卯月「周子さんと牧場体験です!」 (26)


周子「と、言うわけで!」

卯月「はい!」

周子「今日は卯月ちゃんも言っていた通り、一日牧場体験でーす!」

卯月「わー!」パチパチ

周子「衣装もさ、どこか牧歌的で良い感じだもんねー」

卯月「なんだかファンタジーの世界に入り込んじゃったみたいです!」

周子「おっ良い例え。この景色を見てたら確かにそう思っちゃうのもわかるなー」

卯月「それにしても、こんなに眺めの良い場所が関東にもあったんですねー」

周子「ねー。こういう機会がないと知らない場所って案外あるもんね。でもまっ、今回のロケでここの魅力をあたしたちで伝えて行けたらなーって考えてまーす」


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ディレクター「はい、カットー! いいねいいねー。じゃあ、次は動物たちと戯れてみよっか」

周子&卯月「「はーい!」」

ディレクター「うん、良い返事だね。それじゃあ移動しようか。プロデューサーさんはこの後の打ち合わせを少し」

プロデューサー「あぁ、分かりました。それじゃあ、私は後で向かうから。気温も低いからちゃんと暖かい格好で移動するように」

周子「はいはーい。それじゃあ行こっか卯月ちゃん」

卯月「そうですね! プロデューサーさん、また後で!」

プロデューサー「んー。現場の人の言うこと、ちゃんと聞きなさいよー」

卯月「はーい!」


スタッフ「それじゃあ向かいましょうか。これからの予定ですが、まず牧場内の動物たちと触れあっていただきます」

卯月「動物さん! ウサギさんとかいたらいいなー」

周子「ここ牧場だからウサギは厳しいかも?」

卯月「あっ……そうですよね……」(シュン

スタッフ「大丈夫です、ウサギもおりますよ。ふれあい広場という場所でウサギやモルモットと触れあうことができます」

卯月「本当ですか!?」

周子「おっ卯月ちゃんよかったやーん」

卯月「はい! 昨日からどんな動物さんと遊べるのかなーって、すっごく楽しみだったんです!」

スタッフ「動物はたくさんいるので楽しみにしていてくださいね。その後は島村さんが牧場内の食材を使ってお菓子作りの予定です」

卯月「お菓子作りですね! 島村卯月、頑張ります!」

スタッフ「よろしくお願いしますね。それで塩見さんですが、島村さんと別れて牧場内に遊びに来られた方へのインタビューをしていただきます」

周子「了解でーす」


周子「さて、まずは羊の放牧場に来ましたーん」

卯月「周子さーん! この羊さん、すっごくもふもふしてますよ!」(ダキツキー

周子「おぉー、良い感じにふわっふわしてるねー」(ヨシヨシ

羊「めぇ~」

卯月「癒やされますぅ……」

周子「うーん、幸せそうな顔。カメラマンさんばっちりカメラに収めてねー」

飼育員「良い表情ですねえ~。見てるこっちが癒やされそうです」

周子「ですよねー。どうです? 今度のCMに」(ゴマスリ

飼育員「ちょっと上に掛け合ってみますね」(真顔

周子「おっこれは好感触?」


周子「お次はー?」

卯月「牛さんの放牧場に来ましたー!」

周子「もっしゃもっしゃ草を食べてる様子が、羊とは違う癒やしがあるねー」

飼育員「ここの乳牛のお乳は美味しいと評判なんですよ。良ければ一杯どうですか?」

卯月「えっ、良いんですか!?」

飼育員「もちろん。季節も季節ですし、ホットミルクをご用意しました」

周子「あーっあったまるぅー……」

卯月「冷えた身体にはぴったりですねぇー……」

周子「すごく濃厚なんだけど、いざ飲み込むとするっと飲めちゃうのがいいね。寝る前に飲んだら良い夢見られそうやわ~」

飼育員「はい! 良い夢が見られると好評なんですよー」(ニッコリ

周子「えっ?」

飼育員「まあ、自分は飲んでも見たことないんですがね」(真顔

周子「えっ?」


周子「ってことで次は卯月ちゃんお待ちかねの?」

卯月「ふれあい広場でーす!」

周子「いやー、色々な動物がいるねー」

卯月「ウサギさん可愛いですぅ……」(ギュー

周子「卯月ちゃーん、ウサギさんちょっと苦しそうだから離したげてー」

卯月「あわわ! ご、ごめんなさい……」(シュン

ウサギ(スリスリ)

卯月「許してくれるんですか……?」

ウサギ(フンスフンス)

卯月「ありがとうございますっ。ウサギさん!」(ニコッ

ウサギ(フンスフンス)

