鷺沢文香「マーキング」 (212)

※「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSS

※キャラ崩壊あり

※人によっては不快感を感じる描写もあるかも

※決して変態的なプレイをする話じゃありませんのであしからず

※健全な純愛物を目指してます

※既出のネタがあるかも

※独自設定とかもあります

※プロデューサーは複数人いる設定

以上の事が駄目な方はブラウザバック奨励



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前に書いた作品

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橘ありす「マーキング」 - SSまとめ速報
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基本は地の文ありですが、疲れたら台本形式になるかもしれない

穏やかな午後……とは言えないこのCGプロダクションの事務所の中。


周りは事務所の人の話し声や物音、電話の鳴り響く音等、喧噪に包まれていますが……そんな中でも、私はそれらは一切気にはなりませんでした。


慌ただしい事務所の隅っこで、邪魔にならない様に一人……ここのアイドルである鷺沢文香はソファに腰掛け、ゆったりと本を読んでいます。


本来ならば事務所にいる以上、何らかの予定が入っていてここにいるのですが……今日はレッスンも仕事も無い、お休みの日。


最近はこうして……お休みの日でも事務所に赴き、ここで本を読む事が多くなってきました。


そんな私の姿を見て……ここの事務所の人は良くこう言ってきます。『よくこんな所で読書なんてできるね?』と。


確かに……その意見は正しいと思います。この騒がしい事務所の中は、とても読書に適した環境とは言えないでしょう。……私は特には気にはなりませんが。


読書をするだけなら、叔父が経営する書店で……店番をしながらでもできる事でしょう。それ以外にも、落ち着いて本を読める様な静かな場所は多々あります。


けれども、私はこの事務所の中で……本を読むのが気に入っていた。いつの間にか……好きになっていました。


ここには事務所の方々やアイドル仲間等……気が置けない方々が沢山いて、騒がしい中でも落ち着ける……というのもあります。


しかし……それ以上に、特別な理由が……私にはありました。


「鷺沢さん、お疲れ様です」


そんな事を考えていると……読書中の私に話し掛けてくる、稀有な人がやって来ました。私は本に向けていた視線をその人の方にへと向けます。


私の視線の先に立つのは……細身の体格で眼鏡を掛け、整った顔立ちをした真面目そうな若い男性。この人は私の担当プロデューサーである、Sさんです。


「あっ……プロデューサーさん……お、お疲れ様です……」


私は挨拶をする為に……読んでいた本にしおりを挟み、立ち上がります。そしてSさんの方を向いて、会釈をする程度にぺこりとお辞儀をします。


……いえ、ちょっと待って下さい。少し落ち着いて、よく考えてみましょう。


そもそも……先程の『月が綺麗』という言葉に、しっかりと意味が込められていたのなら……ちゃんとその意味は、伝わっているはずでしょう。


Sさんは文学には精通している方なので、知らない……という事はありませんから。


それに……その後に何か言っていたような……。だとすれば、もしや……


「そ、それでは、あの……いくつか確認したい事があるのですが……」


「はい、何でしょう。何でも言って下さい」


「さ、さっきの……『月が綺麗』……というのは、どういう意味で……?」


「えっ? それは……今日は満月で、綺麗だな……と、思ったからですが……?」


……やはり、そういう事ですか。あの言葉は……ただ単に、何気なく発言しただけのものだった訳ですね。


「……? 何か、僕……変な事を言いましたか?」


そう言った後、Sさんは怪訝そうに首をかしげました。分からないのでしたら……そういう反応にもなるでしょう。


「……いえ、大丈夫です。気にしないで下さい」


「はぁ……そうですか」


私が素っ気無くそう言うと……彼は納得がいかない表情で佇んでいました。


しかし……これがそういう事だとすれば……もしかすると、今までの事も全部……。


……これは、確認するしかありませんね。


「それでは次ですが……この間の、しおりの事なのですが……」


先日、Sさんから貰った四つ葉のクローバーのしおり……今回の事の発端ともなった代物です。


これのせいで……私がどれだけ悩んだ事か……。これについても……聞いておかねばなりません。


「あぁ、あれですか。あれが……どうかしましたか?」


「何故……しおりの飾りに、四つ葉のクローバーを選んだのですか……?」


事務所であなたからしおりを頂き、それを見て……四つ葉のクローバーの花言葉……『私のものになって』という言葉が私を酷くもやもやさせました。


あの時既に……あなたに好意を抱いていた私からすれば、そういう意味が込められているのかもしれないと考えるのも、不思議では無いでしょう。


「えっと、あれは……特に意味はありません。何となく、ですね」


けれども、実際の所は違いました。私が考えていた様な事は一切無く、完全に否定されてしまいました。


「何となく……ですか?」


「はい。実は大分前の事なんですが……同僚の一人に、自慢された事があるんです。『担当アイドルからプレゼントを貰った』と。そのプレゼントが……四つ葉のクローバーのしおりでした。その時の……あまりにも嬉しそうに話す彼の姿が印象に残っていたものですから……作成する際にそれを思い起こし、つい真似てしまった……という訳です」


……という事は、何ですか。私はあなたからしおりを貰って……つい嬉しくなって舞い上がってしまい、それで勘違いをしてしまった……それだけの事だったんですね。


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