みほ「おらあああああぁああ!!」 (127)

エリカ「西住流の体術?」

エリカ「西住流の体術?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1481031751/)

続編的なsomething

キャラ崩壊、ちょっとした独自設定、原作の読み込みが足らず矛盾が出てくるかも……


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1481452045

『聖グロリアーナ全車走行不能! 黒森峰女学園の勝利!!』


エリカ「ふぅ……何とか勝てたわね」

赤星「お疲れさまでした、隊長」

エリカ「この練習試合だけ……じゃないのよね。西住隊長が居なくなったら……」

直下「辛気臭い顔しないでくださいよ。一生会えない訳じゃないんですから」

エリカ「そうね……今の目標は王座の奪還よ! 大洗だろうがプラウダだろうが薙ぎ倒すのよ!!」

直下「得意のムエタイで?」

エリカ「マジで膝入れるわよ」



『試合終了! 礼!!』

ありがとうございましたー


オレンジペコ「今日はありがとうございました逸見さん」ジリッ

エリカ「ええ、良い経験になったわ。……ところで、その足の奴は一体?」

アッサム「格闘技用の足ミットです。私の計算では逸見さんが執拗にペコのローを狙ってくるハズなので」

エリカ「狙いませんよ!」

ダージリン「ローを意識させて同じモーションでハイを打って来るから気を付けなさい」

まほ「いや待て、エリカはボクシング出身だ。手わざも多い、上下のコンビネーションに注意だ」


エリカ「ちょちょちょちょ、隊長まで何を!? この前の月刊戦車道のインタビューは反省してますけどそれにしたって酷過ぎませんか!?」

まほ「ふふ、冗談だ。ダージリン達と観戦中にその話題で盛り上がってな」

オレンジペコ「すみません逸見さん、試合終了と同時にダージリン様達が無理やり……」

エリカ「いいわよ、貴女も大変ね……お互い頑張りましょ、次期隊長さん」

オレンジペコ「はいっ! ………次は負けませんわよ」ニコッ

アッサム「よく言ったわオレンジペコ」

エリカ「ふん、次も叩きのめしてあげるわ、覚悟してなさい!」ニカッ

直下「得意のムエタイで?」

エリカ「っしゃあ! コブラ・ソード!!」ゴッ!!

直下「痛い……!! 痛ったい……」

赤星「モロに入りましたよね!?」

直下「」チーン

赤星「し、死んでる……」

エリカ「戦死者よ、丁重に弔ってあげて……」

まほ「……引退後も心配なさそうだな」

ダージリン「そうね」

アッサム「(そうかしら……)」

ピピピピッ

まほ「失礼、電話だ」

ダージリン「色気のない着信音だこと」

まほ「私だ……うん、何? 本当か……分かった、調整しておく」ピッ

まほ「ダージリン、お前黙っていたのか? 合同練習試合の事」

ダージリン「ふふ、面白くなると思わなくて?」

まほ「ああ、最高に楽しそうだ」

フフフフフフフ

~~後日、大洗

アリサ『じゃ、大変でしょうけどそっちも準備たのむわよ……あぁ気が重い』

みほ『ホント、勢いで決めちゃったとはいえ……大丈夫かなぁ』ピッ


――

みほ「この場合の役割は大まかに――」ウンタラカンタラ

エルヴィン「ま、待った! 少し休憩にしよう、数名オーバーヒートしている」

ねこにゃー「にゃー」ブツブツ

典子「こんじょー」プシュー

ゴモヨ「」

みほ「あ……ごめんなさい、気が付かなくて」

エルヴィン「しっかりしろ隊長、練習試合が決まってからえらく入れ込んでるようだが、何あったのか?」

梓「レオポンさんチームを解体してツチヤさんをアリクイさんチームへ、カモさんチームは新しい風紀委員を連れてきましたけど心配ですよね……」

みほ「考えるまでもなく丁度の人数だった今までがおかしかったんだよね……」

エルヴィン「三年生が抜けて、今度の練習試合は今後の趨勢を占う大事な一戦だ、気を引き締めていこう」

みほ「はい! ご心配おかけします……ふふ、こうなったら全力で頑張ります!」

典子「根性ーー!!!」

優花里「秋山優花里!! ただいま潜入から戻りましたーーー!!」

エルヴィン「グデーリアン!! 生きて戻ったか!!」

みほ「お疲れ様優花里さん、首尾は?」

優花里「過去最高難易度の潜入でしたが、上々であります!! では、この資料をご覧ください!!」

『秋山優花里潜入シリーズ・バレたら命は無い!? 潜入・聖グロMI6 !!』

合同練習試合当日

富士演習場 近くの林中


ケイ「ヘーイ!! 来たわよアンジー!!」

カチューシャ「面白そうだから来てあげたわよ!!」
ノンナ「ご招待感謝致します」

アンチョビ「忙しい中ドゥーチェ参上!! 引退したからフットワーク軽いとか言うなよ!!」

杏「いやー結構集まったねー」

まほ「ふふ、各校の三年を集めればこれくらいになるさ」

ケイ「二軍三軍の三年生も連れてきちゃったけど大丈夫だったかしら?」

ダージリン「この場においては些細な事よ、戦車の数は十分足りてるようだし問題ないでしょう」


まほ「よし、僭越ながら『三年生連合』の隊長は私が引き受けよう。 これより富士演習場、下級生達の練習試合に乱入し試合を申し入れる!! 我々の本当に最後の試合だ、全力で行くぞ!!」

おおおおーーーー!!!

まほ「総員、搭乗開始!!」


書き終えたやつの最後の方が消えてる……
どうしよ柚子ちゃーん!!

すまぬ……すまぬ……
ちょっと完結まで時間かかりそうです……。
スレの賞味期限って一か月ぐらい?(初心者並み感)

