小林オペラ「復活の小林オペラ……!?そんな噂は流させない!!」 (58)

※ゲーム版、 Alternative準拠。キャラ崩壊注意

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1484747585

-ホームズ探偵学院-

小林「ここも、久しぶりだな……」

小林(……)

小林(前に彼女たちにあったのは……ロンドンに来て以来だから……半年ぶりかな……)

小林「ここも、変わらないな……」

小林(……そして、僕自身も……)

小林(この場所は……)

小林(そうそう、ここで彼女が「降って」きたんだ)

?『た、助けてくれてありが……』

?『シャロを離しなさーい!』

小林『ぐ、ぐえ!!』

?『あーらら』

?『あの、その人は……』

小林(……懐かしいなぁ)

フラフラ

小林(……ん?)

小林(どうしたんだ?あの人、何だか危うげな足取りだぞ……)

グラ…

小林「っと、君!大丈夫かい?」ガシ

?「え、ええ、すみませ…!?」

?「!!!あ、あなたは……」

アンリエット「こ、小林さん!?」

小林「アンリエットさん!?」

小林(どうしたんだろう、彼女は?)

小林(昔見た彼女は、この学院の生徒会長として、凛として、余裕のある表情を浮かべていたはずだけど……)

アンリエット「……ほ、本物……?」

小林「アンリエットさん?何だか、お疲れのようですが……」

アンリエット「……えぇ、それはもう……」

小林(顔はやつれて、目の下には大きなクマ、明らかに疲労している、まるで別人だ)

小林「一体どうしてそこまで……」

アンリエット「……ふ、ふふふふふ、あなたのせいじゃないですかぁ、小林オペラさん?」

小林「え!?」

アンリエット「……とにかく、見てもらった方が早いでしょう、一緒に来てください」ガシ

小林「ちょ、アンリエットさん!?」

アンリエット「今の彼女たちを見てもらえばわかりますわ……」カツカツ

小林(彼女たち……?まさか!)


-ミルキィホームズ事務所-

バアン!

エリー「ひぃ!!」

アンリエット「あら、エルキュールだけですか?」

エリー「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!」

小林「あ、アンリエットさん!?どうしてそんなに慌てて……」

エリー「!!」



エリー「こ、小林……さん?」

小林「え、エルキュール!?」

小林(そこにいた彼女は、ボロの服を着て、地べたに這い、雑巾がけをしていた……)

小林(まるで、おとぎ話に出てくる灰かぶり姫のように……)

小林「え、エルキュール!!?一体、どうしたんだい、その恰好は」

エリー「あ、あう……その……」ジワ

エリー「あの……」ジワァ

エリー「うぅうぅぅぅぅ……」ポロポロ

小林「え、エルキュール……」

小林(僕の顔を見たとたん、涙を浮かべて、呻き始めるエルキュール)

小林(アンリエットさんの方へと顔を向けると、彼女は目を伏せて何も語ってはくれなかった)


小林「エルキュール、泣かないで……どうしたんだい?辛いことがあったのかい?」

小林(そっと、彼女に近づき、ポケットに入っていたハンカチを差し出すと、彼女は一層、顔を歪めた)

エリー「小林さん!!!うわあああああ……」ギュッ

小林「うわ、と……大丈夫、大丈夫だよ……」ギュ

数分後…

小林「落ち着いたかい?」

エリー「は、はい……ごめんなさい、私、こんな汚いのに……」

小林「気にしなくていいさ。それに、エルキュールは汚くなんかないよ」

エリー「っ!!あうぅぅ」ジワァ

小林「ちょ!?困ったな…………」

エリー「ぐす………あ、あの」

小林「うん?」

エリー「お、おかえりなさい、小林さん…」

小林「!……ただいま、エルキュール」

エリー「っ……はい」

アンリエット「こほん!」

小林・エリー「!!」ッバ

アンリエット「あの~感動の再会に水を差して申し訳ないのですが……他のミルキィホームズたちはどこへ?」

エリー「は、はい、あの、それが……私にも分からなくて……」

アンリエット「はぁ……そうですか、まぁ、でもお腹がすいたら帰ってくるでしょうし……」

小林「あの、アンリエットさん?先ほどから事情が飲み込めないのですが……」

アンリエット「ふふ、名探偵小林オペラともあろうお方が鈍ってしまいましたか?」

小林「い、いえ、僕は名探偵なんかじゃ……」

小林(そう……結局、トイズも取り戻せなかった僕には……)

