モバP「知らない誰か」 (41)

アイドルマスターシンデレラガールズのSSスレです。
性描写を含みますので苦手な方はご注意ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430646542

  『A君』


 やった、やった!

 渋谷から、聞けた! 渋谷がいつも聴いてる曲、訊けた!

 久しぶりだったなあ、渋谷と話せたの。今日は珍しく終日授業受けてたけど、ほとんど囲まれてて。

 みんな知らないんだろうな、渋谷がそういう騒がしいの好きじゃないって。

 だから、隙を見計らって、聞き出すのにも苦労したよ。

 ……視聴したけどイイ感じだ。さすが渋谷。

 だいたい俺は、アイドルになる前から渋谷のコト、イイって思ってたんだよ。

 ダウンロードして、感想言えるようになっとかないと。ああ、CD貸してもらえるようならもっと良かったんだけどな。

 じゃあ、次は俺がオススメのCD貸せるようにしとこっかな。

 次は……いつ学校来るんだろ?

――――――――――――――――――――――――


凛「出迎え、ありがとう……ごめんね、スケジュール、無理させちゃったでしょう?」

P「いや、勿論学校も大事だからな。できる分には協力するさ」

凛「ふふ、おかしいね、前は、何も思わなかったのに。離れると、恋しくなるんだね」

P「そんなものだよ。そして気付いたら、戻れなくなってる」

凛「……今のもしかして――感心するべきセリフ?」

P「そうしてもらえると助かる」モジモジ

凛「かっこいー」

P「わーい」

凛「ふふっ」

P「ははっ」

凛「…………」

P「ごほん…………凛の、思うようにしていいんだぞ? 戻れる内は」

凛「そう? ……じゃ、とりあえずは安全運転で、お願いするよ」

P「――当然だ」

凛「――心配しないで。私の道は、もう、ココだから。プロデューサーが教えてくれた道だけ……」

P「今のもしかして、感動するべきセリフ?」

凛「こ、こほん……と、ところでこの曲――悪く、ないね」

P「お、やっぱり気に入ってくれた?」

凛「別に気に入ったなんて言ってな……はぁ、今更強がってもしょうがないか。すごく、好きだよ」

ぎゅ……っ、

P「……安全運転、だろ?」

凛「……青になったら離すから、それまで、このまま」


――――――――――――――――――――――――


ぬちゃ……ずじゅっ、ぐ、ちゅうっ!

凛「あ、や、Pさ、まだ待っ……んんんんッ!!」ビクビクッ!!

ごちゅん……ぐちゅっ! ちゅぷっ! くちゅっくちゅっちゅぶっ!!

凛「やっあっあっ、はあっ、ふああっ、あ~っ!!」

凛(四つん這いで突かれて、首輪までしてめちゃくちゃ……どーぶつみたい、でも……すき……ぃ!)

くちゅっ! こちゅっ! ぢゅっ! ぢゅっ! ぢゅぷっ!

凛「あ、うそっ、またイッっ、イッてる、からぁ! とめっ、えっあっあぁうあああああ!!!」ブルブルッ

こびゅー、びゅー、びゅく、びゅう……っ!

凛「あっ! あああっ、あー、ふぁ、はあぁ、あぁ…………ぁ」


ごぷ………たら……ぁ、

――はー、はー、ふぁ、あ……んくっ! も、もっと……ぉ? ちょ、休ませ……あっあああっ

 『B君』


 ほんの少し笑顔が素敵なだけの、普通の女の子。そう思っていた。

 姿を見ない日はない。声が聞こえない日はない。

 普通の女の子だから、当然、学校でボクなんかの隣に座っていたっておかしくない。

 その日常が終わってしまって、もうどれくらいになるだろう。

 アイドル『島村卯月』の登場と引き換えに、ボクの隣の席の少女が、ボクの隣に座る時間は、どんどん少なくなっていった。

 彼女はいつも明るくて、頑張り屋さんで――未来を『何か』考えているとは、とても思えなかった。

 だから彼女は、きっと何も変わらなくて、次の席替えまでは隣に座っていて、卒業まではこの学校にいるだろうと思っていた。


 ある時友達と、ライブを見に行こうということになった。

 ボクたちはひとり7,000円ずつ支払い、アリーナの外苑から、ステージ上の豆粒みたいな彼女の挙動を、目を凝らして追った。

 今やそれが、正しい位置関係だった。

 野外スクリーンにいっぱいに写った彼女の笑顔は、この上なく、特別に、素敵だった。


 ほんの少し笑顔が素敵なだけの、普通の女の子。そう思っていた。

 特別になった女の子は、当然、学校でボクなんかの隣に座っているはずがなかった。

 

