側近「人間側からしたらそうなるのでしょうね」
魔王「確かに魔族は人間の土地を攻めて侵略もした」
魔王「でもそれもう二百年ぐらい前じゃん。わしの六代前の初代魔王のときじゃん」
魔王「なんでまだ引っ張ってんの」
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魔王「それにさ、侵略したっていってもさ、戦闘のすえに手に入れただけじゃん」
側近「人間側では魔族から攻めたことになっていますが」
魔王「魔族側からしたら先に攻めてきたのは人間側なんだけどなぁ」
側近「しかし、何故今そのようなことを?」
魔王「ほれ、人間の王からこのようなものがきた」
側近「!!これは・・」
魔王「水面下で進めていた『なかよくしよう』条約、王が変わったからといって勝手に反古にしてきた」
側近(もうちょっとましな名前なかったのかなぁ)
魔王「これより互いに不可侵、交流をしていこう」
魔王「魔族にとっても人間側にとってもこのままいがみつづけるより、よっぽど利益になる話と思ったんだけどなぁ」
側近「やはり、侵略したあと奴隷として人間を使った、と広まっているのが痛いですね」
魔王「それ事態もおかしいとこっちは思ってるんだけどね」
魔王「あくまで仕事としてやとっただけ、しっかり報酬をやった証拠の文書もあるんだけど」
側近「その点は侵略した、と広まってるてまえ、先の王も認めてはくれませんでしたね」
魔王「なんにせよ、『なかよくしよう』条約をいくら王が変わったからといって勝手に反故されるのは許せんな」
側近「ここ十数年、何度も紆余曲折を経てついに結ばれる直前ですからね」
魔王「しかも先にいった奴隷の件もこっちが譲歩しているというのに」
側近「どうされます?」
魔王「とにかく人間側でどんな動きがあったのか気になるな・・どうにか情報を手に入れる手はないか・・」
魔王「あっ、今勇者はどのへんいる?」
側近「今ちょうど我らの領土に入ってきたところです」
魔王「・・近隣の村はどうなっている?」
側近「・・いくつかはつぶされたとの報告が」
魔王「ようやく以前の勇者の進行から再建できたというのに・・」
魔王「これ以上、人間どもの好きにさせるわけにはいかない」
側近「!!では、ついに進行を・・」
魔王「いや、あくまで『なかよくしよう』条約の締結を考える」
魔王「そのために、勇者を少し利用させてもらおう・・」
勇者「――よし、今日はここらへんで休むか」
戦士「了解ー」
魔法使い「それにしても、さすがに魔族の領地ね・・さっきの村も、人間の領地の魔物とは強さが違ったわ」
勇者「まぁな・・きっとこれからどんどん強くなる、もっと気を引き閉めていかないと」
僧侶「・・・・・・・・・・」
勇者「?どうした、僧侶。具合でも悪いのか?」
僧侶「いえ・・そういう訳ではないのですが・・ただ・・」
戦士「僧侶のことだ、大方今日攻めこんだ魔族の村のことだろう」
魔法使い「なあに?――まさか魔族の村がかわいそうとか言い出すんじゃないでしょうね?」
僧侶「!!」
勇者「はぁ・・僧侶、いいか?お前も習っただろ?」
勇者「魔族は、俺達人間の領地を侵略し、そこに住んでいた人達を奴隷として使った」
勇者「なんとか魔族にとられた領地を取り戻したものの、魔族は何度も人間の領地を奪おうとし、そのたびに勇者が選ばれ魔王討伐の旅を行ってきた」
勇者「そして、今俺達はその旅に出ているんだ。俺達がぶれてどうするんだ」
僧侶「・・本当に、そうなのでしょうか?」
勇者「なに?」
僧侶「確かに旅にでる前はそのように習いました、今再び魔王軍が攻めてくる、と」
僧侶「しかし、領地の境や先程のその近隣の村、攻めるならもっとも兵をおかなくてはならないはずなのに、そのような武装した兵など見ませんでした」
戦士「しかし、村に入ったときやつらは俺達に武器を向けたぞ?」
僧侶「戦士さん、もしあなたが魔族の領地との境界の村にすんでいて、急に魔族が攻めいってきたらどうしますか?」
