苗木「ここはどこだろう?」 (30)


苗木「う、ううん。あれ? いつの間に寝ちゃってたんだろう?」

??「あ、苗木くん!? 目が覚めたんですか?」

苗木「え?」

??「お、本当だべ。ちぇ、脳死だったら苗木っちの臓器分けてもらえると思ったのに惜しいことをしたべ」

??「ふん。愚民の分際で手間をとらせるな全く」

??「そうね。こんなに心配させるなんて苗木くんのくせに生意気よ」

??「あら、皆さん素直ではありませんわね。先ほどまでおろおろとしていたくせに」

苗木「え、えっと」オロオロ

??「? どうかしましたか苗木くん?」

苗木「……ここはどこだろう?」

一同「え?」






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苗木「それに、君たちは一体?」

??「な、苗木くん? 一体何を言ってるんですか?」

苗木「え? あれ? 舞園さん?」

舞園「あ、はい。なんだ、覚えてるじゃないですか。てっきり記憶喪失化と」

苗木「うわあ。舞園さんだ! あ、僕のことは知らないよね? 根黒六中で一緒だった苗木誠っていうんだけど」

舞園「え?」

苗木「あれ? でもなんで舞園さんが僕の目の前に? 保健室かと思ったけどうちの学校じゃなさそうだし」

??「ね、ねえ苗木のやつ何言ってるの?」

??「ちょっといいかしら苗木くん」

苗木「え? う、うん。というかなんでさっきから君たち僕の名前を知ってるの? 舞園さん以外初対面だよね?」

??「……今のでほぼ確信が持てたけど一応確認するわ。まずは質問に答えて。苗木くん、あなたの通っている高校の名前は?」

苗木「? 夕闇高校だけど?」

??「あ? 何言ってんだお前?」

??「それは苗木殿が以前通ってたところでは?」

苗木「以前? いや僕はまだ卒業はしてないよ」

??「……次の質問よ。今日は何年何月何日?」

苗木「ええっと、2×××年の■月〇日のはず」

一同「は?」

??「ええ、これで確定ね。苗木くんはどういうわけか記憶が希望が峰学園入学の前まで戻ってるのね」




??「おいおいマジかよ、リアル記憶喪失ってやつか!?」

??「む、むう。武道でも戦いの記憶が飛ぶ、というのは稀にあるがこれは…」

??「やば、チョー受けるんだけど。こっちが何もしてないのに自分で記憶喪失になるとか」

苗木「ちょ、ちょっと待って。記憶が飛ぶって? それじゃここはいったいどこなのさ? 僕は一体なんでここに?」

??「落ち着いて。混乱するのもわかるけど貴方はここ、希望が峰学園の78期生の一人。私たちと既に1年以上生活を共にしてきた仲よ」

??「今日は皆で一緒に食事しよう、って話してたのにいつまでたっても苗木くんが来ないから心配になって探したら階段で倒れてたんだぁ」

??「それからさくらちゃんが急いで保健室に運んでさっきまで皆で心配してたんだよ?」

苗木「そ、そんな。で、でもやっぱり信じられないよ。僕が希望が峰学園に入学? せいぜい人よりちょっと前向きなだけの僕が?」

??「それは……」

??「待ちたまえ! 苗木くんの言っていることが本当だとすると今苗木くんは見知らぬ者たちに大勢で囲まれていることになる」

??「ここは一旦冷静になるために少し時間を置き、一人ずつ順にお見舞いもかねて説明をしていったはどうだろう?」

??「そうね。確かにそうだわ。苗木くん、詳しい話はまた今度にしましょう」

苗木(そう言って僕の周りにいた人たちはぞろぞろと部屋を出て行った)

苗木(その後に来た罪木という超高校級の保健委員の人が言うにはショック性の健忘症らしく忘れている情報を得ていけば自ずと回復に向かっていくらしい)

苗木(それも含めて僕の記憶を戻すためということで次の日から目覚めたときにいた人たちがお見舞いに来るようになった)


舞園「知ってはいるみたいですけど一応自己紹介しますね。舞園さやか、超高校級のアイドルとして希望が峰学園に通っています」

苗木「う、うん。よろしく」

苗木(うわあ、信じられない。中学の頃、話したくても話せなかった舞園さんが目の前にいる。しかもクラスメイトになれたなんて夢みたいだ)