 今日は席替えだ、

 きっとそのことを彼女は知らない。 

――――――――――――――――――――――――


卯月「プロデューサーさん、ただいま戻りました!」

P「おーお疲れ」

卯月「あ、あの……お、おとなり、いいですかっ?」グワッ

P「何を今更……はい、どうぞ」ポンポン

卯月「ありがとうございますっ! えへへへへ……」

P「で、補習のテストはどうだった?」

卯月「はうっ! え、えへへへ……なんとか、平均点は取れたみたいです、けど」モジモジ

P「ふぅ……まあ、取敢えずは申し訳も立つかな。忙しいとは思うが、勉強も疎かにはしないようにな」

卯月「はい、ついていけるよう、精一杯頑張ります! ……でも、こう言ったらヘンかもしれないですけど、私、少し嬉しかったんです!」

P「へえ……それはどうして?」

卯月「初めの頃、私、人気アイドルになったら学業とちゃんと両立できるのかなって、心配してたんです――というより、憧れ、だったのかな」、

P「憧れ、か……『忙しい』のイメージが、それくらいしか思いつかなかったってところか」

卯月「……はい。アイドルは、ずっと私の夢だったから。養成所に通って……オーディションに落ちても、同期の子が、何人も辞めてしまっても、ずっと頑張って」

ぎゅ……っ、

卯月「そんな時、プロデューサーさんと出会って……頑張ったことが、初めて結果につながって……」

P「そして今、学業に追われている、か。ふふふっ」

卯月「あ、あははは……でもそれも、夢が叶ったからこその、贅沢な悩みですよね。だから少し……嬉しくて。あの、プロデューサーさん」

P「ん?」

卯月「プロデューサーさんがいたから、私、今まで以上に頑張れているんです……ううん、プロデューサーさんがいないと、もう、こんなふうには頑張れないのかも。だから」

卯月「ずっと……隣に、いてくださいね」


――――――――――――――――――――――――


ぎしっ、ぎしっ、ぎしっ、ぎしぎし、

じゅっぷ、ぱん、ぱんっ!! ぱんぱんぱんぱんっ、

卯月「あひゃあっ、あっ、んあっあっあっあっあっ!! ……さんっ、もっと、もっとぉ!!」ビクビクゥ

ぱぢゅっ! とちゅっ! とちゅっ、ぬちゅっ、ぐちゅっぐちゅっぐちゅっ!!

卯月「はあっあっ、え、えへひぇ、おナカ、とんとんされちゃってるのぉ! 深いトコロ、つぷっ、て、いっぱいきてましゅよぉ……!!」

卯月(真上から挿入れられて……叩き付けられてるよぉ!! おしりの肉、バネみたいに使われて、ベッドの上でごちゅごちゅハねて、ずんずん奥までキてぇ……キモチイイよぉっ!!)

ぎしぎしぎしぎしぎしぎしぎしぎしぎしぎし、

ぬぢゅぬぢゅぬぢゅぬぢゅぬぢゅぬぢゅぬぢゅぬぢゅ!!

卯月「やっ、はやっあっあっあっあんんっんっんっんあっあっああっあ!!」ゾクッゾクッ!

ぬびゅっるっ! びゅっくっ、びゅるるるっ!!

