やよい「今年もサンタさん来ますよね!」 (42)

やよい「うっうー!楽しみですー!」

千早「ふふっ、そうね」

伊織「もうそんな時期?ついこの間美希の誕生日やったとこじゃない」

響「最近はクリスマスの仕事でいっぱいだったからなー!」

伊織「ま、私は普段から仕事でスケジュールはいっぱいだけどね!」

響「でも!自分達も仕事増えてきてるんだぞ!」

千早「ええ、おかげで今日みたいに水瀬さんと仕事ができる機会が増えて…嬉しいわね」

響「自分も楽しかったさー!ねーねー、伊織も楽しかったでしょ?」

伊織「なっ…なによアンタ達!始終足引っ張ってたくせに!」

やよい「うっ…ごめんね伊織ちゃん」

伊織「やよいに言ってるんじゃないわよ!?このバカ達に言い聞かせてるの!」

千早「高槻さんをいじめてはダメよ」

響「うわ伊織サイテーだぞ」

伊織「うるさいわよ!」

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やよい「あ、そうだ伊織ちゃん。このあと予定あるかな?」

伊織「どうしたの?」

やよい「クリスマス会の準備をしようと思って…手伝ってもらってもいいかな?」

伊織「別に構わな千早「手伝うわ!」

伊織「はあ?アンタは誘われてないでしょ!」

千早「水瀬さんは黙ってて」

千早「高槻さん、私も手伝ってはいけないかしら?」

やよい「そんなことないですよ!みんなでやった方がきっと楽しいですし!」

響「じゃあ自分も!」

やよい「はい!」

伊織「ちっ」

響「クリスマス会かあ…去年はなにしたんだっけ?」

千早「去年は四条さんの捨て身のギャグ『自分がプレゼント』を萩原さんが本気にして大変だったわね」

響「そうそう!それで真が僕と貴音どっちが大事なのさ!とか言っちゃって!」

伊織「雪歩が頭パンクして失神ちゃったのよね」

千早「無理もないわね、だって萩原さんは私と相思相愛…」

響「寝言は寝て言えゾ」

やよい「そしてその後にサンタさんが助けにきたんでしたよね!」

千早「そうだったわね」

やよい「今年もサンタさん来ますよね!」

伊織「まああいつのことだから今年もやるんじゃないの?」

やよい「あいつ?」

やよい「伊織ちゃん!サンタさんにそんなこと言ったらダメだよ」

伊織「いや、サンタというかプロデュ…」

伊織「…?」

伊織(もしかしてやよい…まだサンタのことを信じてるのかしら…)

伊織(そんなわけないわよね…だってあんな変装じゃ誰も騙せるわけないし…)

伊織(でも…)

やよい「みんなでサンタさんにお手紙書きましょう!」

千早「お手紙?」

やよい「はい!プロデューサーがくれたんです!これに欲しいものを書きましょう!」

響「へー、結構凝ってるなー」

伊織(信じてるのかも…)

