材木座「人類の夕べ」 (37)

終末のハーレムと俺ガイルのクロス。

かなり短めで終わる予定です。

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人類は進歩し、科学技術は著しく発展した。

特に、一番の人類の発明品と言えば、人工知能と言えるだろう。

この人工知能のおかげで、人類は、せいぜい人工知能を管理するくらいしか役目がなくなり、労働は、好事家の趣味と化した。

社会は、人工知能に基づく科学的共産主義であり、人々は皆、幸せな生活を営んでいる。

なのに、なぜ俺だけこんな目に……


学校生活は、楽しいものだった。クラスメイトらが、我に無関心だと知っていてもだ。

そんな日々が続いても、我は日常を過ごすことができた。

我には、ラノベ作家になる夢があったし、八幡もなんだかんだいって、我が作品を読んでくれたからである。

しかし、そんな日常も、これまでであった。

我は、やっとこさ新作のラノベが書き上がった。体調が芳しくない状況下で、結構頑張った。

我が努力も勿論だが、作品としてのレベルも、最高傑作である。

早速新作を八幡に押し付けた後、体調が回復しなかったので、ガチの奴かなと思って、病院に行った。

まあ、今のご時世、不治の病は既に死語である。

薬を飲めば、一発で治る。それが、病の常識なのだ。

そう、常識の、はずだった。


医師「細胞硬化症です」

義輝「?なんですか?その病気?」

医師「この病は、大変症例が少なく、現在の医学では治療できません。また、致死率は99パーセントです」

義輝「は?……は?」

医師「しかし、コールドスリープをすれば、寝ている間にAIが特効薬を作ります。つまり、数年間寝て起きれば、もう、治っているんですよ。今はちゃんと保険も効くし、何も心配は要らないんですよ」

義輝「は、はあ……」

我は、実は、新作を書き上げてよかったと、少し安心した。

医師「まあ、身内の方には、こちらから説明しておきますから。何年も眠るわけだし、色々準備をしておいてくださいね」

我は、家に帰った。玄関では、母が迎えてくれた。父も、仕事を切り上げ、早く帰ってきてくれたようである。

この日、『材木座義輝の旅立ちパーティー』(命名by我)をやった。結婚式で出てくるような、大きなケーキを母が買ってきていた。

母曰く、湿っぽいのは嫌いだそうだ。

参加者は、我、我が母、我が父のたった三人なのに、こんなに食べ切るわけがないと思った。

しかし、食べ物一つ一つにも、大切な命が使われているのだ。ここはひとつ、腹の見せ所である。

結局、ケーキは無くなってしまった。母曰く、我の摂取カロリーは、約八千カロリーだそうだ。

八千カロリー、恐るに足らず。と言ったら、母と父が大笑いした。つられて、我も破顔である。

我は、風呂に入り、歯を磨き、ベッドにダイブした。今思うと、このベッド、よく今まで耐えてくれたと思う。

食後なので、眠くなってきた。しかし、我にはやらなくてはならないことがある。

我は、八幡に、メールを送った。

to八幡

八幡へ

その新作を読み終えたら、出版へ送ってくれ。

ゲラは、それしか、ないのである。

我は今、コードスリープマシーンに乗るところだ。

我の旅立ちを見送るのは、二人しか居ない。

母は、顔が洪水状態だった。別に、死ぬわけでもなし。湿っぽいのが嫌いと言っていた本人が、このザマである。

父は、「俺たち以外に誰か呼ばなくて、よかったのか?」と聞いてきた。

なるほど、確かに、身内以外にも事情を話せば、八幡や戸塚氏などは、来てくれたやも知れぬ。

ただ、事情を明かさぬ理由は、簡単である。

湿っぽいのは、我は嫌いだ。

こんなところだけ、母に似てしまった。

というかぶっちゃけ、このような消え方の方が、格好いいと思う。

八幡は、あのゲラを、ちゃんと出版社に出してくれるだろうか?メールの返信がないので、甚だ不安ではある。しかし、今はもう、八幡を信じよう。

我は、眠りについた。

今日はもう、ここまで。
おやすみなさい。

??「さて……この世界一幸福な男子高校生……一体どうしてあげようか?確か、八幡の友達だったんだよね……ふふ、楽しみだよ。義輝が起きるの」

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ああ、目が覚めた。

久しぶりに、目に光が入ってきた。全てが、白い靄に覆われているように見る。

我が起きたということは、我の細胞硬化症は、治ったということであろう。

やった!またラノベが書けるではないか!