小林(探偵を名乗る資格も、それどころか、彼女たちと会う資格なんて……)

アンリエット「小林さん?あまり自分を卑下してはいけませんよ?それに、今の彼女たちには間違いなくあなたが必要です」

小林「僕が?」

アンリエット「はい、彼女たちは今……昔のあなたと同じで……」


アンリエット「トイズを失っていますから」

小林「な、なんだって!!?彼女たちがトイズを!?」

エルキュール「……」

アンリエット「はい。聞いていませんでしたか?」

小林「……」

エルキュール「……うぅ……」

アンリエット「彼女たちはある事件を境に、トイズの力を失ってしまいました。」

アンリエット「それなりに高額の依頼を受けていた彼女たちはそのあともことごとく事件を解決できず、手柄はすべて警察、G4のものに……」

エルキュール「あぁぁ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」

アンリエット「はぁ、今更気にしていても仕方がありません。私自身、あなたたちの力を過信しすぎていたのですから。」

小林(……僕のいない間に、彼女たちがそんな……)

アンリエット「このままでは探偵学院の信用は失墜し、経営を維持できなくなってしまいますわ」

小林「なるほど、それでIDOを通して僕を呼んだ……そういうことですね」

アンリエット「ええ、そうです。もう一度、彼女たちの指揮を担当してください」ニッコリ

アンリエット「復活のミルキィホームズ、小林さん、あなたになら……」

エリー「こ、小林さん……」

小林(……)

小林「僕には……無理だ」

エリー「っっ!!?」

アンリエット「……無理?」

小林「どうして今更僕なんです?指揮官にふさわしい探偵ならほかにいくらでも……」


きゃあああああ!!!


小林・エリー「!!」

アンリエット「今の叫び声……」

小林「下だ!!急げ!!!!」

エリー「は、はい!はい!!」タタタ


アンリエット「……ふぅ……探偵あるところに事件あり、というわけですか」

アンリエット「やはり、あなたしか……」

小林「確か、このあたりから……」

?「ちょっと、コーデリア!!もっと踏ん張って!!」

?「こ、これでも精いっぱい!!」

?「あ、あわわわわ」

小林(な!?あれはまさか!!?)

?「「「え!?あ」」」

シャロ「きゃああぁああ!!助けて!!!せんせええええ!!」

小林「!!危ない!!」バッ

ドサ

シャロ「……」

シャロ「……?」パチ

小林「……大丈夫かい?シャーロック」

シャロ「せ、先生!!?」

小林「ケガはないかい?どこか、擦りむいたり……」

シャロ「…………」

小林「……シャーロック?」

シャロ「ーーっっ!!」

シャロ「せんせーー!!」ガバ

小林「うわ!」

シャロ「先生……」ヒシ

小林「えっと……」

小林(シャーロックの手には……写真?……強く握りしめているから何の写真家はわからないけど、もしかして、それを取ろうとして……?)

小林「とりあえず、降ろすよ」

シャロ「あ、はい!ありがとうございます!」

小林「どういた「きょうかああああん!」うっ!」ドン!!!