そど子「今日はよろしくお願いするわ……って何よ!! 工具だらけじゃない!!」

ナカジマ「レオポンのお世話用だから気にしないでー」


ぴよたん「お、お邪魔しますづら……」

杏「入って入ってー、いやーこれで車長に専念できるよー」

桃「となると、砲手は私ですか!?」

柚子「ぴよたんさんの方が良いと思うなぁ……」

桃「なんだとぉ!!」ガルルル

杏「かーしまー、いくら私が小さいとはいえ狭いんだから大声だすなー」

桃「……しーましぇん」


ケイ「今日はルーキー共に分からせてやろうじゃない!!」

ナオミ・サンダース三年勢「YEAH!!!」


カチューシャ「一生カチューシャ達の代には敵わないって骨の髄まで叩き込んでやるのよ!!」

ノンナ・プラウダ三年勢「Ураааааааа!」


ダージリン「優雅に美しく、己の名を継ぐ次の者の為に……」

アッサム・聖グロ紅茶名持ち三年「勿論ですわ」


アンチョビ「お前ら! 未だ自分たちのノリと勢いに乗れてないペパロニ達に思い出させてやれ!! 本物のアンツィオのノリと勢いを!!」

アンツィオ三年勢「オラーーーイ!!」

黒森峰三年A「隊長、各車準備が出来ました!!」

まほ「うむ。……何か気の利いた事を言おうと思ったのだがな、何も思いつかん」

黒森峰三年B「無理しなくて大丈夫ですよ、だいたい分かってましたから」

まほ「ふん……よく分かってるじゃないか」

黒森峰三年C「伊達に三年間隊長の下で戦車やってませんよ」

まほ「…………今日は一緒に戦車道しよう」


黒森峰三年勢「了解!!」




まほ『よし、全車全速!! 突っ込むぞ!!!』



アッサム『演習場のスピーカーをジャック致しました、現在組み合わせ抽選中のようですわ。いつでも割り込めますわよ』

まほ『よし、まずは私が名乗りを上げる。操縦手以外の手の空いている者は車外に顔を出しとにかく威圧しろ』

杏『ワクワクしてきたねぇー』


まほ『よし、いい感じの高台の上から行くぞ…………スゥゥゥー』

まほ『待っ―――



みほ『おらぁぁああ↑↑ーーー!!!! 三年生出てこいやぁぁぁぁ!!!』


まほ『』

  みほ・エリカ・オレンジペコ・ニーナ・アリサ・ペパロニ

      一 二 年 生 連 合 !!  デデーン

ダージリン『アッサム、これは一体?』

アッサム『おかしいですわ、スピーカーの制御が更にジャックされて……』

ケイ『アンジィィ~? 貴女何か知ってたでしょ?』

杏『あーー……これはマジで何も知らなかったよ』

アンチョビ「お前ら! 未だ自分たちのノリと勢いに乗れてないペパロニ達に思い出させてやれ!! 本物のアンツィオのノリと勢いを!!」

アンツィオ三年勢「オラーーーイ!!」

アンツィオってアンチョビ以外3年がいないはずじゃ...


ありゃそだっけか、アンツィオ戦車道(強化?復興?)のためにスカウトされたとは知ってたが同学年いなかったのか。

自身以外のチームメイト全員後輩……そういった記述あったわ、失敬失敬。


ケイ「今日はルーキー共に分からせてやろうじゃない!!」

ナオミ・サンダース三年勢「YEAH!!!」


カチューシャ「一生カチューシャ達の代には敵わないって骨の髄まで叩き込んでやるのよ!!」

ノンナ・プラウダ三年勢「Ураааааааа!」


ダージリン「優雅に美しく、己の名を継ぐ次の者の為に……」

アッサム・聖グロ紅茶名持ち三年「勿論ですわ」


アンチョビ「悪いな、付き合わせて。 戦車、昔乗ってたんだろ? ……っていうかそうだったらもっと早く教えてくれよなー」

アンツィオ三年A「こんな豆戦車は乗った事ないけどね……ま、ウチの方の屋台一週間タダ働きしてくれるってんなら何でもいいやい」



こうですかわかりません。

まとめサイトさん、サイトにはこんな感じで上手い事やってくれませんかねぇ


みほ『わ、我々はぁーー! 三年生連合にぃーー!! 挑戦状を叩きつけるぅぅーー!!!』


カチューシャ「カチューシャ達が手玉に取られてたって言うの!?」

アンチョビ「ふざけやがってぇ~~!!」



みほ『挑戦状↑↑ーーー!!  大洗女子学園、か、角谷杏ーーー!!』

杏「」ビクッ


みほ『今までの傍若無人なその振る舞いぃーー!! 学校の為と言えば聞こえは良いが、どぉーしても腹に据えかねるっ!! 前に沙織さんが言ってました! 『生徒会チームから潰そう』って!! 今日は見つけ次第撃破しますんで覚悟しとけよ、おらぁぁ!!』


桃「あいつ……会長に向かってなんたる暴言を……」

杏「まぁまぁ……でもこれは燃えるねぇー」


エリカ『黒森峰女学園、西住まほーーーーー!!!』

まほ「そ、そういう流れか……」ゴクリ

エリカ『『エリカはハンバーグが好きなのか?』薄ら笑いを浮かべたそのセリフぅぅぅ!! 甘口カレーしか食べれないカレー好きに言われたくないわぁぁ!! 新生黒森峰はムエタイでも何でも使って貴様ら三年生を叩きのめすから覚悟しときなさいよ、オラァァ!!』

まほ「カレーは良いだろ!! カレーは!!」

おはようございます。

少しばかり文章がぶっ飛んだぐらいで昨日の自分は少し取り乱していたようです。
自分のミスを自分でぬぐえないようなss投稿者の屑であると自覚できました。

このssを必ず完結するという形で謝意を示したいと思いますのでどうかご容赦を。

オレンジペコ『聖グロリアーナ女学院、ダーーージリンーーーー!!!』

ダージリン「来たわね」


オレンジペコ『言いたいことは山ほどありますがーー!! 過度な英国人面は逆にこっちが恥ずかしくなる事に気づいてくださいーーー!! お姉さま達が負けた時の格言、楽しみにしておきますから用意しておけよ、おらー!!』

ダージリン「そういう……学校だから仕方ないわよね?」

アッサム「『英国風の』学校ですから……、まぁ日本要素をすべて取り除くのはどうかと思いますけど」

ニーナ『プラウダ高校、カチューシャーーーーー!!』

カチューシャ「な、何を言おうっていうのよ」ガタガタ

ノンナ「ご安心を、内容次第では……」



ニーナ『自分に威圧感がねぇからって副隊長の肩さ借りる方が阿保っぽいんでねぇのかぁぁ!! 今日は痛めつけた後に見下してやっから副隊長から降りて来いよ、オルルァァ!!』

カチューシャ「そっだらはんかくさい事言いおってからにぃぃ……」

ノンナ「いろんな感情が混じったカチューシャ……これはこれで」

アリサ『サンダース大学付属高校、ケイーーーーーー!!』

ケイ「どっからでもカモン!!」


アリサ『揚げ物を食べた後にベタベタの手で戦車に乗るなぁぁぁ!! クリーンファイトを説く前にアンタがクリーンに戦車に乗れぇぇ!!戦車が泣くわぁぁ!! 自分達の反省会のカラオケ、今から予約しておけよ、おらぁぁぁ!!』

ケイ「アウチ!! そこを突かれると痛いわね!!」

ペパロニ『アンツィオ高校、安斎千代美ーーーーーー!!』

アンチョビ「な、名前で呼ぶな名前で!!!」


ペパロニ『アンタはこう思っているハズだ!! 『いまいちノリと勢いに乗れていない奴らに思い出させてやる!!』と、見当違いも甚だしいッスよ!! 中途半端なブレーキ役が居なくなって戸惑ってただけで、ノリと勢いだけなら今の方が上だぁぁ!! 名実共にそのマントと何か叩くヤツを奪ってやるから首を洗って待ってろ、オゥラアァァ!!』