伊織「ねえ、やよい」

やよい「?どうしたの?」

伊織「あんたの言ってるサンタってね、実は…」

響「!」ガバッ

伊織「もごっ!?」

やよい「響さん…?どうして伊織ちゃんの口を塞いでるんですか?」

響「アハハ…なんでもないぞー!気にせずにサンタさんへの手紙の続きを書くといいさー」

響「伊織!ちょっと向こうで話があるぞ」コソコソ

伊織「もごもご!」

伊織「なにすんのよ!」

響「なにすんのよじゃないぞー、危ないところだったんだから」

伊織「はあ?危ないところ?」

響「そうだぞ!もうちょっとでやよいにサンタさんの正体を教えるところだったんだから」

伊織「なによ…そんなこと気にしてるの?」

響「そんなことって…やよいの夢を壊すことになっちゃうぞ!」

伊織「別に壊れないでしょ…」

伊織「本物のサンタはプロデューサーじゃないって言ったくらいで」

響「…本物の?」

千早「高槻さんはサンタさんになにをお願いするの?」

やよい「私ですか?私はこれからも事務所のみんなが仲良くできますようにってお願いします!」

千早「ふふっ、高槻さんったら…でも七夕ではないのだから自分の欲しいものを頼まないと」

やよい「はわっ!そうでした!」

やよい「それじゃあ…千早さんはなにをお願いするんですか?」

千早「私はもっと歌の仕事を持ってきてもらうようにお願いするわ」

やよい「お仕事ですかぁ…凄いですね!」

千早「そっ、そうかしら///」

やよい「はい!尊敬しちゃいます!」

やよい「ところで…響さん達どうしたんでしょう?」

千早「さあ…?気になるのだったら見てくるわ」

やよい「えっ?いいですよそんな」

千早「いいのよ、じゃあ見てくるわ」

やよい「そうですか?じゃあお願いします!」

<ワーワー

千早「やけに騒がしいわね」

千早「2人とも、高槻さんが心配してるわよ」ガチャ

響「千早!聞いてよ!伊織ったら傑作だぞ!」

伊織「千早!アンタも言ってやりなさいよ!響が間違ってるって!」

千早「?」

千早「一体なにがあったの?」

響「それが傑作なんだぞ!伊織ったらこの歳でまだサンタのことを信じてるんだぞ!」

響「自分なんて小学校の頃にはもういないことくらい知ってたさー!」

千早「そ、そう…」

千早「水瀬さん…これはどういう…」

伊織「ホント訳わからないわよね千早!響ったらサンタはいないなんて言ってるのよ!?こんな馬鹿な話あったもんじゃないわ!」

千早「そうね…おかしな話だわ」

響「ええっ!?もしかして千早もサンタがいると思ってるのか!?」

伊織「ホラ見なさい!アンタが間違ってんのよ!」

千早「いるもなにも…サンタはプロデューサーでしょう?」

いおひび「「?」」

響「はあ…そういう意味じゃないぞ…」

伊織「確かにアイツはクリスマスにサンタの格好してくるけど…そっちじゃなくて本物の方の話よ」

千早「…本物の方…?」

千早「2人ともなにを言ってるの?」

伊織「わからないわね…だからアイツじゃなくてプレゼントを配る方のサンタよ!」

千早「プレゼントを配る方???」

千早「待ってちょうだい、サンタってクリスマスに全身赤い服を着た人の総称でしょう?」

千早「だから本物もなにもないんじゃないかしら」

いおひび「「???」」

伊織「もしかしてアンタ…」

響「サンタさん知らないのか!?」

千早「?」

千早「だから知ってるわよ?赤い服の人でしょう?」

響「いやそうなんだけど!赤い服でプレゼントを配るタイプのサンタだぞ!」

伊織「煙突から入ってくるあのおじいさんよ!」

千早「…!」

響「ピンときたか?」

千早「全く知らないわ…」

伊織「そんな…」

響「まさか千早がサンタさんのこと知らないなんてなー」

伊織「そんな人がいるなんて世界は広いわね」