卯月「あ゛っ! あ~!! あ~、れてぇましゅっ、あ、あ、ああああ~っ!!!」ビクビクビクッ


とぷ、こぽ……ぉ。

――――はーっ、あー、め、めかくしぃ、まだとっちゃぁ、はぁ、らめっ、れすかぁ……? んちゅっ、あふっ、んちゅっ、ちゅ……っ

  『C君』


 塾だから、そう言って最後の一人が帰った。

 俺はなんとなくひとりになりたくて居残り、ほとんど氷と水だけになったコーラのストローをかじっていた。


 未央のいる時間が減ると、各々が別のグループに関わり始めた。

 リア充グループなんて言われていい気になっていたのも今は昔。

 あれだけうまく回っていた人間関係が、引っ張る人間がいないとなんだかギクシャクして、それぞれ自然と足が遠のいた感じだった。

 未央も未央で、出来るだけ俺たちと付き合えるよう努力している様子は、痛いほど伝わってくる。

 そうしてたまに顔出しするときは、決まって皆が集まってくる。

 結局これは、未央がいてはじめて機能する集団だったんだと思い知らされた。

 薄々気づいてはいた。輪の中心にいるのは未央で、自分ではないと。

 もちろん現実を見せつけられたのは、中々に堪えた。だがそれ以上に、俺は未央に戻ってきてほしかった。

 なかよしグループ復活のため? いいや、他のやつらと同じで、それは俺にとっても重要なことじゃなくなっていた。


 着信で現実に引き戻される。夕方過ぎの寂しい店内で、俺はもたもたとロックを外す――未央だった。

 アップされたその写真には、現在進行形でいくつもコメントがついていく。

 他のアイドルと同じシーンに収まった未央は、俺たちと居た時と変わらない表情で、だからこそ腹が立った。

 いっそ失敗すればいいのにと思った。失敗すればまた――

 ――その辺りで、自分がイヤになる。最近はその繰り返しだった。 

 結局、気の利いたつもりのコメントをつけた。

 本当に言いたいことは何一つ言えないまま。

――――――――――――――――――――――――

未央「……私はさー、こう、引っ張るタイプじゃないんだよね。まとめ役っていうよりは、皆の間を調整して、スムーズに回す的な……」

P「潤滑油?」

未央「そう! それ! プロデューサーは知ってると思うけど 私、三人兄弟の真ん中じゃん?」

P「ああ、兄弟の話もしょっちゅうされてるしな」

未央「たははー、その悲しいサガってやつでしてなぁ? 顔色、窺っちゃうんだよね――そうそう、マンガでも似たようなこと言ってたんだよ」

P「なんて?」

未央「んー、『人の上に立つ者は部下の意図を酌むべきやけど、顔色を窺うもんじゃあらへん』……みたいな?」

P「関西弁なんだそいつ……てかモノマネ?」

未央「ダンナ、そこは重要じゃないっすよ……まあ私の場合、私が上かって言われたらビミョーだけど」

P「うん……冗談はおいといて、中々考えさせられる台詞だな」

未央「でしょう? だから――」

P「――ユニットリーダーは他に譲る、か」

未央「や、譲るっていうか、もう一度考えてくれたらなって思う。その上でやっぱり私にって結論になったなら――その時は、引き受けるよ!」

P「ふぅ……分かった」

未央「…………」チラッ

P「…………ん?」

未央「いや、別になんでも……ないよ?」

P「……ああ、がっかりされないかとか、そういう無駄な心配してるのかな? 小心者の未央ちゃんは」ツンツン

未央「……ちぇー、お見通しかー。むぅ……」プニプニ

P「がっかりなんて、逆だよ。初めの頃の未央だったら、すぐに引き受けてたさ。『顔色窺って』な――思ったことをちゃんと言ってくれる方が、ずっと嬉しい」

未央「……プロデューサー」

ぎゅう……っ

未央「あ、あははは……う、うまいね、私のココロ、掴むの。つかまれちゃったよ……んっ」



じゅこっ! じゅこっ、じゅこっ、じゅぶっ、ぐちゅっ、ぐじゅっ!

未央「はっ、あっ、あっ、は……っ、ど、どう? んぁ! き、きもち、い? んんっ!」

ぐじゅっちゅっ、くちゅっ、こちゅっじゅちゅっくちゅぬちゅ、

未央「くふっ、ふっ、う、あう……ぅ! も、だめ、こし、しびれてぇ……あぁっ!」クチュクチュ

未央(またがってる腰のナカで、アツいのが暴れてるよぉ……くねらせるたび、下からアチコチほじくられて、いやらしい音、いっぱいたてて……っ!)

ぐちゅ――――じゅぽっじゅぷぐちゅずちゅずちゅずちゅずゅん!!

未央「あやっあっらめっ! ナカ、やぶけちゃうっ! かはっあっ、ひっあっやっふぁぁぁぁぁ!!!」ビクビクッ!

――ごぷぅ!

未央「あはっぁぁ!!」

ぐぷっ、ぐびゅっ、びゅーぷっ、びゅっ、どびゅるぅ!! びゅくぅ!!