アンチョビ「うぬぬ……卑しい奴め、マントでは飽き足らずこの叩くヤツも欲しいのか!!!」ヒュンヒュン


みほ『以上、挑戦状ーー!! こ、ここまで言われて逃げるのは恥だが、なけなしの威厳を保つことは可能であるーー!! 賢明な選択を期待したーーい!!』



アッサム「く……スピーカーの制御、こちらに戻りましたっ」

ケイ「こうまで言われちゃあねぇ?」

杏「だよねー、隊長!! ガツンと行っちゃいなー!」

カチューシャ「カチューシャが許すわ! あのガキ共を泣かせるくらい言ってやりなさい!!」

アンチョビ「そうだそうだ!!」

まほ「みほも頑張ってたしな……口下手だから期待するなよ!」


まほ『応戦状ぉぉ↑↑ーーーー!!!』

ケイ「んっふwwww、姉妹揃って声裏返さないでよwwww」


まほ『よくもまぁその程度の腕前でこれだけの大口を叩けたと驚いている!! 少しばかり大人げなく心苦しくはあるがその矮小な実力に慢心した諸君らを教育してやろうと思う!! ついでにそこのハンバーグとか言うムエタイ選手にはカレーがハンバーグより上位の存在である事も教育してくれるわぁぁぁ!!!』

まほ『』ニッコリ

アンチョビ「終わりかーい!!」

カチューシャ「もっとこう……あるでしょ!!」


みほ『こ、こちらの最大限の情けをも無為にする愚かな三年生ーー!! 大人だと思っていたがこんな先輩を持ってとても悲いーー!! 試合形式は殲滅戦ーー! その他試合範囲などは今年度戦車道大会のルールに則るものとするーー!!』

まほ『了解したーー!!』



みほ『次に……そちらの戦車の数がこちらの1.5倍ほど居る事についてーー、戦力の平均化を図りたーーい!!』


杏「どする? お祭り気分で来たからあんまし考えて無かったよね」

サンダース三年A「私たち……下がりましょうか? 皆さんのお邪魔になりそうですので……三軍ですし」

ケイ「……どうにかならないかしら」

ナオミ「チッ」

まほ「…………」


まほ『断ーーーーーーる!!!!』

みほ『ちょ、ちょっとそれはどうかと思うのだがーー!!』


まほ『うるせぇぇぇ!! これが大人だぁぁぁ!!』キーーーン

みほ『おwwお姉ちゃんwwwwww』


ケイ「取り付く島もないwwwwww」

ダージリン「格好よくってよ隊長」

アンチョビ「良いぞ西住流ーー!!」


みほ『卑怯なり三年生ーーー!! しかしまぁ我々と貴様ら三年生との実力を考えれば戦力差から来るランチェスターの法則などあって無い様なもの!! と、特別に認めてやろうではないかーーー!!』

まほ『感謝するーーー!! では、我々は開始地点に向かうとする、正々堂々やろうではないかーーー!!!』

みほ『んっwwww ど、どの口が言うかーーーー!!!』


杏「」(爆笑)

カチューシャ「マホーシャ!! 貴女なかなかやるじゃない!! 見直したわ!!」

サンダース三年A「ありがとうございます!! 頑張ります!!」

ケイ「なんだか私感動しちゃったわ!! ベリーナイスよ!!」


まほ「ふん……さっさと開始地点に行って作戦を練り直すぞ」マッカッカー

演習場、三年連合スタート地点(※今年度大会、黒森峰側スタート地点)

作戦会議

桃「ここまで言われて負けられるかぁぁ!! 何としてでも勝つんだ!!」バンッ

ノンナ「今日の為に色々仕込んできましたけど……本気でやるなら降ろしちゃいましょう」

まほ「……いや、全部使おう」

ホシノ「本気ぃ? ほとんどがネタ用の仕込みなんだよ?」

ケイ「良いじゃない! せっかく戦車数も多くしてもらったんだし、それくらいフェアにいきましょ!!」

杏「やり残しはナシでーー!!」

まほ「作戦内容は、基本的には事前に周知しておいた通りとする。 ネタの使用前提の作戦だが各現場指揮官はその権限を以て要所要所を本気で戦ってくれ」

ダージリン「無茶な注文ですこと」

ぴよたん「だがそれがいい……って奴づらー」

アッサム「花の慶次ですね」


ナオミ「けど本当に大丈夫なのかい? 相手はあの大洗優勝の立役者よ?」

まほ「その事についてはあまり心配していない」

ナカジマ「どういう事だい?」


ダージリン「彼女たちが一枚岩たる事など、あり得ないのだから」

柚子「で、でも大学選抜戦では……」

まほ「優勝校を廃校にする……あれは私たち他校をも愚弄する行為だった。あの時は大洗救援という大きな『御旗』があったのだ」

スズキ「今回は大洗に従う必要もない訳だしねぇ~」

カチューシャ「希望に満ち溢れた新隊長達! 『御旗』がなければ自分たちのメンツの方が優先されちゃうものね!!」

ケイ「ただでさえ我が強い子達だし……大学選抜戦での経験はあるけれど、切り崩しは難しくなさそうね!」


アンチョビ「我が強いのは私たちも変わらんだろ~?」

杏「負けてないよねー」

まほ「当然だ、そうでなくては人の上に立つ事など出来ん」

ダージリン「ところでアッサム、MI6の裏を掻かれたのは初めてではなくて?」

アッサム「お恥ずかしい限りです、使用した機材に仕掛けが施しておりました。おそらく事前にMI6に潜入されたのではと……」

ダージリン「内部の者かしら?」

杏「秋山ちゃんだねぇ」

アッサム「他校の生徒が立ち入ることなどっ……可能なハズは」

柚子「秋山さん、そういう事ができちゃう子なんですよね……」

カチューシャ「何者なのよ……」


お疲れ様です。
今日はここまでにします。
書き直し作業はなかなか大変ですね、主に精神的にキツイ。

旭川高専の挑戦状、よく知ってますね。あぁいうのやりたいなぁと思って今回の話を考えたんですよ。

演習場 一二年連合スタート地点(※今年度大会、大洗側スタート地点)

作戦会議


沙織「みぽりーん! なんで私の名前出すのよ~」ペシペシペシ

みほ「ご、ごめんなさい沙織さん……ちょ、痛いってば」


ペパロニ「何にせよ、これで三年生も本気で戦ってくれっかって事だよなぁ~」

アリサ「問題ないでしょ、私たちの挑発も笑って受け流してくれたし」

エリカ「西住隊長、意外な一面があったのねぇ……」

みほ「お姉ちゃんのあれが素だよ、家だと結構口数多いし」

エリカ「ちょっとイメージ崩れた」


みほ「作戦は事前にお話しした通りにお願いします、各隊の連携は細かく行いますので通信手の方は覚悟しておいてください」

沙織「やだもー」

ニーナ「(やっぱし指揮系統が一本化されでねぇ……、仕方ないっちゃ仕方ねぇべか)」

オレンジペコ「予定より敵車両数が多くなりましたけど大丈夫でしょうか?」

アリサ「ウチが言うのも何だけど、三軍なんて素人に毛が生えた程度よ」

エリカ「でも数が多ければそれだけで脅威よ」

ペパロニ「その数を各戦線に散らすってのがウチの仕事……で合ってるか?」

カルパッチョ「そうね、ウチだけだと火力的に相手にされない可能性もあるから各校の機動力のある戦車も一緒にね」


みほ「お互いの手の内を知り尽くしている分、数と地力の差は予想以上に大きくのしかかると思います。ですが三年生に私たちの力を示し、安心して次を任せてもらえるよう全力で、戦い、ましょう!!」

オオー!!

