沙織「告白すればいいと思うよ」
優花里「それができないから藁にもすがる思いで武部殿に相談してるんじゃないですかぁ」
沙織「そっかぁ、藁にもすがる思いできちゃったかぁ」
麻子「安心しろ。沙織は女の子同士の恋愛では右に出る者がいないほどのスペシャリストだ」
沙織「うん、女の子同士に限定しちゃうんだね」
優花里「それで、なにか妙案があればと」
沙織「うーん、告白しちゃうのが手っ取り早いんだけどなぁ」
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麻子「秋山さんは西住さんから告白されたいのか?」
優花里「いえ、それは恐れ多いと言うか、告白は自分からしたいなぁ、なんて」もじもじ
沙織「じゃあいいじゃん、告白しちゃいなよ」
優花里「いえ、もしもわたしなんかが告白すれば西住殿を困らせてしまいますし、気まずくなってそのままあんこうチームが解散の危機になんてことにもなりかねませんし」
麻子「つまり秋山さんは、まずは西住さんに告白しても気まずくならないくらいの関係になりたいんだな」
優花里「はい、その通りです!」
麻子「だ、そうだ」
沙織「はいはい。それじゃあ告白すればいいと思いまーす」
優花里「話聞いてましたか?!」
麻子「ちゃんと考えてやれ」
沙織「それじゃあ、せっかくもうすぐクリスマスなんだし、プレゼントを買ってあげるのは?」
優花里「プレゼント、ですか?」
沙織「そう。みぽりんなら何あげても喜ぶと思うけど、みんなの分も買うからって買い物に誘ってデートするの」
優花里「で、デート!?」
沙織「そんなに意識しなくても友達同士でお出かけする、くらいの気持ちでいいから」
沙織「あ、プレゼントは二個買うこと!一個は普通に欲しいもの聞いて、もう一個は自分が本当にあげたいものを選ぶべし!」
優花里「わたしが、あげたいものを、ですか?」
沙織「そうそう。アクセサリーがいいと思うなぁ。あ、こっちはこっそり買うんだよ」
麻子「なるほど、プレゼントは二つ。一つはアクセサリーか」
沙織「なんで麻子がメモ取ってるの?」
優花里「ちなみになぜこっそりと?」
沙織「その方がロマンチックじゃん。サプライズ感もあるし、あたしも彼氏にそうして欲しいし!」
優花里「なるほど」
沙織「夜景の見えるお店でディナーを食べながら二人の将来を話してる時にぃ、さりげなーくプレゼントの指輪をはめられて、『似合ってるよ』なーんて!!」やだもー
麻子「夜景の見えるお店で、さりげなく」メモメモ
優花里「はぁ、プロポーズみたいですね」
優花里「いやぁ、武部殿。ありがとうございました!」
沙織「いいよ。デート頑張ってね。あ、買い物はアウトレットじゃなくて、ちょっと遠出していろんなお店を回るんだよ」
優花里「はい、そうします!」
沙織「.....はぁ、うまくいくといいんだけどなぁ」
麻子「まぁ、大丈夫だろう。あの二人は」
沙織「うーん」
麻子「いっそ同じ相談を西住さんからも受けていることを話した方が良かったんじゃないか?」
沙織「それはダメ!相談者のプライバシーは守らないと!」
麻子「まったく面倒だな」
沙織「それはそれとして」
沙織「熱心にメモ取ってたってことは、わたしも期待していいんだよね?」
麻子「......想像に任せる///」
優花里「西住殿ぉ!お待たせしました!」
みほ「ううん、わたしも今来たところだから」
優花里「では、行きましょうか!」
みほ「うん!」
優花里(武部殿のアドバイス通りデートに誘ったらあっさりとOKをいただけました)
優花里「あの、西住殿はどこか行きたいところとかありますか?」
みほ「うーん、わたしは特にないかな。優花里さんはある?」
優花里「そうですねぇ、せっかくですし、戦車道ショップとか....いやいや、今回は西住殿へのプレゼントを買うのが目的ですし、先にそちらをすませましょう」
みほ「だったら....北口の方かな?行こっか」
優花里「はい!」
優花里(はぁ、西住殿とこうして二人でお出かけできるなんて夢のようです!)