未央「ほはぁ、あっ、ナカ、やけてるっ、とけてる、あー、あー、あー、あーぁ……!!」ゾクッゾクッ


ごぽ……ずろろろぉ……

未央「ふぁっ、はっ、あ……まだ、おっきぃ……いいよぉ、そのための、てじょーでしょ……? わたしのテイコーなん、てっ、ムシして、好きに……あぁ、んはぁ……っ」

  『Dさん』


 そのような経緯で大学生活にあぶれた僕は、都市計画に取り残された洞窟の様な古書店に逃げ込んだ。

 大学の彼等の、文明を装った鳴き声もここまでは届かないだろう――空き時間のための避難所と決めた。

 硝子戸一枚の静寂に踏み込み、鍾乳洞の様に不揃いな書架の縦横列を掻き分け――ふと、ぽっかりと空いた深奥の闇に、彼女は未研磨の鉱物の様に居た。


 露出は極めて低く、仄暗い店内とインクの匂いに紛れるような、落ち着いた色合いの洋服。

 この店を訪ねる偏屈な常連客さながらに、書に没頭する彼女が、勘定台越しの此方へ働きかけるのは、まさに勘定の時だけ。

 先ず、帳のような前髪の向こうで、光を湛えた二つの目がころころと蠢いて、商うべき客がいることをを見止める。

 次、表面張力の作用する盃を収めるような所作で書を中座させ、勘定台の上に置かれた商品と示された金額に視線を落として、売買契約が成立しているか確認する。

 おおよそ三冊以上だと電卓を用いるようだ。

 そうして取引に間違いがないと知れば、代金をしまうより先に、日焼けした表紙にカバーを巻き、輪ゴムで留め、すっと返してくる。

 その間、まじないの様に狂い無く働く指は骨と死を思わせるほど白く、幾度目にすれど、用心して覆い隠している筈の此方の無意識を異なる角度から揺さぶってくる。

 か細い礼の声は聞こえるか聞こえないか。他の客が頁でもめくっていれば望み薄だ。

 硝子戸を開ける前に振り返れば、その時には既に、再び、字の奈落へ身を投げ出しており――彼我は断たれ絶え果てたのだと悟る。

 これが、僕が知る彼女の全て。名前は知らない。

 もし金が足りなければ、彼女はどうするのだろう。もし猥本を置かれたら、彼女はどうするのだろう。

 もし万引きされたら、その時は怒りの感情を露わにするのだろうかそれとも悲しむのだろうか。

 戯けた疑問――そもそも感情はあるのだろうか。当然あるとして――思いもかけぬ告白をされたのなら、それはどのように揺れ動くのだろうか。

 その『If』は、解き明かされることはない。試してしまえば――僕は只の客ではなくなり、僕が最も忌み嫌う彼等と同じになってしまうから。


 彼女は石榑などではなかった。彼女は古い書物に埋もれた一片の栞。
 
 十年後も二十年後も、そこだけが動かない時間の中で、じっと同じ場所に佇み続ける存在。

 そうして僕は、数十年来の古書を閉じるように、店を後にする。

 次も同じ頁を開けると――なんら疑いもなく信じながら。

――――――――――――――――――――――――

P「ふ、文香……? 今日はまた一段と……」

文香「あ、あの……! Pさんとお買いものだと伝えたら、皆さんから、で、デートならと色々な服を勧められて、それで。無碍に断る訳にもいかず、その……っ」カァッ

P「……うん、すごくいいよ。恥ずかしがってるのも含めて」

文香「………っ!!」マッカ

P「(あんまり言い過ぎたら固まっちゃいそうだな)それで……あー、ここか。文香が来たかった『書店』っていうのは」

文香「は……はい……このビルに、書店があると聞いて。方々探して……後は、このテナントだけが残りました。ですが――」モジモジ

P「確かにパッと見ただけじゃ本屋とは思えないよな、ここ。入口からじゃ雑貨とおもちゃしか見えないし」

文香「ひとりでは、その……Pさんっ」フニュン

P(まさか、装いだけではなくその真髄まで極めたというのか。『小悪魔』を……!)ドキドキ


文香「ふむ、本の近くに、関連する雑貨やディスクを陳列して……」フムフム

P「普通の書店には揃えてないものもけっこうおいてるから、ついつい手に取っちゃうよな」

文香「はい……外から見ただけでは、分からないものですね。お店も、人も」

文香(私自身でさえ――時の動かし方を、知らなかったから。Pさんに、変えられてしまうまでは)