舞園「夢なんかじゃありませんよ」

苗木「え!? な、なんで考えてることわかったの?」

舞園「エスパーですから」

苗木「ええ!?」

舞園「冗談です。……ふふっ、このやりとりも久しぶりですね。最近の苗木くんは慣れてきてしまっててなんだか新鮮です」

苗木(懐かしむように話してる。本当に嘘じゃないんだ)

苗木「ね、ねえ僕たちってどういう関係だったの?」

舞園「関係、ですか?」

苗木「あ、いや深い意味はないんだよ!? ただ舞園さんみたいな人とクラスメイトになれただけでも光栄なのはわかってるけどちょっと気になるっていうか」アセアセ

舞園「そんなに謙遜しないでくださいよ。そうですね……」

舞園「……!!」ハッ

苗木「? どうしたの?」

舞園「いえいえ、ええと私たちの関係ですね? 私たちは同じ中学で席も隣ということもあり入学後どんどん仲良くなっていきました」

苗木「へー」

苗木(舞園さんと仲良くなれただなんて羨ましいな記憶を失う前の僕)

舞園「そして今では将来を誓い合った仲です」

苗木「へー、そうなんだ」

苗木(舞園さんと将来を誓い合うだなんて羨ましいな記憶を失う前のぼ……)

苗木「……え?」

苗木「い、今なんて?」

舞園「ですから将来を誓い合った仲。つまり婚約者です」

苗木「それは違うよ!」

舞園「違うって何がですか?」

苗木「いやだって僕みたいな凡人が舞園さんみたいなアイドルと付き合えるわけが」

舞園「それは苗木くんがこの1年のことを忘れてしまっているだけです。1年を経て私たちの絆は確固たるものになり卒業したら結婚しよう、と苗木くんが言ってくれたんです」

苗木「ホントに!? ホントにそれ僕が言ったの!? ていうかアイドルにとって恋愛ってご法度じゃ」

舞園「それは並のアイドルの場合です。超高校級のアイドルである私と苗木くんのカップルならファンの方も諸手を上げて祝福してくれるはずです」

苗木「そ、そういうものなの?」

舞園「はい。あ、でもこれはまだ二人だけの秘密でしたね。卒業後に電撃結婚する予定ですから」

舞園「だから苗木くんも他のクラスメイト達には言っちゃだめですよ」

苗木「う、うん。わかったよ。黙ってる」

舞園「ありがとうございます。それじゃあ今日はこのくらいで失礼しますね」

苗木「うん、またね」

舞園「ええ、っとその前に」スッ

苗木「え?」

チュッ

苗木「」

舞園「お別れのキスです。それではまた」ガララ

苗木「」


苗木「はあー、びっくりしたなあ。まさかあの舞園さんと僕が恋人だったなんて」

苗木「これはぜひとも早く記憶を取り戻して舞園さんとイチャイチャしたいな」

ガララ

??「失礼するわ」

苗木「あ、君は昨日の」

霧切「霧切響子。貴方と同じ78期の超高校級の生徒よ」

霧切「因みに才能は超高校級の探偵よ」

苗木(探偵か。確かにクールビューティって感じだし見た目からして似合ってるかも)

霧切「面会時間も限られているから手短にさせtもらうわね。あなたと私についてだけど今言ったように探偵をやっている私の助手をあなたはしていたの」

苗木「え? 僕が助手? 探偵の?」

霧切「ええ。いくつもの難事件を共に解決していった私たちは次第に仲を深めていって」

苗木(ん?)

霧切「今では将来を誓い合った仲よ」

苗木「」

短いけどここまで。別スレのネタが浮かばなくて息抜きに投稿

多分1週間もせずこっちは終わります

ではまた


苗木「ごめん霧切さん、もう一度言ってもらえる?」

霧切「あら? 聞こえなかったのかしら? 私とあなたは恋人だと言ったのよ」

苗木「へ、へえぇ、そそそうなんだあ」

霧切「何を動揺してるのかしら? まあ記憶がないのに恋人ができていたら驚くのも無理はないわね」

苗木「……ちなみにさ、僕たちの仲って皆は知っているの?」

霧切「え?……いいえ、私は別に公にしてもいいと思っているけれど苗木くんが恥ずかしがって隠しているの」

霧切「でも二人きりになったらラブラブよ」

苗木「ラブラブ?」

霧切「ええ、らーぶらーぶ」

苗木「そっかあ、ラブラブかあ」

霧切「……何か納得いかない、という顔をしているわね」

苗木「いや別にそんなことは!」

霧切「いいわ、証拠を見せてあげる」スッ

チュッ

苗木「」

霧切「恋人でもなければこんなことしないでしょう?」

苗木「」


苗木(いつの間にか霧切さんは去っていたけどそれどころじゃなかった)

苗木(一体どういうことだよこれ! てっきりからかってるのかと思ったけどそれでキスとか普通しないよね!?)

