、体が…」
ガヴリール「こんなもんか」
ガヴリール「いやーまだ使えるかどうか微妙だったけど、数時間かけてギリギリセーフだったわ」
サターニャ「え?ええ?」
ガヴリール「まだ整理できてないか?」
ガヴリール「天界の魔法で拘束されてんの、お前」
サターニャ「な、なんで…?」
ガヴリール「なんでって…」
ガヴリール「なんかムラムラするから」
サターニャ「えっ」
サターニャ(む、ムラムラ…?)
サターニャ(イライラの聞き間違いよね、きっと…)
サターニャ「わ、悪かったわ…」
ガヴリール「?」
サターニャ「私も少し尊大になりすぎていた部分があるのは認める…」
サターニャ「大悪魔である私の過ちを実力行使も厭わず諌めてくれるなんて、認めざる負えないわね…」
ガヴリール(何言ってんだこいつ)
サターニャ「だからこの魔法を…」
ガヴリール「やだね」
グイッ
サターニャ「ああっ!体が勝手にぃ!!」
ガヴリール「おおー、マネキンみたいだ」
サターニャ「なによこれぇ…」
ガヴリール「この魔法は拘束した相手を意のままに操るもんだからな」
サターニャ「な……」
ガヴリール「さてと、始めるか」
サターニャ「ご、ごめんなさいごめんなさい!」
ガヴリール「あ?」
サターニャ「ホントは嬉しかったの!ガヴリールとこんなに遊べるなんて思わなくて…」
サターニャ「友達になれたみたいでつい…だ、だから調子に乗って……」
サターニャ「お願いだからひどいことしないで……」
ガヴリール(あ、マジ泣きしてる)
ガヴリール(本当にいじめられる天才だなコイツ…嗜虐心を無駄に煽りやがって……)
ガヴリール(なんだか……)
ガヴリール(そんな趣味なかったはずなのに、サターニャにガチで欲情してきた)
ガヴリール「心配すんな」
ガヴリール「別に痛いことはしねーよ」
サターニャ「ほ、ホント!?」
サターニャ「じゃあ今すぐ自由に……」
モミモミ
サターニャ「ひやぁっ」
ガヴリール「可愛い声だな」
サターニャ「ちょっ…!ど、どこ触ってんのよ!」
ガヴリール「胸」
サターニャ「『胸』じゃないわよ!」
サスリ
サターニャ「あぁっ」
ガヴリール「感度いいなお前」
サターニャ「ど…どうしてこんなことするの…?」
サターニャ「私にむかついてるんでしょ…?普通は動けない私をボコったりするんじゃ……」
ガヴリール「むかつく?まあ、ついさっきはむかついてたか」
ガヴリール「今はむらっとしてるけど」
サターニャ「むらっ!?」
ガヴリール「そう、ムラムラ」
サターニャ(イライラじゃなかったー!!?)
ガヴリール「お前が悪いんだからな、一線超える前にはやめるつもりだったのに」
ガヴリール「その気にさせやがって」
サターニャ「な、なに言ってんのよアンタ…」
サターニャ「う、嘘でしょ…」
ガヴリール「これでも昔は主席だったんだ、知識はある」
ガヴリール「優しくシてやるよ」
サターニャ「いやぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
その夜、片方の一方的な情欲から始まった交わりは一晩続いた
お互いに生娘であり、どこかぎこちなかった所作も知識がそれをカバーした
長く続いていたガヴリールの性へ渇望が容赦なくサターニャに襲いかっていく
自由を奪われながら必死にもがくサターニャの抵抗も、ますますガヴリールへ燃料を注ぐことになった
数時間経った頃だろうか、いつの間にかサターニャも行為を受け入れていた
不本意に初めてを奪われたショックから朦朧とした精神
そんな状態の中、ひたすら繰り返され与えられる精密な快楽に、彼女は抗い続けられるほど強くはなかった
命令ではなく自ら目の前の憎き宿敵へお返しをしようと動いた、方法などわからない、本能のまま
それは、つまりガヴリールの不完全な、いや完全だったが堕落によって弱化した魔法が解けていることを示す
だが、気付かない、気付こうとしない
あくまでサターニャは被害者なのだ、快楽に流され率先して応えている愚かな自分に目を背けたくなる
倒錯的だ、わかってるのに知らないふりは絶妙なスパイスとなるのだ
聡明であるはずのガヴリールも当然、情事が相関的なものとなった瞬間に理解した
一瞬、この事実を突き付け、さらに優位に立つ考えがよぎる
しかし直ぐ却下とした、無粋だ
眼下のサターニャは覚束ない手つきでなんとか対等になろうとしている
そんないじらしい相手を追い詰めて萎縮させるのはあまりにも意地が悪い
元々は自身の身勝手さが引き起こした事態だ、さすがの堕天使も後ろめたさを持たないほど堕ちてはいなかった
そして、そう思い至ったことはサターニャへ一抹の愛しさを抱いていることを自覚させた
以前からか?もしくはこの営みで生まれた仮初のものか?