P「……おっと、後ろ、人が通ってる」

文香「あ、すみませ……ん」ギュー

文香(通路が狭いので……仕方、ありません。仕方ありませんよ)ピトッ

P「…………」ハラハラ

文香「……か、カップルの方も、多い、ですね……」ドキドキ

P「そりゃあ、お互いの興味を満たしやすいだろうからな……手頃なデートスポットにも、なるんだろう」

文香「では、その、私達も、そう……なのでしょうか?」フミフミ

P「……アイドルとプロデューサーってバレたら不味いのは確実だろな。この……姿勢だと」

文香(――郷に入りては郷に従え……デートスポットに入りては)ギュウッ

ぎゅうっ、

P「ふ、文香? 変装してるからって……」ドキドキ

文香「い、今の私は――おみせで、お、おみせにも、かかわらず、か、か、かれしにあまえるっ、かかか、カノジョ、ですよ……」ギュー


文香(混乱の極致で、山盛りになった買い物籠を勘定台に置きました――店員さんに商品が掴みあげられる度、ああそういえばこれも、と羞恥は塗り直され、私は――隣に立つ男の人の腕にすがりました)

くちゅっ、ちゅぷっ、くちゅっ、ちゅぷっ、くちゅ……っ、

文香「ひうっ、んっ、んはぁ――あっ、ふっ、ふぅ……っ!」

文香(あの無表情な店員さんは――桃色の髪の毛を逆立てた方でしたが――何か思ったのでしょうか)

文香「ん、ん、ん、んんんぅ!! ち、ちがうんれすっ、え、えっちな、えっちなおくしゅりで、あんっ、あっ!」ビク…ッ!

文香(『淫らな気持ちになるお薬』――即効性のある成分は、なかった、ハズ。錠剤は赤い赤いイチゴのあじ)

こちゅっこちゅっこちゅっこちゅっこちゅっ、

文香「あっ、せんせ、Pせんせいっ。ひどいっ、あんっ、あっ、い、いじわるっ、しないでぇ……!」フルフルッ

文香(ビニール素材の安価なセーラー服――ハサミで切り刻まれて、せんせいに犯されるせいと――というには昂ぶりが過ぎる心)

こちゅ…………くちゅっ…………ちゅぷ…………ごちゅっ!

文香「あ、あー、あああっ、あ……いいますっ、いいますからぁ!!」

文香(ほかにもたくさんのおもちゃ……でも――たとえ使っているのはまがい物でも――もう、遊びでは、終われないのです)

文香「せ……せっくす、すきっ、せっくす、すきなんですっ! だから、だから、じらさないで……ぇ!!」

文香(私は――そういう風に、変えられてしまったから)

ぐ……ぐちゅう!!

文香「アっ!!」

ごちゅぐちゅずちゅずちゅじゅぷぬちゅぐっ、ちゅっぷじゅっぷぐっちゅずっちゅぬっちゅぬっちゅぬっちゅぬっぢゅ!!!!

文香「はえっあえっやっあっああっああっ! あはぁっあっあっあんッンンッンッンツアアアアアアアぁ!!!!」ゾクゾクゾクゾクッ!!