麻子「とか考えてる顔だな」コソッ
沙織「毎回そこで満足しちゃうから進展しないのに」コソコソ
華「今日は、今日こそはお二人が無事結ばれるといいのですが」ひょこひょこ
沙織「みぽりんの誕生日もまったく同じことやってたもんね」
麻子「その前の夏祭りでもだな」
華「というより、事あるごとにチャンスをフイにしてきましたから」
麻子「次はバレンタインか」
沙織「諦めるの早いよ!」
華「そうです。その前に初詣が」
沙織「華も諦めてるじゃん!」
優花里「うーん、いざ何を買うか考えると悩みますね」
みほ「そうだね。今までプレゼントとか友達にあげる機会がなかったから....」
麻子「と、言いつつ、他の人も呼べば良かったね、という発言がないあたりな」
沙織「ねー、少し前までどっちかがぽろっと言っちゃってごめんなさい合戦が始まってたのに」
華「これも成長でしょうか?少し寂しい気もします」
沙織「まぁまぁ、あ、ほら、移動するみたいだよ」
麻子「ここで見つけたものは保留にして次のお店に行くみたいだな」
一旦中断します。夕方か夜に戻ります
麻子「で、ボコのキャラクターショップに入って1時間が経過したわけだが」
沙織「みぽりん微動だにしないね」
華「あと1時間は動きませんよね、普段なら」
麻子「いや、待て。秋山さんが動くぞ」
優花里「あの、西住殿」
みほ「へ?あ、ごめんね一緒に買い物してるのに、つい」
優花里「いえ、ボコを見てる西住殿を見てるのも好きですから」
みほ「そ、そんな、わたしなんか見てても面白くないよ」
沙織「ねぇ、あれほとんどもう告白してるよね」
麻子「諦めろ。夏祭りのとき『月が綺麗だね』と言った西住さんに秋山さんが『死んでもいい』と返したにも関わらず関係に微塵の進展もなかった二人だぞ」
華「お二人とも今いいところですから」
優花里「なので、西住殿が良ければなにかボコのグッズをプレゼントしたいのですが」
みほ「えぇ、そんな。わたしも優花里さんにはお世話になってるし」
優花里「じゃあ、こうしましょう!わたしもボコグッズの欲しいものを一つ選びますから、西住殿も一つ選んでください。それで、それを交換するんです」
みほ「うん、それならいいかも。でも、優花里さんはいいの?ボコグッズで」
優花里「はい!わたしも西住殿とお出かけするうちにボコがだんだんかわいいなと思うようになっていまして」
優花里「ですから、西住殿オススメのボコグッズが欲しいなぁなんて前から思ってたんです!」
みほ「本当に!それじゃあねぇ、うーん、何がいいだろう」
麻子「これは進展ありだな」
沙織「わたしたちには小さな一歩でも、みぽりん達には大きな一歩だよ!」
みほ「えへへ、お揃いだね」
優花里「はい、大事にしますね」
沙織「思ったより早く決まったね」
麻子「ペアルックボコ。恋人同士で交換するとけんかをしてもボコのように二人の絆が蘇る、か」
華「あの二人、私達が知らないだけでもう付き合っているのでは?」
沙織「それだといいんだけど....」
麻子「二人ともあのボコの意味に気づいてないんじゃないか?」
沙織「あ、休憩かな?フードコートに入ってくね」
華「ちょうどおやつ時ですね」
沙織「うーん、クレープかぁ。アウトレットでも買えるんだから別のチョイスがベターなんだけどなぁ」
麻子「そこは好みの問題だしどうでもいいだろ」
沙織「そうだけど....華、ステイ。今買いに行ったら見つかっちゃうから!」
華「う、それもそうですね。しかし、見てたらなんだかお腹が空いてしまって....」
みほ「優花里さん、一口ちょうだい」
優花里「いいですよ、はい、どうぞ」
みほ「はむっ....うん、おいしー!はい優花里さんも」
優花里「えへへ、それではいただきます」
みほ「お友達同士で分けっこってずっとやってみたかったんだぁ」
麻子「いや、普通は食べかけのクレープじゃやらないぞ、友達同士は」
沙織「人によっては嫌がるよね。わたしは平気だけど」
華「アイスクリーム食べに行ったのを思い出しますね」
みほ「あ、優花里さんほっぺたついてるよ」
優花里「え?ほんとですか?って、そういう西住殿も」
二人「「うふふふふふ」」
麻子「休憩の後は普通に買い物に戻ったな」
華「ご宿泊の関係には進まなそうですね」
沙織「いや、進んでもらっても困るけど....ってあれ!」
麻子「不味いな、西住さん達の方へ向かってるぞ」
エルヴィン「やぁ、西住隊長にグデーリアン」
みほ「あ、エルヴィンさん」
優花里「エルヴィン殿、偶然ですね。お買い物ですか?」
エルヴィン「まぁ、そんなところかな?二人はデートか何かかな?」
みほ「で、デート///」
優花里「デートだなんてそんな!我々もショッピングです、お友達同士で!」
エルヴィン「そうか、いい雰囲気だったからてっきり」
沙織「もう!そこはデートでいいじゃん!なんで否定するの!」
麻子「見事なヘタレっぷり.....」
華(......ん?みほさんの表情、心なしか.....)