戦士「・・戦うだろう、その村を守るために」
僧侶「先程の魔族の人達も、そうだったのではありませんか?」
戦士「ばかな。魔族は高等な種意外、話も通じないものばかりだぞ?」
僧侶「・・それは私達からしたら、なのではないでしょうか」
僧侶「私達には分からないけれど、魔族同士では話ができるはずです」
僧侶「現に彼らは私達に武器を向けているとき、何か話かけていました・・意味は分かりませんが・・」
勇者「・・分かった、100歩譲ってその理論が正しいとしよう」
勇者「だが、それがどうして魔族が進行してこない理由になる?現にやつらは人間側の領地に来ていたんだぞ?」
僧侶「勇者様、思い出して下さい。人間の領地であった魔族がどういうものだったかを」
勇者「スライム、オーク、ゴブリン・・様々な種の魔物にあったな」
僧侶「では、彼らの共通点はなんでしょうか?」
勇者「・・?どれも攻撃方法も武器も、多種多様だが・・」
魔法使い「・・数ね」
魔法使い「私達が人間側で出会った魔族は、一度に一匹や二匹・・多くても数匹」
魔法使い「さっきの村のように数十匹という単位で出会ったことはなかった」
僧侶「その通りです。これはつまり・・」
勇者「今まで出会っていた魔族は、「はぐれ」だった、といいたいんだな?」
僧侶「はい、彼らは領地を奪おうとしてやってきているんじゃない・・何かしらの手違いで人間側に入ってきてしまった魔族なんじゃないか?って思うんです」
戦士「斥候の可能性は?」
僧侶「スライムやフェアリーならまだ分かりますが、オークやドワーフをスパイとしてあなたなら送り出しますか?」
戦士「・・なるほど」
勇者「・・つまりお前はこういいたいんだな?」
勇者「魔族は人間側に進行してくる気はない、すべては王国の勘違いだ、と」
僧侶「・・少なくとも、魔族に敵意があるとは思えません」
勇者「はぁ・・僧侶、お前疲れてるんだ、今日はもう休め」
僧侶「!!勇者さま・・」
勇者「だってそうだろ?やつらは魔族だ、かつて人間の領地を侵略した魔族なんだ」
勇者「火のないところに煙はたたない・・ここで僧侶の考え方をしたらそれこそ魔族の思うつぼで一気に攻めてくるに決まってるじゃないか」
僧侶「・・勇者様は先入観を持ちすぎです、今まで私達が見てきたものから判断するべきだと思います」
勇者「なるほど、お前は王国が嘘をついている、と言いたいんだな?」
僧侶「!!決してそのようなことは・・!!」
「――いや、あながち間違ってはいないな」
戦士「!!いつの間に後ろに・・!!」
魔法使い「!!この膨大な魔翌力・・ただ者じゃない!!」
勇者「落ち着け!!俺達は今までの旅で強くなった・・どんなやつだって負けはしない!!そうだろ!?」
戦士「もちろんだ!!」
魔法使い「当たり前でしょ!!」
勇者「僧侶も今は話のことは忘れろ、こいつは確実に俺達に敵意がある。話はこいつを倒してからだ」
僧侶「!!はい!!」
勇者「よし、行くぞ!!うぉぉぉぉぉぉぉ!!」
戦士「やぁぁぁ!!」
魔法使い「ハアァァァ!!」
――――――
―――
―
25 ありがとうございます。さっそくやってみます
――――――
―――
―
大臣「王様、勇者がかえって参りました!!」
王様「おぉそうか!!では何かしら成果があったのだな?早く通せ通せ」
大臣「はっ。ただいま!!」
勇者「・・・・・・・・」
王様「おぉ、勇者よ。よくぞ戻った」
王様「して、どうであった?やはり魔族らは攻めてきておったか?」
勇者「・・そ、そのことで少し王にお目通し願いたいものがいるのですが・・よろしいでしょうか?」
王様「(・・?やけに震えておるが・・)お主が連れてきたのだ、構わぬぞ」
勇者「はっ・・ありがとうございます」
勇者「・・このものでございます」
???「・・・・・・・・」
王様「むっ・・布を深くかぶっておって良く見えぬな。ほれ、その布もとってよいぞ」
???「・・これが新たな人間の王か」パサッ・・
王様「!!お前は!!」