いや、ここは心機一転し、絵の練習をして、漫画家も視野に入れるというのもいいかもしれない。

だとしたら、まず、即売会のサークル参加から始めようか。

ついでに自作挿絵のラノベも頒布したりして……

とにかく、生きているって、素晴らしい!

我は生まれ変わったような、そんな気がした。

あ、そういえば、我の書いた作品、結局、どうなったのだろうか?

もしかしたら、八幡は、読む前にゲラを捨てたとしたら……それとも、出版社には出してくれたけど、審査に通過しなかったりとか……

いや、弱気なのはいけない。

起きた直後の、あの謎の自信を持つべきだ。

それに、もし作品が落ちたとしても、我はそれをバネに、より努力できるタイプなのだ!

まあ、ここまではいいとして、他の問題……つまり、我は何年寝ていたのか?とか、そういう問題だ。

??「あ、起きました?」

義輝「ひゃ、ひゃいッッ!?い、いつからそこに!?」

??「材木座さん、目を覚ました後も、なんだか起き上がりもしないもんだから、なんだか心配しちゃって……」

この謎の女。歳は若く見える。いや、若いというよりも、幼いといる感じだ。10代後半くらいか?
しかも、器量もかなりの上物ときている……

はっきり言って、我は、このような若さと美しさを持つ奴を見ると、嫉妬や羨望を通り越して、もはや、かわいそうな奴であるなあと、哀しみすら感じるのだ。

(実は、我が我の精神を守るために、無理やり合理化させた感情に過ぎず、結局は、嫉妬と羨望に打ちひしがれているだけかもしれないが……)

おそらく、奴の最大の自慢は、若さと美しさであろう。
しかし、そんなものは、老いの前には無力である。
現代科学(正確には、我が寝る前の科学で、今はちがうかも)をもってしても、老いは止められない。
まあ、コールドスリープは別だが。

それに対し、我の目標が達成された暁には、我は、老いから解放される。
文字は老いない。
社会の中に、我がラノベを投入さえされてくれれば、我は、若さとか、美しさとか、そんな刹那的なものに執着する必要はない。

??「あの~、ちょっと、いい加減、話してもいいですか?」

義輝「あ、ひゃ、ひゃい」

鶴見留美「どうも、私、鶴見留美っていいます。これから材木座義輝さんのサポートをしますので、よろしくです」

義輝「は?……は?」

留美「~~云々という感じで、MKウイルスのせいで、男性はほとんど亡くなられ、義輝さんがセックスするしか、人類を救う方法はないんですよ……真面目に聞いてます?なにキョロキョロしているんですか?」

義輝「いや~~、なかなかカメラが見つからないな~~って」

留美「だから、ドッキリじゃありませんってば!そんなことをして、我々になんの意味があるんですか!」

義輝「モテない[ピザ]の中二病に、あなたは人類に五人しかいない男ですって言って、バカみたいに発情する我のことを笑う……なかなか、視聴率が取れそうじゃないですか?しかしね、鶴見さん。これは、BPOに引っかかるかもしれませんよ。やっぱり、イジメカッコワルイよね……」

鶴見「一体、どうすれば、私の言うことを信じてくれるんですか?」

義輝「いや、我は要求はしない……我は我なりに、社会の荒波に揉まれてきたんだ。何かを要求して、訴えられるのは勘弁願いたい……とくに、痴漢で訴えられるのだけは、死んでも嫌だ!」

鶴見「ああもうッッッ!!なんですか?モテるのが怖いんですか?」

義輝「的外れだなあ……これは、自尊心の問題だよ。もし、我がただのバカな中二病のデブだとしたら、あなた方のことを慮って、騙されるふりをしてあげたかもしれない……しかしね、確かに、我はバカな中二病のデブだけれども……自尊心のある、バカな中二病のデブなんだ!!そんじょそこらのバカな中二病のデブと一緒にするな!!」

留美「……じゃあ、こうしましょう!私、義輝と今からセックスしますんで、それで、納得して下さい。ドッキリといっても、流石にセックスシーンは流さないでしょ?」

義輝「鶴見さん、それ、ハリウッドの洋画のにも同じこと言えるんですか?あのよくわからないタイミングでいきなりベッドシーンを入れてくるような映画に対しても。それに、このドッキリが地上波で流されるためのものだとは限らないし……って、何服を脱ぎ始めているんですかッッッ!?」

留美「いや~~、一発ヤれば、義輝もわかってくれるかな~~って思って。大丈夫です。義輝さんが処女厨である可能性を考慮して、バージンはまだとってますから」

義輝「だ、か、らッッッ我の話を聞いてくれッッッ!!」


今日はここまで。
あけましておめでとう。
今年もよろしくお願いします。

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男性の消滅!!人類の危機!!

