エリカ「西住流の体術?」 (29)
キャラ崩壊注意
初ssです……ども
創作設定少し
よろしくお願いします。
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~黒森峰
まほ「エリカ、『次期隊長特集』……月間戦車道のインタビューが来週に入った。準備しておくように」
エリカ「は、はい! ……ですが隊長、私は取材を受けた経験がなく……自信が」
まほ「気にする事は無い、堂々と聞かれたことを答えるだけでいい。一応、質問を想定しておくことだな」
エリカ「わかりました……」
まほ「誰でも最初は緊張するものさ。……さぁ訓練の時間だ次期隊長殿」
エリカ「総員傾聴! 隊長、どうぞ」
まほ「今日明日は年に一度の戦車整備監査が入っており戦車訓練は行えない」
エリカ「(安全指導の一環とはいえ二日も……まぁ各校で保有車両数に違いがあるから仕方ないけど)」
まほ「全体ミーティングの後に各自ウエイトトレーニングというのが伝統となっている」
直下「(うへぇ今年も地獄の二日が始まるのか……)」
赤星「(一日が練習試合トリプルヘッダーより疲れるんだよね……)」
まほ「整備監査の日程が例年より遅い、秋季大会への調整に支障が出ないようミーティング後は学園艦内で自由に身体を動かしてくれ。球技道具の手配も済ませた」
直下「(うひょーマジですか!?)」
エリカ「(ボクシング部の練習に混ぜてもらおうかしら……)」
まほ「ではまず全体ミーティングからだ、講堂へ移動する」
※秋季大会は適当、新人戦とかあるんじゃあないでしょうか
~~~~
赤星「終わったー。ヤークトの子達がバスケする人集めてますよ!」
直下「副隊長はこれからどうするんです?」
エリカ「ボクササイズよ」
直下「出たー個人行動ー」
エリカ「何よ、悪いわけ!?」
赤星「それよりも気になるんですけど隊長はこういう時何かスポーツに興じたりするんでしょうかね?」
エリカ「……隊長が戦車道以外の競技」
直下「あぁ見えて不器用な所がありますからね隊長、球技系は全滅では?」
エリカ「となると陸上系のトラック競技ね」
赤星「水泳とか」
直下「雰囲気的に格闘技とか似合ってますね、まぁある意味戦車道も格闘系の武道ですけど」
まほ「私がどうかしたって?」
エリカ「隊長!?」
まほ「どうした? もう全員外に出たぞ」
赤星「た、隊長はこの後……何をなさるので?」
まほ「ん……道場で体術の鍛錬でもと思ってな」
直下「体術ですか!? 柔道や空手でしょうか?」
まほ「いや……西住流戦車道のちょっとした体捌きだ、体術と言うほどのモノでは無かったな」
赤星「わぁ凄く興味があります、宜しければ見学しても?」
直下「私も見学したいです!」
エリカ「ちょ、ちょっとアンタ達。……普段の訓練で行われていないのは何故ですか?」
直下「西住流の秘伝的なsomethingかもしれませんね」
まほ「家元からは特に口外するなとは言われていない。訓練で行わないのは戦車の扱いや戦術とは全く関係ないからな」
エリカ「私も見学を希望します……」
まほ「いいぞ、面白くもないし使うことも無いだろうがな」
直下「いえーい」
赤星「やったー」
まほ「(後輩たちに何か少しでも残さないとな……)」
~黒森峰・校内道場
まほ「よし、全員着替えは済んだな」
直下「何故に私たちも着替えを……」
赤星「私たちも体を動かさないとね」
エリカ「(隊長の道着姿も凛々しい……)」
まほ「エリカは黒帯か、戦車道以外でも非凡な才があるみたいだな」
エリカ「いえ、格好良いんで黒帯にしただけです」
まほ「金糸で名前が刺繍してあるみたいだが……」