魔王「なるほど、いかにも話が伝わりそうにないやつだ」
王様「ゆ、勇者!!これはどういうことだ!!」
勇者「・・・・・・・・」
王様「答えぬか!!」
魔王「気にするな、俺がしゃべるな、といっている」
王様「な、何故魔王の命など・・!!お前は勇者だぞ!!」
魔王「椅子にふんぞりかえってるだけのだれかと違って実力の差ってのを叩き込んだからな・・適切な判断だと思うがな」
王様「ひっ・・!!」
魔王「本来ならひっそりと結びたかったものだが・・証人も必要だな、おい勇者」
勇者「・・はい」
魔王「おまえの仲間の僧侶を連れてこい、あいつは賢い、話がつうじる」
魔王「おまえたちにはこれからの会談の証人となってもらう、いいな?」
勇者「・・分かりました」
魔王「・・さて、と。人間の王よ」
王様「は、はい!!」
魔王「始めようではないか、歴史に残るであろう会談を」
~人魔首脳会談~
魔王「さて、王よ。単刀直入に聞こう。何故『なかよくしよう』条約を反故にした?」
僧侶「『なかよくしよう』条約・・?」
魔王「あぁ。先代の人間の王と10年がかりで水面下でつくりあげてきた条約だ。互いに不可侵を約束し、これからは互いにてを取り合って生きていこう、という内容だ」
僧侶「!!やっぱり魔族側も争いは望んでないのですね!!」
魔王「当たり前だ。好き好んで争うものがどこにいる」
魔王「争いが起これば、一番被害を受けるのは誰か」
魔王「それは兵士でも王やその周囲のものではない。民だ」
僧侶「民・・」
魔王「住みかは戦場となり、たとえ争いが終わったとしても、残るものはなにもない。民はすべてを奪われる」
魔王「それを先代の王はよく分かっていた。この先争いが起こらないためにも、いっこくも早く条約を結ぼうとしていた」
魔王「これを結び、互いに打ち解けることができれば、背景にある歴史的な解釈の違いもいつかは消えてくれる、平和になるはずだ」
魔王「それなのに、王よ、何故拒んだ?」
王様「・・こ、怖かったのだ・・」
勇者「・・怖い?」
王様「あぁ・・私は・・私は、死ぬのが怖かったのだ!!その条約を結ぶことで!!」
僧侶「・・条約を結ぶことで・・死ぬ・・?」
魔王「・・どういうことだ?」
王様「・・何故、私が王になったと思う?」
僧侶「それは先代の王が病で亡くなられたからで・・」
僧侶「!!まさか!?」
王様「そうじゃ・・先王は病死などではない・・殺されたんじゃよ」
僧侶「・・いったいだれに・・」
王様「・・国民じゃ」
僧侶「・・国・民・・?」
王様「そうじゃ・・実際のところ、『なかよくしよう』条約における議会の意見は最初ほとんど反対じゃった」
王様「ただ先王のその人望の厚さから、議会の中では結ぶべきである、と言った風潮になってきておった」
王様「じゃが、大臣の中にどうしてもこの条約を結ぶことに反対するものらもおった」
王様「その中の誰かじゃろう・・王が魔族にへりくだる条約を結ぼうとしている、と国民に流したのじゃ」
王様「結果、先王は国民の猛反発にあった、議会のものたちも自らに火の粉がかかるのを恐れ、誰も何もしなかった」
王様「結果、先王は王として存在するがその立場、権限を失った。それでも先王は戦い続けた、この国の、人間の未来のために、『なかよくしよう』条約は結ばねばならない、と」
王様「されど・・その思いもむなしく、広まった噂は消えることはなく、先王は亡くなられた・・」
王様「だが、王族としてこの城にいて私は見ていた・・大臣たちが先王の部屋にたびたび出入りしていたのを。そしてそのたびに先王の容態が悪くなっていっていたのを」
勇者「そんなことが・・!!」
僧侶「だけど、それのどこが国民のせいになるのですか・・」
王様「・・何故、大臣たちがそのようなことをしたか分かるか?」
王様「それは、国民は決して『なかよくしよう』条約を好ましく思わない、と大臣たちが考えたからだ」
