秋月「何でも屋、秋月……っと」 (494)
「ご連絡いただければ時給1000円で何でもいたします!力仕事大歓迎!TELーー」
秋月「よし、上出来ね」
照月「お客さんから連絡くるといいね!」
初月「この張り紙は外に貼っておくよ」
秋月「でも時給貰いすぎじゃないかしら……」
照月「大丈夫大丈夫!きっといっぱい依頼が来ていーっぱいご飯が食べられるよ!」
初月「時給1000円だから一人頭時給333円……妥当じゃないかな」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1482030412
秋月「ちょっとお散歩にでも行きましょうか」
照月「そうだね。鎮守府にいても仕方ないし……」
初月「提督はどこで何をしているんだろうな」
秋月「…………」
ある大規模作戦が開始された。秋月達を含む艦娘達は力を尽くし戦い最終海域に突入。
しかし道半ばで資源は尽き、秋月達は再度出撃をする為に方々へ資源を集めに出向く、
「作戦失敗」
秋月達が長期の遠征から鎮守府に帰るとそう書かれた紙が机に置かれていた。
周りには無残に割られた勲章、荒れた室内、そして鎮守府にいた艦娘の姿も消えていた。
秋月「今日はどこに行きましょうか」
照月「ケーキがいいなぁ」
初月「ケーキか……この時間ならあそこのケーキ屋が丁度良いんじゃないかな」
秋月「じゃあケーキ屋さんにしましょう」
照月「見て見て秋月姉!凄く綺麗で甘い匂いがするね!」
初月「僕はこのモンブランが良いかな。栗がテラテラしてて綺麗だ」
秋月「秋月はやっぱりショートケーキね。イチゴが真っ赤で甘そう」
店員「お客様、お決まりでしたらお伺いいたしますが」
秋月「いえ、もう行きますので」
照月「いつか食べて見たいねー」
初月「きっと甘いんだろうな」
秋月「次はスーパーね。いろんな食材があります」
照月「秋月姉!試食があるよ!」
初月「今日は日曜だからね。肉の焼ける良い匂いだ……」
店員「よろしければ試食いかがですか?」
照月「いいんですか!?」
初月「僕も!」
店員「はい♪」
照月「秋月姉、試食していいってーー」
秋月「ダメ」
初月「えっ……」
秋月「試食って言うのはお金を持っている人が買うかどうかを決める為に試しに味見する事」
秋月「だから買うお金を持っていない私達には試食をする権利はないの」
照月「…………うん」
初月「……いこうか」
店員「あ、あの、そんなに深く考えなくても!……いっちゃった」
秋月「次はどこへ行きましょうか」
照月「うーん、そろそろ暗くなって来たし野草を摘みにいって帰る?」
初月「この時期は寒いからね」
秋月「ですね。河原に行きましょう」
店員「よろしくお願いしまーす」
秋月「?」
店員「あの店で使えるドリンクバー無料券でーす」
店員「よろしくお願しまーす」
秋月「ドリンクバー無料券?」
照月「よくわかんないけど無料券だって言ってたよね!?」
初月「ドリンクって事は飲み物が無料なんじゃないかな」
秋月たちの帰り道で「タダで差し上げます」のモニタリングをやっていたらなぁ…
秋月「どどどどうしよう。こんな物貰えない、返さなきゃ……」
照月「でも見てよ秋月姉、あの人通りかかる人みんなに配ってるよ?」
初月「あの人はこのチラシを配り終えるのが任務なんじゃないかな」
秋月「じゃあこれは貰っても良いのかしら……」
照月「きっと秋月姉が毎日まじめに頑張ってるからサンタさんが少し早いプレゼントをくれたんだよ!」
初月「うんうん。だから僕たちには気を使わずドリンクバーを楽しんでおいでよ」
秋月「2人とも…………ううん、でも2人をおいて1人だけ楽しむなんて出来ません。またの機会にしましょう」
照月「秋月姉……あれ?これって」
「一枚で3名様まで無料になります」
店員「いらっしゃいませー。何名様でしょうか?」
秋月「さ、三姉妹です!」
店員「三名さまですねー。全席禁煙となっておりまーし。こちらの席へどうぞー」
照月「わわわ……ここってレストランだよね?初めて入った……緊張する……」
初月「大丈夫、僕が手を握っているから」
照月「うん、ありがとう初月」
秋月「あ、秋月も一緒に手を」
店員「ご注文お決まりになりましたらそちらのブザーでお呼びください」
秋月「はい!」
店員(どうしてあの子たち手を繋いだまま片方のイスに並んで座ったのかしら)
無一文でドリンクバー無料券だけ握りしめファミレスへ
もう一つ質問良いかな
……長10㎝砲ちゃんたち、どこ行った?
>>19
もしかするとこんな感じかもしれない。
長10cm砲ズ「電話係、用心棒をやっています。」
秋月「…………」
照月「…………」
初月「どうして姉さんたちは2人とも黙っているんだい?」
秋月「こう言う場所は初めてだから緊張して……」
照月「と言うかドリンクバーってどうすれば良いんだろう?」
秋月「その前にドリンクバーって何なのかしら……ドリンクをどうにかするんでしょうけど……」
初月「要件がある時はこれを押せば良いんだろ?」パチッ
秋月「ああっ!まだ心の準備が………
店員「ご注文お決まりでしょうかー」
秋月「あ、あのっ、これ、使いたいんですけど……」
店員「はい。そちらの券はお支払いの際にレジにてお出しください」
秋月「ちゃんと使えるんですか!?」
店員「もちろんですけど」
秋月「ありがとうございます!」
店員「はい?ではご注文お決まりになりましたらおよびください」
秋月「…………」
照月「…………」
初月「…………」
照月「なかなか来ないね、ドリンクバー」
秋月「あんまり急かしちゃダメよ。無料でいただけるんだから」
初月「そもそもドリンクバーってどんな飲み物なんだろう?アイスバーみたいな名前だし棒つきドリンクなのかな?」
秋月「お茶に棒が入っててかき混ぜたりするのかしら?」
照月「あー、それ知ってる。カフェラテって言うらしいよ」
初月「カフェラテか……僕たちには少しオシャレ過ぎるね」
照月「……ねぇ、いくらなんでも遅すぎない?」
秋月「うーん……」
客「このしゃぶしゃぶ食べ放題を4つとドリンクバーで」
店員「かしこまりました」
初月「あっちの客もドリンクバーを頼んだみたいだ」
照月「だね」
客「さてと、んじゃドリンクバー行ってくるわ。カバン見てて」
客「私はコーラお願い」
秋月「ドリンクバー行ってくる……?」
照月「ドリンクバーって待ってたら来るんじゃなかったんだ!」
初月「とにかくあの人の後をつけよう」
客「コーラとグレープにするか」
照月「秋月姉、ジュースが出てきてるよ!」ヒソヒソ
秋月「なるほど。ドリンクバーって言うのは自分で飲み物を選んで入れる事だったのね」
初月「だったら僕たちもドリンクバーしに行こう」
秋月「待って、念のため店員さんに聞いて見ましょう」
照月「そうだね……後で別料金とか言われたら怖いし……」
秋月「あ、あの、すみません。あちらにあるジュース精製装置はドリンクバーの権利があれば使用しても良いのでしょうか……?」
店員「へ?はい、まぁ」
秋月「ありがとうございます!」
秋月「了解を得てきました!」
照月「やったあ!コップはここのを使ってたよね!」
初月「種類がたくさんあって迷う……」
照月「せっかくだから高いジュースを飲んで見たいよね!」
秋月「りんごジュース……オレンジジュース……グレープジュース……」
照月「照月はコレにしよーっと♪さっきの人が入れてたシュワシュワー」ポチッ
ぽちょん……
照月「あれ?ずっと押してなきゃダメだったんだ。じゃあちゃんとーー」
初月「姉さん待って」
照月「?」
初月「これ……何回も押して良いのかな?」
秋月「確かに……さっきの人は一度しか押してなかったわね」
照月「えっ?ええっ!?照月のドリンクバーこれだけなの!?」
照月「ううー……秋月姉ぇ~!照月もドリンクバー飲みたかったぁ……」
秋月「元気出して。秋月のドリンクバーを分けてあげるから」
初月「待って姉さん。これを見てくれ」
「ドリンクバーのまわし飲み禁止!ドリンクバー利用の際はテーブル毎に皆さん分をご注文いただきます」
秋月「まわし飲み禁止……?」
初月「ああ。きっとこれは僕達みたいなドリンクバー初心者を狙った罠だったんだ」
照月「罠……?」
初月「無料券につられて来た人がドリンクバーの仕組みを知らずに失敗して、2度目のボタンを押した途端に料金が発生する仕組みさ」
秋月「まさかこれがボッタクリバー……?聞いたことがあるわ、知らない間に高額な金額を請求されるっていう……」
初月「ああ、きっとドリンクバーの裏の顔がボッタクリバーだったんだよ」
ドリンクバーはボッタクリバーだった!
照月「こんなちょっぴり……」
初月「……」
秋月「照月、ちょっとそのコップ貸してくれる?」
照月「ふぇ……?うん」
秋月「じゃあ、はい。こっちが照月のコップね」
照月「ええっ!?これは秋月姉のコップだよ!」
秋月「さっきの人は一緒に来た人に頼まれて2人分いれてたでしょ?だからコレも照月が秋月の為に入れてくれた事にすれば問題ないから」
照月「ダメダメ!そんなの絶対ーー」
秋月「……」ゴクッ
初月「あっ……」
秋月「もう飲んじゃったからコレが秋月のコップです。まわし飲み禁止って書いてあるしそれは照月が使いなさい」
照月「秋月姉ぇ……」
秋月「泣いてないで。次はちゃんと入れるんですよ」
照月「うぅっ……」
客「あのー、ちょっと良いかな?そこ」
秋月「あっ、すみません!」
初月「あれ?この人さっきの……」
客「えーっと、コーラとグレープ……ったく、一気飲みしやがって。……あっ、間違えた。パインジュースだったか。まぁちょっと混ざってもわからないだろ」
照月「えっ……ええっ!?」
秋月「あの人、さっきもジュース入れてたような……」
初月「それどころか何度もボタンを押しているね」
秋月「……あの」
客「ん?」
客「えっ?ドリンクバーにそんなシステムは無いけど……」
照月「!!」
客「このまわし飲み禁止って言うのも1人だけ頼んで皆んなで飲むのが禁止って意味だからね」
秋月「お恥ずかしいです……」
初月「お前はドリンクバーマスターなんだな」
秋月「こら初月、いきなりお前はとか言わないの!」
客「そう!俺はドリンクバーマスター!」
客2「遅いから見に来たら何やってんだお前」
初月「ドリンクバーマスター……だと」
照月「ねぇねぇ、ドリンクバーマスターさん。この中で一番オススメのドリンクはどれですか?」
客「うむ。どれも捨てがたいがドリンクバーの醍醐味と言えばミックスにある」
初月「ミックス?」
客「いろんな味を混ぜて自分だけのジュースを作るのさ」
客2「子供か」
客「例えば……まずピーチジュースをベースにパインジュースを入れて……次にアップル、最後はペプシコーラの炭酸でアクセントをつける」
客「これが今流行りのPPAPドリンクだ!」
初月「ピーピーエーピードリンク……何かの暗号か……?」
客「さぁ飲んでごらん」
照月「……うん」ゴクッ
客2「訳わからんものを飲ますなよ……」
照月「お……おいしい!すごいすごい!とってもおいしいよこれ!」
客「マジか」
初月「ドリンクバーマスター、僕にも同じ物をたのむ!」
客「お、おう!まかせろ!」
初月「んっ……これは、良いものだな」
照月「ね?ね?」
秋月「2人とも、お行儀が悪いわよ。席に戻って飲みなさい」
照月「はーい。秋月姉も早く来てねー」
秋月「すみませんでした。妹達がお騒がせしてしまって」
客「いやいや、喜んで貰えてなにより」
客2「なんか俺悔しくなって来た」
秋月「えっと……」
秋月「ピーチをベースに……パイナップルとりんご……あ、あれ?りんごが先だったような……」
秋月「…………」チラッ
客「ん?」
秋月「あ、あの……秋月にも同じ物をお願いしてもよろしいでしょうか……」
客「よしきた!」
秋月「ありがとうございます!……ふふっ♪」
客(なんか近い良い匂いする……!)