どう思考しようと答えが出ることはない、ただ愛を感じたのは真だ、少しばかり浄化された心地がする
人間界へ来たばかりの初心を悪魔に喚び起こされるとは皮肉なものだ
感謝を込めて、愛撫してやる
天使と悪魔、抱擁、接吻、聖書の一節かのような光景だ
明けた空から差し込む光が、二人を我に返し、永遠に続くと思われた感覚へ終わりを告げる
ガヴリール「あーすっきりした」
ガヴリール「初めてだったけど、いいもんだな」
サターニャ「うう…ぐすっ…」
サターニャ「汚されたぁ…」
ガヴリール「泣くなって、悪かったよ」
サターニャ「初めては好きになった人と決めてたのにぃ……」
ガヴリール「乙女か」
サターニャ「乙女よ!!」
サターニャ「もうお嫁に行けない…」
サターニャ「責任とりなさいよガヴリール!!」
ガヴリール「えぇー…」
ガヴリール「私にそんな甲斐性ないしなあ」
サターニャ「うるさいわね!そういうことじゃないでしょ!」
サターニャ「いずれ地獄の支配者になるであろう胡桃沢=サタニキア=マクドウェル様を傷物にした報いを受けるべきって言ってんのよ!」
ガヴリール「お前の本名ってそんなんだったのか」
サターニャ「そうよ!憶えてなかったの!!?」
サターニャ「こ、こんなやつがわ、私の初体験だなんてぇ…!」
サターニャ「うわあああああああああああああああああああああん」
ガヴリール「うるせーなーわかったよ」
ガヴリール「責任とってやるから泣くな」
サターニャ「えぐっ…うぁ………」
サターニャ「ほ、ホント……?」
ガヴリール「ああホントホント」
ガヴリール「ヤってる最中、結構かわいいなとか思っちゃったし」
サターニャ「……………………………な゛っ////」
サターニャ「ば、ばかっ////」
ガヴリール「だから、もっと、いいよな?」
サターニャ「へっ?」
サターニャ「だ、ダメ!もう無理だから!いや本気でまっ……」
ガヴリール「……」
サターニャ「いやぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
コンコン
ヴィーネ「ガヴー?そろそろ学校行くわよー」
ヴィーネ「……やれやれ、また寝てるか遊んでるのかしら、もう…」
ヴィーネ「入るわよー」
ガチャ
ガヴリール「……ん?」
ガヴリール「ああ…ヴィーネか…おはよう」
ヴィーネ「おはよ…ってええっ!?」
サターニャ「Zzzz……」
サターニャ「…んん…もうもたないぃ…Zzz」
ヴィーネ「さささサターニャぁ!?」
ガヴリール「やべっ」
サターニャ「ガヴリールー手つないで行くぞ!」
サターニャ「ガヴリールー昼ごはん一緒に食べよ!」
サターニャ「ガヴリールー今日泊まっていいか!」
ガヴリール「ああもう、うるせえな、あからさまに彼女ヅラすんなよ…」
サターニャ「えへへ~ガヴリール~♪」
ガヴリール「ったく、あんま人前でひっつくなよ」
イチャイチャ
ラフィエル「な…?え…?」
ラフィエル(一体な、なんなんですかこれは……?)
ヴィーネ(さすがのラフィも処理できてないようね…)
ガヴリール(……まあ、こういうのも悪くはないか)
ラフィエル「が、ガヴちゃん!」
ガヴリール「ん?」
ヴィーネ「ラフィ?」
ヴィーネ(なんか深刻そうな顔してるけど…いやわかるけどそれ以上の表情っていうか…)
ガヴリール「なんだラフィ?」
ガヴリール「ああいや、突っ込みたいところは多いかもしれないけどな…あはは…」
サターニャ「ガヴリール~♪」
ラフィエル「え、ええ…それも勿論ありますけど…」
ラフィエル「すいません、ガヴちゃんの天使の輪を見せてもらえますか?」
ガヴリール「?」
ガヴリール「いいけど……」
ガヴリール「って…うわっ!?なんだこりゃ!?」
ヴィーネ「!?」
ラフィエル「やはり…」
ガヴリール「か、完全に真っ黒じゃんか!」
ヴィーネ「くすんでるとかいうレベルじゃないわね…」
ラフィエル「カヴちゃん…コレって完全に」
堕天
ラフィエル「してますね…」
ガヴリール「あ、ああ……」
ガヴリール(サターニャとヤッてついに堕落しきったってことか…?)