コーデリア「あああ、教官教官きょうかあああん!!」ギュウウ

コーデリア「私!ずっと待ってました!雨の日も風の日も!教官のことをずっと想って……って、私何を…」ギュウ

小林「か、コー…デリア…」

コーデリア「!!!きょ、教官が私の名前を…!!//」ミシミシ

小林「…っぐえええ!!」

シャロ「コーデリアさん!絞まってます!絞まってますから!!」

コーデリア「え!?……きゃああ!教官しっかりして!!」

エリー「はぁ、はぁ……小林さん……とっても……はやい……」ハァハァ

ネロ「コーデリアも、小林を見つけたとたん、すごいスピードで飛び出しちゃって……」ハァハァ

ネロ「……まぁ、気持ちはわかるけどね。へへ…」

小林「」

エリー「あの、小林……さん?」

コーデリア「きょ、教官?」

ネロ「小林?」

シャロ「っ!!?だ、ダメです!!せ、先生が……息をしてません!」

コーデリア「えぇ!?」

シャロ「うわーーん!!先生が、死んじゃったー!!」

エリー「そ、そんな」ウルウル

コーデリア「わ、私のせいだわ……私のせいでこ、こんな……ぐす」

ネロ「落ち着いてよみんな。こういう時は…」

シャロ「こういう時は…?」

ネロ「じ、人工呼吸…とか」

シャロ・エリー・コーデリア「「「…………!!?」」」

シャロ「あ、あたし!頑張ります!!」

ネロ「ちょ、ちょーっとまちなよ。何もシャロがやることないよ」

シャロ「で、でも!あたしを受け止めたせいでこんなことに……」

ネロ「言い出しっぺは僕でしょ。ほら、僕はさっきレモンのチュッパチャップス舐めてたし、キスもレモン味になるかも……」

シャロ「先生も美味しいってことですね!?って、なんでですかー!」

エリー「き、キスなんて……それに、何回も///」プシュー



コーデリア「みんないい加減にして!!!」



3人「「「!?」」」

コーデリア「教官の命が…危うい時なのよ!こんな時にみんなで言い争ってどうするの!!」

ネロ「そ、それは」

シャロ「は、はい、そうでした……」

エリー「……」シュン

コーデリア「こういう時こそ冷静に状況を分析する……教官なら、きっとそういうわ!」

コーデリア「シャロはこのことを生徒会長に知らせて!ネロは救急車を!エリーは学院からAEDを!!」

エリー「は、はい……!!」

ネロ「うん!コーデリアは?」

コーデリア「私?私は……」

シャロ「?」

コーデリア「きょ、教官がこんな様子だし……」

ネロ「んん?」

コーデリア「教官とじ、じじじじじじじ、人口呼吸をします!!」

3人「「「えええ!?」」」

コーデリア「責任はとります!け、結婚も辞さないわ」

エリー「ぇぇぇ……」

ネロ「そ、そういう問題じゃないでしょ!?」

小林「けほけほ……?」

シャロ「あ!!先生が目を覚ましました」

ネロ「小林……大丈夫?」

小林「キミ達……ど、どうしたんだい?そんなにまじまじと……」

コーデリア「きょ、教官?あの、お体の方は……?」

小林「体…?さっき僕はシャーロックを受け止めて……えっと?」

シャロ「生きててよかったよー!せんせー!」ガバ

コーデリア「教官!」ガバ

小林「わっと、二人とも……」

ネロ「やれやれ、人騒がせだなー相変わらず」

エリー「小林さん、よかった……本当に……」

小林「ところで……その、君たちはどうして揃ってそんな服を着ているんだい?」

コーデリア「え?……きゃあ!!そ、そうだったわ!私、こんな格好で教官に…」

小林(エルキュールだけでなく、みんなあのボロのつぎはぎの服を着ている……)

シャロ「これには、実は海より深く、山より高い事情が……」

ネロ「小林、僕たちのトイズが使えなくなった、ってのは聞いた?」

小林「え、ああ、さっき、アンリエット会長から少しだけ」

ネロ「まぁ、要するに、今の僕たちは探偵じゃなくて、この学院の使用人って立場なのさ」

小林「し、使用人!?」

エリー「は、はい、探偵である為に必要なトイズが使えない……」

コーデリア「本来、退学になるところを、アンリエット会長がトイズが戻るまでは使用人という立場であればと言って……」

小林(そ、そうだったのか……)

小林「それで、服もそんなにボロボロのものを……」

シャロ「え、えっと……」

コーデリア「それは……」

小林「ん?」

ネロ「服は売ったんだよ」

小林「う、売ったぁ!?」

コーデリア「ちょ、ちょっとネロ」

ネロ「良いじゃん別に、僕たちさ、今結構生活が苦しくってさ」

エリー「うぅ、大切な本も……何冊か……売ってしまって……」

シャロ「そろそろ自給自足の農園でもやろうかって話になってます!」

小林「」

小林(ア、アンリエットさんの疲れていた理由が、わかったような気がする)