客2「なんか俺悔しくなって来た!」
照月「おいしいね、ジュース♪」
初月「こんな素晴らしい券をくれたあの人は女神だったんじゃないかな」
秋月「ココアもとっても美味しいわ……」
照月「糖分は貴重だから取れる時に取っておかないとだよねー」
初月「うんうん……」
照月「それにしても……良い匂い……」
初月「ドリンクバーに食事まで付いていたら最高なんだろうね」
照月「さっきの人達はしゃぶしゃぶ食べてるみたいだよー。良いなぁー」
秋月「あんまりジロジロ見ないの」
初月「これを見てくれ」
照月「しゃぶしゃぶ食べ放題2980円……3人だとドリンクバー付けて10000円くらいだね……」
初月「10000円か……天文学的数字だね」
秋月「何言ってるの!時給1000円なら10時間で稼げるんだから」
照月「じゃあ10時間働いてお金を稼いだら皆んなでココへしゃぶしゃぶ食べ放題に来ようよ!ね!」
秋月「本当は貯蓄したいんだけど……そうね、最初くらいいいかもしれないわね。目標があった方がやる気も出るだろうし」
照月「わーい♪そうと決まれば早く帰って仕事の電話待たなきゃ!」
初月「うん、1時間以上も飲んだからお腹もいっぱいだ」
秋月「そうね。そろそろ行きましょうか」
店員「お会計ですねー。ありがとうございまーす」
秋月「は、はい」
店員「ドリンクバー3人で840円になりまーす」
秋月「あ、あの、これを」
店員「無料券ですか?えーっと、こちらは使えないんですがー」
秋月「ええっ!?で、でも、外で、ココで、使えると……わ、渡されたんです!本当です!」
店員「はいー。確かにうちの無料券なんですけどー、この裏に書いてますよね?お食事セットをご注文された方……って」
秋月「…………」フラッ…
照月「秋月姉!?」
初月「やっぱり罠だったんだ……」
巧妙な罠……っ!
秋月「あ、あの、いったいどうしたらいいのか……」
店員「この場合ですと現金でドリンクバーの料金をお支払いいただくか、セットメニューをご注文いただいて無料券を使用していただくかになりますけど」
照月「そんなの困ります!照月達はこの無料券だけで現金なんて1円も……」
初月「この前溝掃除をしていて拾った10円ならある。交番の人が家の前で拾ったものだし額が額だからってくれたんだ」
秋月「なんとかこの無料券使えませんか……?無理を言っているのは分かっているんですけど……」
店員「そう言われましてもアルバイトの私にはなんとも……ちょっと店長を呼んで来ますね」
照月「わわわっ、どうしよう……大ごとになっちゃった……」
初月「店長と言うことは鎮守府で言うと指揮官の提督みたいなものか……僕たち憲兵に捕まって死刑なのかもしれないね」
照月「やだやだやだ!まだ死にたくないよお~!」
秋月「大丈夫。万が一の時は秋月が……」
店長「え?ドリンクバーの無料券で勘違いした子供達が?」
店員「はい。どうしましょうか?親御さんに連絡を?」
店長「いやぁ、かまわんかまわん。子供の勘違いで反省してるなら許してあげれば。私から言っておくから」
店長「君たちがドリンクバーの?」
秋月「はわわ……」
照月「どどど、どうしよう秋月姉……怖そうな人が出て来ちゃった……」
初月「姉さん、今までありがとう。僕は2人とも大好きだったよ。獄中では離れ離れかもしれないけど心は1つだから」
照月「初月……!照月も2人が大好きだよお……」
秋月「私も……」
「うわあぁ~ん!!」
店長「えっ……なにこれ……」
店長「あ、あの、君たち?」
秋月「ぐすっ……取り乱してしまい申し訳有りません。どうぞ……」
店長「いや、どうぞって両手を前に出されてもね……」
客「おわっ、なにしてるんだい!?」
初月「やあ、ドリンクバーマスター。見苦しいところを見られたね。僕たちはこれからお縄にかかって豚小屋にぶち込まれるところさ」
客「なにそれ怖い!」
秋月「かくかくしかじか……」
客「なるほど」
客2「おーい、お前は毎回毎回ジュース入れるの遅すぎ……あっ、君たちはドリンクバーの」
初月「お前は確かドリンクバーマスターの腰巾着」
客2「腰巾着!?」
客「よし、じゃあドリンクバーの料金は俺が払おう。ドリンクバーを伝授した俺にも責任はあるからな!」
秋月「そんな、いけません。ご厚意は嬉しいですが見ず知らずの方にこんな大金……」
客「大金って……よし、じゃあ840円分働いてもらおうか」」
客「俺の頬にキスしてくれたらドリンクバーの料金は払おう!」
客2「死ね!このロリコン!そんなもん840払うから俺もお願いしたいわ!」
客「冗談にきまっ」
ちゅっ……
トットットッ……
客「……」
客2「…………」
秋月「あの……本当にこれで良いんでしょうか……?」
客「あああああああ!!ちゅって!後ろに手を組んだままちゅってした後に!トットットッて後ずさりして!!」
客2「うわあああああああ!!ちくしょう!!!!お前ばっかりお前ばっかり!!死ねば良いのに!!」
客「落ち着け、今日はお祝いなんだからーー」
照月「えっと……照月達からもお願いしますね」
初月「じゃあ僕は右から。姉さんは左の頬に」
ちゅっ
客「おれは……しんだのか……」
客2「あああああ!ぶっ殺してやりたいよ!!」
客「……はっ!」
客「さあ店長!約束の金だ!俺が払っても文句はないな!君たちはもう行っていいからね」
秋月「あ、ありがとうございます!」
ダッ
店長「なんか、俺……悪者になってない……?」
客「今日は最高のパーティーになったよ」
客2「うるさい死ね。通報してやるからな」
客3「まぁまぁ、今日はお祝いの席なんだから」
客4「それにしてもあんたが提督にねぇ」
客「今時提督の資格なんて割とホイホイ取れるもんだぞ?鎮守府も艦娘も持たせてもらえない肩書き提督ばっかりだけどな」
客3「提督って言えばこの辺りでも誘拐事件あったよね。提督拐われていつの間にか帰ってきたやつ」
客4「あー、ニュースで見た見た。戻ってきた後に駆逐艦に手を出して豚小屋送りになったらしいな」
客2「お前も豚小屋送りになれば良いのによ!」
客3「そう言えばあの鎮守府って新しい提督を募集してたよね?行って見たら?」
次回は弁当屋で理不尽が秋月達を襲う!
初月「結果的に無料でドリンクバーを楽しめてラッキーだったね」
照月「そうだ!照月今日の占いで1番だったんだよねー♪そのおかげかも」
秋月「他のお客さんにご迷惑かけたんだから反省しなくちゃ……」
初月「そうだよ照月姉さん」
照月「ええ!?初月、裏切っ……えっと、うん……」
秋月「さあ冷えて来たし早く帰りましょ」
初月「今日の占いで照月姉さんが1番だったなら良い野草が見つかると良いね」
照月「よーし、じゃあ照月が探照灯で探すね!」
照月「探照灯照射ー♪」
秋月「河川敷に着いてからにしなさい」
照月「はーい…………ん?」
初月「どうしたんだい?」
照月「た、たいへん!おじいさんがうずくまってる!」
秋月「ええっ!?」
ダッ
照月「だ、大丈夫ですか!?」
爺「むっ……」
秋月「お怪我はありませんか?」
爺「ああ、ちょっと荷物が重くてね」
初月「さ……さ……」
照月「初月?」
初月「サンタさん……!!」
照月「サンタさん?何行ってるの、初月ってば。サンタクロースなんているわけ」
秋月「わ、わわ、わあぁー!」
照月「なに!?秋月姉まで」
秋月「初月はまだサンタクロースを信じてるんだから夢を壊さないの」
照月「ええー……それもう早く教えてあげた方がよくない……?」
初月「トナカイは……トナカイはどこにいるんですか!?」
照月「あんなテンション高い初月初めて見たかも……」
爺「そのトナカイと逸れてしまって探しておるのじゃが……」
初月「聞いたか姉さん!やっぱりトナカイを連れたサンタさんだった!」
照月「ええー……」
爺「……」グッ
照月「なんか場の空気をよんだ!サンタクロース役は任せろ見たいに親指たててるし……」
初月「そうだ!トナカイが見つかるまで僕たちが荷物を運ぶお手伝いするよ!」
爺「なんとっ!」
初月「ハァ……サンタさんのお手伝いができるなんて僕は幸せだよ」
照月「おもーいー……。これじゃあラッキーなのは照月じゃなくてお爺さんの方だよー」
秋月「そんな事ないわよ。ほら、初月があんなにも嬉しそうなんだから」
爺「いやー楽チン楽チン。お主達は働き者じゃのう」
トナカイ「姉さん!こんな所にいらっしゃったんですか!」
爺「おお、ちく……と、トナカイ!探したではないか!」
トナカイ「?」
初月「言葉を話すトナカイ……すごい!すごすぎる!」
爺「そうじゃ!色々手伝ってくれたお礼をせねばならぬな。とは言えこのプレゼントはここのチビどものものじゃし……」
爺「よし、これをやろう。ではメリークリスマスなのじゃ!ん?メリークリスマスなのだよ?の方がサンタクロースっぽいかのう?」
照月「サンタクロースとトナカイが並んで歩いてっちゃったし…………初月なに貰ったの?」
初月「ん?なんだろう」
「500円玉」
照月「お、お金じゃない!しかも500円も!」
秋月「お、おち、おちついて!まずは豆苗を買って自家栽培を……」
照月「今ならスーパーのお惣菜が半額かも!」
秋月「そうね、スーパーに行……じゃなくて、これは初月が貰ったものなんだから……初月が買いたい物を選びなさい」
初月「うーん……じゃあ僕はあれが食べて見たいかな」
照月「あれってお弁当屋さん?こんな所に出来てたんだ」
秋月「普段無縁だから気づきすらしなかったわね」
照月「でもコスパが……」
秋月「今日は初月の言う通りしましょう」
店員「いらっしゃいませー」
照月「あうう……揚げ物の良い匂い。よだれが出ちゃう」
秋月「でもどれも高いわね……」
初月「僕はこれにするよ!」
秋月「からあげスペシャル?でもそれって640円だから500円じゃ足りないわね」
客「いや、今日はオープンセールで150円引きだから買えるぞ?」
秋月「えっ?あっ、本当だ……わざわざありがとうございます」
客「良いって。んじゃあたしは隣に出来た薬局でも見て時間潰してくるから。10分くらいでできるんだよな?」
店員「はい!」
初月「ここに作り置きのお弁当が並んでるね」
照月「時間がない人はここから取って買うのかな?」
秋月「私達は時間があるしせっかくなんだから出来立てを買って帰りましょう」
初月「うん。すみません、からあげスペシャル1つ」
店員「は、はい!少々お待ちくださ……店長、レジが!あのっ」
照月「出来たばかりだから店員さんもバタバタしてるねー」
初月「後は待つばかりだ」
秋月「このイスに座って待ってましょうか」
20分後
店員「98番でお待ちのお客様ー」
初月「まだかな」
秋月「作りたてを頼んだんだからきっともう少し待たなきゃダメよ」
照月「でもあの人照月達より後に来たよね?」
