比奈「ちひろさん、実は相談があるんでスけど」

ちひろ「あら、どうしました比奈ちゃん？」

比奈「忘年会で何かネタを披露したいと思ってまして」

ちひろ「ネタ、ですか。比奈ちゃん絵が得意なんですからフリップ芸、でしたっけ？あんなのはどうですか？」

比奈「それも考えたんでスけど、もう乃々ちゃんを始めとして既に５人程いるもんでスから」

ちひろ「筆頭が乃々ちゃん!?」

比奈「なので意外性を持たせる意味でも落語でもやろうかと思うんス」

ちひろ「それは構わないと思いますけど、どうして私に？」

比奈「ちひろさん、お正月とかに緑の着物とか着てるじゃないでスか」

ちひろ「えぇ」

比奈「その姿で日曜夕方に座布団に座ってる姿が目に浮かびまして」

ちひろ「誰が○点のメンバーですか！」

比奈「何かアタシにでも出来そうなやつありまスかね？」

ちひろ「あ、私が落語に詳しい体で進めるんですね？」

ちひろ「うーん、と言っても私も教養として少し知ってるくらいですからねぇ。あ、寿限無なんてどうですか？」

比奈「そんな、急に愛の告白なんて困るっスよ。アタシ達女同士でスし……」

ちひろ「ジュ・テームじゃなくて寿・限・無!!一般にも知られてる落語の代名詞じゃないですか」

比奈「じゅ、じゅげむ？聞いたことないでスねぇ。どんなストーリーなんスか？」

ちひろ「簡単に説明するとですね、子どもの名前候補である縁起の良い名前を全部一遍に付けてしまって物凄く長い名前になってしまうってお話しですね」

比奈「なるほど。パスタは美味しい、イチゴも美味しい。なので一緒にしてしまおうって言うイチゴパスタ理論っスね？」

ちひろ「まぁ間違ってはいませんね。で、その名前が題名でもある寿限無から始まるんですよ」

比奈「ラブストーリーでスか？」

ちひろ「だからジュ・テームではありませんっ!!」

比奈「つい。で、その名前ってどれだけ長いんでスか？」

ちひろ「えーっとですね、寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処・・・」

比奈「・・・グゥ」

ちひろ「寝ないでくださいよ!!」

比奈「あ、終わりました？」

ちひろ「終わってません！と言うかこの話は比奈ちゃんには無理ですね」

比奈「えー。じゃあ他に何かありまスか？」

ちひろ「そうですねぇ、まんじゅうこわいなんてどうですか？」

比奈「そういうのは幸子ちゃんの専売特許っス」

ちひろ「激辛じゃありませんから！」

比奈「あ、本番前のかな子ちゃんでしたか」

ちひろ「カロリーを気にしてる訳でもありませんっ!!」

ちひろ「簡単に説明するとですね、男たちがそれぞれ自分が怖いものを発表するんですが一人だけそれを馬鹿にするんですね。そんなものが怖いのかと」

ちひろ「で、彼は実はまんじゅうがこわいんだと告白したので仕返しにまんじゅうを投げつけるんです」

比奈「食べ物を粗末にするのは良くないでスね」

ちひろ「まぁあくまでもお話の中の出来事ですから。そしたらおと「でもPTAとかから苦情が来たりするかも」黙って聞いて下さいよ！」

ちひろ「おほん。そしたら男は『こんな怖いものは食べて無くしてしまおう』『うますぎて怖い』と言って全部食べてしまうんです」

ちひろ「騙されたことに気付いた男たちは『本当に怖いものはなんだ』と訊ねます。すると男は『このへんで、濃いお茶が一杯こわい』チャンチャン、って感じですね」

比奈「なるほど、中々面白いでスね。登場人物をアイドルの子たちに置き換えるなんてのも出来そうっスね」

ちひろ「それいいじゃないですか♪」

比奈「例えば夏樹ちゃんが『だりーが怖い』とか」

ちひろ「うんうん」

比奈「で、李衣菜ちゃんをけしかけたら性的に食べられると」

ちひろ「アウトォ！」

比奈「野球の話はしてないっスよ？」

ちひろ「性的にとかダメに決まってるでしょう！」

比奈「カニバリズムはちょっと……」

ちひろ「そういう意味じゃありませんよ！そこは柔軟に変えましょうよ!!」

比奈「うーん、難しいでスねぇ」

ちひろ「いっそ落語以外をやってみては？」

比奈「そうでスねぇ。あ、アタシとちひろさんで漫才やるのなんてどうでスか？」

ちひろ「んー、まぁこのやりとりがすでに漫才みたいですし構いませんよ」

比奈「じゃあアタシがツッコミでちひろさんがボケで」

ちひろ「なんでそうなるんですか!!」




おしまい