苗木(でももしあの二人の言っていることは本当ってことになるけどそうだとしたら僕二股かけてたってこと!?)

苗木(あんなかわいい舞園さんや美人の霧切さん、どっちもどう考えても僕と釣り合わない高嶺の花なのに浮気するってどういうこと!?)

苗木(ああどうしよう、舞園さんと付き合ってるとわかったときは早く記憶を取り戻したかったのに今はもう思い出したくない)

苗木(でも真実を明らかにするためには思い出さないわけにはいかないし、困ったなあ)

ガララ

??「あら? 随分辛気臭い顔をしていますね」

苗木「キミは?」

セレス「キミだなんて、そんな教授みたいな口ぶりですわね。わたくしはセレスティア・ルーデンベルク。いつものようにセレス様で結構です」

苗木「そっか。よろしくセレスさ……ま?」

セレス「ええ、あなたはわたくしの唯一にして第一のナイト。たとえ記憶がなくなってもその事実はなくなりませんわ」

苗木「……」

苗木(またなんか濃いの来ちゃったなあ!)


苗木「ごめん、記憶がないせいでちょっとよくわからないんだけどナイトって何?」

セレス「端的に言えばわたくしの下僕ですわね」

苗木「下僕!? 僕がセレスさん、様の?」

苗木(びっくりな内容だけどこれで恋人じゃなくてよかったと思ってしまうのはおかしいのだろうか?)

セレス「ええ、いついかなる時にもわたくしに従い、わたくしを敬い、わたくしに寄り添い、わたくしを想い、わたくしを愛する下僕です」

苗木「あれあれ? 後半にいくにつれて下僕というより恋人みたいな気がするけど気のせいかな?」

セレス「気のせいですわね。ともかく、あなたはわたくしのナイト。他の有象無象とは一線を画すCランクだということをお忘れなく」

苗木「あ、あはは」

セレス「顔がこわばってますわよ。では、そろそろ時間も推しているようですしお暇いたしますわ」スッ

苗木「? どうして急に手をこっちに伸ばしたの?」

セレス「決まっているでしょう? ナイトとして手の甲に口づけをなさい」

苗木「あ、口じゃなくていいんだ」

セレス「え?」

苗木「え?」

苗木(しまった、前二人がアレだったからついうっかり)

苗木「いやなんでもないよ! それじゃあ手を」

セレス「いえ、わたくしとしたことがうっかりしていましたわ。苗木君は先日晴れてBランクに昇格していました」

セレス「よって口づけの部位も手ではなく特別に唇を許します」

セレス「ほら、何をしているのですはやくなさい」

苗木「いや、でも」

セレス「くどいですわね。主がよいと言っているのですのに何をためらうのですか?」

苗木「だってセレスさん、様、顔真っ赤だよ?」

セレス「いいから早くキスしろってんだろうが!」

苗木「は、はい!」





苗木「まさか自分からキスすることになるとは思わなかった」

苗木「舞園さんや霧切さんは不意打ちだったからあんまりよくわからなかったけどセレスさんは意識してやったから感触がはっきり残ってるし」

苗木「……柔らかかったなあ」

苗木「って、そうじゃない! セレスさんは下僕とか言ってたけどあれどう考えても恋人だよね!? まさかの三股!?」

苗木「ありえないとは思うけど見舞いに来る人全員僕の浮気相手ってことはないよね!?」

ガララ

十神「まったく。記憶を失うなど、失うなど、これだから愚民は世話が焼ける」

苗木(よかった男の人だあ)パアア

今日はここまで。78期の女性陣は皆かわいいと思います

ではまた

>>14
> 十神「まったく。記憶を失うなど、失うなど、これだから愚民は世話が焼ける」

落ち着け鎌瀬

>>18
ただの誤字だったのだがいい感じに焦ってるように見えたので良し!