秋月「そう言われると……今は接客が忙しそうだし後で聞いてみようかしら」
照月「初月、私達は何番なの?」
初月「僕はそんな番号なんて貰っていないよ?」
照月「そうなの?まさか注文が漏れてたりしないよね……」
照月「秋月姉、照月達ずっといるからお店の人も不思議そうな顔してるよ……」
秋月「うーん……」
店長「あのー、お客さん何番でお待ちでしょうか?」
初月「僕は番号なんて貰っていないが」
店長「はい?」
初月「だから番号は貰っていない」
店長「ご注文は何を?」
初月「このレシートに書いてあるからあげスペシャルだが」
店長「からあげスペシャル……わかりました、すぐご用意しますので」
初月「うん。姉さん、もうすぐできるみたいだ」
店長「からあげスペシャルからあげスペシャルっと、」
照月「えっ……あの人、作り置きの棚からお弁当持って来たけどまさか……」
店員「からあげスペシャルでお待ちのお客様お待たせいたしましたー」
照月「えっ?えっ??」
初月「僕達は作りたてを買うために20分以上待ったのに……そっちは僕達が来た時からあったじゃないか」
秋月「2人とも。ほら、保温されてたからお弁当はあったかいし。いきましょ」
照月「秋月姉……」
客「ざっけんな!てめぇ!」
客「おい!このガキ共はあたしと同じくらい前に入って来ただろうが!」
客「そんだけ待たせといてお前作り置きから持って来やがったな!」
店長「お、お客様、他にもお客様がいらっしゃいますから」
客「だったらなんだ!ちょうど良いじゃねーか。ここは20分待たせて作り置きの弁当を渡すクソみたいな店だって教えてやる」
店長「わ、わかりました!今すぐ作らせますから!!」
客「ふーん……だってよ。仕方ねーからもうちょっと待ってやるか?」
照月「えっと……はい」
店長「お、おまたせしました」
照月「わーい、あつあつだぁー♪」
初月「じゃあこれと交換してくれるかい」
店長「はい……」
客「おい」
店長「はい?」
客「その弁当どうする気だ?」
店長「これはあの作り置きの棚に戻」
客「あん!?てめぇ、あの棚から取り出して随分たった冷めた商品をまた並べて客に売ろうってのか!?」
店長「わかりました、廃棄しますから!」
客「廃棄するくらいならサービスでやれば良いだろ?こいつらは店の不手際で30分も待たされてんだぞ」
店長「は、はい……ご迷惑をおかけしました。そちらはサービスで差し上げます」
客「だってよ。よかったな」
秋月「あ、ありがとうございます!」
店長「はぁ……」
客「おい」
店長「……まだ何かご用ですか?」
客「何寝ぼけた事言ってんだ!あたしはまだ自分の弁当を受け取ってねーんだよ!おら!からあげスペシャル5つ!」
店長「は、はい!」
客「ったく。こんな店すぐ潰れんだろーな」
秋月「あの、さっきはありがとうございました」
客「あん?気にすんなって。あっちが悪いんだからよ」
客「それよりもほら、これやるから持ってけ」
照月「良いんですか!?」
秋月「照月、ダメに決まってるでしょ!いただけません、そんな……」
客「いやー、隣に出来た薬局の事ばっか考えててボーッとしてたんだろうな!あたしとした事が4人姉妹なのに弁当5個頼んじまってよ」
客「余っても仕方ねーし、お前ら3人で弁当2個じゃたんねーだろ?」
客「お前達は人数分弁当が手に入る。あたしは余分に持って帰って姉貴が弁当を2個食べて太るのを阻止できる。win-winってやつだ」
客「だから遠慮せずもってけ!ってかガキが遠慮なんてすんな」
秋月「どうしてそんなに良くしてくれるんですか……?」
客「それはまぁ、あれだ。なんとなくだな。んじゃあたしは行くから」
摩耶「ただいまー」
高雄「随分遅かったわね」
摩耶「わりーわりー、隣の薬局で時間潰してたら時間忘れちまってよー」
鳥海「もう、摩耶ったら」
愛宕「あらー?お弁当が4つしかないわよ?」
摩耶「いやー、それがつい勘違いしちまって4つしか買ってこなかったんだよ」
摩耶「つーわけで悪りぃ!お前の分はねーんだわ。まぁ摩耶様の分を少し分けてやっからよぉ」
提督「なんて日だ!!」
摩耶(あいつらも今頃弁当食ってっかなぁ。いつも河川敷で野草集めたりしてるみたいだし、ちゃんと栄養とれよ)
2日ほど前にあった出来事ほぼノンフィクション
現実では摩耶様みたいな人は現れなかったけどね……
男「ええっ!?俺が鎮守府持ちの提督にですか!?」
大本営「そうだ。実は最近その鎮守府で不祥事があった訳なんだが」
男(そう言えば前に喫茶店でそんな様な話してたな……)
大本営「どうだ?やってみるか?」
男「はいよろこんで!」
男「やった……!とりあえず資格を取っただけだったけど……なれるのか、本当の提督に!」
男「ついに夢が叶うんだ……!俺の夢」
男「駆逐艦お漏らし計画!」
男「本当は初期艦でいろんな悪戯をしたかったが……まぁ仕方ない」
男「むしろこれは強くてコンテニュー状態!最初から色んな女の子がいるんだからな」
男「まぁ知ってる艦娘なんて第六駆逐と島風、愛宕、後は金剛?だっけか」
男「ああー、いるかなー?暁ちゃん」
男「暁ちゃんをベッドに縛り付けて強制的にお漏」
男「……しかしそうとなると引っ越しが必要だな」
男「あいつらは言っても手伝ってくれないだろうし」
男「人手が欲しいんだけど…………ん?」
「ご連絡いただければ時給1000円で何でもいたします!力仕事大歓迎!」
男「うわっ……何だこの怪しい張り紙……」
男「力仕事大歓迎ってゴリゴリのマッチョでも来るのか?」
男「でも荷物運びには使えるか……?」
男「まぁこのタイミングで見つけたのも何かの縁。1時間だけ頼んでみるか」
男「もしもし、引っ越しの手伝いを頼みたいんですけど」
秋月「はい!喜んでお受けいたします!!ではご住所ど連絡先をーー」
男(受付の子は可愛い声だな)
数時間後
男「そろそろだな。筋肉バカをせいぜいこき使ってやるか」
ピンポーン
男「きたきた。はーい」
秋月「本日はご依頼いただき本当にありがとうございます!」
男「あれ?君はファミレスの」
初月「お前はドリンクバーマスターか
男「君たちみたいな女の子が仕事をしていたなんて驚きだな」
照月「ドリンクバーマスターさんが初めての相手なんですよ!」
初月「初めてがドリンクバーマスターとは運命を感じるな」
秋月「あの、初めてですけど一生懸命がんばりますから!」
男(なんか股間にくるなこのセリフ)
秋月「引越しのお手伝いでしたよね?」
男「ん?あ、ああ」
照月「この荷物を引越し先に運べば良いのかな?」
男「いや、結構遠いからね。下に停めてあるトラックに積んでくれるかな」
初月「よし、では早速取り掛かろう」
男「俺も手伝うよ」
秋月「あっ、ダメですよ!これは秋月達の仕事ですから!」
照月「そうそう!ドリンクバーマスターさんはここに座ってて。照月達が全部してあげるから」
男(やっぱり股間にくるな)
秋月「冷蔵庫の中身はクーラーボックスに移しますね」
照月「わわっ、埃まみれ!ちゃんと掃除しなきゃダメですよー」
男(なんか良いな……もう時給分は十分楽しめた)
初月「この洗濯機も運んでしまって良いんだな」
男「それは流石に重いから俺も手伝ーー」
初月「こら、お前はジッとしていろと姉さんに言われただろ?」ヒョイ
男「ええっ!?洗濯機ってそんな軽い感じだったっけ!?」
照月「テレビ先に出しちゃいますねー。あっ、ついでにレンジも一緒に」
男「!?」
秋月「よし、冷蔵庫も空になったので運び出します」ヒョイ
男「えっ……」
秋月「ふう……なんとか時間内に終わりましたね」
男「君たち一体何者……?」
照月「へ?照月達は普通の艦娘だけど……」
男「艦娘?君たち艦娘だったの!?」
初月「いろいろあって今は活動が出来ていないが」
男「実は俺、提督で引越し先は鎮守府なんだよ」
照月「ドリンクバーマスターさんは提督さんだったんですか!?」
提督「その通り!」
初月「ドリンクバーマスターが提督なんて羨ましいな」
提督「君たちの提督は?」
秋月「秋月達の提督は……」
照月「うーん……」
提督「?」
初月「実はーー」
提督「提督が数日前から行方不明?」
秋月「はい。突然いなくなってしまって……」
照月「でもきっとすぐに帰ってくると思います!」
初月「うん。帰ってくるまで僕たちがしっかりしないと」
提督(もしかしてこの子達……俺の着任先の艦娘なのか?)
提督(でもすぐに帰って来るって…………そうか、駆逐艦の子供達には逮捕の事は伏せて……)
提督(つまりこの子達は帰ってこない提督を待ち続ける……まさに名犬ハチ公!)
初月「ん?僕の顔に何か付いているか?」
提督「大丈夫、頑張っているからきっとすぐにでも君たちの元に提督はやってくるよ」
秋月「ドリンクバーマスターさん……ありがとうございます」
照月「えへへ♪」
提督「そうだ、お給料をあげないと。時給千円だったね」
初月「う、うむ!」
提督「はい千円」
秋月「ありがとうございます!」
提督「はい」
照月「ふえ?」
提督「はい」
初月「僕にも?」
提督「あれ?時給千円だったよね?」
秋月「その、3人で千円なんですけど」
提督「3人で!?ダメダメ、これくらいは最低でも貰わないと!」
照月「でも……」
提督「本当はそれでも安いくらいだ」
初月「ならせめて荷下ろしまで手伝わせてくれ」
提督「いいよいいよ。鎮守府に行けば艦娘は山ほどいるからね」
照月「それもそうだね」
提督「まぁ結局君たちにも手伝ってもらう事になるかもしれないけどね」
初月「?」
提督「おっと、じゃあ一旦お別れだ。……またな!」ブロロロロロ
秋月「また?」
照月「もしかして常連さんになってくれるのかも!」
提督はロアナプラ鎮守府に着任
ケンタッキー!ケンタッキー!ケンタッキー!ケンタッキー!USA!USA!USA!!
秋月「こんな大金……」
照月「この調子で行けば近いうちにしゃぶしゃぶ食べ放題にいけるね!」
秋月「ダメよ。今回は特別……これはクリスマスプレゼント!だから次からは3人で千円ね」
照月「えーっ」
初月「……姉さん、今回だけこのお金好きに使っちゃダメかな」
秋月「好きに使うって何に使う気なの?」
初月「僕にいい考えがあるんだ」
秋月「?」
3000円でしゃぶしゃぶクイホーあるっけ?
秋月「初月がこんな事言うなんて珍しいし……」
秋月(何か欲しい物があったのかしら……)
照月「うんうん!初任給はパーっと使いたいよね!ね!?」
秋月「うーん……」
初月「お願いだよ、姉さん」
秋月「わかったわ。贅沢は今回だけよ?」
初月「ありがとう!じゃあ僕はさっそく買い物に行ってくるよ!」
照月「照月はあのパン屋でパン買おうっと♪いつも匂いだから楽しみー♪」
秋月「じゃあ30分後にココへ集合。わかった?」
照月・初月「はーい」
>>166
和食さとなら!なんと!