エルヴィン「そう言えば、戦車道ショップで年末セールをやるそうでな、あの資料やあの模型が半額になるそうなんだ」
優花里「ほんとですか?!詳しく教えてください!」
沙織「あちゃー、案の定話し込み始めちゃったか」
華「みほさんほったらかしですね」
麻子「趣味が合う相手とは言え、これはちょっとな....」
沙織「うわぁ、みぽりんすっごい複雑そうな顔してる」
華「優花里さん、隣です。あなたが目を向けるべきは隣ですよ」
麻子「二人とももう少し隠れろ。西住さんがきょろきょろしだした」
沙織「もぉ、ゆかりんもバカ!」
華「あ、お話終わったみたいですよ」
麻子「すごいな秋山さん。西住さんが不機嫌そうなのに全く気付かず話しかけてるぞ」
沙織「これは今回も進展ないかなぁ.....
華「そうですねぇ....」
みほ「なんだか疲れたねぇ」
優花里「そうですね。すみません、あちこち連れ回してしまって」
みほ「ううん、いいよ。わたし、優花里さんと一緒にいるのすっごく楽しかったし」
優花里「えへへ、そんな、わたしなんかよりも武部殿達の方がいろいろ知っていますから」
沙織「あー、とうとう出しちゃったか」
麻子「今回は秋山さんのヘタレっぷりが炸裂で進展しないパターンだな」
華「そうでしょうか?」
沙織「え?」
華「ほら、みほさんの手」
麻子「なるほど、さりげなく秋山さんの手を握っているな」
沙織「ほんとだ!しかもここデートの定番、特大ツリーの前じゃん!」
華「えぇ、今日のみほさん。いつになく積極的です」
麻子「このまま周りのカップルの雰囲気にうまく飲まれてくれれば.....」
カップルA「もう、たかちゃんったらこんなところで///」
カップルB「ひなちゃんがかわいいから、ついつい見とれてしまうんだよ」
沙織「....ねぇ、あれ」
麻子「見るな。見なかったことにしろ」
華「そんなことよりみほさんと優花里さんです」
みほ「すこし、寒いね」
優花里「そうですね、すっかり冬ですから」
沙織「みぽりんとゆかりんの距離だんだん近づいてない?」
麻子「これは、これはひょっとするかもしれないぞ!」
華「来ましたか?来ましたか?」
みほ「ねぇ、優花里さん。この後なんだけど」
「見つけたぞカエサル」
沙織「.....へ?」
「え、エルヴィン?!待て、どうしてここに....今日はおりょう達と一緒のはずじゃ....」
「たかちゃん?どういうこと?」
「え?ち、違うよひなちゃん。その、これは」
「これは?その女にわたしとの関係を話せない理由でもあるのか?」
「エルヴィン、まずは落ち着いて話そう誤解があるみたいだ」
沙織「....ねぇ、あっちの方」
麻子「面白そうだがみなかったことにしよう関係者だと思われたくない」
華「えーっと、つまりあれは」
「カエサル裏切ったのか!?」
「酷い。わたしだけだって言ってくれたのに嘘だったの?!」
「ち、違う。嘘なんかじゃ、あの、これは」
沙織「あれ?みぽりん達は?」
麻子「しまった。つい気を取られて」
華「どこへ行ったのでしょうか?」
「じゃあ、この女とわたしどっちを取るんだ!」
「ハッキリしてよ!」
沙織「み、みぽりん達を探そう!」
麻子「そうだな」
華「あの、私、こちらの愛憎劇の行く末を見届けたいのですが」ドキドキ
沙織「それじゃあ、わたしと麻子はみぽりん達探すから、華は後でこっちの事の顛末の報告をお願いね!」
「「どっち!!」」
「えぇっと、あの、そのぉ.....あっち!」
「逃げたぞ!追え!」
「待ちなさい!!」
みほ「びっくりしたね。まさかカエサルさん達もいたなんて」
優花里「武部殿や五十鈴殿もいましたね。まぁ、痴話喧嘩が始まって思わず逃げ出してしまいましたが」
みほ「う、うん。やっぱりあれカエサルさん達じゃないんじゃないかな?」
優花里「そ、そうですね。わたしもそんな気がしてきました」
みほ「......」
優花里「.....」
二人「「あの!」」
みほ「あ、えっと、優花里さんから」
優花里「え、いやいや、西住殿お先に」
みほ「......」
優花里「......」
みほ「それじゃ、わたしから聞くね?」
みほ「優花里さん、今日わたしといて楽しくなかったかな?」
優花里「え?そんなわけ....」
みほ「わたしは、優花里さんといてすっごく楽しかった。優花里さん、わたしの知らないこと知ってるし、すっごく頼りになるし」
みほ「でも、優花里さん、わたしなんかとよりエルヴィンさんと楽しそうにお話ししてたし、沙織さん達もいた方が楽しいっていうし」
みほ「あのね、無理させてないかなって、優花里さんに」
優花里「そ、そんなことありません!」
みほ「それに、優花里さんにとってわたしはやっぱりお友達、なの?」
優花里「に、西住殿?」
みほ「じ、自分でも変だと思うの。でも、優花里さんといると楽しくって、その、わたしはみんなで出かけるのももちろん楽しいけど優花里さんと二人で出かける方が楽しみだったりして」
優花里「えぇっと、あの」
みほ「わたしたち、お友達じゃないとダメ、かな?」ドンっ
優花里(に、西住殿の壁ドン!?顔が顔が近いです!!)