千早「そんな知ってて当然のことなのかしら?」

伊織「まあ普通は知ってるわよね」

響「そりゃあだって子ども時代の楽しみの1つだもんね!千早の子ども時代…はっ!」

千早「子ども時代…そうね、私の子供時代は少しごたごたしてたから…」ズーン

伊織「バカ!なに地雷踏んでんのよ!」コソコソ

響「つ、ついうっかり…」コソコソ

響「とにかく!サンタっていうのは赤い服を着てるおじいさんで、クリスマスの深夜にプレゼントを配るんだぞ!」

千早「プレゼントを配るの?どうして?」

響「子供達を喜ばせるためだぞ」

千早「誰に配るの?」

響「いろんな人にだぞ」

千早「いろんな人といっても…選択基準はなんなのかしら」

響「良い子にあげるんだぞ」

千早「良い子って…そんなアバウトだとサンタさんが混乱してしまうわ。そもそも良い子が何人いると思ってるのよ」

響「全員に配るんだぞ」

千早「全員に!?」

千早「そんな魔法みたいな話あるわけないじゃない」

響「でも本当なんだぞ!」

響「伊織も言ってやってくれ!」

伊織「そうね…信じられないかもしれないけど…事実よ」

響「サンタは全ての良い子にその子が欲しがっているものをくれるんだぞ」

千早「ほっ…欲しがっているものを…?」

響「やよいがさっきサンタに手紙を書いてただろ?あれはサンタに欲しいものをお願いしてるんだぞ」

千早「プロデューサーへの要求の手紙じゃなかったのね…」

千早「でもまだ信じられないわ…まさかそんな話…」

響「いい加減信じてよー!」

千早「おじいさんが欲しいものを用意してくれるのよね」

響「えっ?た、多分そうだぞ…」

千早「物じゃなくてもいいのかしら?」

響「千早…さすがにサンタさんにも肉体改造はできないぞ…」

伊織「そうよ、アンタはスレンダーでスタイルがいい。それでいいじゃない」

千早「まだなにも言ってないわ!」

千早「そのプレゼントってどうやって渡すのかしら?やっぱり宅配便で送るの?」

響「夢がなさすぎるぞ…」

伊織「あのね千早、サンタは宅配便なんて使わずにプレゼントを渡しに来るのよ」

千早「渡しに来るの?わざわざ深夜に?誰も起きてなかったらどうするの?」

響「逆に起きてたらダメなんだぞ!バレないように入って来てこっそりプレゼント置いて帰るんだぞ!」

千早「こっそり入って来るの!!?」

響「そう!煙突から入って来るさー!」

千早「私の家には煙突がないから大丈夫だけど…もしかすると…」

伊織「?」

千早「高槻さんが危ないわ!!!高槻さんは私が守る!!!」ダダダダ

響「あっ!?」

伊織「待ちなさい!アンタが一番危ないわよ!!!」ガシッ

千早「でも…」

響「サンタさんは良い人だから変なことしないぞ!千早は失礼だな!」

千早「信用出来ないわ…」

千早「はっ!もしかして『恋人がサンタクロース』のサンタが遠い街へ連れて行ったきりってそう言う意味だったの!?」

千早「老人如きに高槻さん…渡してなるものか…!!!」

響「違う!違わないけど違うぞ!」

千早「でも無謀だわ…おじいさん1人にプレゼントを配るなんてそんなことができるわけがないじゃない!」

響「そんなこと言ったってできるんだぞ」

伊織「そうよ、サンタは乗り物に乗って配るから1人でも配れるの」

千早「乗り物…なるほど。ジェット機かなにかかしら…それでも不可能だと思うけど…」

響「アハハ!サンタはジェット機なんか乗らないぞー!なっ、伊織」

伊織「はあ?サンタと言えばジェット機でしょ?」

響「は?」

響「な、なにいってるんだ…伊織」

伊織「だからサンタはジェット機に乗ってくるっていってんのよ」

伊織「常識じゃない?」

千早「やっぱり速い乗り物に乗っているのね」

響「そんなわけ…はっ!」

響(そういえば伊織はサンタを信じてるんだったぞ…)