30分後
照月「はあー♪おいしかったぁ♪」
秋月「よかったわね」
照月「あれ?秋月姉、もう戻ってたの?初月は?」
秋月「まだだけど……噂をすれば」
初月「すまない、待たせてしまって」
照月「そのおっきな袋、何買ったの?」
初月「これかい?これはね……」
初月「とびきり大きいクリスマスの靴下さ。この前見かけたんだ」
秋月「靴下?」
照月「それいくらしたの?」
初月「ちょうど千円だよ」
照月「いやいや、ちょうど千円使っちゃったら入れるプレゼントどうするの?」
初月「それはサンタさんの仕事だろ?」
照月「え?」
初月「ん?」
秋月「は、初月……サンタさんは……」
初月「知ってるよ。白いひげのお爺さんだって事は常識じゃないか」
照月「はわわわ……」
照月「秋月姉、照月達の妹がいまだにサンタさんを信じる愉快な子に育っちゃってるよ……!」
秋月「司令がいる時は毎年プレゼント配ってたから……でもみんな提督が配ってるって知っていたし……」
照月「睦月型の一部と暁ちゃんしか信じてなかったと思ってたのに……」
秋月「初月ったらあまり表情に出さないから……まさか毎年サンタさんから貰えたと思って喜んでたのかしら」
照月「そう言えばプレゼントもらった後、初月が提督にお礼言ってるの見た事ないかも……」
秋月「確かに……ちゃんと提督にお礼言いなさいって言ったら不思議な顔をされたこともあったわ……」
初月「何を2人でこそこそ話しているんだい?」
秋月「とにかく姉として妹の夢を壊すわけにはいかないわ……」
照月「でもどうするの?」
秋月「幸いここに貯金しようと使わなかった千円あるから……これでなんとか出来るものなら良いんだけど……」
照月「ごめんね秋月姉、照月パンなんて食べちゃってごめんね……!」
秋月「は、初月?その……サンタさんに何をお願いするの……?」
初月「提督と仲間達が帰ってくるようにお願いするんだ。でもみんなは靴下には入りきらないだろうしまずは提督かな」
秋月「どうしよう……千円じゃどうにもならない願いだわ……」
照月「ごめんね……2人ともみんなの事を考えてたのに照月だけパン食べちゃってごめんね……!」
夜
秋月「結局何もできず……」
照月「仕方ないよ。初月には悪いけど現実を知ってもらわないと」
秋月「クリスマス……本当にサンタさんが来てくれれば」
照月「秋月姉が買ってくれたチョコレート、この靴下に入れて照月達も寝よう?」
秋月「ええ。……ごめんね、初月」
照月「秋月姉は何も悪くないよ」
翌朝
初月「ん……」
提督「メリークリスマス。ワシじゃよ」
初月「サンタさん!?」
提督「の衣装を着たワシじゃよ初月」
初月「提督!」
照月「うーん……初月何騒いで……」
秋月「し、司令……?」
金剛「あはは、私たちもいマース」
金剛「本当に、この提督にも困ったものデース」
秋月「みなさん今まで何処に!?」
曙「このクソ提督、作戦が失敗したからって今までの勲章壊したり暴れまわったりして鎮守府を飛び出したのよ」
提督「本当に申し訳ないです……」
金剛「私達が全員で追いかけて傷心の提督を慰めていたネ」
曙「ほんっと、何日も拗ねて迷惑だわ」
叢雲「その割にずっと付きっきりだったわよねあんた」
曙「反対側で付きっきりだったあんたに言われたくないわよ」
秋月「そんな……秋月はてっきり、皆さんもうこの世にはいないものだと……」
金剛「私達がデスカ?」
秋月「作戦が失敗して司令がみなさんを解体、司令はその後海に身を投げたものだとばかり……」
曙「ちょ……不吉な事言わないでよ」
秋月「本当に、秋月は……秋……秋月は…………」
照月「どうして照月達に一声かけてくれなかったんですか!?」
金剛「いやー、それがその……アハハ……」
武蔵「実はお前達が遠征に出ていた事を全員すっかり忘れていてな。昨日思い出し慌てて帰って来たわけだ」
金剛「そこはもうちょっとオブラートに包んでくだサーイ!!」
初月「ともあれみんな帰って来た事だしヨシとしようじゃないか」
照月「初月、ポジティブ過ぎ……」
金剛「お詫びにクリスマスである今日1日、提督を3人に独占させてあげるネ!」
秋月「クリスマスに提督を……?」
提督「なんでも言う事を聞かせていただきます」
照月「なんでも?」
金剛「では邪魔者は退散しマース♪よいクリスマスをー♪」
榛名「金剛お姉様がクリスマスに提督を譲るなんて……榛名、驚きです」
金剛「気分転換にみんなで温泉旅館とか言ったてまえ責任は感じているネ……」
秋月「司令、本当になんでもお願いして良いんですか……?」
提督「もちろん。今日は俺がお前達のサンタクロースだ」
秋月「では……私たち三人にしゃぶしゃぶ食べ放題をご馳走して頂けませんか?」
提督「外食したいなんて珍しい……って言うか初めてじゃないか?よし、じゃあさっそく行くか!」
秋月「本当にですか!?」
照月「ドリンクバーも付けていいよね?ね!?あと食後にケーキも!」
提督「任せろ!今日は全員の願いを叶えてやる!」
初月「僕は提督と秋月姉さんの赤ちゃんが欲しいな」
提督「よし任せろ!いくぞー!」
秋月・照月・初月「おー♪」
こうして3人は願いを叶えてもらい楽しいクリスマスを過ごしました。
ギリギリクリスマスに間に合ってよかったです。
あと少しドリンクバーマスターを書いて終わります
提督「ここが今日から俺の城となる鎮守府か」
提督「ドリンクバーの子達と出会ってから運気もうなぎ登り。もしかして見た目通り天使だったんじゃないか?」
提督「とりあえず艦娘についても軽く予習して来たし、目指すは暁ちゃんのオムツプレイだ!」
提督「とりあえず門を開けて建物の前まで車で入るか」
ガラガラガラ
提督「しかし出迎えなしとは……いくらか艦娘はいると聞いていたが」
ズドンッ!!
提督「ふぁ!?」
天龍「そこから先はうちの敷地だ」
提督「あの容姿は確か……軽巡天龍か!」
天龍「聞いてんのか?そこから先は関係者以外立ち入り禁止だっつってんだ」
提督「関係者以外立ち入り禁止?」
天龍「ああそうだ。一般人なら帰んな」
提督「フフフ……何を隠そう俺は提督だ!」
天龍「でもまだ敷地には入ってない。今ならまだ一般人で済むって言ってやってんだよ」
提督「何を馬鹿な。ならば今すぐ一歩踏み入って正式に提督となってやろう!」
ズイッ
天龍「ちっ……バカが」
提督「と言うかこれ弾痕だろ!?冗談で危ない事するなよ」
天龍「冗談じゃねーよ。本気の脅しだ」
提督「なお悪いわ!」
天龍「ちっ……とにかくそれ以上入ってくんな。じきに迎えが来る」
提督「いいよもう。自分で行くから」スタスタ
天龍「おい!!」
ズドンッ!ズドンッ!!
提督「ひっ!」
響「アスタナビーティシ!!」
提督「あ、あれは……!夢にまで見た第六駆逐隊の響!」
響「響だよ」
提督「えっ……まさかキミが撃ってたの……?」
響「対化物戦闘用13mm拳銃ジャッカルだよ」
提督「艦娘って拳銃とか使ったっけ……」
響「全長39cm、重量16kg。人類には扱えない代物だよ」
提督「そんな物どうして……」
響「司令官の頭をぶち抜くためだよ」
響「まずはようこそ。これからこの鎮守府におけるルールを教えてあげるね」
提督「ルール?」
響「一つ、駆逐艦に触れてはならない」
響「二つ、駆逐艦に話しかけてはならない」
響「三つ、駆逐艦の半径3メートルに入ってはならない」
提督「えっ!?そんなの無理無理!」
響「この3つを守れなかったら……」
提督「守れなかったら……?」
響「前の司令官と同じ事になるよ」
提督「憲兵!?」
天龍「憲兵だ?」
提督「俺の前にいた提督は駆逐艦にちょっかい出して憲兵に捕まったんだろ?」
天龍「ああ……そういやそんな事になってたんだっけ」
提督「?」
天龍「この鎮守府はどいつもこいつもロリコンばっか着任しやがってよぉ」
天龍「まぁ最初は憲兵に突き出してたんだよな」
天龍「お前、艦娘にとって提督ってどんな存在か知ってっか?」
提督「そりゃ……憧れの存在的な……?」
天龍「そうだ。憧れ、好意も抱いたもんさ。最初はな」
天龍「でもよぉ、そんな憧れの存在だった提督が来るたび来るたび不祥事ですげ替えられる訳だ」
天龍「毎回何人かの駆逐艦を泣かせてな」
提督「俺はそんな奴らと一緒じゃない!」
響「その目は暁にオムツを穿かせてお漏らしプレイをさせようとする変態上級者の目だよ」
提督「ぐぬぬ」
天龍「そんな変態野郎を憲兵に突き出してる時に思ったんだよな。ガキどもが傷付けられてんのにこんな軽い罰だけで許されるのかって」
提督「まさか提督をその銃で……?」
響「響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名もあるよ」
提督「え?」
響「司令官、不死鳥を知っているかい?」
提督「不死鳥って……文字通り不死の鳥だよね?」
響「いいや、正確には死ぬんだ。生き返るだけでね」
響「だから不死鳥は何度も何度も死んで、死がどれくらい苦しく辛いかも知っているんだ」
提督「う、ん?」
響「不死鳥だから知っているんだよ。死ぬ苦しみを。それとね、世の中には死ぬより辛い事なんていくらでもあることを」
響「以前いた司令官、どこに行ったか知ってるかい?」
提督「刑務所……かな」
響「うん、そうだね。でもその前に工廠に行ったんだ」
提督「工廠?」
天龍「前にいた奴はマジでヤバい奴でな。やたら吹雪を実戦に投入してたんだけどよ」
天龍「その理由が夢にウェデイングドレス着た吹雪が出て着てケッコンする夢を見たとか言ってたんだぜ」
天龍「50過ぎたおっさんが駆逐艦とケッコンだぞ?」
提督「……」
天龍「ある時そんな奴が誘拐されてな、帰って着たら吹雪を押し倒しておかしな事をやろうとしやがったんだ」
天龍「ギリギリで止めに入ったんだけど加賀がスゲー剣幕で工廠に連れて行っちまったんだ」
提督「そこで死ぬより辛い目に……」
響「モンキーレンチって知ってるかい?」
提督「あのバールと対を成す狂気代表工具の?」
響「あれはね、ボルトの大きさに合わせる用に幅を調節出来るんだ」
響「ここをこんな感じで回せば。ほら、幅が5センチくらいからピッタリ0まで」
提督「それで殴ったり……?」
響「違うよ。司令官は性欲に負けてあんな愚かな行為をしてしまった訳だからね」
響「まず提督の身包みを剥いで縛り付けて動けなくしたんだ」
響「それからいけない事をしようとした棒と玉があるから、まずは玉の方から幅をピッタリに合わせて」
響「ゆっくり、ゆっくり。ここを回して幅をだんだんと小さくして行くんだ」
響「まるでクルミのやナッツを潰すみたいに」
響「ナッツみたいにバキバキ壊れる音は聞こえないけれど、代わりに精神が壊れるような悲鳴ーー」
天龍「もうその話はやめろ!聞いてるだけで怖いんだからよ!!フフフ、怖いよ!」
響「と、まぁそんな感じで万力やモンキーレンチを使って去勢してから憲兵に引き渡したんだよ」
響「じゃあ張り切って執務室に案内しようか」
提督「帰りたい……」
天龍「だから言ったんだよ。帰れって」
響「せいぜい弾に当たらないよう頭は低くして生きるんだね」
天龍「着いたぞ。ここが執務室だ」
提督「えっ……ここってプレハブ小屋……」
天龍「鎮守府にはガキどもがいるんだから当然だろ」
提督「ふざっ」
バタンッ
提督「あっ!おい!このっ……あれっ!?内側にドアノブがない!?」
響「安心して良い。食事は日に3回持ってくる」
天龍「もちろん持ってくんのは大人限定だけどな」
響「トイレは部屋の隅に」
提督「刑務所か……」
響「我々艦娘は命令なしでは出撃出来ない。だから命令は司令官が出してくれ」
響「作戦は我々が立てよう」
響「装備の選択も我々が決めよう」
響「出撃日時も我々が決めよう」
響「出撃場所も我々が決めよう」
響「司令官はただ私達の言うタイミングで出撃命令だけを出せば良い。後は書類に作戦成功のハンコを押すだけだ」
響「それ以上は望まないし、それ以外の事はしなくて良い」
響「それじゃあ夕方に誰かが食事を持ってくるから」
天龍「いいか?お前の仕事はとりあえず何もしない事だ」
提督「おい!ちょっと!せめて窓くらい作ってくれ!!」
提督「……」
響「やれやれ、また今回も変態の犯罪者予備軍だね」
天龍「だいぶ若い奴だからちょっと可哀想だけどな」
足柄「若い!?新しい提督は若い人なの!?」
天龍「え?まぁ……」
足柄「そう……今日の食事は私が運んであげるわ!」
次回、理不尽な婚活が提督を襲う……!