みほ「では、パンツァー・――――




『試合開始!!』ドンドン

まほ「―――・フォー!!」


ケイ「Hey! さっそく第一の仕掛けを用意するわ!!」

まほ「おそらく敵も序盤から積極的に来る、まずは相手にせず仕掛けを優先しろ」

ケイ「じゃあ頼んだわよ本隊!!」

アンチョビ「あ、こらケイ!! 私を置いていくなーー!!」


ダージリン「では、わたくし達も別行動ですわね。ちょっと遠回りになるでしょうけど」

アッサム「本隊が注意を引き付けたのなら発見される可能性は10%を切りますわ」

まほ「なんとしてもそちらに誘導する、頼んだぞ」

ダージリン「ではご機嫌よう」

杏「私たちが本隊だーー! って何で?」

カチューシャ「戦車の性能的に、じゃない?」

まほ「……他の隊には言うなよ?」


まほ「我々は優勝経験者だ」ニタァ

杏「チャンピオンカーニバーール!!」イェーイ

カチューシャ「ノンナ! 私たち特別なのよノンナ!!」キャッキャ

ノンナ「まほさんも、こういう事を考えたりするんですね」


まほ「……まぁな、私だって小さい頃に自分の戦車道を夢見たことはある」

まほ「面白い戦車の組み合わせや、馬鹿みたいな作戦を試したいと思った事は何度もある」

まほ「西住流が重荷だとか、そういう訳ではない。ただ、将来的に西住流を継ぐ時に、私の中の『コレ』は出し切っとかないといけない」

まほ「自分にも悪いし、西住流にも悪いからな」

まほ「私の我儘だ、ちょっとくらいは良いだろ?」


杏「いーんじゃない? お祭りなんだしね」

カチューシャ「自分の好きな戦車道を好きなだけ出来る気分ってのは最高よ! 今日はトコトン楽しみなさいマホーシャ!!」

まほ「ありがとう。…………だが、やっぱり内緒はよくないな」

杏「へ?」

まほ『優勝経験者による本隊! 前進開始!!』


ダージリン「」ガッシャーン

ケイ「カッチーン!!」

アンチョビ「ぬ゛あ゛あ゛あ゛ぁ!! わざわざそれを言うかぁぁ!!」


まほ「ははは、楽しい! 楽しいなぁ……本当に」

まほ「勝てたらもっと楽しいんだろうな……よし、真面目に行こう」


カチューシャ「(……家元さんトコも大変なのね、別の意味で怖いわ)」

杏「(こりゃあ西住ちゃんもこの手の爆弾抱えてそうだねー)」

―――
――



みほ『先遣隊の皆さん、無事ですか?』

ローズヒップ『全車異常なしですわ!』

ペパロニ『いやぁ不意を突かれた、アレ見ろよ……あの丘、稜線沿いに何両も待ち構えてやがる』

優花里『M4シャーマン! 砲塔の俯角が優秀で稜線からのハルダウン射撃が可能です!! 相対した場合、M4の投影面積は砲塔部分のみとなり被弾率が低下します!!』

麻子「かなりいるな……見づらいが15両以上は確実にいるな」

アリサ「二軍三軍の殆どね、小癪な」


みほ『敵戦力の分散が見込めなくなった以上、大戦力同士の砲戦が予想されます。 黒森峰、プラウダ、聖グロリアーナ隊は急ぎ陣地の構築をお願いします!』

エリカ『わかってるわよ、大会でアンタ達が登った山でしょ?』

みほ『すみませんオレンジペコさん、ローズヒップさんをお借りします』

オレンジペコ『ローズヒップさん、ご迷惑をお掛けしなければ良いのですが……』


みほ『前方のM4は相手にしなくても大丈夫そうですね。先遣隊は現時刻をもって解体、大洗、サンダース、アンツィオ隊とローズヒップ車は追撃に注意しつつ後た―――


典子『後方4時! いっぱい来てます! サンダースの大部隊です!』



アリサ『What!?』

みほ『挟撃? でも、これ……』


ペパロニ『M4の数が……あ~~っ!! 前方のM4はマカロニだーーー!!』

カエサル『だな! 隊長、前方マカロニを突破して森に逃げ込もう!』

みほ『交戦……いえ、前方を突破して森に入ります! あのマカロニ、何両か本物が混ざっているので気を付けて下さい!』

※森(大会時黒森峰が突っ切ってきた森。両軍スタート位置の中間にある)


