千本ノック

・波平、自宅で入隊


波平「カツオ、すまんがビリーズブートキャンプを買いに行くのに付き合ってくれ」

カツオ「無理だよ。今日は空き地で中島と千本ノックをする先約があるんだ」

波平「一緒に来るならついでにお前にも何か買ってやろう」

カツオ「え？ホントに！？」

カツオ「父上、お供します」

波平「うむ」

――外

伊佐坂「おや、磯野さん。お出かけですか？」

波平「ええ、まあ」

カツオ「元気にしてたか、ハチ？」

ハチ「わんわん」

伊佐坂「いやー、今日は天気が良いですねえ」

伊佐坂「私もハチと一緒に日ごろの運動不足を解消してるとこです、ハハハハハ」

波平「最近はわざわざ外出しなくても家の中で良い汗がかけるそうですよ」

波平「では、また」ｽﾀｽﾀｽﾀ


伊佐坂「？？」

――デパート

波平「カツオ、何をしてる？早くビリーズブートキャンプ売り場に行くぞ」

カツオ「>>8を見てたんだよ」

波平「気の早い奴だ。それならビリーズブートキャンプの後で買ってやる」

カツオ「絶対だよ？」

波平「勿論だとも」

波平「わしは嘘が一番嫌いなんだ。男に二言はない」

新居

――ビリーズブートキャンプ売り場

波平「おお、あった。これだこれだ」

波平「DVD4枚と専用バンドがついて15,000円か。結構するな」

カツオ「お父さん、お金大丈夫なの？」

波平「馬鹿者。子供が親の財布を心配するもんじゃない」

波平「すみません。これを1つください」

女店員「ビリーズブートキャンプをおひとつでございますね？」

波平（……そうだ、ノリスケにも1つ買ってやろう！）

波平（あいつも少しは健康に気を使った方がいいんだ）

波平「やっぱり2つください」

女店員「ありがとうございましたー」

波平「良い買い物ができたな」

カツオ「じゃあ次は新居売り場だね。買う約束でしょ？」

波平「何を言っとる。帰るぞ」

カツオ「話が違うじゃないか！」

波平「何も違わん。わしは確かに言ったぞ、『ビリーズブートキャンプの後で買ってやる』と」

波平「新居を買うのは、わしがビリーズブートキャンプをやって成果が出た後だ」

カツオ「そんなぁ」

――学校

中島「酷いじゃないか、磯野！」

中島「空き地で千本ノックする約束忘れたのか？ずっと待ってたんだぞ」

カツオ「悪かったよ。でもこっちは今それどころじゃないんだ」

カツオ「お父さんが入隊しちゃったんだよ」

中島「入隊？？」

カツオ「そう、入隊」

カツオ「家でビリーズブートキャンプをやってるんだ、お父さん」

中島「あー、あれのことか」

中島「でも何が問題なのさ。健康的でいいじゃないか」

カツオ「冗談じゃない。テレビは占領されるし家の中はうるさいし、良い事なんか一つもないよ」

カツオ「あーあ、早く成果が出て除隊してくれないかなあ」