提督「…………」
提督「このプレハブ小屋にあるのは机と筆記用具、後は布団だけか」
提督「後はトイレとペットボトルに入った水…………」
提督「このポストみたいなのはなんだ?と言うかもう22時だけど夕飯は本当に来るんだろうか」
ガチャガチャ
提督「!!」
足柄「おまたせ!夕飯を持ってきてあげたわよ!」
提督「これは……」
足柄「どうしたのかしら?」
提督「いや、正直こんな扱いだから夕飯も悲惨な物を想像してたけど、なかなか凄いご馳走だなって」
足柄「食事は艦娘も提督も同じ内容だから」
足柄「あと今日はクリスマスよ、クリスマス!パーティーでご馳走が出たから余計にね!」
提督「そうか。世間はクリスマスか……」
提督「いただきます」
足柄「めしあがれ♪」
提督「もぐもぐ……こ、これは……!」
提督「……冷たい」
足柄「食事は皆んなが済ませてから提督に運んでるからどうしても冷めちゃうのよね」
提督「冷たい味噌汁が身に染みる……」
足柄「じゃあ今夜はサンタさんにあったかい缶コーヒーでもお願いしたら?」
提督「それなら是非毛布をお願いしたいね。あのせんべい布団では寒そうだ」
足柄「んー、どこだったかしら……」
羽黒「姉さん……?何をしてるんですか?」
足柄「羽黒、ちょうどよかったわ!去年まで私が使ってた毛布を知らない?」
羽黒「それなら確かこの中に……」
足柄「あった!これよこれ!」
羽黒「でも新しい毛布を買ったのに何に使うんですか?」
足柄「ちょっとね」
夜中
ガタガタガタガタガタ……
提督「さ、寒い…………あっ、これマジで死ぬやつだわ……」
ガチャガチャ
足柄「メリークリスマース♪」
提督「?」
足柄「足柄サンタが提督にクリスマスプレゼントを持ってきたわよ!」
足柄「はい、毛布よ。敷き毛布もあるんだから!」
提督「毛布……!毛布!」
足柄「それじゃあ姉さん達が心配するからもう行くわね」
提督「ありがとうサンタさん……!優しいサンタさん!」
足柄「フフッ」
提督「あったかい……それになんだか凄くいい匂いがする……」
提督「甘くて優しい匂いに……包まれて…………zzz」
翌朝
提督「ふあー……」
提督「もう朝か……?時計時計……」
提督「10時か。この毛布のおかげで凄くグッスリ寝れたな」
提督「ん?これは……」
提督「ああ、このポストみたいな穴から食事が出て来るのか」
提督「いただきます」
提督「…………」
提督「こんな冷たい味噌汁は初めてだ。ご飯もカピカピだし……」
昼過ぎ
提督「うーん……腹減ったな……」
提督「もう2時前か」
ガタンッ
提督「!」
長門「おい」
提督「は、はい」
長門「食べ終わった食器はここに戻しておけ」
提督「このポストみたいな所に?」
長門「そうだ。次からちゃんと戻していない時は食事の配給は無いと思え」
提督「はい……」
提督(顔は見えないけど怖い人だな)
長門「フンッ……昼食だ。ありがたく食うんだな」
提督「……」
長門「くそっ……何故私がこんな事を……」
陸奥「はいはい、良いから行きましょ」
提督「なんだったんだ……」
陸奥「ごめんなさいね。長門ったら駆逐艦に悪戯する提督と言う生き物が殺したい程憎いのよ♪」
提督「ええー……」
長門「陸奥!何をしている!そんな生き物には最低限の言葉以外かけるな!」
陸奥「はいはい。じゃーね」
長門「まったく……私ですらギリギリ理性を保って駆逐艦には手を出していないと言うのに……」
提督「とにかく朝食とは違って受け取ってすぐならまだ温い……」
提督「ぬるい……」
提督「うどんも汁が殆ど無いし……」
提督「ああ……あのしゃぶしゃぶ食べ放題が懐かしい……」
提督「そう言えばドリンクバーの所にいた子達は元気にしてるだろうか?」
提督「正義感が強そうだったしこの鎮守府にいるなら助けてくれてるよな……」
提督「…………」
提督「まったく無関係な子達にドヤ顔で色々思わせぶりな事を言って恥ずかしい」
夜
ガチャガチャ
足柄「おまたせ!夕飯を持ってきたわよ!」
提督「ひぇっ、びっくりした」
足柄「あら、夕飯時なんだしそんなにびっくりする事ないじゃない」
提督「いや、食事はあの穴から渡されるだけだったから……それに時間もまだ7時だし。だいたい食事は皆んなが食べ終わってからだから」
足柄「まあ良いじゃないなんでも!さぁ冷めないうちに食べて!」
提督「冷めないうちって言われても既に……あ、あれ?この匂い、湯気……もしかして」
提督「ハフッ、ハフッ」
提督「あ、熱い!このカレー熱い!!」
足柄「少しはあったまったかしら?」
足柄「この食器は持って行くから食べ終わったらここに置いておくのよ?」
提督「うまい……!うまい!」ガツガツ
足柄「そんなに美味しい?」
提督「最高です!」
足柄「なら良かった。じゃあまたね、提督♪」
バタンッ
食堂
羽黒「あっ……姉さん」
那智「足柄、何をしていたんだ。せっかくのカレーが冷めているぞ」
足柄「わかってるわよ。いただきまーす」
足柄「うわっ、冷た」
妙高「カレーなんだから食べてからにすれば良かったのよ」
足柄「うーん、確かに毎日こんなのを食べるのは辛いわよね……」
翌朝
提督「…………」
ガタンッ
提督「!」
ガシャッ
提督「…………」
提督「あ、あの」
長門「黙れ。必要最低限の言葉以外喋るな」
提督「…………」
昼過ぎ
提督「……」
ガシャッ
提督「!」
提督「……」
天龍「あ?おーい、生きてっかー?飯は食ってるし生きてんだろー?返事しろー」
提督「その声は天龍?」
天龍「おお、生きてんじゃねーか」
提督「余計な言葉を喋ったら怒られるもんだから」
天龍「あん?ああ、長門か?あいつ、何度も駆逐艦を提督に悪戯されちまってブチギレちまったからなぁ」
天龍「根は真面目で良いやつなんだけどよー。ほら、今も向こうで駆逐艦の相手してるし。暁に雷に……何人肩車してんだあれ」
提督(羨ましい……!)
長波ちゃんに腰車してあげたいだけの人生
提督「もう夜か」
提督「今日は夕飯遅いな」
ガシャッ
提督「!!」
提督「……?」
提督「あれ?夕飯もここから……」
しーん……
提督「そうか、あの足柄さんだけが特別で他の艦娘は夜もここからなのか」
提督「いただきます…………冷たいな。すっかり冷めてる」
翌日
提督「今日も夕飯遅いな」
ガシャッ
提督「!」
提督「……」
提督「あの」
大鯨「ぴゃっ……な、なんでしょう……?」
提督「足柄さんって今は何をしているんですか?」
大鯨「足柄さんは今作戦に参加中で……す、すみません、失礼します」
提督「作戦……そう言えばこの前何か出したような……」
翌日
提督「寒い……」
提督「毛布のおかげで凍死は免れてるけど、体の中からあたたまりたい……」
隼鷹「今日の晩飯は鍋らしいぞー」
ポーラ「いいですねぇ♪お酒がすすんじゃいますよー♪」
提督「鍋か……あったかい鍋でビールでも飲めれば最高だろうな」
提督「……」
ガチャガチャ
提督「!」
スレタイの秋月がしばらく出てなくてスレタイ詐欺になりかけてるんですがそれは…
これじゃあロリコン更正鎮守府物語じゃないか(憤怒)
足柄「夕飯持って来たわよー♪」
提督「夕飯って……鍋?」
足柄「鍋ね」
提督「中身が空だけど……」
足柄「中身ならここにあるわ!」
提督「未調理!?」
足柄「そりゃー鍋ですもの。ガスコンロも持って来たわよ」
提督「!」
グツグツグツグツ
提督「…………ごくり」
足柄「さあ、いただきましょ♪」
提督「足柄さんもココで?」
足柄「ダメかしら?具材は2人分持って来たんだけど」
提督「いやいや、大歓迎ですよ!いつも1人で静かに食べてるし……」
足柄「最近は一人鍋とかも流行ってるけど、やっぱり鍋はみんなでつついて食べなきゃね」
10分後
提督「うまっ……うまっ……!」
足柄「それにしても今回の作戦は大変だったわ」
提督「確か重巡と航巡が主力の艦隊でしたよね」
足柄「そう!夜戦もあるししんどいのよ」
足柄「あと妙高姉さんってば私が探照灯持ってて中破したのに進軍したのよ!こんなのブラック企業じゃない!」
足柄「お陰で…………って何笑ってるの?」
提督「なんか……会話しながらあたたかい鍋を食べるのが幸せすぎて」
足柄「そう、なら良かったわ」
提督「それにしてもいい匂いだ」
足柄「ちゃんこ鍋らしいわよ」
提督「そうじゃなくて、足柄さんが……なんだろう?あまいにおいが」
足柄「お風呂に入って来たからかしら?」
提督「俺、この匂い好きです。気分が落ち着くって言うか」
足柄「そ、そう?ふーん。あ、そう……へー」
提督「なんでこんな気持ちに……」
提督「ごちそうさまでした」
足柄「さて、じゃあ私は戻るわね」
提督「えっ……」
足柄「?」
提督「もう少しゆっくりしていけばいいのに」
足柄「ダメよ。あんまり遅いと心配性の姉さんがうるさいから」
提督「……」
足柄「じゃあおやすみなさい。またね」
ガチャ
羽黒「姉さん、こんな時間までーー」
那智「うわっ、なんだお前……酒の飲み過ぎか?どこに隠していた!言え!」
妙高「ほんと、真っ赤でフラフラして……しっかりしなさい」
足柄「フフッ、フフフ……まだよ、まだ慌てるような時間じゃないわ……!」
提督「…………」
提督「祭りの後の静けさってやつか」
提督「寝よう」
提督「…………」
提督「ああ、この毛布の匂い……そうか……」
長門「風呂だと?」
足柄「そうよ。たまには風呂にも入れてあげなきゃ可哀想じゃない」
長門「ふざけるな。駆逐艦達のいる鎮守府の建物内部に陰獣を放つわけにはいかん」
足柄「でも何か集まりとかに提督が呼ばれた時に小汚かったり臭かったりしたら、その人に仕えてる私達までいい笑い者よ?」
長門「ぐっ……」
足柄「ゴミクズうん太郎の艦娘長門だなんてビッグセブンが聞いて呆れるわ」
長門「わかった、しかし使うのは駆逐艦達が寝静まる深夜、執務室の風呂を使え」
足柄「さっすがビッグセブン、話がわかるじゃない」
秋月型の話は>>182で終わってます。これはおまけ程度に思っ
足柄「提督、お風呂に入っても良いように許可を取って来たわよ♪」
提督「風呂?」
足柄「そうよ。紳士なら清潔にしなくちゃ」
提督「ここから出れるなら何でもいいけど本当に良いの?」
足柄「もちろん制限はあるわよ?使えるのは深夜だけ。あと必ず誰か付き添いが見張ること」
提督「改めて思ったけどぜんぜんしんようされてないんだな俺」
足柄「シャンプーとかタオルや着替えは揃ってるから行きましょうか」
提督「久々のシャバの空気か」
ガチャッ
提督「そう言えばいつも気になってたんだけど取ってのないこのドアを内からどうやって開けてるんだ?」
