【ガルパン】優花里「七不思議ですか?」 (29)

沙織「そう。なんか流行ってるんだって」

みほ「へぇ。そんなのあったんだ」

華「初耳です」

沙織「誰もいないのになるピアノとか、足を探してさまよう生徒とか、3階の女子トイレから聞こえる女の子の泣き声とか」

優花里「確かその他にも体育館の足音とか、笑う肖像画とかもありましたよね」

みほ「優花里さんは知ってたんだ」

優花里「はい。結構有名ですよ。オカルト同好会がまとめた同人誌もあるくらいで」

華「まぁ、そうだったんですか」

沙織「もう、華生徒会長になるんだからちゃんと知っといてよ!」



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麻子「やめよう」

沙織「え?」

麻子「この話はもうやめよう」

優花里「どうしたんです?冷泉殿」

麻子「ほら、今年の戦車道の活躍を演劇部が劇にしたいって言う話があっただろう?その話にしよう」

沙織「そっか、麻子おばけ苦手だもんね」

華「そういえば、沙織さんを探すときにそんなことをおっしゃっていましたね」

麻子「そうだ。だからこの話は

沙織「やめないよ」

麻子「何故だ!?」

みほ「さ、沙織さん。麻子さんがかわいそうだよ」

沙織「いや、理由もなく話を振ったわけじゃなくってね」

華「理由ですか?」

沙織「うん。ここ最近噂を確かめようと夜中に学校に忍び込む生徒が増えてるんだって」

みほ「それは大変だね」

沙織「うん。だから、生徒に注意を呼びかけるためにも見回りをしようと思って」

優花里「そんなこと言って実は武部殿が噂の真相を確かめたいだけとかじゃないですよね?」

沙織「ぎくぅ!」

麻子「そんなつまらないことに巻き込むな。バカバカしい」

沙織「それで、早速調査をしたいんだけど」

麻子「わたしは帰るぞ」

沙織「うん、麻子はそう言うと思ったから」

みほ「思ったから?」

沙織「ねぇ麻子、外見てよ」

麻子「......真っ暗だな」

沙織「七不思議の一つにね、校門に佇む人影っていうのがあって、夜暗くなって帰ろうとすると、校門に見知らぬ女生徒が立ってて」

麻子「待て、沙織。やめろ」

沙織「で、気になって女生徒に『どうしたの?』声をかけると、女生徒が無言でこっちを見るの」

麻子「やめろ、やめてくれ.....」

沙織「その女の子、顔がなかったんだって......」

麻子「ひぃっ!!」

優花里「確かそれ、声をかけずに通り過ぎようとすると、肩を掴まれて『どおして?』って言われるんですよね」

沙織「それで、外暗いけど一人で帰れる?」

麻子「」

麻子「恨んでやる。一生恨んでやる」

みほ「麻子さん大丈夫?」

麻子「大丈夫じゃない!」

華「それにしても夜の学校って不気味ですね」

優花里「電気がついててもちょっと怖いですよね」

みほ「うん。わたしも苦手だなぁ。こういう雰囲気」

沙織「みぽりん、手繋ぐ?」

麻子「待て、沙織。手を離すな」

沙織「いや、麻子が掴んでるのわたしの肩だし」

優花里「では西住殿!わたしとつなぎましょう!」

みほ「うん、そうしよっか」

華「では、私も」

みほ「えへへ、二人と手を繋いでると不思議と怖くないね」

みほ「そういえば、七不思議ってどんなのがあるの?」

麻子「沙織、わたしの耳を塞いでくれ!」

沙織「いいけど、歩きづらくなるし自分で塞ぎなよ」

麻子「無理だ。手は二本しかない」

優花里「あー、自分で耳塞ぐと武部殿から離れてしまいますもんね」

華「七不思議と言うと、走る人体模型なんかが定番ですよね」

優花里「そうですね。でも、ウチの学校には人体模型の怪談はなかったはずですよ」

沙織「同じ定番の誰もいないのに音がなるピアノはあるのにね」

麻子「聞こえない聞こえない」(沙織と腕を組んで自分で耳を塞いでいる)

