女『○×ラジオの時間です』男「……」(33)

MC『今週も始まりました毎度おなじみ私こと、MCでーす』

女『はじめましてー、女です』

MC『どうもー、今日からよろしくね〜』

女『こちらこそよろしく、って言ってもラジオ以外でも普通に話してるから変な感じ(笑』

MC『ところで女ちゃん』

女『はい?』

MC『今回、せっかくカワイイ女の子が揃ったので〜、女の子らしいことを喋りたいのですよっ』

女『おぉ、良いですね』

MC『でしょ!? ということで……理想のタイプ〜!!』

男「っ!!??」

女『え、えー……』

MC『なんだよ、そのはんのー』

女『り、理想のタイプ……』

MC『あります?』

女『……あれですね、年上のかたが良いです』

MC『理想っつーか、現実的!』

女『まあ、敢えて言えば精神年齢が自分より年上が良いかな』

MC『あー、世話焼きだもんね』

女『そうなんですよ。嫌なんですよね、恋人なのにお母さんみたいになっちゃうの。頼れる人の方が良いです』

男「…………相変わらずだな、お前。年上、……年上かあ…………」

男「精神的にも……はあ…………」

MC『実は今回、収録風景を撮影してるんですよー』

女『そうなんですよ、この後、ぜひ動画サイトにて○×ラジオと検索してくださーい』

男「ふむ…………」

カタカタカタカタ

男「あった。って、顔変わった? いや痩せた? いや、んー……可愛くなった?」

男「…………何言ってんだ…………」

男「ていうかサムネじゃ分からんかったけど、クマひでーな。ちゃんと寝てるのかよ」

男「こうして動画で見ると思ったより顔変わらんな、懐かしい」

男「いやしかし…………胸元開きすぎだろ…………」

男「…………なにしてんだ俺…………」

心が折れた

ラジオ聞いてるとニヤニヤとゾクゾクと体の震えが止まらないから無理
これはドルオタを馬鹿に出来ない助けて

そんな>>1が心穏やかに聴けそうな番組のご案内

つ『ラジオ深夜便』NHKラジオ第1(23:15~5:00)・NHK-FM(1:00~5:00)

>>7
すまん、普段はラジオなんて聞かないんだ
こういう形で心がえぐられるとは思ってなかったんだ

MC『それではまた来週~』

男「最後まできいてしまった」

男「はぁ…………………もう寝よう。明日は1限からだし」

ピンポーン

男「なんだよ、こんな時間に。居留守してやる」

ピンポーン

男「諦めよ」

ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン

男「わかったよ!開ければいいんでしょ!」

ガチャ
男「どなたですか?」

女「おひさ。申し訳ないんだけど暫く泊まって良い?」

男「」

女「おーい、男さんや大丈夫かい?」

男「なんでここにいるんだ。さっきまでラジオ……」

女「あー聴いてくれたんだ。ありがとう!でもあれ録音だし」

男「生放送じゃないのか。てっ違う。そうじゃない。なんで俺の住所知ってるんだよ」

女「普通に男母さんから聞いたの。男君と連絡取りたいんだけどって聞いたら住所まで付けてくれた」

男「母さんめ……」

女「とりあえず寒いから家に入れさせてくださいな」

男「あ、あぁ」

女「おじゃましまーす」

女「ほうほう。きれいになってるではありませんかー。男性の部屋なんて初めてだから基準がないけど」

男「実家の時、来てたじゃないか。お茶でいいか?」

女「あれは男母さんが綺麗にしてたしノーカンでしょ。ありがとうー」

女「ん、ふぅー暖まる」

男「それで、俺のところに来たんだ?」

女「さっき言ったとおりだよ。しばらく泊まらせて欲しいの」

男「聞き間違いじゃなかったか……」

女「残念ながらねー」

男「はぁーそれで、なんでしばらく泊まりたいの?」

女「率直に言うとストーカー被害にあってるの。既に住所がバレてる」

男「警察は?」

女「もう相談した。まだ実質的な被害がないから大きく動けないんだって。せいぜい巡回を強化することくらいしか出来ないって」

男「そうか……」

女「引っ越すことも考えたんだけど、女一人でってなるとストーカーにバレたときそれこそあぶない。このまま実家だと家族が襲われることを考えると嫌だ。んで、信頼があって若い男で反撃出来そうな人ってなると男しか居なかったの。それで今に至る」

男「な、なるほど」

女「身勝手なお願いだって分かってます。だけどお願いします」

男「……………………わかった」

女「ほんと!ありがとう!」

男「こんな展開考えてなかったよ」

女「そうだよねー私も考えてなかったよ」

男「提案した本人が何を言っている」

女「あははーまあとりあえずよろしくね!」

男「こちらこそよろしく」

あとだれかよろしく

男「あのさあ」

女「なんだ?」

男「……楽しいのか、女優」

女「女優って、改めて言われるとムズムズするなあ。ヒヨコどころか孵化するかも分からない卵だよ」

男「そんなのは別に良いんだよ。どうなんだ、実際」

女「楽しいよ、そりゃあ」

男「……そりゃ、そう答えるよな。お前なら」

女「なに、疑ってるの?」

男「疑ってねーよ」

男(……お前が嘘をついてると感じたことなんて一度もねーよ)

