飛鳥「アイドル」幸子「漢字検定!」 (24)

・アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。よろしくお願いします。

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幸子「色々と物騒じゃないですか!?」



―――人気アイドルたちが、漢字の書き取りテストに挑戦!



幸子「唐突に空海が出てきましたよ」



飛鳥「文字通り『ボンバー!!』というわけだね」



―――斜め上をいく解答の連発に、幸子と飛鳥も困惑!



???の答え『(轆轤)で陶芸を行う』

飛鳥「???はっ」

幸子「一体何者なんですか!?」



―――はたして、満点を取るアイドルは現れるのか!?



アイドル漢字検定、このあとすぐ!!

―――昨今、パソコンやスマートフォン、タブレットの普及により、漢字を書けない若者が増加しているという。


若者A「漢字?最近、手書きでノートをとったりすること自体が減ったので、たしかに書けなくなってるかもしれないですね」

若者B「あー、昔から苦手なんですよね……」


―――町で聞き取り調査を行っても、やはり漢字が苦手という若者は多数いるようだ。しかし、社会に出た時『漢字が苦手なので』の一言で済まされない場面は多々ある。
―――ならば、若者の代表とでもいうべき存在であり、まさに社会の一員として活躍しているアイドルたちは、どれだけ漢字が書けるのか?

―――この疑問を検証すべく、二人のアイドルが立ち上がった!

飛鳥「アイドル」

幸子「漢字検定―!!」


幸子「始まりましたアイドル漢字検定!司会を務めるのはカワイイボクこと輿水幸子と」

飛鳥「二宮飛鳥だよ。よろしく」

幸子「この番組は、漢字が書けない若者が増えていると言われる中で、アイドルたちはどれだけ漢字が書けるのかということを検証していく番組です!」

飛鳥「受験者は346プロ所属のアイドル達。既に採点も終わっていて、ボクと幸子がその結果を見ながら進行していくよ」

幸子「飛鳥さん、よろしくお願いします!」

飛鳥「こちらこそ。及ばずながら、色々とコメントさせてもらうつもりだよ」

幸子「ボクも、こういった番組で進行するのはあまり慣れていないので、飛鳥さんが来てくれてとても心強いです!」

飛鳥「フフッ。お世辞でも、そう言ってもらえると嬉しいものだね」

幸子「お世辞じゃないですよ!ところで、ボクと飛鳥さんも、皆さんと一緒に検定を受けたわけなんですが。皆さん、こちらがビックリするくらい真剣な様子で解答されてましたね」

飛鳥「それはそうだろう。みんな番組の趣旨を聞いたうえで解答している以上、妙な答えを書いたら、ボクたちにいじり倒されるのは自明の理だからね」

幸子「でも、こういう番組のお約束といいますか、飛鳥さんが言う所の妙な解答もいっぱいあったみたいですよ」

飛鳥「さて、どんな解答が飛び出すのか、乞うご期待といったところかな」

幸子「ええ!」



幸子「それでは早速、第一問から見ていきましょう!」

――― 問題 次の(  )内のカタカナを適切な漢字で書きなさい ―――


幸子「第一問はこちらです!」


・『期末テストの(サイテン)をする』


瑞樹の答え『期末テストの(採点)をする』〇

幸子「今回もそうですけど、テストって、何回受けてもドキドキしますよね」

飛鳥「テストの点だけで成績を決めるのはオトナの悪い所だと思うけど、現実的な話、ボクら位の年齢になれば将来にも関わってくることだからね」

幸子「あ、でもボクは、学校の成績は4か5しか取ったことないですよ!」フフーン!

飛鳥「10段階評価ででの話かい?」

幸子「何でですか!」


晶葉の答え『期末テストの(採点)をする』〇

泉の答え『期末テストの(採点)をする』〇

幸子「晶葉さん、泉さんも問題なく正解ですね。この2人なら当然とも言えますけど」

飛鳥「まあ、まだ1問目だしね」

幸子「そうですね。問題もそこまで難しくないですし、いきなりそんなにおかしい答えも出るわけ……」

裕子の答え『期末テストの(祭典)をする』×

幸子「!?」

飛鳥「!?」

幸子「いやいや!よく分かりませんけど嫌すぎますよ、その祭典!」

飛鳥「……金魚すくいや型抜きの屋台みたいな所で、みんな揃って黙々とテストに答えたりするのかな?」

幸子「見た目がシュールすぎますし、微塵も楽しくありません!!」

飛鳥(なるほど……これがさっき言った『妙な解答』ということか……)