びゅるるるるっ、びゅぷーっ、びゅーぷっ、どびゅっ、びゅ……く

文香「アーッ、あ、ア、ア、あ、あー、ふあー、アー、あ…………あぁ」ブル…ッブルッ


――ぁ、あぁ……バラのシール、れす、かぁ……? はぁ、ふぅ、ハダ、濡れてるからぁ……貼れる、でしょうか……あ……ぁ、つまり、ドレイの、しるし、ですね……

『Eくん』


 そのうじうじした態度にイライラして、とうとうオレは怒鳴ってしまった。

 オレの両隣からひゅーひゅーとはやす声が聞こえた。 

 夕やけを背負った緒方は――ただただごめんなさいとつぶやくばかりで、もうこちらを向いてはいなかった。

 でもオレからは、うすいくちびるの横をつたう涙が見えて――それがあんまりにもきれいで――オレはその場から逃げ出した。

 土手の砂利になんどもつまずきそうになりながら、オレの頭の中はめちゃくちゃになっていた。

 だって緒方が。だってアイツが。

 それにオレの仲間のバカ野郎どもが。 

 ――誰かが悪いことにしたくてしょうがなかった。悪者の汚名を被る覚悟は、オレにはまだ備わっていなかった。

 メシも食わず自分の部屋に飛び込み、少しだけ冷えつつある頭で、オレは考えをまとめた。

 ひとまず、あした、もういちど話そうと思った。


 一週間近く、ワケを知らない休みが続いた後の月曜日、朝の会の最後に――掃除当番の入れ替え予告に付け加えるようにして――担任が緒方の転校を知らせた。

 あのとき口笛を吹いたバカのうちのひとりが、オレの方を見た。

 後で聞けばオレはぽかんと口を開けていて、バカそのもののザマだったらしい。

 皆ある程度は知っていたんだろうか。そこかしこで驚くカオは見えたが、騒ぐヤツはほとんどいなかった。

 緒方の机を見ると、提げられていたうさぎ柄の体操服入れはいつの間にかなくなっていた。教室後ろのロッカーの中身も、きっとそうなんだろう。

 イスの背のシールさえきちんとはがされて――はがされた跡そのものだけが、やけにつやつやと残っていた。


 とうきょう、と口に出して言ってみる。

 所在地はテストでやった。道のりは見当も付かない。

 母親に、東京ってどうやったらいけるんだと聞いたら、お金持ちは飛行機で行くんじゃないと言われた。

 やっぱり飛行機なんだろうか。オレは飛行機に乗ったことがないが、緒方はどうなんだろうか。

 オレがあやまろうあやまろうとうじうじ考えているそのはるか空の上で、緒方はひこうき雲だけを残して、知らない場所に向かってたんだろうか。

 緒方はやっぱり、泣いてたんだろうか。

――――――――――――――――――――――――


智絵里「今日はぽかぽかして……気持ちいいですね、えへへ」

P「ああ。この辺にしようか。よし……飲み物でも買って来るから、智絵里はそこに」

智絵里「あ……あの!」

P「ん?」

智絵里「今日、ぽかぽかしてるから、喉が渇くかなって思って……水筒に、お茶淹れてきたんです。もしよかったら、その……」

P「水筒……」

智絵里(……雑誌に載ってたアドバイス、で、『デートで彼の心を掴むテクニックその27』……こ、効果、あるのかな)ドキドキ

P「おー、ありがとう! 智絵里は気が利くなあ」

智絵里「え、えへへ……! じゃあ、お注ぎしますね……」コポコポ

智絵里(やったぁ、Pさんに、褒めてもらえたぁ……!)ニコニコ

智絵里「……はい! どうぞ、召し上がってください」

智絵里(お、おいしく淹れられたかな)ソワソワ

P「……お、これは前飲ませてもらった、たんぽぽ茶かな? 頂きます……うん、前もおいしかったけど、もっと上手になってる」コクン

智絵里「あ……ありがとうございます! えへ、えへへへ!」ニパー

P「……こうしてみると感慨深いなぁ。最初智絵里と会った時は、こっちまで悲しくなるくらい怯えてたからなぁ。積極性が出て何よりだよ」

智絵里「あ、あのころは、その……すみません……」ヘコー

P「お、怒ってる訳じゃないぞ? そんな落ち込まないでくれ……なあ智絵里、自分の中で、何が変わったように思う?ナデナデ

智絵里「んん……っ、変わったこと、ですか……? わたしの中で、変わったこと……」

きゅう……っ、

智絵里「……はじめのころは、嫌われないように、見捨てられないように――そんなことばかり考えていました。でも、今は」

ぎゅ……ぅ、

智絵里「す――好きになってもらえるように、愛してもらえるように、がんばってる……きが、します……っ!」プシュー

P「……うん、それは、すごく大切な進歩だよ。そして智絵里は、皆から愛されてる。努力してる通りに」ナデナデ

智絵里「みんな……みんなじゃ、足りないんです。わたし、わがままです――変わったこと、もう、ひとつ」


――――――――――――――――――――――――


智絵里「あかちゃんっ、Pさんの、あかひゃんれきちゃう……はぁんっ、あっ、あっあっあっあ――ああ、アッ、アアアっ!」ビクッ!