政府が男性に対し、無料先着順でコールドスリープの受け入れ開始

平和な時代の到来!!男が無くなったことによる、世界中の戦争の停止!!

安◯首相などその他大臣がMKウイルスによるコールドスリープにより、稲◯防衛相が臨時首相に就任!!

フェニミズム時代の到来!!女性はこれからどうあるべきか?

女性向けのアダルトグッズ、売り上げがうなぎ登り!!

すいません、やり直します。

その後、一悶着があったが、なんとか、この鶴見とかいう女に服を着させることに成功した。

今思うと、ここは病院だ。

おそらく、この鶴見留美は、精神科の病棟から抜け出した患者に違いない。

留美「ねえ、義輝さん。本当にしなくてよかったんですか?」

義輝「ああ、はい」

確かに、あの状況なら、我は童貞を卒業できたやもしれぬ。

しかし、考えてもみよ。

もし、我があの状況でこの女と一線を超えたとしたら、我は、精神疾患の女の気持ちにつけ込んでレイプした、強姦魔となってしまうのだ。

それが避けるべき事態であることは、火を見るよりも明らかである。

とりあえず今は、病院側がこの女を捕まえるのを待とう。

留美「じゃあ、行きましょうか」

義輝「え?行くって、どこへですか?」

留美「いやほら、義輝さん、コールドスリープから、起きたばかりじゃないですか。だから、検査とかしなくちゃいけないんですよ」

検査なら、我よりも先に、貴様の頭の検査をしてほしいものだが……

しかし、病院側の追っ手が来る前に、この女を逃すことを許すのは、我の良心が痛む。

なんとか、時間を稼がなくては……

義輝「あ、そうだ。我、実は作家志望で、コールドスリープに入る前に、作品を出版社に送ったはずなんです。結果がどうしても気になるんで、インターネット端末、持っていますか?持っていたら、貸してほしいですけど……」

留美「え?ああ、持ってますよ。どうぞ、使って下さい」

義輝「ああ、ありがとうございます」

よし!これで、我の作品が通ったかどうか調べられるし、時間も稼げて、一石二鳥である。

我、頭いい!!

とりあえず、我の作品について、調べよう。

~~15分経過~~

あれ?出版社のHPまで行って、我の作品は三次選考まで行けたということは分かったが……それ以降が、MKウイルスの災害のため、賞の無期限停止と書いてある。

一体、どういうことか?

MKウイルスは、鶴見留美の妄想ではなかったのか?

留美「あの~、調べ終わりましたか?」

義輝「いや~~、我、機械がちょっと苦手で、もうちょい、もうちょいだけ、待って下さい。本当、迷惑かけてすみません」

留美「は、はあ、まあ、いいですけど」

その他ニュースサイトの過去ログで、五年前の部分を見てみる。

男性の消滅!!人類の危機!!

政府が男性に対し、無料先着順でコールドスリープの受け入れ開始

平和な時代の到来!!男が無くなったことによる、世界中の戦争の停止!!

安◯首相などその他大臣がMKウイルスによるコールドスリープにより、稲◯防衛相が臨時首相に就任

フェニミズム時代の到来。女性はこれからどうあるべきか?

女性向けのアダルトグッズ、売り上げがうなぎ登り

なんといことだ!!この鶴見さんのいうことは、全てが事実だったのだ。

さっきまでの自分が、恥ずかしくなってきた……なんだか、涙までこみ上げてくる。

この鶴見留美は、若くて器量も良いというのに、健全な恋愛も許されず(まあ、この女がLGBTなら別だが)、我とセックスをしようとした……そんな鶴見さんの気持ちを考えると、心にこみ上げてくるものがある……