ネロ「でも、その必要もなくなるね」

小林「ん?」

コーデリア「そうです!教官が戻ってきてくれたからには!」

シャロ「はい!ミルキィホームズ再結成です!」

小林「え!?」

シャロ「白いご飯!お味噌汁におさかな!」

エリー「夜でも明るい部屋……温かい布団……」

コーデリア「化粧水もコメのとぎ汁を使わなくてよくなるのね……!」

小林「ま、待ってくれ。僕はまだ、君たちの指揮を引き受けるとは……」

シャロ「え……」

ネロ「小林……引き受けてくれないの……?」

コーデリア「そんな……わ、私たちが不甲斐ないから……」

エリー「ご、ごめんなさい、ごめんなさい……」

小林「え、いや、えっと……」

きゃあああ!?

小林「!!」

シャロ「今の声……」

ネロ「旧校舎だ!」

コーデリア「生徒会長の声……生徒会長室のほうから聞こえてきました!」

小林「急ごうみんな!!アンリエットさんに何かあったのかもしれない!」

4人「「「「は、、はい!!?」」」」

小林「急げ!!」

小林(っく、何だ、嫌な予感がする……!!)

タタタタタタ

小林「鍵がかかっていない…!?」

バン!!

小林「アンリエットさん!!」

シーン……

シャロ「……い、居ません……!」

ネロ「見てよ靴が……!」

エリー「ま、まさか、会長……さらわれて」サァ

小林「コーデリア!」

コーデリア「!はい!」

小林「君のハイパーセンシティブで彼女が近くに居ないか……っ!」

コーデリア「っ……わ、私」

小林(しまった!今の彼女たちはトイズが使えないんだった)

コーデリア「……教官の、役に立ちたいのに」ジワ

コーデリア「私……!!」ポロポロ

ネロ「あーあ。泣かしたぁ」

エリー「な、泣かないでコーデリア……お願い…」ウルウル

小林「ご、ごめん!……でも、今は、ここで何があったか、見極める必要がありそうだ」

シャロ「え?で、でも早く犯人を捜さないと、アンリエット会長が……」

小林「……まぁ、落ち着いて。この部屋を、よく見てごらんよ」

コーデリア「……?」グス

小林「何かおかしくないか?不自然だ」

小林「シャーロック、君がもしも、人を担いで逃げるようなときに……」

小林「わざわざ扉を閉めていくかい?」

シャロ「……あ!?そういえば!」

小林「そう、急いで逃げるような状況で、まして人一人抱えたような状況で、わざわざ扉なんて締めるとは考えにくい……そうなるとほかの逃走経路は……」

ネロ「……窓ガラス。割れてないどころかロックまでかかってるよ」ガチャガチャ

小林「うん。そうなると、他の逃走手段を考えないといけないのだけれど……その前に、他に気が付いたことはないかな?」

コーデリア「…!この靴、暖かくありません!会長が履いていたとしたら、生暖かい筈!」

エリー「部屋も綺麗で……争った形跡が……ありません」

小林「そう。会長ほどの人が、抵抗やメッセージもなく犯人に攫われたなんてことは考えにくい……そして部屋に残された、冷たい靴……それらから導き出される答えは一つ。」

小林「つまりこれは、事件でもなんでもないということだ!!!」

4人「「「「ええ!!?」」」」

小林「居るんでしょう?アンリエットさん?」

4人「「「「え?」」」」

キィ……

アンリエット「ふふふ、流石ですわ、名探偵小林オペラさん」パチパチパチ

シャロ「か、会長!?」

小林「……どうしてこんなことを?」

アンリエット「いいえ、ちょっとしたお茶目で、それにしても、少し簡単すぎましたか?」

小林「お、お茶目って……本気で心配したんですから」

アンリエット「ふふふふ」ニコニコ

ネロ「……か、会長、何だか上機嫌だね」ヒソヒソ

コーデリア「……本当ね、最近ずっとイライラしていたのに」ヒソヒソ

アンリエット「やはり、彼女たちには、小林さん、あなたのような指導者が必要なのですね」

小林(……う、この流れは……)

アンリエット「どうか、もう一度彼女たちを……?」しゅー

モクモクモク

エリー「な、なんでしょうか……この煙」

ネロ「ま、前が……か、会長!もうテストはいいよー!」

ふふふふ、はははは!はーはっはっは!!ダ!!