幸子「じゃ、じゃあ、気を取り直して次の問題にいきますよ!」

・『マフラーで(ボウカン)対策をする』


文香の答え『マフラーで(防寒)対策をする』〇

飛鳥「冬になって、冷え込んできた時の必需品だね」

幸子「巻き方を工夫してかわいく見せるのも楽しいですよね!」

飛鳥「ふむ、ボクはあまり巻き方の種類を知らないな……」

幸子「じゃあ、今度教えてあげますよ!ボクは優しいうえにオシャレなので!」


乃々の答え『マフラーで(傍観)対策をする』×

幸子「……この解答は、どういうことでしょうか?」

飛鳥「マフラーで顔をぐるぐる巻きにすれば、通行人から顔を見られる機会が減る」

幸子「はあ」

飛鳥「だから自然と、アイドルばれして周囲からじろじろ見られるような事態も避けれる、という感じかな」

幸子「そんなことしてたら、却って目立つからじろじろ見られるような気がしますけど……」


拓海の答え『マフラーで(暴漢)対策をする』×

幸子「マフラーで!?」

飛鳥「すごい答えが来たね……」

幸子「マフラーってどうやっても武器にはならないと思うんですけど」

飛鳥「いざとなったら、暴漢の首でも締め上げるつもりなのかな……?」

幸子(そう言われると、普通に絵が浮かんでくるのが怖いですね……)

・『(ボウソウ)半島』


奈緒の答え『(房総)半島』〇

幸子「さすが千葉県出身ですね!」

飛鳥「このレベルなら、いくら地名でも常識だとは思うけどね」


優の答え『(房総)半島』〇

幸子「さすが千葉県出身ですね!」

飛鳥「千葉の人しか房総半島を漢字で書けない、みたいな言い方はやめないかい?」


菜々の答え『(房総)半島』〇

幸子「さすが千葉け」

飛鳥「それ以上いけない」


拓海の答え『(暴走)半島』×

飛鳥「ドキュメンタリー番組のタイトルみたいだね。『暴走半島』」

幸子「絶対に重い内容ですよね」

飛鳥「この国が今抱えている問題とは?なんて切り口で、政治家やジャーナリストが出てきたりするんだよ」

幸子「日本の今後を憂う、みたいな暗い内容になりそうです」

・『大きな(コウボウ)』


比奈の答え『大きな(工房)』〇

飛鳥「いわゆる『アトリエ』ってやつだね」

幸子「ものづくりをする人にとっては、自分の工房を持つなんて憧れでしょうね」

飛鳥「ボクもマンガを描く身だからね……いずれはそんなスペースが作れれば、嬉しいと思うよ」

幸子「やっぱり、そういうものなんですね」


芳乃の答え『大きな(弘法)』×

幸子「唐突に空海が出てきましたよ」

飛鳥「だけど、歴史的に大きな存在という意味では間違っていないだろう」

幸子「だからって、こんなところでいきなり出てくる名前でもない気がしますけど……ちなみにスタッフさん判定は×だそうです」

飛鳥「ちょっと気の毒な気がするな」


拓海の答え『大きな(攻防)』〇

幸子「拓海さんの答えは色々と物騒じゃないですか!?」

飛鳥「とはいえ、この答えは文脈的には通じてるわけで、×もつけられないけどね」

幸子「え?あ、本当だ。スタッフさんも〇付けてますね」

飛鳥「もちろん、こちらが想定していた答えからズレてることには変わらないけどね」

・『会社から(ショウシン)を言い渡される』


留美の答え『会社から(昇進)を言い渡される』〇

幸子「良かったですね!ひたむきに頑張った成果が認められたんですよ!」

飛鳥(実際には、要領の良さだとか、上司のご機嫌取りが上手いとか、もっと色んなものが絡んでくると思うけどね)

幸子「誰の事か分かりませんけど、昇進おめでとうございます!」

飛鳥「幸子、それただの問題文だからね?」


ほたるの答え『会社から(傷心)を言い渡される』×

飛鳥「仕事ぶりから、悩んだり落ち込んだりしてるのを見抜かれているとかかな」

幸子「上に立つ人は、意外と下の人たちの細かいところまで見てるって言いますもんね」

飛鳥「ま、ただ把握してる人と、そのうえでこちらを気遣ってくれる人じゃ、全然違うけどね」

幸子「そういうときに気遣ってくれる良い上司の方がいると、何かあってもきっと頑張れますよね」


茜の答え『会社から(焼身)を言い渡される』×

幸子「ブラックってレベルじゃないですよ!?」

飛鳥「文字通り『ボンバー!!』というわけだね」クスッ

幸子「笑いごとじゃないです!!」

飛鳥「ボクとしては、茜さんらしい良い解答だと思うけど」

幸子「ブラック企業だけに焼身で真っ黒って、そんなの許されるわけがないじゃないですか!」

・『幸子ちゃんへのプレゼントを(ホウソウ)する』


小梅の答え『幸子ちゃんへのプレゼントを(包装)する』〇

幸子「問題文と分かってても嬉しくなる文章ですね!」

飛鳥「中身が何かは大体予想できるけどね」

幸子「ボクは友達から貰えるものならどんなものでも嬉しいですよ!」フフーン!