智絵里(『清楚な洋服に、えっちな下着』――こんなに、効果、あるんだぁ……)

智絵里「がっ、はかぁ……また『せーのじ』、いっこ、ふやされちゃった、ぁ……」ヒクヒク

どぷとぷ、こぷ……っ、

智絵里「あ、ああぁ……あぁ……ごかいもしゃせーされちゃったら、あふれちゃうんですね……おなか、ぱんぱん……あ、ふあぁ」

くぱぁ、

…………とろとろ、とろぉ

智絵里「Pさぁん……せーえき……こぼれちゃいましゅ…………っ、もう、はいらないの、らからぁ……んあっ」ドキドキ

ず……ずじゅるっ、じゅちゅっ、しゅじゅちゅっ、ずちゅっ、こりゅりゅぷっぷちゅっちゅっじゅっ!!

智絵里「あふっ、き、きたぁ……! しきゅー、ちゅっちゅってきすしてりゅ、いちばんおくでぇ! らめっ、らめぇ!!」

とちゅんとちゅんっ! とちゅん! つちゅん! とちゅっ、ん!

智絵里「はい、はいぃ……イイぃ! ちえりはぁ、えっちなコですぅ! せーそなかっこうで、Pさんのことばっかりかんがえてりゅっ、いけないコなのぉ!」ビクッ、ン!

智絵里(知っちゃったんです。どんなことばで責められても……いちばん深いトコロでぇ、キモチ、いっぱいいっぱいつたわるからぁ……!)

智絵里「やぁ、へぁ……い、いじめちゃらめぇ! しきゅー、こわれちゃう、ひぃあっあっあ――――あああああああああ~ッ!!!!!」ガクガクガクガク!!!

ぼびゅびゅっ、びゅぽっ! びゅぷ~、びゅ~、びゅぶるっ、びゅ~っ……

智絵里「あは! はあぁ! アンっ、ンっんあぁっ! あ、あ~っ……へ、えぇへへぇ……」ヒクッヒクッ

智絵里(……しみこんでるぅ……わたしのことぉ、あいして、もらえてる……っ、ちゃんと、こたえなきゃ……ぁ)