足柄「これ?このドアはある程度力を加えればドアノブがなくても内から押し開けられるのよ」
提督「つまり俺も筋力をつければ……」
足柄「何トンだったかしら。もちろん人間がどうこう出来る重さじゃ無いわよ?」
提督「でしょうね」
執務室
提督「おお……、ここが通常提督が執務をする部屋……」
提督「隔離されてない!窓がある!すごい!」
足柄「お風呂はお湯もためてあるからゆっくり入ってね♪」
提督「風呂なんていつぶりだ……体の芯まで温まってやるぞ」
足柄「……♪」
提督「……あの、そろそろ服を脱ぎたいんですけど」
足柄「ええ♪いつでも良いわよ♪」
提督「この状態で!?」
足柄「仕方ないじゃ無い。見張るのが仕事なんですもの♪」
風呂
提督「暖房まで完備されてる!ジャグジーまで!」
足柄「ミストサウナもあるのよ?」
提督「…………」ポロン
足柄「ハアァァァ……♪」
提督「えっ……あの、もう裸なので見張る必要は……」
足柄「ダメよ!しっかり見張る約束なんだから!」
提督「でもドアが空いてると寒いので……」
足柄「それもそうね……」
ガチャッ
提督「はぁ……」
ガチャッ
足柄「お待たせ!私も入るわ!」
提督「……ッッ」
足柄「あら、どうしたの?」
提督「どうしたもこうしたも……」
足柄「もしかしてこういうの初めてなのかしら?」
提督「こういうのって……」
足柄「男女で一緒にお風呂入るの♪」
提督「当たり前ですよ!」
足柄「フフッ、じゃあ……私がたっぷり教えてあげるわ♪まずは洗いっこね!」
30分後……
足柄「ん~……いいお湯だったわね」
提督「緊張して逆に疲れましたけど……」
足柄「あら、あんなに立派なモノを持ってるんだから恥ずかしがる事ないじゃない♪」
提督「それ以上に目のやり場に困るんですよ!」
足柄「私は見られて恥ずかしい身体じゃないわよ?洗練されたナイスバディーでしょ?」
提督「足柄さんが綺麗だから余計に困るんですよ!」
足柄「な…………め、面と向かって言われるとちょっと恥ずかしいわね……」
提督「多分、こっちはもっと恥ずかしいです……」
足柄「湯冷めする前に戻りましょうか」
提督「ああ……また戻ってきてしまった」
足柄「そんな顔しなくてもこれからは深夜ならいつだってお風呂に入れるわよ」
提督「でもたまには無駄に走り回ったりしたいな。体が鈍りそうだ」
足柄「そうかしら?かなり美味し……いい身体してたけど」
提督「この中で出来る運動なんて限られるし」
足柄「うーん……わかったわ。私から長門に掛け合ってあげる」
翌日
足柄「と言うわけで提督の外出許可が欲しいんだけど」
長門「何をバカな」
足柄「いいじゃない。ちゃんと付いていれば」
長門「誰がロリコンの為に夜な夜な起きて相手をするんだ」
足柄「私がするわよ」
長門「風呂の件といい……お前は少しあいつに対し甘過ぎる」
足柄「そう言えば今日、羽黒が駆逐艦の子達にクッキーの作り方を教えてあげてお礼にって貰った手作りクッキーの残りがココに」
長門「仕方ない。許可しよう」
足柄「提督、許可をもらってきたわ!深夜12時から日の出までだけど」
提督「ありがたい……!本当にありがとう足柄さん」
足柄「別に大した事じゃないわよ」
提督「俺からしたら大した事です!本当、足柄さんには感謝してもしきれなくて……」
足柄「大袈裟なんだから。ほら、顔を上げて」
提督「いや。あの……お風呂から意識しちゃって……」
足柄(あと一息……)
提督「外出にはやっぱり付き添いが必要なんだよな……」
提督「そろそろ朝食だけど足柄さんはしばらく任務でいないって言ってたし冷めた料理か……」
提督「ああ、外を走り回りたい。誰かに付き添いを頼ーー」
カチャン……
提督「!」
提督「あ、あのっ!」
龍驤「うわっ、な、なんや?喋んのかいな」
提督「今夜付き合ってもらえませんか!?」
龍驤「はあ……はええ!?」
龍驤「な、なな、なに言うとんねん!自分閉じ込められとるんやろ」
提督「外出許可なら長門って艦娘から貰ってる。深夜12時から日の出まで」
龍驤「ほんまかいな……それじゃあちょっと確かめるわ。待っとき」
龍驤「っちゅー訳なんやけど、ほんまに許可したんか?」
長門「ああ、一応な」
龍驤「ふーん。そっか」
龍驤「しゃーない。疑って悪かったし土曜にでも相手したるか」
龍驤「おーい、あけるでー」
ガチャッ
提督「!!」
龍驤「なに驚いてるんや?ほら、夕飯や」
龍驤「あとなぁ、今夜は暇やし自分に付きおうたるわ」
提督「…………」
龍驤「ちょっとー?聞いとるんかー?」
提督(なんだ、この可愛い生き物は……)
正月を過ごしてる間、龍驤にどハマりした末路
龍驤「しっかしあれやなぁ」
提督「?」
龍驤「ふんふん。なるほどなるほど……」スタスタ
龍驤「なんや、聞いてたのと随分違うやん」
提督「聞いてたの?」
龍驤「中年のハゲとるデブが酷い体臭と口臭撒き散らしよるから近づかん方がええって聞いとったんやけど」
提督「なにそれ酷い!誰がそんな……」
龍驤「そういや誰が言うとったんかな?まぁとにかく……」スンスン
提督「!!」
龍驤「うん、臭くは無いな」
提督「しかしどうしてそんな噂が……」
龍驤「他にもよーさんあったなぁ。足が臭いとか屁が臭いとか」
提督「臭いは人間に言っちゃいけないランキング1位ですけど!」
龍驤「あとは笑い方が気持ち悪いとか」
提督「全部嘘です!風評被害です!」
龍驤「あっ、じゃあアレも嘘なんかな?」
提督「アレ?」
龍驤「司令官は酷いロリコンって話なんやけど」
提督「…………」
龍驤「なんで黙り込むねん。黒やろ」
龍驤「まぁそんなんはウチには関係ないしどーでもええわ」
提督「ところで君は……」
龍驤「せやせや、自己紹介が遅れとったわ。ウチは龍驤、軽空母龍驤や!よろしゅうな」
提督「軽空母?駆逐艦じゃなくて?」
龍驤「おっ、初対面で喧嘩売るとはなかなか根性あるやないか」
提督「そ、そういうわけじゃなくて!ちなみに軽空母って大人かな?それとも子供?」
龍驤「うーん……なにをもって大人子供を決めるのか分からんけど……」
龍驤「酒をよう飲まん駆逐艦とちがってウチらは酒飲みばっかやし大人っちゃー大人やな」
提督(合法!)
龍驤「まぁウチは軽空母の中でも古株やからな。こう見えて歴戦の空母なんよ?」
提督「こんな素敵な艦娘がいたなんて驚きです」
龍驤「あははっ、お世辞なんていらへんよ。ほな行こか」
龍驤「で?夜中にトレーニングって何するんや?」
提督「なんでも!」
龍驤「よっしゃ。じゃあまずはグラウンド100周や!」
提督「」
先に謝っておきますがそう遠くない未来に寝落ちしますスミマセン
提督「辛い……これは辛い……」
提督「グラウンド100周なんて狂気の沙汰だ……」
提督「だが!」
龍驤「おーい、どないしたーん?ペース落ちとるでー」
提督「はい!」
提督「まるで女子マネが付いたようなやる気が!」
提督「ハァ……ハァ……」
龍驤「いやー、まさか適当に言うた100周をほんまに走るとはなぁ」
龍驤「しかも1時間半って。キミほんまに人間か?」
提督「さすがに疲れた……って言うか汗だくで暑…………寒っ!」
龍驤「そらこんな真冬に汗かいたまま外におったら寒いわ。シャワーでも浴びといで」
提督「でも鎮守府の建物に入る時は付き添いが必要だから」
龍驤「なんやそれ。しゃーないなぁ、ウチが付きおうたるわ」
提督「え?今なんて!?」
龍驤「せやから、ウチがキミに付きおうたる言うてんねん」
提督(このセリフ録音したい)
執務室
龍驤「うわー、こんな夜中に執務室来ることなんて無いから不気味やわぁ」
龍驤「さっさと入ってきーや」
提督「え?」
龍驤「は?」
提督「付き添いって言うか見張りは一緒に風呂までしなくても良いんですかね」
龍驤「な、なな、何言うとんねん!アホな事言うとらんで、はよお入ってきい!!まったく……」
提督(ああ、足柄さんの様にグイグイ来るタイプも良いけど、この恥じらいもたまらんのですよ)
風呂上り
龍驤「あはははは」
提督「あったまったあったまった」
龍驤「おっ、やっと出てきよったか」
提督「あれ?酒?」
龍驤「いやー、こんな場所に1人でおったら心細いやろ?せやから酒で気を紛らわしとったんや♪」
提督「その割にはコタツに入ってテレビ見て笑いながら飲んでた様な」
龍驤「ああもう、かたいこと言わんと!ほら、キミもこっちきーや」
龍驤「年末は深夜でも結構おもろい番組やっとるんやな。うちこういうしょーもない番組大好きやねん」
龍驤「ほら、キミも飲めるんやろ?風呂上りやしビールでええか?」
提督「あ、はい」
龍驤「つまみもあるから」
提督「プハーッ!久々のビール……!体にしみやがる……っ!」
龍驤「なんやなんや、キミ結構いけるクチか?」
提督「ここに来る前、会社で接待や宴会により鍛えられたこの胃袋。ビールなんて麦茶みたいなものです」
龍驤「そーか、そら楽しめそうやな♪」
龍驤「次は熱燗でもいくか?」
提督「コタツにコンロでお湯まで用意して……」
龍驤「いちいち台所まで行くの邪魔臭いやろ?」
提督「ならばこうするしか無いか」
ガラッ
龍驤「うわっ、なんで窓開けんねん!寒い寒い!」
提督「この寒い中、あたたかいコタツに入り熱燗を飲む。さながら温泉で飲む酒のように」
龍驤「ほっほーう……なるほど、確かに悪うないなぁ」
龍驤「せやけど窓なんて開けたら……」
ダダダダダッ
隼鷹「さーけー……!」
飛鷹「ちょっと、待ちなさい!」
千歳「クンクン……こっちかしら」
千代田「千歳お姉、待って!」
龍驤「あはは、さっそくあいつらが嗅ぎつけてしもうたみたいやなぁ」
宴が、始まる
隼鷹「それでは今日という日にカンパーイ♪」
飛鷹「なーにが今日という日よ」
千歳「まあまあ、提督とお知り合いになれた記念日ですから」
千代田「……フンッ」
龍驤「なんや一気に賑やかになってしもたな」
提督「…………」
龍驤「どないしたんや?」
提督「この子達が噂の戦艦……」
龍驤「なに言うとんねん。こいつらもみーんな空母や」
提督「空母……?」
隼鷹「そうそう♪まぁ商船だった事もあるっちゃーあるけどさぁ。な?出雲丸」バイン
飛鷹「誰が出雲丸よ。誰が」バイン
千歳「それを言ったら私達も元は水上機母艦ですから」バイン
千代田「もうそんなのどうでも良いから部屋に戻ろうよー」バイン
龍驤「そう言われてみたら最初から空母やったんはウチだけかぁ」ショボボボン…
提督「なるほど……」
提督「この子達が噂の正規空母!」
龍驤「ちょいまち。今どこ見て判断した!」
龍驤「ええか?ウチらはみーんな同じ軽空母や」
提督「同じ……」