アンチョビ『逃げてく逃げてく……マカロニに気づいたようだな。まぁ気が付いて貰わないと困るんだがな』

ケイ『マカロニのチラ見せなんて面白いわね! 存在感を出しつつマカロニと気付きにくい良い作戦だわ!』

アンチョビ『アンツィオの戦車だと小さすぎて上手く出来ないんだ……』

ケイ『oh……で、でもこれからがもっと面白くなるわ! あの子達の驚いた顔が目に浮かぶわ!』


アンチョビ『第一の仕掛け『ハンマーと金床作戦~チラ見せマカロニを添えて~』……成功だ!!』

――


みほ『あれは……まずい!! 全車、急いで森に入って!! 敵の本隊です!!』

まほ「みほが釣れたか……チームの統制に苦労してるらしい」

黒森峰三年A「普段は大人しい子でしたからね」

黒森峰三年B「西住みほの実力は認めますが……歯がゆいです。大洗の廃校がなければこんなものなのか」

まほ「みんなで楽しく戦車道……それはとても立派だが、今はそれに酔いしれているだけだ。みほ」


まほ『砲撃開始! ここで決めても構わん!!』


アリサ『んぎゃあ! とにかく急いで逃げなさい!!』

ゴモヨ『大洗車はもくもく準備できてます! 指示を!』

みほ『待って下さい! 私たち全車をカバーできる程の煙幕は出せません……何とか、何とか森に!!』

カルパッチョ『……アンツィオ各車、『燻製(アフューミカチュラ)作戦』を開始して下さい!!』

ペパロニ『オラーイ!! 技を借りるぜ大洗!!』


カチューシャ『煙幕!? CV33から……ちょこまかと!!』

柚子『機動力のある戦車で縦横無尽に……ぱらりら作戦ですか?』

杏『技術提供は鈴木ちゃん(カエサル)ってトコだねぇー』

桃『好き勝手やりおって!! 大洗に対する背信行為だーー!!』


みほ「これなら……麻子さん!! Ⅳ号は最後尾に付きます、アンツィオを援護しつつ離脱します!!」

麻子「隊長車だぞ?」

みほ「構いません……私の甘さが招いた事態です」

優花里「そんなこと!!!」

麻子「言わないでいい秋山さん。……わかった、それでいつもの調子が出るんだったらな」


みほ「はは、手厳しいね。……このままじゃ勝ち負け以前の問題、それだけは避けたいんです」

華「あれだけの啖呵切っといてこの体たらく、笑い者どころでは済みませんね」

沙織「でも、お尻に火が付いてからが大洗の本領発揮でしょ?」


みほ「大洗の、じゃないよ。私達一二年の、だよ」



まほ「(早く戦おう、みんな待ってるぞ)」

―――

――

一方、大会時大洗が陣地構築した山


エリカ『こんな所で足止めなんて……読まれてるわね』

オレンジペコ『試合開始から直接ココを目指して来たのでしょう』

ニーナ『マズイんじゃねぇべか、別動隊も追われてこっち向かってんだろ? 突破しねぇと……』



赤星『こんな頂上の奪い合いなんて……』


みほ『状況は聞きました! エリカさん!!』

エリカ『ちょっと待ちなさい、すぐに占拠して――

みほ『もう、そういう状況ではありません!! 全軍合流して体制を立て直します! 場所は――

エリカ『街ね!! お互い追撃されてるようだけど、なにか策は――

みほ『そちらは!! そちらで対応して頂き――

エリカ『了解!! ……ふふ調子でてきたんじゃない? ――みほ』

みほ『ぁ……うん!! このままじゃダメ……本当の本当に、力を合わせないと』


みほ『各校隊長の皆さん……私、勝ちたくなりました。

   学校間のメンツとか何とか……政治的な事を考えている場合ではありませんでした。ごめんなさい。

   私たちの目的は……三年生に感謝を伝えること。今、私たちはそれが可能ですか? 答えは否です。

   三年生はこの戦いを本当に楽しみにしていました。学校間の垣根無く、互いに協調し合い肩を並べていました。

   これは言い過ぎですが、私達の相手は今年の『高校戦車道』そのものです。……私はそう思います。

   このような強大な相手に、一校ではとても立ち向かえません。

   私に、とか大洗の指示に従えなんて言いません……各校、その全力をチームの為に注いでください。それだけです』



ペパロニ『お前バカかぁ?』


ペパロニ『なぁに当たり前のこと言ってんだよ、なぁ? カルパッチョ』

カルパッチョ『ちょっとペパロニ……私に振らないでくれるかなぁ』

ペパロニ『だってよぉ、同じチームなのに自分の事だけ考えて戦うなんて無理だって、姉さんが言ってただろ?『戦車道はチーム全員でやる競技、協力なくして戦車は進まない』ってよぉ、当然だと思ってたんだがなぁ……』

隊長達『……』

ペパロニ『え……あっきれたー!! 思った以上にみんな馬鹿ばっかじゃねぇか! なぁカルパッチョ!!』

カルパッチョ『だからぁ……』


ペパロニ『わかったわかった!! 言葉で言っても理解できないのはわかった!! 頭がダメなら身体に教えてやっから、早いトコ街に来やがれってんだ!! いいか! 全員だぞ!! 絶対だ!!』


沙織「みぽりん!! アンツィオの一両が反転して三年生のトコに!!」

みほ「えっ……」

―――
――


ケイ「やっほー、上手くいったわね! 別動隊、本隊に合流よ!」

アンチョビ「お前らぁ! 優勝経験校だからっていい気になるなよぉ!!」

カチューシャ「あら? 優勝した時? すごくいい気分だったわ!!」

アンチョビ「ムキー!」

ケイ「ちょっとwwwwリアルでムキーとか言わないでよwwwwww」


まほ「思った以上に戦果が挙がらなかったな……アンツィオは分かっているようだ」

アンチョビ「当然だ!! 何時いかなる時も味方と食を愛する……それがアンツィオの戦車道だ!!」

ケイ「ビューティフォー!! ウチも見習いたいわね!!」

ノンナ「前方、一両……アンツィオですね」

―――
――


エリカ『来たわね、どういう事よみほ!』

ニーナ『停戦協定が結ばれたって聞いて、おでれぇたわ』

オレンジペコ『三時間、残り二時間半ですね……』

みほ『うん……ペパロニさんが取り付けてくれたらしいんだけど』


アリサ『何やってるのよ! 勝手に停戦なんて申し入れて……勝手な事ばかり言って……』

梓『でも!! 言ってる事は正しかったです!! みんな、同じ場所を見ているようで、バラバラの方向を向いていました!』

典子『本当のチームワーク無しでは勝てません! バレーも戦車道も同じだと思います!』


ブロロロロ…

ペパロニ『おらぁぁぁ!! 全員、覚悟はできてんだろうなぁぁ!!』


―――
――


まほ「停戦?」

ペパロニ「お願いします! どうか……どうか、時間が欲しいんス!!」

ケイ「理由を聞いても良いかしら?」

ペパロニ「アイツ等……揃いも揃ってバカばっかなんスよ! 今になっていきなり協力し合おうとか何とか……自分、バカだから理解出来てないだけかもしれませんけど。それでも、このままじゃダメだってのは理解できます」