周子「ねえ、今の笑顔卑怯じゃない? ねえ、飼育員さん? あれ? おーい、飼育員さーん?」

飼育員「………………」

周子「あーこれは……落ちましたねえ……」

飼育員「……………………」

卯月「モルモットさんもふわふわしてて可愛いです! 周子さんも!」

周子「あーこのふわふわ感。これは癒やされるわぁ。日頃のストレスもなくなっちゃうねー」

プロデューサー「あんた昨日焼き肉食べながら同じ事言ってたでしょうが」

周子「プロデューサーさん、今撮影ちゅーだから!」


周子「んじゃ、ここが最後かな?」

卯月「ミニブタちゃん広場ですね! ごろーんって寝っ転がってる姿が可愛いです!」

周子「地面に寝そべってる姿がいいよね。これまた今までと違った癒やしがあるわー」

飼育員「ミニブタはペットとしても人気があるんですよ」

周子「あっ、そう言えばちょっと前にテレビで言ってたような……?」

飼育員「そうですね。甘えたがりの性格ということもあって、その人懐っこい姿に惹かれる人も多いみたいです」

周子「へー。やっぱり飼育員さんなだけあって詳しぃー」

飼育員「プロですから」(キリッ


卯月「あわわわわ! 周子さーん! 助けてくださぁーい!!!」

周子「ちょっ、えっ、卯月ちゃんはなんでミニブタに追いかけられてるの!?」


スタッフ「お疲れ様ですー」

卯月「お、お疲れ様でーす……」(グター

周子「ミニブタって思ってたよりパワフルなんだね……」(グター

プロデューサー「何してるのよまったく……。まあ、ディレクターは面白い絵が撮れたって喜んでたけどね」

周子「ははは……不測の事態というか何と言いますか……」

卯月「す、すみません~……」

プロデューサー「まあいいわ。とりあえず、ちょっと休憩してメイク直した後、すぐまた撮影だから」

卯月「が、がんばりますぅ~」

ミニブタ「ぶひっ」


周子「えーっと、それじゃあここからは、卯月ちゃんとあたしで別れてロケをしていきたいと思いまーす。あたしは今から牧場内に来てる人にインタビューだね」

卯月「私は牧場内で取れる食材を使ってお菓子作りですね! 美味しいお菓子が作れるように頑張ります!」

周子「うんうん。卯月ちゃんの手作りお菓子を目標に、あたしも頑張りますかー」

卯月「楽しみにしていてくださいねー!」

周子「期待してるーん♪」


子どもたち「きゃっきゃっ」

周子「へー牧場って言うから動物と触れあうところばっかりと思ったけど、そうでもないんだね。シューコさんびっくり」

子ども1「あっしおみしゅーこだ!」

周子「おっ、僕はシューコさんのこと知ってるん?」

子ども1「うん! テレビで歌ってるの見た!」

周子「嬉しいやーん。あたしも人気になったもんだねー」

子ども2「あれやってー! あの、コンコーンってやつ!」

周子「あれかー。そう簡単に見せられるもんじゃないんだけどなー」

子ども1「えー! 見たいー!」

周子「今回だけよ? コンコーンッ!」(ニコッ

子ども1&2「わーーーーーー本物だー!」



プロデューサー「今のちゃんと撮った?」

カメラマン「バッチリッス」


パティシエ「今日はこちらの牧場で取れた牛乳を使って、チーズケーキを作って行きたいと思います」

卯月「わー! チーズケーキ! 頑張ってインタビューしている周子さんのためにも、精一杯頑張ります!」



ディレクター「なあ、そこに天使いないか?」

飼育員「天使だ……」


周子「あら、あんなところに幸せそうな老夫婦はっけーん。さっそくインタビューに行ってみよー!」

周子「こんにちはー」

おじいさん「はい、こんにちは」

おばあさん「あら、こんにちは。良い天気ですねぇ」

周子「気温もぽかぽかしてて過ごしやすい日ですよねー。今日はどちらから来られたんです?」

おじいさん「わたしたちは愛知から遊びに来ました」

周子「愛知!? また遠いところですねぇ……。移動は大変じゃなかったですか?」

おばあさん「確かに遠いですが、移動は大変じゃありませんでしたよ」

周子「へー。何か良いことでも?」

おばあさん「良いことってほどでもありませんが、夫と一緒におれましたから」

周子「ラブラブなんですね~」



プロデューサー「うぅっ……グスッ……」

カメラマン「なんで貴女が泣いてるんっすか……」


パティシエ「島村さん! 焦げてる焦げてる!」

卯月「あわわわわわわ……!!」


周子「先ほどの老夫婦に教えて貰ったビニールハウスに来ましたー。中では苺が栽培されているとのことなんだけど……あっ、受付のお姉さーん!」

お姉さん「いらっしゃ……えっ、し、塩見周子……さん……!? へっ!?」

周子「お姉さんもあたしのこと知ってる感じなんかな?」

お姉さん「あっ、あの……ファン……です……」

周子「へっ?」

お姉さん「青の一番星聞きました! すっごく良かったです!」

周子「うわーこんなところでファンの方に会えるなんて思いもしなかったーん♪ あっ、カメラマンさんツーショット撮ってツーショット。プロデューサーさん、別にええでしょ?」

プロデューサー「うーん……。まあ、せっかくの機会だし……?」

周子「やったねー。ってことでお姉さん! はい、笑って笑ってー」

お姉さん「い、良いんですか!?」

周子「これも何かの縁ってねー♪ はい、チーズ」(パシャリ

お姉さん「あ、ありがとうございます! 一生の宝物ですっ……!」(号泣)