では始めます


苗木「あはは、記憶喪失になるなんて僕自身びっくりだよ。ところで君も僕と同級生なんだよね?」

十神「ふん、十神白夜。肩書は超高校級の御曹司だ。俺には超高校級の完璧、こそがふさわしいと思うがな」

苗木「十神って、、もしかしてあの十神一族!? その跡取りってこと!?」

十神「お前の知る十神以外に十神の跡取りを名乗るものがいたらお目にかかりたいものだな」

苗木「うわー、すごいや。でも跡取りって。やっぱり大変なんだろうね」

苗木「色々やらなきゃいけないことも多そうだしプレッシャーとかも僕なんかじゃきっと耐えられないだろうなあ」

十神「何を他人事の言っている? お前も関係者だろうが」

苗木「……は?」

十神「卒業後はこの俺の右腕として働いてもらうのだ。こんなつまらんことで躓いている暇はないぞ苗木」

苗木「」


苗木「まって、ごめん本当に待って。もう一回確認しておくけど十神君はあの巨大財閥の跡取りなんだよね? つまり時期No.1」

十神「ああ」

苗木「その右腕? 僕が?」

十神「そうだと言っているだろうが。何度も言わせるな」

苗木「……いや、いくら何でもそれは」

十神「因みに年収は5500万だ」

苗木「へ?」

十神「働き次第ではその十倍は出すつもりだ」

苗木「」

十神「おい、さっきから何をほうけている? ……む? もう時間か。いいか、まずはさっさと記憶を戻せ。出来ないとは言わせんぞ」






苗木「4股の方がまだ気が楽だった」

苗木「何で!? なんで僕なんかがそんな好待遇で財閥の御曹司にスカウトされてるの!?」

苗木「僕一体何やったの!? みんなの話してる僕って本当に僕と同一人物!?」

苗木「ああもう次はどんな人が来るんだろう……」

ガララ

葉隠「邪魔するべ、苗木っち!」

苗木(うわすごい特徴ある人が来た!)


葉隠「俺は確率3割で当たる超高校級の占い師! 葉隠康比呂だべ!」

苗木「3割って、なんか微妙な気が」

葉隠「何言ってるんだべ!3割は確実に当たるってことで大物政治家とかは俺の顧客だべ」

苗木「そんなすごいんだ? じゃあもしかしてクラスの皆にも占ってあげたりしてたの?」

葉隠「ん? ……あ、あーそうだべ。特に苗木っちは俺の占いにドはまりして何度も占ってもらってたべ」

苗木「僕が占いに? なんだか意外だなあ」

葉隠「んで今じゃ俺に5億の借金があるべ」

苗木「」


苗木「ご、ごおく? なんでそんな大金を?」

葉隠「俺の占いは高いんだべ。何度もやってるうちに積もりに積もってそうなったんだべ」

苗木「え、ええ? もしかして記憶ないのをいいことに適当なこと言ってない?」

葉隠「そ、そんなことないべ! 嘘だと思うなら証拠に俺の占いのすごさを見せてやるべ」

葉隠「む、むむむ、見えた! 苗木っちはこの後首をつってその後俺らが苗木っちに謝ることになるべ」

苗木「不吉すぎる! そんな占いを信じろと!?」

葉隠「あ、今ので借金5億飛んで10万だべ」

苗木「お金取るの!?」




苗木「『お金はちょっとずつ返すか内臓でもいいべ』と言って葉隠君は去っていった」

苗木「おかしい。絶対におかしい。皆の語る僕と僕が全然一致しない」

苗木「いったいここで僕は何があったんだ?」

苗木「……ここで?」

苗木「そうだよ。ここって希望が峰学園なんだよね? じゃあ僕も何かの才能で入学したってことだよね?」

苗木「もしかして皆の中の僕があまりに乖離してるのはそのせい?」

苗木「女性3人と3股して高給を条件に財閥の跡取りの右腕として取り入り、確率3割の占いを多用している……」

苗木「そうかわかったぞ!」

苗木「僕は超高校級の詐欺師になったんだ!」


苗木「……いやいくらなんでも考えすぎか?」

苗木「でもそうなら辻褄があっちゃうし」

苗木「よし。次の子に才能をさりげなく聞いてみよう」

苗木「直接聞いてはっきりと『詐欺師』って言われたらショックだし」

ガララ

戦刃「えっと、苗木くん大丈夫?」

苗木(あ、なんか大人しそうな子だ!)

ここまで
次でたぶん終わります
>>1の予告は3割当たる!

ではまた

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