ありす「みなさんに集まったようですね」

まゆ「半分もいませんけどねぇ」

藍子「お仕事ですから仕方ないです」

五十嵐響子「えっと、何が始まるんでしょう……？」

神谷奈緒「気負う必要ないよ……いつものことさ」

響子(この事務所いつものこと多すぎないかなぁ)

ありす「みなさんに集まってもらったのは他でもありません、明日のことです」

響子「明日？」

ありす「明日、12月12日は周子さんの誕生日です」

ありす「というわけで、事務所メンバーでお祝いをしたいと思い、その計画を今からたてます」

ありす「まずお祝いをする場所ですが、寮でやろうと思います」

まゆ「事務所ではダメなんですか？」

ありす「片付けなどのことを考えると難しそうで……お仕事関係のものもありますし」

藍子「なるほど……」

ありす「それで寮で行うとして、当然周子さんも寮にいるのでそこで準備するわけにはいきません」

ありす「そこで奏さんと藍子さんに周子さんを連れ出してもらいたいと思います」

藍子「私に？」

ありす「はい、藍子さんなら時間稼ぎが上手そうなので」

奈緒(ゆるふわ時空か)
まゆ(ゆるふわ時空ですねぇ)

ありす「響子さんと奈緒さんには料理関係を任せたいんですけど……いいですか？」

響子「はいっ、任せてください！美味しい料理作りますからね！」

奈緒(手伝いに徹しよう)

まゆ「えっと、まゆは何をすれば」

ありす「あぁ、忘れてました」

まゆ「藍子ちゃん！！ありすちゃんが！！！」

藍子(いつもの)
奈緒(いつものだな)
響子(もう見慣れました)

ありす「冗談ですよ、私たち……周子さんが言うところの『おチビちゃん組』で飾り付けをしようと思っているのでその監督をお願いします」

まゆ「はぁい」

藍子「ここにいない子たちはどうするんですか？」

ありす「お仕事がない人は寮で一緒に準備、仕事がある人は仕方ないです」

ありす「ぶっちゃけここで集まった意味ないです」

奈緒「ぶっちゃけすぎだろ」

藍子(最近ありすちゃんが少し周子ちゃんやフレデリカちゃんに似てきてる気がする……)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

速水奏「さてと、藍子が行きたいのってここ？」

塩見周子「はーずいぶん古風というか……」

藍子「このお店気になってたんですけど……ちょっと1人では入り辛くて……」

周子「それであたしたちを誘ったと」

奏「なら早速入りましょうか、ここで話すより中でゆっくり話しましょう？」

藍子「はいっ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

響子「周子さんって苦手なものとかあるんでしょうか……？」

奈緒「特になかったと思うけど……正直いつも八つ橋食ってるしわからん」

響子「八つ橋ですか」

奈緒「うん、八つ橋」

響子「さすがに八つ橋は作ったことないですね……」

奈緒「いや作らなくていいからな！？」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まゆ「飾り付けは大体大丈夫ですね」

ありす「意外とすんなりでしたね」

まゆ「まだ時間ありますし、どうしましょうか」

ありす「響子さんたちの料理を手伝いに行きましょう」
まゆ「ダメです」

ありす「え？」

まゆ「あ、危ないですから、ね？料理は響子ちゃんに任せましょう」

ありす「……まゆさんがそう言うなら」

まゆ(ﾎｯ……)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

藍子「そしたら未央ちゃんったら茜ちゃんと一緒に走って行っちゃったんですよ」

周子「相変わらずポジパは元気やねぇ」

奏「未央らしいといえばらしいけど……茜に引っ張られてるのかしら？藍子までそうならないでよ？」

藍子「なりませんよ～」

周子「さてと……んで？あたしを引き止めておく時間稼ぎはいつまで？」

奏「はぁ、やっぱり気がついてたのね」

周子「まぁね、流石に自分の誕生日に連れ出されれば誰でも気がつくって」

藍子「そうですよね……んーどうしましょう」

周子「んー喜ぶフリって言い方は変だけどさ、気がついてたとしても嬉しいもんは嬉しいし気にしなくていいよ。と言うか気がついてるってバラしたのあたしからだし」

奏「そうね……準備がしやすかった、それでいいじゃない」

周子(実際、大人数に祝われるなんて経験ないし……ね)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ありす「さて、準備できましたね」

まゆ「藍子ちゃんからの連絡でもうすぐ着くそうですよ」

響子「お仕事組も間に合いましたし、これで全員ですね」

奈緒「あ、そっか芳乃たち呼ばないと」

まゆ「忘れてましたねぇ」

ありす「準備してきますね」

響子「……準備？え？」



ありす「綿菓子なかったんですけど、マシュマロでも大丈夫ですかね」

まゆ「ふわふわしてますし、大丈夫です、きっと」

響子(え？何祭壇？)