飛鳥(今度小梅に「幸子が小梅おすすめのものすごく怖いDVDを見たがってたよ」と伝えておくかな)


仁奈の答え『幸子ちゃんへのプレゼントを(放送)する』×

飛鳥「幸子の誕生日を事務所のみんな揃ってスルー。落ち込んでるところに142'sの2人あたりがサプライズでプレゼントを渡して、その様子を生中継……ってところかな」

幸子「うわぁ……そんなことありえないですよ!って言い切れないのが怖い……」

飛鳥「今、そこで見てるプロデューサーが『その手が!』みたいな顔をしてたよ」

幸子「もう今聞いちゃってるんですから、それをされてもサプライズにも何にもなりませんよ!」


フレデリカの答え『幸子ちゃんへのプレゼントを(ほう!そう)する』×

幸子「『ほう!』って、ボクのプレゼントをどうするつもりなんですか!?」

飛鳥「そうするつもりなんだろうね」

幸子「答えにも何もなってないです!」

飛鳥「というか、漢字テストなのに、最早ひらがなでの解答だしね」

・『8番打者が(ホンルイダ)を放つ』


巴の答え『8番打者が(本塁打)を放つ』〇

幸子「何で8番……普通に4番じゃダメだったんですか?」←野球のルールある程度分かる人


奈緒の答え『8番打者が(本塁打)を放つ』〇

飛鳥「8番打者が本塁打を打っちゃいけないのかい?」←野球のルールあまり知らない人

幸子「いえ、いけないことはないですけど……」


友紀の答え『8番打者が(本るい打)を放つ』×

幸子「あっ」

飛鳥「あれ?たしか友紀さんの趣味って野球の」

幸子「次!次の問題にいきましょう!」

・『(コウソウ)ビル』


里奈の答え『(高層)ビル』〇

幸子「言うまでもないことですけど、高いビルの事ですね」

飛鳥「本当に言うまでもないことを言うね」

幸子「他にコメントしようがないじゃないですか!」

飛鳥「ちなみに2017年現在、日本で一番高い高層ビルは、大阪の『あべのハルカス』で300メートルだよ」

幸子「その情報は今必要なんでしょうか……?」


芳乃の答え『(高僧)ビル』×

幸子「誰ですか!?」

飛鳥「謎の外国人が出てきたね」

幸子「しかも『高僧』って、よく分かりませんけど多分凄い方ですよ」

飛鳥「まさか名字はゲ」

幸子「飛鳥さん!!」


巴の答え『(抗争)ビル』×

幸子「……えー、この答えについては色々と話しにくいので」

飛鳥「ノーコメントでお願いするよ」

幸子(拓海さんよりも物騒な解答の人がいた……)

・『毎日(アクセク)と働く』


真奈美の答え『毎日(   )と働く』×

幸子「急に問題が難しくなりすぎですよ!」

飛鳥「普段から漢字で書こうとは思わない言葉だしね」

幸子「ひらがなでしか読んだことも書いたこともありません!」


留美の答え『毎日(   )と働く』×

幸子「留美さんでも書けませんよ……」

飛鳥「これが書けるのは、漢検でも1級を取れるクラスの人物なんじゃないかな」 

幸子「そうですよね。こんな問題がまともに答えられるアイドルなんているわけ」


こずえの答え『毎日(齷齪)と働く』〇

幸子「!?」

飛鳥「!?」

・『祖母は、米寿を迎えても(カクシャク)としている』


あいの答え『祖母は、米寿を迎えても(   )としている』×

幸子「だから問題が!」

飛鳥「意地でも満点取らせまいとするスタッフさんの意図が見えるね。何故そこまでするのかは分からないけれど」

幸子「というか、『あくせく』もそうですけど、この字も漢字で書けるんですね。ボク、初めて知りましたよ」


夏美の答え『祖母は、米寿を迎えても(   )としている』×

幸子「いくら何でも……」

飛鳥「ああ、さすがに正解者は0なんじゃ」


こずえの答え『祖母は、米寿を迎えても(矍鑠)としている』〇

幸子「!?」

飛鳥「!?」

・『(ロクロ)で陶芸を行う』


晶葉の答え『(   )で陶芸を行う』×

飛鳥「もう何が起こるのか」


肇の答え『(   )で陶芸を行う』×

幸子「大体予想はついてますけど……」

飛鳥(陶芸を嗜んでいる肇さんが答えられていないが……)