周子「お姉さん大げさー。まっ、これからも塩見周子をよろしゅー♪」

お姉さん「は、はいっ!」


パティシエ「島村さん。後ちょっと、頑張りましょうね!」

卯月「はい! おいしくな~れっ♪ えへへ♪」


周子「ちょっと個人的に嬉しいことがあったりしましてー。とりあえず、ビニールハウスに入りましたーっと。中は暖かいんだねー」

お姉さん「そうですね。気温は成長適温の20℃前後に保たれています」

周子「ほへー。そういうのが大切になってくるんやねー。あっ、これ一つ食べてもいいの?」

お姉さん「どうぞどうぞ! このように、ヘタがピンとたっていて、その下の部分に小さな裂け目があるものが美味しいですよ」

周子「お姉さん、さすがプロって感じ? んっ、甘くて美味しー♪」

お姉さん「こちらの苺を使ったお菓子なんかも出口の売店で販売しておりますので、良ければそちらもご覧になってください」

周子「おっ、それはありすちゃんが喜ぶや。ありすちゃーん待っててねー」


プロデューサー「経費は出ないから、そのつもりでね?」

周子「プロデューサーさんのけーち」


周子「ふー。なんやかんやで結構な人にインタビューできたね」

プロデューサー「お疲れ様。ビニールハウスを出てから、かなりの数にインタビューしたもんね」

周子「あれぐらいで大丈夫?」

プロデューサー「じゅーぶん。スタッフも編集のしがいがあるって意気込んでたわよ」

周子「おっこれは放送日が楽しみですなー。で、これから卯月ちゃんと合流するって予定で大丈夫?」

プロデューサー「あーそう……かな? うん、今から卯月の作ったお菓子を食べて、今日の感想を言ってロケは終了ね」

周子「後ちょっとかー。結構楽しかったから、ちょっと残念」

プロデューサー「残念?」

周子「うん。なんて言うか、遊び足りない……みたいな? あっそうだプロデューサーさん、今度また卯月ちゃん誘って三人で遊びに来ようよ。次は完全プライベートで」

プロデューサー「……考えとくわ」

周子「やーん、プロデューサーさんのいけずぅー」


プロデューサー「それじゃあ、私は最後にもう一回だけディレクターと話してくるから、この先の部屋で待ってて。卯月たちお菓子作り斑もすぐ来るはずだから」

周子「ほいほーい」

スタッフ「すみません、自分たちも機材の最終確認だけしてきますので、遅れて向かいます」

周子「はーい」


周子「お疲れ様でー……って誰もおらんのかーい」

 
周子「がらーん」


周子「しーん」


周子「………………」


周子「十分は待ったなー」


周子「もう十七時かー……」


周子「………………」(ソワソワ


周子「卯月ちゃんまだー?」


周子「あれ……もしかしてあたし部屋間違えた……? でも、プロデューサーさんが言ってた部屋ってここだけやったしなー」


バンッ


周子「うわっ電気消えたっ!?」

周子「停電……? うっそー……」


ガチャ


周子「えっ」


卯月「はっぴばーすでーとぅーゆー♪」


周子「……えっ!?」


卯月「はっぴばーすでーとぅーゆー♪」


周子「……あっ、あー……やられたわ」


卯月「はっぴばーすでーでぃあ周子さーん♪」

卯月「はっぴばーすでーとぅーゆー♪」


「「おめでとー!!」」


パチパチパチパチ


周子「あちゃー、卯月ちゃんにしてやられちゃったかー」(モグモグ

卯月「周子さんの誕生日をお祝いしたくって。島村卯月、頑張りました! ただ、ちょっと焦げてますけど……うぅ」

周子「おこげが良いアクセントになってちょうどええわー。こんなにとろけさせて、卯月ちゃんはあたしをどうするつもりー?」(モグモグ

卯月「えへへっ、周子さんが喜んでくれたみたいで嬉しいです♪」

周子「えっ何? 卯月ちゃん健気すぎひん? 天使なん? めっちゃ嬉しいんやけど」

卯月「ふぇっ!?」

周子「いやー、あたしだって自分の誕生日忘れてたのにさー。卯月ちゃんこれはずるいわー」

卯月「えっ周子さん、自分の誕生日カレンダーに書いてないんですか?」

周子「自分の誕生日はねー。卯月ちゃんのは書いてるけどさ」

卯月「な、なんだか照れちゃいますね……///」


プロデューサー「はい、そこのお二人ー。今そうやって幸せそうに話してるのもばっちりカメラに収めてるからねー」

周子「へっ?」

卯月「それってつまり……?」

プロデューサー「ん? 放送するってことよ?」


周子&卯月「「えぇ~!?」」


終わり


周子さん、お誕生日おめでとうございます!あなたに出会えて本当に良かったです!


今回はahomuさんのイラストをモデルに書かせて頂きました。
http://imgur.com/a/R6Qdw

この場をお借りして再びお礼を。

また、当SSを読んでいただき、ありがとうございました。

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