王様「さきほど魔族の王も言った通り、一番魔族との争いで被害を受けたのは民だ。それゆえ、この王族や議会のものたちよりも、魔族に対してよい印象をいだいとはいない」
王様「もし、『なかよくしよう』条約が結ばれれば必ず国民の反乱が起きる・・そうなってしまえば、自分たちの立場が危うい、と大臣たちは考えた」
王様「それゆえ、先王1人に罪をなすりつけることで、すべてを丸く納めようとしたのだ」
僧侶「そんな・・自分たちの保身のために、先の王を陥れたのですか!?」
王様「そして、大臣たちは自分たちの都合よく操るための王・・私を王としてたてるために先王を殺した」
王様「私は王に即位する前、このことを大臣達に話された・・私を脅すためにな」
王様「そんな大臣達を選んだのは誰だ?そんな議員を選んだのは誰だ・・?」
王様「すべては国民が選んだ者達――それゆえ、王は民に殺されたに等しいのだ」
魔王「・・・・言いたいことは、それだけ――」
僧侶「――ふざけないでください!!!」
王様「!!」ビクッ
勇者「お、おい、僧侶・・お前が口出ししていいわけが――」
僧侶「勇者様は黙っててください!!」
勇者「・・・・はい」ビクッ
僧侶「王様、本気で先王が殺されたのは民のせいとお考えですか?」
王様「・・・・・・・・・・」
僧侶「違いますよね?殺したのは大臣達・・」
僧侶「国民は彼らを信じて彼らを大臣に選んだのです、それを裏切ったのが大臣達・・どこに国民に罪がありましょうか?」
僧侶「それに、王様もです」
僧侶「何故、大臣達を捕らえないのですか?」
王様「・・・・!!」
僧侶「王様に対する自白はもちろん、城内にも一部始終を視ているものはおりましょう・・」
僧侶「それだけの証拠がありながら、何故捕らえようとなさらないのですか?」
王様「・・言ったであろう。私は、脅されているのだぞ?」
僧侶「捕らえてしまえば、その心配もないでしょう?」
王様「たとえ大臣を捕らえても、その手のものは必ず我が命を奪いにくる」
僧侶「ならば、直属の護衛をお付けになればよい話ではないですか、例えば・・そこにいる勇者様など」
勇者「・・・・!!」
僧侶「このような情況です、魔族との争いに派遣するより、よっぽどこの国の益になると思いますが?」
王様「・・しかし、今捕らえてしまえば、国政は混乱してしまう」
王様「それは、これから魔族との交渉をすることを考えるならば、それは多大な損失となりうる」
僧侶「・・王様、まだご自分のお命が不安ですか?」
王様「そうではない。国民のことを第一に考えて――」
僧侶「――違う!!」
僧侶「王様は、自分を守るために国民を利用しているだけ――大臣達となんら変わらない!!」
王様「・・・・!!」
魔王(・・・ほぅ)
勇者「!!僧侶、言い過ぎだ!!」
僧侶「本当に国民のことを考えるなら、真に行うべきはこの腐敗仕切った政治!!」
僧侶「権力に王までもが屈するこの世の中をたださぬ限り、真に国民のための国など作れやしない!!」
僧侶「なぜ・・なぜそれが分からないのですか!!」
勇者「――僧侶!!」
僧侶「・・・ぁ・・!!」
僧侶「お、王様・・お許しを・・激情に任せて、あのようなことを口走るなど・・」
僧侶「誠に・・申し訳ございません・・」
王様「・・・・・・・」
魔王「――さて、もうそろそろいいか?」
僧侶「!!魔王様・・!!」
僧侶「も、申し訳ございません!!貴重な会合の時間を・・たった一人の感情でめちゃくちゃに・・!!」
魔王「気にするな。むしろ私にとってはありがたかったぞ」
魔王「今はまだ、条約を結べる情況ではないことが、嫌なくらいに分かったからな」
王様「・・っ・・・・」
魔王「人間の王よ、他国の内政にとやかくいうつもりはないが・・一つ言わせてもらおう」
魔王「確かに、今この国が荒れていることは充分分かった・・お前が苦しい立場にいることもな」
魔王「だが、それを理由に他国との関係をうやむやにしてしまえば、内政が整ったとしても、一度崩れてしまった信頼というのは、もう元には戻らない」