――いまの、Pさんが……ろっかい……わたしはぁ……いまのれぇ……

  『F君』

 あいつがマネージャーを辞めると分かった時、部の全員が互いに目くばせした。

 抜け駆け禁止――入部以来の暗黙の掟が、その瞬間をもって解かれることを確認し合う合図だった。

 しかし横一列に並んだむさくるしい顔顔顔をぐるりと見回して視線を戻すと――顧問の隣で俯く日野は、今までになく小さく見えた。

 無論、小さいことに変わりはないのだが、それでも――あの日野がそんな顔をするのだと、これもまた、その場にいた全員が感じたことだと思う。

 いたたまれなくなった俺たちは一様に、グラウンドのならした後の砂を、そこに浮かぶ日野の影を見ていた。

 何も一生お別れなわけでもない。そう思うことにした。

 声を震わせながら、日野がそう言ったから。

 それにしてもまさかアイドルだとは思わなかった。

 あれほど必死に覗こうとした女子マネの更衣室の中よりも、ずっと過激な衣装で踊ったり騒いだりする日野を、様々な場所で見るようになった。

 昨日は日野で何回抜いた? というしょうもないやりとりが、汗臭い部室の中でしばらくは流行った。

 だが俺たちのニヤニヤ笑いは、知らぬ間に誰かが始める思い出話でだんだんと曇ってゆき、最後にはみんなが無言になるので、その挨拶も次第にされなくなっていった。

 まあ、あんまり日野の話ばかりすると他の女子マネの態度が露骨に悪くなるので、というのもある。

 ただ、考えないことはない。身内の約束なんて知らんぷりして、日野に告白したら、どうなっていただろうかと。

 部活中にこっそり目を合わせたり、放課後一緒に帰ったり、休みの日に遊びに行ったり、あいつが好きなプールに行ったり、それから……

 これもきっと、みんな考えたことだろうが、

 でも、実現しなかったこと。 

 芸能界がどんなところか知らないが――日野くらいなら、多くの男に言い寄られるのだろう。学校でさえ、そうだったし。

 ああでも、気付いてないかもな。あいつバカだったし。
 
 金も顔も体も、俺達よりずっと持ってるやつがいくらでもいるんだろうな。

 願わくば――日野が悲しんだりしないようにと思う。
 
 これも、結局のところみんなが望んでるだろうけど。

――――――――――――――――――――――――


茜「は、恥ずかしながら、そのような機会に恵まれませんでしたので……!」モジモジ

P「そう、なのか?」ジュー

茜「――そうです! ああ隠しはしないさー! 私日野茜に『コイバナ特集』などスクワット700回に匹敵する苦行です! せめて5……いえ600回くらいに!!」マッカ

P(600回できるんだ)ジュー

茜「うぅ~、不覚でした……! 焼肉を頂けるからとノコノコ付いてきたら、まさか私の不得手な方面のお仕事をもたらされるとは……!」モグモグ

P「――白米は?」ジュー

茜「O・O・O」(大盛りおかわりお願いします!)シュバッ

茜「ごっくん……は! つい部活時代のクセが……」モキュモキュ



茜「はふぅ……むぅ、プロデューサーにここまで言われてしまったら、私も女です! お肉も沢山頂いてしまいましたし……」

P「その言葉が聞きたかった……いやあ、気持ちよいくらいの食べっぷりだったな」ナデナデ

茜「はぅん……で……でも、ホントにないんですよ? 同級生に誘われたことも、でで、で……デートに誘われた経験も」モジモジ

P(……本人が気付いてないだけ、な気がするけど)

茜「あ、でも、その…………Pさんとなら、その、ご存知の通り」チラッ

P「……それしかないってことか」

茜「…………も、申し訳、ありません。経験がなく……っ?!」ギュッ

P「――つまり俺は、茜を独り占めしてるってことでいいんだな?」ギュー

茜「はい……はいっ! ああっ、身体が熱いです! 燃えちゃいそうです! わた……んんっ、ちゅ……」ギュー

――――――――――――――――――――――――


茜「ああっ、Pさ、は……んんんんぅ!!」ビクッ

茜(焼肉ので、デートは、そうとう深い仲の男女が行うものだとか……! し、知らないことばかりです……)

こちゅっ、ちゅんっ、ちゅぷ……っ、クチュッ、ちゅ……ぅ、

茜「はふん、ん、んちゅっ、ん……っ! あんっ、んあ、す、すき、れしゅ、ちゅ……ちゅぅ!」

茜(あの、マネージャー時代に見た筋肉を思い返しても……やっぱり、Pさんでしか、こういう胸の高鳴りは……この方でしか)ギュウッ

とちゅっ、ずちゅっ、とちゅっ、こちゅっ、ぷちゅ……

茜「あ、アッ! や、はずか……か、かわいいなんて、いまいわれたら、アッ、ああっ!」ギュー

茜(カラダ、ちっちゃいから、全部Pさんに抱き締められちゃいます……それに、おなかのおくまでトントンってノックされて……!)

さすっ、しゅるっ、なでなで、なでなで……

茜「お、おなかなでちゃ、らめぇ……! たべたばっかりで、はずかし……アンッ!! やらぁ、らめっれしゅ、んちゅう! ちゅぱ……」ヒクヒク

茜(キス、きもちいい……舌が、絡め取られて、にちゃにちゃって、知らなかった感覚……すきっ、Pさん……っ)

ぱちゅん! ぱちゅん! ちゅ……ぷちゅっぷちゅっぷちゅっぷぢゅっぷ!

茜「あ、すきっ、Pさんすきれすっ、すきっあむんっんっあえろっ、はぁむっんっンッンッン……ん~~~ッ!」ブルッブルッ!

びゅくっ、びゅるるっ、びゅーぷっ、びゅ…………

茜「ンンン~ッ! んあっ、はぁっ、あああっ!! あちゅっ、んちゅっ、ん……」ビクッ 

茜(アツい……おなかの中、まぐまみたいにグツグツして、あ、あ、あかちゃんのへやまで、トロトロって溶けちゃいそう……!)

茜「……き、だいすき……Pさん、わたし、だいすきです……んっ、あ、ナカ、アツい……んちゅっ、んっ、んちゅっ、ちゅ……ぅ」


どぷ…………ぅ、ご…………ぷ、

――ちゅー、ください、もっと、ちゅ、んちゅっ、あぇろっ、れろぉ…………

これでおしまいです。
お付き合いいただきありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月09日 (土) 17:42:20   ID: yNnuBoNO

いつもアイドルとPのいちゃいちゃは
見慣れてる筈なんだけど、何で今回はPが悪者に見えんのかなぁ…
良作って事なんだろうなぁ…

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