響「もしかしてだけど伊織…そのサンタって伊織の家に来るサンタのこと?」

伊織「当然よ」

響「やっぱり…」

響「伊織…怒らずに聞いてほしいんだけど…それ多分伊織のお父さんが仕組んでる大掛かりな嘘だぞ」

伊織「はあ?なに言ってんの?」

響「サンタはジェット機なんて乗らないぞ…サンタはトナカイが引くソリに乗ってやってくるんだぞ!」

伊織「そんなわけないじゃない」

響「伊織の目は節穴だぞ!このイラストも、あのポスターも!どのサンタもジェット機なんて乗ってないぞ!」

伊織「た…確かに…」

伊織「で、でも!私が欲しかったものはお父様に伝えてないのに全部もらったわ!」

響「お父さんに伝えてなくてもお付きの人とかが調査してたんじゃないか?」

伊織「うっ…でも誰にも言ってないわよ!?」

響「本当に誰にも言ってないのか?」

伊織「…やよいと…あと亜美と雪歩には言ったかも…」

響「じゃあきっとその時バレたんだぞ」

伊織「そんな…じゃあサンタは…」

響「伊織は大人の冗談に踊らされてたんだぞ」

千早「ちょっと待ってちょうだい!」

響「どうしたんだ?」

千早「あのポスターのサンタはソリに乗っているけど…今の日本をソリで移動するなんて不可能だわ!」

千早「それに…トナカイが空を飛んでいるのも!」

伊織「ねえ響、トナカイって空飛ぶの?」

響「飛ぶわけないぞ」

千早「じゃあ一体あれはどういうことなの?」

響「あれはただのサンタのイメージだぞ!本当はサンタなんていないさー!」

千早「は?」

千早「今までのサンタの話は全部作り話なの?」

響「そうだぞ!」

千早「待ってちょうだい…じゃあ我那覇さんは今長々と嘘の話をしていたと言うこと?」

千早「どうしてそんな嘘をついたの?そんなことして私を騙して楽しいかしら?」ガシッ

響「えっ?違うぞ!騙してたんじゃなくて…あくまでサンタの説明をしてただけで…」

千早「サンタを知らない私がそんなに滑稽だったかしら?」

響「あのっ…そういうこととちがうくて…その…ねえ、伊織助けて…」グスッ

伊織「なにやってんのよ千早…落ち着きなさいよ」

千早「やかましい!」

伊織「ひっ!私の手に負えないわ…」

響「そんな…」

やよい「千早さん…なんで怒ってるんですか?」

ちはいおひび「「「!!!」」」

千早「高槻さん!どうしたの?」アセアセ

やよい「伊織ちゃん達がいつまでたっても戻ってこないから…千早さんも行っちゃいましたし…」

やよい「って、はわっ!響さんどうして泣いてるんですか!?」

響「やよいー!怖かったぞー!」ポロポロ

やよい「大丈夫ですか?」

やよい「千早さん、理由はわかりませんけど…泣かせるのはやりすぎですよ!響さんに謝ってください」

千早「そうね…ついカッとなってしまったわ…ごめんなさい」

やよい「響さん」

響「うん…自分ももうちょっと誤解しないように言えばよかったぞ…ごめんね」

伊織「はあ…アンタ達ったら世話がやけるわね」

やよい「でもこれで仲直りですよ!もう喧嘩しちゃダメですからね!」

やよい「さあ戻ってクリスマス会の準備に取り掛かりましょー!」タッタッタッ

千早「…我那覇さん、やっぱり私サンタはいると思うわ」

響「えっ?」

千早「私達に笑顔をプレゼントしてくれる…大切な存在!そう!高槻さんこそ本当のサンタだったのよ!」

響「…そうだね!」

伊織「…アンタもたまにはいいこと言うじゃない!」

千早「さ、高槻さんが待ってるわ!行きましょう!」

いおひび「「うん!」」

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小鳥「こうして少女達はお互いの友情を再度確かめ、更に強く結束したのでした…めでたしめでたし」

律子「今日1日パソコンの前に座っててできたのがその紙芝居ですか?」

小鳥「ピペペ…そうなのよ!最初は真面目にやってたんだけどやよいちゃん達がこんなことを始めるんだからつい力が入っちゃって!」ピヨピヨ

律子「小鳥さん」ニコッ

小鳥「はい?」

律子「正座!!!残業!!!今日は帰れないと思ってくださいね!!!」

小鳥「そっ…そんな!だって私はこの後プロデューサーさんとお食事の予定が…」

律子「その件は大丈夫です。私が代わりに行ってきますから」

小鳥「なるほど…って!そんなの許されるわけピヨーッ!!!」ガバッ

律子「冗談ですよ」バキッ

小鳥「痛い…」バタッ

律子「とにかく!さっさと仕事終わらせないと本当に私が代わりに行きますからね!」

小鳥「そんな…サンタさーん!やよいちゃーん!誰でもいいから私を助けてーっ!!!」



おわりピヨ

というわけでおしまい
クリスマスイブ…雪歩の誕生日…でも雪歩の誕生日SSが間に合わなかった…非力な私を許してくれ

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