ガヴリール(一通りやりたいこと満喫したからったからって…!でも…)
ガヴリール(そうか…そ、そりゃ悪魔と初夜だなんて堕落も堕落すぎるよな…)
ガヴリール(これでもう天界に戻れなくなってしまったぁー…)
サターニャ「天界に帰れないならウチにくればいいのよ!」
ガヴリール「は?」
サターニャ「ふふふ!地獄の支配者たる私にとって妻一人くらいどうってことないのよ!」
ラフィエル「まあ…ガヴちゃんが妻…」
ヴィーネ「ど、同性同士で…は置いといて…それ以前に天使と悪魔…」
ヴィーネ「ぜ、前代未聞ね…」
ガヴリール「……」
ガヴリール「あ…あああああああああああ…」
ラフィエル「ガヴちゃん…?」
ヴィーネ「だ、大丈夫……?」
ガヴリール(し、正直、天界に帰れないと思うと心細さで崩れそうだった)
ガヴリール(でも……今、立っていられる、それは)
サターニャ「が、ガヴリール…?」
サターニャ「もしかして私と住むのは嫌…?」
サターニャ「い、いやまさかな!この私と暮らせるんだから嬉しすぎておかしくなったのね!」
サターニャ「なーはっはっはっ!!」
ガヴリール(サターニャのこういうとこが愛おしくてたまらないから…!)
ガヴリール「サターニャ!!」
サターニャ「うわっ!」
ガヴリール「大好きだ!愛してる!」
ぎゅううううううううううううううううううう
サターニャ「が、ガヴリール…」
サターニャ「私も…////」
ラフィエル「あらあら…」
ヴィーネ(あ、あのガヴから愛してるなんて…////)
ガヴリール「だから一生私を世話してくれ!」
ヴィーネ(最低ね…)
サターニャ「地獄には慣れた?」
ガヴリール「まあ、ぼちぼち…」
ガヴリール「卒業してからラフィやもう両親に会えないのは、ぶっちゃけめっちゃ寂しいけど…」
ガヴリール「此処だってヴィーネはいるし…」
ガヴリール「それにサターニャがいるからな…」
サターニャ「私の偉大さが身にしみたようね!」
ガヴリール「ああ、マジそう思う」
サターニャ「……」
サターニャ「ち、調子狂うわね、もう…」
ガヴリール(あの日、責任とるとか言っちゃったけど、これ逆にとられてるよな)
ガヴリール(せっかくだし、こういうときくらいカッコつけるか…)
ガヴリール「サターニャ」
サターニャ「?」
ガヴリール「愛してる」
ガヴリール「若気のいたりで堕天しちゃったけど、サターニャと一緒なら悔いはないよ」
サターニャ「~ッ////」
サターニャ「ほ、ほら!早くいくわよ!!」
ぎゅっ
ガヴリール「はいよ」
ガヴリール(手をもっと強く握り返してきた)
ガヴリール(ホントかわいいやつ)
ガヴリール「なんかムラムラする」
サターニャ「えっ」
ガヴリール「帰ったらするぞ」
サターニャ「…………ばか」
社会人となり、地獄へ帰ってきたヴィーネは今日もごく真面目に過ごしていた
朝の日課といえば出社前、コーヒー片手に新聞を読むこと
だがその日はらしくないミスを犯してしまった、飲んでいるコーヒーをむせて制服にこぼしてしまったのだ
替えの制服は洗濯中で、とても間に合わない
ああ今日は休んでしまおう、そうしよう、そう思った、そうしなければいけない
『悪魔と天使!前代未聞!まさかの入籍!!』
新聞の大きな見出しを眺めながら、月乃瀬=ヴィネット=エイプリルは深くため息をついた
終わり
急に浮かんできたSS
全年齢板なので濡れ場はダイジェスト
読んでくれてありがとう
ガヴサタ流行れ
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