優花里「あと定番ですが、7つ目の不思議は誰も知らなくて、知ってしまうと呪いで死んでしまうとか」

みほ「それは怖いかなぁ」

華「考えるのが面倒だったんでしょうか?」

沙織「もう、華!」

麻子「怖くない怖くない。おばけなんて嘘だ」

優花里「そもそも、人によって同じ七不思議でも内容が違ったりしてますし」

みほ「そうなの?」

優花里「はい、例えば、肖像画の話だと目が光ったり光らなかったり、初代理事長の肖像画だったり、図書室や音楽室の偉人だったりバリエーション豊かで」

優花里「そうそう、あとは足を探す女生徒はテケテケっていう妖怪だったり、病気や事故で足をなくしたとか、その理由も様々で......あ、ちょっとメモ出しますね」

優花里「他には.....あ、体育館の足音も複数だったり、一人分だったり、白い影が窓から見えたり見えなかったり、声が聞こえるとか聞こえないとか、あとさっきの校門の人影も......」

優花里「あれ?西住殿?武部殿?冷泉殿?五十鈴殿?」

優花里「......はぐれてしまいました。いつの間に」

優花里「西住殿ぉーっ!」

優花里「武部殿ぉーっ!」

優花里「冷泉殿ぉーっ!」

優花里「五十鈴殿ぉーっ!」

優花里「変ですね。さっきまで一緒だったからそんなに離れた場所にいるわけないのですが」

優花里「西住殿ぉーっ!武部殿ぉーっ!」

フッ

優花里「ひっ!急に電気が.....て、停電?」

優花里「か、懐中電灯は普段から持ち歩いていますから平気ですが.....なぜ急に.....」

優花里「冷泉殿ぉーっ!五十鈴殿ぉーっ!」

優花里「こ、これは心細い......」

優花里「武部殿のイタズラ?....いや、さすがにその可能性は.....ターゲットは冷泉殿になるはずで.....」

優花里「とにかく、一度生徒会室に戻って......」

......りー.......

ゆかりーん.......

優花里「この声は、武部殿?」

誰かー.......けてー.......

.........タスケテー

優花里「武部殿?!」

タスケテー!タスケテー!

優花里「武部殿!声は.....こっちの教室からっ!」

優花里「武部殿ぉーっ!」ガララララ

沙織(上半身)「ゆかりん!たす

優花里「ぎゃぁあああああああああああ!!!!」

優花里「武部殿がっ!武部殿が上半身だけにっ!」

優花里「はぁ、はぁっ、お、思わず逃げてしまいましたが一体どうして.....」

スゥッ

優花里「ヒィッ!か、懐中電灯が......どうして、ちゃんと電池は入って......」

優花里「こ、ここって確か理事長の肖像画が.....」

優花里「あ、懐中電灯点いた.....」

肖像画「(にっこり)」

優花里「うわぁああああああああああああっっっ!!!!」

優花里「ひ、ぐすっ、どうして、どうしてこんばめに......」

~♪~~?~~~?

優花里「この音は.....ピアノ?」

ヤーッテヤルヤーッテヤルヤーッテヤルゼ♪

優花里「この歌は!間違いなく西住殿!!」

優花里「西住殿ぉーっ!」ガララララ

優花里「.......え?誰も、いない?」

ユカリサー......バタッドン

優花里「な、なんの音?」

ベートーベン「ユカリサーン」目玉キラリ

優花里「ひやぁぁああああああああああああああ!!!!」

優花里「うぅ、どうして、西住殿ぉ......」

ドドドド

優花里「あ、足音?体育館の方から.......」

優花里「こ、こんな時間に一体誰が.....」

優花里「......あ、懐中電灯がまた」

優花里「えい、この、ポンコツ.....これだからアメリカ製は......」

優花里「だ、誰かーっ!いるんですか?誰かーっ!」

ドドド......シーン

優花里「......え?」

白い丸い影「(テン、テン、テン、コロコロ......)」

優花里「あにゃぁあああああああああああああああ!!!!」

優花里「くそっ、誰だよ七不思議がどうとか言い出したの.....ひぐっ、ひぐっ、ゼクシィ燃やしてやる.......」

優花里「懐中電灯も仕事しろよ。何が軍用高性能だ肝心な時に.....」

優花里「........毒を吐いても仕方ないし、生徒会室に、生徒会室に戻りましょう。あそこは安全です。なぜかお札が貼ってあった記憶が......」

優花里「なんでお札が貼ってあるんですかね?!(キレ気味」

.....かりーん

ゆかりーん

優花里「こ、この声は、武部殿っ!」

優花里「武部殿ぉーっ!」つるっ

優花里「あ、懐中電灯がっ!」

ゆかりー.....ドテッ!イタタタ.....