[マシュマロ・茄子・煎餅をセット]



鷹富士茄子「呼ばれた気がして」
遊佐こずえ「きたよー……」
依田芳乃(ﾌﾞｵｵｵｵｵｵｵｵｵ)


響子「本当に来た！？」

まゆ「今から周子さんのお誕生日会なんです」

ありす「みなさんもどうかと思いまして」

こずえ「んー……美味しいものとか……あるー？」

奈緒「あるぞ、響子がたくさん作ってくれたからな」

こずえ「じゃあ……いるー……しゅーこはー……どこー？」

まゆ「もうすぐきますよぉ」

芳乃「ではわたくしもご一緒しましょー」ﾊﾞﾘﾊﾞﾘ

ありす「食べながら話してはダメですよ……」

茄子「やっぱりこの事務所の人たちは幸運ですね……」

まゆ「？どういうことですか？」

茄子「ふふっ、実はついさっきまで京都にいたのでここには八つ橋があるんですっ♪」

響子(さっきまで京都にいたのになんでここに！？)

奈緒「おっ、丁度いいな！これで周子の好きなものも揃ったし」

ありす「あとは周子さんが来るのを待つだけですね」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

周子「さてと、寮についたね」

藍子「もう準備は終わってるみたいですから、いつ入っても大丈夫ですよ」

奏「周子が扉を開けたら？主役なんだしね？」

周子「ほーん？いいのかなー？しゅーこちゃんにそんなことさせちゃって～」

藍子「え？」

ﾊﾞｧﾝ！！

周子「たのもー！誕生日を迎えたしゅーこちゃんのお帰りだぁ！」

奏・藍子「周子(ちゃん)！？！？」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ありす(ﾑｯｽｩ……

周子「ありすちゃーんそんなむくれないでよぉ」

ありす「橘です」

奈緒「さすが周子というかなんというか」

藍子「まさかあんなことするなんて……」

響子「もう何が何だかわかりません」

茄子「あ、周子ちゃん八つ橋食べますか？」

周子「おっ、食べる食べる！いやー嬉しいねぇなんでも出て来る感じ」

こずえ「こずえも……たべるー……」

周子「はいはい、口開けて～？」

芳乃「ほー、このお煎餅は随分と美味でしてー」ﾊﾞﾘﾊﾞﾘ　

奈緒「芳乃は相変わらずマイペースだな……」




奏「ありすちゃん」

ありす「……奏さん」

奏「周子のこと、怒らないであげて？ああみえてあの子喜んでたのよ？」

ありす「でも……」

奏「あの子なりの照れ隠しよ、素直に祝われるのが恥ずかしかったんでしょうね」

ありす「……」

奏「ありすちゃんの気持ちを無下にしてるわけでは絶対にないわ、だからちゃんとありすちゃんの気持ちを伝えてあげて？あの子恥ずかしがり屋だから」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まゆ「藍子ちゃん今日は寮に泊まっていきますか？」

藍子「そうするつもりです、片付けもすると遅くなっちゃいますからね」

奈緒「千枝たちはもう疲れて寝ちゃったよ、ずいぶんはしゃいでたからな」

響子「一番先に寝たのはむつみちゃんでしたけどね」

周子「さてと、じゃあ片付けしちゃおうか」

藍子「周子ちゃんはいいですよ、今日が終わるまでは主役ですから」

まゆ「うふふっ、あとは任せてください」

周子「そう？じゃあお言葉に甘えて」

ありす「あの……周子さん、ちょっといいですか？」

周子「ん？ええよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ありす「えっと……」

周子「んー？」

ありす「……改めて、誕生日おめでとうございます」

周子「ん、ありがとー」

ありす「あの、こういう風にパーティーするの好きじゃなかったですか？」

周子「いや？好きだよ？ただあんまり経験なくってさ、少し気恥ずかしかったんよ、ごめんね」

ありす「あ、いえ……いいですけど」

周子「こちらこそ改めて、ありがとうね」

ありす「……おめでとうございます、周子さん」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
数日後


ﾊﾞｧﾝ!!

ありす「周子さんはどこですか！！！」

まゆ「さっきレッスンに行きましたよぉ」

藍子「今度は何があったんですか？」

ありす「私のタブレットのアプリアイコンが全部八つ橋になってるんです！！！！」

奈緒(なんだそれ)

ありす「まぁレッスン中なら仕方ないですね……」

響子「鳥取のお父さんお母さん、よくわからないことがたくさんあるけど事務所は平和です、私は元気です」