亜美「あ……亜美と真美で、恋ダンス踊ってて」

真美「夫婦を超えてゆけ、って向かい合ってポーズとるとこあるでしょ」

亜美「あれにいおりんが挟まれて……」

P「伊織……っ」

千早「どうして水瀬さんがそこにいたの？」

亜美「わかんないよぉ」

P「とりあえず、伊織は仮眠室に運んでおいた」

真美「ありがとう……兄ちゃん」

P「まあ、そんなに落ち込むな。よくあることだよ」

千早「ええ。幸い、少し気を失っているだけだから」

亜美「でも、でも……っ」

P「なあ、亜美。真美」

真美「え……」

P「俺に見せてくれよ、恋ダンス」

千早「私も見たいわ」

亜美「な、なっ、何言ってんの！？ 踊れるわけないじゃん！」

真美「こんな気持ちじゃ、夫婦を超えられないっしょ……」

千早「大丈夫」

亜美「……千早お姉ちゃん」

千早「私が歌うわ。ふたりは堂々と踊ってくれれば、それでいい」

真美「ちっ、千早お姉ちゃんが……恋を……！」

亜美「亜美たち、そんな資格ないのに……」

P「さあ、見せてくれ」

亜美「……そう、だよね。みんなが待っててくれるんだもん」

真美「やるっきゃないよ！ 亜美！」

亜美「そうだよね！ 真美！」

♪～

ﾃｰﾚﾃﾚﾚﾚ ﾃｰﾚﾃﾚﾚﾚ

千早「物心ついたらふと～見上げて思うことが～」

亜美「いい感じだね！」

真美「うんっ」

千早「この世に～いーるっ、誰も」

ｶﾞﾁｬ

春香「おっはようございまーす」

千早「ふ・た・り～から～」

P「春香、危ないっ！」

春香「えっ！？」

ﾊﾞｯ! ﾊﾞｯ! ﾊﾞｯ! ﾊﾞﾊﾞｯ!

亜美「はるるん！ 避けて！」

春香「きゃ、きゃあああっ！」

P「大丈夫か！？」

春香「な、なんとか……転んで命拾いしました」

P「実は伊織が恋ダンスに巻き込まれて、いまも目覚めていないんだ」

春香「いっ、伊織が！？ 大丈夫なんですか！？」

P「幸い、どこも怪我していなかったよ」

千早「指のまざり～頬の香り～」

――

春香「……それで、プロデューサーさんと千早ちゃんの許可を得て、恋ダンスを踊ってたんだね」

亜美「うん」

真美「ごめんなさい……」

春香「ふたりは悪くないよ。千早ちゃん、プロデューサーさん。ちゃんと見てなきゃダメですよ」

P「すまん」

千早「ごめんなさい」

春香「恋ダンス、踊りたくなる気持ちは分かりますけど……」

千早「……つい、恋せずにいられなくなって」

春香「伊織。い・お・り」ﾄﾝﾄﾝ

伊織「……？ ん、はる……」

春香「大丈夫だった？ 恋ダンスに巻き込まれて、倒れたって」

伊織「あ……ええ。平気よ」

亜美「いおりん！ よかったぁ！」

真美「うわああああん！ ごめんね！ ごめんなさい！」

伊織「ちょ、ちょっと！ 別に大したことないわよ！」

亜美「うっ……ぐすっ……もう、二人を超えないから許して……」

伊織「別に、超えていいわよ……私の不注意なんだから」

P「伊織。俺の監督不行き届きだ。悪かった」

伊織「だから、別にいいってば」

千早「水瀬さん」

伊織「え？ 何？」

千早「今度は私たちで、夫婦を超えてみない？」

伊織「は、はあっ？ アンタ何言ってるの？」

春香「もしかして千早ちゃん、伊織と恋ダンスしたいんだ？」

千早「春香とも踊ってみたいの」

春香「私？」

千早「亜美と真美、春香、水瀬さん、私……ちょうど五人いるわ」

真美「千早お姉ちゃん……」

千早「見ていてくれますか、プロデューサー」

P「もちろんだ……千早が率先してダンスを踊ろうとしてくれるなんて、嬉しいよ」

春香「えへへ。千早ちゃん、一緒に踊ろう！」

伊織「しょうがないわね！ 宇宙一恋ダンスを可愛く踊れる伊織ちゃんに任せなさい！」

亜美「あ、亜美もやる！」

真美「真美もやるよ！」

千早「みんな！ やりましょう！」

♪～

ﾃｰﾚﾃﾚﾚﾚ ﾃｰﾚﾃﾚﾚﾚ

千早「ひーとなみの」

ｶﾞﾁｬ

響「はいさーい」

P「響！ 危ないっ！」

響「うぇ！？」

亜美「ひ、ひびきんが恋ダンスに巻き込まれて死んじゃった……」

fin