龍驤「いやまぁ独特なシルエットはしとるけどな……でも似たような体型の軽空母もおるんよ!?」
隼鷹「にしてもさぁ、随分聞いてた見てくれとちがうねー」
龍驤「あー、それはうちも思うたわ」
千歳「確かに……私はハゲて汗っかきの中年ロリコンオヤジ……って聞いてましたけど」
飛鷹「私は身体中から毒ガスを吹き出して常に白目のままヨダレを垂れ流してるって」
隼鷹「あたしは二本のゴボウを持った歌舞伎顔の男だって聞いてたけど」
千代田「千歳お姉はともかくあんた達の情報はおかしすぎでしょ」
隼鷹「まあでも、ふーん……なかなかイケてんじゃん」
飛鷹「またそう言う話に……」
千歳「そうねぇ……久々に当たりじゃないかしら♪」ペロッ
千代田「千歳お姉!そう言う話は禁止!」
隼鷹「じゃあエントリーはあたしと千歳だけって事で♪」
千代田「勝手に千歳お姉をエントリーしないで!」
飛鷹「そうよ!勝手に私をエントリーから外さないで!」
隼鷹「提督~、この中な
またかきます
隼鷹「提督~、この中から1人好きなのを選ぶなら誰にする~?」
飛鷹「やめなさいよ。初対面なのに選ぶもなにもないでしょ」
千歳「つまり単純に外見の印象ってわけですね。……よいしょ」
千代田「ちょっと千歳お姉!なんで机に胸置いてアピールしてるのよ!」
千歳「あら、千代田こそ。そんなに胸元開けてるじゃない♪」
千代田「はあ……?わっ!またボタン飛んじゃってる……もうやだー……」
飛鷹「バッカみたい。……ちょっとおつまみ取ってくるわ」
隼鷹「おっ、とか言って尻をアピール!提督気をつけなよ~?飛鷹ってば、お気に入りの提督には尻でアピールすんだよねぇ」
飛鷹「だっ、だれが!」
龍驤「誰が瑞鳳呼んでこんかい!うち1人でこの空気には耐えられへんわ!アホ!!」
隼鷹「で?どうなのさ~提督」
提督「どうって言われても……」
飛鷹「さっさと言いなさいよ」
千歳「そんなに深く考えなくても、お酒の席での事なんですから♪」
隼鷹「そーそー。そもそも第一印象なんてそんな気にし無いしさぁ。選ばれなくてもいくらでも挽回出来るし」
千代田「じゃあ別に選ばせなくて良いじゃない」
隼鷹「そこはほら、やっぱ気になるでしょ?現時点の順位が」
龍驤「あほらし。ウチみかんでも取ってくるわ」
隼鷹「なになに?龍驤も尻でアピール?飛鷹と違って出るとこ出て無いのに」
龍驤「やかましいわ!ウチはそう言う話興味ないんや」
隼鷹「まぁ龍驤は色恋沙汰の話には上がら無いからなぁ」
龍驤「しばいたろか!」
提督「まぁ第一印象と言うか……この中から選んで構わ無いなら……」
隼鷹「おっ?」
提督「やっぱり龍驤さんですね」
隼鷹「ん?」
隼鷹「えーっと?」
提督「龍驤さんですね」
隼鷹「え?隼鷹さん?」
飛鷹「少し似てるけど私の名前は飛鷹よ?」
千歳「千歳さん?」
千代田「千歳お姉、それは無理がありすぎ」
提督「いや、あのみかんを取りに行こうとしている龍驤さんで」
龍驤「ちょちょちょ、ちょいまち!」ダダダッ
しゅぱっ
龍驤「その話、くわしゅう聞かせてもらおか」
千代田「みかんは?」
龍驤「そんなもん後や!」
隼鷹「龍驤って……こんなだけど」ワシワシ
龍驤「どこ揉んでんねん」
隼鷹「え?だからおっ……おっぱい?この辺?」
龍驤「どこにあるか分からん様な乳で悪かったなぁ!」
飛鷹「いったい龍驤のどこが良かったのよ?」
千歳「まさか龍驤さんに負けるなんて……」
千代田「そうよ!千歳お姉を選ばれても困るけど、龍驤さんに負けるなんて許せ無いわ!」
龍驤「お前ら全員しばいたろか!!」
提督「いやいや、みなさん綺麗だと思いますよ」
提督「隼鷹さんは明るくて賑やかだし。こっちまで元気になる。最高のムードメーカー。あとおっぱい」
提督「飛鷹さんはスタイル抜群だし、実際はまだ詳しく分から無いけど雰囲気から漂うくっ殺感。最高です。あとおっぱい」
提督「千歳さんはなんと言っても姉御肌っぽい雰囲気が最高です。日本酒が良く似合ってまさに妖艶って感じで。あとおっぱい」
提督「千代田さんは初対面からツンデレな感じが出まくりで、お姉ちゃん大好きな妹って言うのも最高に可愛いです。あとおっぱい」
隼鷹「なるほど、みんななかなかの好印象って訳か!」
飛鷹「くっ殺感ってなにかしら?」
千歳「私ならいつでも提督の姉御になってあげても良いんですよ?」
千代田「あら、私が千歳お姉を大好きだと見抜いたその観察眼だけは褒めてあげるわ」
龍驤「なるほどなるほど……で?ウチは?ウチは?ほらほら、はよもったいぶらんと言わんかいな!」
提督「龍驤さんは……」
龍驤「ウチは?」
提督「どこが1番かと言われると……」
龍驤「ないんかい!!」
提督「全体的に」
龍驤「なんやそのふんわりとした表現わ!なんか褒めるとこあるやろ!しかも最後の「あとおっぱい」はどこいったねん!!」
隼鷹「いや、流石にそれはないでしょ」
飛鷹「ないない」
千歳「それは無いですね」
千代田「それだけは無理」
龍驤「なんや……うちは弄ばれたんか……」
提督「そうじゃなくて、飛び抜けてどこが良いとかそう言うのが無いと言うか」
龍驤「じゃあなんやねん!」
提督「一目惚れです。何もかも、全てが最高水準で、だから飛び抜け様が無いと言うか……」
提督「一つづつ上げていくと、まずは目から、指先とか唇とか仕草とかキリがないけど全部言いますか?」
龍驤「い、いや、それはなんや……恥ずかしいからええわ……」
龍驤「まぁ……キ、キミも変わっとるなぁ。ウチなんかを選んで」
隼鷹「そうそう、いつでもあたしに心変わりしてもいいから♪」
龍驤「やめーや!司令官は今の所ウチの事が好きや言うとんねん!せやろ?」
提督「そりゃもう今すぐ結婚したいくらいに」
龍驤「ケケケ、ケッコン!?」
提督「まぁ提督と艦娘が結婚なんて」
龍驤「で、できるで?」
提督「え?」
龍驤「キミのいつもおるプレハブにもあるはずやけど。ケッコンカッコカリの書類一式」
提督「そうなんですか?」
隼鷹「まぁとりあえず一人分はあるはずだけど」
飛鷹「2人目からは別途でお金がかかるから慎重に選ば無いと」
提督「じゃあ龍驤さん、俺とケッコンしーー」
千歳「ま、まぁまぁ、今はお酒も入ってる事ですし。そう言う話はまた今度……ね?」
提督「確かに酔った勢いでプロポーズもあれか……。よし、明日プロポーズしよう」
龍驤「そ、そんなウチの前で決意を固められても……」カアァァァ…
隼鷹「まぁ同じ軽空母からケッコン第1号がでるなら良しとするか」
千代田「私は全力で提督と龍驤さんのケッコンを祝福するわ!だから私達も幸せになろうね、千歳お姉!」
隼鷹「仕方ない、じゃあフラれたあたし達はヤケ酒だ!」
千歳「ですね」
千代田「祝杯ね!」
飛鷹「あんた達は飲みたいだけでしょ」
龍驤「ほら、キミもまだまだいけるんやろ?ウチが注いだるわ」
隼鷹「なんだよ龍驤ー。もう夫婦面かぁー?」
龍驤「ち、ちがうわ!これはたまたまウチが隣に座っとるから」
千歳「そう言えば龍驤さん最初からずっと提督の隣をキープしてましたよねー」
龍驤「だから、それは最初ウチと提督で飲んどったから……」
千代田「でも正方形のコタツに2人で入るのに、一辺に2人並んで入るって変じゃない?普通は向かい合わせとかに座るけど」
龍驤「そ、それは寒かったから近い方が……」
飛鷹「っていうか、ずっと思ってたんだけど提督お風呂あがりよね?誰もい無い深夜の執務室でお風呂あがりにナニしようとしてたのかしら?」
龍驤「深読みしすぎや!なんもあらへんわ!!」
隼鷹「本当にぃ~?ほら、白状しろ」
龍驤「ああもう飲み直しや!今日はめちゃくちゃ飲んだる!!」
その頃海上
足柄「もう!まだ任務は終わら無いの!?」
妙高「なかなか手強い……と言うかこっちに問題がありそうね」
羽黒「姉さん、しっかりして!」
那智「何故だ……凄いチャンスを逃しているような気がして震えが止まら無い……!」
ザラ「こっちもダメです!すみません!」
ポーラ「はあぁ……涙が、どうして涙が溢れて止まら無いの?ザラ姉さま……なにか、凄く心が切なくて、飲み損ねているような……」
足柄(大人の駆け引き作戦があと一息で成功しそうなのに!今頃提督は私を恋い焦がれて……早く帰らなきゃ!)
妙高「2人はまるでアルコール中毒……禁断症状。2人はその介抱……残った足柄は足柄で焦ってばかりで上の空」
妙高「まだまだ任務は手こずりそうね……」
急げ足柄!足柄は間に合うのか……!
次回、最終回!おめでとう龍驤に続く……!
隼鷹「飛鷹~、コタツで寝たら風邪ひくぞ~」
飛鷹「なんで寝転がってるあんたにそんな事言われなきゃならないのよ」
龍驤「もうじき日の出か。そろそろお開きの時間やな」
千歳「今日は長門さんに怒られるまで飲まないんですか?」
龍驤「うちらは別にかまへんけどなぁ。司令官はあっちに帰しとかんと何されてまうか分からんわ」
千代田「大変ねー。早く長門さんの誤解が解ければいいのに」
千歳「あら、千代田が提督の心配するなんて珍しいわね」
千代田「別に。私と千歳お姉の関係に害を及ぼさないなら私はどうだっていいの」
龍驤「ウチは司令官連れて行くわ」
千歳「涙涙のお別れね♪」
龍驤「誰が泣くかあ」
隼鷹「よーし!ここの片付けはあたしに任せな~!」
飛鷹「なにが片付けはあたしに任せなーよ。あんたは残ったお酒とおつまみ飲み食いするだけでしょ」
隼鷹「食器の洗い物は飛鷹に任せるよ」
龍驤「ほな行こか」
龍驤「うわさむっ。まぁもう年の瀬やししゃーないか」
提督「そう言えばもう年末か」
龍驤「まぁ鎮守府には年末も何も無いけどなぁ。月の終わりは任務任務で大忙しや」
提督「龍驤さんは明日、夕方まで出撃翌予定だっけ。年末に無理言って悪いね」
龍驤「かまへんかまへん。それよりもだいぶ前に行った重巡は何しとるんや?」
提督「確か手こずってるって連絡が来てたな……」
龍驤「せやったら援軍出した方がええんちゃうの?」
提督「いや、なんか敵が強いとかじゃなく、那智さんやポーラがヤル気ないらしくて……宴会を始めたらしい」
龍驤「ほんま何やってんねんあいつら……」
龍驤「…………」スタスタ
提督「…………」スタスタ
龍驤「あ、あー……な、なあ、一つ聞いてもええか?」
提督「なんですか?」
龍驤「その、な?ほら、さっき言っとったやん?」
提督「重巡達の話ですか?」
龍驤「そうやのうて、ウチらが酒飲んでる時に……」
龍驤「ウ、ウチの事が好きとかどうとか……いや、もちろん酒の席での冗談やおもとるで?」
龍驤「でも一応確認しとかんと!その方が」
提督「本気で好きですよ」
龍驤「はう……」
だめだ、寝てしまう最終回と言ったがあれは間違いだ!