魔王「たとえどれだけ苦しい立場にあろうとも、国の長たるもの、越えてはならない一線・・それを見極める必要があるのだ」
魔王「・・私が言いたいのはそれだけだ」
王様「・・肝に命じさせていただきます」
魔王「よし、それじゃ私はおいとまさせてもらおう」
勇者「えっ・・!!」
魔王「えっ・・!!じゃあるまい。言っただろう?今のこの国は条約を結べるほど安定していない」
魔王「また、しばらくしたのちに再び話し合おうではないか・・お互いその方がよさそうだ」
王様「・・分かりました。では、会合できる情勢になりましたら、すぐに連絡致します」
魔王「うむ、期待しているぞ」
魔王「――あぁそうだ。最後にもうひとつだけ」
王様「?なんでしょうか・・?」
魔王「――私が対等に、条約を結ぼうと、いつまでも言っていると思うなよ?」
王様「・・・・!!?」
魔王「力の差はそこのもの達がわかっているはずだ・・お前たちの賢明な判断を祈っている――」シュン
勇者「!!」
僧侶「・・消えた・・」
――――――
―――
―
魔王「――って感じで最後にちょっと脅してきた」
側近「はぁ・・」
魔王「だってそうでもしないとあの王、動きそうになかったから・・」
側近「・・まぁ、ともかくこれですこしは人間側との関係も進展しそうですね」
魔王「あぁ・・いつになるかは分からないが、ようやくさきに進めそうだ――」
――その後、人間側では先王殺害の罪に問われ大臣達は投獄され、(その際王にたいして案の定刺客が送られたが、すべて勇者や戦士達が返り討ちにし、投獄した)新たな政権が生まれた。
その際に、先王が真に成し遂げようとしていたのは魔族との『なかよくしよう』条約の締結であったこと、またその意義はしっかりと国民に伝わり、再び魔族の王との協議が開催された。
結果、何度も協議を重ね、ついに『なかよくしよう』条約が施行されることとなった――
側近「――いやー長かったですね、ここまでくるのも」
魔王「あぁ。だがこれで、ようやく人間達との平和が実現する・・」
側近「まだまだ問題は山積みですけどね。領土問題とか、歴史の価値観とか・・」
魔王「なぁに、すぐに解決して見せるさ。はっはっはっはっ・・」
「魔王様ー!!」
魔王「おぉ、僧侶・・と、今はもう大臣だったな」
大臣「そうですよー、いつまでもそんな戦ってたときの名前で呼ばないでくださいー」
大臣「もう、必要ないんですから」
魔王「・・あぁ、そうだな」
側近「魔王様、そろそろお時間が・・」
大臣「そうそう、それで私は呼びにきたんです。人間側の準備は出来てますよ」
魔王「おぉ、そうか・・では、行こうか」
――ワァァァァァ!!ワァァァァァ!!
マオウサマー!!マオウサマー!!
オウサマー!!オウサマー!!
大臣「――静粛に!!静粛に!!」
側近「それでは、ただいまより『なかよくしよう』条約、施行式を執り行う!!」
ワァァァァァワァァァァァ!!
大臣「では、国王様、魔王様、どうぞ――」
国王「うむ」
魔王「あぁ」
国王「――皆のもの!!いままで人間と魔族はいがみ合ってきた!!」
魔王「だが、それも今日でもう終わりだ!!」
国王「古い価値観は捨て、新たな関係を結び――」
魔王「新たな平和と発展の世界を進んで行こうではないか!!」
国王「――」スッ
魔王「――」スッ
ギュッ!!
ワァァァァァワァァァァァ!!
マオウサマバンザーイ!!コクオウサマバンザーイ!!
魔王(――私はこの日を忘れないだろう)
魔王(間違いなくこの日、人間と魔族は一歩先へと進んだ)
魔王(まだまだ問題は多くあるが、きっといつかはすべて消えて、真の平和が訪れる)
魔王(私は信じている――そんな世界がやってくることを――)
終わりです。
モチーフ(というかまんまですが・・)は、お察しの通りです。
今は何やらごちゃごちゃしていますが、せっかく隣の国同士ですから、仲良くしていってもらいたいです。
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