優花里「西住殿、それってつまり.....」
みほ「あのね、優花里さん、いつもそばにいてくれて助けてくれて、もちろんあんこうチームのみんなや、他の人達もそうなんだけど、でも、優花里さんは特別で」
みほ「あのね、優花里さん。わがままで勝手なのは分かってるんだけど、わたしと
ドン
みほ「え?」
みほ(優花里さんに突き飛ばされた.....?!)
優花里「西住殿、すみません。少し、その言葉の先は少し待ってください」
みほ「......そう、だよね。ごめんね、気持ち悪いよね」
優花里「わぁわぁわぁ、違います、西住殿!」
優花里「その、思わず突き飛ばしてしまいましたけど、その、その言葉の先はわたしから言いたかったんです」
みほ「え?」
優花里「その、今の西住殿の言葉を聞いてようやく決心がついたんです」
優花里「その、卑怯だとは思います。西住殿の気持ちを聞いてようやく、ようやく言える弱いわたしですが」
優花里「ずっと好きでした!付き合ってください!!!」
優花里「ずっと、守ってもらいました。すっと憧れていました。尊敬以上の感情を抱いてしまいました。その、わたしですが、こんなわたしですが西住殿の隣を歩かせてください!!!」
みほ「......はい」
優花里「西住殿ぉ!」
みほ「わたしも、優花里さんが大好きです。よろしくお願いします」
優花里「.......ひゃ」
みほ「ひゃ?」
優花里「ヒャッホーウ!最高だぜっ!」
優花里「西住殿、ありがとうございます!わたし、すごく感激して.....あ、そうだ」
優花里「西住殿、もう一つ、受け取ってください」
みほ「へ?指輪?」
優花里「あの、安物ですけど、西住殿に似合うと思って。その、指輪ってちょっと重たいかなって思ったんですけど」
みほ「う、ううん。軽いよ?」
優花里「あ、質量じゃなくって.....まぁいいです」
みほ「あ、わたしも優花里さんにもう一つプレゼントがあるんだけど」
優花里「ほ、ほんとですか?!」
みほ「うん、目、つむって」
優花里「はい....」
みほ「」
優花里「」
みほ「.......えへへ」
優花里「に、西住殿今の」
みほ「ちょっぴり、恥ずかしいね」
優花里「と、いうわけで、西住殿とお付き合いすることになりました」
みほ「沙織さん、相談に乗ってくれてありがとう」
沙織「良かったぁ、無事二人が付き合い始めて」
華「うふふ、おめでとうございます」
麻子「おめでとう」
沙織「うー、でも、二人の告白見逃したのは悔しいなぁ」
麻子「いいだろう。こっちはその分楽しめたし」
華「私もとても良いものが見れました」
沙織「あれ、結局最後はどうなったの?」
華「内緒です」
麻子「内緒か」
沙織「でも、結局麻子からの夜景が見えるディナーのお誘いはなかったなぁ」
麻子「当分予定はないぞ」
沙織「えー、なんでぇ」
麻子「.....高校を卒業したら教えてやる」
END
くぅ疲です。HTML出してきます
昨日の夜某SNSでSS談義していた時にみほ優花ものを書いたことがないことに気づいて書いてみたのですが、好きなものほど書くのが難しい気がします。いや、みほエリも好きなんですがね?
お昼、休憩がてら仮眠をとったら澤ちゃんが何か言いたそうにしている夢を見ました。関係ない話ですが
おまけ
カエサル「彼女との仲直りの方法でいい方法はないだろうか?」
沙織「どっちの?」
カエサル「できれば両方」
沙織「ふーん。どちらか一人に決めて素直に謝らない限り無理だと思うよ」
カエサル「そんな!選べるわけがないだろう!二人とも大切な彼女なんだ!」
沙織「だって」
エルヴィン「そうか」
カルパッチョ「この期に及んでまだ二股かける気なんだ♪」
エルヴィンとカルパッチョが入ってきたので
“気まずい雰囲気”になりました
(ロックなBGM)
カエサル「」
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