パッ(懐中電灯復活)

沙織(顔ライトアップ)「ゆかりーん」

優花里「びやばあああああああああああああ!!!!」

優花里「もうだめ、むり、おうちかえるぅ!」(号泣)

優花里「暗いよぉ怖いよぉ、助けて西住殿ぉ!」

優花里「下駄箱、暗い、わだしの靴箱どこー?」

優花里「.......あった。ごめんなざい、限界です。先に帰りまずぅ!」

優花里「あれ?校門のところ、こんな時間に誰か......」

???「.......」くるっ

優花里「お"ぉ"ぉ"ぉ"っ!のっぺらぼぉぉおおおおおおお!!!!!!!」

優花里「ぐっ、ひ、ぐす、ぐすっ......誰ですか本当にもうこんな、夜中に、学校に、残ってるのは、おばけ、ですか、そう、ですか、戦車で、ふっと、ひぐっ、吹っ飛ばしてやる.....ふぇえん」

優花里「くそっ、もう、こんな時に、トイレ行きたく......それもこれも武部殿が......でも武部殿足が.....どうして........」

ぐすっ、ぐすっ、沙織のばかぁ

優花里「こ、この声は、冷泉殿?一体どこに.......?」

うぅっ、沙織ぃ......早く来てくれ......

優花里「こちらから?.......冷泉殿?」

秋山さん?秋山さんなのか?

優花里「!?冷泉殿!!」

優花里(トイレの中から冷泉殿の声がっ!)

うぅ、ぐす、さみしかった、こわかったぁ、うえーん

優花里「やった!たすかっ......」

優花里(あれ、ここって確か三階の.....)

麻子(前髪で顔が隠れている)「あきやまさぁん」

優花里「いやぁああああああああああああああ!!!!!」

みほ「優花里さん!!」

沙織「ゆかりん!?」

華「優花里さん?!」

優花里「ああああああああぁ!!!!」

優花里「.........あ」

華「!」すんすん

沙織「ゆかりん!今電気つけるから!」

みほ「優花里さん落ち着いて!」

華「っ!優花里さんごめんなさい!!」ザバーッ

優花里「うわぷっ、水?!」

パッ

みほ「あ、電気ついた.....」

優花里(真っ赤)「に"し"ずみ"殿ぉ"」(大泣)