シャロ「……誰かが!誰かが会長が連れ去っていきます!!?」

エリー「ま、またテスト…「君たちィ!!」!!」ビク

小林「これはテストなんかじゃない!」

シャロ「ええ!?と、いうことは……」

小林「あれは本物の怪盗だ!!走れ!追うぞっっ!!!!」バッ!

4人「は、はい~~っ!!!!!」

怪盗?「……」ッシャ

ヒュンヒュンヒュン!

小林「!?あれは、ナイフ!?っく、シャーロック!」

シャロ「は、はい!う~~~!!」

ネロ「……む、無理だよ!だって、僕たち、トイズが!」

シャロ(落ちろ……!落ちろ……!)

シャロ「お願い……落ちて、ナイフさん!!」

シャロ「!」ティロン!

キン、キン、キン

ネロ「え!?」

コーデリア「嘘!?」

怪盗?「……!」バッ

シャロ「せ、先生!今あたし!」

小林「ああ、でも今は!」

ネロ「2階に逃げたよ!」タタタ

怪盗?「……」タタタ

小林(っく、このままじゃ追いつけない!)

小林「ネロ!!防災シャッターを!」タタタ

ネロ「えっ!?……う、うん!やってみる!!」ヒュンガシ!

ネロ(動け……動け……!!)

ネロ「小林に、情けないとこなんか見せられないよ!!」ティロン

ガラガラガラ!

怪盗「……!!」

シャロ「やった!」

コーデリア「い、今ネロなんて…」

ネロ「い、いいから!」カァ

怪盗?「……」バシュウ!モクモク

小林「煙幕…!コーデリア!!」

コーデリア「は、はい!」

コーデリア(見える……聞こえる……大丈夫、私、教官と一緒なら……)キィィ

コーデリア「!」ティロン

コーデリア「奥から2番目の扉!教室に!!」

小林「よし!急げ!!」

コーデリア「はい!!」

コーデリア(な、なんだか幸せ……!)

怪盗?「……パチン」

ズガーンズガーンズガーン!ガラガラガラ

コーデリア「連続で爆発!!?」

ネロ「!!うわ!?天井が崩れてきて入口が!?」

小林「エルキュール!!」

エリー「は、はい!!」

エリー(わ、私が、私がみんなの道を…!)

エリー「と、おしてええええ!!!!」ティロン

バコーーン!!

ネロ「が、瓦礫がふっとんじゃった……」

シャロ「やっぱりエリーさんはすごい!」

エリー「うぅ」カァ

小林(……!!さっき崩れた瓦礫で、屋上まで道が……!)