カチューシャ「それは結構だけど、カチューシャ達がそれを呑む必要はないわよね?」

ペパロニ「そこを何とかお願いします! こんな頭だったらいくらでも下げますから!! 土下座だって……っ」バッ

カチューシャ「バカ者!! 隊長が軽々しく土下座なんてすんじゃないわよ!!」


ケイ「アンチョビも何か言ってあげないの?」

アンチョビ「……私が口を出す事じゃない。っていうか言えない、甘やかしたり碌な事を喋りかねん」

まほ「立て、ペパロニとか言ったな……何か策があるのだな? 一二年を我々と同じ土俵に立たせる策が」


ペパロニ「一つだけ」






ペパロニ「飯を、食べます」


―――
――


ペパロニ「時間ねぇぞお前ら! さっさとしやがれぇ!」

ねこにゃー「し、仕込み終わったにゃー」

ローズヒップ「大人数の食事の用意なんて慣れっこですわ!!」オホホホ

ペパロニ「お、はえぇな! 力仕事だったろうに、よくやった!!」ハハハ

ねこにゃー「///」


ルクリリ「味付け、こんな感じか?」

ペパロニ「どれぇ……うっ! ダメだダメだ! [ピーーー]気か! これだから聖グロは……」

ルクリリ「な! 何だとぉ~~!! ………ねぇ、ちょっと教えてほしいんだけど」

沙織「いいよ~任せて! これで貴女もメシウマ嫁よ!!」

ニーナ「涙が止まらん……」タマネギー

おりょう「青春の汗じゃあー」タマネギー

アリサ「うう……目が、誰かゴーグルを」タマネギー

優花里「ガスマスクの用意があり助かりました!」シュコー シュコー

妙子「玉ねぎの成分は鼻からですから……」


優季「五十鈴せんぱーい? そろそろやばいんじゃないですかぁ?」

華「もう少し……華道的にはまだセーフなバランスです」モグモグ

赤星「料理的にはアウトですよ……」

アリーナ「ポテトサラダのポテトが異様に少ねぇべ……」

華「大丈夫です……もう少し」


エルヴィン「憲兵だ!! 貴様何をやっておるかぁーー!」

華「味見…っ! 味見です!!」ビクゥ

左衛門佐「嘘を吐け! 現行犯だ、貴様は洗い物班に回す。来い!!」

華「そんな……冤罪! これは冤罪です! 弁護士を!」

直下「その必要は無い! つまみ食いは収容所(洗い物班)行きと決まってる!!」

華「そんな……そんなぁ、ここでしか咲けない花もあるんですぅ……」ズルズル

麻子「面会には行ってやる」


みほ「良い匂い……」ジュウジュウ

オレンジペコ「もうすぐ出来そうですね」ジュー

エリカ「コラ! 無駄口叩かないでさっさと焼きなさい!! 焦がしたら承知しないわよ!!」ペチペチ

カルパッチョ「逸見さん出来たわ、デミグラスソースこんな感じかしら」アーン

エリカ「ちょ、ちょっと……ぁむ。……うん、最高ね!!」

カルパッチョ「もちろん、たかちゃんにもぉ」スプーンタップリ

カエサル「適量で! 適量で……ぅぁん。……濃゛い!!」


ペパロニ「よーし、全員席に着いたな!? じゃあ、食うぞ!!」

ペパロニ「隊長! 音頭とれ!」


みほ「いただきますっっ!!」

イタダキマース!!!



アリサ「同じ釜の飯を食った仲……って古典的よね」モグモグ

ぺパロニ「あぁん? じゃあ盃でも交わすか?」

オレンジペコ「まぁまぁ……でも、こういうのが今一番必要なのではないでしょうか」

ニーナ「同感だべ、全員で顔ば合わせてメシってのはこれ以上ねぇほど楽しいべ」

ももがー「『一番いけないのは、お腹が空いていることと、一人でいることだから。』って言葉があるぞなー」

オレンジペコ「わぁ! 陣内栄さんですね! 素敵です」

ペパロニ「そうソレ! そういう事が言いたかったんだよ~」アッハッハッハ


エリカ「良い言葉ね……本の一節かしら?」

桂里奈「アニメ映画のセリフですー!!」

みほ「前にテレビでやってたね。一番盛り上がるところのセリフも…………そうだよね」


――『全力をチームの為に注いでください』なんかじゃない


みほ「あっ! あの!!」ガタタッ

ペパロニ「おっ、隊長がなんか喋るぞ!! 静かにしろー」


――本当に大切な事を言い忘れていた


みほ「よ……よ……『よろしくお願いしまぁぁぁぁす!!!』」


――力を合わせるのではなく、その身を委ね合うのだ


シーン

みほ「」ハァハァ



ペパロニ「おう!! よろしくな!!」

みほ「ペパロニさん……」

オレンジペコ「こちらこそ、よろしくお願いいたします」

みほ「オレンジペコさんっ」

ニーナ「今度こそ、一緒に戦うべ!!」

みほ「ニーナさん!」

アリサ「本当に予想の上を行くわね貴女……サンダース一同、よろしく頼むわ」

みほ「アリサさん!」


エリカ「…………」モグモグ

赤星「エリカさん……何か言ってあげないと」

エリカ「……ハンバーグ冷めるわよ。早く食べなさい」

直下「このポンコツぅぅぅ!! この期に及んでまぁだハンバーグか!!」



エリカ「煩いわね、一生懸命……作ったのよ、ハンバーグ。みんなの為に」

エリカ「こんな大勢に振舞った事なんて無いわ……黒森峰の子達にも」

赤星「……そうですね」

直下「そんな機会なかったですし」

エリカ「ペパロニが言ったでしょ? 言葉がダメなら身体に……」

エリカ「どうせ口で上手く言えないのは自分が一番知ってる。だから……私が一生懸命作ったハンバーグを返答として受け取って欲しいの」


華「美味しいですわ、ハンバーグ」

ローズヒップ「こんな美味しいハンバーグを食べたのは初めてでこざいますわ!」

ツチヤ「良い仕事してるねぇ」


沙織「美味しい! 後でレシピ教えて、これ絶対に男の子ウケいいって~!」

カルパッチョ「レシピより……真心がなきゃこんなに美味しくはならないですね」

麻子「回りくどい奴だ……」

紗季「……ツンデレ」

あや「紗季がしゃべったーー!!」

桂里奈「ツンデレだーー!!」


エリカ「煩いわね! いいからさっさと食べなさい! 残したヤツとはよろしくしてやらないからね!!」


みほ「エリカさん……」

赤星「本当に不器用なんですから」グスリ

直下「ハンバーグをコミュニケーションに利用するなんてウチの副隊長ぐらいですよ……おっと『隊長』ですね」

ペパロニ「(勝手にメニュー増やして……食材物色してハンバーグ作り始めてたけど、まぁいいか)」



エルヴィン「言葉少なく、技で語る……粋だな」

左衛門佐「武人だな」

カエサル「親方だ」

おりょう「師匠ぜよ」

それだぁ!!

優花里「じゃあハンバーグ師匠ですね!!」

あけび「ハンバーグ師匠!」

梓「ハンバーグ師匠!」

ルクリリ「ハンバーグ師匠を讃えよ!!」ドンドコドンドコ

ワーワー ワーワー

――――
――


まほ「ご馳走様でしたっっ!!」

ゴチソウサマデシター!!


ダージリン「案外料理上手なのね貴女」

まほ「カレーだけさ、他の料理は作ったことも無い」

ノンナ「そんなに辛くなく、深みのあるカレーでした」


まほ「大学選抜戦の帰りに、帯広市内で食べたカレーが美味しくてな……なんとか再現できないかと頑張ったんだよ」

アッサム「インデ○ンカレーですね、その地域でカレー屋と言えばソコらしいですわ」

カチューシャ「昔、食べたことある味だったような……」

ナカジマ「そういやカっちゃんさ、何であの遊園地の西部劇のセットが脆い造りだって知ってたんだい?」

カチューシャ「ん? 昔、あの遊園地に行った事あったのよ。小さい頃にね」(網走出身)