女「じゃあなんでわざわざ聞いたのさ」

男「念のためだよ、念のため」

女「相変わらず変なやつだな、男は」

男「女に言われたくねー」

女「そりゃあ変な人にとって見れば、私みたいな普通の人は変に見えるよね。うんうん、仕方ないね」

男「……っふは」

女「ん?」

男「はは、変わらんなあ。本当に」

女「男も変わってなさそうでお姉さんは心配だよ」

男「はいはい、言ってろ言ってろ。つーか、なんだお姉さんって」

女「生まれが半年も違えば十分、私のほうがお姉さんだろ」

男(いや、その理屈はおかしい。……って掘り下げても仕方ないか)

男「ストーカーとか言ってた割には元気そうで安心したよ」

女「私がストーカー程度で凹むとか思ったのか?」

男「……ないな。どっちかって言うと、ストーカーの身の安全を心配する」

男「しかし、ストーカーに遭うなんて女優らしいんじゃないか」

女「嫌味か? 嫌味なのか?」

男「熱心なファンに追われてるんじゃないのか」

女「駆け出し私にそんなファンがいると思ってるのか。私のフォロワー数を知らんな?」

男「1万くらい?」

女「聞いて驚け。最近やっと500を超えた」

男「……ちょっと友達の多い大学生とかそれくらいフォロワーいるよな」

女「実際ほとんどが学生時代の友達とか、同業の人だからね。良いんだよ、人気が欲しくてやってるんじゃないし」

男「良く分からんが、人気がなくて食ってけるって世界じゃないだろ……」

女「うっ」

男「相変わらず人に媚びを売るのが下手というか、気に食わないことに食ってかかってるんじゃねーの」

女「間違ったことはしてない」

男「……昔さあ」

女「ん?」

男「同じ学年の不良に食ってかかったことがあったろ」

女「あったかな」

男「あったんだよ。お前は平気そうだったから忘れたかもしれんが、俺は胃が捻れるかと思ったんだからな」

女「どうして男がそれを知ってるんだよ」

男「そもそも俺がアイツにからかわれてるトコロに、お前が割って入ってきたんだろうが」

女「はー、そんなことが。男、女々しすぎじゃない?」

男「……否定できんが、お前は女らしさが足りん」

女「あっはっはー、怒るぞー?」

男「いてえ、やめろ、腕を捻るな!」

男「……昔話はともかく、どうせ似た感じでなにかしたんだろ」

女「ちょっとしつこいナンパをされてる人がいたから懲らしめてやった、かな」

男「はー……、バカ。バカだろ、お前」

男「少しは大人になれっての。いつまで子供みたいにいい子ぶってるつもりだよ」

女「いやいや、悪いものを悪いと言って何が悪いのさ」

男「世の中、理屈だけで動いてる奴なんてほとんどいねーんだよ。そういう奴を理屈でねじ伏せたって軋轢を生むだけだろ」

女「理屈が通じないから放っておくなんてそれこそおかしい。理屈が通じるようになるまでねじ伏せるべきでしょ」

男「……」

女「なに、その顔」

男「いや、脳みそ筋肉かよって思って……」

女「……」

男「ギブ、ギブギブ!!」

女「あんまり騒がないでよ。近所の人に迷惑でしょ」

男「……どの口が……」

男「で、どーするんだ。お前にも非がある以上、そう簡単にストーカーが引くとも思えんが」

女「私に非はないと思う」

男「そこは今、議論の対象じゃありません」

女「なんで」

男「女がどう思っていようが、ストーカーがそう思ってるからだ」

女「むう……」

女「うーんどうしようかな。真正面から文句言いに来てくれるなら良いんだけどなあ」

男「その考えがこえーよ……」

女「困るよなあ、気づいたら後ろにいるとか、ゴミ袋荒らされるとか、よく分からん手紙が来るとか」

男(ゴミ袋の中身を知りたい)

女「男?」

男「え、あーはい、なんでしょう」

女「……まあ、今日は夜遅いし、寝ようか。布団は……押し入れの中か」

男「って、なに勝手に床に布団敷いてんの?」

女「え、だって寝るし」

男「いやいや、辞めてくれよ。ただでさえ疲れた顔してるお前を床に布団で寝かせるって、ないわ。ベッド使ってくれ」

女「でもそれじゃあ男が」

男「床で寝るとか、日常茶飯事だから。全っ然へーきだから」

女「……そっか。ありがと、じゃあお言葉に甘えるよ」

色々とありえないけど、もしまた話せたならきっと楽しいだろうなー

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