-屋上-

怪盗?「……」

小林「追い詰めたぞ、怪盗!さぁ、アンリエット会長を返してもらおう!!」

ミルキィホームズ「……」ザザッ

怪盗?「……フフフフ」

怪盗?「はーっはっはっはっは!」

小林「何が可笑しい!」

怪盗?「いやはや、相変わらず素晴らしい……」

小林「!!?この声……まさか!」

怪盗?「フフフフ」カパ

怪盗L「久方ぶりだね……小林君!!」

小林「か、怪盗L!!」

シャロ「う、うそ!?」

ネロ「は、話には聞いていたけど、こいつが!こいつとの戦いで小林のトイズが…!」

コーデリア「教官!でも怪盗Lは……」

小林「ああ!お前は確かにあの時、フォーチュンリーフの中で死んだはず……!」

怪盗L「しかし、現に生きている!!そうだろう?小林君!!」

小林「っ!!っく」

怪盗L「安心したよ、小林君。君の力は少しも衰えていない。それどころか、以前より遥かに輝きを増している……!!」

小林「…お前の目的はなんだ!?」

怪盗L「フフフ、そう急くこともない……今日は、あくまで、宣戦布告……君がこのゲームから降りないようにね」

小林「ゲームだって……?」

怪盗L「光が強ければ、落ちる影は大きさを増す……!探偵である君の力が増せば増すほど、怪盗である私の力もまた、強くなる!」バッ

小柄のフード「……」バッ

すらりとしたフード「……」バッ

小林「……!!」

怪盗L「ここに揃いたちたるは、わが弟子たち。怪盗帝国などという紛い物ではない、怪盗Lの育て上げた本物の影……!」

小林「本物の影……!?」

怪盗L「フフフ、見せてくれ、小林君!君たちの探偵としての、力を……!!最高のショーを!!」シュー

小林「ま、待て!!?」

ネロ「……消えた」

小林「……コーデリア!」

コーデリア「は、はい!」ティロン

コーデリア「駄目です……怪盗Lたちは、もうここには……」

シャロ「あ!会長が倒れて!?」

小林「……何!?」タタタ

エリー「か、会長は、無事です!!」

小林「そうか」ッホ

小林(それにしても、怪盗Lが生きていただって……!?それに、最高のショー……?一体、何が起ころうとしているんだ……?)

-事務所-

アンリエット「そうですか、そのようなことが……」

小林「ええ、僕もいまだに信じられませんが……あれは間違いなく、怪盗L……!」

アンリエット「……」ギリ

小林(しかし、僕に恨みがあるというのなら、どうして、あんな周りくどいことをするのだろう…?)

小林(やはり、あの時のように、僕を何らかの形で苦しめたいのか?それとも……)

アンリエット「このことはすぐにIDOに通達します。それから、小林さん……あなたは……イギリスに帰った方がよいかもしれません……」

小林「え?」

ミルキィホームズ「「「「えぇ!!?」」」」

アンリエット「そんなに、驚くようなことではありません。相手が本物の怪盗Lだというなら、相手の狙いは間違いなく、小林さんの……命」

エリー「…っ!」

アンリエット「小林さんの居場所がばれている限り、いつ怪盗Lに狙われるかもわかりません。ですから……「いえ…」!」

小林「僕は、ここに残って、彼女たちと捜査を進めようと思います」

アンリエット「!!」

小林「あの怪盗Lは、確かに僕に恨みがある」

小林「しかし、もし本当に命だけが狙いならば、わざわざ名乗らずとも、不意打ちで襲えば良い。そう、先ほど会長を襲ったように…」

アンリエット「……」

小林「それどころか、僕がイギリスに行ったと知れば、怪盗Lは僕をおびき寄せるために、他のみんなが人質に取られるようなことになるかもしれない……それだけは、絶対に避けたいんだ」

ミルキィホームズ「「「「先生…(小林…)(小林さん…)(教官…)」」」」

小林「……なんて、色々言ったけれど、結局のところ、やっぱり僕もミルキィホームズ(彼女たち)の力を借りたいんです」

4人「!!!」

小林(そう、彼女たちが居なければ今回もすぐに手詰まりになってしまっただろう。まっすぐで、不器用だけど、ひたむきな瞳をもつ彼女たちなら)

小林(彼女たちとなら……)

シャロ「せ」

シャロ・ネロ・コーデリア・エリー「先生!(小林!)(小林さん!)(教官!)」ガバ

小林「え!?うわあああ」

シャロ「先生!!あたし嬉しいです!!先生が、あたしたちを信じてくれて…!」

ネロ「しょうがないなぁ、小林は…さ。僕も力を貸してあげるよ!」ギュ

コーデリア「教官…どこまでもついていきます//」

エリー「私……小林さんの力に…なれるなら…なんでもします…」ギュ

小林「君たち……う、嬉しいんだけど、ちょっと!落ち着いて……!?」

アンリエット「……ふぅ、結局、こうなるのですね」

アンリエット(……小林さん、あなたは本当に不思議な人)

アンリエット(あんなにダメダメだったミルキィホームズが、あなた一人の出現でこんなに立派に…)

アンリエット(それにしても、怪盗L……まさか生きていたなんて)