杏「(今でも小さいけどねー)」

カチューシャ「あの西部劇のセットで遊んだり、ステージでサーカスを見たり。最後に観覧車に乗ったりしたわ。まぁ壊れちゃったけど」

ホシノ「観覧車先輩とカッちゃんの馴れ初めが聞けるとは……」

アンチョビ「イイ奴だったよなぁアイツ」


カチューシャ「そうだ、帰りにカレーを食べたのよ! このカレー!!」

まほ「上手く再現できてた様だな」

カチューシャ「マホーシャ……貴女とはもっと早く仲良くなりたかったわ!」

まほ「同感だ。ずっと勝つことばかり考えて、戦車道の大切な部分を見失っていた」

アンチョビ「試合が終われば敵も味方も無く仲良く出来るんだ、必ずな」

まほ「ああ……そうだったんだよな。私にとって他校は敵だった、しかしそれは愚かな考えだった」

ケイ「気付いたのならオールオッケー!! 大切なのは今とこれからでしょ?」

まほ「ああ、これからだ。これから私は素晴らしい友人達と戦車道が出来るのだ。……こんな私でもな」

杏「ウチの西住ちゃんと同じで、おねーさんも結構恥ずかしい事口走っちゃうタイプだよねー」

ダージリン「『友人は第二の自分である』」

アッサム「ええと………おそらくアリストテレス」

ダージリン「素晴らしい友人を持つ人は、素晴らしい人間である証明でもありますわ」


まほ「ありがとう……。じゃ、じゃあ腹も膨れた所で作戦を練り直そう」テレッ

ダージリン「わたくし達の第二の仕掛け『御免あそばせ作戦』は不発に終わったようだけど?」

杏「山頂からマチルダで一気に駆け下りて、挟み撃ちにした一二年を分断して殲滅させる作戦だったよねー?」

アッサム「あのマチルダがあり得ない速度で迫る姿、ローズヒップ達に見せたかったのですが……」

まほ「すまない、私が停戦を呑んだ所為だ」

ダージリン「構わないわ、わたくし達と戦う資格が無い子達にする作戦じゃないものね」

まほ「ああ、しかし街に行ってくれたのは計算通りであり、一番頭を悩ませる」


アンチョビ「どうしてだ? 街中用の仕掛けだってあるし、数もこっちが上だ。ゆっくり制圧していけば良いだろ」

桃「それじゃ甘いのだ!」

ナカジマ「街中は大洗の主戦場、油断できないよ」

柚子「気を抜いたら、どこから仕掛けてくるか分かりませんから……」

まほ「その通りだ、大洗は少数戦力での市街地ゲリラ戦においてはどの校をも上回るだろう」

ケイ「まるでベトコンね……」

まほ「しかし策はある、こちらも無傷では済まないがな」

一二年連合
大洗    6両(鮟鱇、河馬、家鴨、鴨、アリクイ、兎)
黒森峰   8両(ティーガーⅡ、パンターG型、ヤークトパンター×2、ラング×2、ヤークトティーガー、エレファント)
聖グロ   8両(マチルダ×4、クルセイダー×3、クロムウェル)
プラウダ  8両(T-34/76 ×4、IS-2×3、KV-2)
サンダース 8両(M4×6、M4A3E2 、M4A3E8 )※ジャンボとイージーエイト
アンツィオ 8両(CV33×6、セモベンテ×2)

計46両(※数の少ない大洗を合わせて当日20対20の試合が出来るようにした結果)


三年連合
大洗     2両(亀、獅子)
黒森峰    7両(ティーガーⅠ、ヤークトティーガー×2、パンターG型、Ⅲ号戦車)
聖グロ    7両(チャーチル、マチルダ×7、クルセイダー)
プラウダ  10両(T-34/85×4、IS-2×5、T-34/76)
サンダース 37両(M4×36、ファイヤフライ)
アンツィオ  1両(セモベンテ)

計64両

――――
――
~新隊長達の覚醒~



試合再開から二十分後

エリカ「前進! 喰い付いたら嚙み千切るまで離すんじゃないわよ!」


ダージリン『まほさん、申し訳ないのだけれど撤退の許可を頂けるかしら?』
まほ『認めよう。しかし、忠告はしておいたハズだが?』

ダージリン『だって気になるじゃない、貴女がそれ程まで実力を評価する子なんて』
まほ『……まぁいい、今後は劣勢時もしくは強襲を受けた際、黒森峰との交戦は禁ずる』

アッサム「3ブロック後退、すぐに反転し離脱。プラウダ隊と合流します」
ダージリン「マチルダを2両、チャーチルもボロボロ……かなりの痛手ですわね」

アッサム「あの威圧感はデータにありません。来年の脅威と成りえます」
ダージリン「『西住流の牙』……逸見エリカさん、ね」

試合再開数分前
カチューシャ「エリーシャと戦うなってどういう事よ!?」
ケイ「意外ね、マホにしては消極的なんじゃない?」

まほ「……戦いたくない人間の一人だ。その最もたるはウチの家元だがな」
杏「ウチの西住ちゃんよりも?」

まほ「むしろ戦いたいくらいさ。みほ相手なら不覚を取ることもあるが戦い方なぞ幾通りもある」
ダージリン「逸見さんは攻略の糸口さえ見つからないと言うの? この前の練習試合では防御面に課題が見られたのだけど?」

まほ「短所を補って余りあるほどの長所だ。攻撃翌力という一点にのみエリカは私やみほを上回る」

ザワザワ

ナオミ「信じられないね」
桃「西住流の攻撃を超えるだと? あの煩いヤツか、ありえん!」
柚子「桃ちゃんも人の事言えないよね」


まほ「戦車道で一番難しいポジションは指揮官だ。まぁ一番を決めるのはナンセンスだが指揮官の重要度は分かってくれよう」

まほ「私とみほは西住流の娘としてその重要なポジションを積極的にやってきた。指示を出し、遂行させる……その繰り返しだ」

まほ「私は西住流の基本に忠実に正面から。みほは西住流だが昔から策を多用するタイプで本隊が戦っている隙を突いてきた」


まほ「指示した攻撃部隊の指揮は全てエリカに取らせたのだ。……中学の時に副官に据えてからずっと」

まほ「エリカは西住流の攻めを中高の五年間ずっと行ってきたのだ。アイツの攻めは正しく『西住流の牙』、研ぎ澄まされた牙だ」

まほ「あの強気な性格が攻めとマッチしてな……アイツが西住に生まれていたら面白かったろうに」

まほ「私たち姉妹が楽をした成果か代償か……ま、意図せずして生み出した怪物なんだアイツは」

まほ「極端な戦力差や接敵する前に策を講じる時間があるのならいくらでも勝てよう、しかし市街地の遭遇戦や膠着状態時など腰を据えての撃合いは私でさえ勢いに飲まれるやもしれん」

まほ「ヤツは危険だ、十分に気を付けてくれ」

――――
――

アッサム「振り切れません! こちらが後退する素振りを見抜き一気に前進して来ます! 完全に喰らい付かれましたわ」(『西住流とワニ』……あのバカげた記事はこの事ね)
ダージリン「流石としか言い様がありませんわ……攻めの嗅覚は一流ですのね。しかし些か突出しすぎてるようね」

ダージリン『カチューシャ?』
カチューシャ『もう少しで合流できるわ! ウチとサンダースの別動隊がこのエリアの包囲に向かってるから何とか耐えなさい!!』
ダージリン『感謝するわ』

カチューシャ『まったく情けないわね!! ……そんなに強かった訳?』
ダージリン『今から来年の大会が面白くなってきたわ、とだけ言っておこうかしら』

カチューシャ『ふーん……ねぇ、カチューシャと二人なら何とかなると思わないかしら、ダージリン?』

アンチョビ『おい! 下手な交戦は厳禁だと言われたばかりじゃないか!』
カチューシャ『わかってるわよ! 冗談よ冗談! ……で、敵の防衛線の突破は可能なの?』

アンチョビ『まほとケイと角谷がバカスカ攻めてはいるが、聖グロは固いしKV-2はやっぱヤバいな!! ウチも欲しいなぁ……』
カチューシャ『当然じゃない! かーべーたんは街道上の怪物なのよ!』