エリカ「自分で……」
赤星「(副隊長はちょっと天然入ってますから……)」ヒソヒソ
まほ「(語尾にワニを付けていた時期もあったな……納得だ)」ヒソヒソ
エリカ「?」
まほ「……まずは準備運動、三点倒立は出来るな?」スッ
直下「綺麗な三点倒立ですね」
まほ「悪路での揺れや被弾時の衝撃で戦車乗りは首を痛めやすい、長く戦車道を続けるのならこうして首を強くする事も必要だ」グッグッ
エリカ「三点倒立のまま首を曲げるのは危険なのでは……」
まほ「曲げすぎないのがコツだな」
赤星「」ステーン
直下「意外とマット運動苦手なタイプ?」
まほ「よし、西住流体術の基本かつ極意こそ『受け身』と『体幹』だ」
直下「……てっきり『投げ』とか『打撃』かと」
まほ「基本的に相手を組み伏せる技術は戦車道に必要ないだろう?」
赤星「良妻賢母を育成する武芸ですもんね、一応」
まほ「首と同様に大きく揺れる車内では頭部の保護が肝要だ。まぁ特殊なカーボン技術の発展が著しく怪我の危険性は減ったがな」
まほ「受け身の技術は継戦能力に直結する、搭乗員の一人が気を失うだけでも大幅な戦力ダウン、すなわち被撃破に繋がる」
まほ「『守りは固く、進む姿は乱れなし』は戦車の装甲や戦術ではない。搭乗員が欠けることなく万全の状態であることを表している言葉だ」
直下「ほえー」
赤星「それっぽいですね」
まほ「次に体幹、言うなればバランス感覚だ。自分の重心がどこにあってどう移動できるか……そういった事だ」
エリカ「例えば、どのような場面で大事になるのでしょうか?」
まほ「自身の重心を常に把握することにより多少の揺れでは動じなくなる、強い衝撃を受けたとしても受け身への移行がスムーズに出来る」
直下「歴史ある西住流はやっぱり凄いですね……」
エリカ「あったり前じゃないの、なんてったって西住流よ?」
赤星「じゃ、じゃあ技とか! 空手の型みたいなモノとかってあるんでしょうか!?」
まほ「……あったぞ、姿勢制御の型がいくつか。だが数代前の家元の時期から『最強西住流に受けの型などいらぬ!』という事で資料が残るのみで直接教わった事は無い」
直下「(大昔に聖帝みたいな家元がいたんですね)」
まほ「思い出した、現代戦車道では必要とされなくなった技があってな。受け身とスムーズな重心移動、この二つを使用する真髄とも呼べる技だ」
エリカ「(真髄! まだ知らない西住流を知るチャンスだわ!)」ゴクリ
まほ「『西住流・抗議の型』と呼ばれ被撃破と同時に車外に一瞬で脱出し審判に詰め寄る技だ」
エリカ「……は?」
まほ「当時、特殊なカーボンの普及により戦車道は一定の地位を得たが『判定装置』の技術が追い付かなく正確なダメージ計算が行われていなかった」
まほ「納得のいかない白旗判定に際し抗議をすることが一般的でな、試合の進行上素早く抗議を行う必要がありこの技が生まれたと聞く」
(※判定から五分間、異議申し立てが可能であると公式ガイドブックにあります)
まほ「近代化が進むにつれ精密なダメージ計算が行われることとなり、抗議の必要は無く長い間使われる事はなかった」
赤星「(思ってたのと何か違う……)」
直下「(勝ちに拘る流派だしね……)」
まほ「『抗議の型』、お前たちも見たハズだぞ」
エリカ「えっ」
直下「えっ」
赤星「えっ」
エリカ「いえ、そんな西住流の斬新な技……何かの間違いじゃ、試合中に抗議する場面だって見たこと無いですし」
そう考えるとダー様達の体幹は凄い鍛えられてそう……(戦車速度から目をそらしつつ)
まほ「エリカ」
エリカ「……はい」
まほ「お前、嵐の中で濡れた岩場を全速力で駆け下りられるか? 無傷で」
赤星「っ!!」