こずえの答え『(轆轤)で陶芸を行う』〇

飛鳥「こずえはっ」

幸子「一体何者なんですか!?」

――― 全問終了 ―――



幸子「というわけで全問見てきましたが、満点がこずえさん、次点が3問ミスであいさん、真奈美さん、夏美さん、留美さん、瑞樹さん、文香さんという結果になりました!」

飛鳥「こずえが異常に出来ているだけで、3ミスでも普通にすごいと思うよ」

幸子「というか、こずえさんって本当に何者なんですか……?」

飛鳥「『齷齪』も『矍鑠』も『轆轤』も漢字で書ける人なんて、アイドルとか関係なく中々いないと思うんだが」

幸子「ちなみに、ボクと飛鳥さんは4問ミスだったそうです。おかしいですね、あの3問以外でどこを間違えたんでしょうか……?」

(幸子のミス……『(ボウソウ)半島』→『(防草)半島』)

飛鳥「まあ、しょうがないさ。みんなだってそれなりに間違えているんだし、そこまで気にすることもないだろう」

(飛鳥のミス……『大きな(コウボウ)』→『大きな(興亡)』)

幸子「……そうですね!それにしても、皆さん、問題文の『適切な』という所に引っかかって×になってますけど、漢字自体は書けてるんですよね」

飛鳥「ああ。最後の3問以外はみんな空欄の解答も殆どなかったらしいし、漢字自体が間違っているというミスも特になかったようだよ」

幸子(適切な漢字を使えていないのが致命的なミスですけど)

飛鳥(適切な漢字を使えていないのが致命的なミスだけどね)

幸子「じゃ、じゃあ、今回の結論としては『346プロのアイドルは、ちょっと適切じゃない漢字の使い方をしてしまうこともあるけど、基本的には漢字を書ける』ということで!」

飛鳥「良いんだか悪いんだか、よく分からない結論だけど……まあ、まったく書けないというよりは、何倍も格好がつくだろう」




幸子「というわけで、そろそろお時間となりました!」

飛鳥「また次回があれば、見てくれると嬉しいよ」

幸子「アイドル漢字検定、今回はここまでです!さようなら!」

おまけ ―本編カットネタ集―



・『アイドルの(シンカ)が問われる場面』


卯月の答え『アイドルの(真価)が問われる場面』〇

幸子「アイドルの真価が問われる場面ですか……それならやっぱり」

飛鳥「ライブかな」

幸子「バラエティですね!」

飛鳥・幸子「えっ」


ありすの答え『アイドルの(進化)が問われる場面』×

飛鳥「ありす=イーブイ説」

幸子「何ですかその謎の説は……」

飛鳥「アイドルとして、彼女には無限の可能性が秘められているということさ」

幸子「はあ。よく分かりませんけど……」

・『お正月に向けて(サイセン)の用意をする』


こずえの答え『お正月に向けて(賽銭)の用意をする』〇

幸子「これ結構正解率の低い問題だったらしいんですけど、こずえさんはさすがですねえ」

飛鳥「ボクらも、もうこの程度じゃ動じなくなってきているね」


拓海の答え『お正月に向けて(再戦)の用意をする』×

幸子「そしてこちらもお馴染み、拓海さんの物騒な解答シリーズ」

飛鳥「お正月早々、拓海さんは誰と戦うつもりなんだろうね?」

幸子「しかも『再戦』ですからね」

飛鳥「一度の勝負では決着がつかなかったのかな」

・『(カンパイ)した後の一杯が染み渡る』


楓の答え『(乾杯)した後の一杯が染み渡る』〇

幸子「何か……楓さんのこの解答って」

飛鳥「すごく実感がこもって見えるのは、気のせいかな」

幸子「幸せそうにコップを空けている楓さんの姿が目に浮かびますね」


拓海の答え『(完敗)した後の一杯が染み渡る』×

幸子「結局負けちゃってるじゃないですか!」

飛鳥「やけ酒……いや、未成年だから、やけジュースなのかな?」

幸子「どっちにしても体に良くないからやめてください!」

以上になります。
幸子と飛鳥のコンビは良いですね。書いていてすごく楽しむことができました。
お読み頂いた方、ありがとうございました。

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