龍驤「あー……あともう一つ聞きたい事があるんやけど……」
提督「?」
龍驤「あっ、なんやもう着いてしもたか」
提督「立ち話で良いならききますけど」
龍驤「ええよええよ。早よ戻っとかんと長門に見つかってしまうで?」
龍驤「あいつは駆逐艦には甘いけど他には厳しいからなぁ。まあ実質ここ仕切ってるんは長門やししゃーないけど」
長門「お前達!またこんな時間まで酒を飲んでいたのか!!」
龍驤「おーおー、早速さっきまでウチらがおった場所にカミナリ落ちとるわ。ほら、ここにも落ちる前に早よ帰り」
12月31日
ガシャガシャ
提督「おっ、夕飯か」
提督「食事だけ置いていったって事は長門さんかな」
提督「ちょっと期待してたけど……年末だし仕方ないか」
提督「……つめたっ」
提督「しっかし大晦日なのにテレビも無いから全く実感無いな」
提督「時計だけじゃ日にちもはっきり分からないし。本当に大晦日なのか?」
龍驤「あったりまえやん。鎮守府は飲めや歌えの大賑わいやでー」ガチャッ
提督「!」
龍驤「うわあ、外も寒いけど中もめっちゃ寒いやん。ああ、邪魔するで」
提督「どうしたんですか?」
龍驤「これやこれ。年越し蕎麦持って来たったんやん」
龍驤「いやー、やっぱり大晦日は蕎麦食べんとなぁ」
提督「あったけぇ、あったけぇ……」
龍驤「あははっ、泣きながら年越し蕎麦食うてるのなんて初めて見たわ」
提督「今日は夕飯も冷たかったから。正直ちょっと龍驤さんが持って来てくれないか期待してました」
龍驤「ウチも夕方まで帰って来んかったからなぁ。夕飯もってくるにはギリギリ間におうたけど……」
龍驤「ゆっくり風呂入ってたら間に合わんかったわ」
提督「なんてこった!」
龍驤「しゃーないやん!服汚れとったし、汗もかいてて……潮臭いのも恥ずかしいやん」
提督「汗臭い!大歓迎ですよ!!」
龍驤「変態か!」
提督「それでわざわざ気を使って来てくれたと」
龍驤「せやで。女には気ぃ使う事は色々あるんや」
提督「まさかメイクもばっちり」
龍驤「メイク?艦娘なんてみーんなすっぴんやで?昔は提督の気を引くためにバケモンみたいになっとるのはおったけどな」
龍驤「しっかしあっちのどんちゃん騒ぎと違ってこっちは静かやなぁ」
提督「せやなぁ……」
龍驤「プッ……なんや自分、今の喋り方」
提督「いや、龍驤さんが関西弁やから関西弁喋ろう思って」
龍驤「あはは、やめーや。全然似おうてへんし中途半端やわ」
提督「そうやろか」
龍驤「せや、ウチがお嬢様言葉つこうてたら可笑しいやろ?それとおんなじや」
提督「龍驤さんがお嬢様言葉……」
提督「…………」
提督「それはそれで可愛いですけど」
龍驤「アホな事やっとらんで普通にしぃ」
提督「龍驤さんがそう言うなら」
龍驤「あとなぁ、その龍驤さんって言うのもやめて欲しいんやけど。司令官にさん付けで呼ばれるのもなんかおかしいやろ?」
提督「そうなんですか?」
龍驤「せや。だいたいどこの鎮守府も司令官っちゅうんは偉そうなもんやねん。だからキミもウチの事は龍驤って呼びや」
提督「なるほど。わかりました龍驤」
龍驤「あと気ぃ使ってるその慣れてへん敬語もいらんで。」
提督「でも」
龍驤「うちは丁寧にされるより、そっちの方が好きやねん」
提督「わかった龍驤、よろしくな!」
龍驤「うんうん、物分かりええ子はウチ好きやで♪」
提督「そう言えばこの前何か言いかけてなかったっけ?」
龍驤「ん?ああ、あれな……えっと、前に飲み会やったやろ?あの時の事なんやけど……覚えとるかな?」
提督「ええそりゃもうハッキリと」
龍驤「ほんまか?」
提督「あの日確かに俺は龍驤に好きだと言った!酔った勢いでもなく!」
龍驤「お、おお!せや!……で?」
提督「え?」
龍驤「他にもあったやろ?何かこう……ウチに言った事が」
提督「他に?」
龍驤「なんてゆうか……もっと踏み込んだ……」
提督「何かあったかな……好きだと言って、ケッコンしたいって言って、明日プロポーズするって言って……あと何か」
龍驤「それやそれ!!」
龍驤「キミ、本気でウチとケッコンする気なん……?」
提督「もちろん」
龍驤「でも一目惚れ言うてたよな?って事は第一印象だけで中身知ったら思ってたんと違うーってなるかも知れへんねんで?」
提督「大丈夫。第一印象よりも今の方が好きになってるから」
龍驤「キミ……ようそんな恥ずかしい言葉ほいほい口から出せるなぁ……」カアァァ…
提督「それくらい本気で必死だから」
龍驤「そ、そんなにウチの事好きなん?」
提督「そんなに龍驤の事好きなんだ」
龍驤「ほんまに好きなん?」
提督「ほんまに好きなん」
龍驤「ウチの事、好き?」
提督「好き」
龍驤「……えへへ」
提督(なにこの可愛い生き物)
提督「では早速プロポーズに」
龍驤「ちょ、ちょい待ち!それはほら、な?」
提督「?」
龍驤「キミはまだ艦娘の事ほとんど知らんやろ?」
提督「まぁ」
龍驤「ウチはな、ケッコンした後でやっぱりあっちの子が良かったとか思われたないねん」
提督「それはびっくりするくらいクソ提督だな」
龍驤「そう!鎮守府にはクソ提督クソ提督と罵りながら提督をメロメロにする艦娘や、一部では教祖として崇められるような艦娘もおるんやで?」
提督「なにそれ怖い」
龍驤「せやからとりあえず色んな艦娘を見て、それでもウチが1番やったらその時にケッコンしてくれへんかな」
提督「まず色んな艦娘と顔を合わせる事が無いんだけど」
龍驤「そこはまぁ……ウチがなんとかするから」
提督「そうか。まぁ俺は龍驤以外とケッコンする気は無いけど龍驤がそう言うなら」
龍驤「あはは、堪忍やで。うちもその辺スッキリしてケッコンしたいねん」
提督「何を隠そうこの通り書類一式には必要事項を書き込んであとは龍驤の名前を入れるだけだからな!」
龍驤「へえー…………はあ!?」
龍驤「ちょ、ちょい待ち。必要事項を書き込んだって……」
提督「ああ、後はここに龍驤って書き込んだら完了だ」
龍驤「あほ!司令官と艦娘のケッコンは人間のとは違うんやで!?」
提督「え?」
龍驤「せやから、ウチらのケッコンはお役所も何も無い。ここに司令官本人と艦娘が名前を書いた時点で成立するんや」
龍驤「もし誰かが勝手にココへ名前書いたらキミはその艦娘とケッコンする事になるんやで?」
提督「ええっ!?」
提督「じゃあそうなる前に今すぐ龍驤の名前を!」
龍驤「うーん……なんや抜け駆けしたみたいで気は引けるけど……キミの気持ちはともかく、他の艦娘が知ったら争奪戦必至……」
龍驤「そしたら今度はキミの気持ちは関係なくケッコンする事になるかもしれへんし……」
龍驤「うーん……」
提督「龍驤、俺はお前が好きだ」
龍驤「……返品受付はしーひんよ?」
提督「する訳ない!」
龍驤「ク、クーリングオフも受け付けへんから!」
提督「しない!」
龍驤「ウチ……独占欲強いから」
提督「お前だけだよ」
龍驤「……わかった」
龍驤「すぅー……はぁ……」
龍驤「龍……じょ…………あっ」
提督「どうした?」
龍驤「この時計ぴったり合っとる?」
提督「電波時計みたいだし合ってるハズだけど」
龍驤「そーか。ほんなら……さん、にー、いち……ほい」
提督「おお!なんだ!?指輪がめちゃくちゎ光ってるけど!?」
龍驤「指輪がウチの指のサイズに調整されとるんよ」
提督「すごいハイテク技術だな……おっ、おさまった」
龍驤「あーあ、もうその指輪ウチにしか合わんで?アホやなぁ、他にも可愛い子はよーさんおったのに」
提督「はめても良い?」
龍驤「ハ、ハメ……!?あ、ああ、指輪の話な!う、うん、頼むわ……」
龍驤「はぁー……これがケッコンか。なんや力が湧いてくる気がするわ!ほら、なんかキラキラしてへん?」
提督「また俺の龍驤が可愛くなってしまった」
龍驤「あ、あほ!」
提督「そう言えば名前書くときの間はなんだったんだ?」
龍驤「ああ、あれな。せっかくやから年明けと同時に書いたねん。多分ウチらが今年1番最初にケッコンしたんちゃうか♪」
提督「それは何かこう……良いな!」
龍驤「せやろ♪ちゅーわけで、今年からよろしゅーな。あけおめや、ダーリン♪」
ガチャッ!
足柄「あけ、お◯◯こ、トロトロよ!!」
ケッコン後、1番最初に駆けつけた足柄は結婚披露宴の司会進行役に選ばれた。
数年後
提督「…………」
龍驤「じゃまするでーって、何をボーッと外眺めとるんや?」
提督「龍驤か。アレを見ててな」
龍驤「あー、あのプレハブか?懐かしいなぁ。自分、ここ来た時はウチとケッコンするまであそこに幽閉されとったよな」
提督「今じゃ駆逐艦達の秘密基地だけどな。剥き出しで秘密基地になってないけど」
龍驤「あそこから出したったウチさながら猿年の終わりに猿を助けてやった三蔵法師やな。ちゃんと言う事期間と頭の輪っか締め付けるで~♪」
提督「その猿とケッコンして子供まで産んだ三蔵法師がいるらしい」
龍驤「ほんま、未だに毎晩毎晩サルみたいに盛って大変やわ」
提督「それでで?何か用があったんじゃないのか?」
龍驤「せやせや、その可愛い可愛いウチらの宝物がな、ファミレス行きたい言うとんねん」
提督「今日はまだ仕事が残ってるからな……週末じゃダメか?」
龍驤「うーん、仕事やったらしゃーないか。グズるやろうけど上手い事やっとくわ」
提督「悪いな」
長門「そう言う事なら仕事は私に任せてたまには家族水入らずで出かければ良い」
龍驤「おわっ!いつの間におったんや!?ってかええんか?」
長門「ああ。書類整理くらいなら私1人でなんとかなる」
龍驤「さすがは秘書艦様やで!ほんならお言葉に甘えて行こか!」
提督「こら、龍驤。引っ張るな!長門、悪いが後は頼んだ」
長門「ああ。ゆっくり過ごしてくると良い」
ファミレス
提督「ドリンクバー行ってくる」
龍驤「あっ、ウチとこの子はオレンジジュース頼むわ」
提督「オレンジジュースオレンジジュース……」
初月「ドリンクバーマスター……か?」
提督「なんだその懐かしい呼び名は」
初月「おお!やはりドリンクバーマスター!その節は世話になった。ありがとう」
初月「何年ぶりだ?すぐに再会できるような口ぶりで去ったから気になっていたんだ」
提督「あれは俺の勘違いで……」
初月「あの後僕たちは提督と再会できてね。今は何不自由なく鎮守府で暮らせているよ」
提督「それは良かった。その子は?」
初月「可愛いだろ?まだ走り回ったりは出来ないが」
提督「ま、まさか……キミの子供?」
初月「ああそうだ。提督と秋月姉さんの間に産まれた僕の子供だよ」
提督「えっ、ちょっと複雑すぎて分からない!」
提督「まぁよく分からないけど……提督と艦娘の間に産まれたオリジナルか」
初月「そうだね。僕たちと同じ容姿の艦娘はたくさんいるけどこの子は1人だけ……」
提督「分かる。うちにも可愛いオリジナルないるから」
初月「そうか。ドリンクバーマスターも幸せそうで何よりだ」
提督「でも少し悔しいな。うちの鎮守府にはすべての艦娘が揃っているけどその子だけは手に入らない訳だ」
初月「そちらね鎮守府に着任すれば別だがうちの提督は過保護だから手放さないだろうね。もちろん僕も手放す気は無いよ」
提督「それは残念」
龍驤「おーい、オレンジジュースまだかー?」
提督「おっと、嫁さんが呼んでるから行くよ」
初月「ああ、元気でな」
提督「最後に一つだけ。その子の名前はなんて言うのかな?」
初月「この子かい?この子の名前はね……」
「山風」
終わり
山風が手に入らなかった悲しみのSSはこれで終わりです。
ありがとうございました。
このSSまとめへのコメント
本編よりおまけの足柄さんの話が気になる
足柄さんェ...
涙が止まらない
足柄をネタに使うのは良いけど、足柄が毛布を渡してなかったら凍死してたし、風呂や運動の許可を取ってなかったら龍驤との出会いも無かったのに最後までネタキャラ扱いで終わるのは後味悪く楽しめない