全員「「「「きゃあああああああああああ!!!!!」」」」

優花里「それじゃあ、今回わたしが見たのは幽霊でもなんでもなく......」

みほ「う、うん。全部わたしたちかな?」

沙織「ごめんねゆかりん。怖い思いさせちゃったみたいで」

優花里「本当に怖かったんですからね!」

麻子「そうだぞ沙織。沙織が変なことを考えるからこんなことになったんだ」

沙織「う、反省してます....。でも、きっかけは麻子だったじゃん!」

優花里「そうなんですか?」

華「それでは、最初から何があったのか、整理して行きましょうか」

~廊下にて~
優花里「病気や事故で足を....」

麻子「もう無理だやっぱり帰る!」

沙織「ちょ、ちょっと麻子待って!」

優花里「......あ、ちょっとメモ出しますね」

みほ「あ、待って優花里さ.....沙織さん、麻子さんどこ行くの?!」

華「そちらは逆方向ですよ」

麻子「帰る!帰るぞ!」

沙織「ちょっと麻子待って」

みほ「ゆ、優花里さんもストップ!って、優花里さーん?」

華「角を曲がってしまったみたいです」

麻子「いーやーだー!かーえーるー!」

沙織「分かった!分かったから!みぽりん、ゆかりん呼んできて!」

みほ「う、うん!」

みほ「あれ?こっちにいない」

華「階段を降りたのでしょうか?」

優花里「.....殿ぉーっ!ぉーっ!五十鈴殿ぉーっ!」

みほ「あ、上から声が」

フッ

みほ「きゃっ!」

華「停電、でしょうか?」

~その頃~

杏「やばっ、ブレーカー落ちたっぽいね」

桃「会長、調理実習室だけでなく全校停電したようです」

柚子「アンペア足りてるはずなんだけど.....」

沙織「麻子ーっ?どこ行ったの?麻子ーっ?」

沙織「急に電気消えちゃうし、麻子は驚いて走って行っちゃうし.....」

沙織「あれ?ここって演劇部の.....すごい!Ⅳ号だ!へぇ、セットでここまで再現できるんだ」

沙織「......ちょっとだけ」

沙織「モテモテ作戦です!パンツァーフォー!」

沙織「なんちゃって。さて、麻子を探さないと.....あれ?抜けない、やだもー!」

沙織「誰かー!麻子ーっ!みぽりーん!ゆかりーん!華ー!」

沙織「誰かー!助けてー!」

沙織「おーい!助けてー!助けてー!」

優花里「武部殿ぉーっ!」ガララララ

沙織(上半身)「ゆかりん!たす

優花里「ぎゃぁあああああああああああ!!!!」

沙織「あ、ちょっとゆかりん!」ズルっ

ドスン

沙織「イタタタ、良かった。抜けた」



~音楽室~
みほ「どうしよう、みんなとはぐれちゃった......」

みほ「音楽室ってなんで音楽家の肖像画が並んでるんだろ」

ベートーベン「(目が光る)」

みほ「きゃあ!」

みほ「.....って、よく見たら目に画鋲が。誰がこんなイタズラを.....」

みほ「隣は.....音楽準備室かぁ。楽器がいっぱい」

みほ「あ、ピアノオルガンだ!小学生の頃教室でよく弾いたっけ」

みほ「まだ弾けるかなぁ?」

みほ「ヤーッテヤルヤーッテヤルヤーッテヤルゼ♪」

優花里「西住殿ぉーっ!」ガララララ

みほ「あ、優花里さん。隣の部屋に」

優花里「.......え?誰も、いない?」

みほ「優花里さー、きゃっ!」

バタッドン

優花里「な、なんの音?」

みほ「転んじゃった......優花里さーん!」

優花里「ひやぁぁああああああああああああああ!!!!」

みほ「へ?優花里さん?!」


~体育館~
典子「暗くても根性だ!」

あけび「そーれっ!」

忍「いいのかなぁ......」

妙子「最近噂になってるらしいもんね」

優花里「だ、誰かーっ!いるんですか?誰かーっ!」

典子「ヤバい、隠れろ!」

ドドド......シーン

優花里「......え?」

妙子「あ、ボールが」

バレーボール「(テン、テン、テン、コロコロ......)」

優花里「あにゃぁあああああああああああああああ!!!!」

忍「この声、秋山さん?」

あけび「どっかに走って行ったみたいだけど」

典子「今だ!逃げるぞ!」

みほ「優花里さーん、って、あれ?磯辺さん?!」

忍「あちゃー」

優花里「体育館を使ってたのはバレー部の人達だったんですね」

典子「いやぁ、夜なら誰もいないからと思って」

みほ「そのあと、華さんと合流してた沙織さんにあって......」

沙織「すぐにゆかりんを見つけたから声かけたんだけど転んじゃって」

華「そのあと優花里さん、走って逃げてしまいましたので」

優花里「その後トイレで冷泉殿と会ったわけですね」

麻子「携帯で居場所を伝えたのに来るのがやけに遅かったのはそういう訳だったのか」

優花里「あとは肖像画のことですが.....」

杏「あの肖像画、最初から笑ってるよね」

優花里「なぜ角谷殿達がここに?」

沙織「こっそりあんこう鍋作りにきてたんだって」

杏「いやぁ、いろいろ揃ってたからさぁ」

華「うふふ、もんじゃ焼きも美味しかったです」

みほ「華さん一緒に食べてたんだね.....」

優花里「しかし、安心しました」

華「幽霊の正体見たり枯れ尾花、ですね」

みほ「でも、校門の人影って誰だったんだろう?」

優花里「え?西住殿じゃなかったんですか?髪の長さでてっきり.....」

麻子「え?」

沙織「そ、それじゃあ校門の人影って.......」

全員「いやああああああああああ」

~校門~

梓「西住隊長遅いなぁ」

END

終わりです。HTML出してきます。

華さんが秋山殿に水ぶっかけた理由は.....察してください。
水が赤かったのは偶然トイレにあった水が演劇部がセットの塗装に使った絵の具を溶かした残りだったから、を入れるの忘れてた.....

恐怖で泣いてる女の子は可愛いと思います。可愛いよね!

~おまけ~(停電の真相)

ミカ「今日は大洗女子にやってきたよ」ポロローン♪

アキ「それじゃ、さっそく」

ブレーカーオフ!

ミッコ「食事を分けてもらおう!」

ミカ「.......行くぞ!」ズンチャズンチャズンチャズンチャズンチャズンチャタンタン♪

以下愉快な食料調達(BGM:サッキヤルヴェンポルカ)

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