典子『陽動、見向きもされません!』
カルパッチョ『アピールは十分しているのですが……』


みほ『……陽動に見向きもせず中央突破? 姿を見せない敵……』

ニーナ『こりゃまずいべ! 待ち伏せ隊が包囲されっぞ!』

みほ『えっ? 例の『カチューシャ戦術』ですか?』

ニーナ『待ち伏せの危険性があるとき、囮など陽動のいる位置から待ち伏せポイントの逆探知をすんだべ、してそのエリアを包囲……精度は悪ぃが数撃ちゃ当たんべ』

エリカ『私ごと包囲しようっていうのね!』

みほ『待ち伏せは中止! エリカさんは撤退の支援をお願いします!』

エルヴィン『くっ、準備出来たばかりだというのに……』

左衛門佐『高度な読み合いだ、仕方あるまい』

エリカ『……路地は狭すぎる、背中を取られないようにしなさい無砲塔戦車!!』

直下『了解!』

陣容

~待ち伏せ隊~

河馬、鴨、アリクイ
プラウダ4両
家鴨、アンツィオ8両(索敵&陽動)

~大通り防衛線~

サンダース8両
聖グロ8両

プラウダ1両(KV-2)
黒森峰2両

~市街地警戒~

黒森峰6両
プラウダ3両
鮟鱇


アッサム「敵、追撃を諦めたようです。これ以上は危険と判断したか、我々の意図を察知したのか……とにかく命拾いしましたね」

ダージリン「そうね」

カチューシャ『合流よ……ってボロボロじゃない! 優雅さはどこへいったのかしら?』

ダージリン『そうね、はやく包囲の完成を目指しましょう』

アッサム「……ダージリン、どこか調子が悪いの?」

ダージリン「あら? そんなこと無いわよ」
アッサム「今日は特に急いでいる……焦っている? 時間が無さそうだけど」

アッサム「私のデータでは今日の格言名言の数があまりにも少な過ぎます。八割以上減です、こんな事は隊長就任以来一度もありませんでしたわ」

ダージリン「データ主義っていうのはそんな必要もないデータまで集めるのかしら? ……オレンジペコが居ないからよ」
アッサム「隊長就任前ぐらいからその手の本を読み漁って、気持ちよく披露できるのは彼女だけですものね」

ダージリン「棘のある言い方ね。あれはオレンジペコの事を思って言っているのよ」
アッサム「最高の哲学的思考も過ぎれば害になるのではないでしょうか……」



ダージリン「格言の中身に意味なんてないのよ。ただあの子の思考を邪魔する為だけだったもの」
アッサム「そ、それは淑女として、良い性格とは言えません!」

ローズヒップ『動かない戦局ですわー……退屈ですわー』
ルクリリ『文句言うな、三年生相手にウチの隊長も良く踏ん張ってるんだ』

梓「猫田先輩に教えて貰った、これが『Lee飯の角度』!」
桂里奈「全然撃たれない!」

あや「副砲撃てないんですけどー!」
あゆみ「撃ち放題なんですけどー!」

優季「装填大変しんどいー、紗季ちゃん手伝ってー」
沙季「……」ガシャコン 


聖グロ通信手「KV-2から次の優先目標はどうするか、とのことです……隊長? オレンジペコ様?」
オレンジペコ「……え? ああ、スミマセンKV-2ですね。……前方、おそらく隊長車でしょうティーガーⅠをお願いします」

聖グロ装填手「何だかお疲れの様ですが、お体の具合でも?」
オレンジペコ「いえ、そんなことありませんよ。元気です」

聖グロ装填手「そうですか、先日の練習試合から考え事のお時間がどんどん長くなっておられる様でしたので……」

オレンジペコ「そうでしょうか……。でも確かに普段長く考え込んでるとダージリン様の格言が始まってしまいますからね」

聖グロ操縦手「ですわね」


オレンジペコ「フフフ、でもいつも面白いタイミングなんですよ。二人で観戦に行くと私がどうでもいい考察に時間を掛けた時に格言が飛んでくるんですから」

オレンジペコ「現に今も思考が脇道に逸れようとすると『こんな格言を……』って空耳が聞こえるぐらいです」

オレンジペコ「そんな時は必ず一番単純な答えこそが最適解だったんです……」

オレンジペコ「ダージリン様のお考えに今更ながら気付きました。シンプルイズベスト……私が最初に聞いたダージリン様の格言です」

――――
――

ダージリン「なぜ彼女に『オレンジペコ』を授けたのか……知りたくはなくて?」

アッサム「一般的に紅茶のオレンジペコは茶葉の状態、等級を表すものですからね。まぁセイロン系のブレンド茶葉の名称を『オレンジペコ』として扱っている処もありますが」

ダージリン「オレンジペコは砕かない茶葉で葉っぱそのままの形をしている、使用する葉は新芽から二番目」


ダージリン「あの子は優秀なのに考え込み過ぎるのよ、指揮官が細かい戦局まで読み切ろうとするの」
アッサム「確かに細部は隊員に任せ全体の指示を出した方が行動に柔軟性が持てますね」

ダージリン「あの子とは公式非公式、果てはタンカスロン野試合まで観戦に行ったわ。色んな試合を見せて色々考えさせてみたの」

アッサム「ダージリンの格言にも対応でき頭も柔らかく素直な性格ですから、良い経験になったでしょう」

ダージリン「入れ込み過ぎなのよ、時間を掛けて読みすぎ……将棋の棋士じゃないのに」

ダージリン「複雑に考え出した時にわたくしは言うのですわ。『こんな格言を知っていて?』と」
ダージリン「丁度いいアクセント、優秀なあの子は最初に出てきたシンプルな答えが一番良い答えなのよ」


アッサム「思考を変に砕かずそのまま……あぁ『オレンジペコ』ですね」

ダージリン「面白いとは思わなくてアッサム?」

アッサム「あの子は今後考え込むとダージリンが出てくる様に植え付けられたのでしょう? 可哀そうとまでは言いませんが、大変ですね」
ダージリン「大丈夫よ、オレンジペコをチャーチルの装填手にしたとき言っておいたわ、『長い付き合いになるわよ』って」

アッサム「不意打ち過ぎるでしょう……」


ダージリン「オレンジペコはどんな状況でも絶対に大崩れすることは無い。それと、どんなに植え付けてもあの子は健気に展開を読むわ。時間を掛ければ掛けるだけ先の展開を読むのよ」

ダージリン「つまり膠着状態が続けば続くだけ、策が付け入る隙が無くなるの……これは先日の練習試合でもそうでしたわ」

アッサム「逸見エリカさんの攻勢が普通に見えるほどの防御……それがオレンジペコの才能?」

ダージリン「でもまだまだ経験不足が目立つわ、一年生だから仕方ないのですけれど私に大器を感じさせますわ」


ダージリン「オレンジペコの思考が空回りして時間を掛け過ぎたとしても、あの子の為に早い手足を用意したの」
アッサム「ローズヒップですね……私たちが居るうちに最低限の淑女の嗜みを身に付けさせなければなりませんが」

ダージリン「フフ……そして幾多の失敗を経験し、したたかさが芽生えつつあるルクリリ。素直なだけの子かと思っていたら嬉しい誤算でしたわ……大洗に感謝すべきね」

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