留美「え、ど、どうしたんですか?いきなり泣き出して……」

義輝「ご、ごめんなさい……さ、さっきまでの、わ、我を、ゆ、許して下さい……」

我の顔は洪水状態だ。少し、過呼吸のような状態になり、呼吸すらままならない。

留美「え!?ま、まあ……検査に行きましょうか」

義輝「うぅッ……は、はい……」

そうして、我々は、病院の個室を後にした……

すみません。
undefinedは、文量が多くて、送らないってことらしいです。

また、すみません。
フェニミズムでなく、フェミニズムです。

検査を終えた後、鶴見留美と共に、我が高校へと向かった。

こんなご時世に、我は高校なんかに行っていいのかと質問した。
鶴見さん曰く、

留美「こんな時代でも、社会を動かすエリートは必要ですから。あと、留美でいいですよ」

義輝「分かりました。あの、留美さん」

留美「なんですか?」

義輝「……今夜、我と、セックスしてくれませんか?」

誤字あってすみません。
今日は、ここまで。

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ついに、禁断のセリフを、言ってしまった!

まあ、ぶっちゃけると、病院内でセックスできなかったことが惜しいと思ったのだ。

これが、ドッキリでないとわかったなら、もう、恐れることはない。

留美「おお!なかなか積極的ですね!私、そういう人、好きですよ」

義輝「ただし、イケメンに限る、でしょう。別に、我の前で、猫をかぶる必要はないですよ。しかし、今が人類の危機であるのも、事実だし……ヤるべきことは、ヤっとくべきかと思って……」

留美「?どうしてそんなに、卑屈になるんです?私は本心から、嬉しいと思いましたよ」

義輝「……いや……それは……まあ、過ごした環境とか、過去の人間関係もあるんでしょうが……いやなんか、すみません。目覚めたばかりなのに、内気な会話しかできなくて……母親以外の女性と、殆ど話したことが、なかったから……」

留美「いえいえ、これから慣れていけばいいんですよ……大丈夫、義輝さん一人に対して、女は5000000000もいるんですから……」

義輝「なんか、五十億を、漢字じゃなくて、数字で5000000000と表記すると、改めてその多さに圧倒されますね……」

留美「ええ、ですから、何も心配することはありませんよ」

義輝「ほんとうかなあ……」

留美「何か疑問でも?」

義輝「疑問というより、実は、三つの不安があって……」

留美「不安?」

義輝「ええ、一つは、フェミニストたちが、やっと実現した真の女性社会を妨害する、男という存在……つまり、この剣豪将軍材木座義輝であるが……そのフェミニストたちに、命を狙われたり、去勢されたりしないかという不安……ふたつ目は、我の外見のせいで、留美さん以外の全ての女性が我とのまぐわいを拒み、我が男としての存在価値を失うこと……まあ、こんな時代でも、個人の意識は、尊重すべきものですから……三つ目は、そもそもこの世界は、我がコールドスリープの間にみている夢で、実は、我はまだ、眠っているんじゃないかという不安……この三つです」

留美「なるほど……では、この留美ちゃんが、その問題を解決していきましょう!まず一つ目の不安、これはまず、あり得ません。義輝さんの身は、UWが総力をあげて保障します。二つ目の不安、これも、問題ありません。義輝さんの生活習慣や性格や容貌を否定する人間は、少なくとも、私たちがこれから行く高校にはいません。三つ目の不安は………」

三つの不安のところで、鶴見さんは、顔を急に赤らめた。
不安の解決に窮したということだろうか?
この問題は、非常に難しい。
我が現実だと思っている世界が、実は、我の夢である、という命題。こんなに質感や感覚に現実味のある夢も、かなり珍しいと思うが……まあ、哲学的に考えて……例えば、ウィトゲンシュタインの言語ゲームの思想では、言語の法則を逸脱している命題は、ナンセンスであるという思想……ウィトゲンシュタインはこの思想で、彼自身の師であるラッセルの世界五分前仮説を否定した……今、我が抱えている命題も、言語の法則から逸脱しているが故に、ナンセンスであると……しかし、この命題は、形而上学的立場から見れば、途端に姿を変えて、有意味なものとなる……我は、まだ、この命題と闘わなけれならない……

と、そんなことを考えていると、いきなり、我が唇に違和感を感じた。なんか、暖かくて、柔らかくて、優しい感触……

鶴見留美が、この我に、キスをしていたのだ!

留美「このキスまでも、夢だというんですか……?私の、ファーストキスなのに……」

義輝「ひゃ、ひゃい」

これまでの我が思索は、無意味でしかなかった。

今日はここまで。
終末のハーレム面白いですよね。
最新16話読みましたが、あまりエロがなかったのが残念です。
おやすみなさい。

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