エリカ「そんなの無理にっ、まさか……あの子が?」
直下「元、副隊長……みほさんですね」
赤星「(しょぼいとか思った自分を殴りたいですぅ……ごめんなさい、みほさん)」グスリ
まほ「斜面を下るときの『抗議・三の型』、見どころは柔軟な膝だ。家元から教わった時には絶対に使うことは無いだろうと思っていたのだがな……」
エリカ「あの子……しっかり西住流の人間だったのね」
まほ「西住流を離れ、みほ自身の新たな道を見つけても……みほの中には確かに西住流が存在するんだよ」ツー
直下「な、泣いてる……」
まほ「そしてプラウダ戦で見せたキューポラの淵に立つ『警戒の型・天守閣』!! 我々との決勝で見せた戦車を何両も飛び越す技はまさしく混雑時に使用する『抗議・八の型』!! 幻の技と呼ばれ資料にしか残っていない技をみほが使ったのだ! ……まほたん嬉しい」ガッツポーズ
エリカ「(隊長が壊れた……)」
直下「(技名が絶妙にダサい……)」
~~
直下「その後、みっちり首と体幹を鍛え受け身を学んだのであった」
赤星「うう……上手く受け身を取らないと体中が痛いですね」
エリカ「でも西住流の体術を学べたのは貴重な経験になったわに!」
まほ「それは良かった、技の型はともかくとして基本は続けるんだぞ」
赤星「はい!」
まほ「しかし無茶な練習は避けろよ、それと他の隊員には教えるな、素人が素人に教えても危険なだけだ。今日の事はこの四人の秘密とする、いいな?」
赤星「西住流の強さの理由……少しだけ分かったような気がします」
まほ「そこまでのモノでは無いさ、戦車乗りとしての基本。現代戦車道では役に……立てる者もいるな」
まほ「しかし、横綱には横綱の相撲があるように。西住流には西住流の戦車道がある」
まほ「『撃てば必中、守りは固く、進む姿は乱れなし、鉄の掟、鋼の心』……弱者を押さえつけ、その上に君臨するのが西住流」
まほ「今日教えた首、受け身、体幹、柔軟な膝……それらが少しでもお前たちの戦車道の足しになるよう祈っている」
エリカ「ありがとうございました!!(今度の新隊長特集のインタビュー……これだわ!!)」
~~
エリカ「よ、よし……準備は出来てる」ドキドキ(カンペ用意)
まほ「待て、その紙は預かる」グイッ
エリカ「ちょちょっと勘弁してくださいホントに」グググッ
まほ「王者黒森峰の次期隊長がこんなものを見て取材を受けたとなれば良い笑いものだ」ビリビリー
エリカ「」
記者「今日はよろしくお願いしまーす」ガチャ
まほ「ではエリカ、頼んだぞ」
エリカ「わに」
~~後日、大洗女子学園
優花里「おはようございます西住殿ぉ~、見ましたかっ!? 今朝発売の月刊戦車道!!」
みほ「おはよう優花里さん、朝刊感覚で見る雑誌じゃないよねソレ……」
優花里「先日の新隊長インタビューの記事が載っています! 西住殿のページも魅力的でしたが、驚きなのは黒森峰ですね」
みほ「エリカさんがどうかしたの?」
【黒森峰・新隊長逸見エリカ『新生黒森峰は首相撲で勝つ!!』『押さえつけてからの柔軟な膝!!』『体幹と受け身で衝撃に備える!』『西住流とワニ!』】
みほ「エリカさん……ムエタイ転向?」
おわり
次回 高校戦車鉄拳伝エリカ
エリカ「しゃあっ! コブラ・ソード!!!」
麻子「一本頂くぞ…………カァッ!」
みほ「これが西住みほオリジナル、鮟鱇固めじゃあ!」
しほ「島田さん……アンタはクソや」
『西住流・砲弾すべり』乞うご期待!! 嘘
鞭うちには気を付けよう!!
HTML化依頼出して寝ます。
つたないSSでしたがどうもです。
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