アンリエット「この私をコケにした報いは、いつか必ず受けてもらいますわ……!」



小林「みんな……おも……」

ネロ「あ!?小林の顔の色がグレープ味のグミみたいになってきたよ!?」

コーデリア「そんな!?な、なら人口呼吸で//」

シャロ「ひ、ひ、ふぅですよ!先生!」

エリー「小林さん、が、頑張れ、頑張れ♪」

小林「ど、どいてくれればそれでえぇ……」

アンリエット「小林さんが来てから1か月……」


シャロ「せんせー!」ダキ

小林「うわ、ど、どうしたんだい、シャーロック?」

シャロ「えへへ、なんでもないです。」ニコニコ

小林「?」

シャロ「えへへ」コテ


アンリエット(あれから何度か事件を解決し、すっかり全盛期の力を取り戻したミルキィホームズ)

ネロ「小林、このチョコレート、食べてみなよ、結構、美味しいんだ」パキ

シャロ「あれ、でも、それ……ネロのとっておきって……」

ネロ「えっと、まぁ賞味期限が近かったからね、ほら、食べなよ」あーん

小林「ちょ、ネロ、それ関節キ…ん……」

小林(甘い…!)

コーデリア「ちょ、ちょっと、あなたたち!教官にベタベタしすぎよ!教官、困ってるじゃない!」

シャロ「えー」

ネロ「そんなこといって、いいのっかな~」

コーデリア「な、なにを……」

ネロ「見たんだよね。僕。昨日の夜さ、こっそり、小林の脱いでたシャツを「わあああああああ!!」」

小林「え?僕のシャツ?それは重要なファク「重要じゃありません!ぶぶー!です!」……」

エリー「あの、小林さん…」

小林「ん?なんだい、エルキュール?」

エリー「あの、この前買ってくださった本……すっごく面白くて、それで、その、小林さんにも、読んで……ほしくて」

小林「本当かい?ありがとう、エルキュール」ナデ

エリー「……っ!!?////」

ネロ「……じー」

小林「ん?!ああ、ごめん!なんだか、つい!」

エリー「い、いえ、あの……」

エリー「嬉しい……」ニコ

小林「っ!??」

ネロ「なーんか、小林って、エリーとシャロには甘いよね」ジトー

コーデリア「……確かに教官は私の頭何て一度も……」ジトー

小林「えーっと、は、ははは」

アンリエット(……どうしてトイズを使えなくなっていた彼女たちが力を取り戻したのか、それはいまだにわかりませんが……)


シャロ「ズルいですエリーさん!先生!私もお願いします!」クイクイ

小林「え?」

コーデリア「シャロ!!?きょ、教官私もぜひ!」ズイ

ネロ「じゃあ、僕もー」ッス

エリー「あの……はい」ッス

小林「ちょ、君たち!!?」


アンリエット(でもそれは、きっと、彼女たちの眠っていた…の力なのでしょう)

アンリエット(少なくとも、今の彼女たちは正しく、探偵の姿をしています。私の好敵手にふさわしいほどに…)

アンリエット「うふふ、何やら、楽しそうですね」

小林「あ、アンリエット会長!」

シャロ「会長もどうですか!?今なら、先生に優しく頭撫でられ放題特別キャンペーン中ですよ!」

アンリエット「……へ~それはお買い得ですね。じゃあ、私も♪」ッス

小林「えぇええ!?」

ピ!

TV『フフフフフフフ』

小林「ん!?」

TV『はーっはっはっは!見ているかい小林くぅん!!』

小林「か、怪盗L!?」

TV『君のために、新しいショーの舞台を用意した!今回のミステリアスは変幻自在、千変万化の怪盗カリオストロ……』

小林「カリオストロ…!?」

TV『会場は横浜スタジアム、時刻は午後の19時……』

シャロ「……先生」ッス

TV『君に、この謎が解けるかな……ふふふふ』プツン

ネロ「……小林」ジャキン

コーデリア「……教官」バキバキ

エリー「……小林…さん!」ギュ

小林「よし!みんな!行くぞ!捜査だ!!」

シャロ「はい!ミルキィホームズ始動!!です!!」




小林オペラ「復活の小林オペラ……!?そんな噂は流させない!!」
おわり

>51
×シャロ「ズルいですエリーさん!先生!私もお願いします!」クイクイ
〇シャロ「ズルいですエリーさん!先生!あたしもお願いします!」クイクイ

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